JPH112594A - 分析試料調整装置 - Google Patents

分析試料調整装置

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JPH112594A
JPH112594A JP9156463A JP15646397A JPH112594A JP H112594 A JPH112594 A JP H112594A JP 9156463 A JP9156463 A JP 9156463A JP 15646397 A JP15646397 A JP 15646397A JP H112594 A JPH112594 A JP H112594A
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秀雄 圓山
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久生 森下
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邦正 高橋
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一郎 川畑
Masatsugu Nagashima
正嗣 永島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動分析システムにおけるライン試料の自動調
整装置を兼用して、標準試料をも分析用に自動加工して
調整することのできる分析試料調整装置を提供する。 【解決手段】ライン試料9を加工する加工機49,50
と、ライン試料9を把持部41で把持して移動し、加工
機49,50で加工させる移動装置37と、把持部41
の高さ位置を検出する高さ検出器と、標準試料7を載置
させる高さ測定台54と、移動装置37に装着されて移
動し、高さ測定台54に載置された標準試料7の上面に
当接して標準試料7の高さを測定する高さ測定器42
と、移動装置37を制御して把持部41で標準試料7を
把持して加工機49,50で加工させたのち、高さ測定
台54上に戻す標準試料加工制御手段57とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、発光分光分析装置
や蛍光X線分析装置などにより成分含有量を分析するた
めに製造ラインから抜き出されたライン試料と、上記分
析装置の校正用に用いられる成分が既知の標準試料とを
それぞれ分析用に加工して調整することのできる分析試
料調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場の操業管理や製品の格付などに発光
分光分析装置や蛍光X線分析装置が広く使用されてい
る。また、近年、分析処理の効率化や省力化などを目的
として、試料を分析用に加工して調整する処理から分析
結果を算出する処理までを自動的に行う自動分析システ
ムも普及している。上記の分析装置は、経時変化するか
ら、成分が既知の標準試料を用いて定期的に校正して、
所要の分析精度を維持するよう管理されている。例え
ば、蛍光X線分析装置では、元素の濃度とその元素特有
の蛍光X線との比例定数を標準試料の分析結果に基づき
校正している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、標準試料は
繰り返し再使用されるが、分析に供された標準試料はそ
の分析面に損傷を受けるので、分析面を次回の分析が可
能な状態に加工して調整しておく必要がある。例えば、
発光分光分析が行われた標準試料には放電痕が存在する
ので、この標準試料をそのままの状態で蛍光X線分析を
行うと、散乱X線が発生して所期の分析結果を得ること
ができないため、標準試料の分析面を研磨加工などの表
面処理を施して平坦面に修正しておかなければならな
い。
【0004】しかしながら、従来では、標準試料の表面
処理を研磨砥石やベルダーを使用した手作業で行ってお
り、この表面処理作業は熟練を要することから処理に個
人差が生じ易いので、正確な平坦面に調整するのが難し
いうえに、処理作業が極めて非能率である。そのため、
近年の品質管理や製品の格付などの要求精度を十分に満
足することができない。
【0005】そこで、上記のような問題を解消するため
に、標準試料の表面処理を自動化することが考えられ
る。従来から、例えば製鋼工場などの製造ラインから製
品の一部を切断して抜き出された溶鋼試料(ライン試料
の一種)は、自動調整装置により分析用に自動的に加工
されて調整されている。この自動調整装置は、溶鋼試料
がほぼ一定の高さを有していることから、凹凸のある切
断面の部分を設定値で切断して除去してから、その切断
した面の研磨を行うようになっている。ところが、標準
