JPH08179305A

JPH08179305A - 液晶表示素子

Info

Publication number: JPH08179305A
Application number: JP6318897A
Authority: JP
Inventors: Shoichi Kurauchi; 昭一倉内; Hitoshi Hado; 仁羽藤
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1994-12-21
Filing date: 1994-12-21
Publication date: 1996-07-12

Abstract

(57)【要約】【目的】カラーフィルタの製造工程を簡略化するとと
もに、アクティブマトリクス基板と対向基板との位置精
度を考慮しない組立てを可能とし、安価で開口率の高い
カラー表示用液晶表示素子を提供する。【構成】本発明の液晶表示素子においては、ＴＦＴア
レイ基板１の補助容量用電極４としてＩＴＯ電極が形成
され、これらの電極４に順に電流を流し電気泳動電着を
行なうことにより、Ｒ、Ｇ、Ｂの着色層がストライプ状
に形成されている。このような着色層を備えた有するカ
ラーフィルタ５の上に、画素電極６が形成され、さらに
配向膜７が形成されてアクティブマトリクス基板が形成
されている。そしてこのような基板と、ＩＴＯ共通電極
９が設けられた対向基板との間に液晶層１０が挟持さ
れ、周縁部が接着剤１１により貼り合わされ封止されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子に係り、特
にカラー表示用のアクティブマトリクス液晶表示素子に
関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に使用されている液晶表示素子は、
電極を有する２枚のガラス基板の間に液晶（組成物）を
挟持し、２枚の電極基板の周縁部を熱または紫外線硬化
型のアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂のような接着剤で
貼り合わせ、気密に封止した構造を有している。

【０００３】このような液晶表示素子の中でカラー表示
用のものにおいては、２枚の基板のうち１枚に、Ｒ（ R
ed）、Ｇ（ Green）、Ｂ（Blue）の着色層を有するカラ
ーフィルタが設けられている。すなわち、例えば単純マ
トリクス駆動のカラー型ドットマトリクス液晶表示素子
においては、横（Ｙ）方向に帯状にパターニングされた
Ｙ電極を有するＹ基板と、縦（Ｘ）方向に帯状にパター
ニングされたＸ電極（ＩＴＯ透明電極）を有し、かつそ
の下層にＲ、Ｇ、Ｂの着色層を有するＸ基板とを、Ｙ電
極とＸ電極とがほぼ直交するように対向して配置し、そ
の間に液晶を挟持した構造を有している。ここで、液晶
表示素子の表示方式としては、例えばＴＮ（ Twisted N
ematic）形、ＳＴ（ Super Twisted）形、ＧＨ（Guest
Host）形あるいはＥＣＢ（ Electrically controlled b
irefringence）形や強誘電性液晶形などが用いられる。

【０００４】また、マトリクス状に設けられた表示画素
ごとにスイッチングを行なう能動素子（アクティブエレ
メント）を設けたアクティブマトリクス駆動のカラー表
示用液晶表示素子においては、例えばａ−Ｓｉ（アモル
ファスシリコン）を半導体としたＴＦＴ（薄膜トランジ
スタ）がマトリクス状に配置され、各ＴＦＴに接続され
た画素電極（表示電極）と信号線およびゲート線がそれ
ぞれ形成されたＴＦＴアレイ基板と、これに対向配置さ
れた電極を有する対向基板との間に液晶を挟持して成
り、カラーフィルタは、ＴＦＴアレイ基板の画素電極の
上に、あるいは対向基板のガラス基板上に形成されてい
る。そして、２枚の電極基板の両側に光シャッタとしそ
れぞれ偏光板を配置し、カラー画像として表示してい
る。

