JPH11258350A - 非接触型表面汚染検査装置および方法 - Google Patents

非接触型表面汚染検査装置および方法

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JPH11258350A
JPH11258350A JP5694298A JP5694298A JPH11258350A JP H11258350 A JPH11258350 A JP H11258350A JP 5694298 A JP5694298 A JP 5694298A JP 5694298 A JP5694298 A JP 5694298A JP H11258350 A JPH11258350 A JP H11258350A
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contamination inspection
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Takuji Fukazawa
拓司 深澤
Kouichi Nitsutou
光一 日塔
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検査対象物の母材や検査対象物の表面に塗装さ
れた塗膜を損傷させることなく非接触にて表面汚染検査
を行い、従来の汚染検査に見られるような汚染物が付着
した濾紙やフィルター等の2次廃棄物を低減し、汚染部
位拡大の防止を図った非接触型表面汚染検査装置および
方法を提供する。 【解決手段】検査対象物2の表面に付着した汚染物3を
レーザ光照射手段4からのレーザ光の照射によって検査
対象物2から微粒子化して脱離させ、脱離した汚染物3
を固体の捕集部材18に直接捕集し、捕集された汚染物
3から放出される放射線を放射線測定手段20により測
定し、検査対象物2の表面汚染部位および表面汚染密度
を非接触にて検査し、放射線測定終了後、捕集部材18
に付着した汚染物3を捕集部材再生手段24により脱離
させ、捕集部材18を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定物である検
査対象物の表面汚染部位、表面汚染密度を非接触にて検
出し、汚染物を捕集する捕集部材を再生する非接触型表
面汚染検査装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力産業、放射線医療、放射線取扱施
設、化学あるいは医療産業などの放射性物質または毒性
物質を取り扱う産業ならびに研究機関において、被測定
物である物体表面の放射能の付着の有無の検知、特に放
射能による表面汚染部位の特定や、表面汚染量の測定
を、いかに信頼性高く且つ効率良く実施するかが問題と
なっている。
【0003】従来、放射能により汚染されている物体表
面の状況を検査する方法として、スミヤ法とダイレクト
サーベイ法とがある。
【0004】スミヤ法は、被測定物である物体表面を濾
紙で拭き取り、濾紙上に付着した放射能を測定すること
により、物体表面の放射能汚染密度を間接的に評価する
方法である。
【0005】また、ダイレクトサーベイ法は、被測定物
である物体表面の汚染状況を直接測定する方法であり、
GM管やNaI(Tl)等のシンチレータを用いた放射
線検出器により物体表面から放出される放射線量を計測
することで物体表面の汚染状況を直接測定する方法であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
濾紙を用いたスミヤ法では、被測定物の物体表面に濾紙
を押し付け、表面汚染部位を擦り、濾紙に汚染物が転着
しなければ表面汚染を測定できない。また、物体表面を
濾紙で擦ることにより表面汚染部位が拡大してしまい、
表面汚染が確認された場合にも表面汚染部位の特定が困
難であるといった事態が起こる。
【0007】さらに、汚染物質を転着した濾紙を放射線
検出器の前面に設置し、放射線計測終了後、この濾紙を
放射線検出器の前面から排出または排除するといった操
作が必要になり、手間がかかるとともに2次廃棄物とし
ての使用済み濾紙が発生してしまう。濾紙を扱う一連の
操作が機械化されている場合には、装置のコストが高く
なる。
【0008】またさらに、被測定物である物体表面への
汚染物の付着状況は、非測定物の物体表面状態や形状な
どにより異なる一方、物体表面への濾紙の押し付け方や
押し付け圧力の大小により汚染物の拭き取れ方が異な
り、濾紙への汚染物の転着量にばらつきが生じる。とく
に、被測定物の物体表面上に凹凸があり、凹部分に汚染
物が入り込んで付着している状態では、汚染物を濾紙に
転着させることが困難である。したがって、スミヤ法で
は凹凸面の汚染検査が実施できないことがある。
【0009】他方、ダイレクトサーベイ法では、被測定
物の物体汚染表面を非接触で検査できるために、スミヤ
法で生じた問題に対処できるが、測定物自身が放射線を
放出するものである場合、例えば、放射性廃棄物が収納
されたドラム缶などの容器では、容器表面のみの汚染状
況を測定することができない。ダイレクトサーベイ法で
は周辺の放射線環境レベルの影響、特に被測定物が放出
する放射線レベルの影響を受けやすい問題がある。
【0010】被測定物の物体表面に付着した汚染物を、
非接触かつドライな方法で除染処理する表面処理技術に
レーザを用いた除染技術(特公平1−45039)が開
示されている。
【0011】この除染技術は、除染する酸化物層の厚さ
よりも実質的に大きい幅で熱透過を達成するのに十分な
エネルギ密度のレーザ光を除染する酸化物層に走査する
ものである。
【0012】しかし、このレーザ除染技術では物体表面
に付着した汚染物だけでなく、放射性核種を取り込んで
いない酸化物層も同時に除去されるため、母材が金属で
ある場合には、物体表面の除染処理後に、腐食防止のた
めの酸化膜形成処理を別途酸化剤などで施工する必要が
ある。
【0013】また、除染された汚染物を捕集して、捕集
した汚染物の放射線を計測するシステムになっておら
ず、汚染検査を実施する場合には、フィルタ等への捕集
を行い、そのフィルタを放射線計測することになり、汚
染物を保持したフィルタを放射線検出器の前面に設置
し、放射線計測後、そのフィルタを放射線検出器の前面
から排出または排除するといった操作が必要になり、手
間がかかるとともに2次廃棄物としての使用済みフィル
タが発生してしまう。
【0014】さらに、物体表面の除染処理後に酸化剤に
よる酸化被膜形成処理が必要になることに着目し、被測
定物の物体表面除染と改質層の形成を一度に行いうるレ
ーザ除染方法として特願平6−246054の明細書お
よび図面に開示された技術がある。
【0015】この除染方法は、除染を行う酸化物層に第
1のレーザ光を照射して放射性酸化物を除去した後、そ
の放射性酸化物を除去した物体表面に第2のレーザ光を
照射するとともに酸化剤などの改質材を供給して表面改
質層を形成するようにしたものである。
【0016】しかしながら、このレーザ除染方法では、
被測定物の物体表面の汚染部位を特定することが困難で
あり、物体表面のどこが局所的に汚染しているのか検出
することができない。このため、物体表面汚染が局所的
であっても、表面汚染部位以外の不必要箇所まで除染処
理を行い、その後に酸化被膜形成処理を行っており、効
率のよい有効的な表面処理とはいえなかった。さらに、
汚染検査だけならば除染により汚染物質を母材ごと剥離
して、それから表面処理を行うのは効率的でない。除染
した汚染物を回収して汚染検査を行う場合には、上述の
フィルタ等への回収および放射線計測に関わる手間や2
次廃棄物の発生などの問題がある。
【0017】また、一般に、レーザ除染方法では、アブ
レーションを用いて被測定物の表面層を剥離させたり、
あるいは表面層を除去させてしまうため、汚染していな
い表面層(有益な酸化膜や塗装膜、または金属母材その
もの)まで痛めてしまい、表面汚染検査装置として好ま
しいものでなかった。
【0018】本発明は上述した事情を考慮して成された
もので、その目的は、検査対象物の母材や検査対象物の
表面に塗装された塗膜を損傷させることなく非接触にて
表面汚染検査を行い、従来の汚染検査に見られるような
汚染物が付着した濾紙やフィルター等の2次廃棄物を低
減し、汚染部位拡大の防止を図った非接触型表面汚染検
査装置および方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、検査
対象物の表面に付着した汚染物にレーザ光を照射し、汚
染物を微粒子化して脱離させるレーザー光照射手段と、
前記検査対象物から脱離した汚染物を捕集する捕集手段
と、この捕集手段に捕集された汚染物から放出される放
射線を測定する放射線測定手段とを備え、前記検査対象
物の表面汚染部位および表面汚染密度の検査を非接触に
て行う非接触型表面汚染検査装置であって、前記捕集手
段は、前記検査対象物から脱離した汚染物の微粒子をそ
の表面上に直接付着させる固体の捕集部材と、前記検査
対象物から脱離した汚染物の微粒子を前記捕集部材に吸
着させる吸着機構とを備えたことを特徴とする。
【0020】本発明によれば、レーザ光の照射により、
非接触で検査対象物に付着した汚染物を検査することが
できる。しかも、汚染物の捕集は、固体の捕集部材に直
接汚染物を捕集するので、その捕集部材は、放射線測定
およびその後の処理について従来使用していたフィルタ
式の構成のものと異なり濾過装置を必要とせず、操作が
容易となる。
【0021】請求項2の発明は、請求項1記載の非接触
型表面汚染検査装置において、捕集部材に付着した汚染
物をレーザ光の照射により脱離させ、捕集部材を再生す
る捕集部材再生手段を備えたことを特徴とする。
【0022】本発明によれば、固体の捕集部材を使用
し、捕集部材再生手段との組み合わせて使用することに
よって捕集部材に付着した汚染物を容易に脱離させ、再
生させるので、汚染物が付着したフィルタや紙などを多
量に生じた従来のものと比べて2次廃棄物を低減でき
る。
【0023】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の非接触型表面汚染検査装置において、検査対象物の表
面から脱離した汚染物を周りの空気とともに吸引して回
収する吸引手段と、この吸引手段の吸引口に汚染物を案
内するガイドとを備え、前記吸引手段の吸引経路に捕集
手段を設けたことを特徴とする。
【0024】本発明によれば、吸引手段と案内ガイドと
を使用し、検査対象物の表面から空気中に飛散した汚染
物を周りの空気とともに吸引するので、脱離した汚染物
の拡大を防止できる。さらに、吸引手段の吸引経路に捕
集手段を設けたので捕集効率が高まる。
【0025】請求項4の発明は、請求項1から3までの
いずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置において、
レーザ光照射手段は可撓性接続手段を介して固体レーザ
発信機に接続され、前記レーザ光照射手段は検査対象物
の表面に0.4J/cm2 以下のエネルギ密度のレーザ
光を照射させる光学系を備えたことを特徴とする。
【0026】本発明によれば、検査対象物の表面に0.
