JPH11257965A - 角速度検出センサ - Google Patents

角速度検出センサ

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JPH11257965A
JPH11257965A JP10057234A JP5723498A JPH11257965A JP H11257965 A JPH11257965 A JP H11257965A JP 10057234 A JP10057234 A JP 10057234A JP 5723498 A JP5723498 A JP 5723498A JP H11257965 A JPH11257965 A JP H11257965A
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vibrating
angular velocity
tuning fork
vibration
detecting
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JP10057234A
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English (en)
Inventor
Teruhisa Akashi
照久 明石
Kazuyasu Satou
和恭 佐藤
Fumitaka Muranushi
文隆 村主
Mitsuo Otsu
満雄 大津
Kanji Tsunoda
莞爾 角田
Yoshiko Nishi
佳子 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出感度を高く維持するために構造の最適化
を容易に行うことができる角速度検出センサ及びそれを
用いたビデオカメラやナビゲーションシステムを提供す
る。 【解決手段】 両端を基板の外枠に支持され、互いに平
行にかつ前記基板面に平行に配置されて音叉軸を軸中心
とする音叉振動を行う一対の振動梁と、前記基板面と直
交する方向に振動自在な状態で前記振動梁それぞれに前
記音叉軸に関して線対称をなして接合された一対の検出
梁とを備える基板と、前記振動梁に前記音叉振動を行わ
せる振動発生手段と、前記検出梁の基板面に直交する方
向のたわみを検出して電圧信号として出力する歪検出手
段と、を含んで角速度検出センサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は角速度を検出する角
速度検出センサ及びそれを用いた機器に係り、特に振動
体を振動させて角速度に応じたコリオリ力を検出する振
動式の角速度検出センサ及びそのセンサを用いた手振れ
防止機能付きのビデオカメラ、ムービーカメラ等のカメ
ラ機器や車載用のナビゲーションシステム装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、手振れ防止機能付きカメラや車載
用ナビゲーションシステムに利用されている振動式の角
速度検出センサは、特開昭61−118612号公報(図示せ
ず)に開示された音叉構造のハイブリッドタイプであっ
たり、特開平2−223817号公報(図示せず)に開示され
た音片構造のハイブリッドタイプであった。一方、これ
らのハイブリッドタイプに替わる角速度検出センサとし
て、マイクロマシニング技術を応用し小型化、低価格化
を目的とした、特開平7−190784号公報(図示せず)や
特開平7−301536号公報(図示せず)の角速度検出セン
サが開示されている。これらは、2軸方向に振動可能な
音叉振動体によって構成されている。特開平7−190784
号公報には、振動体の音叉振動方向における共振周波数
(固有振動数)とコリオリ力検出方向における共振周波
数(固有振動数)とを一致させるために、ピエゾアクチ
ュエータを挟み込んだ構造例や、振動体の音叉振動方法
にローレンツ力を用いる構造例が開示されている。ま
た、特開平7−301536号公報には、コリオリ力の検出に
磁気抵抗素子を用いた構造例が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたように、従
来の手振れ防止機能付きビデオカメラや車載用ナビゲー
ションシステム装置に利用されている振動式の角速度検
出センサはハイブリッドタイプが主流である。しかし、
ハイブリッドタイプは構成が極めて複雑で個々に機械加
工で加工されているため量産性が低く、製造工程にかな
りのノウハウが要求される。また、機械加工精度のばら
つきが原因でセンサ個体間の検出感度のばらつきが20
%と大きい。
【0004】例えば、ビデオカメラの場合、一般的に、
手振れ防止機能を実現するためには、2軸の角速度を検
出する必要がある。そのため、レンズ中心近くにセンサ
2個分のスペースが必要となる。ところが、このハイブ
リッドタイプの角速度センサは、周辺の集積化された電
子回路部に対し形状が大きいので、ビデオカメラを小型
化する上で障害となる。さらに、感度ばらつきのため、
実際に使用する上では後付けの補正機能が必要となり、
ビデオカメラの低コスト化を阻んでいる。
【0005】このような問題点を解決するために上記従
来例に見られる、マイクロマシニング技術を応用したマ
イクロマシンタイプの振動式の角速度検出センサが開示
されている。これらマイクロマシンタイプは、その加工
法から量産性が高く、小型で、各個体間の形状ばらつき
は存在しないと考えてよい。しかし、コリオリ力の検出
手段が静電容量の変化を用いていることやセンサの構造
を最適化することが難しいため、結果的に検出感度が低
くなる。
【0006】検出方法に静電容量変化を用いる方法で
は、電極間の静電容量が検出感度に大きく影響する。つ
まり、この方式でセンサ感度を上げるためには、電極間
の狭小ギャップを均一性、再現性よく高い加工精度で加
工し、配線周りの浮遊容量の影響で静電容量変化の割合
が小さくならないように電極部の面積を大きくし静電容
量を増加させなければならない。しかし、従来例のよう
な構造において電極間の狭小ギャップを均一性、再現性
よく、高い加工精度で加工することは非常に難しい。
【0007】次に、ある角速度検出センサにおいて、検
出体の駆動(音叉振動)方向における共振周波数とコリ
