JPH11258916A - 湿式電子写真装置 - Google Patents

湿式電子写真装置

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JPH11258916A
JPH11258916A JP5761298A JP5761298A JPH11258916A JP H11258916 A JPH11258916 A JP H11258916A JP 5761298 A JP5761298 A JP 5761298A JP 5761298 A JP5761298 A JP 5761298A JP H11258916 A JPH11258916 A JP H11258916A
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彰彦 稲本
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茂紀 上杉
Satoru Moto
悟 本
Motoharu Ichida
元治 市田
Masanao Takahata
昌尚 高畠
Shigeji Okano
茂治 岡野
Yasukazu Takeda
靖一 竹田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液
体トナーを用いる構成を採るときにあって、供給するト
ナー層厚を逐次監視し、この量を所定値に制御すること
で、感光ドラム上に塗布されるトナー濃度の均一化を図
り、また、この所定値を変えることで、トナー層の厚み
を変化させて、画像濃度の調整を可能にすることを目的
としている。 【解決手段】本発明の湿式電子写真装置は、最終段回転
ローラの表面に塗布される液体現像液の層厚を監視し、
この層厚が所定値になるように、現像液塗布手段の回転
ローラ間でギャップ或いは接圧を制御し、或いは、最終
段の回転ローラを現像ローラとは逆方向に回転させると
共に、層厚が所定値になるように、最終段回転ローラの
前に位置するローラの回転数を制御している。また、印
刷媒体の凹凸或いは種類を検出し、これに応じてトナー
濃度、或いは制御系の時定数を変更する制御装置を備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性を示す高
粘度で高濃度の液体トナーを用いる湿式電子写真装置に
関し、特に、画像濃度の均一化を図るために、供給トナ
ー量の安定化と、トナー供給量可変による画像濃度調整
を行うことのできる湿式電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】感光体(感光ドラム)に静電潜像を生成
し、それにトナーを付着させて、紙などに転写して定着
する電子写真装置では、粉体トナーを用いる乾式のもの
が広く用いられている。
【0003】しかし、粉体トナーは、トナーが飛散する
という問題点があるとともに、トナー粒子が7〜10μ
mと大きいことから解像度が悪いという問題点がある。
そこで、高い解像度が必要となる場合には、液体トナー
を用いる湿式のものが用いられる。液体トナーは、トナ
ー粒子が1μm程度と小さいとともに、帯電量が大きい
ことでトナー画像の乱れが起きにくく、高い解像度を実
現できるからである。
【0004】従来の湿式の電子写真装置では、現像液と
して、有機溶剤にトナーを1〜2%の割合で混ぜた低粘
度の液体トナーを用いていた。しかしながら、このよう
な現像液は、人体に危害を与える有機溶剤を用いるとと
もに、トナー濃度が低いことでそれを大量に用いること
から、環境問題を引き起こすという大きな問題点をかか
えていた。
【0005】このようなことを背景にして、国際公開番
号「WO95/08792」で、シリコーンオイルなど
に高濃度のトナーを分散させることで構成される高粘度
で高濃度の現像液を用いる湿式の電子写真装置の発明が
開示された。
【0006】この液体トナーを用いると、人体に危害を
与えるという問題点が発生しないとともに、トナー濃度
が高いことから、大量の現像液を使用しないで済むとい
う利点がある。
【0007】「国際公開番号WO95/08792」で
開示されるように、このような高粘度で高濃度の液体ト
ナーの現像液を用いる場合にも、従来では、粉体トナー
を用いる場合と同じ考え方に従って、現像ローラや現像
ベルトに現像液を塗布する構成を採って、その現像ロー
ラなどを感光体に接触させることで、静電潜像の形成さ
れた感光体にトナーを付着させていくという構成を採っ
ている。なお、「国際公開番号WO95/08792」
では、現像ベルトを用いている。
【0008】すなわち、粉体トナーを現像ローラに塗布
