JP2003029551A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003029551A
JP2003029551A JP2001218767A JP2001218767A JP2003029551A JP 2003029551 A JP2003029551 A JP 2003029551A JP 2001218767 A JP2001218767 A JP 2001218767A JP 2001218767 A JP2001218767 A JP 2001218767A JP 2003029551 A JP2003029551 A JP 2003029551A
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forming apparatus
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JP2001218767A
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Atsushi Mochizuki
望月  淳
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境変動や耐久によってトナーの状態が変化
した場合でも、最適転写バイアスを設定して良好な転写
を行うことができるようにする。 【解決手段】 非画像形成時に、制御装置28の制御に
より転写高圧電源26から転写ローラ4に印加する転写
バイアスを順次変化させながら感光ドラム1上に形成し
た所定のトナー像を転写ローラ4に転写させ、このとき
の転写電圧と転写電流を読み取り、読み取った転写電圧
と転写電流の関係が変極点となるときの転写電圧を求
め、求めた変極点における転写電圧に基づいて、転写時
に転写高圧電源26から転写ローラ4に印加する転写バ
イアスの設定を変更することにより、環境変動や耐久に
よって、トナーの状態が変化した場合でも良好な転写を
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式や静
電記録方式などによって画像形成を行う複写機、プリン
タ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の電子写真方式を利用した
複写機、プリンタなどの画像形成装置の一例を示す概略
構成図である。
【0003】この画像形成装置は、感光ドラム100を
矢印方向(時計方向)に回転駆動し、その表面を帯電バ
イアスが印加された帯電ローラ101で均一に帯電した
後、露光装置(不図示)によって入力画像信号に応じた
画像露光Lを行い、静電潜像を形成する。この静電潜像
は、トナーを表面に薄層担持した現像装置102の現像
スリーブ102aによりトナー像として現像される。感
光ドラム100上に形成されたトナー像は、感光ドラム
100と転写ローラ103間の転写部Nに搬送される用
紙などの転写材Pに、転写ローラ103によって転写さ
れる。
【0004】即ち、転写部Nにて感光ドラム100に接
する転写ローラ103には、転写高圧電源105からト
ナーと逆極性の転写バイアスが印加され、転写材Pの背
面側からトナーと逆極性の電荷が付与されることによ
り、感光ドラム100上のトナー像が転写材P表面に転
写される。
【0005】トナー像が転写された転写材Pは定着装置
(不図示)に搬送され、この定着装置でトナー像を転写
材P表面に熱定着した後、外部に排出される。また、上
記転写後に感光ドラム100上に残留している転写残ト
ナーは、クリーニングブレード104で除去されて回収
される。
【0006】上記画像形成装置において、転写時に転写
高圧電源105から転写ローラ103に転写バイアスを
印加する際のバイアス制御として、非画像形成時に転写
部Nに電流を流し、このときの電流電圧値から最適な転
写バイアスを設定するATVC(Active Tra
nsfer Voltage Control)が提案
されている。
【0007】上記の画像形成装置において、転写手段と
しての弾性ローラからなる転写ローラ103は、オゾン
レス、低コストなどの利点から従来から多く使用されて
いる。しかしながら、上記のような転写ローラ103
は、製造時の抵抗ばらつきを抑えることが難しいうえ、
雰囲気環境の温湿度変化や耐久劣化などにより抵抗が変
化してしまう。
【0008】このため、上記した従来のATVCでは、
転写高圧電源105に、定電流制御と定電圧制御のでき
る制御手段(不図示)、及びこのときの電圧、電流を検
知する検知手段(不図示)を接続して、画像形成の前回
転時に転写バイアスを定電流制御し、このときの感光ド
ラム100の帯電電位と転写ローラ103の抵抗値に対
する最適な転写電圧を検知して、画像を転写する際には
先に求めた転写電圧で定電圧制御を行うようにしてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本来、
最適な転写バイアスは、転写されるトナーの状態(トリ
ボ等)によっても異なるものである。例えば、常温常湿
環境において、現像キャリアが初期状態でトナートリボ
が25μc/gで、通紙トナー転写時の最適転写電流が
10μA程度である場合、現像キャリアの耐久劣化によ
り、トナートリボが15μc/g程度まで低下すると、
最適転写電流値は6μAとなる。
【0010】上記した従来のATVCでは、転写部Nの
非画像部で転写電圧を検知して設定するために、感光ド
ラム100の帯電電位と転写ローラ103の抵抗値に対
する最適な転写電圧は設定できても、現像キャリアの環
境や耐久によるトナーの状態の変動に厳密に対応できな
い。
【0011】例えば、初期状態のトナートリボに合わせ
て最適転写電流を設定すると、耐久が進んだ場合に、転
写バイアスが大きくなりすぎて転写不良が発生してしま
う。更に、現像キャリアの耐久劣化によるトナートリボ
の変動は、印字画像や画像モードによって異なってくる
ために、予測することは困難である。これに加えて、雰
囲気環境の温湿度変化が起きると、トナートリボの変動
を予測制御することはさらに困難となる。
【0012】そこで本発明は、環境変動や耐久によって
トナーの状態(トリボなど)が変化した場合でも、最適
転写バイアスを設定して良好な転写を行うことができる
