JPH1125452A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH1125452A
JPH1125452A JP17926597A JP17926597A JPH1125452A JP H1125452 A JPH1125452 A JP H1125452A JP 17926597 A JP17926597 A JP 17926597A JP 17926597 A JP17926597 A JP 17926597A JP H1125452 A JPH1125452 A JP H1125452A
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lubricant
layer
protective film
magnetic
substrate
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JP17926597A
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Akiyoshi Tanaka
彰美 田中
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Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた潤滑性能が長期にわたって得られる磁
気記録媒体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 潤滑剤層を形成した後、酸素雰囲気下で
加熱処理し、その後紫外線照射処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録装置に用い
られる磁気ディスクなどの磁気記録媒体において、長期
にわたって耐摩耗性および耐久性に優れた磁気記録媒体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどの情報処理装置の記憶
装置として用いられるハードディスク装置は、情報の記
録再生用の磁気ヘッドと記録媒体である磁気ディスクと
からなる。この装置では、情報の記録、再生方式とし
て、磁気ディスクの一定高速回転中に風圧により磁気ヘ
ッドが磁気ディスクから浮上した際に、記録再生が行な
われ、磁気ディスクの停止時および起動時には磁気ヘッ
ドと磁気ディスクとは摺動状態にあるというCSS方式
(Contact Start Stop)が一般に用
いられている。従って、この方式では磁気ディスク表面
の耐摩耗性や潤滑特性が不十分な場合、この接触、摺動
が繰り返されることによってディスク表面が摩耗し、つ
いには磁性層が破壊され、情報の記録、再生が不可能な
状態になってしまう。この対策として、磁性層上にカー
ボン系保護膜が形成され、保護膜上にパーフルオロポリ
エーテル系潤滑剤層を設けることが一般に行なわれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気ディスクと磁気ヘ
ッドとの間のCSS時の長期にわたる潤滑性能の維持
は、潤滑剤層を厚くすることや、潤滑剤分子を高分子量
とすることで可能であるが、厚い(多量の)潤滑剤層の
存在によってヘッドとディスクとの間にスティクション
と呼ばれる吸着現象が生じ、CSS時の摩擦係数が高く
なるという問題が生じる。そこで、非常に薄い潤滑剤層
を保護膜層上に形成しなければならない。潤滑剤層の形
成方法として一般に行なわれているのが、パーフルオロ
ポリエーテル系に代表される潤滑剤を溶媒で希釈し、ス
ピンコート、ディップコートなどの方法によって1〜1
0nm程度の膜厚の非常に薄い潤滑剤層を作製してい
る。しかしながら保護膜と潤滑剤との結合力が弱いため
に、CSSを繰り返すと徐々に潤滑剤分子が飛散して潤
滑性能が低下し、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の摩
擦力が増加して、磁気ディスクが損傷してしまい、十分
な耐摩耗性、耐久性が得られていなかった。
【0004】そこで、潤滑剤と保護膜層との結合力を増
すために、各種処理を施すことが試みられている。その
代表的な方法は、潤滑剤塗布前あるいは塗布後の紫外線
処理であり、特開平8−124142公報には潤滑剤塗
布後に150〜180nmの波長の紫外線を照射する方
法が、また特開平7−85461公報にも潤滑剤層を形
成した後に紫外線照射する方法が提案されている。たと
えば炭素質保護膜への紫外線照射の場合、光のエネルギ
によってC−C結合の解離をもたらし、表面官能基を増
加させ、それが活性部位となって潤滑剤と保護膜との結