する場合には、純粋に機械的な接触方法を用いて、現像
ローラに粉体トナーを塗布する構成を採っており、これ
と同じ考え方に立って、このような不揮発性を示す高粘
度で高濃度の液体トナーを用いる場合にも、純粋に機械
的な接触方法を用いて、現像ローラなどに現像液を塗布
する構成を採っている。
【0009】そして、粉体トナーを現像ローラに塗布す
る場合には、現像ローラに機械的に接触する面について
は、高い面精度を持たせる構成を採っており、これと同
じ考え方に立って、このような不揮発性を示す高粘度で
高濃度の液体トナーを用いる場合にも、現像ローラなど
に機械的に接触する面については、高い面精度を持たせ
ることで、現像ローラなどに現像液を塗布する構成を採
っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この不揮発性を示す高
粘度で高濃度の液体トナーを用いる場合、高粘度のトナ
ーが、感光体に形成される静電潜像の非露光部分に付着
しないようにするために、液体トナーを塗布する前に、
感光体に対して、シリコーンオイルなどのプリウエット
液を塗布するというプリウエット処理を行うことにな
る。
【0011】しかしながら、このような従来技術に従っ
ていると、プリウエット処理を行っても、トナーの付着
されることのない感光体の静電潜像の非露光部分に、ト
ナーが付着されることで、画像ノイズが発生してしまう
という問題点があった。
【0012】この問題点について具体的に説明するなら
ば、図2に示すように、液体トナーをアプリケータロー
ラ140を使ってトナー溜まりから薄く延ばしながら搬
送していくことで現像ローラ141にトナー層を形成し
て、感光体との間の電界に従って、帯電しているそのト
ナーを感光体の露光部分に付着させていく現像装置を考
える。
【0013】このとき、現像ローラとアプリケータロー
ラのニップ部分では、トナー層は双方のローラからの圧
縮圧力を受けるが、ニップ出口に来ると、その圧縮圧力
は解放され、このとき、供給するトナー層厚が適正なも
のでないと、高粘度特性に従い、トナー自体の粘性とロ
ーラ表面への粘着力によって引っ張り力を受けること
で、双方にちぎれるように分離し、その際に周辺部のト
ナーを巻き込んでいくので、図4に示すように、細かな
すじ状のむら(凹凸)が現像ローラに残ってしまうこと
になる。
【0014】その結果、図5に示すように、細かなすじ
状のむらが残った現像ローラが、現像のために、感光体
に接触する際に、そのすじ状の凸部によりプリウエット
層が突き破られ、感光体の表面に到達することで非露光
部分にノイズが発生することになる。また、露光部分に
ついても、この不均一層が露光部分に現れ、これにより
良好な画像が得られないことになる。
【0015】このように、従来技術に従っていると、ト
ナーの付着されることのない感光体の静電潜像の非露光
部分にも、トナーが付着されることで、画像ノイズが発
生してしまうという問題点があった。
【0016】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナー
を用いる構成を採るときにあって、供給するトナー層厚
を逐次監視し、この量を所定値に制御することで、感光
ドラム上に塗布されるトナー色濃度の均一化を図ること
を目的としている。
【0017】さらに、本発明は、この所定値を変えるこ
とで、トナー層の厚みを変化させて、画像色濃度の調整
を可能にする新たな湿式電子写真装置の提供を目的とし
ている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の画像支持体、即
ち、感光体10は、帯電装置11により帯電させられた
後、露光装置12によって露光されて、静電潜像が形成
される。プリウエット装置13は、2.5cSt程度の粘
度を持つシリコーンオイルを4〜5μmの厚さで感光体
10の表面に塗布する。
【0019】現像装置14は、イエロー/マゼンタ/シ
アン/ブラックに対応付けて設けられ、トナー粘度が4
00〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が20cS
tを持つ、不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体トナー
を液体現像液として用いる。現像ローラは、感光体上の
プリウエット液の膜との2層構造を維持するように上記
感光体上に接触して液体現像液を供給し、かつ上記感光
体との間に生成される電界に応じて、該液体現像液のト
ナー粒子を上記感光体に付着させる。
【0020】この現像液の現像ローラへの供給は、現像
液塗布手段によって、トナー溜まりから薄く延ばしなが
ら搬送していくことでおこなわれ、それによって、現像