試料の場合には、繰り返し再使用されることから使用回
数に応じて高さがそれぞれ種々に異なり、しかも、調整
加工の自動化のために切断して一定の高さに揃えること
ができないだけでなく、研磨量が可及的に少なくなるよ
うに研磨加工する必要がある。したがって、標準試料の
調整作業の自動化は困難であり、自動化できた場合で
も、溶鋼試料の自動調整装置とは別途に標準試料専用の
装置を設けたのでは、スペース的にも経済的にも不利で
ある。
【0006】そこで本発明は、自動分析システムにおけ
るライン試料の自動調整装置を兼用して、標準試料をも
分析用に自動加工して調整することのできる分析試料調
整装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、製造ラインから抜き出されたライン試料
および成分が既知の標準試料を分析用に加工して調整す
る分析試料調整装置であって、前記ライン試料を加工す
る加工機と、前記ライン試料を把持部で把持して移動し
前記加工機で加工させる移動装置と、前記把持部の高さ
位置を検出する高さ検出器と、前記標準試料を載置させ
る高さ測定台と、前記移動装置に装着されて移動し前記
高さ測定台に載置された前記標準試料の上面に当接して
標準試料の高さを測定する高さ測定器と、前記移動装置
を制御して前記把持部で前記標準試料を把持して前記加
工機で加工させたのち前記高さ測定台上に戻す標準試料
加工制御手段とを備えている。
【0008】上記分析試料調整装置では、ライン試料の
調整に際して、把持部がライン試料を把持した時点で、
この把持部の高さ位置が高さ検出器で検出され、そのの
ちに、このライン試料を把持した把持部が移動装置によ
り加工機まで移動され、ライン試料における把持部の高
さ位置から算出した設定値の部位が加工機により分析用
に加工されて調整される。
【0009】一方、標準試料の調整に際しては、標準試
料が高さ測定台に載置されると、移動装置に装着された
高さ測定器が移動して高さ測定台上の標準試料に当接す
ることにより、高さ測定器が標準試料の高さを測定す
る。標準試料加工制御手段は、測定された標準試料の高
さに基づき所定の加工を行うのに必要な最小限の加工量
を算出する。そののちに、移動装置の把持部が標準試料
を把持すると、移動装置が標準試料を加工機まで移送
し、標準試料が、標準試料加工制御手段で算出された加
工量だけ加工機により加工されて調整される。調整され
た標準試料は、標準試料加工制御手段の制御を受けて移
動する移動手段により高さ測定台上に戻される。
【0010】したがって、この分析試料調整装置では、
既存のライン試料用の自動調整装置を利用して、ライン
試料の他に標準試料をも加工して調整することができ
る。しかも、高さ測定台および高さ測定器を備えている
から、高さが異なる種々の標準試料を可及的に少ない加
工量で所要の加工状態に調整することができる。
【0011】上記発明の好ましい実施形態では、さら
に、前記標準試料の搬出入口と、この搬出入口から前記
標準試料を搬入および搬出する搬送機と、前記標準試料
を前記搬送機と前記高さ測定台との間で移送する移送機
とを備えている。これにより、調整すべき標準試料の高
さ測定台への供給および高さ測定台からの取り出しをも
自動化することができる。
【0012】上記実施形態において、さらに、複数の標
準試料を貯蔵する標準試料ストッカーと、前記標準試料
をこの標準試料ストッカーと前記搬送機との間で移送す
るロボットと、このロボットを制御して選択された前記
標準試料を前記標準試料ストッカーから前記搬送機に移
送させるとともに、前記搬送機から前記標準試料ストッ
カーの所定場所に戻させるロボット制御手段とを備えた
構成とすることが好ましい。これにより、所要の標準試
料を指定するだけで、標準試料ストッカーに貯蔵されて
いる種々の標準試料を加工機に自動的に供給して分析用
に加工して調整し、調整済みの標準試料を元の所定場所
に自動的に戻すことができ、標準試料の調整作業を全自
動化できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一
実施形態に係る分析試料調整装置1を備えた自動分析シ
ステムを示す斜視図、図2は分析試料調整装置の内部構
造を示す斜視図である。自動分析システムは、図1の実
施形態では所要の各装置が試料室2と分析室3とに分離
して配置された場合を例示してある。試料室2には、試
料番号および分析試料調整装置1の調整条件を設定入力
するための設定器4と、多数の標準試料7をそれぞれ所
定の保管位置に貯蔵する標準試料ストッカー8と、分析
済みの多数の溶鋼試料のようなライン試料9を所定の保
管位置に貯蔵するライン試料ストッカー10と、標準試
料7またはライン試料9を分析試料調整装置1から搬出
