JPH11257355A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH11257355A
JPH11257355A JP10063437A JP6343798A JPH11257355A JP H11257355 A JPH11257355 A JP H11257355A JP 10063437 A JP10063437 A JP 10063437A JP 6343798 A JP6343798 A JP 6343798A JP H11257355 A JPH11257355 A JP H11257355A
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好男 志村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少なくとも摺動面にPbを含有せず、しかもP
bを摺動面に含有するものと同等の摺動特性を発揮しう
る摺動部材を提供する。 【解決手段】基材の表面で相手材との摺動面に、Sn、
Bi及びInよりなる群から選ばれる少なくとも一種を
含有し、残部が実質的にAg及び不可避不純物よりなる
被覆層3が形成されている。摺動面にPbを含有しない
ものであるが、摺動面にPb含有するものと同等の摺動
特性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は摺動部材に関し、詳
しくはPb(鉛)を含有しない摺動部材に関する。本発
明の摺動部材は、例えば内燃機関用のすべり軸受やブッ
シュに好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの高出力化に伴って、ク
ランクシャフトやコネクティングロッド等に使用される
すべり軸受には、低炭素鋼製の裏金に、初期なじみ性と
高い圧縮・疲労強度とを有するケルメット合金(Cu及
びPbを主成分とする合金)をライニングした軸受が多
く用いられている。
【0003】この軸受では、普通、ケルメット合金表面
で相手材との摺動面に電気めっき等により薄いオーバー
レイ層が形成される。これは相手材とのなじみ性をさら
に高める等の目的でなされるもので、オーバーレイ層に
は軟質なPb及びSnを主成分とする合金が用いられ
る。なお、ケルメットの耐食性を向上させたり、オーバ
ーレイ層中のSnがケルメット合金中に拡散してオーバ
ーレイ層が劣化することを防止する等の目的で、ケルメ
ット表面に数μm程度の厚さのNi等のめっき処理を施
し、このめっき層の上にオーバーレイ層を形成すること
も行われている。
【0004】また、上記すべり軸受には、Al基でSn
及びPb等を合金化したアルミニウム合金軸受(特開平
4−219523号公報等参照)も多く用いられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の材料
開発の動向としてPbフリー化の方向に進んでいる。こ
の開発動向は上記すべり軸受等の摺動部材も例外ではな
い。しかしながら、すべり軸受等の摺動部材において、
摺動特性を満足させる上でPbは重要である。高出力エ
ンジンのように高負荷条件部では、高い摺動特性が要求
されることから、Pbは特に重要である。このため、摺
動面にPbを含有せずに、十分な摺動特性を備えた摺動
部材を提供することは、きわめて困難であった。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、少なくとも摺動面にPbを含有せず、しかもPb
を摺動面に含有するものと同等の摺動特性を発揮しうる
摺動部材を提供することを解決すべき技術課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)上記課題を解決す
る請求項1記載の摺動部材は、基材と、該基材の表面で
相手材との摺動面に形成された被覆層とからなる摺動部
材において、上記被覆層は、Sn、Bi及びInよりな
る群から選ばれる少なくとも一種を含有し、残部が実質
的にAg及び不可避不純物よりなることを特徴とする。
【0008】(2)請求項2記載の摺動部材は、請求項
1記載の摺動部材において、前記被覆層中に含まれるS
nの量は2〜50重量%であることを特徴とする。 (3)請求項3記載の摺動部材は、請求項1記載の摺動
