JPH11260290A - 陰極線管およびその製造方法 - Google Patents

陰極線管およびその製造方法

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JPH11260290A
JPH11260290A JP5956398A JP5956398A JPH11260290A JP H11260290 A JPH11260290 A JP H11260290A JP 5956398 A JP5956398 A JP 5956398A JP 5956398 A JP5956398 A JP 5956398A JP H11260290 A JPH11260290 A JP H11260290A
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JP
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plate
envelope
funnels
ray tube
side wall
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JP5956398A
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English (en)
Inventor
Takashi Enomoto
貴志 榎本
Koji Nishimura
孝司 西村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐電圧特性、真空気密特性の向上した陰極線管
およびその製造方法を提供する。 【解決手段】4つの角部が切欠かれた矩形状の板ガラス
30を成形して、側壁、リアプレート、複数のファンネ
ルを一体に有する後部外囲器を成形する。そして、後部
外囲器の側壁にフェースプレートを接合することにより
真空外囲器を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内面に蛍光体ス
クリーンが形成されたフェースプレートと、フェースプ
レートに対向したリアプレートと、リアプレートに取り
付けられた複数の電子銃とを備え、蛍光体スクリーンを
複数の領域に分けて走査する陰極線管、およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高品位放送あるいはこれにともな
う大画面をもつ高解像度の陰極線管に関する種々の検討
がなされている。一般に陰極線管の高解像度化を達成す
るためには、蛍光体スクリーン上での電子ビームのスポ
ット径を小さくしなければならない。
【0003】これに対して、従来より電子銃の電極構造
の改良あるいは電子銃自体の大口径化、伸長化などが図
られてきたが、未だ十分な成果が得られていない。これ
は、大型の陰極線管になるにしたがって、電子銃から蛍
光体スクリーンまでの距離が長くなり、電子レンズの倍
率が大きくなりすぎることが最大の原因である。したが
って高解像度を実現するためには、電子銃から蛍光体ス
クリーンまでの距離(奥行き)を短縮することが重要で
ある。また、電子ビームの偏向角を広角にすると、画面
中央と周辺との倍率差の増大をまねく。そのため、広角
偏向にすることは、高解像度化にとって得策ではない。
【0004】そこで、上記のような従来の陰極線管の問
題点を解決するものとして、例えば、特開平5−363
63号公報に開示されているように、フェースプレート
およびリアプレートを平坦に形成し、フェースプレート
の内面に形成された一体化構造の蛍光体スクリーンをリ
アプレートに取り付けられた複数の電子銃から出射され
た電子ビームにより、複数の領域に分割して走査する陰
極線管が開発されている。
【0005】詳細には、この種の陰極線管は、互いに平
行に対向した平坦なガラス製のフェースプレートおよび
リアプレートとを備え、フェースプレートの周縁部に
は、例えば、フリットガラス等の接合材を用いて、ガラ
ス製の側壁が接合され垂直に延在している。そして、リ
アプレートは側壁を介してフェースプレートに固定され
ている。リアプレートには、蛍光体スクリーンの分割走
査される複数の領域に対応して複数の矩形状の開口が形
成されている。また、リアプレートには、それぞれ開口