オリ力検出方向における共振周波数とを一致させなけれ
ば(つまり、縮退モードにて動作させる)、検出感度を
最大限に高めることができない。このため、従来例(特
開平7−190784)では、ピエゾアクチュエータを用い、
上記条件を満足させている。しかし、この構成では構造
が複雑で、共振周波数を合わせるためにフィードバック
制御が必要となる。また、従来例(特開平7−301536号
公報)においては、検出体を振動させる両持ちの振動梁
とコリオリ力の検出部が一体成形されているため、上記
条件を満足するような構造の最適化が困難である。
【0008】本発明は、マイクロマシニング技術を応用
して、検出感度を高く維持するために構造の最適化を容
易に行うことが出来る角速度検出センサ及びそれを用い
たビデオカメラやナビゲーションシステム装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の第1の手段は、基板の外枠に両端を支持され、か
つ互いに平行に配置されて音叉軸を軸中心とする音叉振
動を行う一対の振動梁と、前記振動梁の振動方向および
前記音叉軸と直交する方向に振動自在な状態で前記振動
梁それぞれに設けられる合同あるいは対称な形の検出梁
とを備える基板と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手
方向中心線を含む面に平行な面内で振動させる振動発生
手段と、前記検出梁の前記振動梁の振動方向および前記
音叉軸と直交する方向のたわみを検出し、たわみ量に応
じた信号として出力する歪検出手段と、を備えてなり、
前記基板が姿勢を変化させるとき、前記音叉軸に平行な
方向を回転軸とする回転成分の角速度を、前記歪検出手
段の出力に基づいて検出するようにした角速度検出セン
サである。
【0010】上記の目的を達成する本発明の第2の手段
は、基板の外枠に両端を支持され、かつ互いに平行に配
置されて音叉軸を軸中心とする音叉振動を行う一対の振
動梁と、前記振動梁が在る面内において、前記音叉軸を
含み振動方向に垂直な面に関して面対称となるように前
記振動梁に設けられる合同な形の検出梁とを備える基板
と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手方向中心線を含
む面に平行な面内で振動させる振動発生手段と、前記検
出梁の前記振動梁の振動方向および前記音叉軸と直交す
る方向のたわみを検出し、たわみ量に応じた信号として
出力する歪検出手段と、を備えてなり、前記基板が姿勢
を変化させるとき、前記音叉軸に平行な方向を回転軸と
する回転成分の角速度を、前記歪検出手段の出力に基づ
いて検出する角速度検出センサである。
【0011】上記の目的を達成する本発明の第3の手段
は、基板の外枠に両端を支持され、かつ互いに平行に配
置されて音叉軸を軸中心とする音叉振動を行う一対の振
動梁と、合同な形で前記一対の振動梁それぞれに設けら
れる検出梁とを備え、前記振動梁が在る面内において、
前記振動梁の中心線と前記検出梁の中心線との交点が前
記音叉軸に関して線対称となる位置に、前記検出梁が設
けてある基板と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手方
向中心線を含む面に平行な面内で振動させる振動発生手
段と、前記検出梁の、前記振動梁の振動方向および前記
音叉軸と直交する方向のたわみを検出し、たわみ量に応
じた信号として出力する歪検出手段と、を備えてなり、
前記基板が姿勢を変化させるとき、前記音叉軸に平行な
方向を回転軸とする回転成分の角速度を、前記歪検出手
段の出力に基づいて検出する角速度検出センサである。
【0012】上記の目的を達成する本発明の第4の手段
は、基板の外枠に両端を支持され、かつ互いに平行に配
置されて音叉軸を軸を軸中心とする音叉振動を行う振動
梁と、前記振動梁と同一材料で形成され、前記振動梁と
異なる材料を介して前記振動梁の振動方向および前記音
叉軸と直交する方向に振動自在な状態で前記一対の振動
梁それぞれに設けられる合同な形の検出梁とを備える基
板と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手方向中心線を
含む面に平行な面内で振動させる振動発生手段と、前記
検出梁の、前記振動梁の振動方向および前記音叉軸と直
交する方向のたわみを検出し、たわみ量に応じた信号と
して出力する歪検出手段と、を備えてなり、前記基板が
姿勢を変化させるとき、前記音叉軸に平行な方向を回転
軸とする回転成分の角速度を、前記歪検出手段の出力に
基づいて検出する角速度検出センサである。
【0013】角速度検出センサと、該角速度検出センサ
の出力を入力として手ぶれ防止機能を実行する手段とを
備えてなるビデオカメラにおいて、角速度検出センサを
上記第1乃至第4の手段のいずれかに記載された角速度
検出センサとしてもよい。
【0014】また、角速度検出センサと、該角速度検出
センサの出力を入力として車両の進行方向を検出する手
段とを備えてなるカーナビゲーションシステムにおい
て、前記角速度検出センサを上記第1乃至第4の手段の
いずれかに記載の角速度検出センサとしてもよい。
【0015】前記基板の製作方法としては、前記振動梁
と前記検出梁を各々別体にて形成し、その後貼りあわせ
てもよい。また、前記振動梁を形成する基板と前記検出
梁を形成する基板とを間に別の材料を挟んで貼り合わせ
て1枚の基板とした後に、前記振動梁と前記検出梁とを
それぞれ形成してもよい。
【0016】前記振動発生手段は、前記振動梁を差動振
動させる手段であればよい。例えば、前記振動梁の一部
に電極を形成し、前記振動梁に挟まれるように中央部に
別の電極体を形成する。そして、これらの電極間に交流
電圧を印加すると、前記振動梁と電極体との間に静電引
力が発生し、前記振動梁を差動振動させることができ
る。また、後述の実施例のように、永久磁石と薄膜電極
線が形成された前記振動梁とを形成する。そして、永久
磁石の磁界中で前記振動梁に交流電流を流すと、前記振
動梁にローレンツ力が発生し、前記振動梁を差動振動さ
せることができる。このように、前記振動発生手段は公
知の方法を用いてよい。
【0017】次に、前記歪検出手段として、例えば、圧
電素子や圧電薄膜を用いる。圧電素子の場合、前記検出