部材において、前記被覆層中に含まれるBiの量は5〜
50重量%であることを特徴とする。 (4)請求項4記載の摺動部材は、請求項1記載の摺動
部材において、前記被覆層中に含まれるInの量は2〜
28重量%であることを特徴とする。
【0009】(5)請求項5記載の摺動部材は、請求項
1記載の摺動部材において、前記被覆層中に含まれるS
n、Bi及びInの量は、合計で4〜50重量%で、S
nが2〜20重量%、Biが5〜20重量%、Inが2
〜10重量%であることを特徴とする。(6)請求項6
記載の摺動部材は、請求項1記載の摺動部材において、
前記被覆層が、前記基材の表面をめっき処理することに
より形成されためっき皮膜であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の摺動部材は、基材と、該
基材の表面で相手材との摺動面に形成された被覆層とか
らなるものである。上記基材の種類としては特に限定さ
れず、本発明の摺動部材を適用しようとする部材に応じ
て、鋼材、鋳鉄、鉄系焼結合金、アルミニウム合金及び
銅合金等から適宜採択可能であり、これらの材料の複合
材料であってもよい。但し、この基材もPbを含有しな
いことが好ましい。例えば、本発明の摺動部材を内燃機
関用すべり軸受に適用する場合、鋼製裏金にCu−Sn
系合金層をライニングしてなる基材や、Al−Sn−S
i系合金層よりなる基材等を用いることができる。
【0011】上記被覆層は、基材の表面をめっき処理す
ることにより形成されためっき皮膜であることが好まし
い。被覆層がめっき皮膜であれば、密着性や皮膜強度の
点で有利となるからである。このめっき処理としては、
電気めっきや化学めっきなどの湿式めっきの他、イオン
プレーティングやスパッタリングなどのPVD法による
乾式めっきを採用することができる。なお、基材に被覆
層を形成する方法として、めっき処理の他に溶射等を採
用することも可能である。
【0012】なお、基材表面に直接被覆層を形成しても
よいが、基材と被覆層との接合性や基材の耐食性を向上
させる等の観点から、基材表面に中間層を形成すること
が好ましい。この中間層としては、Niめっき層、Co
めっき層やZnめっき層等を採用することができる。ま
た上記被覆層の厚さは1.0〜30μmとすることが好
ましい。被覆層の厚さが1.0μmよりも薄いと、十分
な摺動特性を発揮することが困難となり、一方30μm
よりも厚いと密着性が低下して被覆層が基材表面から剥
がれ易くなる。より好ましい被覆層の厚さは10〜30
μmである。被覆層の厚さが10μm以上になると、必
要ななじみ性の確保及び耐摩耗寿命の点で有利となる。
【0013】上記被覆層は、Sn(スズ)、Bi(ビス
マス)及びIn(インジウム)よりなる群から選ばれる
少なくとも一種を含有し、残部が実質的にAg(銀)及
び不可避不純物よりなるものであり、この被覆層にはP
bが含有されていない。かかるAg合金よりなる被覆層
は、延性及び融点が高いというAg基の特性により耐疲
労性及び耐摩耗性が良好で、しかもSn、BiやInの
働きにより硬さが高過ぎることがなくなじみ性が良好
で、かつ、潤滑性が良くて耐焼付き性が良好である。
【0014】したがって、上記Ag合金よりなる被覆層
が基材の表面で相手材との摺動面に形成された本発明に
係る摺動部材は、少なくとも摺動面にPbを含有しない
にもかかわらず、なじみ性、耐焼付き性、耐摩耗性及び
耐疲労性の摺動特性が良好となる。ここに、SnはAg
合金の初期なじみ性及び耐摩耗性の向上に寄与する。上
記被覆層において、Snの含有量が2重量%未満になる
と、硬さが高く初期なじみ性が十分でない。一方、Sn
の含有量が50重量%を超えると、合金融点が大幅に低
下して高温下で軟化し、耐摩耗性が不十分となる。この
ため、上記被覆層におけるSnの含有量は2〜50重量
%とすることが好ましい。なお、耐焼付き性の観点から
Snの含有量の下限は9重量%とすることが特に好まし
く、また耐熱性の観点からSnの含有量の上限は25重
量%とすることが特に好ましい。
【0015】BiはAg合金の初期なじみ性及び耐疲労
性の向上に寄与する。上記被覆層において、Biの含有
量が5重量%未満になると、硬さが高く初期なじみ性が
十分でない。一方、Biの含有量が50重量%を超える
と、Agが保有している特性(延性)が悪くなり、耐疲
