JPH11253969A - アルカリ性産業廃棄物のpH低下剤およびそれを用いたpH低下方法 - Google Patents

アルカリ性産業廃棄物のpH低下剤およびそれを用いたpH低下方法

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JPH11253969A
JPH11253969A JP6515398A JP6515398A JPH11253969A JP H11253969 A JPH11253969 A JP H11253969A JP 6515398 A JP6515398 A JP 6515398A JP 6515398 A JP6515398 A JP 6515398A JP H11253969 A JPH11253969 A JP H11253969A
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carbonate
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JP6515398A
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Tadao Toyama
忠夫 登山
Kenji Kunichika
健二 国近
Atsushi Sakamoto
敦 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ性産業廃棄物のpH低減処理の際、
カスが発生しにくいpH低下剤及びその処理方法を提供
する。特に、ケイ酸塩のゲル化やポリマーの析出による
カスが発生せず、安定して、確実にpHを下げることが
できる感光性平版印刷版現像処理廃液のpH低下剤、お
よびそれを用いた現像処理廃液のpH低下方法を提供す
る。また、感光性平版印刷版の現像処理廃液の簡便なp
H低下方法を提供する。 【解決手段】 炭酸塩及び固体酸を含有することを特徴
とする、pHが12.5以上のアルカリ性産業廃棄物の
固形pH低下剤;pHが12.5以上のアルカリ性廃液
のpHを下げる方法であって、該廃液に請求項1記載の
pH低下剤を添加することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ性産業廃棄
物の廃液処理に用いる固形pH低下剤、及びアルカリ性
廃液のpH低下方法に関するものであり、特に感光性平
版印刷版の現像廃液の処理に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、銀塩感材、感光性平版印刷版、
フォトレジスト等には高pHの現像液が用いられてお
り、pH12.5以上の現像廃液が排出されている。こ
の他にも、金属表面処理廃液や繊維工業分野などで高p
Hのアルカリ性廃液が排出されている。近年、環境問題
がクローズアップされる中、これら高pH廃液に関して
も、事業所から廃液回収処理業者に引き渡される前にp
Hを下げ、安全性を上げることが望まれており、また法
規制も強まってきている。かかるpH低下剤としては、
硫酸、燐酸、塩酸および硝酸等の鉱酸が一般的に用いら
れているが、これら鉱酸も非常に危険な薬品であり、安
全性に問題があった。
【0003】更に、これら鉱酸を用いた場合、安全性以
外にも種々問題があった。具体例として、感光性平版印
刷版の現像廃液について詳しい説明を加える。従来よ
り、広く使用されているポジ型感光性平版印刷版は支持
体としてのアルミニウム板上にo−キノンジアジド化合
物からなる感光層を設けたものである。o−キノンジア
ジド化合物は紫外線露光によりカルボン酸に変化するこ
とが知られており、従って、これをアルカリ水溶液で現
像すると当該感光層の露光部のみが除去されて支持体表
面が露出する。アルミニウム支持体の表面は親水性なの
で現像で支持体の表面が露出された部分(非画像部)は
水を保持して油性インキを反発する。一方、現像によっ
て感光層の除去されなかった領域(画像部)は、親油性
なので水を反発し、インキを受け付ける。かかるポジ型
感光性平版印刷版の現像液として使用されるアルカリ水
溶液は、種々のものが知られているが、最も好ましいの
は珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸塩水溶液であ
る。その理由は珪酸塩の成分である酸化珪素SiO2
アルカリ金属酸化物M2 Oの比率(一般に[SiO2
/[M2 O]のモル比で表す)と濃度によってある程度
現像性の調節が可能とされるためである。
【0004】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、感光性平版印刷版用の自動現像
機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に感
光性平版印刷版を搬送する装置と、現像液槽およびスプ
レ−装置からなり、露光済みの感光性平版印刷版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた現像液をスプレ−
ノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、
最近は現像液が満たされた現像処理槽中に液中ガイドロ
−ルなどによって感光性平版印刷版を浸漬搬送させて現
像処理する方法も知られている。かかる自動現像機を用
いて、ポジ型感光性平版印刷版を現像する場合に、現像
液としてSiO2 /Na2 Oのモル比が1.0〜1.5
(即ち[SiO2 ]/[Na2 O]が1.0〜1.5)
であって、SiO2 の含有量が1〜4重量%のケイ酸ナ
トリウムの水溶液を使用し、しかもポジ型感光性平版印
刷版の処理量に応じて連続的または断続的にSiO2
Na2 Oのモル比が0.5〜1.5(即ち[SiO2
/[Na2 O]が0.5〜1.5)の珪酸ナトリウム水
溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間
タンク中の現像液を交換する事なく、多量のポジ型感光
性平版印刷版を処理することができる旨、特開昭54−
62004号公報に開示されている。また、特公昭57
−7427号公報は、[SiO2 ]/[M]が0.5〜
0.75(即ち[SiO2 ]/[M2 O]が1.0〜
1.5)であって、SiO2 の濃度が1〜4重量%であ
るアルカリ金属珪酸塩の現像液を用い、補充液として用
いるアルカリ金属ケイ酸塩の[SiO2 ]/[M]が
0.25〜0.75(即ち[SiO2 ]/[M2 O]が
0.5〜1.5)であり、かつ該現像液および該補充液
のいずれもがその中に存在する全アルカリ金属のグラム
原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有し
ていることことからなる現像方法を開示している。
【0005】一方、これらのケイ酸塩は上述のポジ型感
光性平版印刷版だけでなく、特公昭56−14970号
公報記載のo−キノンジアジド感光層を用いた反転型ネ
ガ型感光性平版印刷版や、アルカリ可溶性ジアゾニウム
塩を感光層に用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液お
よびジメチルマレイミド基を側鎖に含む樹脂を光架橋剤
とする感光層を用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液
としても好ましく用いられ、特にネガ型・ポジ型感光性
平版印刷版の共通処理用現像液としても用いられてき
た。更に、アルゴンレーザーやYAGレーザーなどの可
視光レーザーで走査露光可能な光重合型感光性平版印刷
版用の現像液としても用いられてきた。近年、レーザー
技術の発展はめざましく、特に近赤外から赤外に発光領
域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の
ものが容易に入手できるようになっている。これらはコ
ンピュータなどのデジタルデータから直接製版する際の
露光光源として非常に有用になってきている。これに伴
い、赤外線レーザーにより直接描き込み可能な感光性平
版印刷版(以後これを赤外線感光性平版印刷版と称す)
が用いられるようになってきた。かかる赤外線感光性平
版印刷版用現像液としては、上記のアルカリ性水溶液が
一般的に用いられている。中でも、珪酸アルカリ金属塩
が上記の理由で用いられている。
【0006】しかしながら、これらのケイ酸塩からなる
現像液は一般にpHが12.5以上の強アルカリであり
その廃液の取り扱いには危険が伴っていた。そのため、
現像後の水洗水を現像廃液に混ぜてアルカリ性を弱めた
り、またリンス液及び不感脂化液などの酸性の廃液を混
合して現像廃液のpHを下げるなど公知の方法が知られ
ているが、それによるpHの低下は僅かで、尚危険性は
残っていた。この問題を解決するために現像廃液を硫酸
や塩酸などの鉱酸で中和処理する方法が一部で行われて
いるが、中和処理時に局部的にpHが下がると不溶性の
シリカゲルの生成や現像液に溶出した感光層ポリマーの
析出が起こり、その後の廃液処理を難しくしていた。こ
れを避けるために、現像廃液を水で高希釈したのち、中
和処理する方法が一部で行われているが、廃液容量が大
幅に増え、処理設備も大型になるので、中小の製版・印
刷業者でこのような設備を持つことは難しかった。
【0007】かかる問題を解決する手段として、特開平
6−222565号公報には、現像廃液に炭酸ガスを吹
き込む方法、および例えば蓚酸、酒石酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルファニル酸、硫酸水素ナトリウム等の
炭酸を除く酸又はその塩を用いてpHを下げる方法が、
特開平6−250398号公報には、酸解離定数9〜1
