JPH11258635A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示装置において、染色法をカラーフィ
ルタオンアレイに展開する場合において、コンタクトホ
ールの形成を図る。 【解決手段】 画素電極およびスイッチング能動素子を
備えたアレイ基板と、対向電極を有する対向基板との間
隙に液晶を封入して液晶表示装置を製造する。スイッチ
ング能動素子４を形成した基板３およびこのスイッチン
グ能動素子４の上に紫外線硬化樹脂膜６Ａを形成し、こ
の紫外線硬化樹脂膜６Ａを染色法により着色してカラー
フィルタ６を形成し、このカラーフィルタ６を形成する
紫外線硬化樹脂膜６Ａにフォトリソ法によってコンタク
トホール７を形成し、紫外線硬化樹脂膜６Ａの上に画素
電極９を形成し、コンタクトホール７を介して画素電極
９とスイッチング能動素子４とを導通させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置および
その製造方法に関し、特に、液晶表示装置のカラー化を
目的として、画素電極を駆動するためのスイッチング素
子が形成されたアレイ基板の表面にカラーフィルタを設
けた、カラーフィルタオンアレイ型の、液晶表示装置お
よびその製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の薄膜トランジスタ（Ｔｈｉｎ Ｆ
ｉｌｍ Ｔｒａｎｓｉｓｔｏｒ、以下「ＴＦＴ」と称す
る）型の液晶表示装置（以下「液晶パネル」と称する）
の断面構成を図４に示す。このＴＦＴ型液晶パネル３０
は、アレイ基板１１と、カラーフィルタ基板１２とを有
する。このうち、アレイ基板１１は、ガラス基板１３上
に、信号線および走査線が共に形成される能動素子１４
と、平坦化膜１８と、透明画素電極１９とが形成されて
いる。カラーフィルタ基板１２は、ガラス基板１３′上
に、遮光膜１５と、カラーフィルタ１６と、透明電極１
９′とが形成されている。これらアレイ基板１１とカラ
ーフィルタ基板１２との相対向する面には、配向膜２
０、２０′が形成されている。そして、ガラス基板１
３、１３′の周辺部がシール材２１で閉じられ、球状の
スペーサ２２を介してアレイ基板１１とカラーフィルタ
基板１２とが固着され、その間隙に液晶２３が充填され
ることで、液晶パネル３０が形成されている。なお、液
晶パネル３０の用途に応じて、パネル３０の表裏面に偏
光板２４、２４′が貼り付けられる。

【０００３】このような従来のＴＦＴ液晶パネル３０に
おいては、アレイ基板１１とカラーフィルタ基板１２と
を組み合わせる工程において、位置合わせ精度の問題が
生じる。このため、パタン設計の段階において、この位
置合わせ誤差を見込み、カラーフィルタ基板１２上に形
成されている遮光膜１５のパタン幅を広くし、位置ズレ
不良が発生しにくい設計をしている。なお、遮光膜１５
のパタン幅を広くすることにより、画素開口率が小さく
なり、液晶パネルの画像表示品位として暗いものとな
る。

【０００４】ところで、近年、液晶パネルの高輝度化の
実現のため、画素の高開口化が求められている。このた
め、画素の高開口化に伴って、製造設備における更なる
高精度アライメント技術の開発が行われている。しか
し、工法上、これ以上の高開口化は困難な状況になって
いる。

【０００５】そこで、近年、アレイ基板上にカラーフィ
ルタを形成して組立時にアライメント不要としたカラー
フィルタオンアレイ構造の開発が行われ、またその技術
開示が行われている。このカラーフィルタオンアレイ構
造により、カラーフィルタが形成されたアレイ基板と全
面に電極が形成された対向基板とのアライメントが不要
になり、基板を組み立てる際の位置ズレによる不良がな
くなると共に、アライメント作業が不要になって、工程
を簡略化できる。また、両基板を組み合わせる際の位置
合わせ精度の問題が生じないため、この位置合わせ誤差
を見込まなくてもよいパタン設計ができ、遮光膜１５の
パタン幅を更に狭くした究極の超高開口化が実現でき
る。