梁に貼り付けて形成し、圧電薄膜の場合、スパッタ等の
成膜装置にて前記検出梁に成膜し形成する。このように
前記検出梁に設けられる前記歪検出手段は、前記検出梁
のたわみ成分を電圧値や抵抗値として検出できる手段で
あれば、いずれの手段を用いてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0019】図12は、本発明の角速度検出センサを2
個実装しているビデオカメラの一部分をカットしたカッ
トモデルを示す外観斜視図である。図示のビデオカメラ
は、大きく分類して、ビデオテープ装着部121、ファ
インダー部122、カメラ部124、音声入力部12
6、から構成されている。図のように、カメラ部124
を一部カットしてあり、レンズ部123と角速度検出セ
ンサ搭載基板125が配置されているのが見える。
【0020】図13は、取り出したレンズ部123を示
す外観模式図である。角速度検出センサ搭載基板125
上に、水平方向手振れ検出用の角速度検出センサ131
と垂直方向手振れ検出用の角速度検出センサ132とが
実装されている。搭載基板125はネジ止めによりレン
ズ部123に固定され一体となっている(図示せず)。
このため、レンズ部123が水平方向及び垂直方向に動
いたときに搭載基板125も同時に動くので、各方向の
角速度を角速度検出センサ131,132によって検出
することができる。図14は搭載基板125の上面模式
図である。角速度検出センサ131,132はレンズ外
径位置141のレンズ光軸142にできるだけ近い位置
に配置される。ただし、角速度検出センサ131,13
2は、共に振動式の角速度検出センサなので、共振周波
数は互いに相互作用を及ぼさないように500Hz程度
ずらしてある。
【0021】次に、図15は、本発明の角速度検出セン
サが組み込まれた車載用のナビゲーションシステム装置
を実装している乗用車の模式図である。乗用車155に
は、エンジン151、カーナビゲーションシステムのデ
ータ処理部154、角速度検出センサ156、GPS衛
星からの信号を受信するGPS衛星信号受信アンテナ1
53、及び、データの処理結果を表示するナビゲーショ
ン情報表示部152が搭載されている。乗用車155に
装備してあるカーナビゲーションシステムのデータ処理
部154では、GPS衛星信号受信アンテナ153から
のデータ、エンジン151からのデータ、本発明の角速
度検出センサ156からのデータ、車輪157からのデ
ータが処理される。通常、車載用のナビゲーションシス
テム装置は、GPS衛星からの位置信号を基に乗用車1
55の位置を割り出し、目的地まで誘導するシステムで
ある。しかし、GPS衛星からの信号は数m〜数十mの
誤差があるため、都市部の入り組んだ道路や路地ではシ
ステムが現在の位置を誤認識する場合がある。それを補
正する手段として角速度検出センサ156のデータが用
いられる。例えば乗用車155が乗用車の回転方向15
8を感知したとき、角速度検出センサ156からのデー
タと車輪157からのデータとを基にデータ処理部15
4において乗用車155の移動データを処理する。この
後、GPS衛星からの位置情報より細かな車体の挙動を
求め、情報表示部152に補正した位置を表示する。
【0022】次に、図1は本発明の第一の実施例である
角速度検出センサの素子部の外観図である。ただし、パ
ッケージ部や増幅回路等の回路部分はこの図では省略し
てある。図示の角速度検出センサは、大きく分けて、角
速度のセンシングを行う部分が形成される第1シリコン
基板11、第1シリコン基板11の下面(図上、下面。
以下同じ)にシリコン酸化膜中間層12を介して互いに
接合されている第2シリコン基板13、絶縁材料で形成
され前記第2シリコン基板13下面に接合されている絶
縁基板14、ある一定の磁界を有し前記絶縁基板14下
面に接合されている永久磁石15、角速度のセンシング
を行う部分を保護するため第1シリコン基板11の上面
に接合されたカバー基板16と、を含んで構成され、そ
れぞれが図1のように積層され貼り合わされて角速度検
出センサの素子部を形成している。
【0023】カバー基板16は一部カットして表わされ
ている。第1シリコン基板11と第2シリコン基板13
とは、面方位(100)の単結晶シリコン基板である。
これらの第1シリコン基板11、第2シリコン基板13
は、図2のように、面方位(100)でオリフラ(オリ
エンテーション・フラット)が結晶方位[011]に形
成してある第1シリコンウエハ25と第2シリコンウエ
ハ26とをシリコン酸化膜中間層12を介して接合し、
切り出して形成される。しかも、第1シリコンウエハ2
5と第2シリコンウエハ26とは結晶方位[011]が
45度ずれるように接合する。そのため、第1シリコン
基板11(すなわち第1シリコンウエハ25)と第2シ
リコン基板13(すなわち第2シリコンウエハ26)と
は、結晶方位が45度ずれている。また、第2シリコン
ウエハ26は第1シリコンウエハ25よりウエハの厚さ
が厚く、各ウエハの表面には、シリコン酸化膜27が形
成してある。このように、あるシリコンウエハの中間に
別の材料の層があるウエハは、SOI(Silicon On
Insulator)ウエハと一般的に呼ばれている。ここで
は、第1シリコン基板11と第2シリコン基板13とを
シリコン酸化膜中間層12を介して接合した基板をSO
I基板と呼ぶことにする。
【0024】第1シリコン基板11をシリコンの異方性
エッチングにより一部エッチング除去することで、第1
検出梁18aと第2検出梁18bとが、図1のように、
短冊状に、同一平面に、かつ長手方向中心線を一致させ
て形成されている。この長手方向中心線に平行な方向を
X軸方向とし、第1検出梁18aと第2検出梁18bの
短冊状の面に垂直な方向をZ軸方向とする。第1検出梁
18aと第2検出梁18bの形状とは同形状であり、両
者は第1シリコン基板11で形成されている。第1検出
梁18aと第2検出梁18bとはZ軸方向の厚みを薄く
し、Z軸方向にたわみやすくしてある。
【0025】さらに、第2シリコン基板13を異方性エ
ッチングにより一部エッチング除去することで、前記X
軸及びZ軸に直交する方向に延びる第1振動梁17a
と、第1振動梁17aに平行する第2振動梁17bとが
形成されている。第1振動梁17aと第2振動梁17b