を囲むように複数のファンネルが接合材により固定さ
れ、各ファンネルのネック内に電子銃が封止されてい
る。
【0006】そして、複数の電子銃から出射された電子
ビームにより、フェースプレートの内面に形成された一
体構造の蛍光体スクリーンを複数個の領域に分割して走
査する。分割走査によって各領域に描かれた画像は、電
子銃や各電子銃に対応して装着された偏向装置に印加さ
れる信号を制御することにより繋がり、蛍光体スクリー
ンの全域に切れ目や重複のない画像を再生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように複数の電
子銃から出射される電子ビームにより蛍光休スクリーン
を複数個の領域に分割して走査する陰極線管において、
各領域のラスターを所定の大きさにして隣接領域間に切
れ目や重複がない画像を得るには、各電子銃の軸が対応
する領域の中心を通るように、電子銃を所定位置に正確
に配置しなければならない。
【0008】しかしながら、リアプレートに複数個のフ
ァンネルを接合する際、上記のように各ファンネルのネ
ック内に封止された電子銃の軸が各領域の中心を通るよ
うに高精度に接合することは容易ではなく、きわめて困
難である。更に、ガラス製リアプレートに複数個のファ
ンネルおよび側壁を接合材で固定しなければならず、こ
の接合部分が各部材の位置精度を低下させるとともに、
耐電圧特性、真空気密特性等の信頼性を低下させる原因
となる。
【0009】この発明は、以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、フェースプレートと対向するリアプレ
ートに複数個のファンネルが設けられ、各ファンネルの
ネック内に封止された複数個の電子銃から出射される電
子ビームにより、フェースプレートの内面の形成された
一体構造の蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して走
査する陰極線管において、複数個のファンネルを所定位
置に精度よく設置することができるとともに、耐電圧特
性、真空気密特性を向上可能な陰極線管およびその製造
方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る陰極線管は、内面に蛍光体スクリー
ンが形成された実質的に矩形状のフェースプレートと、
側壁を介して上記フェースプレートに対向配置された実
質的に矩形状のリアプレートと、上記リアプレートから
延出した複数のファンネルと、上記ファンネルからそれ
ぞれ延出した複数のネックと、を有する真空外囲器を備
え、上記ネック内に配置された複数個の電子銃から放出
される電子ビームにより上記蛍光体スクリーンを複数の
領域に分割して走査する陰極線管において、上記真空外
囲器は、4つの角部を切欠いた矩形状の板ガラスから一
体に成形されたリアプレートおよび側壁と、上記リアプ
レートに設けられた複数のファンネルと、を有する後部
外囲器を備え、上記フェースプレートは上記後部外囲器
の側壁に接合されていることを特徴としている。
【0011】また、この発明に係る他の陰極線管は、内
面に蛍光体スクリーンが形成された実質的に矩形状のフ
ェースプレートと、側壁を介して上記フェースプレート
に対向配置された実質的に矩形状のリアプレートと、上
記リアプレートから延出した複数のファンネルと、上記
ファンネルからそれぞれ延出した複数のネックと、を有
する真空外囲器を備え、上記ネック内に配置された複数
個の電子銃から放出される電子ビームにより上記蛍光体
スクリーンを複数の領域に分割して走査する陰極線管に
おいて、上記真空外囲器は、4つの角部を切欠いた矩形
状の板ガラスから一体に成形されたリアプレート、側
壁、および複数のファンネルを有する後部外囲器を備
え、上記フェースプレートは上記後部外囲器の側壁に接
合されていることを特徴としている。
【0012】また、この発明に係る陰極線管の製造方法
は、内面に蛍光体スクリーンが形成された実質的に矩形
状のフェースプレートと、側壁を介して上記フェースプ
レートに対向配置された実質的に矩形状のリアプレート
と、上記リアプレートから延出した複数のファンネル
と、上記ファンネルからそれぞれ延出した複数のネック
と、をする真空外囲器を備え、上記ネック内に配置され