画像形成装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、像担持体上に形成されたトナー像を、転写
部において電源からの転写バイアスの印加により被転写
体上に転写する転写手段を備えた画像形成装置におい
て、前記電源から前記転写手段に印加する転写バイアス
の制御を行う制御手段を有し、前記制御手段は、非画像
形成時に、前記電源から前記転写手段に印加する転写バ
イアスを順次変化させながら前記像担持体上に形成した
所定のトナー像を被転写体に転写させ、このときの転写
電圧と転写電流を読み取り、読み取った転写電圧又は転
写電流の情報に基づいて、転写時に前記電源から前記転
写手段に印加する転写バイアスの設定を変更するように
制御を行うことを特徴としている。
【0014】また、前記制御手段は、読み取った転写電
圧と転写電流の関係が変極点となるときの転写電圧又は
転写電流を求め、求めた変極点における転写電圧又は転
写電流に基づいて、転写時に前記電源から前記転写手段
に印加する転写バイアスの設定を変更するように制御を
行うことを特徴としている。
【0015】また、前記制御手段は、読み取った転写電
圧の所定の変化量に対する、転写電流の変化量がある一
定の値以上となるときの転写電流又は転写電圧を求め、
これに基づいて転写時に前記電源から前記転写手段に印
加する転写バイアスの設定を変更するように制御を行う
ことを特徴としている。
【0016】また、前記制御手段は、読み取った転写電
圧の所定の変化量に対する、転写電流の変化量がある一
定の値以下となるときの転写電流又は転写電圧を求め、
これに基づいて転写時に前記電源から前記転写手段に印
加する転写バイアスの設定を変更するように制御を行う
ことを特徴としている。
【0017】また、前記像担持体が感光体であることを
特徴としている。
【0018】また、前記像担持体が中間転写体であるこ
とを特徴としている。
【0019】また、前記被転写体が中間転写体であるこ
とを特徴としている。
【0020】また、前記被転写体が転写材であることを
特徴としている。
【0021】また、前記像担持体上に形成されたトナー
像を前記被転写体上に転写する際の転写バイアスが、定
電圧制御であることを特徴としている。
【0022】また、前記像担持体上に形成されたトナー
像を前記被転写体上に転写する際の転写バイアスが、定
電流制御であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0024】〈実施の形態1〉図1は、本発明の実施の
形態1に係る画像形成装置(本実施の形態では、電子写
真方式のレーザプリンタなどの画像形成装置)を示す概
略構成図である。
【0025】この画像形成装置は、矢印R1方向(時計
方向)に回転する像担持体としての感光ドラム1を備
え、その周囲に帯電ローラ2、現像装置3、転写ローラ
4、クリーニング装置5が設置されている。また、帯電
ローラ2と現像装置3間の上方には露光装置(スキャナ
ユニット)6が設置されている。
【0026】感光ドラム1は、例えばアルミニウム等か
らなる導電性のドラム基体7の周面上に感光層(有機光
導体層)8が形成されて構成されており、駆動装置(不
図示)によって矢印R1方向(時計方向)に所定のプロ
セススピード(周速度)で回転駆動される。
【0027】接触帯電手段としての帯電ローラ2は、感
光ドラム1表面に所定の押圧力で接触し、1次高圧電源
12から印加される帯電バイアスによって、本実施の形
態では感光ドラム1を負極性の所定電位に帯電する。
【0028】帯電ローラ2は、中心に配置された導電性
の芯金9と、その外周に形成された低抵抗導電層10と
中抵抗導電層11からなり、芯金9の両端部が軸受部材
(不図示)によって回転自在に支持されるとともに、感
光ドラム1に対して平行に配置されている。これら両端
部の軸受部材は押圧部材(不図示)によって感光ドラム
1に向けて付勢されており、これにより、帯電ローラ2
は、感光ドラム1表面に所定の押圧力を持って圧接さ
れ、感光ドラム1の矢印R1方向の回転にともなって矢
印R2方向(反時計方向)に従動回転する。
【0029】現像装置3は、2成分現像剤(非磁性トナ
ーと磁性キャリアを混合したもの)を収容した現像容器
14を有し、現像容器14の感光ドラム1に面した開口
部内に現像スリーブ15が回転自在に設置され、現像ス
リーブ15内には現像スリーブ15上に現像剤を担持さ
せるマグネットローラ16が、現像スリーブ15の回転
に対して非回転に固定配置されている。現像スリーブ1
5には、現像高圧電源17が接続されている。
【0030】現像容器14内には、区画された現像室2
0及び撹拌室21が設けられ、その上方には補給用のト
ナーを収容した補給室22が設けられている。また、現
像容器14の現像スリーブ15の下方位置には、現像ス
リーブ15上に担持された現像剤を規制して薄層の現像
剤層に形成する規制ブレード18が設置されている。
【0031】接触転写手段としての転写ローラ4は、転
写高圧電源26から転写バイアスが印加される芯金23
と、その外周面に円筒状に形成された導電層24、更に
その表面を覆う表面層25によって構成されている。転
写高圧電源26には制御装置28(CPU)が接続され
ており、最適転写バイアスの設定制御などを行う(転写
ローラ4の詳細な説明、及び最適転写バイアスの設定制
御は後述する)。
【0032】転写ローラ4は、その両端部がスプリング
等の押圧部材(不図示)によって感光ドラム1に向けて
付勢されており、これにより転写ローラ4の表面層25
は、所定の押圧力で感光ドラム1表面に圧接され、感光
ドラム1と転写ローラ4との間には転写ニップ部(転写
部)が形成される。転写ローラ4の表面層25に付着す
るトナー等は、スクレーパー27により除去される。
【0033】クリーニング装置5は、クリーニングブレ
ード29及び搬送スクリュー30を有しており、クリー
ニングブレード29は、感光ドラム1に対して所定の角
度及び圧力で加圧部材(不図示)により当接されてお
り、感光ドラム1表面に残留したトナー等を回収する。
【0034】露光装置6は、入力される画像情報の時系
列電気デジタル信号が画素信号に応じて変調されたレー
ザ光による画像露光Lにより、帯電ローラ2で帯電され
た感光ドラム1上に画像情報に応じた静電潜像を形成す
る。
【0035】次に、上記した本実施の形態の画像形成装