または標準試料7を分析試料調整装置1に搬入する第1
のロボット11と、このロボット11を後述するように
種々に制御するロボット制御装置12とを備えている。
この実施形態では、複数の試料を分析するときにも分析
処理待ち時間が発生することなく行えることを目的とし
て、設定器4および分析試料調整装置1がそれぞれ2台
ずつ設置されている。
【0014】一方、分析室3には、2台の発光分光分析
装置13と、2台の蛍光X線分析装置14と、発光分光
分析装置13に対し分析すべき試料7,9を供給し、分
析済みの試料7,9を取り出す第2のロボット17と、
蛍光X線分析装置14に対し分析すべき試料7,9を供
給し、分析済みの試料7,9を取り出す第3のロボット
18とが配置されている。
【0015】また、試料室2と分析室3との間には、エ
アを駆動源とするリニアウエイからなる試料搬送装置1
9が設置されている。この試料搬送装置19は、ライン
試料ストッカー10から標準試料ストッカー8の近傍箇
所を通って分析室3内に延び、分析室3内の各2台の発
光分光分析装置13,13と蛍光X線分析装置14,1
4との間を通過するよう配設されている。なお、試料搬
送装置19におけるライン試料ストッカー10の近傍箇
所の真上位置には、試料搬送装置19により移送される
分析済みのライン試料9に対し所定の番号を付すインク
ジェットプリンタからなる試料ナンバリング機20が配
置されている。
【0016】この自動分析システムは、ライン試料9の
分析を行う場合、例えば棒鋼の製造ラインから製品であ
る棒鋼を所定の高さに切断して抜き出されたライン試料
9が、シュータ(図示せず)によって分析試料調整装置
1の試料搬入口21の手前まで運ばれ、そこから試料搬
入口21内へ別のシュータまたは作業員の手作業により
挿入される。分析試料調整装置1は、ライン試料9に対
し所要の加工を施して分析に適した平坦面に調整したの
ちに、その調整済みのライン試料9を搬出入口23から
搬送機22により搬出する。つぎに、第1のロボット1
1は、図示位置から矢印A方向または矢印B方向に水平
移動するよう回動して、ハンドリング部24により搬出
入口23上のライン試料9を把持したのちに、B方向へ
水平面内で回動してライン試料9を試料搬送装置19ま
で移送し、把持を解除してライン試料9を試料搬送装置
19に渡す。
【0017】ライン試料9を受け取った試料搬送装置1
9は、発光分光分析装置13または蛍光X線分析装置1
4に対応する第2または第3のロボット17または18
によりハンドリング可能な位置までライン試料9を移送
して停止する。第2のロボット17は、そのハンドリン
グ部27で試料搬送装置19上のライン試料9を把持
し、発光分光分析装置13に供給する。蛍光X線分析を
行う場合には、第3のロボット18が蛍光X線分析装置
14に対しライン試料9の供給および取り出しを行う。
【0018】この自動分析システムでは、発光分光分析
装置13単独による分析方法、蛍光X線分析装置14単
独による分析方法、発光分光分析装置13で分析した後
に蛍光X線分析装置14で分析する方法、蛍光X線分析
装置14で分析した後に発光分光分析装置13で分析す
る方法の4種の分析方法のうちのいずれかを設定器4で
指定できるようになっている。この分析方法の指定は分
析すべきライン試料9の種類に応じて最適なものを選択
して行われ、両装置13,14の双方を用いて分析を行
う場合には、第2および第3のロボット17,18が分
析を連続的、且つ自動的に行えるようにライン試料9を
移送する。発光分光分析装置13では、ライン試料9を
スパッタリングしながら、ライン試料9から発生する元
素に固有の波長の光を分光して成分含有量を分析する。
一方、蛍光X線分析装置14では、X線源からライン試
料9に1次X線を照射して、ライン試料9から発生する
2次X線を検出して成分含有量を分析する。
【0019】分析済みのライン試料9は、ロボット17
または18により試料搬送装置19に戻され、この試料
搬送装置19によりライン試料ストッカー10に向け移
送されていき、試料ナンバリング機20により所要の番
号などを付されたのちに、図示しないロボットによりラ
イン試料ストッカー10の所定の保管位置に収容され
る。
【0020】つぎに、図2に示す本発明の分析試料調整
装置1について説明する。調整加工に先立って、図1に
示した設定器(コンピュータ)4により、ライン試料9
の場合にはその品種が設定入力され、標準試料7の場合
にはその試料番号および調整条件が設定入力される。ま
ず、ライン試料9の調整加工について説明する。
【0021】分析すべきライン試料9が試料搬入口21
から挿入されると、このライン試料9が試料搬送コンベ
ア29により第4のロボット30のハンドリング部31