ローラに2〜3μmの厚さのトナー層が形成される。こ
の現像液塗布手段は、連接する複数の回転ローラから構
成されて、供給される液体現像液を該回転ローラで引き
延ばしつつ表面に塗布しながら搬送していくとともに、
該最終段回転ローラの表面に塗布される液体現像液の膜
を、現像ローラの当接面に塗布する。
【0021】現像液塗布手段の回転ローラ間でギャップ
或いは接圧を制御する手段が備えられて、最終段回転ロ
ーラの表面に塗布される液体現像液の層厚を監視し、こ
の層厚が所定値になるように制御している。また、最終
段回転ローラの前に位置するローラの回転数を制御する
手段が備えられて、現像ローラに当接する最終段の回転
ローラを現像ローラとは逆方向に回転させると共に、最
終段回転ローラの表面に塗布される液体現像液の層厚を
監視し、この層厚が所定値になるように制御している。
これによって、感光ドラム上に塗布されるトナー色濃度
の均一化を図ることが可能となる。
【0022】また、印刷媒体の凹凸或いは印刷媒体の種
類を検出し、これに応じてトナー色濃度、或いは制御系
の時定数を変更する制御装置を備えている。これによっ
て、画像色濃度の調整が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に従って本発明
を詳細に説明する。なお、本発明は、不揮発性を示す高
粘度で高濃度の液体トナーを液体現像液として用いるも
のであるが、液体トナーは、液体キャリア(オイル)中
に顔料などの固体粒子を分散させたものである。
【0024】図1に、本発明を具備する湿式電子写真装
置の全体構成を図示する。この図に示すように、本発明
の湿式電子写真装置は、感光体10と、帯電装置11
と、露光装置12と、プリウエット装置13と、現像装
置14と、中間転写体15と、ブレード16と、除電装
置17と、加熱装置18と、加圧ローラ19とを備えて
いる。
【0025】帯電装置11は、感光体10を約700V
に帯電させる。露光装置12は、780nmの波長を持
つレーザ光を使って感光体10を露光することで、露光
部分の電位が約100Vとなる静電潜像を感光体10に
形成する。
【0026】プリウエット装置13は、2.5cSt程度
の粘度を持つシリコーンオイルを4〜5μmの厚さで感
光体10の表面に塗布する。ここで、プリウエット装置
13は、露光装置12により実行される露光処理の前で
プリウエット処理を実行することもあるが、露光処理の
後でプリウエット処理を実行する。
【0027】現像装置14は、イエロー/マゼンタ/シ
アン/ブラックに対応付けて設けられ、約400V〜6
00Vにバイアスされて、図2に示すように、トナー粘
度が400〜4000mPa・Sで、キャリア粘度が2
0cStを持つ液体トナーを、アプリケータローラ14
0を使ってトナー溜まりから薄く延ばしながら搬送して
いくことで現像ローラ141に2〜3μmの厚さのトナ
ー層を形成する。現像ローラ141は、感光体10との
間の電界に従って、正に帯電しているそのトナーを感光
体10に供給することで、約100Vに帯電される感光
体10の露光部分にトナーを付着させる。その際、プリ
ウエット装置13の塗布するプリウエット層に従って、
図3に示すように、感光体10の非露光部分に、トナー
が付着されることが防止できるようになる。
【0028】中間転写体15は、約−800Vにバイア
スされて、感光体10との間の電界に従って、感光体1
0に付着されたトナーを転写する。この中間転写体15
は、先ず最初に、感光体10に付着されるイエローのト
ナーを転写し、続いて、感光体10に付着されるマゼン
タのトナーを転写し、続いて、感光体10に付着される
シアンのトナーを転写し、続いて、感光体10に付着さ
れるブラックのトナーを転写することになる。
【0029】ブレード16は、感光体10に残存するト
ナーやプリウエット液を取り除く。除電装置17は、感
光体10を除電する。加熱装置18は、中間転写体15
の表面を加熱することで中間転写体15に付着されるト
ナーを溶融する。加圧ローラ19は、加熱装置18によ
り溶融された中間転写体15のトナーを印刷媒体に定着
させる。このように、加熱装置18及び加圧ローラ19
を使い、印刷媒体を加熱しないで、中間転写体15に付
着されるトナーを溶融して印刷媒体に定着させる構成を
採ることから、紙以外の印刷媒体も取り扱えることにな
る。
【0030】図6は、本発明に基づき現像ローラ上の
トナー層厚を所定値に制御する第一の例を示していて、
感光体10に接触する現像ローラ及びそれに現像液を
供給する一連のアプリケータローラ〜と、関連した
構成を示している。現像ローラは、感光体10上のプ
リウエット液の膜との2層構造を維持するように感光体
