JP3249774B2 - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JP3249774B2 JP06342898A JP6342898A JP3249774B2 JP 3249774 B2 JP3249774 B2 JP 3249774B2 JP 06342898 A JP06342898 A JP 06342898A JP 6342898 A JP6342898 A JP 6342898A JP 3249774 B2 JP3249774 B2 JP 3249774B2
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は摺動部材に関し、詳
しくはPb(鉛)を含有しない摺動部材に関する。本発
明の摺動部材は、例えば内燃機関用のすべり軸受やブッ
シュに好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンの高出力化に伴って、ク
ランクシャフトやコネクティングロッド等に使用される
すべり軸受には、低炭素鋼製の裏金に、初期なじみ性と
高い圧縮・疲労強度とを有するケルメット合金(Cu及
びPbを主成分とする合金)をライニングした軸受が多
く用いられている。
【0003】この軸受では、普通、ケルメット合金表面
で相手材との摺動面に電気めっき等により薄いオーバー
レイ層が形成される。これは相手材とのなじみ性をさら
に高める等の目的でなされるもので、オーバーレイ層に
は軟質なPb及びSnを主成分とする合金が用いられ
る。なお、ケルメットの耐食性を向上させたり、オーバ
ーレイ層中のSnがケルメット合金中に拡散してオーバ
ーレイ層が劣化することを防止する等の目的で、ケルメ
ット表面に数μm程度の厚さのNi等のめっき処理を施
し、このめっき層の上にオーバーレイ層を形成すること
も行われている。
【0004】また、上記すべり軸受には、Al基でSn
及びPb等を合金化したアルミニウム合金軸受(特開平
4−219523号公報等参照)も多く用いられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の材料
開発の動向としてPbフリー化の方向に進んでいる。こ
の開発動向は上記すべり軸受等の摺動部材も例外ではな
い。しかしながら、すべり軸受等の摺動部材において、
摺動特性を満足させる上でPbは重要である。高出力エ
ンジンのように高負荷条件部では、高い摺動特性が要求
されることから、Pbは特に重要である。このため、摺
動面にPbを含有せずに、十分な摺動特性を備えた摺動
部材を提供することは、きわめて困難であった。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、少なくとも摺動面にPbを含有せず、しかもPb
を摺動面に含有するものと同等の摺動特性を発揮しうる
摺動部材を提供することを解決すべき技術課題とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決する請求項1記載の摺動部材は、
基材と、該基材の表面で相手材との摺動面に形成された
被覆層とからなる摺動部材において、上記被覆層は、S
n、In及びAgよりなる群から選ばれる少なくとも一
種を含有し、残部が実質的にBi及び不可避不純物より
なることを特徴とする。
【0008】(2)請求項2記載の摺動部材は、請求項
1記載の摺動部材において、前記被覆層中に含まれるS
nの量が0.1〜25重量%であることを特徴とする。 (3)請求項3記載の摺動部材は、請求項1記載の摺動
部材において、前記被覆層中に含まれるInの量が0.
1〜10重量%であることを特徴とする。 (4)請求項4記載の摺動部材は、請求項1記載の摺動
部材において、前記被覆層中に含まれるAgの量が0.