4J/cm2 以下のエネルギ密度のレーザ光を照射させ
る光学系を備えているので、従来過度に検査対象物の表
面を剥離していたものと比べ検査対象物の表面に損傷を
与えない。
【0027】請求項5の発明は、請求項1から4までの
いずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置において、
吸着機構は、検査対象物と捕集手段との間に電界を生じ
させる電界発生手段を備えたことを特徴とする。
【0028】本発明によれば、電界発生手段により、検
査対象物から微粒子化して脱離し、イオン化した汚染物
を捕集部材に容易に吸着できる。
【0029】請求項6の発明は、請求項1から4までの
いずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置において、
レーザ光照射手段は、検査対象物の表面に照射されるレ
ーザ光の断面形状を円、長円、または矩形に整形し、か
つレーザ光のエネルギ密度分布を均一化させる光学系を
備えたことを特徴とする。
【0030】本発明によれば、汚染部位の形状に合わせ
てレーザ光の断面形状を整形するので、効率よく汚染物
を捕集できる。
【0031】請求項7の発明は、請求項4記載の非接触
型表面汚染検査装置において、可撓性接続手段は、少な
くとも1つの屈曲部を有し、この屈曲部は一定の軸方向
に回転自在な関節型の接続機構によって接続され、前記
屈曲部の関節にはレーザ光の反射ミラーが設けられた多
関節ミラー型の導光管であることを特徴とする。
【0032】本発明によれば、可撓性接続手段は、多関
節ミラー型の導光管であるので、3次元的自在にレーザ
光を照射できるので、検査対象物の表面の任意の箇所に
レーザ光を照射できる。
【0033】請求項8の発明は、請求項4記載の非接触
型表面汚染検査装置において、可撓性接続手段はマルチ
バンドルファイバであり、このマルチバンドルファイバ
の入出射部にはレーザ光軸と垂直に複数のレンズを配置
したマルチレンズである光学系を備えたことを特徴とす
る。
【0034】本発明によれば、可撓性接続手段は、マル
チバンドルファイバであるので、3次元的自在にレーザ
光を照射できるので、検査対象物の表面の任意の箇所に
レーザ光を照射できる。さらに、このマルチバンドルフ
ァイバの入出射部にはマルチレンズである光学系を備え
たので、レーザ光の整形を容易に行える。
【0035】請求項9の発明は、請求項1から4までの
いずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置において、
捕集部材は、平板状、筒状、円弧板状であることを特徴
とする。
【0036】請求項10の発明は、請求項9記載の非接
触型表面汚染検査装置において、捕集部材は、汚染物を
捕集する捕集面上に溝またはグレーティングを設けたこ
とを特徴とする。
【0037】本発明によれば、捕集部材は、捕集面上に
溝またはグレーティングを設けたので、汚染物との接触
面積を増大させ、捕集効率を高めることができる。
【0038】請求項11の発明は、請求項9記載の非接
触型表面汚染検査装置において、捕集部材には、雰囲気
ガスの一部が通過する複数の細孔を穿設したことを特徴
とする。
【0039】本発明によれば、捕集部材には、複数の細
孔を穿設したので、汚染物の吸引時に、空気が細孔を通
過し、吸引手段の圧力損失を低減できる。
【0040】請求項12の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集部材再生手段は、レーザ光の少なくとも一部を
捕集部材に照射する光学系と、捕集部材をレーザ光で走
査することにより汚染物を再脱離して捕集部材を再生す
る捕集部材再生装置とを備え、この捕集部材再生装置
は、圧電素子であるピエゾ素子を用いた反射体であるピ
エゾミラースキャナー、電流量の制御により駆動可能な
反射体であるガルバノメータスキャナー、ポリゴンミラ
ースキャナー、または音響光学素子を用いた音響光学素
子変調器であることを特徴とする。
【0041】請求項13の発明は、請求項3記載の非接
触型表面汚染検査装置において、吸引経路に光透過部を
設け、前記吸引経路内に設けられた捕集部材は、汚染物
を吸引する軸方向に対向し、かつ前記光透過部からのレ
ーザ光に対して傾斜する角度をもって設置したことを特
徴とする。
【0042】本発明によれば、汚染物の捕集と捕集部材
の再生とを同じ場所で行うので、装置構成を簡略化でき
る。
【0043】請求項14の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集部材は汚染物を捕集する位置と、放射線を測定
する位置と、汚染物を除去し、捕集部材を再生する位置
とに移動する捕集部材移動機構を備えたことを特徴とす
る。
【0044】本発明によれば、捕集部材は捕集部材移動
機構を備えているので、人手による移動作業が不要とな
り、放射線被爆を低減できる。
【0045】請求項15の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集部材は、汚染物を捕集する位置と、放射線を測
定する位置と、捕集部材を再生する位置とに移動可能な
カセット式の構造を有したことを特徴とする。
【0046】本発明によれば、捕集部材はカセット式の
構造を有しているので、装置構成を簡略化できる。
【0047】請求項16の発明は、請求項12記載の非
接触型表面汚染検査装置において、捕集部材は、レーザ
光の波長に対し光学的に透明であり、捕集部再生手段
は、捕集部材の汚染物が付着した面に向かう方向および
汚染物が付着していない面に向かう方向のうち、少なく
とも一方向から捕集部材にレーザ光を照射する光学系を
備えたことを特徴とする。
【0048】本発明によれば、捕集部材は、レーザ光の
波長に対し光学的に透明であるので、捕集部材の汚染物
が付着した捕集面側と捕集面の裏側とのどちら側からで
もレーザ光を照射できるので、捕集部材再生手段の配置
上の制約が少なくなる。
【0049】請求項17の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集手段は、少なくとも一部が導電体である捕集部
材を備え、前記導電体に直流電圧を印加する電源と、こ
の電源から印加する直流電圧を制御する制御手段とによ
り、検査対象物から脱離した汚染物の微粒子の捕集と、
捕集部材の再生とを行うことを特徴とする。
【0050】本発明によれば、制御手段により汚染物の
捕集時には、電界を発生させ、捕集部材の再生時には電
界を発生させない制御を行うので、汚染物の捕集と捕集
部材の再生とを効率良く実施できる。
【0051】請求項18の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集手段は、少なくとも一部が半永久的に電気的に
正または負に分極しているエレクトリック部材からなる
捕集部材を備えたことを特徴とする。
【0052】本発明によれば、外部から電圧を印加する
必要がないので、捕集部材の構成を簡略化できる。
【0053】請求項19の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集手段は、互いに絶縁された複数の捕集部材と、
この各捕集部材間に電界を生じさせる電界発生手段とを
備えたことを特徴とする。
【0054】本発明によれば、電界発生手段により捕集
部材間に電界が発生するのでマイナスイオンに保持され
た汚染物とプラスイオンに保持された汚染物との両方の
イオンに保持された汚染物を捕集できる。
【0055】請求項20の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集手段は、検査対象物と捕集部材との間に電界を
生じさせる電界発生手段を備えたことを特徴とする。
【0056】本発明によれば、電界発生手段により生じ
た電界により、イオンに保持された汚染物を静電的に捕
集でき、汚染物の捕集効率が一層高まる。
【0057】請求項21の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集手段は、コロナ放電またはアーク放電し、検査
対象物から脱離した汚染物の微粒子をイオン化させるイ
オン化手段を備えたことを特徴とする。
【0058】本発明によれば、イオン化手段により空気
中のイオン濃度が高まり、帯電した捕集部材への汚染物
の捕集効率が高まる。
【0059】請求項22の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集手段は、捕集位置で一定の軸心回りに間欠回転
される捕集部材を備え、この捕集部材の外周面に対向す
る複数の位置に汚染物の捕集作業と同時に駆動される放
射線測定手段および捕集部材再生手段を備えたことを特
徴とする。
【0060】本発明によれば、汚染物の捕集と放射線の
測定と捕集部材の再生とを同時期に行うことができるの
で、作業工程を短縮化できる。
【0061】請求項23の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、捕集部材は平板状であり、この捕集部材の捕集面の
反対側の面に放射線測定手段の固体シンチレータを配置
し、捕集部材と放射線測定手段とが一体化した構成とし
たことを特徴とする。
【0062】本発明によれば、捕集部材と放射線測定手
段とが一体化しているので装置構成を簡略化できる。
【0063】請求項24の発明は、請求項23記載の非
接触型表面汚染検査装置において、放射線測定手段の固
体シンチレータは、フッ化カルシウムシンチレータ、ガ
ラスシンチレータ、プラスチックシンチレータ、硫化亜
鉛シンチレータ、またはセラミックシンチレータである
ことを特徴とする。
【0064】請求項25の発明は、請求項23記載の非
接触型表面汚染検査装置において、放射線測定手段の固
体シンチレータは、シンチレータ本体の表面に金属蒸着
膜をコーティングするとともに、この金属蒸着膜の表面
にガラス面をコーティングまたは接着し、さらにガラス
面の表面に捕集部材としてレーザ光を反射する誘電体多
層膜をコーティングしたものであることを特徴とする。
【0065】本発明によれば、誘電体多層膜により、捕
集部材再生用のレーザ光を反射するので、蒸着膜のレー
ザ光による損傷を防ぐことができる。
【0066】請求項26の発明は、請求項1から4まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、吸引手段は、検査対象物から脱離した汚染物を吸引
する主配管と、捕集部材から脱離した汚染物を吸引する
バイパス配管とを備えたことを特徴とする。
【0067】本発明によれば、バイパス配管とを備えた
ことにより、捕集部材から脱離した汚染物の回収を確実
に行うことができる。
【0068】請求項27の発明は、請求項1から3まで
のいずれかに記載の非接触型表面汚染検査装置におい
て、レーザ光照射手段は、クロム酸鉛を含む塗装顔料が
塗装されている検査対象物表面に、赤外線領域の波長の
レーザ光を照射する光学系を備えたことを特徴とする。
【0069】本発明によれば、赤外線領域の波長のレー
ザ光を照射することにより、クロム酸鉛を含む塗装顔料
が塗装されている検査対象物表面を損傷させることなく
検査ができる。
【0070】請求項28の発明は、検査対象物の表面に
付着した汚染物をレーザ光の照射によって微粒子化して
脱離させ、前記検査対象物から脱離した汚染物を捕集
し、捕集された汚染物から放出される放射線を測定し、
前記検査対象物の表面汚染部位および表面汚染密度を非
接触にて行う非接触型表面汚染検査方法であって、前記
検査対象物から脱離した汚染物を固体の捕集部材に直接
捕集し、この捕集した汚染物に基づいて検査対象物の表
面汚染を検査することを特徴とする。
【0071】本発明によれば、レーザ光を照射すること
により非接触で、検査対象物に付着した汚染物を検査す
ることができる。しかも、汚染物の捕集は、固体の捕集
部材に直接汚染物を捕集するので、従来使用していたフ
ィルタ式の捕集方法と異なり、放射線測定およびその後
の処理について濾過装置を必要とせず、操作が容易とな
る。
【0072】請求項29の発明は、請求項28記載の非
接触型表面汚染検査方法において、放射線測定終了後、
捕集部材に付着した汚染物を脱離させることにより捕集
部材を再生することを特徴とする。
【0073】本発明によれば、捕集部材を再生するの
で、捕集部材の再使用が可能となり、従来発生していた
汚染物の付着したフィルタや紙などの2次廃棄物を低減
できる。
【0074】請求項30の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集部材に導く工程では、微粒子化した汚染物を周りの
空気とともに吸引することを特徴とする。
【0075】本発明によれば、空中に飛散した汚染物を
周りの空気とともに吸引するので、空中に飛散した汚染
物の拡大を防止できる。
【0076】請求項31の発明は、請求項30記載の非
接触型表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工
程では、吸気による捕集、検査対象物と捕集部材との間
に電界を生じさせることによる捕集のうち少なくともい
ずれかを行うことを特徴とする。
【0077】本発明によれば、吸気もしくは電界の作用
により汚染物の捕集を行うので、比較的容易な方法で汚
染物の捕集を行うことができる。
【0078】請求項32の発明は、請求項29記載の非
接触型表面汚染検査方法において、捕集手段を再生する
工程では、捕集部材に付着した汚染物をレーザ光の照射
により脱離させることを特徴とする。
【0079】本発明によれば、レーザ光の照射により捕
集部材の再生を行うので、乾式で捕集部材の再生を行う
ことができる。
【0080】請求項33の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、捕集部材
を再生する工程では、光学的に透明な捕集部材を使用
し、汚染物が付着した捕集部材の捕集面に向かう方向、
