JP2002020183A - 破砕面を有する意匠パネルおよびその製造方法 - Google Patents

破砕面を有する意匠パネルおよびその製造方法

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JP2002020183A JP2000199062A JP2000199062A JP2002020183A JP 2002020183 A JP2002020183 A JP 2002020183A JP 2000199062 A JP2000199062 A JP 2000199062A JP 2000199062 A JP2000199062 A JP 2000199062A JP 2002020183 A JP2002020183 A JP 2002020183A
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洋明 柳田
Masashi Inagaki
誠志 稲垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 破砕面を有する意匠パネルおよびその製造方
法を提供する。 【解決手段】 パネル表面が、隣接する破砕面相互に、
顕著な高低差を設けた表面加工部を有し、該表面加工部
に気泡目詰まり率が50%以上の窪みを有する軽量気泡
コンクリートパネル及びその製造方法。 【効果】 本発明によれば、(表面の細やかな粒々によ
って形成された)粒状感や細やかな陰影のある表面性状
の破砕面を隣接させ相互に顕著な高低差を設けたことに
より、該破砕面相互の境界部分に幅の広い影を連続して
形成することが出来、独特の表面性状特徴とする軽量気
泡コンクリートパネルを提供できる。又、前記表面加工
部に気泡目詰まり率50%以上の窪みを有することで、
塗料のピンホールを減少させることが出来る。更には前
記軽量気泡コンクリートパネルに打撃工具を作動させる
ことにより、効率よく製造し、提供することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は破砕面を有する意匠
パネルおよびその製造方法である。
【0002】
【従来の技術】軽量気泡コンクリートパネルは、補強鉄
筋等を内在させて補強した軽量な既製パネルであり、例
えば幅60センチ、長さ数メートルの大きなパネルとし
て知られている。この軽量気泡コンクリートパネルは、
経済性、軽量性、耐火断熱性、加工性に優れているとい
う特性を有しており、建築業界において個人住宅、店舗
付住宅、ビルディングの屋根、床、外壁、及び間仕切り
材等として多用されている。
【0003】しかし、軽量気泡コンクリートパネルは、
このように諸性質に優れた材料であるが、生産効率上、
一般にフラットな平面を持ったパネルとして生産される
為、外壁材として使用した場合、意匠性に乏しいという
問題がある。そこで、従来から、この課題を克服するた
めに、軽量気泡コンクリートパネル表面に凹凸模様を得
る方法が提案されている。例えば、特開平9−1570
56のように模様面を得る為、化粧型を半硬化状のパネ
ルに押し付けて模様を付与し、その後オートクレイブ養
生をする技術がある。
【0004】又、特公平3−29749は、加工面を得
る為、軽量気泡コンクリートパネル表面を投射材によっ
て加工するものがある。更に、特開平11−24627
6は、軽量気泡コンクリートパネル表面の任意の位置に
プレス面及び破砕面が形成されていることを特徴とする
技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6に示す、特開平9
−157056のように模様面10を得る為、化粧型9
を半硬化状のパネル15に押し付けて模様を付与し、そ
の後オートクレイブ養生をする技術があるが、得られた
表面性状は気泡が潰れて高比重かつ平滑であるため、視
覚に与える印象は平滑感があり、粒状感や細やかな陰影
のないものとなる。
【0006】又、化粧型9を半硬化状のパネル15に押
し付けて模様を付与し、その後オートクレイブ養生をす
る技術で、化粧型9を押し付けた後、化粧型を抜く際
に、抜けやすくする為、1/20程度の抜き勾配11が
発生し、模様面10相互に顕著な高低差を設けたもので
はなかった。更には、数種類の模様を作成する際、化粧
型9を数種類用意し、取り替える必要があるため、生産
効率が悪い。更に気泡目詰まり率を制御する技術ではな
かった。
【0007】又、図7に示す、特公平3−29749
は、加工面13を得る為、軽量気泡コンクリートパネル
表面を投射材によって加工するもので、加工面13は、
軽量気泡コンクリートパネル表面に気泡が露出した面と
なる。該加工面はインペラーユニットの回転によって種