た複数個の電子銃から放出される電子ビームにより上記
蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して走査する陰極
線管の製造方法において、4つの角部を切欠いた矩形状
の板ガラスからリアプレートおよび側壁を一体に成形す
る工程と、上記リアプレートに複数のファンネルを接合
して後部外囲器を形成する工程と、上記後部外囲器の側
壁にフェースプレートを接合する工程と、を備えたこと
を特徴としている。
【0013】この発明に係る他の製造方法は、内面に蛍
光体スクリーンが形成された実質的に矩形状のフェース
プレートと、側壁を介して上記フェースプレートに対向
配置された実質的に矩形状のリアプレートと、上記リア
プレートから延出した複数のファンネルと、上記ファン
ネルからそれぞれ延出した複数のネックと、をする真空
外囲器を備え、上記ネック内に配置された複数個の電子
銃から放出される電子ビームにより上記蛍光体スクリー
ンを複数の領域に分割して走査する陰極線管の製造方法
において、4つの角部を切欠いた矩形状の板ガラスから
リアプレート、側壁、および複数のファンネルを一体に
備えた後部外囲器を成形する工程と、上記後部外囲器の
側壁にフェースプレートを接合する工程と、を備えたこ
とを特徴としている。
【0014】上記陰極線管および製造方法によれば、単
一の板ガラスによってリアプレートおよび側壁を一体に
成形することにより、あるいは、リアプレート、複数の
ファンネル、および側壁を一体に成形することにより、
接合材による接合面が少なくなり、耐電圧、真空気密な
どの信頼性が大幅に向上し、接合に伴う材料、工数など
のコストも低減することができる。
【0015】また、矩形状の角部を切欠いた板ガラスか
ら側壁を成形することで、例えば側壁の高さが比較的高
い場合や厚いガラスを成形する場合においても、対角部
分のガラスが余って対角部分が厚肉化し、肉溜まりがで
きることがなく、更に、成形性が低下することがなくな
る。同時に、後部外囲器の側壁は、折り曲げに近い加工
となり、比較的低い温度での成形が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態に係る陰極線管ついて詳細に説明する。図1
および図2に示すように、陰極線管は真空外囲器7を備
え、この真空外囲器は、実質的に矩形状の平坦なガラス
製のフェースプレート1と、このフェースプレート1の
周縁部にほぼ垂直に延在する枠状の側壁2と、この側壁
2を介してフェースプレート1と平行に対向した実質的
に矩形状の平坦なガラス製のリアプレート3と、リアプ
レート3から延出した複数個のファンネル4と、を有し
ている。ファンネル4は、マトリックス状に並んで、例
えば、水平方向(X方向)に5個、垂直方向(Y方向)
に4個、計20個設けられている。
【0017】このような真空外囲器7は、フェースプレ
ート1と後部外囲器10とで構成されている。後部外囲
器10は、4つの角部を切欠いた矩形状の板ガラスから
成形され、側壁2、リアプレート3、ファンネル4が一
体となった構造物であり、フリットガラス等の接合材を
用いて側壁20とフェースプレート1とを接合すること
により、真空外囲器7が形成されている。
【0018】フェースプレート1の内面には、それぞれ
垂直方向Yに延び青、緑、赤に発光するストライプ状の
3色蛍光体層と、この3色蛍光体層間に設けられたブラ
ックストライプと、を有する一体構造の蛍光体スクリー
ン8が形成されている。
【0019】また、各ファンネル4のネック5内には、
蛍光体スクリーン8に向けて電子ビームを出射する電子
銃12が封止されている。更に、各ファンネルの外周に
は、偏向装置14が取り付けられている。
【0020】フェースプレート1とリアプレート3との
間には、真空外囲器7のフェースプレート1とリアプレ
ート3とに加わる大気圧荷重を支える複数個のプレート
支持部材16が配置されている。プレート支持部材16
は円柱形状の金属棒によって形成されている。各プレー
ト支持部材16の先端部はナイフエッジ状に形成され、
蛍光体スクリーン8のブラックストライプに当接してい
る。特に、各プレート支持部材16は、その先端が、後
述する蛍光体スクリーン8の隣接する走査領域の境界の
交点上に当接するように、配設されている。また、各プ