とは、第2シリコン基板13で形成された同形状の両持
ち梁で、各両端部は、異方性エッチング後も残っている
第2シリコン基板13の枠状の部分に連続しており、該
枠状の部分に支持されている。第1振動梁17aと第2
振動梁17bの各中心線は、第2シリコン基板13の表
面に平行するようにしてある。前記第1検出梁18a下
面と第2検出梁18b下面は、第1振動梁17a上面と
第2振動梁17b上面に、それぞれ接合された形となっ
ているが、第1振動梁17aと第2振動梁17bのX軸
方向の幅は、第1検出梁18aと第2検出梁18bのX
軸方向の長さよりも短く、第1検出梁18aと第2検出
梁18bとは、第1振動梁17aと第2振動梁17bと
からX軸方向両側(図上、右側と左側)に突出した形と
なっている。
【0026】ここで、シリコンの異方性エッチングと
は、水酸化カリウム水溶液(KOH)やテトラメチルア
ンモニウムハイドロオキサイト(TMAH)等のアルカ
リ系エッチング液を用いて行うシリコンのエッチングの
ことである。
【0027】ここで図11を用いて、シリコンの異方性
エッチングを行った時のエッチング形状を説明する。図
のウエハ111は面方位(100)のシリコンウエハで
あり、シリコン酸化膜が全面に形成してある。また、ウ
エハ111には結晶方位<110>方向にオリフラ11
2が形成してある。このウエハ111上にシリコン酸化
膜を一部開口させた矩形の第1パターン113と第2パ
ターン114とを形成する。なお、第2パターン114
は、第1パターン113を45度回転させたパターンと
する。このウエハ111をKOHにてエッチングする
と、図11の(A)、(B)のような形状が得られる。
ただし、(A)、(B)はエッチング形状を上から見た
上面図であり、(C)、(D)、(E)、(F)は図1
1の(B)のa−a'、b−b'、c−c'線の各矢視断面図、
及び図11の(A)のd−d'線矢視断面図である。第1
パターン113のエッチング形状は、側面を{111}
面115で囲まれた矩形の溝である。第1パターン11
3のように<110>方向にパターンを形成すると、エ
ッチング形状は(A)のようになり、パターン113の
開口部がエッチングされるだけでまったくと言っていい
ほどアンダーカット(サイドエッチング)が発生しな
い。(F)に示すように、{100}面117と{11
1}面115とはある一定の角度をなし、その角度は、
54.7度である。一方、第2パターン114のように
<100>方向にパターンを形成すると、エッチング形
状は(B)のようになる。(A)に比べサイドエッチン
グが発生し、シリコンのエッチング形状はエッチング形
状116になる。また、四隅に{111}面115が発
生する。(C)に示すように、a−a'断面は、{10
0}面117で形成されており、断面形状は垂直断面と
なる。またこのときのサイドエッチング量は、深さ方向
のエッチング量と等しくなる。なぜなら、それぞれの結
晶面が{100}面117で同じ結晶面だからである。
また、(D)、(E)に示すように、断面形状は、{1
00}面117と{111}面115によって形成され
る。
【0028】このことから、第1シリコン基板11と第
2シリコン基板13との結晶方位が45度ずれて接合さ
れているので、第1振動梁17a及び第2振動梁17b
の両持ち梁の根元部分には、{111}面によるテーパ
面が発生する。
【0029】以上のように、各基板11、13をそれぞ
れ異方性エッチングすることで、第1振動梁17a上に
第1検出梁18a、第2振動梁17b上に第2検出梁1
8bが形成された構造を得ることができる。第1検出梁
18a、第2検出梁18bは、第1振動梁17a、第2
振動梁17bに片持ち支持された片持ち梁となる。
【0030】また、第1検出梁18aには圧電薄膜のよ
うな歪検出手段である第1歪検出手段19aが薄膜電極
21に挟まれて形成されており、第2検出梁18bには
第2歪検出手段19bが同様に形成されている。片持ち
梁の第1検出梁18a、第2検出梁18bがたわむこと
により、第1歪検出手段19a及び第2歪検出手段19
bが歪み、電圧を生じる。この出力電圧値を外部にて読
み取るために、第1シリコン基板11の枠状部分の上面
から第2シリコン基板13の上面にかけて引き出し用薄
膜電極20が形成されており、この引き出し用薄膜電極
20はワイヤ線22を介して薄膜電極21と導通が取ら
れている。以上のような検出素子を用いてY軸を軸中心
とした角速度ωを検出する。
【0031】図3は、図1のA−A’断面を示す断面模
式図である。エポキシ接着層36を介して永久磁石15
に絶縁基板14が貼り付けてあり、絶縁基板14はエポ
キシ接着層36を介してSOI基板の一部である第2シ
リコン基板13に貼り付けてある。さらに、エポキシ接
着層36を介してカバー基板16と第1シリコン基板1
1とが貼り合わせてある。第1振動梁17a、第2振動
梁17bや第1検出梁18a、第2検出梁18bがX軸
方向に振動自在なように、絶縁基板14、カバー基板1
6には、くぼみ37、くぼみ38がそれぞれ形成されて
いる。
【0032】図5は、絶縁基板14の上面及びカバー基
板16の下面を示す平面図である。図のように、矩形の
くぼみが絶縁基板14の上面及びカバー基板16の下面
に形成されているので、第1振動梁17a、第2振動梁
17bや第1検出梁18a、第2検出梁18bがX軸方
向に振動することができる。
【0033】第1シリコン基板11と第2シリコン基板
13との間には、シリコン酸化膜中間層12があり、第
1シリコン基板11や第2シリコン基板13の表面には
シリコン酸化膜35が形成されている。また、第1検出
梁18a、第2検出梁18b、第1振動梁17a、第2
振動梁17bにもシリコン酸化膜35が図3に示すよう
に形成されている。第1検出梁18aと第2検出梁18
bとは、第2シリコン基板13と45度の結晶方位のず
れた第1シリコン基板11を異方性エッチングすること
で形成するため、断面形状が長方形形状ではなく、約5
4.7度のテーパ面を有する台形形状となる。また、第
1振動梁17a、第2振動梁17bには金属薄膜によっ
て形成された交流通電用配線31がある。さらに、第1
検出梁18a上には、歪検出手段である第1圧電薄膜3
3aが形成されている。この第1圧電薄膜33aを挟み
込むように第1下部電極32aと第1上部電極34aと