置による画像形成動作について説明する。
【0036】画像形成時には、感光ドラム1は駆動装置
(不図示)により矢印R1方向に所定のプロセススピー
ドで回転駆動され、1次高圧電源12から帯電バイアス
が印加された帯電ローラ2によって負極性の所定電位に
帯電される。
【0037】そして、露光装置6から画像信号に対応し
たレーザ光による画像露光Lが感光ドラム1上に付与さ
れ、感光ドラム1上の電位は画像露光Lされた部分の電
位が低下して、静電潜像が形成される。そして、現像高
圧電源17から現像バイアスが印加された現像装置3の
現像スリーブ15によって感光ドラム1上の静電潜像に
トナーを付着させてトナー像として反転現像(可視像
化)する。
【0038】この現像時には、現像スリーブ15上の薄
層の現像剤が感光ドラム1と対向した現像領域へ搬送さ
れ、マグネットローラ16の現像領域に位置された現像
主極(不図示)の磁気力によって穂立ちして、現像剤の
磁気ブラシ(不図示)が形成される。この磁気ブラシで
感光ドラム1の面上を擦るとともに、現像スリーブ15
に、現像高圧電源17から現像バイアスを印加すること
により、磁気ブラシの穂を構成するキャリアに付着して
いるトナーが静電潜像の露光部に付着して現像し、感光
ドラム1上にトナー像が形成される。
【0039】そして、感光ドラム1上のトナー像の形成
に合わせて、所定のタイミングで用紙などの転写材Pが
レジストローラ(不図示)によって感光ドラム1と転写
ローラ4との間の転写ニップ部に搬送される。この際、
転写ローラ4に転写高圧電源26から負極性に帯電して
いるトナーと逆極性の転写バイアスが定電圧制御によっ
て印加され、感光ドラム1から転写材P上にトナー像が
転写される。
【0040】トナー像が転写された転写材Pは定着装置
(不図示)へ搬送され、定着装置の定着ローラ(不図
示)と加圧ローラ(不図示)間の定着ニップで、未定着
トナー像が転写材P上に熱定着されて外部に排出され
る。
【0041】また、トナー像転写後の感光ドラム1表面
の転写残トナーやその他の付着物は、クリーニング装置
5のクリーニングブレード29によって除去され、搬送
スクリュー30により搬送排出される。
【0042】次に、転写ローラ4の詳細な構成について
説明する。
【0043】本実施の形態で用いた転写ローラ4は、芯
金23が直径8mmであり、この周りに導電層24が厚
さ4mmで形成されている。転写ローラ4の導電層24
は、その抵抗値が10〜1012Ω・cm程度で、単
泡性あるいは連泡性のNBR、SBR、BR等が望まし
い。本実施の形態では、EPDMのスポンジで、導電材
としてはカーボンを用いた。抵抗値は、500g重の荷
重の下で接地に対して該転写ローラ4を50mm/se
cの周速で回転させ、芯金23に1kVの電圧を印加し
て測定された電流の関係から求められ、その値は約10
Ωであった。
【0044】また、転写ローラ4の表面層25は、導電
性で離型性の高い樹脂等で形成され、PTFE、FE
P、PVDFなどにカーボンを分散させ導電性を持たせ
たフッ素樹脂を、チューブ状に形成、被覆したもの、或
いはコートしたものが好ましい。本実施の形態では、P
FAを50μm被覆したものを用いた。
【0045】また、本実施の形態においては、転写ロー
ラ4の表面に付着したトナー等を除去するスクレーパー
27が配置されている。本実施の形態では、厚さ200
μmのPETを転写ローラ4の回転方向に対してカウン
ター方向に当接している。
【0046】次に、本実施の形態における最適転写バイ
アスの設定制御について説明する。
【0047】先ず、上記した画像形成プロセスの手順に
よって、感光ドラム1上に所定のトナー像を形成する。
その後、このトナー像を現像高圧電源17から印加され
る所定の転写バイアス(転写電圧)で感光ドラム1から
直接転写ローラ4の表面に転写する(この際、用紙など
の転写材Pは搬送されていない)。
【0048】この際、転写電圧を多段階に振りながら、
印加している転写電圧Vとトナー像を転写しているとき
の転写電流Iの関係を求める。これらの関係と、更に転
写電圧Vに対する感光ドラム1から転写ローラ4への転
写効率の関係を、図2に示す。
【0049】図2に示すように、転写電圧Vを上げてい
くと、ある電圧Vaから転写電流Iが流れ始め、これと
同時に転写が始まる。更に、転写電圧Vを高くしていく
と、感光ドラム1から転写ローラ4への転写効率は高く
なっていき、ある電圧Vb近傍において最大の転写効率
となる。そして、この電圧Vbを境に強抜けと呼ばれる
画像不良が発生し始め、転写効率は下がり始める。この
ときには、感光ドラム1と転写ローラ4の間で放電が発
生していると考えられ、転写電流Iはより流れるように
なる。
【0050】即ち、電圧Vbを境にしてV−I直線の傾
きは急になる。このように、トナー像転写時の転写電圧
Vと転写電流Iの関係には変極点が存在し、変極点とな
る転写電圧Vbは、トナーの状態(雰囲気環境の温湿
度、現像材の耐久度合い)により異なるが、トナーがど
のような状態にあっても、変極点となる転写電圧近傍で
の転写効率が最大となることを、本発明者らの実験によ
って確認した。
【0051】このことから、画像形成前に予め転写電圧
Vと転写電流Iとの関係を求めておき、これらの関係を
示すグラフの変極点付近の転写電圧Vbを設定電圧にす
ることで、トナーがどのような状態にあっても、更に
は、感光ドラム1や転写ローラ4の状態が変動した場合
にも、常に最適な転写バイアスを設定することができ
る。
【0052】なお、ここで感光ドラム1上に形成するト
ナー像は、トナーが転写されるときに流れる転写電流を
検知するものであるため、なるべく感光ドラム1の長手
方向における最大画像形成幅であることが望ましい。例
えば、図3に示すように、感光ドラム1上に最大画像形
成幅に対して幅の小さいトナー像tを形成した場合、感
光ドラム1と転写ローラ4との間の転写部において、ト
ナー像tの両側の非画像部にも電流が流れるが、画像部
と非画像部では、転写電圧Vと転写電流Iの関係が異な
るため、上述のような明確な変極点を求めることが難し
くなる。
【0053】また、感光ドラム1上に形成するトナー像
の長さ(通紙方向)は、転写電流値の検知回数にかかわ
るもので、トナー像の長さ(通紙方向)を長くするほど
長時間にわたって転写電流を検知することができるため
に精度は増すが、トナー消費が多くなるという問題があ