々の軌跡で投射される投射材によって得られるため、比
較的平滑な面となり、このような加工を受けない非加工
面12とを平面的に配置して、模様が形成されているた
め、加工面13相互に顕著な高低差を設けたものではな
かった。
【0008】更には、表面に模様状に切り欠き部がある
型版を乗せて、該型板の表面に向けて投射材を投射する
ため、数種類の模様を作成する際、型版を数種類用意
し、取り替える必要があるため、生産効率が悪い。更に
気泡目詰まり率を制御する技術ではなかった。
【0009】更に、図8に示す、特開平11−2462
76は、軽量気泡コンクリートパネル表面の任意の位置
にプレス面14及び破砕面4が形成されていることを特
徴とし、気泡の切断面がそのまま露出した部分と押しつ
ぶされた重質層とでなっているため、得られる表面性状
は、複雑でなだらかな勾配を有したプレス面14及び破
砕面4とで自然調の意匠及び任意の模様が得られるもの
であった。すなわち、特開平11−246276では、
プレス面14及び破砕面4は、あくまでなだらかな勾配
を有するものであった。更に気泡目詰まり率を制御する
技術ではなかった。
【0010】本発明は前記課題を解決するためのもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、前記の課
題を達成したものであり、次のとおりである。 (1)表面に破砕面を有する軽量気泡コンクリートパネ
ルにおいて、隣接する破砕面相互に、顕著な高低差を設
けた表面加工部を有し、該表面加工部に目詰まり率が5
0%以上の窪みを有することを特徴とする軽量気泡コン
クリート意匠パネル。
【0012】(2)高低差が5mm〜20mmであるこ
とを特徴とする(1)に記載の軽量気泡コンクリート意
匠パネル。 (3)隣接する破砕面相互の境界部は、略垂直面である
ことを特徴とする(1)または(2)記載の軽量気泡コ
ンクリート意匠パネル。 (4)略垂直面が破砕面であることを特徴とする(3)
に記載の軽量気泡コンクリート意匠パネル。
【0013】(5)隣接する破砕面相互に、顕著な高低
差を設けた表面加工部にあって、破砕面形状が全体的に
類似であるパターン表面加工部が、2以上の部分に設け
られていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか
に記載の軽量気泡コンクリート意匠パネル。 (6)2以上の部分に設けられた前記パターン表面加工
部の対応する部分で、破砕面形状が細部において不一致
であることを特徴とする(5)に記載の軽量気泡コンク
リート意匠パネル。
【0014】(7)棒状打撃工具を用い、作動させる位
置および作動深さを数値制御して打撃力0.01〜3.
9N/mm2、打撃数2000〜7000回/分で軽量
気泡コンクリートの表面を打撃し、隣接する破砕面相互
に高低差を設けることを特徴とする(1)〜(5)のい
ずれかに記載の軽量気泡コンクリート意匠パネルの製造
方法。 (8)前記棒打撃工具の先端が鈍器であることを特徴と
する(1)〜(5)のいずれかに記載の軽量気泡コンク
リート意匠パネルの製造方法。
【0015】(9)前記棒打撃工具の先端形状が半球で
あることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載
の軽量気泡コンクリート意匠パネルの製造方法。 以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明の
軽量気泡コンクリートパネルの表面外観の例を模式的に
図1〜図5に示す。本発明における軽量気泡コンクリー
トパネルとは、次のような製造方法によって得られたも
のをいう。
【0016】例えば、石灰質原料、珪酸質原料に水、発
泡剤等が加えられたモルタルスラリーを補強筋が多数配
置された型枠に注入し、気泡を含む型枠状の大きなブロ
ックを、硬化途中の半硬化状態でピアノ線を用いて切断
し、オートクレーブ養生したものである。本発明でいう
軽量気泡コンクリートパネルは、気泡を含有するものな
ら、どのような形状のものも含み、建物の床、屋根、間
仕切材として使用されるフラットパネル、外壁の出隅部
に利用されるL字型、R型のコーナーパネル、補強筋の
形状やオートクレーブ養生後のパネルの切削加工によっ
て所定の形状に製造されるものが挙げられる。
【0017】本発明における破砕面の表面性状は、凹凸
で、気泡の切断面がそのまま露出した部分と押しつぶさ
れた重質層とが存在し、視覚に与える印象は、表面が細
やかな粒々によって形成された、粒状感や細やかな陰影
を有したものとなる。本発明における窪みとは前記破砕
面に意図的に形成されたもので、破砕面において、軽量
気泡コンクリートのピアノ線で切断された面からみて、
凹状になっているものであり、平面的にみて比較的円形