汚染物が付着していない捕集部材の捕集面に向かう方向
のうち少なくともいずれか一方向からレーザ光を照射す
ることを特徴とする。
【0081】本発明によれば、光学的に透明な捕集部材
を使用するので、レーザ光を照射位置を制限しない。
【0082】請求項34の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
脱離する工程では、検査対象物および捕集部材に0.4
J/cm2 以下のレーザ光を照射することを特徴とす
る。
【0083】本発明によれば、0.4J/cm2 以下の
レーザ光を使用するので、検査対象物および捕集部材に
損傷を与えず、健全性を保つことができる。
【0084】請求項35の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、捕集部材に外部から電気エネルギを
加えることを特徴とする。
【0085】本発明によれば、汚染物を静電的に捕集す
るので、従来フィルタなどでは透過して捕集できなかっ
た微粒子も捕集することができ、汚染物をより確実に捕
集できる。
【0086】請求項36の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、捕集部材として半永久的に電気エネ
ルギをもつ部材を使用することを特徴とする。
【0087】本発明によれば、捕集部材として半永久的
に電気エネルギをもつ部材を使用するので、電圧を印加
する装置を必要とせず、装置構成を簡略化できる。
【0088】請求項37の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、互いに絶縁された複数の捕集部材の
少なくともひとつの捕集部材に電圧を印加し、各捕集部
材間に電界を生じさせることを特徴とする。
【0089】本発明によれば、マイナスイオン保持され
た汚染物とプラスイオンに保持された汚染物とを捕集で
き、捕集効率を高めることができる。
【0090】請求項38の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、捕集部材に電圧を印加し、検査対象
物と捕集部材との間に電界を生じさせることを特徴とす
る。
【0091】本発明によれば、汚染物を静電的に捕集す
るので、従来フィルタなどでは透過して捕集できなかっ
た微粒子状の汚染物も捕集でき、汚染物の捕集効率を高
めることができる。
【0092】請求項39の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、汚染物の流路を遮る位置に設けられ
た捕集部材を使用することを特徴とする。
【0093】本発明によれば、捕集部材は、汚染物の流
路を遮る位置に設けられるので、吸引された汚染物の粒
子の慣性衝突による捕集効果があり、捕集効率を高める
ことができる。
【0094】請求項40の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、溝またはグレーティングを有した捕
集部材を使用することを特徴とする。
【0095】本発明によれば、溝またはグレーティング
により、汚染物との接触面積が広がり、捕集効率を高め
ることができる。
【0096】請求項41の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集する工程では、複数の細孔が穿設された捕集部材を
使用することを特徴とする。
【0097】本発明によれば、細孔を空気が通過し、汚
染物吸引の際の圧力損失を防止できる。
【0098】請求項42の発明は、請求項29記載の非
接触型表面汚染検査方法において、捕集部材を再生する
工程では、捕集部材の捕集面を検査対象物の表面に対し
て傾斜させ、かつ前記捕集面に対して傾斜する方向に再
生用のレーザ光を照射することを特徴とする。
【0099】請求項43の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、汚染物を
捕集した捕集部材を放射線測定位置に移動させ、放射線
測定終了後、捕集部材再生位置に移動させ、捕集部材再
生終了後、汚染物捕集位置に移動させることを特徴とす
る。
【0100】請求項44の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、捕集位置
で一定の軸心回りの回転機構によって間欠回転可能に構
成された捕集手段により、捕集部材の外周面に対向する
複数の位置で汚染物の捕集と、放射線測定と、捕集手段
の再生とを同時に行うことを特徴とする。
【0101】本発明によれば、汚染物の捕集と、放射線
測定と、捕集手段の再生とを同時に行うので、検査時間
を短縮化できる。
【0102】請求項45の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、固体の放
射線測定手段の検出素子面に設けられた捕集部材の表面
上に汚染物を捕集することを特徴とする。
【0103】本発明によれば、固体の放射線測定手段の
検出素子面に設けられた捕集部材の表面上に汚染物を捕
集するので、装置が簡略化され、駆動部が少なくなるの
で、コストが低減され、信頼性が向上する。
【0104】請求項46の発明は、請求項45記載の非
接触型表面汚染検査方法において、放射線測定手段であ
る固体シンチレータを遮光膜で被覆し、この遮光膜を薄
膜で被覆することを特徴とする。
【0105】本発明によれば、放射線測定手段である固
体シンチレータを使用することで装置を小型化すること
ができる。
【0106】請求項47の発明は、請求項46記載の非
接触型表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工
程では、導電体の遮光膜または薄膜に電圧を印加するこ
とを特徴とする。
【0107】請求項48の発明は、請求項45記載の非
接触型表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工
程では、誘電体の遮光膜または薄膜に電圧を間接的に印
加することを特徴とする。
【0108】請求項49の発明は、請求項29記載の非
接触型表面汚染検査方法において、捕集部材から脱離し
た汚染物を周りの空気とともに吸引し、ガス成分と粒子
成分とに分離し、ガス成分は排気し、粒子成分は回収す
ることを特徴とする。
【0109】本発明によれば、ガス成分は排気し、粒子
成分は回収するので、汚染物の回収を確実に行うことが
できる。
【0110】請求項50の発明は、請求項29記載の非
接触型表面汚染検査方法において、捕集部材を再生する
工程では、捕集部材に付着した汚染物を拭き取るか、ま
たは液体で洗浄することを特徴とする。
【0111】請求項51の発明は、請求項28または2
9記載の非接触型表面汚染検査方法において、クロム酸
鉛を含む塗装顔料が塗装されている検査対象物表面に、
赤外線領域の波長のレーザ光を照射することを特徴とす
る。
【0112】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る非接触型表面
汚染検査装置および方法の実施の形態を図面に基づいて
説明する。
【0113】第1の実施の形態(図1〜図5) 本発明に係る非接触型表面汚染検査装置は、検査対象物
の表面汚染部位および表面汚染密度を非接触にて検出す
る装置である。また、この非接触型表面汚染検査装置は
汚染物を固体の捕集部材上に直接転着捕集し、放射線測
定終了後、捕集部材を再生することができる装置であ
る。
【0114】図1は本発明に係る非接触型表面汚染検査
装置の第1の実施の形態を示す全体的なシステム構成図
である。
【0115】この非接触型表面汚染検査装置1は、図1
に示すように検査対象物2にレーザ光Lを照射し、検査
対象物2に付着した汚染物3を脱離させるレーザ光照射
手段4を備えている。検査対象物2と表面汚染検査装置
1との相対移動は、検査対象物2が設置された回転・昇
降機構5により検査対象物2が移動するようになってい
る。検査対象物2が壁面や天井面のように建物の一部で
ある場合には、レーザ光照射手段4を移動装置に積載し
て移動させるか、表面汚染検査装置1を自走式のロボッ
トに積載して移動させてもよい。いずれにしても、検査
対象物2とレーザ光照射手段4は相対的移動自在に支持
されている。この相対移動は、レーザ光Lの照射と汚染
物3の捕集のタイミングにより検査対象物2の表面の汚
染部位の特定が行えるようになっている。
【0116】レーザ光照射手段4は可撓性接続手段6を
介して計装制御盤7に内蔵されたレーザ光Lを発振する
固体レーザ発振器8に接続されている。レーザ光照射手
段4には、固体レーザ発振器8からのレーザ光Lを整形
・調整する光学系9が内蔵されている。
【0117】計装制御盤7には、固体レーザ発振器8の
ほかに、諸装置に電圧を印加する電源10と、空気を吸
気する排気手段11と、汚染物を回収する汚染物回収手
段12と、信号を処理する信号処理手段13と、諸装置
を制御する制御手段14とを備えた構成となっている。
【0118】検査対象物2の表面のレーザ光照射位置付
近には、所要の間隔をおいて配置され、検査対象物2か
ら脱離した汚染物3を効率よく吸引する案内ガイド15
が拡開して設けられ、この案内ガイドは可撓性の吸引配
管16に接続されている。また、この吸引配管16の吸
引経路には汚染物を捕集する捕集手段17が設けられ、
この捕集手段17は固体の捕集部材18を内蔵してい
る。さらに、吸引配管16は空気を吸気する排気手段1
1に接続され、吸引配管16と排気手段11とで吸引手
段19を構成している。
【0119】捕集手段17付近には、捕集部材18に付
着した汚染物3のα線またはβ(γ)線の測定を行う放
射線測定手段20が設けられている。検査対象物2の表
面汚染部位の特定および表面汚染の計測は、計測された
放射線検出信号を処理し、α線またはβ(γ)線の計数
を求める信号処理手段13と、放射線計数の記録と検査
対象物の表面汚染部位の汚染放射能への換算を行う解析
制御計算機21と、必要な測定パラメータを入力する入
力装置22と、得られた放射線計数や検査対象物の表面
部位の汚染放射能の評価値を出力する出力装置23とに
よって行われるようになっている。
【0120】また、捕集手段17付近には、放射線測定
終了後、捕集部材18に付着した汚染物2を脱離させ、
捕集部材を再生させる捕集部材再生手段24が設けられ
ている。
【0121】図2は、本実施形態に用いられる可撓性接
続手段6付近を拡大して示す図である。本実施形態で
は、可撓性接続手段6として多関節ミラー型の導光管2
5が用いられている。
【0122】図2に示すように導光管25は、基端部で
はレーザ光Lを発振する固体レーザ発振器8に接続され
るとともに、先端部ではレーザ光Lを検査対象物2に照
射するレーザ光照射手段4に接続されている。また、導
光管25には、屈曲部として一定の軸方向に回転自在な
2つの関節26が設けられている。この関節26によ
り、導光管25は3次元的に自在に動くことができるの
で、可撓性接続手段6となっている。また、この関節2
6には、固体レーザ発振器8からのレーザ光Lをレーザ
光照射手段4に案内する反射ミラー27が内蔵されてい
る。
【0123】レーザ光照射手段4には、レーザ光Lのビ
ーム断面形状およびエネルギ密度を整形・調整する光学
系9が内蔵されている。固体レーザ発振器8から発振さ
れるレーザ光Lは、光学系9により整形され、ビーム断
面形状を長円にしている。この光学系9は、ビーム断面
形状を円形、矩形(正方形や長方形)にも整形可能な構
成となっている。さらにこの光学系9は、レーザ光Lの
エネルギ密度分布を均一化するようになっている。
【0124】この光学系9により、レーザ光Lのエネル
ギ密度は、検査対象物2の母材や表面の塗膜に損傷を与
えず、かつ検査対象物2の表面に付着した汚染物3を脱
離させるように調整されている。このようなエネルギ密
度の適切な範囲を図3を用いて説明する。
【0125】図3は、レーザ光のエネルギ密度と酸化鉄
粒子の脱離量および母材表面の変色領域との関係を示す
グラフである。
【0126】図3の曲線aでは、レーザ光LとしてN
d:YAGパルスレーザ(波長1064ナノメータ、パ
ルス幅数μsec)を用い、また、汚染物3を摸したも
のとして酸化鉄微粒子を用い、レーザ光Lのエネルギ密
度を変化させて検査対象物2に照射し、このレーザ光の
エネルギ密度と検査対象物2の表面に付着した酸化鉄微
粒子の脱離量との関係を示している。酸化鉄(マグネタ
イト)微粒子(粒径〜1μm)は、バインダー等の接着
剤を付与することなしに検査対象物2の表面に吹き付
け、検査対象物2の母材表面とほぼ分子間力のみで結合
した状態である。この酸化鉄微粒子が付着した検査対象
物2の表面を濾紙で擦れば、酸化鉄微粒子の一部を拭き
取ることができる。しかし、濾紙で擦ることにより酸化
鉄微粒子が付着していない部分にも、酸化鉄微粒子は移
行してしまう。また、濾紙で擦ったことにより、検査対
象物2の表面が帯電し、濾紙で擦るだけでは酸化鉄微粒
子を拭き取りにくくなる場合もある。
【0127】酸化鉄微粒子を付着させた検査対象物2と
しては、炭素鋼に黄色の塗料を焼き付け塗装した、いわ
ゆる黄色いドラム缶表面を模擬したもの、ならびにステ
ンレス鋼を機械研磨(エメリー番号500番相当)した
ものが用いられている。図3の曲線bおよびcでは、こ
れらの検査対象物2の表面が変色する領域の面積とレー
ザ光Lのエネルギ密度の関係も示している。
【0128】図3の曲線a〜cに示すように、レーザ光
Lのエネルギ密度が0.4J/cm2 近傍では、検査対
象物2に付着させた酸化鉄微粒子は高い確率で脱離する
一方、黄色焼き付け塗装面および研磨されたステンレス
鋼の表面は変色しない。したがって、汚染物3が付着し
た検査対象物2に0.4J/cm2 のエネルギ密度のレ
ーザ光Lを照射すれば、検査対象物2の母材(検査対象
物が塗装物であれば塗膜)を損傷させることなく汚染物
3を高い効率で脱離させることができ、除染効果を高く
することができる。なお、表面汚染検査をする場合に
は、汚染物3の脱離効率は高くなくてもよいので、0.
