JP4275281B2 - 軽量気泡コンクリートパネル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は軽量気泡コンクリートパネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
軽量気泡コンクリートパネルは、補強鉄筋等を内在させて補強した軽量な既製パネルであり、例えば幅60センチ、長さ数メートルの大きなパネルとして知られている。
この軽量気泡コンクリートパネルは、経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れているという特性を有しており、建築業界において個人住宅、店舗付住宅、ビルディングの屋根、床、外壁、及び間仕切り材等として多用されている。
【0003】
しかし、軽量気泡コンクリートパネルは、このように諸性質に優れた材料であるが、生産効率上、一般にフラットな平面を持ったパネルとして生産される為、外壁材として使用した場合、意匠性に乏しいという問題がある。
そこで、従来から、この課題を克服するために、軽量気泡コンクリートパネル表面に凹凸模様を得る方法が提案されている。例えば軽量気泡コンクリートパネル表面に溝部を設け、その溝部に物理的衝撃を与え剥離帯を形成することを特徴とする技術があるが、剥離帯は軽量気泡コンクリートの気泡がほぼ100%露出した状態になっている。更に表面性状は岩を割ったようなダイナミックな性状となる。
【0004】
又、化粧型を半硬化状パネルに押しつけて模様付き軽量気泡コンクリートパネルを製造する方法があるが、これで得られる軽量気泡コンクリート表面は全体的に気泡がほとんど露出してない状態である。更に表面性状は密実で均一な性状になる。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、軽量気泡コンクリート表面の気泡の露出度合(目詰まり率)を任意に制御でき、塗装性能を低下させることなく塗料の付着量を制御できること、表面性状としての窪み数を任意に制御することにより、粒状感のあるボツボツした表面性状を有す凹凸模様付きの意匠性に優れた軽量気泡コンクリートパネル、及び安価で且つ収率、生産性に優れた製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、前記の課題を達成したものであり、次のとおりである。
(1) 軽量気泡コンクリートパネルの表面の一部又は全体に1〜130個/cm2 の窪みを有し、該窪みはその底部が実質的に円形又は多角形で且つ気泡目詰まり率が5〜85%の範囲であって、しかもそれぞれの窪み部の深さに高低差が存在し、更に該窪み深さはパネル表面より0.5〜15mmであることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネル。
(2) 上記(1)記載の軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該パネル表面に化粧目地として溝加工が施された軽量気泡コンクリートパネル。
【0007】
(3) 軽量気泡コンクリートパネルの表面の一部又は全体に1〜130個/cm2 の窪みを有し、該窪みはその底部が実質的に円形又は多角形で且つ気泡目詰まり率が5〜85%の範囲であって、しかもそれぞれの窪み部の深さに高低差が存在し、更に該窪み深さはパネル表面より0.5〜15mmである化粧目地が施された軽量気泡コンクリートパネル。
(4) 複数の直径1〜10mmの棒からなる打撃工具を用い、作動させる位置および作動深さを数値制御した打撃力0.1〜3.9N/mm2 、打撃数3000〜6000回/分で、軽量気泡コンクリートパネルの表面を打撃し、深さの異なる多数の窪みを形成することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面外観の例を模式的に図1〜図6に示す。
本発明における軽量気泡コンクリートパネルとは、次のような製造方法によって得られたものをいう。
【0009】
例えば、石灰質原料、珪酸質原料に水、発泡剤等が加えられたモルタルスラリーを補強筋が多数配置された型枠に注入し、気泡を含む型枠状の大きなブロックを、硬化途中の半硬化状態でピアノ線を用いて切断し、オートクレーブ養生したものである。