10上に接触して液体現像液を供給し、かつ感光体10
との間の電界に従い、液体現像液の正に帯電しているト
ナー粒子を感光体10表面に付着させるローラである。
【0031】アプリケータローラは、現像ローラに当
接するアプリケータ最終ローラと、この例では、その
他にローラ、ローラ及びローラの3つのローラを
備えている。一般的には、現像ローラにおいて、現像
液が薄く、かつ一様に伸ばされるのに必要な適宜の数だ
け備えられる。アプリケータ最終ローラは、現像液搬
送最終段のローラであり、ローラから送られた現像液
を広く伸ばし薄層にして、現像ローラの表面に塗布す
る。
【0032】このアプリケータ最終ローラは、光反射
性の表面状態を持つように構成されている。光反射性表
面ローラは、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金
属製、或いは表面のみに、アルミニウム、ステンレス等
の光反射性金属のメッキ等により光反射性の加工を施し
た硬質樹脂ローラにより構成することができる。
【0033】このような光反射性ローラ上に形成される
トナー層厚は、光源54と光検出部50で構成したトナ
ー色濃度検出部でトナー色濃度として検出することがで
きる。即ち、通常10ミクロン以下で制御されているト
ナー層厚の変化は、トナーの色の濃さが変わって見える
トナー色濃度の変化となり、これは、光源54から照射
した光が、ローラ上のトナー層を通過して、光反射性
表面で反射する反射光の強さとして検出される。ここ
で、トナーの色とは、通常、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックである。
【0034】光源54は、白色光の白熱電球或いはLE
Dを用い、光検出部50はCCD、フォトダイオード等
の光検出素子を用い、また、光源54と光検出部50の
いずれか又はその双方に、トナーの色に応じた色フィル
ターを用いて、検出感度を向上させることができる。
【0035】光検出部50で検出された検出信号は、比
較器51において所定の基準値と比較されて、その結果
に応じて、ローラ位置制御部52を制御し、図中、可動
方向と図示した方向にアプリケータローラのローラ軸
をわずかに移動させる。これによって、アプリケータロ
ーラと、アプリケータローラ及び光反射性表面を持
つアプリケータ最終ローラの間のギャップ(両ローラ
の間が離れているときで通過するトナー量が比較的に多
いとき)或いは接圧(両ローラが接触しているときで通
過するトナー量が比較的に少ないとき)を変化させて、
アプリケータ最終ローラ上のトナー層厚を所定値に制
御し、最終的には現像ローラ上に供給するトナー量を
所望の値に制御している。即ち、トナー色濃度が薄い場
合、アプリケータローラ接圧を少なくし又はギャップを
広げ、そして、色濃度が濃い場合は、その逆の動作をす
るようローラ位置制御部52に指示している。ローラ位
置制御部52は、ローラの軸受け部に備えたセラミック
製の圧電素子であるピエゾ素子によって構成することが
できる。ピエゾ素子は、電圧を印加することにより、2
0〜30μmの変位量で伸び縮みすることができる素子
であるが、強い圧力に耐えることができ、また微小位置
決めに適している。
【0036】なお、図示した例において、ローラ間のギ
ャップ或いは接圧は、アプリケータ最終ローラの直前
に位置するローラ、即ちアプリケータローラの軸位置
を、アプリケータローラとの間及びアプリケータ最終
ローラとの間で両方同時に制御しているが、アプリケ
ータローラといずれか一方のみの他のローラ又は
との間で、ギャップ或いは接圧を制御するよう構成する
ことができる。
【0037】このような構成において、液体トナーは、
アプリケータローラとの間に供給され、そこにトナ
ー溜まりが形成されるようにアプリケータローラと
のギャップ或いは接圧、或いは回転速度が制御されてい
る。このトナー溜まりから、アプリケータローラ、ロ
ーラ、ローラを経て、現像ローラ上に一様な厚さ
に制御された液体トナーが供給される。
【0038】また、前述のトナー色濃度に基づくトナー
層厚の検出、及びそれに基づくギャップ或いは接圧の制
御構成は、ローラの長手方向の左右2カ所に設け、一つ
の基準値に基づき、左右のトナー層厚が同じになるよう
に個別に制御して、ローラ径の左右の誤差が自動補正さ
れるようにすることができる。
【0039】図7は、本発明に基づき現像ローラ上のト
ナー層厚を所定値に制御する第二の例を示している。図
中、図6と同一番号は、同一要素を示している。図6に
示した第一の例と異なるのは、制御装置53が設けられ
ている点である。
【0040】この第二の例において、第一の例と同じ