が形成されており、互いにショートしないようにパター
ニングされている。第1下部電極32aと第1上部電極
34aとが前記薄膜電極21に、第1圧電薄膜33aが
前記第1歪検出手段19aに、それぞれ相当する。これ
は、第2検出梁18b上に形成される第2圧電薄膜33
b、第2下部電極32b、第2上部電極34bに関して
も同様である。
【0034】図6は、SOI基板の表裏面を示す模式図
である。図6の(a)は表面(上面)を示す図であり、
図6の(b)、(c)は裏面(下面)を示す図である。
異方性エッチングにて第1振動梁17a、第2振動梁1
7bを形成すると、(b)、(c)のように第1振動梁
17a、第2振動梁17bの根元部それぞれ4箇所に
{111}面61が現れる。これは先の図11を用いて
説明した。
【0035】図3のように、第1振動梁17a、第2振
動梁17bの断面形状は、梁の厚み(Z軸方向寸法)L
が幅(X軸方向寸法)Wより大きい長方形の形状であ
る。つまり、L>Wの形状である。厚みLは第2シリコ
ン基板13の厚みで決まり、幅Wはエッチング加工時の
マスク形状によって決めることができる。そのため、こ
れらのL、Wの値を任意に選択すれば、両持ち梁である
第1振動梁17a、第2振動梁17bの共振周波数を容
易に所望の値に設定することができる。例えば、これら
第1振動梁17a、第2振動梁17bのX方向の振動変
位量を大きく取るためには、各梁17a、17bのX方
向の剛性を低くし、Z方向の剛性を高めればよい。つま
り、L>Wの割合を大きくすればよい。
【0036】次にこの実施例においては、第1振動梁1
7a、第2振動梁17bにX方向の差動振動(それぞれ
の振動梁が逆方向に動く振動)を発生させる手段とし
て、ローレンツ力を用いる。ローレンツ力とは、磁界中
の電気良導体を備える物体に交流電流(スイッチング電
流)を流した場合に作用する力のことである。しかし、
必ずしもローレンツ力を利用する必要はなく、第1振動
梁17a、第2振動梁17bを差動振動させることが可
能な手段であれば、どのような駆動力を用いてもよい。
【0037】第1振動梁17a、第2振動梁17bには
図3、図6の(b)、または図6の(c)に示すような
交流通電用配線31が形成されている。そのため、図6
の(b)の場合、交流通電用配線31に交流電流を印加
すると永久磁石15の磁界を受けてローレンツ力FLが
互いに逆向きに第1振動梁17a、第2振動梁17bに
発生する。また、図6の(c)の場合、第1交流通電用
配線62、第2交流通電用配線63に矢印のような互い
に逆向きに電流を流せば、図6の(b)の場合と同様に
第1振動梁17a、第2振動梁17bにローレンツ力F
Lが互いに逆向きに作用する。このような逆向きのロー
レンツ力FLを発生させることによって、第1振動梁1
7a、第2振動梁17bは、それぞれの長手方向中心線
を含む平面に平行な面内で差動振動(音叉振動)する。
【0038】このように第1振動梁17a、第2振動梁
17bが差動振動している状態において、角速度検出セ
ンサがY軸を軸中心として角速度ωで回転する場合、第
1検出梁18a、第2検出梁18bそれぞれに、コリオ
リ力FcがZ軸方向に、互いに逆向きに加わる。
【0039】図4は、図1のB−B’断面を示す断面模
式図である。エポキシ接着層36を介して永久磁石15
に絶縁基板14が貼り付けてあり、絶縁基板14はエポ
キシ接着層36を介してSOI基板の一部の基板である
第2シリコン基板13に貼り付けてある。さらに、エポ
キシ接着層36を介してカバー基板16と第1シリコン
基板11とが貼り合わせてある。第2検出梁18bは、
第2シリコン基板13によって形成される第2振動梁1
7bにシリコン酸化膜中間層12を介して接合されてい
る。また、第2検出梁18bは第1シリコン基板11を
異方性エッチングすることによって形成するので、断面
形状が図のように台形形状となる。このような第2検出
梁18b上に、シリコン酸化膜35を介して第2下部電
極32b、第2上部電極34bが形成されている。また
交流通電用配線31に交流電流を通電するために、引き
出しワイヤ線41によって外部回路(図示せず)と交流
通電用配線31がつながっている。
【0040】第1検出梁18a、第2検出梁18b上
は、第1圧電薄膜33a及び第2圧電薄膜33bがそれ
ぞれ形成されており、第1圧電薄膜33a及び第2圧電
薄膜33bに接続され入力信号の差を増幅する差動増幅
回路72、前記交流通電用配線31に第1振動梁17
a、第2振動梁17bの共振周波数の周波数で交流電流
を印加する発振回路71、差動増幅回路72及び発振回
路71に接続された同期検波回路73、及び、同期検波
回路73に接続された直流増幅回路74が設けられてい
る。
【0041】第一の実施例は以上のように構成される。
次に、図7を用いて第一の実施例における角速度検出セ
ンサの角速度センシング方法を説明する。角速度検出セ
ンサが作動状態にある間(交流通電用配線31に交流電
流が印加されている間)は、常に、第1振動梁17aに
設けられた第1検出梁18a及び第2振動梁17bに設
けられた第2検出梁18bが、ローレンツ力FLによっ
てX軸方向互いに逆向きに差動振動している。ただし、
センサ素子の感度を上げるため、第1振動梁17a、第
2振動梁17bは第1振動梁17a、第2振動梁17b
の共振周波数で動作させることとする。この場合、第1
振動梁17a、第2振動梁17bに第1検出梁18a、
第2検出梁18bがそれぞれ設けてあるので、第1検出
梁18a、第2検出梁18bは第1振動梁17a、第2
振動梁17bの共振周波数で動作する。このときの振動
速度をVとする。第1振動梁17aと第1検出梁18a
とで構成される第1振動部と、第2振動梁17bと第2
検出梁18bとで構成される第2振動部との質量をそれ
ぞれmとする。
【0042】この状態において、角速度検出センサがY
軸を軸中心として角速度ωで回転すると、角速度に応じ
たコリオリ力Fc(=2mvω)が、第1振動部及び第
2振動部に図のように発生する。このコリオリ力Fcは
Z軸方向に加わるので、第1振動部及び第2振動部はZ
軸方向にたわみ、FLとFcの合力による合成振動とな
る。ここで、第1振動梁17a及び第2振動梁17bは
X軸方向にたわみやすく、Z軸方向にたわみにくい構造