に対応する取出位置まで搬送される。このとき、搬入ハ
ンド30は二点鎖線で示す位置で待機しており、取出位
置まで移送されたライン試料9の検知により、搬入ハン
ド30が鉛直面内で180°回動して図示実線位置に移
動し、取出位置のライン試料9をハンドリング部31で
把持したのちに再び180°回動して、ライン試料9を
置き台32上に載置する。なお、ライン試料9は、凹凸
のある切断面を上方に向けて試料搬送コンベア29上に
供給されることにより、安定状態で移送されたのちに、
搬入ハンド30により上下反転されて、切断面つまり調
整すべき面が下方に向くよう姿勢を変更されたのちに置
き台32上に載置される。
【0022】ライン試料9が置き台32上に載置される
と、サーボモータ33が駆動して水平移動用ボールねじ
34が回転されることにより、移動装置37がガイドレ
ール38に沿ってE矢印方向に水平移動する。この移動
装置37は、ガイドレール38に沿って水平方向に移動
する水平移動ユニット37aと、この水平移動ユニット
37aに沿って鉛直方向に移動する鉛直移動ユニット3
7bとから構成されている。鉛直移動ユニット37b
は、下端部に3爪エアーチャック装置のような把持部4
1を備えており、水平移動ユニット37aに配設された
エンコーダ付きサーボモータ39の駆動により回転する
ボールねじ40によって、鉛直方向に上下移動される。
また、鉛直移動ユニット37bには、後述の標準試料7
をも調整加工できるように、高さ測定器42が側部に付
設されている。
【0023】上記移動装置37が置き台32上のライン
試料9の真上まで移動して停止すると、サーボモータ3
9が駆動して、図3に示すように、鉛直移動ユニット3
7bの下端がライン試料9に当接するまで下降する。こ
のときの鉛直移動ユニット37bの高さ位置、つまり把
持部41の高さ位置は、サーボモータ39の回転数をエ
ンコーダが計数することにより算出される。つまり、エ
ンコーダが把持部41の高さ検出器として機能する。つ
ぎに、把持部41が図3の矢印方向に作動してライン試
料9を把持し、図2の移動装置37がF方向に移動し
て、把持部41に把持されているライン試料9を切断砥
石43で切断させ、凹凸のある切断面の部分を切り落と
して除去する。ここで、ライン試料9の切断箇所は、図
3のの把持部41の高さ位置から設定値L1だけ離間し
た破線で示す部位となる。この部位はサーボモータ39
のエンコーダの計数値によって特定される。
【0024】上記の切断後に、鉛直移動ユニット37b
が、設定値、例えば3mmだけさらに下降して、ライン
試料9の下端から3mmの高さ分だけ再び切断される。
このライン試料9の切片は、高周波加熱装置44に送ら
れて加熱されたのちに、試料パンチャ47で直経2mm
程度に打ち抜き加工されて排出口48からガス分析用試
料として排出される。このガス分析用試料は別のガス分
析装置に移送されてガス分析される。なお、ライン試料
9によってはガス分析が不要なものもあり、その場合に
は、ライン試料9の切断は、凹凸のある切断面を除去す
るために1回行われるだけである。また、加熱しなくて
も打ち抜き加工できるライン試料の場合は、切片が高周
波加熱装置47を経ずにに試料パンチャ47に直接送ら
れる。
【0025】つぎに、把持部41に把持されているライ
ン試料9は、移動装置37のF方向への移動により研磨
砥石49またはミーリング装置50に送られ、その切断
された面を研磨砥石49またはミーリング装置50によ
り研磨加工される。この研磨加工の選択は、調整加工す
べきライン試料9の品種に応じて予め図1の設定器4に
設定入力されている。例えば、発光分光分析を行うライ
ン試料9は、図2の研磨砥石49による研磨加工のみで
よく、蛍光X線分光を行うライン試料9は、ミーリング
装置50のミーリングカッター51による研磨加工を行
うのが好ましい。この研磨加工は、把持部41に把持さ
れたライン試料9を、移動装置37の水平移動(Eまた
はF方向への移動)によって研磨砥石49またはミーリ
ングカッター51に接触させながら移動させることによ
り行われる。
【0026】研磨加工が終了したならば、移動装置37
がF方向の端部付近まで移動して、研磨加工済みのライ
ン試料9を、高さ測定台45に載置し、把持部41によ
る把持を解除して高さ測定台54に受け渡す。つぎに、
移送ハンド53がライン試料9をチャッキングし、矢印
Gで示すように回動しながら反転することにより、ライ
ン試料9を搬送機22上に移す。この状態でライン試料
9の切断面、つまり後工程での分析面が上向きとなる。
搬送機22のベルトコンベアの走行によりライン試料9
が分析試料調整装置1から搬出される。
【0027】つづいて、図1で説明したように、ライン
試料9が第1のロボット11により試料搬送装置19上