る。
【0054】更に、感光ドラム1上に形成するトナー像
の濃度については、FFベタ濃度のトナー像の転写性を
最適に設定する場合、形成するトナー像もFFベタとし
て上述のV−I特性を求めることが望ましいが、ハーフ
トーン画像での転写性を合わせる場合や、トナー消費量
を抑えたい場合などは、ハーフトーン画像で上述のV−
I特性を求めても良い。
【0055】次に、本実施の形態における最適転写バイ
アスの設定制御の詳細について説明する。
【0056】先ず、感光ドラム1上に、上記した画像形
成プロセスの手順によってトナー像パターンを形成す
る。ここでは、感光ドラム1の長手方向に対しては最大
画像形成領域の幅である290mm、感光ドラム1の回
転方向(通紙方向)の長さは240mmの大きさで、F
Fベタのトナー像を形成する。
【0057】そして、制御装置28の制御によって現像
高圧電源17から転写ローラ4に印加される転写バイア
ス(転写電圧)を先ずV1に定電圧制御しながら、転写
ローラ4の1周分あたる50.2mmを転写し、この時
の転写電流を電流計(不図示)で検知し、これらの平均
値をIとする。転写ローラ4の1周分を検知するの
は、転写ローラ4の抵抗の周むらを平均化するためであ
る。
【0058】続いて、転写電圧V(>V)で同じく
定電圧制御しながら、Iを求める。同様にV(>V
)に対するI、V(>V)に対するIを求
め、これらから、図4に示すように、V・IとV
・IからのV−I直線と、V ・IとV・I
らのV−I直線の交点を求め、この交点における転写電
圧Vbを得る。
【0059】上述で得られたVbは、感光ドラム1から
転写ローラ4に直接トナー像を転写する際の最適転写電
圧であるため、実際に転写材Pに転写する際には、転写
時に転写材Pにかかる分担電圧Vpも加算して印加する
必要がある。よって、設定転写電圧は、Vb+Vpによ
って得られる。ここで、Vpは転写材Pの種類や、吸湿
具合(雰囲気環境の温湿度)によって異なる。以降の転
写制御においては、上記で設定されたVb+Vpで定電
圧制御される。そして、転写ローラ4の表面に転写され
たトナー像は、スクレーパー27によって除去される。
【0060】上述の最適転写電圧を求める制御は、電源
投入後の前多回転時、画像形成の前回転時、環境変動
時、所定印字枚数到達時などで実施することができる。
【0061】また、上述の最適転写電圧を求める制御に
おいては、定電圧制御を4段階に振ってVbを求めた
が、転写ローラ4がイオン導電性などで抵抗の周むらが
少ない場合は、転写ローラ一周分を電流検知する必要が
ないため、同一時間内であってもより多段階に定電圧制
御することで正確なV−I特性及び変極点を得られ、よ
り最適なVbを求めることができる。
【0062】或いは、定電圧制御を多段階に振ったとき
の、転写電圧の所定の変化量ΔVに対する転写電流の変
化量ΔIの値が、ある一定以上となるときの転写電圧を
Vbとして設定しても良い。
【0063】また、本実施の形態では、FFベタの転写
時に転写電流を検知し、これから転写電圧Vbを算出し
たため、転写電圧VbはFFベタに最適な電圧である
が、ハーフトーン画像での転写性が最適になるように、
Vbより小さめの値Vb’(=α×Vb、ただしα<
1)を最適転写電圧に設定することや、逆に、若干のば
らつきを吸収できるように、Vbよりやや大きめの値V
b”(=β×Vb、ただしβ>1)を最適設定電圧とし
ても良い。
【0064】このように本実施の形態では、感光ドラム
1上に形成した所定のトナー像を転写ローラ4に転写す
る時の転写電圧を変化させながら転写電流を検知し、こ
の時の転写電圧と転写電流の特性から得られる変極点電
圧に基づいて最適転写バイアスを設定することにより、
環境変動や耐久によって、トナーの状態(トリボなど)
が変化した場合でも良好な転写を行うことができる。
【0065】なお、本実施の形態では、感光ドラム1か
ら転写ローラ4へ直接トナー像を転写しながらそのとき
の転写電流値を検知したが、転写材Pに実際に転写しな
がら転写電流を検知し、上記した最適転写バイアスの設
定制御を行うことも可能である。
【0066】〈実施の形態2〉図5は、本発明の実施の
形態2に係る画像形成装置(本実施の形態では、電子写
真方式でタンデム方式のレーザプリンタなどのカラー画
像形成装置)を示す概略構成図である。なお、図1に示
した実施の形態1の画像形成装置と同一機能を有する部
材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0067】この画像形成装置は、イエロー色の画像を
形成する画像形成部60aと、マゼンタ色の画像を形成
する画像形成部60bと、シアン色の画像を形成する画
像形成部60cと、ブラック色の画像を形成する画像形
成部60dの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を
備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔を
おいて一列に配置されている。
【0068】各画像形成部60a、60b、60c、6
0dには、それぞれ像担持体としての感光ドラム1a、
1b、1c、1dが設置されている。各感光ドラム1
a、1b、1c、1dの周囲には、帯電ローラ2a、2
b、2c、2d、現像装置3a、3b、3c、3d、転
写ローラ4a、4b、4c、4d、クリーニング装置5
a、5b、5c、5dがそれぞれ設置されており、帯電
ローラ2a、2b、2c、2dと現像装置3a、3b、
3c、3d間の上方には露光装置6a、6b、6c、6
dがそれぞれ設置されている。
【0069】各画像形成部60a、60b、60c、6
0dの構成及び動作は実施の形態1と同様であり、本実
施の形態ではそれらの説明は省略する。そして、本実施
の形態の画像形成装置では、各画像形成部60a、60
b、60c、60dの感光ドラム1a、1b、1c、1
d上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クの各トナー像は、感光ドラム1a、1b、1c、1d
と各転写部で接して移動通過する転写材搬送体としての
転写ベルト40上に吸着担持されて搬送される用紙など
の転写材上に順次重ね合わされて転写される構成であ
る。
【0070】転写ベルト40は、転写ローラ4a、4