労性の低下につながる。このため、上記被覆層における
Biの含有量は5〜50重量%とすることが好ましい。
なお、初期なじみ性の観点からBiの含有量の下限は1
0重量%とすることが特に好ましく、また耐焼付き性及
び耐疲労性の観点からBiの含有量の上限は22重量%
とすることが特に好ましい。
【0016】InはSnと同様の効果があり、上記被覆
層において、Inの含有量が2重量%未満になると硬さ
が高く初期なじみ性が十分でなく、一方28重量%を超
えると、合金融点が低下して高温下で軟化し、耐摩耗性
が不十分となる。このため、上記被覆層におけるInの
含有量は2〜28重量%とすることが好ましい。なお、
初期なじみ性の観点からInの含有量の下限は7重量%
とすることが特に好ましく、また耐熱性の観点からIn
の含有量の上限は20重量%とすることが特に好まし
い。
【0017】上記Sn、Bi及びInは二種以上を同時
に含有させることもできる。ここに、Ag合金中のAg
の含有量はAg基による高延性及び高融点の特性を確保
する観点から50重量%以上を確保することが好まし
く、Sn、Bi及びInの含有量が合計で50重量%を
超えると、延性及び耐摩耗性が低下する。一方、Sn、
Bi及びInの含有量が合計で4重量%未満では、硬さ
が高いため初期なじみ性が十分でなく、潤滑性が悪く、
耐焼付き性向上が期待できない。このため、Sn、Bi
及びInを同時に含有させる場合は、Sn、Bi及びI
nの合計の含有量が4〜50重量%で、Snが2〜20
重量%、Biが5〜20重量%、Inが2〜10重量%
であることが好ましい。
【0018】したがって、本発明の摺動部材は内燃機関
用のすべり軸受やブッシュに好適に利用することが可能
となる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [第1実施例]鋼製裏金付きのCu−Sn合金(Cu:
94.5重量%、Sn:5重量%)試験片を準備し、こ
の試験片のCu−Sn合金表面に、以下に示すように、
表1に示す化学組成よりなる厚さ10〜30μmの被覆
層を電気めっきにより形成した。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例1〜3)表2に示す組成よりなる
めっき浴を用い、表3に示すめっき条件により電気めっ
きすることにより、Ag−Sn合金よりなる被覆層を形
成した。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】 (実施例4〜6)表4に示す組成よりなるめっき浴を用
い、めっき被覆部材を陰極にして、表5に示すめっき条
件により電気めっきすることにより、Agよりなる被覆
層を形成した。そして、このめっき皮膜の上にさらにB
iめっきを行った後、熱処理(150〜170℃、30
〜60分)によりBiをめっき皮膜中に拡散させて表1
に示す組成となるように処理することにより、Ag−B
i合金よりなる被覆層を形成した。
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】 (実施例7、8)まず、実施例4〜6と同様に表3に示
す組成よりなるめっき浴を用い、めっき被覆部材を陰極
にして、表4に示すめっき条件により電気めっきするこ
とにより、Agよりなる被覆層を形成した。そして、こ
のめっき皮膜の上にさらにInめっきを行った後、熱処
理(150〜170℃、30〜60分)によりInをめ
っき皮膜中に拡散させて表1に示す組成となるように処
理することにより、Ag−In合金よりなる被覆層を形
成した。
【0026】(実施例9)まず、実施例1〜3と同様に
表2に示す組成よりなるめっき浴を用い、表3に示すめ
っき条件により電気めっきすることにより、Ag−Sn
合金よりなる被覆層を形成した。そして、このめっき皮
膜の上にさらにInめっきを行った後、熱処理(150
〜170℃、30〜60分)によりInをめっき皮膜中
に拡散させて表1に示す組成となるように処理すること
により、Ag−Sn−In合金よりなる被覆層を形成し
た。
【0027】(実施例10)まず、実施例1〜3と同様
に表2に示す組成よりなるめっき浴を用い、表3に示す
めっき条件により電気めっきすることにより、Ag−S
n合金よりなる被覆層を形成した。そして、このめっき
皮膜の上にさらにBiめっきを行った後、熱処理(15
