JPH11254843A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH11254843A
JPH11254843A JP10056968A JP5696898A JPH11254843A JP H11254843 A JPH11254843 A JP H11254843A JP 10056968 A JP10056968 A JP 10056968A JP 5696898 A JP5696898 A JP 5696898A JP H11254843 A JPH11254843 A JP H11254843A
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polystyrene
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wax
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貴男 有村
Yoshihide Kaneshiro
宜秀 金城
Toshiji Yasuhara
寿二 安原
Masumi Miyagi
真澄 宮城
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Fujicopian Co Ltd
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Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字の際にインク落ちがなく、剥離音が小さ
く、かつ鮮明で耐擦性の良好な印字記録がえられる熱転
写記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体上に、ワックスおよびポリマーを
主成分とする離型層および着色インク層を順次積層して
なる熱転写記録媒体において、前記離型層におけるワッ
クスとポリマーの重量比率が80:20〜50:50
で、かつポリマーがポリスチレン系熱可塑性エラストマ
ーと、該ポリスチレン系熱可塑性エラストマーのゴム相
とのみ相溶する熱可塑性樹脂とからなり、該熱可塑性樹
脂が石油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも1種から
なることを特徴とする熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々のラベル紙等
の紙ベースからコート紙まで広い媒体に対して鮮明な画
像を形成することができる熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録方式は、メンテナンスの容易
さや装置をコンパクトにできることから、ワードプロセ
ッサー、ファクシミリ、ラベルプリンター等で広く使用
されている。なかでも近年は、物流管理等に利用される
バーコードの記録に熱転写記録方式が広く利用されてい
る。
【0003】バーコードの記録に使用されるための記録
画像には、こすれ等により欠落しないこと(耐擦性が強
いこと)およびバーコードを構成するバーの幅・長さを
正確に記録できることが要求される。
【0004】そこで従来技術では、インク画像の耐擦性
を向上するため、支持体と着色インク層との間に設ける
離型層を針入度の小さいワックスを主成分とすることが
行なわれている。しかし、このようなワックスは、硬く
てもろいため、支持体から着色インクが脱落する、いわ
ゆるインク落ちが発生しやすい。そこで柔軟性に富んだ
樹脂等を添加してインク落ちを防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インク落ちを防止する
ため離型層に樹脂成分を添加した結果、離型層の凝集力
が大きくなり、離型層の加熱部分と非加熱部分との境が
破断しにくくなる。そのため、印字時に大きな剥離音が
したり、加熱部分と非加熱部分の境で破断せず、非加熱
部分が加熱部分と同時に転写してしまう、いわゆる面状
剥離が生じることとなる。
【0006】本発明は以上の問題点を解決すること、す
なわちカルナバワックスやキャンデリラワックス等の針
入度の小さいワックスを主成分とした離型層に樹脂成分
を添加してインク落ちを防ぎ、かつ剥離音や面状剥離の
ない鮮明な記録ができる熱転写記録媒体を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(1)支持体上に、ワックスおよびポリマーを主成分と
する離型層および着色インク層を順次積層してなる熱転
写記録媒体において、前記離型層におけるワックスとポ
リマーの重量比率が80:20〜50:50で、かつポ
リマーがポリスチレン系熱可塑性エラストマーと、該ポ
リスチレン系熱可塑性エラストマーのゴム相とのみ相溶
する熱可塑性樹脂とからなり、該熱可塑性樹脂が石油樹
脂およびテルペン樹脂の少なくとも1種からなることを
特徴とする熱転写記録媒体に関する。
【0008】さらに本発明は、(2)前記ポリスチレン
系熱可塑性エラストマーのゴム相とのみ相溶する熱可塑
性樹脂が脂肪族系石油樹脂からなることを特徴とする前
記(1)項記載の熱転写記録媒体に関する。
【0009】さらに本発明は、(3)前記ポリスチレン
系熱可塑性エラストマーがポリスチレン−ポリイソプレ
ン−ポリスチレンブロック共重合体からなることを特徴
とする前記(1)項または(2)項記載の熱転写記録媒
体に関する。
【0010】さらに本発明は、(4)前記ポリスチレン
−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体の3
00%モジュラスが1MPs以下であることを特徴とす
る前記(3)項記載の熱転写記録媒体に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、支持体上に、ワックス
およびポリマーを主成分とする離型層と着色インク層を
順次積層してなる熱転写記録媒体において、前記離型層
におけるポリマーがポリスチレン系熱可塑性エラストマ
ーと該ポリスチレン系熱可塑性エラストマーのゴム相と