に載置されて、分析室3に搬送され、第2または第3の
ロボット17,18により、発光分光分析装置13また
は蛍光X線分析装置14に供給される。なお、発光分光
分析を行ったのちに蛍光X線分析を行う場合、発光分光
分析の終わったライン試料9は、試料搬送装置19およ
び第1のロボット11を介して分析試料調整装置1に一
旦戻されたのちに、再び調整加工を行い、それにより、
発光分光分析による放電痕を除去してから蛍光X線分析
装置14に供給される。
【0028】つぎに、標準試料7の調整加工について説
明する。設定器4に所要の標準試料7の試料番号と調整
手段とを設定入力すると、指定された試料番号の標準試
料7が、第1のロボット11により標準試料ストッカー
8から取り出されて搬送機22上に載置される。この載
置が図示しないセンサにより検知されると搬送機22が
作動し、標準試料7がストッパー52に当接する所定位
置まで搬入される。ここで、標準試料7は、分析面を上
向きとして標準試料ストッカー8に収容されていた状態
のままである。所定位置の標準試料7は、移送ハンド5
3によりチャッキングされたのちに、この移送ハンド5
3が矢印Jで示すように回動しながら反転することによ
り、上下反転して分析面を下向きとした状態に変更され
たのちに、所定の高さに固定された高さ測定台54上に
載置される。
【0029】つぎに、移動装置37は、F方向に移動し
て、図4に示すように、鉛直移動ユニット37bの側部
に設けた高さ測定器42が高さ測定台54の真上に位置
し、かつ高さ測定器42が高さ測定台54に対し予め設
定された距離だけ上方に離間する所定の高さに位置する
ように位置決めして一旦静止する。続いて、移動装置3
7の鉛直移動ユニット37bが、2点鎖線で示すよう
に、高さ測定器42の計測面42aが標準試料7に当接
するまで下降する。このときの高さ測定器42の移動距
離L2は、サーボモータ39の回転数をエンコーダが計
数することにより算出される。
【0030】この移動距離L2の測定信号は、図2に示
す中央処理装置などを内蔵した標準試料加工制御手段で
ある制御器57に入力される。制御器57は、高さ測定
器42の下降前の設定高さ位置と高さ測定台54の高さ
位置と移動距離L2とに基づいて、標準試料7の高さH
を算出する。これにより、種々に高さの異なる標準試料
7の高さを正確に検知することができる。また、高さ測
定器42は、図4に示す計測面42aを標準試料7の上
面に確実に当接させるためのガイド部42bが設けられ
ている。
【0031】続いて、図2の制御器57は、移動装置3
7をE方向に移動させて、設定器4に設定入力された調
整条件により選択される研磨砥石49またはミーリング
装置50のいずれかにより、標準試料7を予め設定され
た研磨量だけ研磨加工するよう制御する。この研摩量
は、上記のように標準試料7の高さHを検知した上で行
うので、正確に制御できる。この研磨加工が終了する
と、制御器57は、搬入時とは逆に、移動装置37を制
御して調整済みの標準試料7を高さ測定台54上に載置
させ、移送ハンド53により標準試料7を上下反転させ
て搬送機22上に乗せて搬出入口23から外部へ移送す
るよう制御する。
【0032】そののちに、移送機22の外端部まで移送
された標準試料7は、第1のロボット11により図1の
試料搬送装置19上に乗り移されて、試料搬送装置19
により所定位置まで移送されたのちに、第2または第3
のロボット17,18により、発光分光分析装置13ま
たは蛍光X線分析装置14に供給され、分析される。そ
の分析結果に基づいて発光分光分析装置13または蛍光
X線分析装置14の校正が行われ、分析終了後の標準試
料7は、図1で説明したように、試料搬送装置19によ
り返送され、第1のロボット11によって標準試料スト
ッカー8の元の保管箇所に戻される。
【0033】上述のように、この分析試料調整装置は、
既存の自動分析システムに設けられているライン試料9
用の自動調整装置に対し、高さ測定器42を付設するだ
けで、標準試料7の調整加工をも自動的に且つ正確に行
える顕著な効果を得られるものである。
【0034】なお、高さ測定台54に載置された標準試
料7の高さHは、上記実施形態の高さ測定器42に代え
て、図5に示すように、移動装置37の鉛直移動ユニッ
ト37bが実線で示す位置決め静止状態(原点位置)か
ら高さ測定台54上の標準試料7に当接するまでの下降
距離L3を、鉛直移動ユニット37bの駆動用のサーボ
モータ39の回転数をエンコードにより測定して、その
測定信号に基づき求めるようにすることもできる。それ
により、構成を一層簡略化できるとともに、鉛直移動ユ
ニット37bが標準試料7に当接した直後に、そのまま
の状態から鉛直移動ユニット37bの把持部41により
標準試料7を把持でき、調整加工の時間を短縮できる利