b、4c、4dの押圧によって各転写部で感光ドラム1
a、1b、1c、1dに接している。転写ベルト40
は、駆動ローラ41と従動ローラ42によって張架され
ており、駆動ローラ41の回転駆動によって矢印方向に
移動(回転)される。
【0071】また、転写ベルト40は、PC、PET、
PVDFのような誘電体樹脂によって構成される。本実
施の形態では、体積抵抗率1014Ω・cm(JIS−
K6911法準拠プローブを使用、印加電圧1000
V、印加時間60sec、23℃、50%RH)、厚み
t=80μmの、カーボンが分散されたPI樹脂を用い
たが、他の材料、体積抵抗率、及び厚みのものでも構わ
ない。
【0072】転写ローラ4a、4b、4c、4dは、直
径8mmの芯金と、厚さ5mmの導電性ウレタンスポン
ジ層からなり、抵抗値は、500g重の荷重の下で接地
に対して該転写ローラ4a、4b、4c、4dを50m
m/secの周速で回転させ、芯金に500Vの電圧を
印加して測定された電流の関係から求められ、その値は
約10Ω(23℃、50%RH)であった。
【0073】また、転写ベルト40の画像形成部60a
の上流側には、用紙などの転写材Pを転写ベルト40上
に静電吸着させる吸着ローラ対47が設置されている。
【0074】転写ベルト40の従動ローラ42近傍に
は、転写ベルト40表面に付着した残トナーなどを除去
し回収するベルトクリーニング装置49が設置されてい
る。また、転写ベルト40の転写材搬送方向の画像形成
部60dの下流側には、転写ベルト40上から転写材P
を分離する分離帯電器48と、定着ローラ51と加圧ロ
ーラ52を有する定着装置50が設置されている。
【0075】次に、上記した本実施の形態の画像形成装
置による画像形成動作について説明する。
【0076】画像形成動作開始信号が発せられると、所
定のプロセススピードで回転駆動される画像形成部60
a、60b、60c、60dの各感光ドラム1a、1
b、1c、1dは、それぞれ帯電ローラ2a、2b、2
c、2dによって一様に本実施の形態では負極性に帯電
される。そして、露光装置6a、6b、6c、6dは、
ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色
分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換さ
れた光信号であるレーザ光を、帯電された各感光ドラム
1a、1b、1c、1d上にそれぞれ走査露光して静電
潜像を形成する。
【0077】そして、先ず感光ドラム1a上に形成され
た静電潜像に、感光ドラム1aの帯電極性(負極性)と
同極性の現像バイアスが印加された現像装置3aにより
イエローのトナーを付着させて、トナー像として可視像
化する。
【0078】そして、このタイミングに合わせて給紙ロ
ーラ44によって給紙されたカセット43内の用紙など
の転写材Pが、搬送ローラ対45、46によって吸着ロ
ーラ対47と転写ベルト40との間に搬送され、駆動ロ
ーラ41の駆動によって移動される転写ベルト40表面
に吸着バイアスが印加された吸着ローラ対47によって
静電吸着されて、画像形成部60aの転写部に搬送さ
れ、転写バイアス(トナーと逆極性(正極性))が印加
された転写ローラ4aにより、イエローのトナー像が転
写材P上に転写される。
【0079】イエローのトナー像が転写された転写材P
は、転写ベルト40表面に吸着されて画像形成部60b
側に移動される。そして、画像形成部60bの転写部に
おいても、前記同様にして感光ドラム1bに形成された
マゼンタのトナー像が、転写材P上のイエローのトナー
像上に重ね合わせて、転写バイアス(トナーと逆極性
(正極性))が印加された転写ローラ4bにより転写さ
れる。
【0080】以下、同様にして転写材P上に重畳転写さ
れたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画像形成部6
0c、60dの感光ドラム1c、1dで形成されたシア
ン、ブラックのトナー像を、各転写部にて転写バイアス
(トナーと逆極性(正極性))が印加された転写ローラ
4c、4dにより順次重ね合わせて、フルカラーのトナ
ー像を転写材P上に形成する。
【0081】そして、フルカラーのトナー像が形成され
た転写材Pは、分離帯電器48により転写ベルト40表
面から分離されて定着装置50に搬送され、定着装置5
0のヒータ53を内蔵した定着ローラ51と加圧ローラ
52との間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加
熱、加圧して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出
して、一連の画像形成動作を終了する。
【0082】なお、上記した各転写時において、感光ド
ラム1a、1b、1c、1d上に残留している転写残ト
ナーは、クリーニング装置5a、5b、5c、5dによ
って除去されて回収される。また、転写後に転写ベルト
5表面に残った残トナーなどは、ベルトクリーニング装
置49によって除去されて回収される。
【0083】そして、本実施の形態においても、実施の
形態1と略同様にして最適転写バイアスの設定制御を行
うようにした。即ち、本実施の形態では、例えば感光ド
ラム1a上に形成した所定のトナー像を転写ベルト40
上に直接転写し、上述したようにしてこの時の転写電流
と転写電圧の関係を求め、変極点付近となる電圧値Vb
を得て、設定電圧値(Vb+Vp、ただし、Vpは転写
材Pの分担電圧)を設定する。この設定電圧値が、実際
の転写時に各転写ローラ4a、4b、4c、4dに印加
する最適転写バイアスである。
【0084】なお、本実施の形態の画像形成装置では、
各感光ドラム1a、1b、1c、1d上に形成された各
色のトナー像を転写材Pに転写する4つの転写ローラ4
a、4b、4c、4dを有しているので、各転写ローラ
4a、4b、4c、4d毎にそれぞれ上述した方法で転
写バイアスの最適化を行うことが好ましい。
【0085】このように本実施の形態においては、感光
ドラム1a(1b、1c、1d)上に形成した所定のト
ナー像を転写ベルト40に転写する時の転写電圧を変化
させながら転写電流を検知し、この時の転写電圧と転写
電流の特性から得られる変極点電圧に基づいて最適転写
バイアスを設定することにより、環境変動や耐久によっ