本発明でいう軽量気泡コンクリートパネルは、気泡を含有するものなら、どのような形状のものも含み、建物の床、屋根、間仕切材として使用されるフラットパネル、外壁の出隅部に利用されるL字型、R型のコーナーパネル、補強筋の形状やオートクレーブ養生後のパネルの切削加工によって所定の形状に製造されるものが挙げられる。
【0010】
本発明において「深さ」とは、軽量気泡コンクリートパネル表面から内部に対しての厚み方向の距離を言う。又、その深さは軽量気泡コンクリートパネル表面より0.5〜15mmとしているが、これは0.5mm未満だと軽量気泡コンクリート表面の平滑度の誤差範囲であることと、15mmを超えると軽量気泡コンクリートパネル内部の補強筋と接触する可能性が高く、補強筋を傷つけ、軽量気泡コンクリートパネルが持つ本来の性能を低下させるおそれがあるためである。
【0011】
軽量気泡コンクリートパネル表面に窪みを形成するためには、打撃力0.1〜3.9N/mm2 で、打撃数3000〜6000回/分で、使用する打撃工具において複数の棒の直径が1〜10mmの打撃工具を作動させ、打撃工具の棒に振動を加えながら往復運動をさせることによりパネル表面を連打する。
この際、打撃力は0.1〜3.9N/mm2 であれば窪みの形成は可能だが、工業生産的には好ましくは0.1〜0.2N/mm2 である。
打撃力が0.1N/mm2 未満だと軽量気泡コンクリート表面に窪みの形成は難しく、3.9N/mm2 を超えると軽量気泡コンクリート表面の圧縮強度を超えて軽量気泡コンクリートが破壊することがある。
打撃数としては3000〜6000回/分であれば窪みの形成は可能だが、工業生産的には好ましくは3000〜5000回/分である。
打撃数が3000回/分未満の場合は工業生産性を低下させ、6000回/分を超えると工業生産性は向上するが打撃工具の消耗が激しく、工業生産的に経済的ではない。
【0012】
打撃工具の動力については、上記条件を満たす物であればどのようなものでもよいが、エアー圧を利用した物や、電力を利用した物が一般的である。
軽量気泡コンクリートパネルの表面の一部又は全体に1〜130個/cm2 の窪みが存在するが、この窪みとは上記作用によりパネル表面に発生する、剥離工具の打撃跡のことを言う。
窪みの大きさは打撃工具における複数の棒の直径により決められる。例えば、打撃工具における複数の棒の直径が2mmの場合、窪みの大きさは約2mmとなり、打撃工具の棒の直径が9mmの場合、窪みの大きさは直径約9mmとなる。窪みの大きさが表面性状に与える影響は大きく、打撃工具における複数の棒の直径が1〜10mmの打撃工具を使用し得られた表面性状は粒状感のあるボツボツしたものでとなる。
【0013】
窪みの数は打撃工具の棒及び打撃工具における複数の棒の直径と打撃数により決められる。例えば、打撃工具において複数の棒の径が2mmで打撃数が4500回/分で3秒打撃した場合、窪みの個数は32個/cm2 である。
窪みを形成するための打撃工具の作動位置は任意の位置とし、作動深さも任意の位置とする。例えば、作動位置をパネルのX軸及びY軸の座標上にX1、Y1と設定し、また作動深さをZ軸の座標上にZ1と設定し、意図した凹凸模様付きの軽量気泡コンクリートパネルの化粧面の輪郭から事前に導き出した数値にて設定置を制御する。
例えば、作動位置をパネルのX軸及びY軸の座標上X1、Y1に設定する方法の一つとして、軽量気泡コンクリートパネル表面を方眼紙のように縦1mm横1mm〜縦50mm横50mmの正方形の集合体とし、これに列設させた打撃工具をどの部分で作動させるかにより制御可能である。
【0014】
更に、打撃工具の打撃径と前記正方形の打撃面積差を変化させることにより、表面の凹凸具合を変化させることも可能である。これにより深さの異なる窪みが形成された凹凸模様付き軽量気泡コンクリートパネルが得られるのである。
また、密実な円形(又は多角形)の窪み部の形状は、棒の入射角により多少変化する。
更に、密実な円形(又は多角形)の窪み部に存在する高低差は、打撃工具の衝撃力、衝撃回数、ストロークなどにより定まる。
【0015】
本発明において用いられる打撃工具としては打撃力0.1〜3.9N/mm2 、打撃数3000〜6000回/分で、使用する打撃工具において複数の棒の直径が1〜10mmを満たすものであればどのようようなものでもよい。例えば、針、ハンマー、鉄の棒、掘削機、削岩機のようなものでも良いが、工業生産性を考えた場合、多針タガネ又は単針タガネを複数使用するか、それらを併用するのが好ましい。
【0016】