4J/cm2 以下のエネルギ密度のレーザ光Lを照射す
ればよい。
【0129】すなわち、表面汚染検査の際には、0.4
J/cm2 以下のエネルギ密度のレーザ光Lの照射を行
い、表面汚染検査の結果、甚大な汚染が特定された部位
に0.4J/cm2 程度のレーザ光Lを再照射すれば、
検査対象物2の表面に損傷を与えることなく除染を実施
できる。
【0130】また、検査対象物2にクロム酸鉛を含む顔
料を用いた塗装面には、Nd:YAGレーザの基本波長
1064ナノメータのような赤外領域のレーザ光Lが適
切である。例えば、Nd:YAGレーザの第2高調波5
32ナノメータまたはNd:YAGレーザの第3高調波
355ナノメータのレーザ光Lをクロム酸鉛を含む顔料
を用いた塗装面に照射した場合、図3に示す曲線cは、
曲線aに近づいてしまう。検査対象物2が塗装のないス
テンレス鋼の場合には、レーザ光の波長による検査対象
物2の表面の変色度合いへの影響は、ほとんどない。
【0131】さらに、塗装剤に有機高分子系の樹脂が含
まれると、塗装面は透明な樹脂でコーティングされてい
る場合があり、このような検査対象物2の表面へのレー
ザ光Lの照射には、レーザ光Lによる熱影響を考慮しな
ければならない。例えば数μsecオーダーの短いパル
ス幅のレーザ光Lだと熱影響が少ない。ただし、長いパ
ルス幅のレーザ光Lでもパルスの繰り返し時間との兼ね
合いで使用可能である。
【0132】図4は、本実施形態に用いられる捕集手段
付近を拡大して示す図である。図4に示すように、検査
対象物2の表面のレーザ光Lの照射位置付近には、検査
対象物2から微粒子化して脱離した汚染物3を効率的に
吸引する案内ガイド15が拡開して設けられ、この案内
ガイド15は可撓性の吸引配管16に接続されている。
また、吸引配管16は排気手段11に接続され、この排
気手段11の吸気により、検査対象物2から微粒子化し
て脱離した汚染物3を周りの空気とともに吸引するよう
になっている。
【0133】吸引配管16内の検査対象物2付近には、
平板状の固体の捕集部材18が設けられている。この捕
集部材18の汚染物を捕集する面の反対側の位置には吸
着機構として電界発生手段28が設けられ、この電界発
生手段28は、高圧電圧を印加する電源10に接続され
ている。また、捕集部材18と電界発生手段28とは絶
縁体29により絶縁されている。そして、捕集部材18
は電界発生手段28に印加された高圧電圧により電気分
極を起こすようになっている。つまり、捕集部材18の
検査対象物2に対向する捕集面は帯電している。本実施
形態では、電界発生手段28に正の電圧を印加している
ので、捕集部材18の捕集面は正に帯電している。ま
た、検査対象物2は接地30していて、検査対象物2と
捕集部材18との間には電界が生じている。
【0134】レーザ光Lの照射により検査対象物2から
微粒子化して脱離した汚染物3は、空気中のイオンやレ
ーザ光Lの照射により電離したイオンに保持され、検査
対象物2と捕集部材18との間の電界により捕集部材1
8の捕集面上に捕集されるようになっている。また、微
粒子化した汚染物3は、排気手段11の吸気により周り
の空気とともに吸引され、汚染物3の吸引経路を遮る位
置に設けられた捕集部材18に慣性衝突し、捕集面に捕
集されるようになっている。
【0135】なお、捕集部材18を導体とし、直接捕集
部材18に電源10を接続してもよい。この場合、捕集
部材18は電界発生手段28を兼ねる。また、捕集部材
18の形状は、平板状のほかにも円弧板状や筒状であっ
てもよく、検査対象物2から微粒子化して脱離した汚染
物3の吸引経路を効果的に遮る形状であればよい。
【0136】また、捕集部材18の捕集面には、図示な
い細かい溝またはグレーティングが施され、汚染物3と
の接触面積を増大させ、汚染物3の捕集効率を高めるよ
うになっている。なお、汚染物3の捕集効率が十分得ら
れれば、溝やグレーティングを施さなくてもよい。
【0137】さらに、捕集部材18には、図示しないミ
リメートルオーダーの数個の細孔が穿設され、この細孔
を空気が通過することにより排気手段11の負荷を低減
するようになっている。なお、排気手段11による吸気
を十分に行えれば、細孔を穿設しなくてもよい。
【0138】図5は、本実施形態に用いられる捕集部材
および捕集部材再生手段を拡大して示す図である。本実
施形態に用いられる捕集部材18は、光学的に透明な性
質を有する。また、捕集部材再生手段24には、図5に
示すように光学系として、レーザ光Lを分割するビーム
スプリッタ31が設けられている。また、捕集部材再生
装置として、圧電素子であるピエゾ素子を用いた2つの
ピエゾミラースキャナー32、33が設けられている。
このピエゾミラースキャナー32、33はビームスプリ
ッタ31で分割されたレーザ光Lを捕集部材18上に走
査するものである。固体の捕集部材18の表面の汚染物
3を捕集する捕集面側にピエゾミラースキャナー32が
設けられ、捕集面の裏側にピエゾミラースキャナー33
が設けられている。
【0139】レーザ光Lは、ビームスプリッタ31で分
割され、ピエゾミラースキャナー32で捕集面側からレ
ーザ光Lを捕集面上に走査するとともに、ピエゾミラー
スキャナー33で捕集面の裏側からレーザ光Lを走査
し、光学的に透明な捕集部材18を透過して捕集面に付
着した汚染物3に照射し、汚染物3を脱離させるように
なっている。
【0140】捕集部材再生装置としては、ピエゾミラー
スキャナー32、33の他に、電流量の制御により駆動
可能な反射体であるガルバノメータスキャナー、ポリゴ
ンメータスキャナー、または音響光学素子を用いた音響
光学変調器を用いてもよい。
【0141】次に、本実施形態の装置を使用した非接触
型表面汚染検査方法について説明をする。
【0142】図1に示すように、検査対象物2と表面汚
染検査装置1の相対移動は、検査対象物2が設置された
回転昇降機構5により検査対象物2が移動することによ
り行われる。また、検査対象物2が壁面や天井面のよう
に建物の一部であるような場合には、表面汚染検査装置
1を自走式のロボットに積載して移動してもよい。いず
れにしても、検査対象物2とレーザ光照射手段4とは相
対的移動自在であり、レーザ光Lの照射と汚染物2の捕
集のタイミングにより、検査対象物2の表面の汚染部位
の特定を行う。
【0143】本実施形態では、図2に示すように、固体
レーザ発振器8からレーザ光Lが発振される。レーザ光
Lは、可撓性接続手段である多関節型の導光管25に入
射し、この導光管25の関節26に内蔵された反射ミラ
ー27により案内されながら導光管25を通過し、レー
ザ光照射手段4に入射する。
【0144】さらに、レーザ光Lは、レーザ光照射手段
4に内蔵された光学系9によりレーザ光Lのビーム断面
積を整形され、エネルギ密度を調整される。この光学系
9では、レーザ光Lのエネルギ密度を0.4J/cm2
以下、例えば0.2J/cm2 のエネルギ密度に調整し
て表面汚染検査用レーザ光Lとして検査対象物2に照射
する。0.4J/cm2 以下のエネルギ密度のレーザ光
Lは、検査対象物2の母材(塗装面であれば塗装膜)に
損傷を与えず検査対象物2に付着した汚染物3の少なく
とも一部を脱離させることができる。
【0145】例えば、一般的に入手しやすい0.4J/
cm2 以上のエネルギ密度のレーザ光Lを発振する固体
レーザ発振器8を使用し、光学系9でレーザ光Lのビー
ム断面積を広げ、エネルギ密度を下げ、平行レーザ光L
として検査対象物2に照射してもよい。この場合、レー
ザ光Lのビーム断面積が増大するので、表面汚染検査の
処理効率が各段に改善される。レーザ光Lのビーム形状
もまた、光学系9により検査対象物2の表面の形状に合
わせて円、長円、矩形(正方形や長方形)に適宜選択す
る。さらに、検査対象物2の表面が、クロム酸鉛を含む
塗料で塗装されている場合、赤外線領域の波長のレーザ
光Lを照射する。
【0146】そして、図4に示すように、レーザ光照射
手段4から検査対象物2にレーザ光Lが照射される。こ
のレーザ光Lにより検査対象物2の表面に付着していた
汚染物(ゴミ、埃、粒子状物質、放射性物質など)3の
少なくとも一部が微粒子となって脱離される。脱離され
た汚染物3の微粒子は検査対象物2の外側に向かって飛
散する。この汚染物3の微粒子は、排気手段11の吸気
によりこの排気手段11に吸引配管16を介して接続さ
れ、検査対象物2のレーザ光照射位置に所要の間隔をお
いて配置された案内ガイド15方向に吸引される。そし
て、吸引配管16内に設置された捕集部材18方向に吸
引される。
【0147】また、検査対象物2から脱離した微粒子状
の汚染物3は、空気中のイオンやレーザ光Lの照射によ
り電離したイオンに保持される。一方、電源10と接続
された電界発生手段28と接地30されている検査対象
物2との間には電界が発生している。したがって、イオ
ン化した微粒子状の汚染物3は電界発生手段28方向、
つまり、捕集部材18方向に吸引される。
【0148】このようにして、排気手段11の吸気によ
る吸引と電界発生手段28の電界による吸引とにより、
イオン化した汚染物3の微粒子は、捕集部材18方向に
吸引される。捕集部材18の捕集面は、電界発生手段2
8により帯電している。本実施形態では電界発生手段2
8に正の電圧を印加したものを例示しているので、検査
対象物2に対向する捕集面は、正に帯電している。した
がって、負に帯電した汚染物3の微粒子が捕集部材18
の捕集面に選択的に吸着される。また、捕集部材18方
向に吸引された汚染物3微粒子の一部は、慣性衝突によ
り捕集面に捕集される。
【0149】捕集部材18に捕集された汚染物は、図1
に示す放射線測定手段20によりα線またはβ(γ)線
の測定が行われる。この放射線測定手段20で計測され
た放射線検出信号は、信号処理手段13により信号処理
されて、α線またはβ(γ)線の計数が求められ、得ら
れた放射線計数は解析制御計算機21により記録され
る。必要なパラメータ等は入力装置22から直接作業員
が入力する。パラメータ値をファイル形式にして入力装
置22から入力してもよい。そして、最適な校正定数を
解析制御計算機21に作用させて検査対象物2の表面の
放射能汚染へと換算される。そして、得られた計数や検
査対象物2の表面部位の汚染放射能の評価が出力装置2
3から出力される。
【0150】放射線測定手段20による放射線測定が終
了した後、捕集部材18に付着した汚染物3の大部分
は、図5に示す捕集部材再生手段24により除去され
る。この捕集部材18の再生は、捕集部材再生手段24
に内蔵された捕集部材再生装置であるピエゾミラースキ
ャナー32、33のレーザ光Lの走査により行われる。
【0151】捕集部材再生手段により捕集部材から脱離
した汚染物は、図1に示す汚染物回収手段に回収され
る。
【0152】したがって、本実施形態によれば、検査対
象物2の表面汚染部位および表面汚染密度を非接触にて
比較的簡単な装置で容易に行うことができる。また、固
体の捕集部材18の表面上に直接汚染物3を捕集し、こ
の捕集部材18を再生することができるので、捕集部材
18を繰り返し使用することができる。
【0153】第2の実施の形態(図6、図7) 本実施形態では可撓性接続手段として、マルチバンドル
光ファイバが用いられている。また、本実施形態では、
筒状の捕集部材が回転機構により間欠回転するようにな
っており、この捕集部材の捕集面と対向する位置には、
汚染物の捕集作業と同時に駆動される放射線測定手段お
よび捕集部再生手段が配置されている。
【0154】図6は、本発明に係る非接触型汚染検査装
置の第2の実施の形態に用いられる可撓性接続手段付近
を拡大して示す図である。本実施形態では図6に示すよ
うに、レーザ光Lを発振する固体レーザ発振器8には光
学系34が接続されている。この光学系34には、レー
ザ光Lを分割する複数のビームスプリッタ35と複数の
レンズから構成されたマルチレンズ36とが内蔵されて
いる。そして、この光学系34には可撓性接続手段であ
るマルチバンドル光ファイバ37とレーザ光Lを検出す
るレーザ光モニタ手段38とが接続されている。マルチ
レンズ36は、マルチバンドル光ファイバ37にレーザ
光Lを効率よく入射させるために用いられる。本実施形
態では、マルチレンズ36を縦に並べているが、入射側
のファイバエレメントを束ねマルチバンドル光ファイバ
37の断面形状を円形にし、この円形に沿った形でレン
ズを配置したマルチレンズ36を用いてもよい。この場
合には、ファイバ数に応じた数のビームスプリッタ35
は必要なくなる。
【0155】固体レーザ発振器8から発振されたレーザ
光Lは光学系34に入射し、この光学系34内のビーム
スプリッタ35で複数に分割され、一部はレーザ光モニ
タ手段38に入射し、残りはマルチレンズ36を介して
マルチバンドル光ファイバ37に入射するようになって
いる。なお、レーザ光モニタ手段38では、レーザ光L
のエネルギ密度を常時モニタしており、レーザ光Lのエ
ネルギ密度が適切な範囲内にあるか確認するようになっ
ている。
【0156】マルチバンドル光ファイバ37は、ファイ
バエレメントを多数束ねた構造を有しており、1本あた
りのファイバに通すエネルギを小さくしてファイバの損