点がある。。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の分析試料調整装置
によれば、既存のライン試料用の自動調整装置を利用し
てライン試料の他に標準試料をも自動的に加工して調整
することができる。しかも、高さ測定台および高さ測定
器を備えているから、高さが異なる種々の標準試料を可
及的に少ない加工量で所要の加工状態に正確に調整する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る分析試料調整装置を
用いて構成された自動分析システムの斜視図である。
【図2】同上分析試料調整装置の内部構成を示す斜視図
である。
【図3】同上分析試料調整装置におけるライン試料の高
さの測定の説明図である。
【図4】同上分析試料調整装置における標準試料の高さ
の測定の一例を示す説明図である。
【図5】同上分析試料調整装置における標準試料の高さ
の測定の他例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…分析試料調整装置、7…標準試料、8…標準試料ス
トッカー、9…ライン試料、12…ロボット制御装置、
22…搬送機、23…搬出入口、37…移動装置、41
…把持部、42…高さ検出器、49…研磨砥石(加工
機)、50…ミーリング装置(加工機)、53…移送ハ
ンド(移送機)、54…高さ測定台、57…制御器(標
準試料加工制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 圓山 秀雄 大阪府高槻市赤大路町14番8号 理学電機 工業株式会社内 (72)発明者 森下 久生 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 高橋 邦正 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 川畑 一郎 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社周南製鋼所内 (72)発明者 永島 正嗣 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町2797番地 3 エステック株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造ラインから抜き出されたライン試料
    および成分が既知の標準試料を分析用に加工して調整す
    る分析試料調整装置であって、 前記ライン試料を加工する加工機と、 前記ライン試料を把持部で把持して移動し、前記加工機
    で加工させる移動装置と、 前記把持部の高さ位置を検出する高さ検出器と、 前記標準試料を載置させる高さ測定台と、 前記移動装置に装着されて移動し、前記高さ測定台に載
    置された前記標準試料の上面に当接して標準試料の高さ
    を測定する高さ測定器と前記移動装置を制御して前記把
    持部で前記標準試料を把持して前記加工機で加工させた
    のち、前記高さ測定台上に戻す標準試料加工制御手段と
    を備えた分析試料調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、前記標準試
    料の搬出入口と、この搬出入口から前記標準試料を搬入
    および搬出する搬送機と、前記標準試料を前記搬送機と
    前記高さ測定台との間で移送する移送機とを備えた分析
    試料調整装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、さらに、複数の標準
    試料を貯蔵する標準試料ストッカーと、前記標準試料を
    この標準試料ストッカーと前記搬送機との間で移送する
    ロボットと、このロボットを制御して選択された前記標
    準試料を前記標準試料ストッカーから前記搬送機に移送
    させるとともに、前記搬送機から前記標準試料ストッカ
    ーの所定場所に戻させるロボット制御手段とを備えた分
    析試料調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001318064A (ja) * 2000-05-09 2001-11-16 Agere Systems Guardian Corp 元素の定量分析のための校正方法
JP2013152137A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Shimadzu Corp 発光分析装置

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