前述したとおり、本発明において、打撃工具として使用する複数の棒の直径は1〜10mmであるが、棒の直径が1mm未満だと、市販の材質(例えば鉄など)の場合、変形し易く、又折れる可能性が高くなるため工業生産的に不向きである。又、棒の直径が10mmを超える場合は、得られる表面性状が粒状感のあるボツボツした凹凸模様とは言い難いものとなる。
また、打撃工具に使用する多数の棒の先端形状は、軽量気泡コンクリートパネル表面に物理的衝撃を与え、底部に円形(又は多角形)の密実な窪みを形成出来、軽量気泡コンクリートパネル本来の強度を損なわず、且つ数値制御し易いものであればどのようなものでもよいが、底部に密実な実質的に円形(または多角形)の形状をした窪みを形成させるためには接触面が実質的に円形(又は多角形)である必要がある。
【0017】
ここで、「実質的に円形」とは、真円、楕円、またはそれらに類似した円形状を意味する。以下、「底部に密実な実質的に円形の形状をした窪み」を、便宜上「密実な円形の窪み」と称する。
また「実質的に多角形」とは、三角形、四角形、六角形、またはこれらに類似した多角形状、またはこれらの形状を含む複雑な形状を意味する。以下、「底部に密実な実質的に多角形の形状をした窪み」を、便宜上「密実な多角形の窪み」と称する。
【0018】
当然のことではあるが、棒の先端形状とパネル上の窪みとの関係は、基本的には棒の先端形状がパネルの表面に転写される。接触する部分の棒の先端が鋭利になると、密実な部分の体積が小さくなり、且つ円形(又は多角形)の窪みが深く細長いものとなる。接触する部分を鈍器にすると、密実な部分の体積が大きく、且つ円形(又は多角形)の窪みが浅く太いものとなる。又、ニードルの先端が鋭利なものと鈍器なものを併用すると、軽量気泡コンクリートパネル表面に、密実な部分の体積が小さく、且つ円形(又は多角形)の窪みが深く細長いものと、密実な部分の体積が大きく、且つ円形(又は多角形)の窪みが浅く太いものを混在させることができる。
【0019】
本発明においては、先端形状が円形(又は多角形)の剥離工具の棒又は複数の棒を使用した多針タガネ、針、単針タガネ、ハンマー等を用いることにより、パネル表面に密実な円形(又は多角形)の窪みを形成させることを特徴としているが、該多針タガネ、単針タガネ、針、、ハンマー等の先端形状が円形、三角形、四角形、六角形、またはこれらを含む多角形、またはその他複雑な形状のものを複数組み合わせて用いることにより、更に意匠性に優れた軽量気泡コンクリートパネルを得ることができる。
【0020】
軽量気泡コンクリートパネル表面の密実さを表す指標として、気泡目詰まり率を使用したが、これは単位面積当たりに気泡が潰され、詰まっている個数を全体の個数で割返し、パーセント表示としたものである。そこで棒の先端形状と気泡目詰まり率との関係だが、接触する部分の棒の先端が鋭利になると、気泡目詰まり率は小さくなり、接触する部分を鈍器にすると気泡目詰まり率は大きくなる。
気泡目詰まり率と塗装との関係については、気泡が露出した部分は目詰まりした部分と比較した場合、表面積が大きいため塗料の付着量が増える。結果的に塗料の付着面積及び付着量が多いため付着強度が増し、且つ透水性能が向上する。但し、塗料の付着量が多いと言うことは、単位面積当たりの使用塗料が増えると言うことであり、ある一定の付着強度を満足させれば良い場合は経済的に考えて無駄である。
【0021】
その反対に、目詰まりした部分は表面積が小さいため塗料の付着量が少なくてすむ。結果的に、塗料の付着面積及び付着量が少ないために付着強度は落ち、且つ透水性能は低下するが、単位面積当たりの塗料の使用量は少なくてすむため、ある一定の付着強度及び透水性能を満足させればよい場合には経済的に考えて効率的である。但し、気泡目詰まり率が85%を超える場合で塗料の付着強度を満足させる場合は使用できる塗料が限られてくるため、工業生産的に不利である。
本発明において、塗料の付着強度及び透水性能を優先するか、塗料の付着量を減らし経済的効率を優先するかは、打撃工具の作動条件及び打撃工具の仕様を変化させて気泡の目詰まり率を制御することにより決めることが出来る。
【0022】
軽量気泡コンクリートパネル表面の広範囲に拡がる窪み4のテクスチャーは、気泡が押し潰されて軽量気泡コンクリート粉が重なり合って底部が密実な円形(又は多角形)の窪みになっており、その周辺は気泡が切断されて縁が変形したり、つぶれたりしている。
また窪み部自体には高低差を有し、凹凸模様となっているため、軽量気泡コンクリートパネル表面の被加工部と窪み部との明瞭なコントラストを有したものとなる。
【0023】