5〜10重量%であることを特徴とする。
【0009】(5)請求項5記載の摺動部材は、請求項
1記載の摺動部材において、前記被覆層が、前記基材の
表面をめっき処理することにより形成されためっき皮膜
であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の摺動部材は、基材と、該
基材の表面で相手材との摺動面に形成された被覆層とか
らなるものである。上記基材の種類としては特に限定さ
れず、本発明の摺動部材を適用しようとする部材に応じ
て、鋼材、鋳鉄、鉄系焼結合金、アルミニウム合金及び
銅合金等から適宜採択可能であり、これらの材料の複合
材料であってもよい。但し、この基材もPbを含有しな
いことが好ましい。例えば、本発明の摺動部材を内燃機
関用すべり軸受に適用する場合、鋼製裏金にCu−Sn
系合金層をライニングしてなる基材や、Al−Sn−S
i系合金層よりなる基材等を用いることができる。
【0011】上記被覆層は、基材の表面をめっき処理す
ることにより形成されためっき皮膜であることが好まし
い。被覆層がめっき皮膜であれば、密着性や皮膜強度の
点で有利となるからである。このめっき処理としては、
電気めっきや化学めっきなどの湿式めっきの他、イオン
プレーティングやスパッタリングなどのPVD法による
乾式めっきを採用することができる。なお、基材に被覆
層を形成する方法として、めっき処理の他に溶射等を採
用することも可能である。
【0012】なお、基材表面に直接被覆層を形成しても
よいが、基材と被覆層との接合性や基材の耐食性を向上
させる等の観点から、基材表面に中間層を形成すること
が好ましい。この中間層としては、Niめっき層、Co
めっき層やZnめっき層等を採用することができる。ま
た上記被覆層の厚さは1.0〜30μmとすることが好
ましい。被覆層の厚さが1.0μmよりも薄いと、十分
な摺動特性を発揮することが困難となり、一方30μm
よりも厚いと密着性が低下して被覆層が基材表面から剥
がれ易くなる。より好ましい被覆層の厚さは10〜30
μmである。被覆層の厚さが10μm以上になると、必
要ななじみ性の確保及び耐摩耗寿命の点で有利となる。
【0013】上記被覆層は、Sn(スズ)、In(イン
ジウム)及びAg(銀)よりなる群から選ばれる少なく
とも一種を含有し、残部が実質的にBi(ビスマス)及
び不可避不純物よりなるものであり、この被覆層にはP
bが含有されていない。かかるBi合金よりなる被覆層
は、硬さが高過ぎることがなくなじみ性が良好で、か
つ、潤滑性が良くて耐焼付き性が良好で、しかも耐摩耗
性も良好となる。
【0014】したがって、上記Bi合金よりなる被覆層
が基材の表面で相手材との摺動面に形成された本発明に
係る摺動部材は、少なくとも摺動面にPbを含有しない
にもかかわらず、なじみ性、耐焼付き性及び耐摩耗性の
摺動特性が良好となる。ここに、SnはBi合金の耐焼
付き性の向上に寄与する。上記被覆層において、Snの
含有量が0.1重量%未満になると、潤滑性が十分でな
く耐焼付き性向上の効果がみられない。一方、Snの含
有量が25重量%を超えると、合金融点が低下して高温
下における耐焼付き性が不十分となる。このため、上記
被覆層におけるSnの含有量は0.1〜25重量%とす
ることが好ましい。また、Sn含有量が多いほど耐焼付
き性が向上することから、耐焼付き性の観点からはSn
含有量の下限を1重量%とすることが好ましい。一方、
Sn含有量が多いほど主相の融点が低下し、Sn含有量
が2重量%を超えると低融点の共晶相(Bi−43Sn
相)の生成が認められ、Sn含有量が5重量%を超える
とこの共晶相の影響により耐熱性が低下するおそれがあ
る。このため、耐熱性向上の観点からは、上記被覆層に
おけるSnの含有量の上限は5重量%とすることが好ま
しく、2重量%とすることがより好ましい。
【0015】InはSnと同様の効果があり、上記被覆
層において、Inの含有量が0.1重量%未満になると
潤滑性の向上に対して効果がなく、一方10重量%を超
えると合金の硬さが低下して耐摩耗性が不十分となる。
このため、上記被覆層におけるInの含有量は0.1〜
10重量%とすることが好ましい。AgはBi合金の耐
摩耗性及び耐焼付き性向上に寄与する。上記被覆層にお
いて、Agの含有量が0.5重量%未満になると、Bi
合金の耐摩耗性及び耐焼付き性の向上に対して効果がな
い。一方、10重量%を超えると、Bi合金の硬さが高
くなり過ぎてなじみ性が低下するとともに、材料コスト
が高くなる。このため、上記被覆層におけるAgの含有
量は0.5〜10重量%とすることが好ましい。
【0016】上記Sn、In及びAgは二種以上を同時
に含有させることもできる。この場合、Bi合金中のB
iの含有量はBi基のなじみ特性を確保する観点から7