【０００５】ここで、このようなカラー表示用の液晶表
示素子に使用されるカラーフィルタは、ブラックマトリ
クス（光シールド層）と、Ｒ、Ｇ、Ｂ等の色セルからな
る着色層、および保護膜等から構成され、その製造方法
は、着色層の形成手段により、染色法、顔料分散法、印
刷法、および電着法に分類される。そして、色特性、耐
熱性、耐光性等の観点から、主として染色法および顔料
分散法が実用化されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、染色法
や顔料分散法でカラーフィルタを製造する場合には、着
色層の形成にフォト・リソグラフィー技術を用いるた
め、プロセスが煩雑でコストが高くなり、液晶表示素子
が高価なものになるという問題があった。

【０００７】また、カラーフィルタが対向基板に設けら
れたアクティブマトリクス液晶表示素子では、アクティ
ブマトリクス基板（ＴＦＴアレイ基板）と対向基板とを
極めて高い精度で位置合わせして組立てることが必要で
あり、この精度が低く誤差があると、開口率が低下して
表示が暗くなるという問題があった。

【０００８】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたもので、カラーフィルタの製造工程を簡略化
するとともに、アクティブマトリクス基板と対向基板と
の位置精度を考慮しない組立てを可能とし、安価で開口
率の高いカラー表示用液晶表示素子を提供することを目
的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、主面上に複数の表示画素電極をマトリクス状に設
け、該表示画素電極ごとに該表示画素電極への電圧印加
をスイッチングする能動素子を設けたアクティブマトリ
クス基板と、主面上に電極を有する対向基板とを、前記
両電極面が互いに対向するように配置し、前記両基板ど
うしの間に液晶層を挟持してなる液晶表示素子におい
て、前記アクティブマトリクス基板の最下層に補助容量
用の透明電極を設けるとともに、その上に、前記補助容
量用電極を電着用電極として電着法により形成された着
色層を有するカラーフィルタを設けてなることを特徴と
する。

【００１０】また、このような液晶表示素子において、
前記電着法により形成された着色層が、前記補助容量用
電極の絶縁層を兼ねていることを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明の液晶表示素子においては、アクティブ
マトリクス基板の最下層に設けられた補助容量用の透明
電極上に、これらの電極を電着用電極とする電着法によ
り着色層が形成されており、煩雑なフォト・リソグラフ
ィープロセスを省略でき、簡略化されたプロセスでカラ
ーフィルタ（着色層）を形成することができ、低いコス
トを実現することができる。

【００１２】また、アクティブマトリクス基板の補助容
量用電極を電着用の電極として用い、電着法により着色
層が形成する工程を付加するだけで、カラーフィルタを
形成することができるので、この点からも安価なカラー
表示用液晶表示素子の製造が可能である。

【００１３】さらに、このようにカラーフィルタが形成
されたアクティブマトリクス基板に対向する対向基板と
して、電極だけが形成された基板が用いられるので、こ
れら２枚の基板を位置合わせ精度を考慮せずに組立てる
ことができ、開口率の高く表示の明るいカラー表示用液
晶表示素子を歩留り良く製造することができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【００１５】図１は、本発明の一実施例であるカラー表
示用アクティブマトリクス液晶表示素子の断面図であ
る。

【００１６】図において、符号１は、縦横 100画素、合
計 10000画素を有するＴＦＴアレイ基板を示し、これ
は、ガラス基板２上に、一般的な製造方法で成膜とパタ
ーニングを繰り返すことによりＴＦＴ（ａ−Ｓｉ形）３
と電極配線（信号線とゲート線）が形成されている。そ
して、補助容量用電極（補助容量線）４としてＩＴＯ電
極が形成された構造となっている。そして、このような
ＴＦＴアレイ基板１上に、本発明に係るストライプ状の
Ｒ、Ｇ、Ｂ着色層を有するカラーフィルタ５が形成され
ている。このカラーフィルタ５の形成は、以下に示すよ
うに行なわれる。

【００１７】すなわち、ＴＦＴアレイ基板１の補助容量
用電極４のうちで、（3n+1）本目（n= 0〜33）の電極だ
けに電流を流し、これらの上に電気泳動電着法により赤
の着色層を形成する。

【００１８】次に、（3n+2）本目（n= 0〜32）の補助容
量用電極４だけに電流を流し、これらの電極上に電着に
より緑の着色層を形成した後、同様にして3n本目（n= 1
〜33）の補助容量用電極４上に青の着色層を電着形成す
る。