く、光検出部50で検出された検出信号は、比較器51
において所定の値と比較されて、その結果に応じて、ロ
ーラ位置制御部52を制御することにより、アプリケー
タローラと、アプリケータローラ及び光反射性表面
を持つアプリケータ最終ローラとの間のギャップ或い
は接圧を変化させて、アプリケータ最終ローラ上のト
ナー層圧を所定値に制御し、最終的には現像ローラ上
に供給するトナー量を所望の値に制御している。それに
加えて、この第二の例においては、光検出部50で検出
された検出信号は、制御装置53にも送られる。制御装
置53は、例えば、MPUユニットにより構成して、こ
の検出されたトナー色濃度信号と併せて、別のセンサに
より検出されるか或いはマニュアルで設定されている印
刷媒体の凹凸や、印刷媒体の種類(例えば、紙又はフィ
ルム)に応じて比較器51に入力される値を変化させて
いる。これによって、トナー色濃度を意図的に変えた
り、或いは制御系の時定数を任意に可変にして層厚の検
出からローラ軸を移動させるまでの時間を変えること
で、例えばハンチングを防ぎ、より高精度の膜厚制御を
することができる。
【0041】図8は、本発明に基づき現像ローラ上の
トナー層厚を所定値に制御する第三の例を示している。
図中、図6又は図7と同一番号は、同一要素を示してい
る。図6に示した第一の例及び図7に示した第二の例と
の主要な相違点は、この第三の例においては、検出した
トナー色濃度に基づきアプリケータローラ及びの回
転速度を制御している点にある。
【0042】この第三の例において、ローラが、感光体
10に接触する現像ローラ及びそれに現像液を供給す
る一連のアプリケータローラから構成されている点で
は、先の例と同じであるが、この第三の例のアプリケー
タローラは、現像ローラに当接するアプリケータ最終
ローラと、ローラ、ローラの3つのローラから構
成されている。
【0043】アプリケータローラとは、モータに
よりギアを介して同周速で回転している。現像ローラ
は、アプリケータローラとはカウンタ方向に逆回転す
ると共に、低い回転数の感光体10とは同周速で回転し
ている。なおここで、「カウンタ方向」或いは「逆回
転」とは、一方のローラが右方向(時計回り)に回転し
ているとき、他方のローラが右方向に回転することを意
味している。
【0044】アプリケータ最終ローラと現像ローラ
は、モータによりギアを介して回転している。また、
通常、アプリケータ最終ローラは、アプリケータロー
ラ及びよりも高い回転数で回転している。これは、
アプリケータローラ上のトナーが、溜まることなく、
すべて、次段のローラに運ばれていく必要があるため
である。
【0045】一般的に、アプリケータローラによって現
像ローラに現像液を塗布し薄層を形成する場合、現像液
の粘度、供給量、回転速度等のバランスで現像液の微少
なムラ(スジ)が発生するが、アプリケータ最終ローラ
を逆回転させることにより、微少なムラを低減するこ
とができる。ローラ逆転による効果を高めるためには、
アプリケータローラを高回転にして、両ローラ回転の
速度差を少なくとも3倍以上とすることが好ましい(特
願平9−347391号参照)。
【0046】このアプリケータ最終ローラは、光反射
性の表面状態を持つように構成されている。先の例と同
じく、光反射性表面ローラは、例えば、アルミニウム、
ステンレス等の金属製、或いは表面のみに、アルミニウ
ム、ステンレス等の金属メッキ等により、光反射性の加
工を施した硬質樹脂ローラにより構成することができ
る。
【0047】このような光反射性ローラ上に形成される
トナー層厚は、光源54と光検出部50で構成したトナ
ー色濃度検出部でトナー色濃度として検出することがで
きる。光源54は、白色光の白熱電球或いはLEDを用
い、光検出部50はCCD、フォトダイオード等の光検
出素子を用い、また、光源54と光検出部50のいずれ
か又はその双方に、トナーの色に応じた色フィルターを
用いて、検出感度を向上させることができる。
【0048】光検出部50で検出された光検出信号は、
比較器51において所定の基準値と比較されて、その結
果に応じて、回転数制御部55を通してモータを制御
することにより、アプリケータローラ及びの回転速
度を変化させて、アプリケータ最終ローラ上のトナー
層圧を所定値に制御し、最終的には現像ローラ上に供
給するトナー量を所望の値に制御している。即ち、トナ
ー色濃度が薄い場合、アプリケータローラ及びの回
転速度を上げてトナー供給量を増やすようにモータの
回転速度を高くし、そして、色濃度が濃い場合は、その
逆の動作をするよう回転数制御部55に指示している。
【0049】このような構成において、液体トナーは、
アプリケータローラとの間に供給され、その間にト