に近い形状のもので、気泡が押しつぶされた重質層の割
合が比較的多い部分を言う。
【0018】本発明において気泡目詰まり率とは、窪み
の存在する表面加工部の単位面積(100cm2)当た
り、表面に露出した気泡のうち、潰され、粉が詰まって
いる個数を全体の個数で割返し、パーセント表示とした
ものであり、本発明では、表面加工部の任意の箇所で気
泡目詰まり率50%以上を満足すればよい。目詰まりの
判定は、気泡容積の70%以上が粉で埋まっているもの
を目詰まりとカウントする。
【0019】本発明における隣接する破砕面とは、前記
した破砕面が、軽量気泡コンクリートパネルのピアノ線
で切断された面からみて、平行に位置し、該破砕面が隣
接して存在している面を言う。又、隣接する破砕面相互
に、顕著な高低差を設けた表面加工部とは前記隣接する
破砕面相互が軽量気泡コンクリートパネルのピアノ線で
切断された面からみて、垂直方向に対しての距離の差が
顕著な表面加工部を言う。更には、高低差が5mm〜2
0mmとは前記距離の差が5mm〜20mmのものを言
う。この場合、高低差の範囲は好ましくは5mm〜20
mmであるが、意匠上より好ましくは7〜20mmの範
囲である。
【0020】本発明における略垂直面とは、前記隣接す
る破砕面相互の境界部が、前記表面加工部からみて、軽
量気泡コンクリートパネルのピアノ線で切断された方向
に約80度〜100度の角度で垂直に存在するものであ
り、略垂直面が破砕面とは前記略垂直面が前記破砕面で
あることを言う。本発明における破砕面形状が全体的に
類似であるパターン表面加工部とは、破砕面相互の境界
に連続して形成される幅の広い影のレベルで破砕面の程
度が類似であり、ある一定のパターンを形成した表面加
工部のことを言う。又、本発明における破砕面形状が細
部において不一致とは、破砕面表面の細やかな粒々によ
って形成される粒状感や細やかな陰影レベルで破砕面の
程度差を有することを言う。
【0021】ここで本発明の第1、2、3、4、5およ
び6発明について説明する。本発明(第1、2発明)で
は、隣接する破砕面相互に顕著な高低差(好ましくは5
mm〜20mm)を設けたため、該破砕面相互の境界部
分に幅の広い影を連続して形成することが出来、破砕面
相互の境界を明確に際だたせることが可能となった。
又、隣接する破砕面相互に顕著な高低差を設けた表面加
工部に窪みを有することにより、(表面の細やかな粒々
によって形成された)粒状感や細やかな陰影を表面性状
とする破砕面を、該境界を挟んで隣接させることによ
り、ダイナミックで情感にあふれる独特の表面性状を得
ることが初めて可能となった。又、該窪みの目詰まり率
を50%以上にすることにより、塗料のピンホールを減
少させることに成功した。
【0022】更には、本発明(第3発明)は、第1、2
発明の構成に加え、隣接する破砕面相互の境界を略垂直
面で構成した場合、破砕面相互の境界に連続して形成さ
れる幅の広い影を、更に明確にすることが可能となり、
よりダイナミックで情感にあふれる独特の表面性状を得
ることが可能となる。また、該略垂直面を破砕面(第4
発明)で構成した場合、破砕面の(表面の細やかな粒々
によって形成された)粒状感や細やかな陰影を、前述し
た破砕面相互の境界に連続して形成される幅の広い影そ
のものにも付与させることが可能となり、ダイナミック
で情感にあふれる独特の表面性状でありながらも、隣接
する破砕面相互の境界部分も含め、全体に自然調の風合
いを表現することが可能となる。
【0023】更には、第1、2、3、4発明の構成に加
え、表面加工部の破砕面形状が全体的に類似であるパタ
ーン表面加工部を、2以上の部分に設けた構成(第5発
明)とした場合、ユニティー(統一)、レペティション
(反復)、シンメトリー(対象)、バランス(均衡)、
ハーモニー(調和)、プロポーション(比率)、コント
ラスト(対比)などの美の形式原理を生かし、ダイナミ
ックで情感にあふれる独特の表面性状でありながらも、
壁材としての統一した美を表現することが可能となる。
【0024】更には2以上の前記パターン表面加工部の
対応する部分で、破砕面形状が細部において不一致(第
6発明)とした場合、表面性状は、ほぼ完全に同一の加
工形状を繰り返すといった画一的な工業製品の印象を排
除し、いわゆる細部においての不規則性・無作為性を有
した自然な感じがする表面性状と出来る。本発明の製造
方法は、棒状打撃工具を用い、作動させる位置および作
動深さを数値制御して打撃力0.01〜3.9N/mm
2、打撃数2000〜7000回/分で軽量気泡コンク
リートの表面を打撃し、隣接する破砕面相互に高低差を
設けることを特徴とする。
【0025】この際、打撃力は0.01〜3.9N/m
2であれば隣接する破砕面相互に高低差を設けること
は可能であるが、工業生産的に好ましくは0.1〜0.