合力を増加させることを目的としたものである。
【0005】しかしながら、これらの方法は潤滑剤を塗
布してから、紫外線照射処理までの間に何の処理も施し
ていないため、潤滑剤塗布後に潤滑剤層中に残存してい
る溶媒が紫外線処理によって悪影響を及ぼす。つまり残
存溶媒が保護膜、潤滑剤の結合解離による吸着力の増加
を阻害する。また、カーボン保護膜のように表面に酸化
物などの官能基を持たない材料では、潤滑剤との濡れ性
が悪く保護膜と潤滑剤の接している面積が小さいため、
紫外線照射処理による保護膜、潤滑剤間の結合解離によ
る吸着力の向上をもたらすという目的に対しては不十分
な構造である。
【0006】さらに詳しく説明する。一般に用いられる
潤滑剤はFomblin Z−Dol(日本モンテジソ
ン社製)などのパーフルオロポリエーテル系潤滑剤であ
り、通常、溶媒としては沸点が50〜100℃程度の値
を持つフロン系の溶剤を用いている。磁気ディスク上に
1nm程度の膜厚の潤滑剤層を形成するためには、非常
に希薄な潤滑剤溶液(約0.1体積パーセント程度の濃
度)を調整し、たとえばディップコート法などによって
塗布する。このようにして得られた磁気ディスク上の潤
滑剤層中には多量の溶媒を含んでいる。従って、潤滑剤
を塗布した後に何の処理も施さずに紫外線照射処理を行
なうと、含まれている溶媒の分解物が残存し、それが潤
滑剤および保護膜材料それぞれに吸着すること、また溶
媒が紫外線光を吸収してしまう為に潤滑剤、保護膜材料
に十分な紫外線が照射されない、などの欠点を持つ。
【0007】従って残存溶媒の存在によって紫外線照射
処理の目的である潤滑剤と保護膜との結合力の増加およ
び優れたCSS耐久性の向上、が得られ難くなってしま
う。
【0008】また、潤滑剤を塗布してから紫外線照射処
理するまでに、長時間自然放置することによっても残存
溶媒を取り除くことはできるが、その方法では磁気ディ
スク製造時間が長くなり、従って製造コストの増加をも
たらす。さらには自然放置であるため溶媒除去の目的に
対しては不完全である。また、自然放置ではカーボン保
護膜表面に酸化物などの官能基はほとんど生成されない
ため、潤滑剤の保護膜に対する濡れ性も向上しない。本
発明はこのような従来の問題を解決すべく、優れた潤滑
性能が長期にわたって得られる磁気記録媒体の製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、鋭意検討を重ねた結果、磁性層上にカーボン保護膜
を形成した基板をパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を
フロン系溶媒に溶解させた溶液にディップして保護膜上
に潤滑剤層を形成し、この基板を酸素雰囲気中で加熱し
て潤滑剤層中に含まれる溶媒を完全に除去すると同時
に、保護膜表面に炭素酸化物の官能基を生成して潤滑剤
との濡れ性を向上させ、その後紫外線照射を行なうこと
によって潤滑性能が長期にわたって維持される磁気記録
媒体を得ることができた。
【0010】以下、本発明をさらに具体的に説明する。
非磁性基板上に少なくとも1つ以上の磁性層を持つ基板
上にカーボン保護膜層を成膜する。このカーボン保護膜
層はアモルファスカーボンあるいは水素化カーボンなど
いずれでもよい。非磁性基板としては、たとえばポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、
ポリスルフォンなどの高分子材料、ガラス、セラミッ
ク、カーボンなどの無機材料、ならびにアルミニウム合
金などの金属材料を用いることができる。磁性層は1層
又は2層以上であることができる。
【0011】磁性層を構成する材料には特に制限はない
が、たとえばFe,Co,Ni等の合金や、Co−Ni
合金、Co−Ni−Cr合金、Co−Ni−Cr−Ta
合金、あるいはこれらの合金にAl等の金属や酸素、窒
素、酸化物、窒化物などを含有させたものが挙げられ
る。保護膜層としては、上記非晶質カーボン膜、ダイア
モンド状カーボン膜および水素化カーボン膜等のカーボ
ン保護膜の他、二酸化珪素膜およびジルコニア膜等の酸
化物膜を用いることができる。
【0012】また、保護膜層の表面が凹凸形状であるこ
とがヘッドのディスクへの吸着を防止するという観点か
ら好ましい。保護膜層の凹凸表面は基板や基板上の下地
膜層の表面を凹凸状にすることや保護膜層に微粒子を含
有させることによっても形成できる。潤滑剤としては、
たとえばパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を用いるこ
とができる。ここで、パーフルオロポリエーテル系潤滑
剤をフロン系の溶媒に溶解しディップコート、スピンコ