1の有機化合物を、特開平6−258845号公報に
は、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、亜リン酸、エチレ
ンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)等の酸性酸化
リン化合物を、特開平6−258846号公報には、炭
酸水素アルカリ金属及びアンモニウム塩、及び炭酸二ア
ンモニウムをpH低下剤として用いる方法が、また、特
開平6−273938号公報には、感光性平版印刷版の
現像処理廃液に、1.0重量%水溶液のpHが6.0〜
11.5の水素塩を添加する、pH低下方法が、特開平
7−49574号公報には、平版印刷版のアルカリ性処
理廃液中に少なくとも二酸化炭素を含有する気体を吹き
込む処理方法が、特開平7−232181号公報には、
炭酸水素塩及び炭酸塩を含有する水溶液を添加する現像
処理廃液のpH低下方法が、更には特開平7−2463
91号公報には、珪酸塩を含む現像廃液を、酸解離定数
pK値が11.5以上、pH値が7.5〜10.0、現
像廃液1リットル当たりの添加量が120ml以下の条
件を満たすpH低下剤を用いてpH値を12.5以下に
する方法が開示されている。
【0008】しかしながら、これらのpH低下剤を用い
た方法においても、シリカゲルの生成やバインダーポリ
マーの析出の危険が高く、例えば固体のpH低下剤を用
いる場合は、現像廃液を高速で撹拌し、廃液中に均一に
溶解する必要があり、液ハネの危険が増し、撹拌装置の
設置や片づけなど煩雑さが増した。また、これらのpH
低下剤を水に溶かして現像廃液に加える場合は、シリカ
ゲルやバインダー析出の危険は和らぐが、廃液量がその
分増えて、処理コストが増した。一方、特開平8−16
0631号公報や特開平8−234447号公報には非
珪酸塩現像液が開示されている。これらの現像液を用い
ることにより、廃液のpH低下時のシリカゲルによるト
ラブルからは解放される。中でも好ましい例としては、
特開平8−305039号記載の、非還元糖から選ばれ
る少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基か
らなる現像液が挙げられる。 しかしながら、これら非
珪酸塩系現像液に代えることによっても尚、バインダー
ポリマーの析出によるヘドロの発生が問題として残っ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アルカリ性産業廃棄物のpH低減処理の際、カスが
発生しにくいpH低下剤及びその処理方法を提供するこ
とである。特に、本発明の目的はケイ酸塩のゲル化やポ
リマーの析出によるカスが発生せず、安定して、確実に
pHを下げることができる感光性平版印刷版現像処理廃
液のpH低下剤、およびそれを用いた現像処理廃液のp
H低下方法を提供することである。本発明の他の目的は
また、感光性平版印刷版の現像処理廃液の簡便なpH低
下方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意検討を重ねた結果、炭酸塩と固体酸の混合
物が高pHのアルカリ液中でも炭酸ガスを発生し、pH
を下げることを見いだし、本発明を成すに至ったもので
ある。即ち本発明は、下記(1)〜(3)のアルカリ性
産業廃棄物のpH低下剤及びpH低下方法である。 (1)炭酸塩及び固体酸を含有することを特徴とする、
pHが12.5以上のアルカリ性産業廃棄物の固形pH
低下剤; (2)アルカリ性産業廃棄物が感光性平版印刷版を現像
処理した廃液を含むことを特徴とする、上記の固形pH
低下剤; (3)pHが12.5以上のアルカリ性廃液のpHを下
げる方法であって、該廃液に上記のpH低下剤を添加す
ることを特徴とする方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明のpH低下剤および
それを用いたpH低下方法について詳しく述べる。 [pH低下剤]本発明の固形pH低下剤は少なくとも一
種の炭酸塩と固体酸を含有する。 [炭酸塩]かかる炭酸塩としては、炭酸のアルカリ金属
塩及びアンモニウム塩が挙げられ、具体的には、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ア
ンモニウム、炭酸水素アンモニウムなどがある。これら
の中でナトリウム塩が安価であり好ましい。 [固体酸]かかる固体酸とは、炭酸より酸性が強く30
℃以下で固体の酸である。具体例として蓚酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、
フマル酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、スルホコハク
酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸及びフタル酸などのカルボン酸、p−
トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホ
ン酸が挙げられる。これらの固体酸の中でフマル酸、コ
ハク酸、アジピン酸、クエン酸、リンゴ酸等が安価であ
り好ましい。
【0012】本発明の固形pH低下剤は、炭酸塩と固体
酸とを混合した粉体、顆粒、ペレット及び錠剤といった
形態をとることができる。このうち取り扱い上最も好ま
しいのは錠剤である。炭酸塩と固体酸の混合比は炭酸塩
1モルに対して固体酸0.1〜10モルの範囲が好まし
く、より好ましくは0.4〜5モルの範囲である。固体
酸の量がこの範囲より小さいとアルカリ性廃液に加えた
とき、炭酸塩の周辺のpHが下がらず炭酸ガスが発生し
にくい。また、この範囲より固体酸の量が大きい場合
は、炭酸ガスの発生効率は良いが、固体酸の溶解によっ
て局所的にpHが下がりすぎるためか、カスが発生す
る。
【0013】[その他の添加剤]本発明の固形pH低下
剤には、場合により、公知のpH低下剤に用いられてい
る酸性化合物を助剤として併用することができる。かか
る酸性化合物としては、スルファニル酸、硫酸水素ナト
リウム等の炭酸を除く酸又はその塩、特開平6−250
398号公報記載の、酸解離定数9〜11の有機化合
物、特開平6−258845号公報記載の、ピロリン
酸、ヘキサメタリン酸、亜リン酸、エチレンジアミンテ
トラ(メチレンホスホン酸)等の酸性酸化リン化合物、
特開平6−258846号公報記載の、炭酸水素アルカ
リ金属及びアンモニウム塩、及び炭酸二アンモニウム、
また、特開平6−273938号公報記載の1.0重量
%水溶液のpHが6.0〜11.5の水素塩が挙げられ
る。
【0014】更に本発明の固形pH低下剤には、溶解促
進や、錠剤化のために種々添加剤を加えても良い。かか
る添加剤としては、グルコース(ブドウ糖)、フルクト
ース(果糖)、ガラクトース、キシロース、マンノー
ス、マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)などの
還元糖が挙げられる。これらの還元糖類の中で、グルコ
ース、フルクトース、マルトース、ラクトースが比較的
安価であり好ましい。特に好ましいのは、グルコースと
ラクトースである。
【0015】更には、例えば、デキストリン、ステラビ
ック、ストラクタン、アルギン酸塩類、ポリアクリル酸
塩類、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、カルボキシアルキルセルロース塩、大豆のオカラか
ら抽出した水溶性多糖類が好ましく、また、プルランま
たはプルラン誘導体、ポリビニルアルコールも好まし
い。さらに、変成澱粉誘導体としてブリティッシュガム
等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャーディンガ
ーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可溶化澱粉
に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉および無変
成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐酸澱粉、
脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉お
よびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシ
アルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアル
キル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱
粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等の
エーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアル
キル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等
の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポ
リアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、
澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポ
リアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニル
ポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合