のみ相溶する熱可塑性樹脂からなり、該熱可塑性樹脂が
石油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも1種からなる
ことを特徴とする。
【0012】前記離型層のポリマー成分をポリスチレン
系熱可塑性エラストマーと該ポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマーのポリスチレン相には相溶せずゴム相にのみ
相溶する熱可塑性樹脂とすることで、ポリスチレン系熱
可塑性エラストマーのゴム相が可塑化され、またエラス
トマー中のポリスチレン相の占める体積が低下しエラス
トマー中のポリスチレン相が持つ充填剤効果が低下す
る。このことにより離型層中のポリマー成分の引張応力
が低下する。以上の構成を取り、インク層の引張応力が
充分低下しているため、インク層が加熱部分と非加熱部
分の境で転写時に容易に破断するため鮮明な記録がえら
れる。
【0013】また、前記離型層のワックスとポリマーの
重量比率は80:20〜50:50が好ましく、それよ
りワックスが多いと支持体へのインク保持力が低下する
ため支持体からのインク脱落が発生する。一方ワックス
がそれより少ないと転写層の強度が上がり過ぎ、印字感
度の低下や剥離音が大きくなる。
【0014】また、前記ポリスチレン系熱可塑性エラス
トマーのゴム相とのみ相溶する熱可塑性樹脂成分として
は、石油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも1種が用
いられる。
【0015】ここで、ある樹脂が前記ポリスチレン系熱
可塑性エラストマーのゴム相とのみ相溶するか否かはつ
ぎのようにして調べることができる。ポリスチレン系熱
可塑性エラストマーのゴム相に対応するホモポリマーま
たはポリスチレン相に対応するホモポリマーのそれぞれ
に対し、相溶性を調べたい樹脂を1:1の重量比の割合
で両者が溶解するトルエン等の溶剤に溶かす。これをス
ライドガラス上に流し、室温乾燥してフィルムを作成す
る。このフィルムが透明であれば、その相と相溶してい
ると判断し、白濁していれば、不相溶と判断する。
【0016】以下、本発明の熱転写記録媒体を詳細に説
明する。
【0017】支持体としては、熱転写記録媒体の支持体
として一般に用いられているものがとくに制限なく使用
でき、たとえばポリエステルフィルム、ポリイミドフィ
ルム等のフィルムのほか、コンデンサー紙等のペーパー
類が使用できる。
【0018】支持体の背面側(サーマルヘッドと摺接す
る側)には、スティッキング防止を主目的として耐熱滑
性層を設けてもよい。このような耐熱滑性層は、たとえ
ばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース等の
セルロース系樹脂等を用いて形成することができる。
【0019】離型層に用いるワックス成分としては、熱
転写記録媒体の感熱転写性着色インク層に用いられるも
のと同様なものが使用でき、たとえばカルナバワック
ス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、
蜜ロウ等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックス等の石油系ワックス、ポリエチ
レンワックス等の合成ワックス等があげられる。印字の
耐擦性を考慮するばあいは針入度(JIS K 223
5)が2以下のもの、たとえばカルナバワックス、キャ
ンデリラワックス等が好ましい。
【0020】離型層に用いるポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマーとしては、ポリスチレン−ポリブタジエン−
ポリスチレンブロック共重合体(SBS)、ポリスチレ
ン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロック共重合体
(SIS)、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリス
チレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリエチレン
/ブチレン−ポリスチレンブロック共重合体(S−EB
−S)、ポリスチレン−ポリエチレン/プロピレン−ポ
リスチレンブロック共重合体(S−EP−S)等があげ
られる。とくにエラストマーの300%モジュラスが1
MPs以下のものが好ましい。エラストマーの300%
モジュラスが1MPsより大きいと、ポリマー成分の引
張応力が充分に下がらない惧れがあり、引張応力が高い
と印字時の剥離音や面状剥離の発生の要因となる。前記
ブロック共重合体の中では、SISが好ましく、とくに
300%モジュラスが1MPs以下のSISが好まし
い。
【0021】離型層のポリスチレン系熱可塑性エラスト
マーのゴム相とのみ相溶する熱可塑性樹脂としては、石
油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも1種が用いら
れ、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体等のテルペン
樹脂、C5石油樹脂、水添石油樹脂等の脂肪族系石油樹
脂等があげられる。とくに脂肪族系石油樹脂を使用する
のが好ましい。
【0022】離型層におけるポリスチレン系熱可塑性エ
ラストマーと該ポリスチレン系熱可塑性エラストマーの
ゴム相とのみ相溶する熱可塑性樹脂との配合比率は、重
量比で60:40〜10:90が好ましい。熱可塑性樹
脂の比率が前記範囲より少ないと、ポリスチレン系熱可
塑性エラストマーのゴム相の可塑化が充分に行なわれ
ず、所望の効果が奏されない傾向があり、一方前記範囲
より多いと、ゴム相の柔軟性が失われ、インク落ちが発
生する傾向がある。
【0023】離型層には、前記成分に加え、必要に応じ
カーボンブラック等の着色剤等を配合してもよい。
【0024】離型層は、前記成分の溶剤溶液または分散
液を支持体上に塗布、乾燥することによって形成でき
る。離型層の塗布量(乾燥後塗布量、以下同様)は0.