ートなどによって塗布して保護膜上に潤滑剤層を成膜す
る。形成する潤滑剤層の厚さとしては、たとえば0.1
〜10(nm)であり、好ましくは0.5〜2(nm)
の範囲になるようにする。
【0013】次に、使用する潤滑剤およびフロン系溶媒
の組み合わせによるが、溶媒の沸点温度付近から潤滑剤
の分解温度以下の温度範囲の中で5〜120分間程度酸
素含有雰囲気下で加熱する。潤滑剤の熱的劣化を考慮す
れば、溶媒の沸点の温度で加熱すれば良い。また、生産
性を考慮すれば、加熱処理時間としては10〜60分間
程度の時間が好ましい。たとえば、パーフルオロポリエ
ーテル系潤滑剤(日本モンテジソン社のFOMBLIN
Z DOL)の場合、分解温度は約300(℃)であ
り、沸点50(℃)のフロン系溶剤を用いた場合、約5
0(℃)で30分程度の加熱処理を行なう。
【0014】その後、低圧水銀ランプ、高圧水銀ラン
プ、エキシマランプ、のいずれかを用い磁気記録媒体表
面での照射強度が0.5〜100(mW/cm2 )、好
ましくは1〜50(mW/cm2 )の範囲内において
0.1〜30分程度、ディスク表面に紫外線を照射す
る。潤滑剤層と保護膜層との結合力を増加させるために
は、高い光エネルギが得られる波長260nm以下の低
波長光のスペクトルを持つランプが好ましく、その点
で、低圧水銀ランプ、エキシマランプを用いることが好
ましい。また、紫外線によって大気中の酸素がオゾンに
分解してしまい、活性化されたオゾンが多量に含まれる
と潤滑剤分子および保護膜分子の分解、破壊をもたらし
てしまうため、紫外線照射中の雰囲気としては窒素ガス
雰囲気やアルゴンガス雰囲気、又は真空中、など無酸素
雰囲気で行なうことが好ましい。
【0015】本発明において潤滑剤塗布後の加熱処理に
よって残存溶媒が取り除かれると、カーボン保護膜上に
潤滑剤が島状に存在することになる。そこで、大気中な
ど酸素含有雰囲気下で加熱処理しているため、カーボン
保護膜上に炭素酸化物が形成される。通常のカーボン保
護膜では表面に官能基が存在しないため潤滑剤との濡れ
性は悪いが、本発明のように表面に炭素酸化物が形成さ
れると、これが官能基となって潤滑剤との濡れ性を向上
させ、島状に分布していた潤滑剤が保護膜上にほぼ均一
に広がる。この状態で、紫外線照射処理を行なうため、
保護膜と潤滑剤の接触している面積が大きくなり、保護
膜と潤滑剤との結合力をさらに効果的に向上させること
ができる。酸素含有雰囲気としては酸化ガスを導入する
ことでも良いが、大気中に含まれる酸素量でも十分であ
る。この方法によって潤滑性能の優れた磁気ディスクを
得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を実施例
によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
【0017】(実施例1)非磁性基板上に磁性層、さら
に上層に非晶質カーボンからなる保護膜層が形成された
基板を作成した。この基板はガラスディスク上にアルミ
ニウムからなる凹凸形成層(平均膜厚5〜30nm)を
形成し、次いでCrからなる下地層(平均膜厚80n
m)、CoPtCrからなる磁性層(平均膜厚20n
m)およびカーボン保護膜(平均膜厚13nm)を順次
形成して得た。
【0018】この基板をパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤(日本モンテジソン社のFOMBLN Z DO
L)をフロン系の溶剤に0.05(vol%)の濃度で
溶かした溶液中にディップして潤滑剤層(膜厚約1n
m)を形成した。この基板を、50(℃)のオーブンに
入れ30(min)間大気中で加熱処理した。その後、
基板をオーブンから取り出し、低圧水銀ランプを用い、
基板表面での紫外線照射強度が約10(mW/cm2
の条件下で、窒素ガス雰囲気中で60(sec)間紫外
線照射して磁気ディスクを作製した。
【0019】得られたディスクのCSS試験を温度25
℃湿度40%の環境下で行なった。
【0020】CSS試験として薄膜ヘッド(材質:Al
2 3 −TiC、ヘッド荷重:3gf)を用い、ヘッド
をディスク上の半径20mmの位置になるよう設置し
た。次にディスクを3600回転/minまで4(se
c)で立ち上げ、3600回転/minで1(sec)
間保持、0回転まで4(sec)で立ち下げ、をCSS
1回とし、20,000回までのヘッドとディスク間で
発生する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定した。CS
S時における摩擦係数の変化を図1中の実施例1に示
す。CSS20,000回まで摩擦係数の変化は小さく
優れた潤滑性能を維持していることがわかる。