【００１９】そして、こうしてストライプ状に形成され
たＲ、Ｇ、Ｂの着色層の上（全面）に、カーボンを添加
したアクリル系樹脂（紫外線硬化型樹脂）のような黒色
高分子材料を被覆した後、裏面から露光し、信号線等と
画素間の間隙だけを残してそれ以外の部分をエッチング
により除去することにより、ブラックマトリクスを形成
する。

【００２０】さらに、こうして形成されたカラーフィル
タ５の上に、画素電極（表示用電極）６としてＩＴＯ透
明電極が形成されている。さらに、このような構造のア
クティブマトリクス基板の電極形成面に、配向剤を含む
液を塗布してからラビング処理を行なうことにより、配
向膜７が形成されている。

【００２１】一方、第２のガラス基板８上にはＩＴＯの
共通電極９が設けられ、かつその電極形成面上に、配向
剤を含む液を塗布してからラビング処理を行うことによ
り、配向膜７が形成されている。

【００２２】そして、このような対向基板と前記アクテ
ィブマトリクス基板との間に液晶層１０が注入挟持さ
れ、周縁部が接着剤１１により貼り合わせられて気密に
封止されている。このような基板の組立てと液晶層１０
の注入は、以下に示すように行なわれる。まず対向基板
の配向膜７の周縁部に、注入口を除いて接着剤１１を印
刷形成した後、この基板表面に、間隙材１２として粒径
6μm のミクロパール（積水ファインケミカル社製）を
散布する。そして、この対向基板とアクティブマトリク
ス基板とを、配向膜７が互いに対向しかつそれぞれのラ
ビング方向が直交するように配置し、接着剤１１を加熱
硬化させることにより貼り合わせた後、液晶組成物とし
てZLI-1565にS811（いずれも株式会社メルクジャパン社
製）を0.1%添加したものを、注入口から注入し、次いで
注入口を紫外線硬化樹脂で封止して液晶層１０を形成す
る。こうして、カラー表示用のアクティブマトリクス型
液晶表示素子が得られる。

【００２３】このように構成される実施例の液晶表示素
子においては、カラーフィルタ５のＲ、Ｇ、Ｂ着色層
が、アクティブマトリクス基板の補助容量用透明電極４
上に電着法により形成されており、着色層の形成に煩雑
でコストのかかるフォト・リソグラフィーが用いられて
いないので、カラー表示用の液晶表示素子を簡易に安価
で製造することができる。

【００２４】また、補助容量用電極４をそのまま電着用
の電極として使用し、Ｒ、Ｇ、Ｂの着色層を電着する工
程を付加するだけでカラーフィルタ５を形成することが
できるので、その点からも安価な製造が可能である。

【００２５】さらに、このようにカラーフィルタ５が形
成されたアクティブマトリクス基板に対向する基板とし
て、電極だけが形成された対向基板が用いられるので、
基板の組立てを位置合わせ精度を考慮せずに行うことが
でき、開口率が高く表示の明るいカラー表示用液晶表示
素子を歩留り良く製造することができる。

【００２６】また、電着により補助容量用電極４上に形
成された着色層が、補助容量の絶縁層としての機能を果
たしているので、別に絶縁層を設ける必要がなく構造が
簡略化される。

【００２７】さらに、カラーフィルタ５において、黒色
高分子材料によりブラックマトリクスが形成され、信号
線やゲート線と画素部（着色層）との間隙が埋められて
いるので、画素間の光の洩れによる色純度の低下やコン
トラストの低下が抑えられ、品位の高い表示が得られ
る。

【００２８】またさらに、アクティブマトリクス基板上
の補助容量用電極４が、能動素子であるＴＦＴ３上を避
けて形成されているので、製造が容易であるうえに、寄
生容量の発生を避けることができる。