ナー溜まりが形成されるようにアプリケータローラと
のギャップ或いは接圧が制御されている。このトナー
溜まりから、アプリケータローラ、ローラを経て、
現像ローラ上に一様な厚さに制御された液体トナーが
供給されている。
【0050】図9は、本発明に基づき現像ローラ上のト
ナー層厚を所定値に制御する第四の例を示している。図
中、図6〜図8と同一番号は、同一要素を示している。
図8に示した第三の例と異なるのは、制御装置53が設
けられている点である。
【0051】この第四の例において、第三の例と同じ
く、光検出部50で検出された検出信号は、比較器51
において所定の値と比較されて、その結果に応じて、回
転数制御部55を通してモータを制御することによ
り、アプリケータローラ及びの回転速度を変化させ
て、アプリケータ最終ローラ上のトナー層圧を所定値
に制御し、最終的には現像ローラ上に供給するトナー
量を所望の値に制御している。
【0052】それに加えて、この第四の例においては、
光検出部50で検出された検出信号は、制御装置53に
も送られる。制御装置53は、例えば、MPUユニット
により構成することができ、この検出されたトナー色濃
度信号と併せて、別のセンサにより検出されるか或いは
マニュアルで設定されている印刷媒体の凹凸や、印刷媒
体の種類(例えば、紙又はフィルム)に応じて、比較器
51の基準値に相当する入力を変化させることにより、
トナー色濃度を意図的に変えたり、或いは制御系の時定
数を任意に可変にすることで、より高精度の膜厚制御を
することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明は、最終段回転ローラの表面に塗
布される液体現像液の層厚を監視し、この層厚が所定値
になるように、前記現像液塗布手段の回転ローラ間でギ
ャップ或いは接圧を制御し、また現像ローラに当接する
最終段の回転ローラを上記現像ローラとは逆方向に回転
させると共に、前記最終段回転ローラの表面に塗布され
る液体現像液の層厚を監視し、この層厚が所定値になる
ように、前記最終段回転ローラの前に位置するローラの
回転数を制御することにより、感光体10上に塗布され
るトナー色濃度の均一化を図ることが可能となる。
【0054】さらに、この所定値を変えることでトナー
層の厚みを変化させて、印刷媒体の凹凸や、印刷媒体の
種類に応じた最適の画像色濃度に調整することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式電子写真装置の全体構成図であ
る。
【図2】アプリケータローラ及び現像ローラの働きの説
明図である。
【図3】プリウエット処理により塗布されるプリウエッ
ト層の働きの説明図である。
【図4】現像ローラとアプリケータローラのニップ部分
におけるトナー層の状態を説明する図である。
【図5】感光体の表面におけるプリウエット層の動作を
説明する図である。
【図6】本発明に基づき現像ローラ上のトナー層厚を所
定値に制御する第一の例を示している。
【図7】本発明に基づき現像ローラ上のトナー層厚を所
定値に制御する第二の例を示している。
【図8】本発明に基づき現像ローラ上のトナー層厚を所
定値に制御する第三の例を示している。
【図9】本発明に基づき現像ローラ上のトナー層厚を所
定値に制御する第四の例を示している。
【符号の説明】
10 感光体(ドラム) 11 帯電装置 12 露光装置 13 プリウエット装置 14 現像装置 15 中間転写体(ローラ) 16 ブレード 17 除電装置 18 加熱装置 19 加圧ローラ 50 光検出部 51 比較器 52 ローラ位置制御部 53 制御装置 54 光源 55 回転数制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上杉 茂紀 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 本 悟 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 市田 元治 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 高畠 昌尚 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 岡野 茂治 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内 (72)発明者 竹田 靖一 石川県河北郡宇ノ気町字宇野気ヌ98番地の 2 株式会社ピーエフユー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体ト