以上のように、本発明において、軽量気泡コンクリートパネル表面の窪みの深さを0.5〜15mm、個数を1〜130個/cm2 、大きさを約1〜10mmに制御することが可能である。これにより軽量気泡コンクリートパネルの表面性状を粒状感のあるボツボツした凹凸模様とし、消費者の望む表面性状を表現することが可能となった。
更に、各種打撃工具の作動条件及び作動位置を数値制御することにより、該パネル表面に様々な意匠性を有する軽量気泡コンクリートパネルを得ることができる。
このようにして得られた本発明の表面加工された軽量気泡コンクリートパネルの1例として図1〜図3に示している。
【0024】
更に、本発明の他の態様としてパネル表面に溝部を有する軽量気泡コンクリートパネルにおいても、前記同様の表面加工処理を施すことにより前記のパネルとは異なった意匠性を有する軽量気泡コンクリートパネルを得ることができる。
軽量気泡コンクリートパネルに加工される溝部2は、例えば、従来公知の切削工具のドリル、フライス、チップソー、リーマ、木工用のこ等を使用することにより形成することができる。
【0025】
溝部2の幅、深さは、特に限定されるものではなく、意匠、加工性から決めることができるが、幅が2〜30mm、深さが2〜50mmが一般的である。
溝部2の断面形状は、図5に示すような形状に限定されるものではなく、例えば底面部分が曲面であっても、V字型の傾斜構造であってもよいが、直線的にすると切削加工が容易である。縦方向の直線のみ、又は横方向の直線のみであっても、また縦横の直線からなるタイル調や煉瓦模様であってもよい。
溝部は、前記の表面加工を施す前に形成してもよいし、前記の表面加工を施した後に形成してもよい。
【0026】
また、パネルの端部分の形状は、溝部2と同一のものでもよく、切削加工していない比較的平坦なフラットなものでもよい。通常、軽量気泡コンクリートパネルの表面に当たる部分に存在した気泡およびその縁は切断時にピアノ線により、変形したり押し潰されたりするため、ささくれ状や押し潰された比較的平滑な重質層になっている。
【0027】
また、切削加工された表面は、気泡が露出している部分と切削工具の刃物により押し潰された重質部分とで構成されているのが一般的である。
このようにして得られた本発明の表面加工された、表面に溝部を有する軽量気泡コンクリートパネルの1例として図4〜図6に示している。
【0028】
本発明の軽量気泡コンクリートパネルにおいては、1〜130個/cm2の窪みを有し、該窪みはその底部が実質的に円形(又は多角形)で且つ気泡目詰まり率が5〜85%の範囲であって、しかもそれぞれの窪み部の深さに高低差が存在し、更に、該窪み深さはパネル表面より0.5〜15mmである化粧目地12の幅、深さは、特に限定するものではなく、意匠、加工性から決めることが出来るが、幅が2〜100mm、深さが0.1〜15mmが好ましい。
また本発明の軽量気泡コンクリートパネルにおいては、1〜130個/cm2 の窪みを有し、該窪みはその底部が実質的に円形(又は多角形)で且つ気泡目詰まり率が5〜85%の範囲であって、しかもそれぞれの窪み部の深さに高低差が存在し、更に該窪み深さはパネル表面より0.5〜15mmである化粧目地12は軽量気泡コンクリートパネル表面に縦方向の直線のみ、又は横方向の直線のみであっても、縦横の直線からなるタイル調や煉瓦模様であってもよい。
更に、該軽量気泡コンクリートパネルの端部分の形状は化粧目地12と同一のものであっても良いし、溝部2と同一のものであっても良いし、比較的平坦なフラットなものでもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、評価は次の方法により実施した。
(1)衝撃試験
実施例で得られたサンプルパネルを8枚づつ台に積み重ねワイヤーロープで固定した後、1.5Gの重力加速度をパネルの幅方向および長さ方向に3時間繰り返し与え続けた後、欠損、亀裂の有無について観察した。
【0030】
(2)塗装試験
実施例で得られたサンプルパネルを8枚づつ施工架台へ建て込み、パネル表面の下地調整を十分行った後、市販の軽量気泡コンクリートパネル用塗料をパネル表面へ下塗り、主剤吹き、上塗りの手順で吹きつけた。下塗り剤としてはNDコート下塗り(スズカファイン(株)製)を主剤としてNDコート陶石(スズカファイン(株))を上塗り剤としてNDコート上塗りを用いた。上塗り後24時間後の最終養生を終えた時点で、パネル表面の塗着状態および意匠性を目視で評価した。
【0031】
【実施例1】
