JPH11254417A - 軽量気泡コンクリートパネル及びその表面加工方法 - Google Patents

軽量気泡コンクリートパネル及びその表面加工方法

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JPH11254417A
JPH11254417A JP6112098A JP6112098A JPH11254417A JP H11254417 A JPH11254417 A JP H11254417A JP 6112098 A JP6112098 A JP 6112098A JP 6112098 A JP6112098 A JP 6112098A JP H11254417 A JPH11254417 A JP H11254417A
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concrete panel
cellular concrete
lightweight cellular
panel
groove
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JP6112098A
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Hiroaki Yanagida
洋明 柳田
Yuji Kobayashi
祐二 小林
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運搬及び施工時の衝撃による溝部の側面部分
の損傷を防止し、加えて割石調、石肌調、石目調など自
然石調の表面テクスチャーを有する軽量気泡コンクリー
トパネル及びその表面加工方法を提供する。 【解決手段】 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッ
チで列設した軽量気泡コンクリートパネルにおいて、こ
の突条または軽量気泡コンクリートパネルの端部分に割
砕模様が形成されてなる軽量気泡コンクリートパネル、
並びに突条または端部分に圧縮用工具または打撃用工具
で物理的衝撃を与え、突条に割砕模様を形成する表面加
工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軽量気泡コンクリー
トパネル及びその表面加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量気泡コンクリートパネルは、補強鉄
筋等を内在させて補強した軽量な既製パネルであり、例
えば幅60センチ、長さ数メートルの大きなパネルとし
て知られている。この軽量気泡コンクリートパネルは、
経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れているとい
う特性を有しており、建築業界において個人住宅、店舗
付住宅、ビルディングの屋根、床、外壁及び間仕切り材
等として多用されている。このように軽量気泡コンクリ
ートパネルは諸性質の優れた材料であるが、生産効率
上、一般にフラットな平面を持ったパネルとして生産さ
れる為、外壁材として使用した場合、意匠性に乏しいと
いう問題がある。
【0003】そこで、従来から、この課題を克服するた
めに、軽量気泡コンクリートパネルの表面に、溝を形成
する方法が提案されている。例えば、特開昭58−16
0106号公報や特開昭59−167203号公報に
は、回転切削刃を使用した表面加工技術がある。しか
し、これらの技術で溝加工されたものは、得られる意匠
が機械的に画一的なものに限定されること、また表面と
溝部で構成される形状は比較的鋭利になるため、溝部の
側面部分に塗料が付着しにくい、輸送及び施工時の衝撃
などによって側面部分が損傷した場合、この損傷跡が目
立ちやすい等の本質的な課題が残されている。
【0004】また、特開昭63−25284号公報のよ
うに、エンペラーユニットを使用して小鋼球のような投
射材を軽量気泡コンクリートパネル表面に衝突させて凹
部、即ち溝部を得る技術があるが、該溝部の側面部分は
鋭角急峻になり、輸送及び施工時の衝撃などによる損傷
は避けられず、また損傷した部分と小鋼球による加工面
とが表面のテクスチャーが異なり、損傷跡が目立ち易い
等の本質的な課題が残されている。
【0005】更に、特開昭63−82702号公報や特
開昭63−82705号公報のように、小鋼球による加
工と刃物による溝部の加工とを併用した場合でも、溝部
の側面部が急峻になることは避けられず、輸送及び施工
時の衝撃などによって損傷し易く、また損傷した部分と
他の面とのテクスチャーが異なり、損傷跡が目立ち易い
等の本質的な課題が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決する為に創案されたもので、溝部の側面部分にお
ける塗料の付着性が良く、輸送及び施工時の衝撃などに