【０００６】これらカラーフィルタオンアレイにおける
カラーフィルタ形成法として、染色法、顔料分散法、電
着法、インクジェット法、フィルム転写法、印刷法等の
工法が開発され、それぞれ開示されている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなカ
ラーフィルタ製造法をカラーフィルタオンアレイに応用
するには、図５にその断面構成を示すように、ＲＧＢ樹
脂膜２９にコンタクトホール２８を形成し、画素電極１
９とその画素電極１９を駆動するスイッチング能動素子
１４とに電気的導通処理を施して、両者を導通させる必
要がある。したがって、カラーフィルタ製造法をカラー
フィルタオンアレイに展開する場合においては、このコ
ンタクトホールの形成が課題のひとつとなる。

【０００８】次に、染色法を用いたカラーフィルタの一
般的な製造工程について説明する。図６は、その工程で
の基板の断面図を示す。すなわち、まず同図（ａ）に示
すようにガラス基板１３上に遮光膜１７をマトリックス
状に形成し、さらに同図（ｂ）に示すように染色性樹脂
膜２５を形成する。そして染色性樹脂膜２５を染料によ
り着色し、同図（ｃ）に示すように着色した樹脂膜２
５′とする。さらに、同図（ｄ）に示すようにフォトリ
ソ法を用いて所要パタン形状にパタン３１を形成し、そ
の後、着色されたパタン３１を加熱処理により硬化させ
る。以上の処理を３回繰り返すことにより、同図（ｅ）
に示すように色彩の異なる３種類のパタン３１、３
１′、３１″ が形成され、これによって所望のカラー
フィルタ基板が完成する。

【０００９】次に、合理化した染色法を用いたカラーフ
ィルタの製造工程について説明する。図７は、その工程
での基板の断面図を示す。すなわち、まず同図（ａ）に
示すようにガラス基板１３上に遮光膜１７をマトリック
ス状に形成し、さらに同図（ｂ）に示すようにその上に
染色性樹脂膜２５を形成する。この後、同図（ｃ）に示
すように、Ｒ、Ｇ、Ｂの染料２７をノズル２６から染色
性樹脂膜２５に滴状に出射することにより、所要パタン
形状に着色する。最後に、着色された染色性樹脂膜２５
を加熱処理により硬化させて、同図（ｄ）に示すように
ＲＧＢ樹脂膜２９とすることで、カラーフィルタ基板が
完成する。

【００１０】上記のように染色法を用いたカラーフィル
タ製造法を説明したが、これらをカラーフィルタオンア
レイに展開する場合においても、コンタクトホールの形
成が課題となる。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、本発明は、染色性樹脂膜の材料として紫外線硬
化樹脂膜を用い、この紫外線硬化樹脂膜にフォトリソ法
によりコンタクトホールを形成し、この後に染色性樹脂
膜上面に形成する画素電極とその画素電極を駆動するス
イッチング能動素子とを導通させるものである。

【００１２】これにより、コンタクトホールを備えたカ
ラーフィルタオンアレイを容易に提供でき、カラーフィ
ルタオンアレイに染色法を展開でき、液晶表示装置の超
高開口化と製造工程の簡略化とを図ることができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】請求項１記載の本発明は、画素電
極および前記画素電極を駆動するスイッチング能動素子
を備えたアレイ基板と、前記画素電極の対向電極を有す
る対向基板とを有し、これらアレイ基板と対向基板との
間隙に液晶を封入した液晶表示装置において、前記画素
電極とスイッチング能動素子との間に紫外線硬化樹脂膜
が形成され、この紫外線硬化樹脂膜が着色されることに
よってカラーフィルタが構成され、この紫外線硬化樹脂
膜にコンタクトホールが形成され、このコンタクトホー
ルに、前記画素電極とスイッチング能動素子とを導通さ
せるための電気的導通手段が形成されているようにした
ものである。

【００１４】これにより、コンタクトホールを備えたカ
ラーフィルタオンアレイを提供でき、液晶表示装置の超
高開口化と製造工程の簡略化とを図ることができる。

【００１５】請求項２記載の本発明は、紫外線硬化樹脂
膜が染色材によって染色されているようにしたものであ
る。これにより、樹脂の着色によるカラーフィルタの形
成と、コンタクトホールの形成とが、容易かつ確実に行
われる。