5重量%以上を確保することが好ましい。また、上記被
覆層に含まれるSn、In及びAgの総量が25重量%
を超えると、合金融点が低下して高温下における軸受性
能が低下する。一方、Sn、In及びAgの総量が2重
量%未満になると、潤滑性が十分でなく、耐焼付き性向
上がみられない。したがって、Sn、In及びAgの総
量は2〜25重量%とすることが好ましい。
【0017】したがって、本発明の摺動部材は内燃機関
用のすべり軸受やブッシュに好適に利用することが可能
となる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [第1実施例]鋼製裏金付きのCu−Sn合金(Cu:
94.5重量%、Sn:5重量%)試験片を準備し、こ
の試験片のCu−Sn合金表面に、以下に示すように、
表1に示す化学組成よりなる厚さ10〜30μmの被覆
層を電気めっきにより形成した。
【0019】
【表1】
【0020】(実施例1〜7)表2に示す組成よりなる
ホウフッ化浴を用い、表3に示すめっき条件により電気
めっきすることにより、Bi−Sn合金よりなる被覆層
を形成した。なお、表2中、光沢剤はP−フェノールス
ルホン酸ナトリウム(又はアルデヒドーアミン系光沢
剤)を示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】 (実施例8、9)表2に示す組成からホウフッ化スズを
除くホウフッ化浴よりなるめっき液を用い、めっき液温
度:20〜30℃、電流密度:1〜5A/dm2 の条件
で電気めっきすることにより、Biよりなる被覆層を形
成した。そして、このめっき皮膜の上にさらにInめっ
きを行った後、熱処理(150〜170℃、30〜60
分)によりInをめっき皮膜中に拡散させて表1に示す
組成となるように処理することにより、Bi−In合金
よりなる被覆層を形成した。
【0023】なお、Inめっきは、スルファミン酸浴を
用い、めっき液温度:20〜30℃、電流密度:1〜5
A/dm2 の条件で行った。 (実施例10、11)表2に示す組成よりなるホウフッ
化浴を用い、表3に示すめっき条件により電気めっきす
ることにより、Bi−Sn合金よりなるめっき皮膜を形
成した。そして、このめっき皮膜の上にさらにInめっ
きを行った後、熱処理(150〜170℃、30〜60
分)によりInをめっき皮膜中に拡散させて表1に示す
組成となるように処理することにより、Bi−Sn−I
n合金よりなる被覆層を形成した。
【0024】なお、Inめっきの条件は上記と同様であ
る。(実施例12)表4に示す組成よりなるホウフッ化
浴を用い、表3に示すめっき条件により電気めっきする
ことにより、Bi−Ag合金よりなるめっき皮膜を形成
した。そして、このめっき皮膜の上にさらにInめっき
を行った後、熱処理(150〜170℃、30〜60
分)によりInをめっき皮膜中に拡散させて表1に示す
組成となるように処理することにより、Bi−In−A
g合金よりなる被覆層を形成した。
【0025】なお、Inめっきの条件は上記と同様であ
る。
【0026】
【表4】 (実施例13)表2及び表4に示す組成よりなるホウフ
ッ化浴を用い、表3に示すめっき条件により電気めっき
することにより、Bi−Sn−Ag合金よりなる被覆層
を形成した。
【0027】(実施例14)表2及び表4に示す組成よ
りなるホウフッ化浴を用い、表3に示すめっき条件によ
り電気めっきすることにより、Bi−Sn−Ag合金よ
りなるめっき皮膜を形成した。そして、上記と同様に、
このめっき皮膜の上にさらにInめっきを行った後、熱
処理によりInをめっき皮膜中に拡散させて表1に示す
組成となるように処理することにより、Bi−Sn−I
n−Ag合金よりなる被覆層を形成した。
【0028】(実施例15、16)表4に示す組成より
なるホウフッ化浴を用い、表3に示すめっき条件により
電気めっきすることにより、Bi−Ag合金よりなる被
覆層を形成した。 (比較例1)ホウフッ化浴よりなるめっき液を用い、め
っき液温度20〜30℃、電流密度2〜5A/dm2
条件でめっき処理することにより、Pb−Sn合金より
なる被覆層を形成した。
【0029】(比較例2)ホウフッ化浴よりなるめっき
液を用い、めっき液温度20〜30℃、電流密度2〜5
A/dm2 の条件でめっき処理することにより、Pb−
Sn−In合金よりなる被覆層を形成した。 (比較例3)ホウフッ化浴よりなるめっき液を用い、め
っき液温度20〜30℃、電流密度2〜5A/dm2
条件でめっき処理することにより、Cuを微量に含有す
るPb−Sn合金(Pb−Sn−Cu合金)よりなる被
覆層を形成した。
【0030】なお、上記比較例2、3に係る被覆層は、
現在オーバーレイとして普通に用いられている合金層で
ある。(比較例4)ホウフッ化浴よりなるめっき液を用