よる損傷の少ない、加えて複雑で自然な表面テクスチャ
ーを有する軽量気泡コンクリートパネル、及び該軽量気
泡コンクリートパネルの表面加工方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、次の通
りである。 (1) 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッチで列
設した軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該突条に
割砕模様が形成されていることを特徴とする軽量気泡コ
ンクリートパネル。 (2) 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッチで列
設した軽量気泡コンクリートパネルの該突条上部に圧縮
用具で物理的衝撃を与える、又は該突条側面へ打撃用具
で物理的衝撃を与えることで、該突条に割砕模様を形成
することを特徴とする(1)記載の軽量気泡コンクリー
トパネルの表面加工方法。 (3) (1)記載の軽量気泡コンクリートパネルの端
部分に割砕模様が形成されていることを特徴とする軽量
気泡コンクリートパネル。 (4) 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッチで列
設した軽量気泡コンクリートパネルの該突条上部、およ
びパネルの端部分に圧縮用具で物理的衝撃を与える、又
は該突条側面および該端部分側面へ打撃用具で物理的衝
撃を与えることで、該突条および該端部分に割砕模様を
形成することを特徴とする(3)記載の軽量気泡コンク
リートパネルの表面加工方法。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面外観の例を模
式的に図1、図8、図12、図16、図20に示す。本
発明において、軽量気泡コンクリートパネルとは、次の
ような製造方法によって得られた普通の軽量気泡コンク
リートパネルをいう。例えば、石灰質原料、珪酸質原料
に水、発泡剤等が加えられたモルタルスラリーを補強筋
が多数配置された型枠に注入し、気泡を含む型枠状の大
きなブロックを、硬化途中の半硬化状態でピアノ線を用
いて切断し、オートクレーブ養生したものである。
【0009】本発明でいう軽量気泡コンクリートパネル
は、気泡を含有するものなら、どのような形状のものも
含み、建物の床、屋根、間仕切材として使用されるフラ
ットパネル、外壁の出隅部に利用されるL字型、R型の
コーナーパネル、補強筋の形状やオートクレーブ養生後
のパネルの切削加工によって所定の形状に製造されるも
のが挙げられる。軽量気泡コンクリートパネルに最初に
加工される溝部2は、例えば従来公知の、切削工具のド
リル、フライス、チップソー、リーマ、木工用のこ等を
使用することにより形成することができる。
【0010】溝部2の幅、深さは、特に限定されるもの
ではなく、意匠、加工性から決めることができるが、幅
が2〜50mm、深さが2〜50mmが一般的である。
溝部2の断面形状は図5、図9に示すような形状に限定
されるものではなく、例えば直線や曲面などの底面があ
ってもよく、側面の構造は傾斜でも垂直でもよい。また
溝部2の長手方向の形状は直線であっても、曲線であっ
ても、ランダムな蛇行状のものであってもよいが、直線
的にすると切削加工が容易である。また溝部2は縦方向
の直線のみ、または横方向の直線のみであっても、縦横
の直線からなるタイル調や煉瓦模様であってもよい。こ
の溝部2は後に形成される割砕部4が存在してもその機
械的に切削される側面部分または底面部分がそのまま連
続して残ることにより、溝部2の存在を認めることがで
きる。
【0011】突条3とは溝部2と溝部2の間の部分をい
い、その形状は溝部2の形状や列設方法によって決ま
る。また、パネルの端部分の形状は溝部2のと同一のも
のでも良く、切削加工していないフラットなものでもよ
いが、図1、図8、図12、図16、図20のように割
砕模様が形成されている方が、外壁として使用した場
合、意匠が連続的になり好ましい。
【0012】通常、軽量気泡コンクリートパネルの表面
に当たる部分に存在した気泡及びその縁は切断時にピア
ノ線により、変形したり押し潰されたりするため、ささ
くれ状や押し潰された比較的平坦な重質層になってい
る。また、切削加工された表面は気泡が露出している部
分と、切削工具の刃物により押し潰された重質部分とで
構成されているのが一般的である。割砕部4は、圧縮用
具または打撃用具で、突条3の上部6、溝部2の側面部
分5またはパネル端部分に物理的衝撃を与え、突条3の
上部または溝部2の側面を割砕し欠落させることにより
得られるものである。
【0013】この割砕部4は連続した一定の幅で存在す
るものではなく、欠落幅は不規則な波状を呈する。欠落
して形成される割砕部4は必ずしも連続して設ける必要
はなく、欠落されていない部分と割砕されて欠落した部