傷を防止している。
【0157】マルチバンドル光ファイバ37の出射側
は、レーザ光照射手段4に接続されている。このレーザ
光照射手段4には、光学系9として縦に配列されたシリ
ンドリカルレンズのマルチレンズが内蔵されていて、マ
ルチバンドル光ファイバ37からのレーザ光Lのビーム
断面形状を整形し、エネルギ密度を均一化するようにな
っている。本実施形態では、出射側のファイバエレメン
トを縦に並べているが、このファイバエレメントの断面
形状を円または長円になるように並べ変えてもよい。ま
た、光学系9には、プリズムをミラーとを組み合わせた
ホモジナイザを用いてもよい。
【0158】マルチバンドル光ファイバ37からのレー
ザ光Lは,レーザ光照射手段4に入射し、このレーザ光
照射手段4に内蔵された光学系9によりレーザ光Lのビ
ーム断面形状を整形し、エネルギ密度を均一化して照射
するようになっている。
【0159】図7は、本発明に係る非接触型表面汚染検
査装置の第2の実施の形態に用いられる捕集手段付近を
拡大して示す図である。
【0160】本実施形態では、図7に示すように捕集部
材18aは筒状であり、この捕集部材18aは4分割さ
れている。この4分割された捕集部材18aの間は、所
要の間隔が保たれ空気を流入可能な構成となっている。
捕集部材18aの下端の軸心位置には、支持棒39を介
して間欠回転する回転機構40に接続される。さらに、
この捕集部材18aの上端には、回転自在なカップリン
グ41を介して吸引配管16に接続されている。
【0161】吸引配管16の吸引経路の途中には、3方
弁42が設けられている。この3方弁42は、3つのバ
ルブ42a、42b、42cを備えている。バルブ42
aは吸引配管16に接続され、バルブ42bは空気を吸
引する排気手段11に接続され、バルブ42cは空気を
吹き出すブロア手段43に接続されている。また排気手
段11は、汚染物3を回収する汚染物回収手段12に接
続されている。
【0162】4分割された捕集部材18aの捕集面に
は、汚染物3を捕集する面に対向する面と、放射線を測
定する放射線測定手段20に対向する面と、捕集部材1
8aを再生する捕集部材再生手段24に対向する面とが
ある。
【0163】放射線測定手段20は、この放射線測定手
段20からの信号を処理する信号処理手段13に接続さ
れている。また、捕集部材再生装置として、汚染物3が
付着した捕集面にレーザ光Lを走査する光学系ピエゾミ
ラー44が用いられている。この光学系ピエゾミラー4
4によるレーザ光Lの走査により捕集部材18aから脱
離した汚染物を吸引するために吸引配管16が設けられ
ている。この吸引配管16は、吸引経路に設けられた2
方弁45を介して排気手段11に接続されている。
【0164】このように構成された本実施形態の装置を
用いて表面汚染検査を行う際には、図6に示すように、
固体レーザ発振器8からレーザ光Lが発振され、光学系
34に入射する。この光学系34に内蔵されたビームス
プリッタ35によりレーザ光Lは分光され、マルチレン
ズ36により整形され、マルチバンドル光ファイバ37
に入射する。レーザ光Lはマルチバンドル光ファイバ3
7内を通過し、レーザ光照射手段4に入射し、このレー
ザ光照射手段4に内蔵された光学系9により整形・調整
され、エネルギ密度を均一化した状態で検査対象物2の
表面の汚染物3に照射される。このレーザ光Lの照射に
より汚染物3は、微粒子化して検査対象物2の外側方向
に飛び出す。
【0165】検査対象物2から脱離した汚染物3の捕集
は、図7に示すバルブ42aとバルブ42bとを開き、
バルブ42cを閉じた状態で排気手段11を駆動させる
ことにより行う。この排気手段11の吸気により4分割
された捕集部材18aの間から周囲の空気とともに汚染
物3を捕集部材18aの方向に吸引し、微粒子化した汚
染物3を捕集部材18aの表面上に捕集する。汚染物3
は、4分割された捕集部材18aの検査対象物に対向す
る面に最も多く捕集される。1回目の汚染物3の捕集作
業終了後、回転機構40により捕集部材18aを90度
回転させる。この回転機構40での捕集部材18aの回
転により、汚染物3が付着した捕集面は、放射線測定手
段20に対向する位置に移動され、1回目の放射線の測
定が行われる。この1回目の放射線の測定作業を実施す
るのと同時に、2回目の汚染物3の捕集作業を行う。こ
のような汚染物3の捕集作業と放射線測定作業を繰り返
し行い、4回目の捕集作業を行うとき、1回目に汚染物
3を捕集した面が、捕集部材再生装置である光学系ピエ
ゾミラー44に対向する位置にくる。そして、この光学
系ピエゾミラー44でのレーザ光Lの走査により、捕集
部材18aに付着した汚染物3は微粒子化して脱離し、
捕集部材18aは再生する。この捕集部材18aの再生
時には、吸引配管16の吸引経路に設けられた2方弁4
5が開かれ、排気手段11の吸引により捕集部材18a
から脱離した汚染物3は、吸引配管16から吸引され
る。また、この捕集部18aの再生時には、3方弁42
のバルブ42aとバルブ42cを開き、バルブ42bを
閉じた状態でブロア手段43を駆動し、このブロア手段
43からの空気の吹き出しにより捕集部材18aに付着
した汚染物3の脱離と、捕集部材18aから脱離した汚
染物3の吸引とを効果的に行う。汚染物3が脱離した捕
集部材18aは、再び汚染物3の捕集作業に使用され
る。
【0166】本実施形態によれば、前記第1実施形態と
同様の効果に加え、可撓性接続手段としてマルチバンド
ル光ファイバ37を用いているので、ファイバエレメン
トを並べ変えることによりレーザ光Lのビーム断面形状
を整形しやすくなり、また、放射線測定手段20と光学
系ピエゾミラースキャナー44とを筒状の捕集部材18
aの捕集面に対向する位置に設置し、捕集部材18aを
回転機構40により回転させるので、汚染物3の捕集作
業と放射線の測定作業と捕集部材18aの再生作業とを
効率的に行うことができるという効果が得られる。
【0167】第3の実施の形態(図8) 本実施形態では、検査対象物から脱離した汚染物の捕集
と、汚染物が付着した捕集部材の再生とを同じ位置で行
える構成になっている。
【0168】図8は、本発明に係る非接触型表面汚染検
査装置の第3の実施の形態を示す概略図である。本実施
形態では、図8に示すように、固体レーザ発振器8から
発振されたレーザ光Lは、図示しない可撓性接続手段を
介してレーザ光照射手段4に入射するようになってい
る。このレーザ光照射手段4は、光学系9を内蔵してい
る。この光学系9は、レーザ光Lを偏光させるλ/2板
46と、レーザ光を変形・調整する複数のレンズ47
と、偏光したレーザ光を透過または反射する偏光ビーム
スプリッタ48と、レーザ光を分割するビームスプリッ
タ49と、レーザ光をモニタするレーザ光モニタ手段5
0とを備えた構成になっている。また、レーザ光モニタ
手段50には信号処理手段13が接続されている。
【0169】レーザ光照射手段4には光学的に透明な光
透過部である窓51が設けられている。そして、検査対
象物2にレーザ光Lを照射する際には、λ/2板46
は、偏光ビームスプリッタ48を透過するように調整さ
れている。したがって、レーザ光Lは、λ/2板46で
偏光された後、レンズ47で変形・調整され、偏光ビー
ムスプリッタ48を透過し、レンズ47で再び変形・調
整され、光透過部である窓51から検査対象物2に照射
されるようになっている。
【0170】検査対象物2の表面のレーザ光照射位置付
近には所要の間隔をおいて、検査対象物2から脱離した
汚染物3を周りの空気とともに吸引する吸引配管16が
設けられている。この吸引配管16は、2方弁52を介
して空気を吸気する排気手段11に接続されている。
【0171】吸引配管16内には捕集部材18bが設け
られている。この捕集部材18bの汚染物捕集位置付近
には、放射線測定手段20が設けられている。捕集部材
18bは、捕集部材移動機構として捕集部材18bを伸
縮自在に支持する支持伸縮機構53を介して、捕集部材
18bを放射線測定位置に移動させる移動レール54に
接続されている。捕集部材18bは、脱着可能なカセッ
ト式の構造を有していてもよい。
【0172】捕集部材18bは、汚染物3の吸引方向に
対して、排気手段11の負荷を低減させるため一定の傾
斜する角度を持つとともに、捕集部材再生用のレーザ光
Lの照射方向に対しても、捕集部材18bにレーザ光L
の照射が可能なように一定の傾斜する角度をもって対向
している。
【0173】また、吸引配管16には、再生用のレーザ
光Lに対して透明な光透過部である窓55が設けられて
いる。そして、捕集部材再生時には、λ/2板46は、
偏光ビームスプリッタ48で反射するように調整されて
いる。したがって、レーザ光Lは、λ/2板46で偏光
された後、レンズ47で変形・調整され、偏光ビームス
プリッタ48で反射され、ビームスプリッタ49で分割
され、一部はレーザ光モニタ手段50に照射され、信号
処理手段13により信号処理されてレーザ光Lのエネル
ギ密度を確認され、残りは光透過部である窓51を介し
て捕集部材18bの汚染物3の付着した面に照射される
ようになっている。
【0174】さらに吸引配管16には、捕集部材再生位
置付近に捕集部材18bから脱離した汚染物3を吸引す
るバイパス配管56が設けられ、このバイパス配管56
は2方弁57を介して排気手段11に接続され、この排
気手段11の吸気により捕集部材18bから脱離した汚
染物3の吸引を行うようになっている。
【0175】このように構成された本実施形態の装置を
用いて検査対象物2にレーザ光Lを照射する際には、偏
光ビームスプリッタ48を透過するようにλ/2板46
を回転させて調整する。そして、レーザ光照射手段4に
入射されたレーザ光Lは、光学系9に入射し、この光学
系9に内蔵されたλ/2板46で偏光され、レンズ47
で変形・調整された後、偏光ビームスプリッタ48を透
過し、レンズ47で再び変形・調整され、光透過部であ
る窓51から検査対象物2に照射される。
【0176】検査対象物2の表面に照射されたレーザ光
Lにより検査対象物2に付着した汚染物3の少なくとも
一部は微粒子化して脱離される。この脱離した汚染物3
は、吸引配管16に設けられた2方弁52を開き、バイ
パス配管56に設けられた2方弁57を閉じ、排気手段
11で吸気することにより吸引し、吸引配管16の吸引
経路途中に設置された捕集部材18bにより捕集され
る。汚染物3の捕集終了後、支持伸縮機構53により捕
集部材18bを汚染物3の吸引方向に対して水平にする
とともに、この支持伸縮機構53を短縮させる。そし
て、捕集部材18bは移動レール54により放射線測定
位置の上部に移動され、支持伸縮機構53を伸長させる
ことにより放射線測定位置に移動させ、この捕集部材1
8bに付着した汚染物3の放射線を計測する。汚染物3
の放射線測定終了後、捕集部材18bは支持伸縮機構5
3と移動レール54によりもとの汚染物捕集位置に戻さ
れる。
【0177】汚染物捕集位置では捕集部材18bの再生
も行われる。捕集部材18bを再生する際には、偏光ビ
ームスプリッタ48でレーザ光Lを反射するようにλ/
2板46を回転させて調整する。そして、レーザ光照射
手段4に入射されたレーザ光Lは、光学系9に入射し、
この光学系のλ/2板46で偏光され、レンズ47でレ
ーザ光Lを変形・調整された後、偏光ビームスプリッタ
48で反射され、ビームスプリッタ49でレーザ光Lを
分割され、一部はレーザ光モニタ手段50に照射されて
信号処理手段13で信号処理され、レーザ光Lのエネル
ギ密度を確認され、残りは光透過部である窓55を介し
て捕集部材18bの汚染物3の付着した面に照射され
る。そして、捕集部材再生位置付近のバイパス配管56
に設けられた2方弁57を開き、吸引配管16に設けら
れた2方弁52を閉じ、排気手段11の吸気により捕集
部材18bから脱離した汚染物3の吸引を行う。
【0178】本実施形態によれば、前記第1実施形態の
効果に加え、検査対象物から脱離した汚染物の捕集と、
捕集部材18bの再生とを同じ場所で行うので、作業工
程が簡易化されるという効果が得られる。
【0179】第4の実施の形態(図9) 本実施形態では、相互に絶縁された2枚の平板状の導体
の捕集部材の間に電位勾配を生じさせ、汚染物の捕集を
行うようになっている。捕集部材付近以外は前記第1実
施形態と同様なので説明を省略する。
【0180】図9は、本発明に係る非接触汚染検査装置
の第4の実施の形態に用いられる捕集部材付近を拡大し
て示す図である。本実施形態では、2枚の平板状の導体
の捕集部材18c、18dを使用している。これらの捕
集部材18c、18dは、図示しない吸引配管内の汚染
物の吸引口付近に設置される。また、捕集部材18c、
18dは、絶縁台58によって互いに絶縁されている。
【0181】捕集部材18dは導体59を介して設置6
0に接続される。また、捕集部材18cは導体59を介
して高圧電圧を印加する電源10に接続される。さらに
この電源10は、印加電圧を制御する制御手段14に接
続される。そして、捕集部材18cに正の高圧電圧を印
加し、捕集部材18cと捕集部材18dとの間に電界を
発生させ、イオンに保持された微粒子状の汚染物3を捕