体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプ
ロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体が好ましい。
また天然高分子化合物としては、かんしょ澱粉、ばれい
しょ澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉およびコーンスター
チ等の澱粉類、カラジーナン、ラミナラン、海ソウマン
ナン、ふのり、アイリッシュモス、寒天およびアルギン
酸ナトリウム等の藻類から得られるもの、トロロアオ
イ、マンナン、クインスシード、ペクチン、トラガカン
トガム、カラヤガム、キサンチンガム、グアービンガ
ム、ローカストビンガム、キャロブガム、ベンゾインガ
ム等の植物性粘質物、デキストラン、グルカン、レバン
等のホモ多糖ならびにサクシノグルカンおよびサンタン
ガム等の水溶性樹脂が錠剤の結合剤として加えることが
できる。
【0016】本発明の固形pH低下剤には更に必要に応
じて、硬水軟化剤、界面活性剤、防腐剤、着色剤及び香
料などを加えることができる。中でも、pH低減処理時
のカス分散剤として界面活性剤や硬水軟化剤を加えてお
くことが好ましい。かかる界面活性剤としては、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤お
よびノニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活
性剤としては脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩類、ジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直鎖
アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベン
ゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルス
ルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェ
ニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリン
ナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド
二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ
油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エス
テル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグ
リセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アル
キル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マ
レイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水
マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスル
ホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの
中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エ
ステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類およ
びα−オレフィンスルホン酸塩類、ジフェニルエーテル
ジスルホン酸塩類、が特に好ましく用いられる。
【0017】カチオン界面活性剤としては、アルキルア
ミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。
両性界面活性剤としては、アルキルカルボキシベタイン
類、アルキルイミダゾリン類、アルキルアミノカルボン
酸類等が用いられる。ノニオン界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン
ポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エス
テル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エ
ステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチ
レン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪
酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリプロピ
レングリコールの分子量200〜5000、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン又はソルビトールのポリオキ
シエチレン又はポリオキシプロピレンの付加物、アセチ
レングリコール系等が挙げられる。又、弗素系、シリコ
ン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができ
る。該界面活性剤は二種以上併用することができる。
【0018】硬水軟化剤の具体例としては、例えば、エ
チレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナト
リウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリ
ウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘ
キサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロ
キシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリ
ウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン
酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ
(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリ
ウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノ
アルカントリカルボン酸類を挙げることが出来る。上記
キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機ア
ミンの塩も有効である。炭酸塩と固体酸以外の上記添加
剤の総添加量は固形pH低下剤全重量に対して30重量
%以内が適当であり、より好ましくは10重量%以内で
ある。
【0019】炭酸塩と固体酸、及び任意に添加剤を用い
て顆粒、錠剤あるいはペレットに成形する方法は常法に
従って行うことができる。例えば、複数個の穴(臼)を
有する回転盤と各穴に対応した下杵及び上杵を備えた錠
剤成形器を用い、炭酸塩、固体酸及び任意の添加剤から
なる混合粉末を供給し、上下の杵で圧縮することにより
得られる錠剤が本発明の好ましい固形pH低下剤であ
る。
【0020】アルカリ性産業廃棄物のpHを12.5以
下に下げるのに必要な本発明のpH低下剤の添加量は、
アルカリの強さによって決まるので一概に規定できな
い。以下に、感光性平版印刷版の現像廃液の場合を例に
とって本発明を詳しく説明する。本発明が対象とするア
ルカリ性産業廃棄物あるいはアルカリ性廃液の代表例と
しては、感光性平版印刷版を手現像又は自動現像機を用
いて現像した際に排出される現像廃液、あるいは該現像
廃液と後処理廃液(水洗廃液やフィニッシング廃液) と
の混合廃液が挙げられる。自動現像機を用いる現像処理
方法においては現像液の活性度の低下を現像補充液で補
償する方法が一般的であり、補充方式としては例えば、
特開昭55−115039号公報記載のPS版の処理お
よび経時による現像性の劣化を連続または間欠的に補充
する方法、特開昭58−95349号公報記載の現像ゾ
ーンの途中で感光層の溶出度をセンサーで検出し、溶出
度の低下に応じて補充液を補充する方法、特開平1−2
1451号、特願平1−180548号公報記載の測定
した現像液のインピーダンス値をコンピューター処理
し、検出された現像液の劣化に応じて補充する方法など
が挙げられる。この際、補充量に応じてオーバーフロー
廃液が排出される。補充は現像液だけでなく、その後の
水洗やフィニッシング工程においても感光性平版印刷版
の処理量に対応して補充がなされ、それに応じて廃液が
排出される。
【0021】このように排出される現像廃液や後処理廃
液(水洗廃液やフィニッシング廃液) は、パイプなどを
通して廃液タンクに貯留される。本発明の固形pH低下
剤は、廃液タンクの開口部から単に投入するだけでよ
く、特に攪拌を必要としない。pH低下剤は廃液タンク
中で溶解し、炭酸ガスを生じ、pHを下げるとともに、
そのガスによる攪拌効果で、局部的なpH降下によるカ
スの析出を防ぎながら固体酸の溶解を促進し、その酸に
よるpH低下も発現しているように思われる。
【0022】[現像廃液]本発明のpH低下剤及びpH
低下方法が適用される現像廃液あるいは後処理廃液の組
成は,特に限定されるものではない。例えば、感光性平
版印刷版用現像液および現像補充液には、珪酸アルカリ
金属塩を主成分とするものと非珪酸塩現像液とがある
が、双方とも本発明のpH低下剤が好ましく適用でき
る。以下、現像液について触れる。
【0023】[珪酸アルカリ金属塩現像液の主成分]か