【0021】(実施例2)実施例1と同様に磁性層、さ
らに非晶質カーボン保護膜層からなるディスクを作成し
た。この基板をパーフルオロポリエーテル系潤滑剤をフ
ロン系の溶剤に0.1(vol%)の濃度で溶かした溶
液中にディップして潤滑剤層(膜厚約2nm)を形成し
た。この基板を、50(℃)のオーブンに入れ30(m
in)間大気中で加熱処理した。その後、基板をオーブ
ンから取り出し、エキシマランプを用い、基板表面での
紫外線照射強度が約10(mW/cm2 )の条件下で、
窒素ガス雰囲気中で60(sec)間紫外線照射して磁
気ディスクを作製した。
【0022】得られたディスクの温度25℃湿度40%
の環境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行な
った。そして20,000回までのヘッドとディスク間
で発生する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定した。C
SS時における摩擦係数の変化を図1中の実施例2に示
す。CSS20,000回まで摩擦係数の変化は小さく
優れた潤滑性能を維持していることがわかる。
【0023】(実施例3)実施例1と同様に磁性層、さ
らに非晶質カーボン保護膜層からなるディスクを作成し
た。この基板をパーフルオロポリエーテル系潤滑剤をフ
ロン系の溶剤に0.05(vol%)の濃度で溶かした
溶液中にディップして潤滑剤層(膜厚約1nm)を形成
した。この基板を、100(℃)のオーブンに入れ30
(min)間大気中で加熱処理した。
【0024】その後、基板をオーブンから取り出し、低
圧水銀ランプを用い、基板表面での紫外線照射強度が約
10(mW/cm2 )の条件下で、窒素ガス雰囲気中で
300(sec)間紫外線照射して磁気ディスクを作製
した。得られたディスクの温度25℃湿度40%の環境
下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行なった。
そして20,000回までのヘッドとディスク間で発生
する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定した。CSS時
における摩擦係数の変化を図1中の実施例2に示す。C
SS20,000回まで摩擦係数の変化は小さく優れた
潤滑性能を維持していることがわかる。
【0025】(比較例1)実施例1と同様に磁性層、さ
らに非晶質カーボン保護膜層からなるディスクを作成し
た。この基板をパーフルオロポリエーテル系潤滑剤をフ
ロン系の溶剤に0.05(vol%)の濃度で溶かした
溶液中にディップして潤滑剤層(膜厚約1nm)を形成
した。この基板を、100(℃)のオーブンに入れ30
(min)間、酸素を全く含まない窒素ガス雰囲気中で
加熱処理した。この基板を、低圧水銀ランプを用い、基
板表面での紫外線照射強度が約10(mW/cm2 )の
条件下で、窒素ガス雰囲気中で60(sec)間紫外線
照射して磁気ディスクを作製した。
【0026】得られたディスクの温度25℃湿度40%
の環境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行な
った。そして20,000回までのヘッドとディスクと
の間で発生する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定し
た。CSS時における摩擦係数の変化を図2比較例1に
示す。CSS20,000回まで摩擦係数の変化が比較
的大きく潤滑性能の特性が悪いことがわかる。
【0027】(比較例2)非磁性基板上に磁性層、さら
に上層に非晶質カーボンからなる保護膜層が形成された
基板を作成した。この基板をパーフルオロポリエーテル
系潤滑剤をフロン系の溶剤に0.05(vol%)の濃
度で溶かした溶液中にディップコートによって塗布して
潤滑剤層(膜厚約1nm)を作成した。
【0028】得られたディスクの温度25℃湿度40%
の環境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行な
った。そして20,000回までのヘッドとディスクと
の間で発生する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定し
た。CSS時における摩擦係数の変化を図2比較例2に
示す。CSS20,000回まで摩擦係数の変化が大き
く、長期にわたる潤滑性能の特性が悪いことがわかる。
【0029】(比較例3)実施例1と同様に磁性層、さ
らに非晶質カーボン保護膜層からなるディスクを作成し
た。この基板をパーフルオロポリエーテル系潤滑剤をフ