2N/mm2である。打撃力が0.01N/mm2未満だ
と軽量気泡コンクリート表面の隣接する破砕面相互に高
低差を設けることが難しく、3.9N/mm2を超える
と軽量気泡コンクリート表面の圧縮強度を超えて軽量気
泡コンクリートが破壊することがある。
【0026】打撃数としては、2000〜7000回/
分であれば隣接する破砕面相互に高低差を設けることは
可能だが工業生産的に好ましくは3000〜5000回
/分である。打撃数が2000回/分未満の場合は著し
く工業生産性を低下させるし、7000回/分を超える
と工業生産性は向上するが打撃工具の消耗が激しく、工
業生産的に経済的ではない。用いられる棒状打撃工具と
しては、打撃力0.01〜3.9N/mm2、打撃数2
000〜7000回/分を満たすものであればどのよう
ようなものでもよいが、例えば、針、ハンマー、鉄の
棒、掘削機、削岩機のようなものでも良いが、工業生産
性を考えた場合、単針タガネ又は多針タガネを使用する
か、それらを併用するのが好ましい。
【0027】棒状打撃工具の動力については、前記条件
を満たす物であればどのようなものでもよいが、エアー
圧を利用した物や、電力を利用した物が一般的である。
棒状打撃工具の棒の形状は前記条件を満たすものであれ
ばどのようなものでもよいが、円筒状のものが一般的で
ある。又、棒状打撃工具の大きさだが、直径1mm〜5
0mmが一般的であり、好ましくは2mm〜10mmで
ある。棒状打撃工具の先端形状は鋭利で、気泡目詰まり
率を50%未満に出来るものであればどのようなもので
もよいが、好ましくは半球であり、そうすることによっ
て気泡目詰まり率を50%以上にすることが容易であ
る。
【0028】本発明における作動深さとは棒状打撃工具
が作動する時の、軽量気泡コンクリートパネルのピアノ
線で切断された面からみて、垂直方向の深さである。こ
こで本発明の製造方法(第7、8、9発明)を簡単に説
明する。
【0029】本発明(第7発明)は、棒状打撃工具を用
い、作動させる位置および作動深さを数値制御して打撃
力0.01〜3.9N/mm2、打撃数2000〜70
00回/分で軽量気泡コンクリートの表面を打撃し、軽
量気泡コンクリートパネル表面の隣接する2箇所で作動
深さに高低差を設けた場合、隣接する破砕面相互に顕著
な高低差を設けることができ、また隣接する破砕面相互
の境界部を略鉛直面とすることもでき、さらには、パネ
ル面の位置に応じて任意の作動深さあるいは作動強さで
作動させることで破砕面高さを調整することが可能であ
るため、表面加工部の破砕面形状が全体的に類似である
パターン表面加工部を2以上の部分に設けることも可能
となる。
【0030】また、製造上、打撃工具の作動のみをコン
トロールするだけでよく、化粧型や型板を使用及び取り
替えをせずに、破砕面模様を形成できるので、非常に生
産効率がよく、ダイナミックで情感にあふれる独特の表
面性状を形成することができ、また壁材としての統一し
た美を表現することも可能となる。又、前記打撃工具の
打撃数を増減させたり、あるいは打撃力に強弱を設け作
動せることにより一定の作動深さで、隣接する破砕面相
互に高低差を設けることが可能である。
【0031】又、第7発明の構成にくわえ、棒状打撃工
具の先端を鋭利にした場合(第8発明)、更には棒状打
撃工具の先端形状をテーパーにし、且つ該先端の厚みを
1mm未満(第9発明)とした場合、気泡目詰まり率を
50%以上にすることが容易になり、塗料のピンホール
を減少させることが可能になる。前記棒状打撃工具の先
端部が平面的にブレがあるように構成することにより、
打撃工具の作動深さ、打撃回数あるいは打撃強さを同一
としても、細部破砕加工においての不規則性・無作為性
を有することになり、2以上の前記パターン表面加工部
の対応する部分で、破砕面形状が細部において不一致で
ある軽量気泡コンクリートパネルを製造することが出来
る。
【0032】
【発明の実施の形態】
【0033】
【実施例1】図1〜4に示すように、厚さ12.5c
m、幅60cm、長さ200cmの軽量気泡コンクリー
トパネル表面に、棒状打撃工具を意図する意匠の輪郭よ
り事前に導きだした位置で、打撃力0.2N/mm2、打
撃数4500回/分で作動させ棒状打撃工具を任意の位
置で作動させ、表面加工をおこなった。又、その時の棒
状打撃工具の先端形状は半球であった。
【0034】その結果、隣接する破砕面相互の5mmの
高低差を設けた表面加工部を有し、且つ該表面加工部に
存在する窪みの気泡目詰まり率が76%の意匠パネルが
得られた。又、破砕面相互の境界部分に幅の広い影を連
続して形成することが出来、破砕面相互の境界が明確に
際だち、(表面の細やかな粒々によって形成された)粒