かる珪酸アルカリ金属塩を主成分とする現像液および補
充液は例えば、特開昭54−62004号公報や特公昭
57−7427号公報に開示されている。珪酸アルカリ
金属塩としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リ
チウムがあり、それらを単独または組み合わせて用いる
ことができる。珪酸アルカリ金属塩のSiO2 /M2
モル比(Mはアルカリ金属を示す)は0.3〜2.0が
好ましく、0.6〜1.5の範囲が特に好ましい。上記
のモル比が大きくなると現像性(特にネガ型PS版の現
像性)が低下する傾向にあり、モル比2.0以上は好ま
しくない。また、モル比が小さくなるにつれてアルカリ
強度が高まり、PS版の支持体として汎用されているア
ルミニウム板などの金属が侵される。モル比0.3以下
では特にその傾向が著しい。現像液中の珪酸アルカリ金
属塩の濃度は1〜10重量%が好ましく、1.5〜5重
量%が特に好ましい。10重量%より高くなると沈澱や
結晶が生成しやすくなり、また、廃液時の中和に際して
多量のシリカゲルが生ずるので廃液処理がしにくくなり
好ましくない。また、1重量%より低くなると現像力、
処理能力が低くなる。
【0024】本発明が対象とする現像液および補充液に
は珪酸アルカリ金属塩以外のアルカリ剤を併用すること
ができる。その例として、第3リン酸ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、重炭酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同
アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同ア
ンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモ
ニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウ
ムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙げられ
る。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイ
ソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジア
ミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。こ
れらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせ
て併用できる。
【0025】[非珪酸塩現像液の主成分]本発明の処理
方法が対象とする非珪酸塩現像液としては、特開平8−
160631号公報や特開平8−234447号公報記
載の現像液である。中でも好ましい例としては、特開平
8−305039号記載の現像液が挙げられる。好まし
い現像液を具体的に説明すると、非還元糖から選ばれる
少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基から
なり、pHが9. 0〜13. 8の範囲である現像液であ
る。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン
基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士
の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖
類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した
糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適に用いら
れる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレ
ハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フ
ェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。ま
た糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビッ
ト、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニ
ット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシッ
トおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類
のマルトースに水素添加したマルチトールおよびオリゴ
糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に
用いられる。これらの中で本発明に好ましい非還元糖は
糖アルコールとトレハロース型少糖類であり、中でもD
−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH
領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ま
しい。
【0026】これらの非還元糖は、単独もしくは二種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0. 1〜30重量%が好ましく、更に好ましく
は、1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩
衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃
縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。非還元
糖に組み合わせる塩基としては従来より知られているア
ルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、同
カリウム、同リチウム、燐酸三ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、燐酸二ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモ
ニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム
などの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイ
ソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプ
ロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ
イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、
エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有
機アルカリ剤も用いられる。
【0027】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、燐
酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。こ
れらのアルカリ剤は該現像液組成物のpHを9. 0〜1
3. 8の範囲になるように添加され、その添加量は所望
のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められる
が、より好ましいpH範囲は10. 0〜13. 2であ
る。尚、本発明が対象とする現像液には、非還元糖とア
ルカリ剤の組み合わせに代えて、非還元糖のアルカリ金
属塩を主成分として用いることもできる。該非還元糖塩
は非還元糖とアルカリ金属水酸化物とを混合し該非還元
糖の融点以上に加熱し、脱水すること、或いは非還元糖
とアルカリ金属水酸化物の混合水溶液を乾燥することに
よって得られる。現像液には更に、特開平8−1606
31号公報や特開平8−134447号公報記載の、糖
類以外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用
できる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組み合わせ
によりpHを好ましい範囲内に調整して使用される。
【0028】[界面活性剤]本発明が対象とする現像液
には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像
部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グ
リセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ
糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノ
ールアミド類、
【0029】N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルア
ミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタ
ノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキ
シドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエ
チン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アル
カンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル
塩類、αオレフィンスルホン酸塩類、直鎖アルキルベン
ゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン
酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル
フェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテ
ル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム
塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム
塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキ
ルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エス
テル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類な
どのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラ
ブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチ
レンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カ
ルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸類、ス
ルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン
類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面
活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオ
キシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチ
レンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもで
き、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0030】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10重量
%、より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加さ
れる。
【0031】[現像安定化剤]本発明が対象とする現像
液には、種々現像安定化剤が用いられる。それらの好ま
しい例として、特開平6−282079号公報記載の糖
アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブ
チルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルア
ンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドな
どのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロ
ライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げら
れる。更には、特開昭50−51324号公報記載のア
ニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭5
5−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマ
ー、特開昭56−142528号公報に記載されている
水溶性の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−
84241号公報のアルキレングリコールが付加された
有機ホウ素化合物、特開昭60−111246号公報記
載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロッ
ク重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−12975
0号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
を置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−2
15554号公報記載の重量平均分子量300以上のポ
リエチレングリコール、特開昭63−175858号公
報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平
2−39157号公報の酸またはアルコールに4モル以
上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレ
ンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物
などが挙げられる。
【0032】[有機溶剤]現像液には更に必要により有
機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対
する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好
ましくは5重量%以下のものから選ばれる。例えば、1
−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−
フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタ
ノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル
−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベ
ンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコ
ール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシ
ベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキ
サノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチル
シクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノー
ル、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニル
ジエタノールアミンなどを挙げることができる。有機溶
剤の含有量は使用液の総重量に対して0.1〜5重量%
である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係
があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は
増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少
なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶
解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくな
るからである。
【0033】[還元剤]本発明が対象とする現像液には
更に還元剤が加えられる。これは印刷版の汚れを防止す
るものである。好ましい有機還元剤としては、チオサリ
チル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、
レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化
合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどの
アミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤
としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸
水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン
酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩などを挙げることができる。これらの還元剤のう
ち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。
これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、
0.05〜5重量%の範囲で含有される。
【0034】[有機カルボン酸]現像液には更に有機カ
ルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン
酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香
族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例と
しては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン
酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアル
カン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和
脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香
族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アン
トラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物
で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息
香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4
−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子
酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、
1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキ
シナフトエ酸は特に有効である。上記脂肪族および芳香
族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカ
リウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好まし
い。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は
格別な制限はないが、0.1重量%より低いと効果が十
分でなく、また10重量%以上ではそれ以上の効果の改
善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解
を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時
の現像液に対して0.1〜10重量%であり、よりこの
ましくは0.5〜4重量%である。
【0035】[その他]本発明が対象とする現像液に
は、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡
剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬
水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸およびそのナトリウ
ム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジア
ミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ト
リエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−
ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジア
ミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカ
ルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およ
びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホ
ン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチ
レンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタン−1,1
−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩お
よびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0036】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜
0.5重量%の範囲である。この範囲より少ない添加量
では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲
より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでて
くる。 本発明が対象とする現像液および補充液の残余
の成分は水であるが、更に必要に応じて当業界で知られ
た種々の添加剤を含有させることができる。例えば、特
開昭58−75152号公報記載のNaCl、KCl、
KBrなどの中性塩、特開昭58−121336号公報
記載の〔Co(NH3 6 〕Cl3 などの錯体、特開昭
55−25100号公報記載の周期律表第IIa族、第II
I a族またはIII b族の元素のイオン化可能な化合物、
米国特許4,374,920号公報記載のテトラメチル
デシンジオール、特開昭60−213943号公報記載
の非イオン性界面活性剤、特開昭55−95946号公
報記載のp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチ
ルクロライド4級化合物などのカチオニックポリマー、
特開昭56−142528号公報記載のビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロライドとアクリル酸ソーダ
の共重合体などの両性高分子電解質、特開昭57−19
2952号公報記載のチオサリチル酸、システィン、チ
オジグリコール酸などのアルカリ可溶性メルカプト化合
物またはチオエーテル化合物、特開昭58−59444
号公報記載の塩化リチウムなどの無機リチウム化合物、
特公昭50−34442号公報記載の安息香酸リチウム
などの有機リチウム化合物、特開昭59−75255号
公報記載のSi,Tiなどを含む有機金属界面活性剤、
特開昭59−84241号公報記載の有機ほう素化合
物、ヨーロッパ特許101010号公報記載のテトラア
ルキルアンモニウムオキサイドなどの4級アンモニウム
塩、特開昭63−226657号公報記載のデヒドロ酢
酸ナトリウムなどの殺菌剤などが挙げられる。
【0037】現像液の残余の成分は水である。現像液は
使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としてお
き、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上
有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出を
起こさない程度が適当である。また、スプレードライ法
等で水分を除去するか、或いは固形原料を混合した固形
化現像剤も好ましい態様である。
【0038】本発明のpH低下剤やpH低下方法が適用
される現像廃液が排出されてくる過程で処理される感光
性平版印刷版について,以下に記載する。感光性平版印
刷版は特に限定されるものではなく、従来のポジ型・ネ
ガ型感光性平版印刷版、光重合型感光性平版印刷版、ポ
ジ型・ネガ型赤外線感光性平版印刷版等があげられる。
【ポジ型感光性平版印刷版】ポジ型感光性平版印刷版と
しては高分子バインダーとo- キノンジアジド化合物を
主成分とする感光層を有するものが挙げられるが、特に
好ましい例としては特開平9−134002号公報に記
載のポジ型感光性平版印刷版が用いられる。
【0039】
【ネガ型感光性平版印刷版】ネガ型感光性平版印刷版と
しては、感光性ジアゾ化合物を含む感光層、光架橋性感
光層などを有するものが挙げられるが、特に好ましい例
としては特開平6−282079号公報に詳しく記載さ
れているネガ型感光層を有する感光性平版印刷版を挙げ
ることができる。
【光重合型感光性平版印刷版】光重合型感光性平版印刷
版としては、特開平8−220758号公報に詳しく記
載されている光重合性組成物を用いた平版印刷版を挙げ
ることができる。
【0040】
【赤外線感光性平版印刷版】赤外線感光性平版印刷版に
は、以下に示したようなネガ型赤外線感光性平版印刷版
およびポジ型赤外線感光性平版印刷版が好適に用いられ
るが、これらに限定されるものではない。
【ネガ型赤外線感光性平版印刷版】ネガ型赤外線感光性
平版印刷版の感光性組成物層は(A)光又は熱により分
解して酸を発生する化合物、(B)酸により架橋する架
橋剤、(C)アルカリ可溶性樹脂の少なくとも1種、
(D)赤外線吸収剤、(E)その他添加物を含有する。
ネガ型赤外線感光性平版印刷版においては、赤外線を放
射する固体レーザ及び半導体レーザにより付与されたエ
ネルギーが、(D)赤外線吸収剤によって熱エネルギー
に変換され、それによって(A)光又は熱により分解し
て酸を発生する化合物が分解して酸を発生し、この酸
が、(B)酸により架橋する架橋剤と(C)アルカリ可
溶性樹脂との架橋反応を促進することにより画像形成が
行われるものである。
【0041】
【ポジ型赤外線感光性平版印刷版】次にポジ型赤外線感
光性平版印刷版について述べる。従来公知のポジ型赤外
線感光性平版印刷版材料としては、例えば特開平7−2
85275号公報記載の、ノボラック樹脂等のフェノー
ル性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂に、光を吸収し
熱を発生する物質と、種々のオニウム塩、キノンジアジ
ド化合物類等を添加した画像記録材料が挙げられる。他
方、光を吸収し熱を発生する物質と、フェノール性水酸
基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂、および下記