分とが不規則に混在していてもよい。また、割砕部4
は、突条3の上部6のみに形成してもよく、突条3の上
部と側面部分とに形成してもよく、溝部2の側面部分5
のみに形成してもよい。さらに、パネルの端部分に形成
しても良い。割砕部4は、意匠的には点状でも、縞状で
も、格子状でも、またこれらの複合状でもよい。また、
割砕部4の形状及び表面積は、溝部2や突条3やパネル
の端部分の断面形状及び寸法(幅、深さ)、溝部2や突
条3の配置方法(溝部2の間隔、全体形状、縦横の組み
合わせなど)、圧縮用具や打撃用具の形状及び物理的衝
撃力などの諸条件を変化させることにより、意匠を変化
に富んだものとすることが可能である。
【0014】本発明で用いる圧縮用具9の表面形状は、
特に限定されるものではなく、意匠、加工性から決める
ことができるが、突条3の上部6に圧縮による割砕作用
を及ぼすことができるものであれば特に制限されない。
例えば、図6に示すような平坦なものでもよく、局部的
に圧縮力を大きくするため凹凸状にしたもの、突起を有
したものでもよい。また、圧縮力12を作用させる方向
は、圧縮用具9の進行方向13となす角度θが5〜17
5゜となるようにするのが一般的であるが、45〜13
5゜の範囲が好ましい。
【0015】本発明で用いる打撃用具10の表面形状
は、特に限定されるものではなく、意匠、加工性から決
めることができるが、溝部2の側面部分5に打撃による
割砕作用を及ぼすことができるものであれば特に制限さ
れない。例えば、図7に示すように回転しながら打撃力
を与える刃物付きローラーでもよく、直線的に打撃力を
与える刃物付きスクレイパーでもよい。また、打撃力1
5を作用させる方向も特に限定されないが、生産効率
上、刃物付きローラーであれば水平方向よりもやや上方
(ローラーの径で決定する)、刃物付きスクレイパーで
あれば、刃物先端と進行方向9のなす角度を5〜145
゜とした状態で水平方向に打撃力を作用させるのが好ま
しい。
【0016】図1に示した軽量気泡コンクリートパネル
は、長手方向に直線的な溝部2と突条3を所要のピッチ
で列設し、突条3の上部およびパネルの端部分に割砕模
様が形成された一例であり、図12に示した軽量気泡コ
ンクリートパネルは、長手方向に蛇行状のランダムな溝
部2と突条3を列設し、突条3の上部または溝部2の側
面部5およびパネルの端部分に割砕模様が形成された一
例であり、図20に示した軽量気泡コンクリートパネル
は、縦横の方向に溝部2と突条3を列設し、突条3の上
部または溝部2の側面部5およびパネルの端部分に割砕
模様を形成した一例である。
【0017】突条3の上部または溝部2の側面部5の欠
落状態を図2、図13、図21の断面図に示す。図中4
が欠落部であり、この部分が物理的衝撃によって割砕さ
れた部分である。この割砕部4の表面テクスチャーは、
溝部2と同様に、軽量気泡コンクリートの気泡の切断面
がそのまま表面に露出したものとなっているが、溝部2
の表面とは異なった表面のテクスチャーとなっている。
例えば、軽量気泡コンクリートパネルの表面は製造時
に、半硬化の段階でピアノ線等で切断されるので気泡の
縁が変形したり、潰れており、また、回転刃物等で形成
される溝部2の側面部や底面部は比較的平らで滑らかな
面である。このように、割砕部4の部分は、突条3の上
部6、溝部2の側面部5またはパネルの端部分が欠落
し、気泡の内面がそのまま露出した姿になっているとこ
ろに特徴を有するのである。
【0018】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの表
面加工方法は、普通の軽量気泡コンクリートパネルの表
面部分に、先ず前処理として溝部及び突条を設け、その
後に突条の上部に圧縮用具で物理的衝撃を与える、また
は溝部の側面部に打撃用具で物理的衝撃を与えることで
軽量気泡コンクリートパネルの表面の一部を割砕し、気
泡の切断面が露出したままの部分のみの割砕模様を突条
に形成するものである。また、上記のように突条に気泡
の切断面が露出したままの部分のみの割砕模様を形成
し、さらに軽量気泡コンクリートパネルの端部分の上部
に圧縮用具で物理的衝撃を与える、または端部分の側面
に打撃用具で物理的衝撃を与えることで端部分に割砕模
様を形成するものである。軽量気泡コンクリートパネル
は、フラットパネルであっても、コーナーパネルであっ
てもよい。表面加工方法を図面に基づいて説明する。
【0019】図4のようなパターンで図5のような突条
3と溝部2を加工した軽量気泡コンクリートパネル1に
おいて、該突条の上部6およびパネルの端部分に図6に
示すように圧縮用具9で矢印12の方向に圧縮破壊が起
こる程度の物理的衝撃を与える。そうすると、突条3の
上部6およびパネルの端部分が圧縮破壊により欠落し、
気泡の切断面が露出した割砕部4が形成される。また、
図4のようなパターンで図5のような突条3と溝部2を