【００２９】なお以上の実施例では、カラーフィルタ５
の形成において、Ｒ、Ｇ、Ｂの着色層の上にブラックマ
トリクスを形成したが、ＴＦＴアレイ基板１の上に直接
ブラックマトリクスを形成した後、補助容量用電極４上
にＲ、Ｇ、Ｂの着色層を電着法により形成しても良い。

【００３０】すなわち、画素電極を除いた縦横 100画
素、合計 10000画素を有するＴＦＴアレイ基板１の上
に、カーボンが添加された紫外線硬化型アクリル系樹脂
のような黒色高分子材料を全面に塗布し、画素を形成す
る部分を除いて紫外線を照射して硬化させ、未硬化部分
をエッチングにより除去した後、 220℃で高温焼成して
黒色樹脂層を十分に硬化させる。次いで、前記実施例と
同様に補助容量用電極４の各配列グループに電流を流す
ことによって、電極上に電着法によりＲ、Ｇ、Ｂの着色
層を順に形成した後、、 200℃で焼成して各色の樹脂層
を十分に硬化させる。その後、こうして形成されたカラ
ーフィルタ５上に、前述の実施例と同様に、画素電極、
配向膜等を形成した後、対向基板との間に液晶組成物を
挟持させることで、アクティブマトリクス型液晶表示素
子が完成する。

【００３１】また前記実施例では、各着色層の形成にお
いて、補助容量電極４を 3本おきに3つのグループに分
け、各グループの補助容量電極４に順に電流を流すこと
により、これらの電極上にＲ、Ｇ、Ｂの着色層がストラ
イプ状に形成されているが、Ｒ、Ｇ、Ｂの色配列はスト
ライプ状に限定されず、モザイク状としても良い。すな
わち、全補助容量電極４上にレジストによりモザイク状
のパターンを形成し、これらのレジストパターンを用い
てＲ、Ｇ、Ｂの着色層の形成を選択的に行なうことによ
り、Ｒ、Ｇ、Ｂの着色層がモザイク配列されたカラーフ
ィルタを形成することが可能である。

【００３２】ただしこの場合には、レジストのフォト・
リソグラフィー工程が付加されるが、従来のリフトオフ
法のような煩雑で歩留りの悪いプロセスとは異なり、レ
ジストの開口部に電着法で各着色層を簡易に形成でき
る。

【００３３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、カラーフィルタの製造工程が簡略化されるの
で、カラー表示用アクティブマトリクス液晶表示素子を
低コストで得ることができる。また、アクティブマトリ
クス基板と対向基板とを位置合わせ精度を考慮せずに組
立てることができ、開口率が高く表示の明るいカラー表
示用液晶表示素子を歩留り良く製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例のカラー表示用アクティブマト
リクス液晶表示素子の構造の概要を示す断面図である。

【符号の説明】

１……ＴＦＴアレイ基板２、８……ガラス基板３……ＴＦＴ４……補助容量用透明電極５……カラーフィルタ一６……画素電極７……配向膜９……ＩＴＯ共通電極１０……液晶層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】主面上に複数の表示画素電極をマトリク
ス状に設け、該表示画素電極ごとに該表示画素電極への
電圧印加をスイッチングする能動素子を設けたアクティ
ブマトリクス基板と、主面上に電極を有する対向基板と
を、前記両電極面が互いに対向するように配置し、前記
両基板どうしの間に液晶層を挟持してなる液晶表示素子
において、前記アクティブマトリクス基板の最下層に補助容量用の
透明電極を設けるとともに、その上に、前記補助容量用
電極を電着用電極として電着法により形成された着色層
を有するカラーフィルタを設けてなることを特徴とする
液晶表示素子。
【請求項２】前記電着法により形成された着色層が、
前記補助容量用の絶縁層を兼ねていることを特徴とする
請求項１記載の液晶表示素子。
【請求項３】前記アクティブマトリクス基板の最下層
に、前記補助容量用の透明電極とともに光シールド層を
形成し、かつ該透明電極の上に電着法により形成された
着色層を設けてなることを特徴とする請求項１または２
記載の液晶表示素子。