0〜170℃、30〜60分)によりBiをめっき皮膜
中に拡散させて表1に示す組成となるように処理するこ
とにより、Ag−Sn−Bi合金よりなる被覆層を形成
した。
【0028】(実施例11、12)まず、実施例10と
同様にAg−Sn−Bi合金よりなる被覆層を形成し
た。そして、このめっき皮膜の上にさらにInめっきを
行った後、熱処理によりInをめっき皮膜中に拡散させ
て表1に示す組成となるように処理することにより、A
g−Sn−Bi−In合金よりなる被覆層を形成した。
【0029】(比較例1)ホウフッ化浴よりなるめっき
液を用い、めっき液温度20〜30℃、電流密度2〜5
A/dm2 の条件でめっき処理することにより、Pb−
Sn合金よりなる被覆層を形成した。 (比較例2)ホウフッ化浴よりなるめっき液を用い、め
っき液温度20〜30℃、電流密度2〜5A/dm2
条件で、まずPb−Sn合金めっき処理をし、さらにそ
の上にInめっきをし熱処理することにより、Pb−S
n−In合金よりなる被覆層を形成した。
【0030】(比較例3)表4に示す組成よりなるめっ
き浴を用い、めっき被覆部材を陰極にして、表5に示す
めっき条件により電気めっきすることにより、純Agよ
りなる被覆層を形成した。 (比較例4)ホウフッ化浴よりなるめっき液を用い、め
っき液温度20〜30℃、電流密度2〜5A/dm2
条件でめっき処理することにより、Snよりなる被覆層
を形成した。
【0031】なお、上記比較例4に係る被覆層は、一部
のすべり軸受のオーバーレイ層として、現在用いられて
いる合金層である。 (硬さの評価)上記実施例1〜12及び比較例1〜4の
被覆層の硬さをマイクロビッカース硬度計により測定し
た。その結果を表6及び図1に示す。
【0032】(摩擦摩耗特性の評価)上記実施例1〜1
2及び比較例1〜4の被覆層を摺動面に形成したφ7m
m×L12mmのピンよりなる試験片について、摩擦摩
耗試験を行った。その結果を表6及び図2、図4に示
す。なお、試験条件は以下のとおりである。 試験装置 :ピンオンディスク試験機 すべり速度 :0.5m/s 荷重 :9N 潤滑 :無潤滑(5×10-2Torrの真空中) 温度 :室温 試験時間 :30分(但し、摩耗量が多くて30分もたないものについて は、30分摩耗を行ったものとして換算した。) 相手材 :ディスクテストピース、SUS430(硬さ:Hv290、 表面粗さ:0.5μmRz) (耐焼付き性の評価)上記実施例1〜12及び比較例1
〜4の被覆層を摺動面に形成した30mm×30mm、
厚さ2mmのプレート(摺動面30mm×30mm)よ
りなる試験片について、焼付き試験を行った。その結果
を表6及び図3に示す。なお、試験条件は以下のとおり
である。
【0033】 試験装置 :円筒×平板テストピーススラスト試験機 すべり速度 :2.0m/s 荷重 :ステップアップ漸増法(5kgf/ステップ) 潤滑 :5W−30基油(油浴) 温度 :室温〜なりゆき 試験時間 :ステップアップ/5分毎 相手材 :円筒テストピース、炭素鋼(S50C、硬さ:Hv600、 表面粗さ:0.8μmRz)
【0034】
【表6】
【0035】表6及び図1〜図4から明らかなように、
実施例1〜12は、比較例1、2及び4と比べて硬さが
高くなっているが、比較例3(純Agめっき)よりは硬
さが低くなっている。そして、実施例1〜12は、硬さ
が高いわりに摩擦係数が低めで、実施例1〜12の摩擦
係数は比較例のものと近い値を示している。また、比較
例1及び2のPbをベースにしたものでは、焼付き試験
中に被覆層が摩耗して低荷重で焼き付きに至るのに対
し、実施例1〜12は全て比較例1及び2よりも優れた
耐焼付き性を示すとともに耐摩耗性も大幅に優れてい
た。
【0036】また、純Agめっきの比較例3では、オー
バーレイとしては非常に硬く、耐摩耗性には優れている
が、なじみ性が不十分なため焼付き荷重が低いのに対
し、実施例1〜12ではなじみ性及び耐摩耗性の双方が
非常に高く、なじみ性及び耐摩耗性の両立が図られてい
た。 [第2実施例]本実施例は本発明の摺動部材を内燃機関
用すべり軸受に適用したものである。
【0037】図5に示すように、鋼製裏金1に、外径4
8mm、肉厚1.5mmのCu−Sn合金層(Cu:9
4.5重量%、Sn:5重量%)2をライニングしてな
る基材を準備した。この基材のCu−Sn合金層2の表