加工した軽量気泡コンクリートパネル1において、該溝
部の側面部およびパネルの端部分に図7に示すように打
撃用具10で矢印16の方向に打撃破壊する程度の物理
的衝撃を与える。そうすると突条3の上部6およびパネ
ルの端部分が打撃破壊により欠落し、気泡の切断面が露
出した割砕部4が形成される。
【0020】このようにして、図1、図8、図12、図
16、図20に示すような本発明の表面加工された軽量
気泡コンクリートパネルが得られる。例えば、普通の軽
量気泡コンクリートパネルは、その製造過程において、
オートクレーブ養生により硬化される前の半可逆性の状
態で、大きなブロックからピアノ線を用いて多数のパネ
ルに切断して製造されるため、軽量気泡コンクリートパ
ネル表面にあった気泡はピアノ線により押し潰され、比
較的平坦な表面を有している。本発明の表面加工方法
は、このような普通の軽量気泡コンクリートパネルの表
面部分に前処理として溝部および突条を加工し、次い
で、突条の上部または溝部の側面部分、場合によっては
パネルの端部分に物理的衝撃を与え、割砕模様を形成さ
せるというものである。
【0021】そして、本発明の軽量気泡コンクリートパ
ネルは、半可逆性の状態でピアノ線により切断された比
較的平滑な表面部分、溝部分、突条、天然石を破砕した
ような割砕部とで構成され、これらの間に明瞭なコント
ラストを有している点に特徴があり、外壁に使用した場
合、普通の軽量気泡コンクリートパネルにはない独特な
自然調のテクスチャー外観が得られる。加えて、強度の
小さい鋭利な突条上部または溝部の側面部分を予め割砕
させているため、運搬及び施工時の衝撃などによる欠け
や亀裂の発生を防止できるという利点がある。
【0022】本発明の表面加工方法は、比較的欠けやす
いという軽量気泡コンクリートパネルの強度的に脆い性
質を利用しており、また前処理として溝部および突条を
施し、突条の上部に、もしくは突条の上部とパネル端部
分に圧縮用具で物理的衝撃を与える(例えば、回転機構
を有する圧縮用具で圧縮破壊するなど)、または溝部の
側面に、もしくは溝部の側面とパネル端部分に打撃用具
で物理的衝撃を与える(例えば、回転機構を有する打撃
用刃物で打撃破壊する、先端に刃物が付いたスクレイパ
ーで打撃破壊するなど)という原理に基づいたものであ
るため、他部位への損傷を発生させずに容易に割砕模様
を形成させることができ、得られた割石調の意匠からは
想像できないほど、生産性に優れたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、実施例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、評価は次の方法により実施
した。 <衝撃試験>実施例で得られたサンプルを8枚ずつ台の
上に積み重ねワイヤーロープで固定した後、1.5Gの
重力加速度をパネルの幅方向及び長手方向に3時間繰り
返し与え続けた後、欠損、亀裂の有無について観察し
た。 <塗装試験>実施例で得られたサンプルを8枚ずつ施工
架台へ建て込み、パネル表面の下地調整を十分行った
後、市販の軽量気泡コンクリートパネル用塗料をパネル
表面へ下塗り、主材吹き、上塗りの手順で吹き付けた。
下塗り剤としてはリメークプラ(スズカファイン(株)
製)を、仕上げ剤としてビューレ(スズカファイン
(株)製)とビックセラ(スズカファイン(株)製)を
用いた。上塗り後、24時間の最終養生を終えた時点
で、パネル表面の塗着状態及び意匠性を目視で評価し
た。
【0024】
【実施例1】図4と図5に示すように、厚さ10cm、
幅60cm、長さ300cmの軽量気泡コンクリートパ
ネル表面に、前処理として、通常の回転刃を使用して通
常の加工方法で横方向に溝部2と突条3を加工した。次
に図6に示すように、突条3の上部6およびパネルの端
部分に回転機構を有した圧縮用工具9で図中矢印12の
方向へ圧縮力を与えながら、圧縮用工具9を矢印13の
方向へ移動させた。その結果、気泡の切断面が露出した
割砕部4が形成された。6が欠落した部分である。以上
の加工を突条3、パネルの端部分の全てについて連続的
に行ったところ、天然石を破砕したような凹凸のひだを
持つ割砕模様が得られた。
【0025】
【実施例2】図11に示すように、厚さ10cm、幅6
0cm、長さ300cmの軽量気泡コンクリートパネル
表面に、前処理として、通常の回転刃を使用して通常の
加工方法で横方向に溝部2と突条3を加工した。次に図
7に示すように、溝部2の側面部5およびパネルの端部
分の側面に回転機構を有した打撃用工具10で図中矢印
15の方向へ打撃力を与えながら、打撃用工具10を矢
印16の方向へ移動させた。その結果、気泡の切断面が
露出した割砕部4が形成された。6が欠落した部分であ
る。以上の加工を突条3、パネルの端部分の全てについ
て連続的に行ったところ、天然石を破砕したような凹凸
のひだを持つ割砕模様が得られた。
【0026】
【実施例3】以下に、溝部及び突条の種類を変えたとき