状感や細やかな陰影のある表面性状の破砕面が、該境界
を挟んで隣接しているため、ダイナミックで情感にあふ
れる独特の表面性状を得ることが出来た。更に、破砕面
相互の境界が略垂直面で且つ破砕面であるため、破砕面
相互の境界に連続して形成される幅の広い影を、更に明
確にすることが可能となり、よりダイナミックで情感に
あふれる独特の表面性状を得ることが出来た。
【0035】更に、表面加工部の破砕面形状が全体的に
類似であるパターン表面加工部を、図1に示すように6
部分に設けた構成としたため、レペティション(反
復)、バランス(均衡)、ハーモニー(調和)、プロポ
ーション(比率)、コントラスト(対比)などの美の形
式原理を生かし、ダイナミックで情感にあふれる独特の
表面性状でありながらも、壁材としての統一した美を表
現することが出来た。
【0036】次に、得られた軽量気泡コンクリートパネ
ル全てについて塗装試験及び施工試験を行った。その結
果、塗装時、塗料の付着不足や塗装むらなどの発生は全
く無く、又、塗料のピンホールは通常の意匠パネルと比
較し減少していた。更には外壁として使用した場合、通
常の軽量気泡コンクリートパネルの建築物にはみられな
い明瞭なコントラスト、自然調のテクスチャーが得られ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明(第1、2発明)では、隣接する
破砕面相互に顕著な高低差(好ましくは5mm〜20m
m)を設けたため、該破砕面相互の境界部分に幅の広い
影を連続して形成することが出来、破砕面相互の境界が
明確に際だち、(表面の細やかな粒々によって形成され
た)粒状感や細やかな陰影のある表面性状の破砕面を、
該境界を挟んで隣接させることにより、ダイナミックで
情感にあふれる独特の表面性状を得ることが初めて可能
となった。又、該隣接する破砕面相互に顕著な高低差a
を設けた表面加工部に気泡目詰まり率が50%以上の窪
みを有したことにより、塗料のピンホールが減少した。
【0038】更には、本発明(第3発明)は、第1、2
発明の構成に加え、隣接する破砕面相互の境界を略垂直
面で構成した場合、破砕面相互の境界に連続して形成さ
れる幅の広い影を、更に明確にすることが可能となり、
よりダイナミックで情感にあふれる独特の表面性状を得
ることが可能となる。また、該略垂直面を破砕面(第4
発明)で構成した場合、破砕面表面の細やかな粒々によ
って形成される粒状感や細やかな陰影を、前述した破砕
面相互の境界に連続して形成される幅の広い影そのもの
にも付与させることが可能となり、ダイナミックで情感
にあふれる独特の表面性状でありながらも、隣接する破
砕面相互の境界部分も含め、全体に自然調の風合いを表
現することが可能となる。
【0039】更には、第1、2、3、4発明の構成に加
え、表面加工部の破砕面形状が全体的に類似であるパタ
ーン表面加工部を、2以上の部分に設けた構成(第5発
明)とした場合、ユニティー(統一)、レペティション
(反復)、シンメトリー(対象)、バランス(均衡)、
ハーモニー(調和)、プロポーション(比率)、コント
ラスト(対比)などの美の形式原理を生かし、ダイナミ
ックで情感にあふれる独特の表面性状でありながらも、
壁材としての統一した美を表現することが可能となる。
【0040】更には2以上の前記パターン表面加工部の
対応する部分で、破砕面形状が細部において不一致(第
6発明)とした場合、表面性状は、ほぼ完全に同一の加
工形状を繰り返すといった画一的な工業製品の印象を排
除し、いわゆる細部においての不規則性・無作為性を有
した自然な感じがする表面性状と出来る。 直径1〜1
0mmの棒からなる打撃工具を用い、作動させる位置お
よび作動深さを数値制御して打撃力0.01〜3.9N
/mm2、打撃数2000〜7000回/分で軽量気泡
コンクリートの表面を打撃し、軽量気泡コンクリートパ
ネル表面の隣接する2箇所で作動深さに高低差を設ける
ことにより、隣接する破砕面相互に顕著な高低差を設け
ることができ、また隣接する破砕面相互の境界部を略鉛
直面とすることもでき、さらには、パネル面の位置に応
じて任意の作動深さあるいは作動強さで作動させること
で破砕面高さを調整することが可能であるため、表面加
工部の破砕面形状が全体的に類似であるパターン表面加
工部を2以上の部分に設けることも可能となる。
【0041】また、製造上、打撃工具の作動のみをコン
トロールするだけでよく、化粧型や型板を使用及び取り
替えをせずに、破砕面模様を形成できるので、非常に生
産効率がよく、ダイナミックで情感にあふれる独特の表
面性状を形成することができ、また壁材としての統一し
た美を表現することも可能となる。また、前記打撃工具