    ナーを液体現像液として用いる湿式電子写真装置であっ
    て、 静電潜像の形成される画像支持体と、 上記画像支持体の表面に、プリウエット液の膜を塗布す
    るプリウエット液塗布手段と、 上記画像支持体上のプリウエット液の膜との2層構造を
    維持するように上記画像支持体上に接触して液体現像液
    を供給し、かつ上記画像支持体との間に生成される電界
    に応じて、該液体現像液のトナー粒子を上記画像支持体
    に付着させる現像ローラと、 連接する複数の回転ローラから構成されて、供給される
    液体現像液を該回転ローラで引き延ばしつつ表面に塗布
    しながら搬送していくとともに、該最終段回転ローラの
    表面に塗布される液体現像液の膜を、上記現像ローラの
    上記当接面に塗布する現像液塗布手段と、 前記最終段回転ローラの表面に塗布される液体現像液の
    層厚を監視し、この層厚が所定値になるように、前記現
    像液塗布手段の回転ローラ間のギャップ或いは接圧を制
    御する手段と、 を備えることを特徴とする湿式電子写真装置。
  2. 【請求項2】 前記回転ローラ間のギャップ或いは接圧
    の制御は、前記最終段回転ローラの直前に位置するロー
    ラの軸位置を、該ローラの前後に位置する2つのローラ
    の少なくともその一方に対して行うものである請求項1
    に記載の湿式電子写真装置。
  3. 【請求項3】 前記回転ローラ間のギャップ或いは接圧
    の制御は、ローラ軸受けに備えられたピエゾ素子により
    ローラ軸位置を移動させることにより行うものである請
    求項1又は2に記載の湿式電子写真装置。
  4. 【請求項4】 前記層厚の監視は、前記最終段回転ロー
    ラの表面を光反射性に構成し、光源より該光反射性表面
    に照射した光の反射に基づき該光反射性表面上のトナー
    色濃度を検出することにより行うものである請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の湿式電子写真装置。
  5. 【請求項5】 前記層厚の監視、及びそれに基づく回転
    ローラ間のギャップ或いは接圧の制御は、最終段回転ロ
    ーラの長手方向左右のトナー層厚が同じになるように、
    一つの基準値に基づき、左右2カ所で個別に行われる請
    求項1〜4のいずれかに記載の湿式電子写真装置。
  6. 【請求項6】 印刷媒体の凹凸或いは印刷媒体の種類を
    検出し、これに応じてトナー色濃度、或いは制御系の時
    定数を変更する制御装置をさらに備えるものである請求
    項1〜5のいずれかに記載の湿式電子写真装置。
  7. 【請求項7】 不揮発性を示す高粘度で高濃度の液体ト
    ナーを液体現像液として用いる湿式電子写真装置であっ
    て、 静電潜像の形成される画像支持体と、 上記画像支持体の表面に、プリウエット液の膜を塗布す
    るプリウエット液塗布手段と、 上記画像支持体上のプリウエット液の膜との2層構造を
    維持するように上記画像支持体上に接触して液体現像液
    を供給し、かつ上記画像支持体との間に生成される電界
    に応じて、該液体現像液のトナー粒子を上記画像支持体
    に付着させる現像ローラと、 連接する複数の回転ローラから構成されて、供給される
    液体現像液を該回転ローラで引き延ばしつつ表面に塗布
    しながら搬送していくとともに、上記現像ローラに当接
    する最終段回転ローラを上記現像ローラとは逆方向に回
    転させて、該最終段回転ローラの表面に塗布される液体
    現像液の膜を、上記現像ローラの上記当接面に塗布する
    現像液塗布手段と、 前記最終段回転ローラの表面に塗布される液体現像液の
    層厚を監視し、この層厚が所定値になるように、前記最
    終段回転ローラの前に位置するローラの回転数を制御す
    る手段とを備えることを、 特徴とする湿式電子写真装置。
  8. 【請求項8】 前記層厚の監視は、前記最終段回転ロー
    ラの表面を光反射性に構成し、光源より該光反射性表面
    に照射した光の反射に基づき該光反射性表面上のトナー
    色濃度を検出することにより行うものである請求項7に
    記載の湿式電子写真装置。
  9. 【請求項9】 印刷媒体の凹凸或いは印刷媒体の種類を
    検出し、これに応じてトナー色濃度、或いは制御系の時
    定数を変更する制御装置をさらに備えるものである請求
    項7又は8に記載の湿式電子写真装置。
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