て、トナーの状態(トリボなど)が変化した場合でも良
好な転写を行うことができる。
【0086】なお、本実施の形態では、感光ドラム1a
(1b、1c、1d)から転写ベルト40へ直接トナー
像を転写しながらそのときの転写電流値を検知したが、
転写材Pに実際に転写しながら転写電流を検知し、上記
した最適転写バイアスの設定制御を行うことも可能であ
る。
【0087】〈実施の形態3〉図6は、本発明の実施の
形態3に係る画像形成装置(本実施の形態では、電子写
真方式でタンデム型のプリンタ等のカラー画像形成装
置)を示す概略構成図である。なお、図1、図5に示し
た実施の形態1、2の画像形成装置と同一機能を有する
部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0088】この画像形成装置も、イエロー色の画像を
形成する画像形成部60aと、マゼンタ色の画像を形成
する画像形成部60bと、シアン色の画像を形成する画
像形成部60cと、ブラック色の画像を形成する画像形
成部60dの4つの画像形成部(画像形成ユニット)を
備えており、これらの4つの画像形成部は一定の間隔を
おいて一列に配置されている。
【0089】各画像形成部60a、60b、60c、6
0dの構成及び動作は実施の形態1と同様であり、本実
施の形態ではそれらの説明は省略する。そして、本実施
の形態の画像形成装置では、各画像形成部60a、60
b、60c、60dの感光ドラム1a、1b、1c、1
d上に形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クの各トナー像は中間転写体としての中間転写ベルト5
4上に順次重ね合わされて転写(1次転写)された後、
2次転写部で用紙などの転写材Pに転写(2次転写)さ
れる構成である。
【0090】中間転写ベルト54は、転写ローラ(1次
転写ローラ)4a、4b、4c、4dの押圧によって各
転写部で感光ドラム1a、1b、1c、1dに接してい
る。中間転写ベルト54は、駆動ローラ55と従動ロー
ラ56と2次転写ローラ57によって張架されており、
駆動ローラ55の回転駆動によって矢印方向に移動(回
転)される。
【0091】また、中間転写ベルト54は、PC、PE
T、PVDFのような誘電体樹脂によって構成される。
本実施の形態では、体積抵抗率10Ω・cm(JIS
−K6911法準拠プローブを使用、印加電圧100
V、印加時間60sec、23℃、50%RH)、厚み
t=100μmの、PTFE樹脂を用いたが、他の材
料、体積抵抗率、及び厚みのものでも構わない。
【0092】転写ローラ4a、4b、4c、4dは、直
径8mmの芯金と、厚さ5mmの導電性ウレタンスポン
ジ層からなり、抵抗値は、500g重の荷重の下で接地
に対して該転写ローラ4a、4b、4c、4dを50m
m/secの周速で回転させ、芯金に500Vの電圧を
印加して測定された電流の関係から求められ、その値は
約106.5Ω(23℃、50%RH)であった。
【0093】次に、上記した本実施の形態の画像形成装
置による画像形成動作について説明する。
【0094】画像形成動作開始信号が発せられると、所
定のプロセススピードで回転駆動される画像形成部60
a、60b、60c、60dの各感光ドラム1a、1
b、1c、1dは、それぞれ帯電ローラ2a、2b、2
c、2dによって一様に本実施の形態では負極性に帯電
される。そして、露光装置6a、6b、6c、6dは、
ホストコンピュータ(不図示)から入力されるカラー色
分解された画像信号を光信号にそれぞれ変換し、変換さ
れた光信号であるレーザ光を、帯電された各感光ドラム
1a、1b、1c、1d上にそれぞれ走査露光して静電
潜像を形成する。
【0095】そして、先ず感光ドラム1a上に形成され
た静電潜像に、感光ドラム1aの帯電極性(負極性)と
同極性の現像バイアスが印加された現像装置3aにより
イエローのトナーを付着させて、トナー像として可視像
化する。このイエローのトナー像は、1次転写部にて1
次転写バイアス(トナーと逆極性の電圧)が印加された
転写ローラ4aにより、移動(回転)している中間転写
ベルト54上に1次転写される。
【0096】イエローのトナー像が転写された中間転写
ベルト54は、駆動ローラ55の駆動によって画像形成
部60b側に移動される。そして、画像形成部60bに
おいても、同様にして感光ドラム1b上に形成されたマ
ゼンタのトナー像が、1次転写部にて1次転写バイアス
(トナーと逆極性の電圧)が印加された転写ローラ4b
により、中間転写ベルト54上のイエローのトナー像上
に重ね合わせて転写される。
【0097】以下、同様にして中間転写ベルト54上に
重畳転写されたイエロー、マゼンタのトナー像上に、画
像形成部60c、60dの感光ドラム1c、1dで形成
されたシアン、ブラックのトナー像を、各1次転写部に
て1次転写バイアス(トナーと逆極性の電圧)が印加さ
れた転写ローラ3c、3dにより、順次重ね合わせて転
写してフルカラーのトナー像を中間転写ベルト54上に
形成する。
【0098】そして、中間転写ベルト54上のフルカラ
ーのトナー像先端が2次転写ローラ57と2次転写対向
ローラ58との間の2次転写部に移動されるタイミング
に合わせて、給紙ローラ対44によって給紙されたカセ
ット43内の用紙などの転写材Pを、搬送ローラ対4
5、46によってこの2次転写部に搬送して、この転写
材Pに、2次転写バイアス(トナーと逆極性の電圧)が
印加された2次転写ローラ57によりフルカラーのトナ
ー像が一括して転写(2次転写)される。
【0099】そして、フルカラーのトナー像が形成され
た転写材Pは定着装置50に搬送され、定着装置50の
ヒータ53を内蔵した定着ローラ51と加圧ローラ52
間の定着ニップ部でフルカラーのトナー像を加熱、加圧
して転写材P表面に熱定着した後に外部に排出して、一
連の画像形成動作を終了する。
【0100】なお、上記した1次転写時において、感光
ドラム1a、1b、1c、1d上に残留している転写残
トナーは、クリーニング装置5a、5b、5c、5dに
よってそれぞれ除去されて回収される。また、2次転写
後に中間転写ベルト54表面に残った残トナーは、ベル
トクリーニング装置49によって除去されて回収され
る。
【0101】そして、本実施の形態においても、実施の
形態1と略同様にして最適転写バイアスの設定制御を行
うようにした。即ち、本実施の形態では、例えば感光ド