レート支持部材16の基端部は、リアプレート3内面の
所定位置に形成された基準面18に当接し、フリットガ
ラスにより固定されている。
【0021】このような構成のプレート支持部材16を
設けることにより、フェースプレート1、側壁2、リア
プレート3などをそれぞれ板厚4〜15mmのガラスで
構成しても十分な大気圧強度が得られ、真空外囲器7の
重量を大幅に低減できる。
【0022】上記のように構成された陰極線管におい
て、複数の電子銃12から出射される電子ビームを各フ
ァンネル4の外側に装着された偏向装置14の発生する
磁界により偏向し、蛍光体スクリーン8を複数個の領
域、図示例では水平方向に5個、垂直方向には4個、計
20個の領域R1〜R20に分割して走査する。そし
て、この分割走査によって蛍光体スクリーン8上に描か
れる画像は、電子銃12や偏向装置14に印加される信
号により繋がり、蛍光体スクリーン8の全面に切れ目や
重複のない1つの大きな画像を再生する。
【0023】次に、上記構成を有する陰極線管の製造方
法について説明する。まず、単一の板ガラスを成形して
側壁2、リアプレート3、および複数のファンネル4を
有する後部外囲器10を形成する。すなわち、図3
(a)、3(b)に示すように、4つの角部が矩形状に
切欠かれた矩形状の板ガラス30を用意し、この板ガラ
ス30を軟化点以上の温度に加熱する。なお、各切欠3
2は、側壁2の高さに対応した長さの辺を有する正方形
状に形成されている。
【0024】続いて、図3(a)に示す破線に沿って、
板ガラス30の各側縁部を矢印方向に折曲げる。図4
(a)は成形途中の状態を示す図であり、角部32は互
いに近づき、板ガラス30は4つの側壁2およびリアプ
レート3を形成し全体として箱形状となる。
【0025】また、上記成形と同時に、板ガラス30の
リアプレート3部分から漏斗状の複数のファンネル4を
成形する。図4(b)に示すように、成形終了時、各側
壁2部分はリアプレート3部分に対してほぼ直角に折曲
げられ、切欠32は閉じられて側壁の端部同志が完全に
溶着する。また、ファンネル4も完全に成形されて所定
の形状となる。
【0026】上記のような板ガラス30の高温成形は、
例えば、カーボン等の耐熱性、離型性に優れた材料から
なる治具を用いて行う。なお、成形後のファンネル4先
端部はガラス溜まりができるため、この部分をカットす
る。
【0027】次に、図5に示すように、リアプレート3
の内面の内、複数のプレート支持部材16が配置される
すべての部分が同一平面内に位置するように、これらの
部分を研磨し、平坦な凹状の基準面18を加工する。続
いて、各ファンネル4の先端部に、予めフレア状に加工
されたネック5を連結する。ファンネル4とネック5と
はバーナー加熱による溶着で連結する。これにより、後
部外囲器10が完成する。
【0028】続いて、治具を用いて複数のプレート支持
部材16をリアプレート3の基準面18に対して位置決
めし、フリットガラスの塗布、焼成によりプレート支持
部材16の基端を基準面18に固定する。また、複数の
ネック5内に電子銃12を封止する。更に、フェースプ
レート1の内面に蛍光体スクリーン8を形成した後、組
立治具を用いて、後部外囲器10とフェースプレートと
をフリットガラスの塗布、焼成により一体に接合して真
空外囲器7を形成する。その後、真空外囲器7を真空排
気し、陰極線管が完成する。
【0029】以上のように構成された陰極線管およびそ
の製造方法によれば、単一の板ガラスによってリアプレ
ート、複数のファンネル、および側壁を一体に備えた後
部外囲器10を成形することで接合材による接合面が少
なくなり、耐電圧、真空気密などの信頼性が大幅に向上
し、接合に伴う材料、工数などのコストも低減すること
ができる。
【0030】また、矩形状の角部を切欠いた板ガラスか
ら側壁2を成形することにより、例えば側壁の高さが比
較的高い場合や厚いガラスを成形する場合においても、
対角部分のガラスが余って対角部分が厚肉化し、肉溜ま
りができることがなく、更に、成形性が低下することが
なくなる。同時に、後部外囲器10の側壁2は、折り曲
げに近い加工となり、比較的低い温度での成形が可能と
なる。
【0031】また、真空外囲器7のリアプレート3と複
数のファンネル4とを一体に成形することにより、複数