となっており、第1検出梁18a及び第2検出梁18b
は梁の厚みが薄いのでZ軸方向にたわみやすい構造とな
っている。このためコリオリ力Fcによって第1検出梁
18a及び第2検出梁18bにコリオリ力Fcに比例し
たたわみが生じる。
【0043】ここで、第1検出梁18a、第2検出梁1
8bのZ軸方向の共振周波数を第1振動梁17a、第2
振動梁17bの共振周波数と同じになるように、梁の長
さや厚みを変えることで調整しておく。そして、このた
わみ量を、第1検出梁18a、第2検出梁18b上に形
成された第1圧電薄膜33a及び第2圧電薄膜33bの
電圧変化として検出する。ここで、コリオリ力Fcによ
って生じたたわみに基づく電圧変化量をαとする。した
がって、電圧変化量αは角速度ωに比例している。コリ
オリ力Fcは、第1検出梁18a、第2検出梁18bに
逆向きに作用する。この第1圧電薄膜33a及び第2圧
電薄膜33bそれぞれの電圧変化量をフィルタ回路内蔵
の差動増幅回路72に入力することによって、センサの
外乱成分をカットして2α、つまり2倍の出力電圧値を
得ることができる。なお、発振回路71によって交流通
電用配線31に第1振動梁17a、第2振動梁17bの
共振周波数の周波数で交流電流が印加されているので、
ローレンツ力FLが発生する。この周波数を基準として
差動増幅回路72を経て得られた電圧信号を同期検波回
路73によって検波する。さらに、この電圧値を直流増
幅回路74によって増幅し、コリオリ力Fcによるたわ
みに基づく電圧値、すなわち角速度ωに比例した量とし
て取り出す。
【0044】以上のような方法を用いて角速度の検出を
行う。ただし、図7の回路は一実施例でこれらの回路構
成を様々に組み合わせることで角速度の検出を行うこと
もできる。
【0045】図8は、本発明の第二の実施例である角速
度検出センサの素子部の外観を模式的に示す斜視図であ
る。また、図9は、図8で示した第1シリコン基板11
と第2シリコン基板13との接合にて形成されるSOI
基板の表裏面(上下面)を示す模式図である。図9の
(a)は表面(上面)を示す図であり、図9の(b)、
(c)は裏面(下面)を示す図である。裏面の状態は、
交流通電用配線91、92、93の形状が異なるだけ
で、(b)または(c)のいずれの形状でもよい。素子
部の構成は先の第一の実施例と同じであるが、第1振動
梁81a及び第2振動梁81b、第1検出梁82a及び
第2検出梁82bの形状が前記第1の実施例の第1振動
梁17a及び第2振動梁17b、第1検出梁18a及び
第2検出梁18bの形状と異なっている。この実施例の
第1振動梁81a及び第2振動梁81b、第1検出梁8
2a及び第2検出梁82bは、シリコンのドライエッチ
ングを用いて加工するので、先の異方性エッチングのよ
うに結晶方位によるエッチング形状の制約を受けない。
そのため、第1振動梁81a、第2振動梁81bの両持
ち梁の根元部分にテーパ面が現れておらず、第1振動梁
81a、第2振動梁81bのX−Z平面で切った時の断
面形状は、どの部分においても同一形状の長方形とな
る。ここでの第1シリコン基板11と第2シリコン基板
13との結晶方位のずれは存在しないものとするが、ド
ライエッチングによる加工は結晶方位の影響を受けない
ので、結晶方位がずれていてもよい。第1振動梁81a
と第2振動梁81bとは同形状の両持ち梁である。根元
部分にテーパ面がないため、第二の実施例は、先の第一
の実施例よりも第1振動梁81a、第2振動梁81bは
X軸方向に振動しやすい構造であると言える。また、先
の第一の実施例の場合、第1検出梁18a、第2検出梁
18bは、図3のように、X−Z平面で切った断面形状
が台形になっているが、第二の実施例の場合、X−Z平
面で切った断面形状は長方形となっており、テーパがつ
かない。ここで、第1検出梁82aと第2検出梁82b
とは同形状の片持ち梁である。このように形状が変化し
ても検出梁の厚さ(Z軸方向の寸法)が変化していない
ため、Z軸方向における第1検出梁82a、第2検出梁
82bの剛性は第一の実施例の第1検出梁18a、第2
検出梁18bの剛性と変わらない。ここで、シリコンの
ドライエッチングとは、例えばSF6、CHF3等のフロ
ン系のガスを用いて真空室内でプラズマを発生させてエ
ッチングすることを言う。
【0046】次に図10を用いて、第1振動梁81aと
第1検出梁82a及び第2振動梁81bと第2検出梁8
2bとの位置関係に関して説明する。図10は、第1シ
リコン基板11と第2シリコン基板13との接合にて形
成されるSOI基板の表面から見た角速度検出センサの
上面模式図である。ただし、第1振動梁81a、第2振
動梁81bと第1検出梁82a、第2検出梁82bとは
同一材料によって形成されており、第1検出梁82a、
第2検出梁82bは同形状である。
【0047】以下に説明するように、振動梁と検出梁の
位置関係が、図10の(a)、(b)、(c)、(d)
の位置関係にあれば、第一の実施例や第二の実施例の場
合と同様の効果を得ることができる。第1検出梁82
a、第2検出梁82bには、歪検出手段19a、19b
がそれぞれ設置されている。
【0048】図10の(a)は、第二の実施例の図であ
る。この場合、第1検出梁82aと第2検出梁82bと
は、図上、Y軸に平行な音叉軸102を対称軸として線
対称の位置関係にある。さらに、第1検出梁82aのX
軸方向の中心線103と第2検出梁82bのX軸方向の
中心線104とが、各振動梁のX軸方向の中線101上
にある。第1振動梁81aのY軸方向の中心線105と
第1検出梁82aのY軸方向の中心線103と中線10
1との交点A(図示せず)と、第2振動梁81bの中心
線106と第2検出梁82bの中心線104と中線10
1との交点B(図示せず)とが音叉軸102を対称軸と
して線対称の位置関係にある。
【0049】図10の(b)、(c)の場合、同様に第
1検出梁82aと第2検出梁82bとは音叉軸102に
関して線対称の位置にある。また、それぞれの場合にお
いて、第1振動梁81aの中心線105と第1検出梁8
2aの中心線103と中線101との交点A(図示せ
ず)と、第2振動梁81bの中心線106と第2検出梁
82bの中心線104と中線101との交点B(図示せ
ず)とが音叉軸102を対称軸として線対称の位置関係
にある。図10の(d)の場合、第1検出梁82aと第