い、めっき液温度20〜30℃、電流密度2〜5A/d
2 の条件でめっき処理することにより、Snよりなる
被覆層を形成した。
【0031】なお、上記比較例4に係る被覆層は、一部
のすべり軸受のオーバーレイ層として、現在用いられて
いる合金層である。 (比較例5)表2に示す組成からホウフッ化スズを除い
た組成よりなるホウフッ化浴を用い、表3に示すめっき
条件で電気めっきすることにより、純Biよりなる被覆
層を形成した。
【0032】なお、上記比較例5に係る被覆層は、実施
例の被覆層と融点を比較するために作成したものであ
る。 (硬さの評価)上記実施例1〜16及び比較例1〜4の
被覆層の硬さをマイクロビッカース硬度計により測定し
た。その結果を表5及び図1に示す。
【0033】(摩擦摩耗特性の評価)上記実施例1〜1
6及び比較例1〜4の被覆層を摺動面に形成したφ7m
m×L12mmのピンよりなる試験片について、摩擦摩
耗試験を行った。その結果を表5及び図2、図4に示
す。なお、試験条件は以下のとおりである。 試験装置 :ピンオンディスク試験機 すべり速度 :0.5m/s 荷重 :9N 潤滑 :無潤滑(5×10-2Torrの真空中) 温度 :室温 試験時間 :30分(但し、摩耗量が多くて30分も
たないものについては、30分摩耗を行ったものとして
換算した。) 相手材 :ディスクテストピース、SUS430
(硬さ:Hv290、表面粗さ:0.5μmRz) (耐焼付き性の評価)上記実施例1〜16及び比較例1
〜4の被覆層を摺動面に形成した30mm×30mm、
厚さ2mmのプレート(摺動面30mm×30mm)よ
りなる試験片について、焼付き試験を行った。その結果
を表5及び図3に示す。なお、試験条件は以下のとおり
である。
【0034】 試験装置 :円筒×平板テストピーススラスト試験機 すべり速度 :2.0m/s 荷重 :ステップアップ漸増法(5kgf/ステ
ップ) 潤滑 :5W−30基油(油浴) 温度 :室温〜なりゆき 試験時間 :ステップアップ/5分毎 相手材 :円筒テストピース、炭素鋼(S50C、
硬さ:Hv600、表面粗さ:0.8μmRz)
【0035】
【表5】
【0036】表5及び図1〜図4から明らかなように、
実施例1〜16は比較例1〜4と比べて、硬さが高くな
っており、耐摩耗性は全て大幅に優れていた。実施例1
〜16は、比較例1〜4と比べて、摩擦係数が同等以下
となっていた。また、比較例1〜4では焼付き試験中に
被覆層が摩耗して低荷重で焼き付きに至るのに対し、実
施例1〜16は全て優れた耐焼付き性を示した。
【0037】特に、実施例12〜14は潤滑性を示すS
n及び/又はInと、耐摩耗性に寄与するAgとの添加
により、優れた摺動特性を示した。したがって、摺動部
材の表面で相手材との摺動面に形成する被覆層として
は、Sn及びInのうちの一種とAgとを含有し、残部
が実質的にBi及び不可避不純物よりなる、すなわちB
i−Sn−Ag合金、Bi−In−Ag合金又はBi−
Sn−In−Ag合金よりなる被覆層が特に好ましいこ
とがわかる。
【0038】(融点の評価)実施例1〜5及び比較例5
(純Bi)に関する示差熱曲線を図5に示す。示差熱曲
線の吸熱ピークから求めた主相の融点を図6に示す。図
5(b)は、図5(a)の縦軸の感度を3倍にして表示
したものである。上記実施例1〜5及び比較例2〜5の
被覆層をカッターで細かく削り取り、示差熱分析器(D
TA)により昇温速度:10℃/分の条件で熱分析を行
い、融点を測定した。その結果を表6に示す。
【0039】
【表6】 純Biの融点は約270℃であるが、Snとの合金化に
より低融点(139℃)の共晶相(Bi−43Sn相)
ができると、高温での耐摩耗性が低下する。図5に示す
本実施例1〜4及び比較例5の純Biめっきの示差熱曲
線から、被覆層におけるSnの含有量が1重量%未満の
実施例1及び2では共晶が認められず、融点は純Biの
比較例5と同様である。
【0040】また、主たる相の融点はSnの含有量が多
くなるに従って低下するが、Sn含有量が2重量%以下
では融点の低下はわずかで、Sn含有量が2重量%であ
る実施例4でも融点の低下は5℃にとどまる。しかし、
Sn含有量が4.9重量%である実施例5では、主相の
融点が10℃低下した上に、低融点の共晶相の比率が大
きくなっている。
【0041】さらに、実施例1〜4と実施例5とを比較
するとわかるように、Sn含有量が2重量%以下の実施
例1〜4は実施例5と比べて耐焼付性がやや劣るが、摩
擦係数がやや低い点で優れる。また、実施例1〜4で
は、低融点の共晶相がほとんど無い、若しくは極めて少
ないため、低摩擦性の他に耐熱性の点でも実施例5より
優れている。
【0042】以上より、主相の融点低下及び共晶相の生
成を抑えて耐熱性を向上させるとともに、低摩擦性を達