のファンネル4を所定位置に高精度で設けることがで
き、最終的にファンネルの各ネック内に封止された電子
銃12の位置も正確に設定することができる。
【0032】また、画面を複数の領域に分割して表示す
る陰極線管において、各画面の繋ぎ目が分からないよう
にするためには、その条件の一つとして、実際に電子銃
から発射される電子ビームの軌道と、分割して表示され
る各領域の中心を通る軸(法線軸)とを一致させなけれ
ばならない。
【0033】電子ビームの軌道を正確に設定するには、
電子銃とネックとの関係、後部真空外囲器10とフェー
スプレート1(蛍光体スクリーン)との関係、複数のフ
ァンネル4の相互位置関係をすべて高精度に設定する必
要がある。
【0034】電子銃12とネック5との関係は、電子銃
をネックに封止する工程で、常温下でその位置を補正し
ながら行えるため精度は高く維持しやすい。後部真空外
囲器10とフェースプレート1とは、両部品の外形の一
部を基準位置(各3点)として焼成治具の基準パッドに
押し当て、フリットガラスで接合する方法を用いるた
め、比較的容易に高い精度を維持することができる。
【0035】複数のファンネル4の相互位置関係は、後
部外囲器10を構成する側壁2、リアプレート3、ファ
ンネル4の位置関係であり、本実施の形態では板ガラス
からファンネルを成形するのでファンネルの相対位置
は、上記成形に用いる成形型の精度で決まり、この精度
は通常の機械加工精度が維持できる。
【0036】また、この成形はガラスの軟化点以上の温
度で行われるのでガラスおよび成形型の熱膨張に起因す
る位置ずれが問題となるが、この原因による位置ずれは
成形温度によって一定であり管理もしやすく、このずれ
量を予め設計の盛り込むことができ、実用上問題になら
ない。各ファンネル4と後部外囲器10の基準位置との
関係は、側壁、リアプレー卜、ファンネルの成形後に基
準位置の研磨などの方法で補正が可能であり問題になら
ない。
【0037】更に、電子ビームの軌道は、電子ビームの
出射位置とその出射角度で決まり、出射位置は電子銃の
配置位置であり、出射角度は電子銃電極配列精度、外部
磁界など種々の影響を受ける。このように電子ビームは
電子銃の軸を所定位置に配置しても、電子ビームの軌道
が所定の軌道に合うとは限らない。そこで、従来より電
子ビームの軌道を所定の軌道に補正する方法として、リ
ング状のマグネットを用いて電子ビームの軌道を補正修
正している。したがって、このマグネットによる補正を
種々に組み合わせることで、電子ビームの軌道をある程
度補正できる。ここで重要なことは、この補正を過度に
使用すると電子ビーム形状の歪みを発生し、例えば高解
像度な画像を再生できなくなる。発明者らは、電子ビー
ムのビーム形状に影響が無く、比較的簡単にかつ精度よ
く補正を行うためには、電子銃の配置精度は概ね0.5
mm以下であることを見いだした。
【0038】電子銃の配置精度、すなわちファンネルの
位置出し精度が上記数値を満たすためには、本実施の形
態での成形型とガラス素材との熱膨張差に起因する位置
ずれ量が上記数値以下でなければならないが、実際の位
置ずれ量は0.05mm以下であり、本実施の形態によ
り、高い精度の真空外囲器を持つ陰極線管を製造するこ
とができる。
【0039】また、本実施の形態によれば、矩形状の板
ガラス30の角部を切欠いた素材からリアプレート3お
よび側壁2を成形していることから、成形後の各部分の
ガラス肉分布を均一化することができ、特に、角部のガ
ラス肉厚の均一化を図ることが可能となる。例えば、角
部の切欠きが無い板ガラスを用いて上述した方法で成形
(折り曲げ)を行うと、側壁2の両端部でガラスが相当
厚くなり、ガラスの肉溜まりができる。
【0040】この肉溜まりの大きさは、板ガラス30が
厚肉の場合や、側壁2の高さが高い場合に顕著であり、
成形自体が不能となったり、ガラス肉厚の急激な変化に
より、成形後に大きな加工歪みが残ったりすることがあ
る。
【0041】そして、後部外囲器10のガラス肉厚の均
一化により、ガラス成形の際にガラス肉の大きな移動を
伴わないため、成形しやすく、量産性に富んだ真空外囲
器を実現できる。また、この成形は板ガラスの折り曲げ
に近い成形であり、比較的低温での加工が可能となる。
【0042】なお、この発明は上述した実施の形態に限