集するようになっている。マイナスイオンに保持された
汚染物3は電源側の捕集部材18cの表面上に捕集さ
れ、プラスイオンに保持された汚染物5は接地側の捕集
部材18dの表面上に捕集されるようになっている。
【0182】なお、本実施形態では、捕集部材18cの
印加電圧を正にしたものを例示しているが、印加電圧は
負であってもよい。また、本実施形態では、捕集部材1
8c、18dは2枚の平板状の導体を用いているが、捕
集部材を1枚の平板状の導体にし、この捕集部材に電圧
を印加してもよい。さらに、捕集部材として、3枚以上
の平板状の導体を用い、1枚の捕集部材に電圧を印加し
てもよい。また、捕集部材の材質として半永久的に分極
しているエレクトリック部材を用いてもよい。
【0183】このように構成された本実施形態の装置を
使用して汚染物3の捕集を行う場合には、前記第1実施
形態と同様に、図示しない検査対象物にレーザ光を照射
し、検査対象物に付着した汚染物3を微粒子化して脱離
させる。微粒子化して脱離した汚染物3は、空気中に存
在するイオンやレーザ光の照射により電離したイオンに
保持される。そして、図示しない排気手段の吸気によ
り、イオンに保持された汚染物3は、吸引配管内に設置
された捕集部材18c、18d方向に吸引される。マイ
ナスイオンに保持された汚染物5は電源側の捕集部材1
8cに捕集され、プラスイオンに保持された汚染物5は
接地側の捕集部材18dに捕集される。汚染物3の捕集
終了後、捕集部材18c、18dに付着した汚染物5の
放射線測定が行われる。この放射線測定終了後、汚染物
5が付着した捕集部材18c、18dにレーザ光を照射
し、捕集部材18c、18dの再生を行う。制御手段1
3により捕集部材18cに電圧を印加させないで捕集部
材18cと捕集部材18dとにレーザ光の照射を行う
と、捕集部材18cと捕集部材18dとの汚染物の脱離
効率は高まる。また、捕集部材18cを設置72に接続
すると、捕集部材18cと捕集部材18dとの汚染物の
脱離効率はさらに高まる。
【0184】本実施形態によれば、前記第1実施形態と
同様の効果に加えて、汚染物5の捕集を効率的に行うこ
とができるという効果が得られる。
【0185】第5の実施の形態(図10) 本実施形態では、検査対象物と捕集部材との間に電界を
生じさせることにより、検査対象物から脱離した汚染物
の捕集を行うようになっている。なお、本実施形態で
は、捕集部材付近以外の構成は、前記第1実施形態と実
質的に異ならないので、説明を省略する。
【0186】図10は、本発明に係る非接触型表面汚染
検査装置の第5の実施の形態に用いられる捕集部材付近
を拡大して示す図である。本実施形態では、図11に示
すように、検査対象物2のレーザ光照射位置付近には、
所要の間隔をおいて配置された吸引配管16が開口して
いる。また、捕集部材18eとして導体の平板を使用し
ている。この捕集部材18eは、汚染物3を吸引する吸
引配管16の吸引経路途中の検査対象物2に近い位置に
設置されている。この捕集部材18の下端部では、絶縁
台58により吸引配管16と絶縁して支持されるととも
に、高圧電源を印加する電源10と、この電源10の電
圧を制御する制御手段14に接続している。また、検査
対象物は、設置60に接続されている。したがって、本
実施形態では、汚染物3の捕集は、捕集部材18eに正
の高圧電圧を印加して、検査対象物2と捕集部材18e
との間に電界を発生させ、微粒子化してイオンに保持さ
れた汚染物3を捕集するようになっている。
【0187】電源10が、コロナ放電するのに十分な電
圧領域であれば、捕集部材18eの端部からコロナ放電
を生じ、周囲の空気を電離し、微粒子化した汚染物3を
この電離によるイオンが保持し、汚染物をイオン化させ
るので、この電源10は、イオン化手段となる。さら
に、電源10が、アーク放電するのに十分な電圧領域で
あるのならば、少なくともコロナ放電を生じ、この電源
10は、イオン化手段となる。また、アークが検査対象
物2に向かって飛ぶと、その衝撃により検査対象物2に
付着した汚染物3を脱離させ、レーザ光Lの照射と同様
の効果が得られる。
【0188】なお、本実施形態では、捕集部材18eに
正の電圧を印加しているが、捕集部材18eに印加する
電圧は負の電圧であってもよい。
【0189】このように構成された本実施形態の装置を
使用して汚染物3の捕集を行う場合には、前記第1実施
形態同様に検査対象物2にレーザ光Lを照射して、検査
対象物2に付着した汚染物3を微粒子化して脱離させ
る。微粒子化して脱離した汚染物3は、空気中に存在す
るイオン、レーザ光Lの照射により電離したイオン、お
よびコロナ放電によるイオンに保持される。そして、捕
集部材18eに印加された正の高圧電圧により検査対象
物2と捕集部材18eとの間に電界が発生し、この電界
によりマイナスイオンに保持された微粒子状の汚染物3
を選択的に捕集部材18eの表面上に捕集する。汚染物
3の捕集後、放射線測定し、放射線測定終了後、捕集部
材18eの汚染物が付着した表面上にレーザ光を照射
し、捕集部材18eの再生を行う。
【0190】本実施形態によれば、前記第1実施形態と
同様の効果に加えて、汚染物3の捕集効率を高めること
ができるという効果が得られる。
【0191】第6の実施の形態(図11) 本実施形態では、捕集部材は、平板状であり、この捕集
部材の捕集面の反対側の面に放射線測定手段である固体
シンチレータを配置し、捕集部材と放射線測定手段とが
一体化した構成となっている。なお、本実施形態では捕
集部材と放射線測定手段付近以外の構成は、前記第1実
施形態と異ならないので説明を省略する。
【0192】図11は、本発明に係る非接触型表面汚染
検査装置の第6の実施の形態に用いられる捕集部材およ
び放射線測定手段付近を拡大して示す図である。
【0193】本実施形態では、図11に示すように、汚
染物3が付着した検査対象物2の表面のレーザ光照射位
置付近に、所要の間隔をおいて吸引配管16に接続され
た案内ガイド15が設けられている。この案内ガイド1
5は拡開し、汚染物3の捕集効率を高めている。
【0194】吸引配管16内には、平板状の導体である
捕集部材18fが汚染物3の吸引経路を遮るように設け
られている。この捕集部材18fは、高圧電圧を印加す
る電源10に接続されている。
【0195】この捕集部材18fの汚染物3の捕集面の
反対側の面には、薄い蒸着膜61で遮光された放射線検
出素子である固体シンチレータ62が接合されている。
蒸着膜61は、放射線を透過可能な厚みとなっている。
また、固体シンチレータ62は、フッ化カルシウム(ユ
ーロピウム)シンチレータ、ガラスシンチレータ、プラ
スチックシンチレータ、硫化亜鉛シンチレータ、または
セラミックシンチレータを用いる。特に、α線、β
(γ)線の弁別においては、シンチレーション発光の立
上がり時間が異なるシンチレータを組み合わせた放射線
検出素子を形成してもよい。この固体シンチレータ62
は、シンチレーション光を光電変換させる光電子倍増管
63に直接接合され、固体シンチレータ62と光電子倍
増管63とで放射線測定手段20を形成している。した
がって、捕集部材18fと放射線測定手段20とが一体
化した構成になっている。
【0196】光電子倍増管63の変わりにイメージイン
テンシファイアや2次元カメラによりシンチレーション
光を直接検出してもよい。光電子倍増管63を光ファイ
バを介して固体シンチレータに接続し、光電子倍増管を
吸引配管の外部に設け、吸引配管16内の放射線測定手
段20の構成を簡略化してもよい。
【0197】捕集部材18fと固体シンチレータ62と
光電子倍増管63とは絶縁台64により吸引配管16内
に支持されている。また、光電子倍増管63は接続ケー
ブル65を介して信号処理手段13に接続されるととも
に、この光電子倍増管63の固体シンチレータ62との
接合面以外は、ケーシング66で覆われている。さら
に、このケーシング66と蒸着膜61および捕集部材1
8fとは、絶縁体により絶縁されている。
【0198】このように構成された本実施形態の装置を
使用して汚染物3の捕集を行う場合には、前記第1実施
形態同様に検査対象物2にレーザ光Lを照射して、検査
対象物2に付着した汚染物3を微粒子化して脱離させ
る。この汚染物3は、空気中に存在するイオンやレーザ
光Lの照射により電離したイオンに保持される。そし
て、捕集部材18fに印加された高圧電圧により検査対
象物2と捕集部材18fとの間に電界が発生し、この電
界により、イオンに保持された汚染物3を捕集部材18
fの表面上に捕集する。汚染物3の捕集後、捕集部材1
8fの表面に付着した汚染物3から放出される放射線
は、固体シンチレータ62に入射し、この固体シンチレ
ータ62固有の波長のシンチレーション光を発生する。
このシンチレーション光を光電子倍増管64で光電変換
し、この電気信号を信号処理手段13で信号処理して、
放射線の計数を行う。放射線測定終了後、汚染物3が付
着した捕集部材18fの表面上にレーザ光Lを照射し、
捕集部材18fの再生を行う。
【0199】本実施形態によれば、前記第1実施形態と
同様の効果に加えて、捕集部材18fと放射線測定手段
20とを一体化した構成になっているので、装置の構成
を簡略化でき、捕集部材を移動させる必要がなくなると
いう効果が得られる。
【0200】第7の実施の形態(図12) 本実施形態では、前記第6実施形態と同様に、捕集部材
と放射線測定手段とが一体化された構成となっていると
ともに、捕集部材の材質を強誘電多層膜としている。な
お、本実施形態では捕集部材と放射線測定手段付近以外
の構成は、前記第1実施形態と異ならないので説明を省
略する。
【0201】図12は、本発明に係る非接触型表面汚染
検査装置に用いられる捕集部材および放射線測定手段付
近を拡大して示す図である。
【0202】本実施形態では、図12に示すように、汚
染物が付着した検査対象物表面のレーザ光照射位置付近
には、所要の間隔をおいて吸引配管16に接続された案
内ガイド15が設けられている。この案内ガイド15は
拡開し、汚染物3の捕集効率を高めている。
【0203】吸引配管16内には、直方体の放射線測定
手段として固体シンチレータ68が吸引経路を遮るよう
に設けられている。この固体シンチレータ68の上下両
面には、波長シフター69が設けられ、この波長シフタ
ー69は、遮光用のケーシング66で被覆されている。
さらに、この波長シフター69は光ファイバ70に接続
されている。また、固体シンチレータ68の左右両側面
は、遮光用の金属製の薄い蒸着膜71で被覆されてい
る。さらに、固体シンチレータ68の検査対象物側の蒸
着膜71には、ガラス面72がコーティングまたは接着
され、さらにこのガラス面72には、捕集部材として平
板状の強誘電多層膜86が接合されている。したがっ
て、捕集部材と放射線測定手段とが一体化された構成と
なっている。この強誘電多層膜86は再生用のレーザ光
に対して高い反射効率を持っている。蒸着膜71とガラ
ス面72と強誘電多層膜73とを合計した厚みは、放射
線を透過可能な厚みとなっている。また、固体シンチレ
ータ68、蒸着膜71、ガラス面72、強誘電多層膜7
3、および波長シフター69は絶縁台74により吸引配
管16内に支持されている。
【0204】固体シンチレータ68をはさんで、検査対
象物の反対側にある導電体の蒸着膜71には、高圧電圧
を印加する電源10が接続されている。
【0205】このように構成された本実施形態の装置を
使用して汚染物3の捕集を行う場合には、前記第1実施
形態同様に検査対象物2にレーザ光Lを照射して、検査
対象物2に付着した汚染物3を微粒子化して脱離させ
る。この汚染物3は、空気中に存在するイオンやレーザ
光Lの照射により電離したイオンに保持される。そし
て、蒸着膜71に印加された高圧電圧により検査対象物
2と捕集部材である強誘電多層膜73との間に電界が発
生し、この電界により、イオンに保持された汚染物を強
誘電多層膜73の表面上に捕集する。汚染物3の捕集
後、強誘電多層膜73の表面上に付着した汚染物3から
放出される放射線は、固体シンチレータ68に入射し、
この固体シンチレータ68固有の波長のシンチレーショ
ン光を発生する。このシンチレーション光は、波長シフ
ター69で光ファイバ伝送に適した波長に変換される。
この波長変換された光は、光ファイバ70内を伝送し、
吸引配管16の外部に設けられた図示しない信号処理手
段に導入される。この信号処理手段で信号処理され、放
射線の計数を行う。放射線測定終了後、汚染物が付着し
た強誘電多層膜73の表面上にレーザ光Lを照射し、捕
集部材である強誘電多層膜73の再生を行う。この時、
強誘電多層膜73は、レーザ光Lを反射するので、蒸着
膜71の損傷を防ぐことができる。
【0206】本実施形態によれば、前記第6実施形態と
同様の効果に加えて、強誘電多層膜73がレーザ光Lを
反射するので、蒸着膜71の損傷を防ぐことができると
いう効果が得られる。
【0207】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明に係る非
接触型表面汚染検査装置および方法によれば、レーザ光
の照射により検査対象物から汚染物を脱離させるので、