図1に示すように、厚さ10cm、幅60cm、長さ200cmの軽量気泡コンクリートパネル表面に、打撃力0.17N/mm2 で打撃回数が4500回/分の打撃工具の棒に振動を加えながら往復運動をさせた打撃工具を数値制御し、表面加工をおこなった。多針タガネの先端形状は図11に示すような鈍器な円形もので、直径は8mmの物を使用した。
その結果、気泡が押し潰されて軽量気泡コンクリート粉が重なり合って密実な円形の窪みと、その周辺は気泡が切断されて縁が変形したり、つぶれたりしている気泡の切断面が露出した部分が形成された。又、密実な円形の窪みは比較的体積が大きく、且つ浅く太いものになった。
更には、窪みの個数が1.3個/cm2 で、気泡目詰まり率が70%、窪みの深さはパネル表面から8mmのもので直径約8mmの窪みが形成された粒状感のあるボツボツした表面性状を有す凹凸模様付き意匠を得ることで出来た。
【0032】
このような表面加工処理を施した軽量気泡コンクリートパネルをそれぞれ8枚ずつ用意し、積み重ねて衝撃試験を実施したところ、溝部のエッジ部側面部分で欠けや亀裂は全く発生せず、加工直後の形状を維持していた。
次に、得られた軽量気泡コンクリートパネル全てについて塗装試験及び施工試験を行った。その結果、塗装時、塗料の付着不足や塗装むらなどの発生は全く無く、また外壁として使用した場合、高低差を有した密実な円形の窪みが凹凸模様となって、通常の軽量気泡コンクリートパネルの建築物にはみられない明瞭なコントラスト、自然調のテクスチャーが得られた。
【0033】
【実施例2】
図4に示すように、厚さ10cm、幅60cm、長さ60cmの軽量気泡コンクリートパネル表面に、打撃力0.15N/mm2 で打撃回数が4400回/分で打撃工具の棒に振動を加えながら往復運動をさせた打撃工具を数値制御し、表面加工をおこなった。打撃工具の先端形状としては図12に示すような鋭利なもので、直径3mmの物を使用した。
その結果、気泡が押し潰されて軽量気泡コンクリート粉が重なり合って密実な円形の窪みと、その周辺は気泡が切断されて縁が変形したり、つぶれたりしている気泡の切断面が露出した部分が形成された。
又、密実な円形の窪みは比較的体積が小さく、且つ深く細長いものになった。
更には、パネル表面の窪みの個数は10個/cm2 で、気泡目詰まり率が35%、窪みの深さはパネル表面から12mmのものであり、パネル表面は直径約3mmの小さな窪みからなるボツボツした粒状感のある意匠となった。
【0034】
【実施例3】
図13に示すように、厚さ10cm、幅60cm、長さ60cmの軽量気泡コンクリートパネル表面に、振動しながら往復運動する打撃工具を数値制御し、表面加工を行った。棒の先端形状としては、図11に示すような鈍器なものと図12に示すような鋭利なものを併用した。
その結果、気泡が押しつぶされて軽量気泡コンクリート粉が重なり合って密実な円形の窪みと、その周辺は気泡が切断されて縁が変形したり、つぶれたりしている気泡の切断面が露出した部分が形成された。
又、密実な円形の窪みは比較的体積が大きく、且つ浅く太い物と比較的体積が小さく、且つ深く細長いものが混在したものとなった。
更に、外壁として使用した場合、凹凸な面に平滑なタイルを貼ったようなテクスチャーが得られた。
【0035】
それぞれの実施例にて得られた軽量気泡コンクリートパネルを用い、後処理として、通常の回転刃を使用して通常の加工方法で縦方向に溝部2を加工した。
このような表面加工処理を施した軽量気泡コンクリートパネルをそれぞれ8枚ずつ用意し、積み重ねて衝撃試験を実施したところ、溝部のエッジ部側面部分で欠けや亀裂は全く発生せず、加工直後の形状を維持していた。
【0036】
次に、得られた軽量気泡コンクリートパネル全てについて塗装試験及び施工試験を行った。その結果、塗装時、塗料の付着不足や塗装むらなどの発生は全く無く、また外壁として使用した場合、高低差を有した密実な円形の窪みが凹凸模様を形成し、さらにはパネル表面に設けた溝部が前記の実施例1とは異なる明瞭なコントラストを与え、自然調のテクスチャーが得られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、気泡の目詰まり率を制御することにより、塗装性能を低下させない範囲で、塗料の付着強度を優先するか、塗料の付着量を減らし経済的効率を優先するかを打撃工具の動作条件及び棒の仕様を変化させることにより決めることが出来る。