定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能で
ある。例えば、上述した実施の形態では、角部に矩形状
の切欠32が形成された板ガラス30を用いて後部外囲
器を成形したが、切欠の形状は矩形に限らず必要に応じ
て変形可能である。
【0043】矩形状の切欠を形成する場合、レーザーカ
ットやウォータージェットカットなどの特殊な加工が必
要となるが、例えば、図6(a)のように、予め板ガラ
スの各角部に丸孔34を開け、これをカットすることに
より、比較的簡単に切欠32を加工することができる。
【0044】また、各切欠32は、図6(b)のよう
に、円弧形状35としても、あるいは、図6(c)に示
すように、斜めに切欠いた三角形状としてもよく、いず
れの場合も比較的用意に切欠を加工することができると
ともに、側壁2の加工性を大幅に向上させることができ
る。
【0045】上記実施の形態では、側壁2、リアプレー
ト3、および複数のファンネル4を単一の板ガラスで一
体に成形する構成としたが、ファンネルを除く、側壁2
およびリアプレート3のみを板ガラスで一体に成形し、
その後、ファンネルをリアプレートに接合する構成とし
てもよい。この場合においても、別体の側壁とリアプレ
ートとを接合する場合に比較して、接合材による接合面
が少なくなり、耐電圧、真空気密などの信頼性が大幅に
向上し、接合に伴う材料、工数などのコストも低減する
ことができる。同時に、角部が切欠かれた板ガラスを用
いることにより、均一な肉厚の側壁を用意に成形するこ
とができる。
【0046】上述した実施の形態では、ネック5とファ
ンネル4とを連結する際、ネックを予めフレアを加工し
てからバーナーでファンネルに溶着している。この方法
は、厚肉の板ガラスからファンネルを成形する場合や薄
肉のネックと溶着する場合に効果があるが、必ずしもフ
レアを付ける必要はなく、ファンネル、ネックの加工性
に鑑み自由に選択することできる。
【0047】また、上記実施の形態では、シャドウマス
クを持たない構造の陰極線管について説明したが、本発
明はシャドウマスクの有無に関係なく、あるいは、ビー
ムインデックスタイプ等の他の方式の陰極線管にも適用
することができる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る陰
極線管およびその製造方法によれば、単一の板ガラスに
よってリアプレートおよび側壁を一体に成形することで
接合材による接合面が少なくなり、耐電圧、真空気密な
どの信頼性が大幅に向上し、接合に伴う材料、工数など
のコストも低減することができる。
【0049】また、矩形状の角部を切欠いた板ガラスか
ら側壁を成形することで、例えば側壁の高さが比較的高
い場合や厚いガラスを成形する場合においても、対角部
分のガラスが余って対角部分が厚肉化し、肉溜まりがで
きることがなく、更に、成形性が低下することがなくな
る。同時に、後部外囲器の側壁は、折り曲げに近い加工
となり、比較的低い温度で成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る陰極線管を示す斜
視図。
【図2】図1の線A−Aに沿った断面図。
【図3】上記陰極線管における後部外囲器の成形に用い
る板ガラスを示す斜視図および切欠部分の平面図。
【図4】上記後部外囲器の製造工程を示す斜視図。
【図5】上記後部外囲器の製造工程を示す断面図。
【図6】板ガラスに形成された切欠の変形例を示す図。
【符号の説明】
1…フェースプレート 2…側壁 3…リアプレート 4…ファンネル 5…ネック 7…真空外囲器 8…蛍光体スクリーン 10…後部外囲器 12…電子銃 16…プレート支持部材 30…板ガラス 32…切欠

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面に蛍光体スクリーンが形成された実質
    的に矩形状のフェースプレートと、側壁を介して上記フ
    ェースプレートに対向配置された実質的に矩形状のリア
    プレートと、上記リアプレートから延出した複数のファ
    ンネルと、上記ファンネルからそれぞれ延出した複数の
    ネックと、を有する真空外囲器を備え、上記ネック内に
    配置された複数個の電子銃から放出される電子ビームに