ラム1a上に形成した所定のトナー像を中間転写ベルト
54上に直接転写し、この時の転写電圧Vと転写電流I
を検知して、これらの関係を求める。
【0102】図7は、本実施の形態における転写電圧V
と転写電流Iの関係、及び転写電圧Vに対する感光ドラ
ム1aから中間転写ベルト54への転写効率の関係を示
したものである。本実施の形態では、実施の形態1や実
施の形態2と比べて、1次転写部での抵抗値が低いた
め、V−I特性や転写効率の特性が若干異なる。しかし
ながら基本的には、放電が開始していると考えられる変
極点が見られ、この変極点付近で転写バイアスを設定す
ることで、最も高い転写効率を得ることができる。
【0103】また、本実施の形態では、通常の画像形成
時における1次転写部での転写バイアス制御として、定
電流制御を用いている。実施の形態1や実施の形態2で
は、転写部に直接転写材が通過するため、特に幅の小さ
い転写材に画像形成する際などに、その両側の非通紙部
に転写電流が流出してしまう。
【0104】このため、定電流制御では、画像域に十分
に転写電流が流れない危険性があるため、実施の形態1
や実施の形態2では定電圧制御としたが、本実施の形態
では、1次転写部に転写材が通過することがないため
に、上述のような危険がない上、定電流制御を用いるこ
とで、中間転写ベルト54や転写ローラ4a(4b、4
c、4d)の抵抗の周むらの影響を回避することができ
る。
【0105】従って、本実施の形態における最適転写バ
イアスの設定制御としては、図7における、変極点部分
における転写電流値Ibを最適転写電流として設定すれ
ばよい。なお、最適転写バイアス設定時に用いるトナー
像や、変極点の算出方法、最適転写バイアスを求めるシ
ーケンスの実施タイミング等は、実施の形態1で述べた
通りである。
【0106】なお、本実施の形態では、1次転写部にお
ける最適転写バイアスの設定制御について述べたが、2
次転写部においても同様な最適転写バイアスの設定制御
を行うようにしても良い。
【0107】なお、本実施の形態の画像形成装置では、
各感光ドラム1a、1b、1c、1d上に形成された各
色のトナー像を1次転写部で中間転写ベルト54上に転
写する4つの転写ローラ4a、4b、4c、4dを有し
ているので、各転写ローラ4a、4b、4c、4d毎に
それぞれ上述した方法で転写バイアスの最適化を行うこ
とが好ましい。
【0108】このように本実施の形態においては、感光
ドラム1a(1b、1c、1d)上に形成した所定のト
ナー像を中間転写ベルト54に転写する時の転写電圧を
変化させながら転写電流を検知し、この時の転写電圧と
転写電流の特性から得られる変極点電圧に基づいて最適
転写バイアスを設定することにより、環境変動や耐久に
よって、トナーの状態(トリボなど)が変化した場合で
も良好な転写を行うことができる。
【0109】また、本実施の形態の中間転写ベルトを用
いた画像形成装置では、高転写効率を安定的に得られる
ことから、クリーナレスの画像形成装置に適用すること
も効果的である。
【0110】図8は、磁気ブラシ注入帯電方式でクリー
ナレスの画像形成部を示す概略構成図であり、図6に示
した画像形成装置の各画像形成部60a、60b、60
c、60dに相当している。なお、上述した各実施の形
態の画像形成装置と同一機能を有する部材には同一符号
を付し、重複する説明は省略する。
【0111】この画像形成部は、感光ドラム1の周囲に
磁気ブラシ注入帯電方式で感光ドラム1を帯電する磁気
ブラシ帯電装置61、露光装置6、現像装置3、転写ロ
ーラ4が設置されている。
【0112】磁気ブラシ帯電装置2は、磁性体である注
入剤(不図示)を収納した磁性体収納容器62を有し、
磁性体収納容器62の感光ドラム1に面した開口部内に
注入スリーブ63が回転自在に設置され、注入スリーブ
63内には注入スリーブ63上に注入剤を担持させるマ
グネットローラ64が、注入スリーブ63の回転に対し
て非回転に固定配置されている。
【0113】磁性体収納容器62の注入スリーブ63の
上方位置には、注入スリーブ63上に担持された注入剤
を規制して薄層の注入剤層に形成する規制ブレード65
が設置されている。規制ブレード65で薄層の注入剤層
に形成された注入スリーブ63上の注入剤は、感光ドラ
ム1と対向した注入帯電領域へ搬送されると、マグネッ
トローラ64の注入帯電領域に位置された注入主極(不
図示)の磁気力によって穂立ちし、注入剤の磁気ブラシ
(不図示)が形成される。この磁気ブラシで感光ドラム
1の面上が摺擦される。
【0114】注入スリーブ63と規制ブレード65に
は、帯電バイアス電源66から帯電バイアスが印加され
る。そして、感光ドラム1及び注入スリーブ63が回転
駆動され、帯電バイアス電源66から注入スリーブ63
に所定の帯電バイアスが印加されることで、感光ドラム
1の周面が、注入帯電により負極性の所定電位に一様に
接触帯電される。
【0115】感光ドラム1が一様に帯電された後、画像
信号に応じた露光が露光装置6によってなされることに
より、感光ドラム1上に静電潜像が形成される。その
後、現像装置3によってトナー像が現像され、感光ドラ
ム1上のトナー像は転写ローラ4によって中間転写ベル
ト54に転写(1次転写)される。以後の動作は上記と
同様である。
【0116】また、感光ドラム1上に残った転写残トナ
ーは、磁気ブラシ帯電装置61の注入スリーブ63上の
磁気ブラシ(不図示)に一旦回収された後、それを再び
感光ドラム1上に吐き出させ現像装置4で回収される。
【0117】各画像形成部が磁気ブラシ注入帯電方式で
クリーナレス構成の場合でも、上記した最適転写バイア
スの設定制御を行うことにより、環境変動や耐久によっ
て、トナーの状態(トリボなど)が変化した場合でも良
好な転写を行うことができる。
【0118】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
源から転写手段に印加する転写バイアスを順次変化させ
ながら像担持体上に形成した所定のトナー像を被転写体
に転写させ、このときの転写電圧と転写電流を読み取
り、読み取った転写電圧又は転写電流の情報に基づい
て、転写時に電源から転写手段に印加する転写バイアス
の設定を変更するように制御を行うことにより、環境変
動や耐久によって、トナーの状態が変化した場合でも良