非接触にて検査対象物の表面汚染部位および表面汚染密
度を検査できる。
【0208】また、レーザ光のエネルギ密度を調整して
いるので、検査対象物の母材および検査対象物の表面の
塗膜や酸化膜を損傷させることなく非接触にて表面汚染
部位の特定ができ、検査対象物の健全性を損なうことが
ない。
【0209】さらに、表面汚染検査の結果、特定した汚
染部位のみを検査対象物の母材および検査対象物の表面
の塗膜や酸化膜を損傷させることなく局所的に除染する
ことができる。
【0210】またさらに、従来行われていたように、検
査対象物の表面に濾紙を押し付け、表面汚染部位を擦っ
て汚染物を濾紙に転着させることがないので、表面汚染
部位の拡大を防止できる。
【0211】さらにまた、固体の捕集部材に汚染物を直
接捕集し、放射線測定終了後、この捕集部材に付着した
汚染物を脱離させ、捕集部材を再生させるので、従来発
生していた汚染物が付着した濾紙などの2次廃棄物の発
生を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第1
の実施の形態を示す全体的なシステム構成図。
【図2】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第1
の実施の形態に用いられる可撓性接続手段6付近を拡大
して示す図。
【図3】レーザ光のエネルギ密度と酸化鉄粒子の脱離量
および母材表面の変色領域との関係を示すグラフ。
【図4】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第1
の実施の形態に用いられる捕集手段付近を拡大して示す
図。
【図5】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第1
の実施の形態に用いられる捕集部材および捕集部材再生
手段を拡大して示す図。
【図6】本発明に係る非接触型汚染検査装置の第2の実
施の形態に用いられる可撓性接続手段付近を拡大して示
す図。
【図7】本発明に係る非接触型汚染検査装置の第2の実
施の形態に用いられる捕集手段付近を拡大して示す図。
【図8】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第3
の実施の形態を示す概略図。
【図9】本発明に係る非接触汚染検査装置の第4の実施
の形態に用いられる捕集部材付近を拡大して示す図。
【図10】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第
5の実施の形態に用いられる捕集部材付近を拡大して示
す図。
【図11】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置の第
6の実施の形態に用いられる捕集部材および放射線測定
手段付近を拡大して示す図。
【図12】本発明に係る非接触型表面汚染検査装置に用
いられる捕集部材および放射線測定手段付近を拡大して
示す図。
【符号の説明】
1 非接触型表面汚染検査装置 2 検査対象物 3 汚染物 4 レーザ光照射手段 5 回転・昇降機構 6 可撓性接続手段 7 計装制御盤 8 固体レーザ発振器 9 光学系 10 電源 11 排気手段 12 汚染物回収手段 13 信号処理手段 14 制御手段 15 案内ガイド 16 吸引配管 17 捕集手段 18、18a、18b、18c、18d、18e、18
f 捕集部材 19 吸引手段 20 放射線測定手段 21 解析制御計算機 22 入力装置 23 出力装置 24 捕集部材再生手段 25 導光管(可撓性接続手段) 26 関節 27 反射ミラー 28 電界発生手段 29 絶縁体 30 接地 31 ビームスプリッタ 32 ピエゾミラースキャナー(捕集部材再生装置) 33 ピエゾミラースキャナー(捕集部材再生装置) 34 光学系 35 ビームスプリッタ 36 マルチレンズ 37 マルチバンドル光ファイバ 38 レーザ光モニタ手段 39 支持棒 40 回転機構 41 カップリング 42 3方弁 42a、42b、42c バルブ 43 ブロア手段 44 光学系ピエゾミラー(捕集部材再生装置) 45 2方弁 46 λ/2板 47 レンズ 48 偏光ビームスプリッタ 49 ビームスプリッタ 50 レーザ光モニタ手段 51 窓 52 2方弁 53 支持伸縮機構 54 移動レール 55 窓 56 バイパス配管 57 2方弁 58 絶縁台 59 導体 60 接地 61 蒸着膜・ 62 固体シンチレータ(放射線測定手段) 63 光電子倍増管 64 絶縁台 65 接続ケーブル 66 ケーシング 67 絶縁体 68 固体シンチレータ(放射線測定手段) 69 波長シフター 70 光ファイバ 71 蒸着膜 72 ガラス面 73 強誘電体多層膜(捕集部材) 74 絶縁台

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象物の表面に付着した汚染物にレ
    ーザ光を照射し、汚染物を微粒子化して脱離させるレー
    ザー光照射手段と、前記検査対象物から脱離した汚染物
    を捕集する捕集手段と、この捕集手段に捕集された汚染
    物から放出される放射線を測定する放射線測定手段とを
    備え、前記検査対象物の表面汚染部位および表面汚染密
    度の検査を非接触にて行う非接触型表面汚染検査装置で
    あって、前記捕集手段は、前記検査対象物から脱離した
    汚染物の微粒子をその表面上に直接付着させる固体の捕
    集部材と、前記検査対象物から脱離した汚染物の微粒子
    を前記捕集部材に吸着させる吸着機構とを備えたことを
    特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の非接触型表面汚染検査装
    置において、捕集部材に付着した汚染物をレーザ光の照
    射により脱離させ、捕集部材を再生する捕集部材再生手
    段を備えたことを特徴とする非接触型表面汚染検査装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の非接触型表面汚
    染検査装置において、検査対象物の表面から脱離した汚
    染物を周りの空気とともに吸引して回収する吸引手段
    と、この吸引手段の吸引口に汚染物を案内するガイドと
    を備え、前記吸引手段の吸引経路に捕集手段を設けたこ
    とを特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    非接触型表面汚染検査装置において、レーザ光照射手段
    は可撓性接続手段を介して固体レーザ発振器に接続さ
    れ、前記レーザ光照射手段は検査対象物の表面に0.4
    J/cm2 以下のエネルギ密度のレーザ光を照射させる
    光学系を備えたことを特徴とする非接触型表面汚染検査
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    非接触型表面汚染検査装置において、吸着機構は、検査
    対象物と捕集手段との間に電界を生じさせる電界発生手
    段を備えたことを特徴とする非接触型表面汚染検査装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    非接触型表面汚染検査装置において、レーザ光照射手段
    は、検査対象物の表面に照射されるレーザ光の断面形状
    を円、長円、または矩形に整形し、かつレーザ光のエネ
    ルギ密度分布を均一化させる光学系を備えたことを特徴
    とする非接触型表面汚染検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の非接触型表面汚染検査装
    置において、可撓性接続手段は、少なくとも1つの屈曲
    部を有し、この屈曲部は一定の軸方向に回転自在な関節
    型の接続機構によって接続され、前記屈曲部の関節には
    レーザ光の反射ミラーが設けられた多関節ミラー型の導
    光管であることを特徴とする非接触型表面汚染検査装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の非接触型表面汚染検査装
    置において、可撓性接続手段はマルチバンドルファイバ
    であり、このマルチバンドルファイバの入出射部にはレ
    ーザ光軸と垂直に複数のレンズを配置したマルチレンズ
    である光学系を備えたことを特徴とする非接触型表面汚
    染検査装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    非接触型表面汚染検査装置において、捕集部材は、平板
    状、筒状、円弧板状であることを特徴とする非接触型表
    面汚染検査装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の非接触型表面汚染検査
    装置において、捕集部材は、汚染物を捕集する捕集面上
    に溝またはグレーティングを設けたことを特徴とする非
    接触型表面汚染検査装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の非接触型表面汚染検査
    装置において、捕集部材には、雰囲気ガスの一部が通過
    する複数の細孔を穿設したことを特徴とする非接触型表
    面汚染検査装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集部材再生手
    段は、レーザ光の少なくとも一部を捕集部材に照射する
    光学系と、捕集部材をレーザ光で走査することにより汚
    染物を再脱離して捕集部材を再生する捕集部材再生装置
    とを備え、この捕集部材再生装置は、圧電素子であるピ
    エゾ素子を用いた反射体であるピエゾミラースキャナ
    ー、電流量の制御により駆動可能な反射体であるガルバ
    ノメータスキャナー、ポリゴンミラースキャナー、また
    は音響光学素子を用いた音響光学素子変調器であること
    を特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  13. 【請求項13】 請求項3記載の非接触型表面汚染検査
    装置において、吸引経路に光透過部を設け、前記吸引経
    路内に設けられた捕集部材は、汚染物を吸引する軸方向
    に対向し、かつ前記光透過部からのレーザ光に対して傾
    斜する角度をもって設置したことを特徴とする非接触型
    表面汚染検査装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集部材は、汚
    染物を捕集する位置と、放射線を測定する位置と、汚染
    物を除去し、捕集部材を再生する位置とに移動する捕集
    部材移動機構を備えたことを特徴とする非接触型表面汚
    染検査装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集部材は、汚
    染物を捕集する位置と、放射線を測定する位置と、捕集
    部材を再生する位置とに移動可能なカセット式の構造を
    有したことを特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  16. 【請求項16】 請求項12記載の非接触型表面汚染検
    査装置において、捕集部材は、レーザ光の波長に対し光
    学的に透明であり、捕集部再生手段は、捕集部材の汚染
    物が付着した面に向かう方向および汚染物が付着してい
    ない面に向かう方向のうち、少なくとも一方向から捕集
    部材にレーザ光を照射する光学系を備えたことを特徴と
    する非接触型表面汚染検査装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集手段は、少
    なくとも一部が導電体である捕集部材を備え、前記導電
    体に直流電圧を印加する電源と、この電源から印加する
    直流電圧を制御する制御手段とにより、検査対象物から
    脱離した汚染物の微粒子の捕集と、捕集部材の再生とを
    行うことを特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集手段は、少
    なくとも一部が半永久的に電気的に正または負に分極し
    ているエレクトリック部材からなる捕集部材を備えたこ
    とを特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  19. 【請求項19】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集手段は、互
    いに絶縁された複数の捕集部材と、この各捕集部材間に
    電界を生じさせる電界発生手段とを備えたことを特徴と
    する非接触型表面汚染検査装置。
  20. 【請求項20】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集手段は、検