の実施例を示す。図1は、突条3の上部6およびパネル
の端部分を実施例2と同様の方法で加工したパネル表面
を模式的に示す平面図である。一部分を拡大した断面
図、平面図を図2、図3に示す。連続的な割石調の意匠
の軽量気泡コンクリートパネルが得られた。
【0027】
【実施例4】図12は、図13の断面図に示すような形
状の溝部と突条を蛇行させながらランダムに加工した
後、実施例2と同様の方法で加工したパネル表面を模式
的に示す平面図である。一部分を拡大した断面図、平面
図をそれぞれ図13、図14に示す。ランダムで連続的
な割石調の意匠の軽量気泡コンクリートパネルが得られ
た。
【0028】
【実施例5】図16は、図19の断面図に示すような形
状の溝部と突条とパネルの端部分を加工した後、実施例
1と同様の方法で加工したパネル表面を模式的に示す平
面図である。一部を拡大した断面図、平面図をそれぞれ
図17、図19に示す。石目調の意匠の軽量気泡コンク
リートパネルが得られた。
【0029】
【実施例6】図20は、図23の断面図に示すような形
状の溝部と突条を縦横に形成した後、実施例1と同様の
方法で加工したパネル表面を模式的に示す平面図であ
る。一部を拡大した断面図、平面図をそれぞれ図21、
図22に示す。割石タイル調の意匠の軽量気泡コンクリ
ートパネルが得られた。 <実施例の評価>実施例1〜6で得られた厚さ10c
m、幅60cm、長さ300cmの軽量気泡コンクリー
トパネルをそれぞれ8枚ずつ用意し、積み重ねて衝撃試
験を実施したところ、溝部のエッジ部側面部分での欠け
や亀裂は全く発生せず、加工直後の形状を維持してい
た。
【0030】次に実施例1〜6で得られた軽量気泡コン
クリートパネル全てについて塗装試験を行った。その結
果、塗装時、溝部の側面部における塗料の付着不足や塗
装むらなどの発生は全く無く、また外壁として使用した
場合、剥離帯に凹凸のひだのある形状によって、通常の
軽量気泡コンクリートパネルの建築物には見られない明
瞭なコントラスト、自然調のテクスチャーが得られた。
【0031】
【発明の効果】本発明の軽量気泡コンクリートパネル
は、突条及び溝部の側面及びパネルの端部分に割砕部を
形成させているため、搬送途中等での衝撃による損傷が
少なく、また万一損傷が生じても最初に加工した割砕部
と損傷部のとの見分けが難しく、損傷として識別できな
いという優れた利点がある。また、本発明の軽量気泡コ
ンクリートパネルは、溝部の側面部分の塗料の付着性低
下が認められず、搬送途中等の衝撃による損傷及び溝部
の側面部分の塗料の付着性低下といった従来の軽量気泡
コンクリート化粧パネルの本質的な課題を克服してい
る。また、外壁として使用した場合、割砕部の不規則な
凹凸形状によって紫外線の入射角が不規則になるため、
塗料の劣化も低減できるという新たな効果も発生する。
【0032】更に、割砕部により、割石調、石肌調、石
目調など自然石調の表面テクスチャーの外観が得られ、
通常の軽量気泡コンクリートパネルのみでは達成されな
い意匠性を表現していることから、差別化、個性化、高
付加価値化など近年の建築市場のニーズに充分対応し得
るものである。そして、本発明の表面加工方法は、軽量
気泡コンクリート本体の表面を割砕させるものであるた
め、軽量気泡コンクリートパネルの本来の製法、諸性質
を変えずに、生産性良く、低コストで意匠性に富んだ軽
量気泡コンクリートパネルの工業生産を可能にするもの
である。また、本発明の表面加工方法は、前処理として
施す際の寸法、形状、及び圧縮用工具、打撃用工具の寸
法、形状、両者の組み合わせによって、様々なバリエー
ションを表現できるなど、工業的に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、表面加工された、軽量気泡コンクリ
ートパネルの1例を模式的に示す平面図である。
【図2】図1の軽量気泡コンクリートパネルの溝部を長
手方向に直角な断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図1の溝部、突条、割砕部を部分拡大し模式的
に示す平面図である。
【図4】表面加工する前に溝部と突条を加工した軽量気
泡コンクリートパネルを模式的に示す平面図である。
【図5】図4の軽量気泡コンクリートパネルの溝部を長
手方向に直角な断面を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面加
工方法を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面加
工方法を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの外観表
面の1例を模式的に示す平面図である。
【図9】図8の軽量気泡コンクリートパネルの溝部の長
手方向に直角な断面を模式的に示す断面図である。
【図10】図8の溝部、突条、割砕部を部分拡大し模式