好な転写を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る画像形成装置を示
す概略構成図。
【図2】本発明の実施の形態1における転写電圧Vに対
する、転写電流Iと転写効率の関係を示す図。
【図3】感光ドラムと転写ローラとの間の転写部を示す
模式図。
【図4】本発明の実施の形態1における転写電圧Vと転
写電流Iの関係を示す図。
【図5】本発明の実施の形態2に係る画像形成装置を示
す概略構成図。
【図6】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置を示
す概略構成図。
【図7】本発明の実施の形態3における転写電圧Vと転
写電流Iの関係を示す図。
【図8】本発明の実施の形態3に係る画像形成装置に適
用した磁気ブラシ注入帯電方式でクリーナレス構成の画
像形成部を示す概略構成図。
【図9】従来例における画像形成装置を示す概略構成
図。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d 感光ドラム(像担
持体) 2、2a、2b、2c、2d 帯電ローラ 3、3a、3b、3c、3d 現像装置 4、4a、4b、4c、4d 転写ローラ(転写
手段) 5、5a、5b、5c、5d クリーニング装置 6、6a、6b、6c、6d 露光装置 26 転写高圧電源(電源) 28 制御装置(制御手段) 40 転写ベルト 50 定着装置 54 中間転写ベルト 60a、60b、60c、60d 画像形成部 61 磁気ブラシ帯電装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H200 FA01 FA02 GA12 GA14 GA16 GA23 GA34 GA45 GA47 GA49 GB12 GB22 GB25 HA02 HA12 HA28 HB03 HB12 HB22 HB43 HB46 JA02 JA23 JA25 JA26 JA29 JA30 JB06 JB16 JB25 JB42 JB43 JB45 JB46 JC03 JC12 JC13 JC15 JC16 KA03 KA07 LA17 LA27 LA29 LB02 LB09 LB13 LB14 LB17 MA02 MA03 MA08 MA14 MA20 MB04 MB06 PA05 PA06 PA19 PA22 PA29 PA30 PB02 PB04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に形成されたトナー像を、転
    写部において電源からの転写バイアスの印加により被転
    写体上に転写する転写手段を備えた画像形成装置におい
    て、 前記電源から前記転写手段に印加する転写バイアスの制
    御を行う制御手段を有し、 前記制御手段は、非画像形成時に、前記電源から前記転
    写手段に印加する転写バイアスを順次変化させながら前
    記像担持体上に形成した所定のトナー像を被転写体に転
    写させ、このときの転写電圧と転写電流を読み取り、読
    み取った転写電圧又は転写電流の情報に基づいて、転写
    時に前記電源から前記転写手段に印加する転写バイアス
    の設定を変更するように制御を行う、 ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、読み取った転写電圧と
    転写電流の関係が変極点となるときの転写電圧又は転写
    電流を求め、求めた変極点における転写電圧又は転写電
    流に基づいて、転写時に前記電源から前記転写手段に印
    加する転写バイアスの設定を変更するように制御を行
    う、 ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、読み取った転写電圧の
    所定の変化量に対する、転写電流の変化量がある一定の
    値以上となるときの転写電流又は転写電圧を求め、これ
    に基づいて転写時に前記電源から前記転写手段に印加す
    る転写バイアスの設定を変更するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、読み取った転写電圧の
    所定の変化量に対する、転写電流の変化量がある一定の
    値以下となるときの転写電流又は転写電圧を求め、これ
    に基づいて転写時に前記電源から前記転写手段に印加す
    る転写バイアスの設定を変更するように制御を行う、 ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記像担持体が感光体である、ことを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記像担持体が中間転写体である、こと
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記被転写体が中間転写体である、こと
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成装
    置。
  8. 【請求項8】 前記被転写体が転写材である、ことを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記像担持体上に形成されたトナー像を
    前記被転写体上に転写する際の転写バイアスが、定電圧
    制御である、 ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記像担持体上に形成されたトナー像
    を前記被転写体上に転写する際の転写バイアスが、定電
    流制御である、 ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又
    は8記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006171281A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2009265604A (ja) * 2007-12-04 2009-11-12 Ricoh Co Ltd 画像形成方法及び画像形成装置

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