    査対象物と捕集部材との間に電界を生じさせる電界発生
    手段を備えたことを特徴とする非接触型表面汚染検査装
    置。
  21. 【請求項21】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集手段は、コ
    ロナ放電またはアーク放電し、検査対象物から脱離した
    汚染物の微粒子をイオン化させるイオン化手段を備えた
    ことを特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  22. 【請求項22】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集手段は、捕
    集位置で一定の軸心回りに間欠回転される捕集部材を備
    え、この捕集部材の外周面に対向する複数の位置に汚染
    物の捕集作業と同時に駆動される放射線測定手段および
    捕集部材再生手段を備えたことを特徴とする非接触型表
    面汚染検査装置。
  23. 【請求項23】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、捕集部材は平板
    状であり、この捕集部材の捕集面の反対側の面に放射線
    測定手段の固体シンチレータを配置し、捕集部材と放射
    線測定手段とが一体化した構成としたことを特徴とする
    非接触型表面汚染検査装置。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の非接触型表面汚染検
    査装置において、放射線測定手段の固体シンチレータ
    は、フッ化カルシウムシンチレータ、ガラスシンチレー
    タ、プラスチックシンチレータ、硫化亜鉛シンチレー
    タ、またはセラミックシンチレータであることを特徴と
    する非接触型表面汚染検査装置。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の非接触型表面汚染検
    査装置において、放射線測定手段の固体シンチレータ
    は、シンチレータ本体の表面に金属蒸着膜をコーティン
    グするとともに、この金属蒸着膜の表面にガラス面をコ
    ーティングまたは接着し、さらにガラス面の表面に捕集
    部材としてレーザ光を反射する誘電体多層膜をコーティ
    ングしたものであることを特徴とする非接触型表面汚染
    検査装置。
  26. 【請求項26】 請求項1から4までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、吸引手段は、検
    査対象物から脱離した汚染物を吸引する主配管と、捕集
    部材から脱離した汚染物を吸引するバイパス配管とを備
    えたことを特徴とする非接触型表面汚染検査装置。
  27. 【請求項27】 請求項1から3までのいずれかに記載
    の非接触型表面汚染検査装置において、レーザ光照射手
    段は、クロム酸鉛を含む塗装顔料が塗装されている検査
    対象物表面に、赤外線領域の波長のレーザ光を照射する
    光学系を備えたことを特徴とする非接触型表面汚染検査
    装置。
  28. 【請求項28】 検査対象物の表面に付着した汚染物を
    レーザ光の照射によって微粒子化して脱離させ、前記検
    査対象物から脱離した汚染物を捕集し、捕集された汚染
    物から放出される放射線を測定し、前記検査対象物の表
    面汚染部位および表面汚染密度を非接触にて行う非接触
    型表面汚染検査方法であって、前記検査対象物から脱離
    した汚染物を固体の捕集部材に直接捕集し、この捕集し
    た汚染物に基づいて検査対象物の表面汚染を検査するこ
    とを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、放射線測定終了後、捕集部材に付着し
    た汚染物を脱離させることにより捕集部材を再生するこ
    とを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  30. 【請求項30】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集部材に導く工
    程では、微粒子化した汚染物を周りの空気とともに吸引
    することを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、汚染物を捕集する工程では、吸気によ
    る捕集、検査対象物と捕集部材との間に電界を生じさせ
    ることによる捕集のうち少なくともいずれかを行うこと
    を特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  32. 【請求項32】 請求項29記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、捕集手段を再生する工程では、捕集部
    材に付着した汚染物をレーザ光の照射により脱離させる
    ことを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  33. 【請求項33】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、捕集部材を再生する工程で
    は、光学的に透明な捕集部材を使用し、汚染物が付着し
    た捕集部材の捕集面に向かう方向、汚染物が付着してい
    ない捕集部材の捕集面に向かう方向のうち少なくともい
    ずれか一方向からレーザ光を照射することを特徴とする
    非接触型表面汚染検査方法。
  34. 【請求項34】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を脱離する工程で
    は、検査対象物および捕集部材に0.4J/cm2 以下
    のレーザ光を照射することを特徴とする非接触型表面汚
    染検査方法。
  35. 【請求項35】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、捕集部材に外部から電気エネルギを加えることを特
    徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  36. 【請求項36】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、捕集部材として半永久的に電気エネルギをもつ部材
    を使用することを特徴とする非接触型表面汚染検査方
    法。
  37. 【請求項37】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、互いに絶縁された複数の捕集部材の少なくともひと
    つの捕集部材に電圧を印加し、各捕集部材間に電界を生
    じさせることを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  38. 【請求項38】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、捕集部材に電圧を印加し、検査対象物と捕集部材と
    の間に電界を生じさせることを特徴とする非接触型表面
    汚染検査方法。
  39. 【請求項39】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、汚染物の流路を遮る位置に設けられた捕集部材を使
    用することを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  40. 【請求項40】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、溝またはグレーティングを有した捕集部材を使用す
    ることを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  41. 【請求項41】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集する工程で
    は、複数の細孔が穿設された捕集部材を使用することを
    特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  42. 【請求項42】 請求項29記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、捕集部材を再生する工程では、捕集部
    材の捕集面を検査対象物の表面に対して傾斜させ、かつ
    前記捕集面に対して傾斜する方向に再生用のレーザ光を
    照射することを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  43. 【請求項43】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、汚染物を捕集した捕集部材
    を放射線測定位置に移動させ、放射線測定終了後、捕集
    部材再生位置に移動させ、捕集部材再生終了後、汚染物
    捕集位置に移動させることを特徴とする非接触型表面汚
    染検査方法。
  44. 【請求項44】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、捕集位置で一定の軸心回り
    の回転機構によって間欠回転可能に構成された捕集手段
    により、捕集部材の外周面に対向する複数の位置で汚染
    物の捕集と、放射線測定と、捕集手段の再生とを同時に
    行うことを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  45. 【請求項45】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、固体の放射線測定手段の放
    射線検出素子面に設けられた捕集部材の表面上に汚染物
    を捕集することを特徴とする非接触型表面汚染検査方
    法。
  46. 【請求項46】 請求項45記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、放射線測定手段である固体シンチレー
    タを遮光膜で被覆し、この遮光膜を薄膜で被覆すること
    を特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  47. 【請求項47】 請求項46記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、汚染物を捕集する工程では、導電体の
    遮光膜または薄膜に電圧を印加することを特徴とする非
    接触型表面汚染検査方法。
  48. 【請求項48】 請求項45記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、汚染物を捕集する工程では、誘電体の
    遮光膜または薄膜に電圧を間接的に印加することを特徴
    とする非接触型表面汚染検査方法。
  49. 【請求項49】 請求項29記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、捕集部材から脱離した汚染物を周りの
    空気とともに吸引し、ガス成分と粒子成分とに分離し、
    ガス成分は排気し、粒子成分は回収することを特徴とす
    る非接触型表面汚染検査方法。
  50. 【請求項50】 請求項29記載の非接触型表面汚染検
    査方法において、捕集部材を再生する工程では、捕集部
    材に付着した汚染物を拭き取るか、または液体で洗浄す
    ることを特徴とする非接触型表面汚染検査方法。
  51. 【請求項51】 請求項28または29記載の非接触型
    表面汚染検査方法において、クロム酸鉛を含む塗装顔料
    が塗装されている検査対象物表面に、赤外線領域の波長
    のレーザ光を照射することを特徴とする非接触型表面汚
    染検査方法。
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JP2015175699A (ja) * 2014-03-14 2015-10-05 公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター 放射性物質の分布状況の評価方法
JP2016508612A (ja) * 2013-02-27 2016-03-22 アレヴァ・エンセ レーザ誘起プラズマ分光法による表面層の組成の解析システムおよび方法、ならびに相補的分析を実施するためにサンプルを採取するシステムおよび方法

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