の打撃数を増減させたり、あるいは打撃力に強弱を設け
作動せることにより一定の作動深さで、隣接する破砕面
相互に高低差を設けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で得られた軽量気泡コンクリー
トパネルの外観表面を模式的に示す平面図である。
【図2】図1を部分的に拡大し模式的に示した平面図で
ある。
【図3】図1のAA’線拡大断面図である。
【図4】図2のBB’線拡大断面図である。
【図5】本発明の表面加工方法の1例を示す説明図であ
る。
【図6】従来の技術(特開平9−157056の図1)
の説明図である。
【図7】従来の技術(特公平3−29749の図2)の
説明図である。
【図8】従来の技術(特開平11−246276の図1
1)の説明図である。
【符号の説明】
1 軽量気泡コンクリートパネル 2 軽量気泡コンクリートパネルのピアノ線で切断され
た面 3 軽量気泡コンクリートパネルの平面部 4 破砕面 5 顕著な高低差 6 隣接する破砕面相互の境界部 7 隣接する破砕面に、顕著な高低差を設けた表面加工
部 8 棒状打撃工具 9 化粧型 10 模様面 11 抜き勾配 12 非加工面 13 加工面 14 プレス面 15 半硬化状のパネル 16 窪み

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に破砕面を有する軽量気泡コンクリ
    ートパネルにおいて、隣接する破砕面相互に、顕著な高
    低差を設けた表面加工部を有し、該表面加工部に気泡目
    詰まり率が50%以上の窪みを有することを特徴とする
    軽量気泡コンクリート意匠パネル。
  2. 【請求項2】 高低差が5mm〜20mmであることを
    特徴とする請求項1に記載の軽量気泡コンクリート意匠
    パネル。
  3. 【請求項3】 隣接する破砕面相互の境界部は、略垂直
    面であることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の軽量気泡コンクリート意匠パネル。
  4. 【請求項4】 略垂直面が破砕面であることを特徴とす
    る請求項3に記載の軽量気泡コンクリート意匠パネル。
  5. 【請求項5】 隣接する破砕面相互に、顕著な高低差を
    設けた表面加工部にあって、破砕面形状が全体的に類似
    であるパターン表面加工部が、2以上の部分に設けられ
    ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の軽量気泡コンクリート意匠パネル
  6. 【請求項6】 2以上の部分に設けられた前記パターン
    表面加工部の対応する部分で、破砕面形状が細部におい
    て不一致であることを特徴とする請求項5に記載の軽量
    気泡コンクリート意匠パネル。
  7. 【請求項7】 棒状打撃工具を用い、作動させる位置お
    よび作動深さを数値制御して打撃力0.01〜3.9N
    /mm2、打撃数2000〜7000回/分で軽量気泡
    コンクリートの表面を打撃し、隣接する破砕面相互に高
    低差を設けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の軽量気泡コンクリート意匠パネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記棒打撃工具の先端が鈍器であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の軽量気泡
    コンクリート意匠パネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記棒打撃工具の先端形状が半球である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の軽量
    気泡コンクリート意匠パネルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11246276A (ja) * 1998-03-05 1999-09-14 Asahi Chem Ind Co Ltd 軽量気泡コンクリートパネル及びその表面加工方法
JP2000169264A (ja) * 1998-09-28 2000-06-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 表面加工された軽量気泡コンクリートパネル

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