(a)から(c)のうち少なくとも一つを共重合成分と
して10モル%以上含む共重合体とからなるポジ型赤外
線感光性平版印刷版を提示している。この系では、二種
の樹脂の強い相互作用によりアルカリ水溶液に不溶化す
るが、加熱された場合には、熱によりその相互作用が弱
まりアルカリ水溶液に可溶化するものと推定される。 (a)1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素
原子が結合したスルホンアミド基を有するモノマー (b)1分子中に、活性イミノ基を有するモノマー (c)それぞれフェノール性水酸基を有するアクリルア
ミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、またはヒドロキシスチレン。 本発明においては、これらのポジ型赤外線感光性平版印
刷版が好適に用いられる。
【0042】
【共通処理】ポジ型・ネガ型感光性平版印刷版、光重合
型感光性平版印刷版、およびネガ型およびポジ型赤外線
感光性平版印刷版を同一の自動現像機で、同一の処理液
を用いて共通処理することが可能である。
【0043】
【露光・現像・後処理】赤外線感光性平版印刷版は、近
赤外から赤外領域に発光波長を持つレーザーを搭載した
プレートセッターなどにより露光される。かかるレーザ
ーとしては波長760nmから1200nmの赤外線を放射
する固体レーザ及び半導体レーザが好ましい。レーザ照
射後すぐに現像処理を行っても良いが、レーザ照射工程
と現像工程の間に加熱処理を行うことが好ましい。加熱
処理の条件は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜5
分間行うことが好ましい。この加熱処理により、レーザ
照射時、記録に必要なレーザエネルギーを減少させるこ
とができる。必要に応じて加熱処理を行った後、現像、
不感脂化又はリンス処理される。また、紫外・可視光線
感光性平版印刷版は透明原画を通して、例えば、水銀
灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカル
ランプ、タングステンランプ、カーボンアーク灯等によ
り露光された後、現像、不感脂化又はリンス処理され
る。また光重合型感光性平版印刷版はアルゴンレーザ
ー、YAGレーザーで走査露光された後、必要により加
熱処理を行って現像、不感脂化又はリンス処理される。
【0044】
【発明の効果】本発明のpH低下剤によれば、アルカリ
性産業廃棄物のpHを低下する際にカスが発生しにく
く、とりわけ感光性平版印刷版の現像処理廃液をpH低
下する際に、ケイ酸塩のゲル化やポリマーの析出による
カスが発生せず、安定して、確実にpHを下げることで
きる。また、本発明のpH低下方法によれば、簡便に安
全にアルカリ性廃液のpHを下げることができる。
【0045】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【実施例1】厚さ0.30mmのアルミニウム板をナイ
ロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を
用いその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。1
0%水酸化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッ
チングした後、流水で水洗後20%HNO3 で中和洗
浄、水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦
波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160ク
ーロン/dm2 の陽極時電気量で電解粗面化処理を行っ
た。その表面粗さを測定したところ0.6μ(Ra表
示)であった。ひきつづいて30%のH2 SO4 水溶液
中に浸漬し55℃で2分間デスマットした後、20%H
2 SO4 水溶液中で、砂目立てした面に陰極を配置し
て、電流密度2A/dm2 において厚さが2.7g/m
2 になるように陽極酸化し、基板を作製した。尚、この
時の裏面の陽極酸化皮膜はアルミニウム板の中央部で約
0.2g/m2 、端部で約0.5g/m2 であった。
続いて、上記の基板の表面に下記感光液 を塗布し、
乾燥後の塗布重量が2.5g/m 2 となるように感光層
を設けた。
【0046】 感光液 1,2−ジアゾナフトキノン −5−スルホニルクロリドとピロ ガロール−アセトン樹脂とのエス テル化物(米国特許第3,635, 709号明細書の実施例1に記載されているもの) 45重量部 クレゾールホルムアルデヒドノボラック樹脂 110重量部 2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル) −s−トリアジン 2重量部 オイルブルー#603 (オリエント化学工業製) 1重量部 メガファック F−177(大日本インキ化学工業製フッ素系界面活性剤) 0.4重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 1000重量部
【0047】このようにして作製した感光層の表面に下
記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット
層を設けたPS版を得た。マット層形成用樹脂液として
メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル
酸(仕込重量比 65:20:15)共重合体の一部を
ナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転霧化静
電塗装機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂液の
送液量は40ml/分、霧化頭への印加電圧は−90k
v、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%と
し、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤さ
せ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の
温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは平
均約6μm、大きさは平均約30μm、塗布量は150
mg/m2 であった。このようにして得られたPS版を
1,003mm×800mmの大きさに裁断したものを
多数枚用意し、これらに原稿フィルムを通して1mの距
離から3kwのメタルハライドランプを用いて、60秒
間露光した。続いて浸漬型現像槽を有する市販の自動現
像機PS−900D(富士写真フイルム製)の現像槽
に、現像液DP−4(富士写真フイルム製、主成分珪酸
アルカリ金属塩)を水道水で9倍に希釈した現像液を2
2リットル仕込んだ。別に、現像補充液原液供給タンク
には現像補充液DP−4R(富士写真フイルム 製、主
成分珪酸アルカリ金属塩)5リットルを入れた。また第
2浴には水洗水を8リットル、第3浴にはリンス液FR
−3(富士写真フイルム 製)の8倍希釈液8リットル
を仕込んだ。
【0048】この様な条件の基で、前述の露光済みのP
S版を、1日当り170版づつ処理した。尚、この間、
PS版の処理および空気中の炭酸ガスによる現像液活性
度の低下を現像補充液DP−4R原液1に対して水5の
比率で現像補充液を補充することにより現像液の活性度
を一定に保った。活性度チェックはステップタブレット
(1段の光学濃度差が0.15で15段のもの)を用い
て段階的に光量を変化させて前記PS版に焼き付けたも
のを現像し、その版上の光量に対応して残った画像の段
数を読み取り、処理開始時の段数と比較することによっ
て行った。更に第2浴には水洗水を40ml/m2 、第
3浴にはリンス液FR−3原液1に対して水26の比率
で希釈したリンス液を40ml/m2 の割合で補充し
た。現像液の補充により現像槽からオーバーフロー廃液
のpHは13.2であった。同様に水洗廃液とリンス廃
液のpHは12.2および9.0であった。これらのオ
ーバーフロー廃液を20リットルのポリタンクに集めた
ところ一日の処理で約14.5リットルになり、そのp
Hは12.8であった。このオーバーフロー廃液タンク
に、下記の固形pH低下剤錠剤A3ケを加えた。錠剤は
発泡しながら速やかに溶解し、pHは12.3まで下が
り、廃液の安全性が向上した。またこの廃液処理によっ
て廃液タンク中にカスやヘドロが発生することはなかっ
た。
【0049】 [固形pH低下剤錠剤A] 炭酸水素ナトリウム 27g(一個当たりの重量) コハク酸 19g グルコース 4g 錠剤Aの製造方法 錠剤Aのサイズは直径50mm、厚さ16mmであり、3成
分の混合粉末を錠剤成形器で圧縮成型することによって
作成した。
【0050】
【実施例2】実施例1の錠剤Aの代わりに下記錠剤Bを
用いた他は全て実施例1と同様の処理を行った。実施例
1と同様に、錠剤は炭酸ガスを発生しながら速やかに溶
解し、オーバーフロー廃液タンク中の混合廃液のpHは
12.25まで下がった。また、廃液タンク中にカスや
ヘドロが発生することはなかった。 [固形pH低下剤錠剤B] 炭酸水素ナトリウム 27g(一個当たりの重量) フマル酸 23g 錠剤Bの製造方法 錠剤Bは錠剤Aと同じ方法で作成した。
【0051】
【比較例1】実施例1で錠剤Aの代わりに炭酸水素ナト
リウム50gを圧縮して錠剤とした錠剤Cを用いたとこ
ろ、錠剤の極く周辺で廃液が局所的に中和されたため
か、不溶性のシリカゲルのカスが多量に発生した。そし
て、そのカスが炭酸水素ナトリウム錠剤を取り囲んだた