的に示す平面図である。
【図11】図8の軽量気泡コンクリートパネルの溝部の
長手方向に直角な断面を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの外観
表面の1例を模式的に示す平面図である。
【図13】図12の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角な断面を模式的に示す断面図である。
【図14】図12の溝部、突条、割砕部を部分拡大し模
式的に示す平面図である。
【図15】図12の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角な断面を模式的に示す断面図である。
【図16】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの外観
表面の1例を模式的に示す平面図である。
【図17】図16の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角の断面を模式的に示す断面図である。
【図18】図16の溝部、突条、割砕部を部分拡大し模
式的に示す平面図である。
【図19】図16の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角の断面を模式的に示す断面図である。
【図20】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの外観
表面の1例を模式的に示す平面図である。
【図21】図20の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角の断面を模式的に示す断面図である。
【図22】図20の溝部、突条、割砕部を部分拡大し模
式的に示す平面図である。
【図23】図20の軽量気泡コンクリートパネルの溝部
の長手方向に直角の断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 軽量気泡コンクリートパネル 2 溝部 3 突条 4 割砕部 5 溝部の側面部 6 突条の上部 7 軽量気泡コンクリートパネルの表面加工されてい
ない部分 8 割砕部の凹凸のひだ 9 圧縮用具 10 打撃用具 11 圧縮用具の回転方向 12 圧縮用具の圧縮力が作用する方向 13 圧縮用具の移動方向 14 打撃用具の回転方向 15 打撃用具の打撃力が作用する方向 16 打撃用工具の移動方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッ
    チで列設した軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該
    突条に割砕模様が形成されていることを特徴とする軽量
    気泡コンクリートパネル。
  2. 【請求項2】 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッ
    チで列設した軽量気泡コンクリートパネルの該突条上部
    に圧縮用具で物理的衝撃を与える、又は該突条側面へ打
    撃用具で物理的衝撃を与えることで、該突条に割砕模様
    を形成することを特徴とする請求項1記載の軽量気泡コ
    ンクリートパネルの表面加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軽量気泡コンクリートパ
    ネルの端部分に割砕模様が形成されていることを特徴と
    する軽量気泡コンクリートパネル。
  4. 【請求項4】 表面に複数本の突条と溝とを所要のピッ
    チで列設した軽量気泡コンクリートパネルの該突条上
    部、およびパネルの端部分に圧縮用具で物理的衝撃を与
    える、又は該突条側面および該端部分側面へ打撃用具で
    物理的衝撃を与えることで、該突条および該端部分に割
    砕模様を形成することを特徴とする請求項3記載の軽量
    気泡コンクリートパネルの表面加工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003112982A (ja) * 2001-10-02 2003-04-18 Asahi Kasei Corp 軽量気泡コンクリートパネルおよびその加工方法
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CN104057366A (zh) * 2014-06-06 2014-09-24 上海大学 一种经过边缘修形的表面凸起织构及其加工方法
JP2016020284A (ja) * 2014-07-11 2016-02-04 旭化成建材株式会社 軽量気泡コンクリートパネル

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