5〜2.0g/m2程度が適当である。
【0025】着色インク層は、着色剤とワックスおよび
/または樹脂を主成分とするビヒクルからなる。着色剤
としては、従来より公知のカーボンブラック、その他無
機顔料、有機顔料、染料等が使用できる。ワックスとし
ては、一般に熱転写記録媒体に用いられるものがとくに
制限なく使用できるが、印字の耐擦性を考慮するばあい
針入度が2以下のワックス、たとえばカルナバワック
ス、キャンデリラワックス等が好ましい。樹脂として
は、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、セルロース系樹脂、石油樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体
などが用いられる。着色インク層の塗布量は0.5〜
2.5g/m2程度が適当である。
【0026】本発明においては、前記着色インク層の上
に汚れ防止のためのオーバーコート層を設けてもよい。
【0027】つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【0028】実施例1〜5および比較例1〜3 表1に示される材料を混合し、アトライターにて分散
し、離型層用塗工液を調製した。
【0029】
【表1】
【0030】前記離型層用塗工液を、背面側にシリコー
ン樹脂系耐熱滑性層を設けた厚さ4.5μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムの表面側にバーコーターで
塗布、乾燥して、塗布量1.0g/m2の離型層を形成
した。
【0031】この離型層上につぎの処方の着色インク層
用塗工液をバーコーターで塗布、乾燥して塗布量の2.
0g/m2の着色インク層を形成し、熱転写記録媒体を
えた。
【0032】 成 分 重量% カルナバワックス 6 カーボンブラック 3 分散剤 1 イソプロピルアルコール 90
【0033】以上作製した8種の熱転写記録媒体を用
い、バーコードプリンターにて下記印字条件下にバーコ
ードを印字し、印字の鮮明度、耐擦性、印字の際の剥離
音、インク落ちを評価した。結果を表2に示す。
【0034】<印字条件> バーコードプリンター:アンリツ(株)製KM−706 ドット密度:300ドット/インチ 印字速度:8インチ/秒 被転写体:ミラーコート紙(リンテック(株)製)
【0035】<印字の鮮明度>印字を目視により観察
し、つぎの基準にしたがって鮮明度(シャープ性)を評
価した。 ○……印字にボイド・カスレがなく、またエッジシャー
プネスが優れる。 △……印字にボイド・カスレはないが、エッジシャープ
ネスが劣る。 ×……印字にボイド・カスレがあり、かつエッジシャー
プネスも劣る。
【0036】<耐擦性>摩擦試験機としてクロックメー
ター(アトラス・エレクトリック・デバイス社製)を用
い、印字を、綿布に1kg/cm2の荷重をかけ50往
復こすり、綿布の汚れを下記基準にしたがって評価し
た。 ○……綿布が全く汚れない。 △……綿布が若干汚れる。 ×……綿布が汚れる。
【0037】<剥離音>印字の際に発生する音を(株)
三商製騒音測定器、SOUND LEVELMETER
SUN−1350で測定し、つぎの基準にしたがって
評価した。 ○……80dB未満 △……80dB以上、100dB未満 ×……100dB以上
【0038】<インク落ち>各熱転写記録媒体を手でも
んで、インクの脱落の程度をつぎの基準で評価した。 ○……手にインクがつかない。 △……手にインクが若干付着する。 ×……インクのほとんどが脱落する。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体によるときは、
印字の際にインク落ちがなく、剥離音が小さく、かつ鮮
明で耐擦性の良好な印字記録がえられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮城 真澄 大阪府大阪市西淀川区御幣島5丁目4番14 号 フジコピアン株式会社技術センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ワックスおよびポリマーを
    主成分とする離型層および着色インク層を順次積層して
    なる熱転写記録媒体において、前記離型層におけるワッ
    クスとポリマーの重量比率が80:20〜50:50
    で、かつポリマーがポリスチレン系熱可塑性エラストマ
    ーと、該ポリスチレン系熱可塑性エラストマーのゴム相
    とのみ相溶する熱可塑性樹脂とからなり、該熱可塑性樹
    脂が石油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも1種から
    なることを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記ポリスチレン系熱可塑性エラストマ
    ーのゴム相とのみ相溶する熱可塑性樹脂が脂肪族系石油
    樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の熱転写記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ポリスチレン系熱可塑性エラストマ
    ーがポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンブロ
    ック共重合体からなることを特徴とする請求項1または
    2記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記ポリスチレン−ポリイソプレン−ポ
    リスチレンブロック共重合体の300%モジュラスが1
    MPs以下であることを特徴とする請求項3記載の熱転
    写記録媒体。
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