2検出梁82bとは音叉軸102と中線101との交点
に関して点対称の位置にある。また、第1振動梁81a
の中心線105と第1検出梁82aの中心線103と中
線101との交点A(図示せず)と、第2振動梁81b
の中心線106と第2検出梁82bの中心線104と中
線101との交点B(図示せず)とが音叉軸102を対
称軸として線対称の位置関係にある。以上のいずれの場
合においても、第1検出梁82a、第2検出梁82bを
第1振動梁81a、第2振動梁81bによって差動振動
(音叉振動)させることが可能な構造を備えている。な
おかつ、各検出梁が音叉軸に関して線対称の位置に在る
か、または、交点Aと交点Bとが音叉軸に関して線対称
になる位置になっているので、コリオリ力Fcが第1検
出梁82a、第2検出梁82bに等しく加わり、それぞ
れ第1検出梁82a、第2検出梁82bに等しいひずみ
が生じ、歪検出手段19a、19bに等しい電圧が発生
する。そのため、先に説明した回路を用いれば、センサ
素子に加わった角速度を検出することができる。センサ
素子が、このような構造を備えれば、たとえ振動梁を形
成した後、別に形成した検出梁を接合しても、以上説明
してきた実施例と同様の効果を得ることができる。また
上記各センサ素子の形状は、両持ち梁と片持ち梁の組合
せであるので、各振動梁の共振周波数を容易に算出する
ことができる。さらに、SOI基板を用いた場合、振動
梁と検出梁とが一括加工できるため、振動梁と検出梁と
を別体にて形成し接合して構造体を形成する場合より
も、各梁の共振周波数のずれを防ぐことができる。具体
的に、振動梁の共振周波数に検出梁の検出方向の共振周
波数を合わせるためには、検出梁の長さや厚みを変える
ことで対応する。逆に、振動梁の共振周波数を検出梁の
検出方向の共振周波数に合わせるためには、振動梁の梁
幅や梁厚を変えることで対応する。このように、各実施
例を含めた図10の各構造は、振動梁と検出梁との共振
周波数を一致させやすい構造を備えていると言える。つ
まり、構造の最適化を容易に達成できる構造を備えてい
ると言える。
【0050】
【発明の効果】以上本発明は、次のような優れた効果を
発揮する。
【0051】(1)本発明では、音叉振動梁(第1、第
2振動梁)にコリオリ力検出用の振動梁(第1、第2検
出梁)が振動自在な状態で接合されている。ところが、
それぞれ別々に加工をすることができる構造であるた
め、各梁の長さや幅や厚みを単純な作業で変えることが
でき、音叉振動方向とコリオリ力検出方向との共振周波
数を容易に一致させることができる。そのため、センサ
の構造の最適化を容易に達成でき、検出感度を上げるこ
とができる。
【0052】(2)本発明では、マイクロマシニング技
術を応用しているので、音叉振動梁とコリオリ力検出用
の振動梁とを一枚の基板から一括加工できる。そのた
め、音叉振動梁とコリオリ力検出用の振動梁とを別体に
て形成しその後接合することで形状を達成するよりも、
各梁の共振周波数のずれを防ぐことができ、あらかじめ
予想する共振周波数の形状を容易に得ることができる。
【0053】(3)本発明を用いれば、一括加工により
各センサの形状ばらつきがほとんど無いため、各センサ
間の検出感度のばらつきを非常に小さくすることができ
る。また、一括加工により量産性に富み小型化可能な構
造であるため、センサの低コスト化を達成でき、センサ
の占有面積を小さく抑えることができる。
【0054】(4)本発明を用いれば、センサを小さく
できるため小型のビデオカメラにも本発明のセンサを容
易に実装できる。さらに、現在後工程で行われているセ
ンサ感度を調整するための補正回路の付加や制御用のソ
フトウエアの書き換えが要らなくなり、ビデオカメラの
低コスト化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である角速度検出センサの
素子部の斜視図である。
【図2】図1に示す第1実施例の素子部を形成するSO
Iウエハの構成図である。
【図3】図1に示す第1実施例のA-A’断面を示す断
面模式図である。
【図4】図1に示す第1実施例のB-B’断面を示す断
面模式図である。
【図5】図1に示す第1実施例の絶縁基板とカバー基板
の模式図である。
【図6】図1に示す第1実施例の検出部が形成された基
板の表裏面の構造を示す模式図である。
【図7】図1に示す第1実施例の電気回路を示す回路図
である。
【図8】本発明の第2実施例である角速度検出センサの
素子部の斜視図である。
【図9】図8に示す第2実施例の検出部が形成された基
板の表裏面の構造を示す模式図である。
【図10】本発明における振動梁と検出梁の形成位置の
相対関係を表す模式図である。
【図11】面方位(100)のシリコンウエハをエッチ
ングしたときのエッチング形状の模式図である。
【図12】本発明の角速度検出センサが組み込まれたビ
デオカメラの一部をカットした外観斜視図である。
【図13】図12に示すビデオカメラのレンズ部への角
速度検出センサの装着状況を示す斜視図である。
【図14】図13に示す角速度検出センサ搭載基板の上
面模式図である。
【図15】本発明の角速度検出センサが組み込まれた車
載用ナビゲーションシステム装置を取り入れた乗用車の
模式図である。
【符号の説明】
11 第1シリコン基板 12 シリコン酸化膜中間層 13 第2シリコン基板 14 絶縁基板 15 永久磁石 16 カバー基板 17a 第1振動梁 17b 第2振動梁 18a 第1検出梁 18b 第2検出梁 19a 第1歪検出手段 19b 第2歪検出手段 20 引き出し用薄膜電極 21 薄膜電極 22 ワイヤ線 23 第1シリコン基板オリフラ 24 第2シリコン基板オリフラ 25 第1シリコンウエハ 26 第2シリコンウエハ 27 シリコン酸化膜 31 交流通電用配線 32a 第1下部電極 32b 第2下部電極 33a 第1圧電薄膜 33b 第2圧電薄膜 34a 第1上部電極 34b 第2上部電極 35 シリコン酸化膜 36 エポキシ接着層 37 絶縁基板上面のくぼみ 38 カバー基板下面のくぼみ 41 引き出しワイヤ線 61 {111}エッチング面 62 第1交流通電用配線 63 第2交流通電用配線 71 発振回路 72 差動増幅回路 73 同期検波回路 74 直流増幅回路 81a 第1振動梁 81b 第2振動梁 82a 