更には、パネル表面の窪みの数、窪みの大きさ、窪みの深さを任意に制御することにより、粒状感のあるボツボツした表面性状を有す凹凸模様付きの意匠性に優れた軽量気泡コンクリートパネルを提供することが可能となった。
更に、各種打撃工具の作動条件及び作動位置を制御することにより、石割、石目、岩肌、砂岩調など自然石調の表面テクスチャーの外観及び任意の凹凸模様が安価に、収率良く、生産性よく得られ、差別化、個性化、高付加価値化など、近年の建築市場ニーズに十分対応し得る軽量気泡コンクリートが得られる。
【0038】
また本発明の表面加工方法は、化粧目地として溝部を施す際の寸法、形状、及び物理的衝撃付与における数値制御の仕方によって様々なバリエーションを表現できるなど、工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の軽量気泡コンクリートパネルの1例の外観表面を模式的に示す平面図である。
【図2】図1の表面加工された軽量気泡コンクリートパネルを長手方向に直角に切断した断面図の1例である。
【図3】図1を部分拡大し模式的に示した平面図である。
【図4】本発明の軽量気泡コンクリートパネル(溝部を有する)の1例の外観表面を模式的に示す平面図である。
【図5】図4の表面加工された軽量気泡コンクリートパネルを長手方向に直角に切断した断面図の1例である。
【図6】図4の溝部と溝部との間を部分拡大し模式的に示した平面図である。
【図7】溝部を形成した軽量気泡コンクリートパネルを模式的に示す平面図(表面加工処理を施す前)である。
【図8】図7の軽量気泡コンクリートパネルを長手方向に直角に切断した断面図(表面加工処理を施す前)の1例である。
【図9】本発明の表面加工方法において軽量気泡コンクリートパネルのX軸(6)、Y軸(7)、Z軸(8)を示す図である。
【図10】(A) 本発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面加工における加工前の姿を模式的に示す断面図である。
(b) 本発明の軽量気泡コンクリートパネルの表面加工中の姿を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明の表面加工方法において使用する、鈍器な棒の1例である。
【図12】本発明の表面加工方法において使用する鋭利な棒の1例である。
【図13】本発明の軽量気泡コンクリートパネル(密実な円形の窪みが存在する化粧目地)の1例の外観表面を模式的に示す平面図である。
【図14】図13の表面加工された軽量気泡コンクリートパネルを長手方向に直角に切断した断面図の1例である。
【図15】図13の化粧目地と化粧目地との間を部分拡大し模式的に示した平面図である。
【符号の説明】
1 軽量気泡コンクリートパネル
2 溝部
3 軽量気泡コンクリートパネルの平面部
4 密実な円形の窪み
5 気泡が切断され露出した部分
6 X軸
7 Y軸
8 Z軸
9 ニードル
10 鈍器な棒
11 鋭利な棒
12 密実な円形の窪みが存在する化粧目地

Claims (4)

  1. 軽量気泡コンクリートパネルの表面の一部又は全体に1〜130個/cm2 の窪みを有し、該窪みはその底部が実質的に円形又は多角形で且つ気泡目詰まり率が5〜85%の範囲であって、しかもそれぞれの窪み部の深さに高低差が存在し、更に該窪み深さはパネル表面より0.5〜15mmであることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネル。
  2. 請求項1記載の軽量気泡コンクリートパネルにおいて、該パネル表面に化粧目地として溝加工が施された軽量気泡コンクリートパネル。
  3. 軽量気泡コンクリートパネルの表面の一部又は全体に1〜130個/cm2 の窪みを有し、該窪みはその底部が実質的に円形又は多角形で且つ気泡目詰まり率が5〜85%の範囲であって、しかもそれぞれの窪み部の深さに高低差が存在し、更に該窪み深さはパネル表面より0.5〜15mmである化粧目地が施された軽量気泡コンクリートパネル。
  4. 複数の直径1〜10mmの棒からなる打撃工具を用い、作動させる位置および作動深さを数値制御した打撃力0.1〜3.9N/mm2 、打撃数3000〜6000回/分で、軽量気泡コンクリートパネルの表面を打撃し、深さの異なる多数の窪みを形成することを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの製造方法。
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