【００１６】請求項３記載の本発明は、画素電極および
前記画素電極を駆動するスイッチング能動素子を備えた
アレイ基板と、前記画素電極の対向電極を有する対向基
板とを有し、これらアレイ基板と対向基板との間隙に液
晶を封入した液晶表示装置を製造するに際し、前記スイ
ッチング能動素子を形成した基板およびこのスイッチン
グ能動素子の上に紫外線硬化樹脂膜を形成し、この紫外
線硬化樹脂膜を染色法により着色してカラーフィルタを
形成し、このカラーフィルタを形成する紫外線硬化樹脂
膜にフォトリソ法によってコンタクトホールを形成し、
前記紫外線硬化樹脂膜の上に画素電極を形成し、前記コ
ンタクトホールを介して前記画素電極とスイッチング能
動素子とを導通させるものである。

【００１７】これにより、コンタクトホールを備えたカ
ラーフィルタオンアレイを容易に提供でき、カラーフィ
ルタオンアレイに染色法を展開でき、液晶表示装置の超
高開口化を図ることができる。

【００１８】請求項４記載の本発明は、紫外線硬化樹脂
膜に染色材を滴状に出射することにより着色するもので
ある。これは、染色法を合理化させた工法であり、液晶
表示装置の超高開口化と製造工程の簡略化とを図ること
ができるものである。

【００１９】以下、本発明の実施の形態にもとづく、染
色法を用いた液晶表示装置およびその製造方法につい
て、図１の液晶パネル断面図と、図２の、カラーフィル
タが形成されたアレイ基板の形成工程を示す基板断面図
とを用いて説明する。

【００２０】カラーフィルタが形成されたアレイ基板の
形成に際しては、まず、図２（ａ）に示すように、ガラ
ス基板３上に、スイッチング能動素子４を、一般的な半
導体薄膜成膜と、絶縁膜成膜と、フォトリソ法によるエ
ッチングとを繰り返すことにより形成する。さらに、能
動素子４を形成したガラス基板３上に有機顔料を分散し
たブラックレジストを塗布、乾燥し、フォトリソ法によ
るパタニングにより、同図（ｂ）に示すように遮光膜５
を所要パターン形状に形成する。

【００２１】このフォトリソに用いる露光機としては、
プロキシミティ露光装置が好適である。ただし、パタニ
ング精度を向上させるために、ミラープロジェクション
露光装置を用いてもよい。上述のブラックレジストは、
その製膜後の材料特性として、電気抵抗率が１０¹²Ω・
ｃｍ以上、比誘電率が３．５以下、ＯＤ値２以上のもの
が好適である。

【００２２】次に、同図（ｃ）に示すように、遮光膜５
が形成されたガラス基板３上に紫外線硬化タイプの染色
性樹脂６Ａを塗布、乾燥し、同図（ｄ）に示すようにフ
ォトリソ法により所要パタン形状のコンタクトホール７
を形成する。この染色性樹脂６Ａとしては、アクリル系
の紫外線硬化型の樹脂が好適である。その後、染色法に
より染色性樹脂６Ａを染色し、ＲＧＢ染色膜６を形成す
る。

【００２３】この後、場合によっては同図（ｅ）に示す
ようにＲＧＢ染色膜６の上に平坦化膜８を塗布し乾燥さ
せることもできる。この平坦化膜８としては、アクリル
系の紫外線硬化タイプの樹脂が好適である。この場合に
は、上述のようにして染色性樹脂６Ａに形成されたコン
タクトホール７の部分の上部における平坦化膜８の部分
に、フォトリソ法によりコンタクトホール７′を形成す
る。

【００２４】最後に、ＩＴＯスパッタにより全面に透明
電極を形成し、そのうえでフォトリソ法により画素電極
９をパタニングすることにより、コンタクトホール７、
７′を介して能動素子４と電気的に導通された画素電極
９を形成する。これにより、カラーフィルタオンアレイ
基板１が製造される。

【００２５】図１は、上述のようにして製造されたカラ
ーフィルタオンアレイ基板１を用いたＴＦＴ型液晶パネ
ルの断面図である。このＴＦＴ型液晶パネルを製造する
際には、まず、上記のカラーフィルタオンアレイ基板１
と、ガラス基板３′の上に透明電極９′が形成された対
向基板２との相対向する面に、配向膜１０、１０′をそ
れぞれ形成する。次に、両ガラス基板３、３′の周辺部
をシール材２１で閉じ、球状のスペーサ２２を介してア
レイ基板１と対向基板２とを固着し、その間隙に液晶２
３を充填する。