面、すなわち相手材との摺動面に1.5μmの厚さのN
iめっき層2’を形成した。なお、このときのめっき条
件は、めっき液:ワット浴、めっき液温度:50℃、電
流密度:6A/dm2である。
【0038】そして、このNiめっき層2’の表面に、
前記第1実施例と同様の方法により被覆層3を形成し
て、すべり軸受を作製した。第1実施例で示した実施例
1〜12及び比較例1〜4の被覆層を上記すべり軸受の
被覆層3に適用したものについて、軸受単体試験を行っ
た。その結果を図6に示す。なお、試験条件は以下のと
おりである。
【0039】 試験装置 :静荷重軸受試験機 回転数 :5000rpm(周速:12.5m/s) 潤滑油 :SAE10W−30 給油量 :0.1リットル/分 給油温度 :100℃ 相手材 :炭素鋼(S50C、Hv:600、表面粗さ:0.8μmR z) 図6から明らかなように、すべり軸受の表面で相手材と
の摺動面に本発明に係る被覆層を形成することにより、
Pbをベースとした比較例1及び2、純Agの比較例3
並びに純Snの4よりも優れた軸受性能(焼付き特性)
を発揮させることができた。
【0040】また、純Agの比較例3では、なじみ性が
悪く、所定の試験条件に達する前に焼付きが発生し、試
験できなかったものがあった(図6にはうまく試験でき
たもののデータを示す)のに対し、本実施例では試験初
期に焼付きが発生するものは無かった。なお、上記実施
例では、電気めっきにより被覆層を形成した場合の結果
を示したが、PVD等の気相めっき法で被覆層を形成し
た場合も同様の結果が得られることを確認した。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の摺動部材
は、摺動面にPbを含有しないものであるが、摺動面に
Pb含有するものと同等以上の摺動特性を発揮すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、被覆層の硬さの測定結果を
示す棒グラフである。
【図2】第1実施例に係り、被覆層の摩擦係数の評価結
果を示す棒グラフである。
【図3】第1実施例に係り、被覆層の耐焼付き性の評価
結果を示す棒グラフである。
【図4】第1実施例に係り、被覆層の耐摩耗性の評価結
果を示す棒グラフである。
【図5】第2実施例に係り、すべり軸受の一部断面図で
ある。
【図6】第2実施例に係り、被覆層の耐焼付き性の評価
結果を示す棒グラフである。
【符号の説明】
1…鋼製裏金、2…Cu−Sn合金層、2’…Niめっ
き層、3…被覆層
フロントページの続き (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 志村 好男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀田 滋 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材の表面で相手材との摺動
    面に形成された被覆層とからなる摺動部材において、 上記被覆層は、Sn、Bi及びInよりなる群から選ば
    れる少なくとも一種を含有し、残部が実質的にAg及び
    不可避不純物よりなることを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】前記被覆層中に含まれるSnの量は2〜5
    0重量%であることを特徴とする請求項1記載の摺動部
    材。
  3. 【請求項3】前記被覆層中に含まれるBiの量は5〜5
    0重量%であることを特徴とする請求項1記載の摺動部
    材。
  4. 【請求項4】前記被覆層中に含まれるInの量は2〜2
    8重量%であることを特徴とする請求項1記載の摺動部
    材。
  5. 【請求項5】前記被覆層中に含まれるSn、Bi及びI
    nの量は、合計で4〜50重量%で、Snが2〜20重
    量%、Biが5〜20重量%、Inが2〜10重量%で
    あることを特徴とする請求項1記載の摺動部材。
  6. 【請求項6】前記被覆層は、前記基材の表面をめっき処
    理することにより形成されためっき皮膜であることを特
    徴とする請求項1記載の摺動部材。
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