め、それ以上溶解せず、廃液のpHを下げることができ
なかった。
【比較例2】実施例1の錠剤Aの代わりに、100gの
炭酸水素ナトリウムを1.2リットルの水に溶解した水
溶液を加えたところ、pHは12.35まで下がり、廃
液の安全性が向上した。またこの廃液処理によってカス
やヘドロが発生することはなかった。しかしながら、廃
液の量が増え、その後の廃液処理の負荷が増した。
【0052】
【実施例3】(基板の作成)厚さ0.24mmのJIS
A1050アルミニウム板の表面をナイロンブラシと4
00メッシュのパミストンの水懸濁液を用い砂目立てし
た後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウム水溶
液に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水
で水洗後、20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これ
をVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を
用いて1%硝酸水溶液中で260クーロン/dm2 の陽極
時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測
定したところ0.6μm(Ra表示)であった。ひきつ
づいて30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬し、55℃で
2分間デスマットした後、20%H2 SO4 水溶液中で
電流密度14A/dm2 、陽極酸化皮膜量が2.5g/m
2 相当になるように陽極酸化し、水洗後、珪酸ナトリウ
ム2.5重量%水溶液で30℃で10秒処理し、水洗し
て基板を作成した。この様にして処理された基板の表面
に下記に示す高分子化合物[a]を塗布し、90℃で1
0秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は、10mg/m2 であ
った。 高分子化合物[a](下記式参照) 0.2g メタノール 100g 水 1g
【0053】
【化1】
【0054】このようにして基板[A]を作成した。こ
の基板[A]上に下記感光液[A]を塗布することによ
り感光層を設けた。乾燥後の感光層塗膜量は1.8g/
m2であった。 感光液[A] 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特 許第3,635,709 号明細書の実施例1に記載されているもの) 0.8g バインダー ノボラックI(下記式参照) 1.5g ノボラックII(下記式参照) 0.2g ノボラック以外の樹脂III (下記式参照) 0.4g p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g ピロガロール 0.05g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン 0.07g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製の 対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料) 0.045g F176PF(フッ素系界面活性剤) (大日本インキ化学工業(株)製) 0.01g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール 10g
【0055】
【化2】
【0056】更に、真空密着時間を短縮させるため、以
下の方法でマット層を形成した。マット層形成用樹脂液
としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/ア
クリル酸(仕込み重量比65:20:15)共重合体の
一部をナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転
霧化静電塗布機で霧化頭回転数25.000rpm、樹
脂液の送液量は40ml/分、霧化頭への印加電圧は−
90kV、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50
%とし、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿
潤させ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10
%の温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さ
は約6μm、大きさは約30μm、個数は150個/mm
2 であった。このようにしてポジ型感光性平版印刷版を
作成した。
【0057】このように作成した感光性平版印刷版を1
003mm×800mmに裁断、多数枚用意した。1m
の距離から3kWのメタルハライドランプにより1分間
画像露光した後、現像処理浴の後に第1の不感脂化処理
浴と第2の不感脂化処理浴を有し、現像浴および第2の
不感脂化処理浴に補充液を補充する機構をもち、第2の
不感脂化処理浴のオーバーフロー液を第1の不感脂化処
理浴に排出する機構を持った自動現像機で処理した。そ
の際、現像浴には次に示す現像液[A]を20L仕込
み、30℃で12秒間現像処理し、第1の不感脂化処理
浴には下記の不感脂化液[A]を4L仕込み、また第2
の不感脂化処理浴にも不感脂化液[A]を4L仕込んで
開始した。
【0058】 現像液[A] D−ソルビット 27.0 g 水酸化カリウム 12.6 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.16g DEQUEST 2066(米国モンサント社製キレート剤) 0.34g 水 70.8 g 不感脂化液[A] アラビアガム 16.8 g ヒドロキシプロピル化酵素変性馬鈴薯澱粉 92.6 g 燐酸化ワキシ−玉蜀黍澱粉 8.4 g ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩(80%水溶液)1.4g クエン酸 0.5 g アジピン酸 1.1 g EDTA−四ナトリウム塩 1.0 g エチレングリコール 8.4 g ベンジルアルコール 9.3 g ドデシル(スルホフェノキシ)ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩 (47%水溶液) 3.8 g 燐酸二水素アンモニウム 0.8 g デヒドロ酢酸ナトリウム 1.0 g エマルジョン型シリコン消泡剤 0.16g 水 900.0 g
【0059】処理は一日あたり150版、3ヶ月間連続
して行った。現像浴へは下記の現像補充液[A]を1m2
あたり30cc補充した。不感脂化浴へは上記不感脂化液
[A]を1m2あたり20cc補充した。 現像補充液[A] D−ソルビット 58.3 g 水酸化カリウム 25.9 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.24g DEQUEST 2066(米国、モンサント社製キレート剤)1.2 g 水 61.36g これらの補充によって、現像浴から排出した現像廃液の
pHは13.05であった。この現像廃液と第1の不感
脂化処理浴の廃液をそれぞれ塩ビホースによって一つの
廃液タンクに導いた。この廃液タンクは3日間の処理で
満杯になった。このオーバーフロー廃液タンクに、実施
例1の固形pH低下剤錠剤A2ケを加えた。錠剤は発泡
しながら速やかに溶解し、pHは12.35まで下が
り、廃液の安全性が増した。またこの廃液処理によって
廃液タンク中にカスやヘドロが発生することはなかっ
た。
【0060】
【実施例4】実施例3で、一日あたりの処理量を15
版、現像浴へは現像補充液[A]を1m2あたり80cc
補充とした他は全て実施例3と同様の処理を行った。こ
の補充によって、現像浴から排出した現像廃液のpHは
13.05であった。20リットルの廃液タンクが満杯
になるのに3週間を要した。その廃液タンクに錠剤Aを
4ケ加えた。実施例1と同様に、錠剤は炭酸ガスを発生
しながら速やかに溶解し、廃液タンク中の混合廃液のp
Hは12.35まで下がった。また、廃液タンク中にカ
スやヘドロが発生することはなかった。
【0061】
【比較例3】実施例3で錠剤Aを加えなかった場合の混
合廃液のpHは12.62であった。
【比較例4】実施例4で廃液タンクに錠剤Aを加えなか
った場合の混合廃液のpHは12.78であった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸塩及び固体酸を含有することを特徴
    とする、pHが12.5以上のアルカリ性産業廃棄物の
    固形pH低下剤。
  2. 【請求項2】 アルカリ性産業廃棄物が、感光性平版印
    刷版を現像処理した廃液を含むことを特徴とする、請求
    項1の固形pH低下剤。
  3. 【請求項3】 pHが12.5以上のアルカリ性廃液の
    pHを下げる方法であって、該廃液に請求項1記載のp
    H低下剤を添加することを特徴とする方法。
JP6515398A 1998-03-16 1998-03-16 アルカリ性産業廃棄物のpH低下剤およびそれを用いたpH低下方法 Pending JPH11253969A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011036923A1 (ja) 2009-09-25 2011-03-31 富士フイルム株式会社 感光性平版印刷版の製版処理廃液の処理方法
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