【００２６】次に、本発明の実施の形態にもとづく、合
理化した染色法を用いた液晶表示装置の製造方法につい
て、図３を用いて説明する。この図３は、カラーフィル
タが形成されたアレイ基板の形成工程を示す基板断面図
である。なお、図２と同一の部材については、同一の参
照番号を付して、その詳細な説明を省略する。

【００２７】この方式を用いる場合は、図３（ｃ）に示
すように、ガラス基板３上に紫外線硬化タイプの染色性
樹脂６Ａを塗布したうえで乾燥させ、続いて同図（ｄ）
に示すようにフォトリソ法により所要パタン形状のコン
タクトホール７を形成する。この染色性樹脂６Ａとして
は、アクリル系の紫外線硬化型の樹脂が好適である。そ
の後、ノズル２６から滴状にＲＧＢ染料２７を染色性樹
脂６Ａにそれぞれ出射することで、ＲＧＢ染色膜６を形
成する。

【００２８】これ以外は図２の染色法と同様な工程で、
カラーフィルタオンアレイ基板１が製造される。

【００２９】

【発明の効果】以上のように本発明によると、染色性樹
脂膜の材料として紫外線硬化樹脂膜を用い、この紫外線
硬化樹脂膜にフォトリソ法によりコンタクトホールを形
成し、この後に染色性樹脂膜上面に形成する画素電極と
その画素電極を駆動するスイッチング能動素子とを導通
させるため、コンタクトホールを備えたカラーフィルタ
オンアレイを容易に提供でき、カラーフィルタオンアレ
イに染色法を展開でき、液晶表示装置の超高開口化と製
造工程の簡略化とを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】カラーフィルタオンアレイ基板を用いた本発明
の実施の形態の液晶表示装置の断面図である。

【図２】本発明にもとづく染色法を用いた液晶表示装置
の製造時の工程ごとの断面図である。

【図３】本発明にもとづく合理化した染色法を用いた液
晶表示装置の製造時の工程ごとの断面図である。

【図４】従来のアレイ基板およびカラーフィルタ基板を
用いた液晶表示装置の断面図である。

【図５】一般的なカラーフィルタオンアレイの構成を示
す断面図である。

【図６】染色法を用いた従来の液晶表示装置の製造時の
工程ごとの断面図である。

【図７】合理化した染色法を用いた従来の液晶表示装置
の製造時の工程ごとの断面図である。

【符号の説明】

１ カラーフィルタオンアレイ基板 ２ 対向基板 ４ スイッチング能動素子 ５ 遮光膜 ６ ＲＧＢ染色膜 ７ コンタクトホール ９ 画素電極 ２３ 液晶

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画素電極および前記画素電極を駆動する
   スイッチング能動素子を備えたアレイ基板と、前記画素
   電極の対向電極を有する対向基板とを有し、これらアレ
   イ基板と対向基板との間隙に液晶を封入した液晶表示装
   置であって、前記画素電極とスイッチング能動素子との
   間に紫外線硬化樹脂膜が形成され、この紫外線硬化樹脂
   膜が着色されることによってカラーフィルタが構成さ
   れ、この紫外線硬化樹脂膜にコンタクトホールが形成さ
   れ、このコンタクトホールに、前記画素電極とスイッチ
   ング能動素子とを導通させるための電気的導通手段が形
   成されている液晶表示装置。
2. 【請求項２】 紫外線硬化樹脂膜が染色材によって染色
   されている請求項１記載の液晶表示装置。
3. 【請求項３】 画素電極および前記画素電極を駆動する
   スイッチング能動素子を備えたアレイ基板と、前記画素
   電極の対向電極を有する対向基板とを有し、これらアレ
   イ基板と対向基板との間隙に液晶を封入した液晶表示装
   置を製造するに際し、前記スイッチング能動素子を形成
   した基板およびこのスイッチング能動素子の上に紫外線
   硬化樹脂膜を形成し、この紫外線硬化樹脂膜を染色法に
   より着色してカラーフィルタを形成し、このカラーフィ
   ルタを形成する紫外線硬化樹脂膜にフォトリソ法によっ
   てコンタクトホールを形成し、前記紫外線硬化樹脂膜の
   上に画素電極を形成し、前記コンタクトホールを介して
   前記画素電極とスイッチング能動素子とを導通させる、
   液晶表示装置の製造方法。
4. 【請求項４】 紫外線硬化樹脂膜に染色材を滴状に出射
   することにより着色する請求項３記載の液晶表示装置の
   製造方法。