第1検出梁 82b 第2検出梁 91 交流通電用配線 92 第2交流通電用配線 93 第1交流通電用配線 101 各振動梁の中線 102 音叉軸 103 第1検出梁の中心線 104 第2検出梁の中心線 105 第1振動梁の中心線 106 第2振動梁の中心線 111 面方位(100)ウエハ 112 オリフラ 113 第1パターン 114 第2パターン 115 {111}面 116 エッチング形状 117 {100}面 121 ビデオテープ装着部 122 ファインダー部 123 レンズ部 124 カメラ部 125 角速度検出センサ搭載基板 126 音声入力部 131 水平方向手振れ検出用の角速度検出センサ 132 垂直方向手振れ検出用の角速度検出センサ 141 レンズ外径位置 142 レンズ光軸 151 エンジン 152 ナビゲーション情報表示部 153 GPS衛星信号受信アンテナ 154 カーナビゲーションシステムデータ処理部 155 乗用車 156 角速度検出センサ 157 車輪 158 乗用車の回転方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大津 満雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町501番地 株 式会社日立製作所映像情報メディア事業部 内 (72)発明者 角田 莞爾 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (72)発明者 西 佳子 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の外枠に両端を支持され、かつ互い
    に平行に配置されて音叉軸を軸中心とする音叉振動を行
    う一対の振動梁と、前記振動梁の振動方向および前記音
    叉軸と直交する方向に振動自在な状態で前記振動梁それ
    ぞれに設けられる合同あるいは対称な形の検出梁とを備
    える基板と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手方向中
    心線を含む面に平行な面内で振動させる振動発生手段
    と、前記検出梁の前記振動梁の振動方向および前記音叉
    軸と直交する方向のたわみを検出し、たわみ量に応じた
    信号として出力する歪検出手段と、を備えてなり、前記
    基板が姿勢を変化させるとき、前記音叉軸に平行な方向
    を回転軸とする回転成分の角速度を、前記歪検出手段の
    出力に基づいて検出する角速度検出センサ。
  2. 【請求項2】 基板の外枠に両端を支持され、かつ互い
    に平行に配置されて音叉軸を軸中心とする音叉振動を行
    う一対の振動梁と、前記振動梁が在る面内において、前
    記音叉軸を含み振動方向に垂直な面に関して面対称とな
    るように前記振動梁に設けられる合同な形の検出梁とを
    備える基板と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手方向
    中心線を含む面に平行な面内で振動させる振動発生手段
    と、前記検出梁の前記振動梁の振動方向および前記音叉
    軸と直交する方向のたわみを検出し、たわみ量に応じた
    信号として出力する歪検出手段と、を備えてなり、前記
    基板が姿勢を変化させるとき、前記音叉軸に平行な方向
    を回転軸とする回転成分の角速度を、前記歪検出手段の
    出力に基づいて検出する角速度検出センサ。
  3. 【請求項3】 基板の外枠に両端を支持され、かつ互い
    に平行に配置されて音叉軸を軸中心とする音叉振動を行
    う一対の振動梁と、合同な形で前記一対の振動梁それぞ
    れに設けられる検出梁とを備え、前記振動梁が在る面内
    において、前記振動梁の中心線と前記検出梁の中心線と
    の交点が前記音叉軸に関して線対称となる位置に、前記
    検出梁が設けてある基板と、前記一対の振動梁をそれぞ
    れの長手方向中心線を含む面に平行な面内で振動させる
    振動発生手段と、前記検出梁の、前記振動梁の振動方向
    および前記音叉軸と直交する方向のたわみを検出し、た
    わみ量に応じた信号として出力する歪検出手段と、を備
    えてなり、前記基板が姿勢を変化させるとき、前記音叉
    軸に平行な方向を回転軸とする回転成分の角速度を、前
    記歪検出手段の出力に基づいて検出する角速度検出セン
    サ。
  4. 【請求項4】 基板の外枠に両端を支持され、かつ互い
    に平行に配置されて音叉軸を軸中心とする音叉振動を行
    う振動梁と、前記振動梁と同一材料で形成され、前記振
    動梁と異なる材料を介して前記振動梁の振動方向および
    前記音叉軸と直交する方向に振動自在な状態で前記一対
    の振動梁それぞれに設けられる合同な形の検出梁とを備
    える基板と、前記一対の振動梁をそれぞれの長手方向中
    心線を含む面に平行な面内で振動させる振動発生手段
    と、前記検出梁の、前記振動梁の振動方向および前記音
    叉軸と直交する方向のたわみを検出し、たわみ量に応じ
    た信号として出力する歪検出手段と、を備えてなり、前
    記基板が姿勢を変化させるとき、前記音叉軸に平行な方
    向を回転軸とする回転成分の角速度を、前記歪検出手段
    の出力に基づいて検出する角速度検出センサ。
  5. 【請求項5】 角速度検出センサと、該角速度検出セン
    サの出力を入力として手ぶれ防止機能を実行する手段と
    を備えてなるビデオカメラにおいて、前記角速度検出セ
    ンサが、請求項1乃至4のいずれかに記載の角速度検出
    センサであることを特徴とするビデオカメラ。
  6. 【請求項6】 角速度検出センサと、該角速度検出セン
    サの出力を入力として車両の進行方向を検出する手段と
    を備えてなるカーナビゲーションシステムにおいて、前
    記角速度検出センサが、請求項1乃至4のいずれかに記
    載の角速度検出センサであることを特徴とするカーナビ
    ゲーションシステム。
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