ロン系の溶剤に0.05(vol%)の濃度で溶かした
溶液中にディップして潤滑剤層(膜厚約1nm)を形成
した。この基板を、低圧水銀ランプを用い、基板表面で
の紫外線照射強度が約10(mW/cm2 )の条件下
で、窒素ガス雰囲気中で60(sec)間紫外線照射し
て磁気ディスクを作製した。
【0030】得られたディスクの温度25℃湿度40%
の環境下でのCSS試験を実施例1と同様の条件で行な
った。そして20,000回までのヘッドとディスクと
の間で発生する最大摩擦力(最大摩擦係数)を測定し
た。CSS時における摩擦係数の変化を図2比較例3に
示す。CSS20,000回まで摩擦係数の変化が大き
く潤滑性能の特性が悪いことがわかる。
【0031】(潤滑剤と保護膜との結合力評価)潤滑剤
と保護膜との結合力として、ウォッシュオフ(Wash
OFF)という方法で評価した。これは、作製した磁
気ディスクをフロン系の溶媒にディップして保護膜層上
の潤滑剤を洗い流す方法であり、ウォッシュオフ前後の
潤滑剤の膜厚比、つまりウォッシュオフ後の潤滑剤残存
率を求めることにより潤滑剤、潤滑剤と保護膜との吸着
力評価ができる。表1に実施例1から3および比較例1
から3の、ウォッシュオフ前の潤滑剤膜厚に対するウォ
ッシュオフ後の潤滑剤膜厚の割合(潤滑剤残存率)の値
を示す。
【0032】
【表1】
【0033】この結果、紫外線照射処理した磁気ディス
クの潤滑剤と保護膜との吸着力が、紫外線照射処理しな
かった磁気ディスクより高いことが示され、尚且つ潤滑
剤塗布した後に酸素含有雰囲気下で加熱処理を加えてか
ら紫外線照射処理した方がさらに吸着力が高いことがわ
かった。この吸着力の相違がCSS耐久性で示される潤
滑性能の向上の要因となっていることがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体の製造方法による
と、潤滑剤を塗布した後に加熱処理し、その後紫外線照
射処理を施すことにより優れた潤滑性能が得られ、さら
に長期にわたって潤滑効果が維持している磁気記録媒体
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3のCSS時の摩擦係数の変化を示
す図。
【図2】比較例1〜3のCSS時の摩擦係数の変化を示
す図。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に磁性層、カーボン保護膜
    層および潤滑剤層を順次積層形式する磁気記録媒体の製
    造方法において、 前記潤滑剤層の形成後に所望温度で加熱処理を行った
    後、紫外線照射処理を行うことを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 非磁性基板上に磁性層、カーボン保護膜
    層および潤滑剤層を順次積層形式する磁気記録媒体の製
    造方法において、 前記潤滑剤層の形成後に酸素含有雰囲気下で所望温度で
    加熱処理を行った後、紫外線照射処理を行うことを特徴
    とする磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、前記紫外線照射処理は低圧水銀ランプ、エ
    キシマランプ、高圧水銀ランプを用いて行なわれること
    を特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3に記載の磁気記録媒体の
    製造方法において、前記所望温度は潤滑剤中の溶媒の沸
    点以上で潤滑剤の分解温度以下とすることを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
JP17926597A 1997-07-04 1997-07-04 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH1125452A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012009090A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Wd Media (Singapore) Pte. Ltd 磁気ディスクの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012009090A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Wd Media (Singapore) Pte. Ltd 磁気ディスクの製造方法
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