成するためには、Sn含有量を2重量%以下とすること
が特に好ましいことがわかる。 [第2実施例]本実施例は本発明の摺動部材を内燃機関
用すべり軸受に適用したものである。
【0043】図7に示すように、鋼製裏金1に、外径4
8mm、肉厚1.5mmのCu−Sn合金層(Cu:9
4.5重量%、Sn:5重量%)2をライニングしてな
る基材を準備した。この基材のCu−Sn合金層2の表
面、すなわち相手材との摺動面に1.5μmの厚さのN
iめっき層2’を形成した。なお、このときのめっき条
件は、めっき液:ワット浴、めっき液温度:50℃、電
流密度:6A/dm2である。
【0044】そして、このNiめっき層2’の表面に、
前記第1実施例と同様の方法により被覆層3を形成し
て、すべり軸受を作製した。第1実施例で示した実施例
1〜16及び比較例1〜4の被覆層を上記すべり軸受の
被覆層3に適用したものについて、軸受単体試験を行っ
た。その結果を図8に示す。なお、試験条件は以下のと
おりである。
【0045】 試験装置 :静荷重軸受試験機 回転数 :5000rpm(周速:12.5m/
s) 潤滑油 :SAE10W−30 給油量 :0.1リットル/分 給油温度 :100℃ 相手材 :炭素鋼(S50C、Hv:600、表面
粗さ:0.8μmRz) 図8から明らかなように、すべり軸受の表面で相手材と
の摺動面に本発明に係る被覆層を形成することにより、
比較例1〜4と同等以上の軸受性能を発揮させることが
できた。
【0046】なお、上記実施例では、電気めっきにより
被覆層を形成した場合の結果を示したが、PVD等の気
相めっき法で被覆層を形成した場合も同様の結果が得ら
れることを確認した。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の摺動部材
は、摺動面にPbを含有しないものであるが、摺動面に
Pb含有するものと同等の摺動特性を発揮することがで
きる
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、被覆層の硬さの測定結果を
示す棒グラフである。
【図2】第1実施例に係り、被覆層の摩擦係数の評価結
果を示す棒グラフである。
【図3】第1実施例に係り、被覆層の耐焼付き性の評価
結果を示す棒グラフである。
【図4】第1実施例に係り、被覆層の耐摩耗性の評価結
果を示す棒グラフである。
【図5】第1実施例に係り、被覆層の融点の評価結果を
示す示差熱曲線であり、図(b)は図(a)の縦軸の感
度を3倍にしたものである。
【図6】第1実施例に係り、上記示差熱曲線の吸熱ピー
クから求めた主相の融点を示す棒グラフである。
【図7】第2実施例に係り、すべり軸受の一部断面図で
ある。
【図8】第2実施例に係り、被覆層の耐焼付き性の評価
結果を示す棒グラフである。
【符号の説明】
1…鋼製裏金、2…Cu−Sn合金層、2’…Niめっ
き層、3…被覆層
フロントページの続き (72)発明者 志村 好男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 堀田 滋 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平11−257355(JP,A) 特開 平11−209836(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 7/00 C25D 7/10 C22C 12/00 F16C 33/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、該基材の表面で相手材との摺動
    面に形成された被覆層とからなる摺動部材において、 上記被覆層は、Sn、In及びAgよりなる群から選ば
    れる少なくとも一種を含有し、残部が実質的にBi及び
    不可避不純物よりなることを特徴とする摺動部材。
  2. 【請求項2】前記被覆層中に含まれるSnの量は0.1
    〜25重量%であることを特徴とする請求項1記載の摺
    動部材。
  3. 【請求項3】前記被覆層中に含まれるInの量は0.1
    〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の摺
    動部材。
  4. 【請求項4】前記被覆層中に含まれるAgの量は0.5
    〜10重量%であることを特徴とする請求項1記載の摺
    動部材。
  5. 【請求項5】前記被覆層は、前記基材の表面をめっき処
    理することにより形成されためっき皮膜であることを特
    徴とする請求項1記載の摺動部材。
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