    より上記蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して走査
    する陰極線管において、 上記真空外囲器は、4つの角部を切欠いた矩形状の板ガ
    ラスから一体に成形されたリアプレートおよび側壁と、
    上記リアプレートに設けられた複数のファンネルと、を
    有する後部外囲器を備え、上記フェースプレートは上記
    後部外囲器の側壁に接合されていることを特徴とする陰
    極線管。
  2. 【請求項2】内面に蛍光体スクリーンが形成された実質
    的に矩形状のフェースプレートと、側壁を介して上記フ
    ェースプレートに対向配置された実質的に矩形状のリア
    プレートと、上記リアプレートから延出した複数のファ
    ンネルと、上記ファンネルからそれぞれ延出した複数の
    ネックと、を有する真空外囲器を備え、上記ネック内に
    配置された複数個の電子銃から放出される電子ビームに
    より上記蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して走査
    する陰極線管において、 上記真空外囲器は、4つの角部を切欠いた矩形状の板ガ
    ラスから一体に成形されリアプレート、側壁、および複
    数のファンネルを有する後部外囲器を備え、上記フェー
    スプレートは上記後部外囲器の側壁に接合されているこ
    とを特徴とする陰極線管。
  3. 【請求項3】内面に蛍光体スクリーンが形成された実質
    的に矩形状のフェースプレートと、側壁を介して上記フ
    ェースプレートに対向配置された実質的に矩形状のリア
    プレートと、上記リアプレートから延出した複数のファ
    ンネルと、上記ファンネルからそれぞれ延出した複数の
    ネックと、を有するする真空外囲器を備え、上記ネック
    内に配置された複数個の電子銃から放出される電子ビー
    ムにより上記蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して
    走査する陰極線管の製造方法において、 4つの角部を切欠いた矩形状の板ガラスからリアプレー
    トおよび側壁を一体に成形する工程と、 上記リアプレートに複数のファンネルを接合して後部外
    囲器を形成する工程と、 上記後部外囲器の側壁にフェースプレートを接合する工
    程と、 を備えたことを特徴とする陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】内面に蛍光体スクリーンが形成された実質
    的に矩形状のフェースプレートと、側壁を介して上記フ
    ェースプレートに対向配置された実質的に矩形状のリア
    プレートと、上記リアプレートから延出した複数のファ
    ンネルと、上記ファンネルからそれぞれ延出した複数の
    ネックと、を有する真空外囲器を備え、上記ネック内に
    配置された複数個の電子銃から放出される電子ビームに
    より上記蛍光体スクリーンを複数の領域に分割して走査
    する陰極線管の製造方法において、 4つの角部を切欠いた矩形状の板ガラスから上記リアプ
    レート、側壁、および複数のファンネルを一体に備えた
    後部外囲器を成形する工程と、 上記後部外囲器の側壁にフェースプレートを接合する工
    程と、 を備えたことを特徴とする陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】4つの角部をそれぞれ矩形状に切欠いた板
    ガラスを用いて成形することを特徴とする請求項3叉は
    4に記載の陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】4つの角部をそれぞれ円弧状に切欠いた板
    ガラスを用いて成形することを特徴とする請求項3叉は
    4に記載の陰極線管の製造方法。
  7. 【請求項7】4つの角部をそれぞれ斜めに切欠いた板ガ
    ラスを用いて成形することを特徴とする請求項3叉は4
    に記載の陰極線管の製造方法。
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