JPH11218936A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

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JPH11218936A
JPH11218936A JP1915998A JP1915998A JPH11218936A JP H11218936 A JPH11218936 A JP H11218936A JP 1915998 A JP1915998 A JP 1915998A JP 1915998 A JP1915998 A JP 1915998A JP H11218936 A JPH11218936 A JP H11218936A
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JP
Japan
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acid
printing plate
desensitizing
lithographic printing
bath
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Application number
JP1915998A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sakamoto
敦 坂本
Hisako Hashi
久子 波止
Tadao Toyama
忠夫 登山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理液の補充量を増やさずに安定した処理を
継続することのできる感光性平版印刷版の処理方法を提
供する。インキ着肉性が良く印刷時汚れのない平版印刷
版を長期間にわたって製造することのできる感光性平版
印刷版の処理方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光層を有する感光性平版印
刷版を露光、現像後、不感脂化処理を2浴以上の処理浴
で行い、最終の不感脂化処理浴にポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキルアミノカル
ボン酸塩類及びオレフィンスルホン酸塩類からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種を含有する不感脂化補充液を
補充し、そのオーバーフロー排液を前段の不感脂化処理
浴に排出し、同様にして順次オーバーフロー排液を前段
の不感脂化処理浴へ補充していくことを特徴とする感光
性平版印刷版の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版は現像、水洗処理後ま
たは水洗しないで版面の洗浄・保護を主な目的とした不
感脂化液による処理が行われる。ここで不感脂化液は水
溶性樹脂、界面活性剤、親油性物質等を主成分とした水
溶液またはエマルジョンからなっている。近年、製版・
印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、感
光性平版印刷版用自動現像機が広く用いられている。こ
の自動現像機は、一般に感光性平版印刷版を搬送する装
置とスプレー装置、現像浴および後処理浴からなる。後
処理浴は通常、水洗浴、不感脂化浴、リンス浴などから
なる。
【0003】水洗浴は、現像された感光性平版印刷版上
の現像液やそれに溶出した感光層成分が、不感脂化浴へ
持ち込まれる量を少なくするための水洗処理をおこな
う。水洗処理は通常、節水等の目的で水洗水を循環して
繰り返し使用し、水洗浴中の感光層成分の濃度上昇を防
ぐために少量の新鮮水を補充しながらおこなわれる。し
かしながら、感光性平版印刷版の処理量の増加と共に不
感脂化浴へ持ち込まれる感光層成分が徐々に増加するこ
とは避けられず、持ち込まれた感光層成分に起因した沈
殿が発生することを完全に防止することは難しかった。
また、この沈殿が感光性平版印刷版に付着すると印刷性
能を損なうこともあった。この問題を解決するには、補
充する水洗水を増量する方法や、不感脂化浴への補充を
行い、さらにはその補充量を増加する方法などがあげら
れるが、それに伴い廃液量も増加し、昨今の環境への配
慮と逆行したものになり新たな問題が発生した。一方、
感光層成分の沈殿を防止するために、各種の界面活性剤
を不感脂化液に添加することも提案されているが、十分
な効果は得られていなかった。
【0004】また特開昭54−8002号公報では省ス
ペースや、廃液量削減の観点から自動現像機の水洗浴を
省略することを提案しているが、この場合には単位処理
量あたりの不感脂化浴へ持ち込まれる感光層成分はさら
に多くなり、より短期間で沈殿が発生するという問題が
ある。加えて水洗処理を省略した場合、強アルカリ性の
現像液成分が不感脂化浴に大量に持ち込まれるため、短
期間で処理液を強アルカリ性に変えてしまい、感光性平
版印刷版を製版し、良好な印刷物を得るという機能が損
なわれてしまう問題があった。この問題を解決するに
も、特開平3−69947号公報に記載されているよう
に、不感脂化補充液を増量する方法があげられるが、そ
れに伴い廃液量も増加するという問題を伴うものだっ
た。一方、版面の現像液成分の洗浄性をあげるために、
特公昭64−8819号公報では各種界面活性剤を処理
液に添加することも提案されているが、十分な効果が認
められる界面活性剤は得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、処理液の補充量を増やさずに安定した処理を継続す
ることのできる感光性平版印刷版の処理方法を提供する
ことである。本発明の目的はまた、インキ着肉性が良く
印刷時汚れのない平版印刷版を長期間にわたって製造す
ることのできる感光性平版印刷版の処理方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、不感脂化処理を
特定の態様で行い、不感脂化補充液に特定の界面活性剤
を含有させておくことにより、処理液の廃液量を増やさ
ずに、感光性平版印刷版の安定な処理ができ、インキ着
肉性の良い、かつ、印刷時汚れのない平版印刷版を長期
間にわたって提供できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。従って本発明は、支持体上に感光層を有
する感光性平版印刷版を露光、現像後、不感脂化処理を
2浴以上の処理浴で行い、最終の不感脂化処理浴にポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ア
ルキルアミノカルボン酸塩類及びオレフィンスルホン酸
塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する
不感脂化補充液を補充し、そのオーバーフロー排液を前
段の不感脂化処理浴に排出し、同様にして順次オーバー
フロー排液を前段の不感脂化処理浴へ補充していくこと
を特徴とする感光性平版印刷版の処理方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の感光性平版印刷版
の処理方法について詳しく述べる。本発明の感光性平版
印刷版の処理方法を適用する感光性平版印刷版には、従
来のポジ型・ネガ型感光性平版印刷版、光重合型感光性
平版印刷版、ポジ型・ネガ型赤外線感光性平版印刷版等
があげられる。
【0008】
【ポジ型感光性平版印刷版】ポジ型感光性平版印刷版と
しては高分子バインダーとo- キノンジアジド化合物を
主成分とする感光層を有するものが挙げられるが、特に
好ましい例としては特開平9−134002号公報に記
載のポジ型感光性平版印刷版が用いられる。
【0009】
【ネガ型感光性平版印刷版】ネガ型感光性平版印刷版と
しては、感光性ジアゾ化合物を含む感光層、光架橋性感
光層などを有するものが挙げられるが、特に好ましい例
としては特開平6−282079号公報に詳しく記載さ
れているネガ型感光層を有する感光性平版印刷版を挙げ
ることができる。
【0010】
【光重合型感光性平版印刷版】光重合型感光性平版印刷
版としては、特開平8−220758号公報に詳しく記
載されている光重合性組成物を用いた平版印刷版を挙げ
ることができる。
【0011】
【赤外線感光性平版印刷版】赤外線感光性平版印刷版に
は、以下に示すようなネガ型赤外線感光性平版印刷版お
よびポジ型赤外線感光性平版印刷版がある。
【0012】
【ネガ型赤外線感光性平版印刷版】ネガ型赤外線感光性
平版印刷版の感光性組成物層は(A)光又は熱により分
解して酸を発生する化合物、(B)酸により架橋する架
橋剤、(C)アルカリ可溶性樹脂の少なくとも1種、
(D)赤外線吸収剤、(E)その他添加物を含有する。
ネガ型赤外線感光性平版印刷版においては、赤外線を放
射する固体レーザ及び半導体レーザにより付与されたエ
ネルギーが、(D)赤外線吸収剤によって熱エネルギー
に変換され、それによって(A)光又は熱により分解し
て酸を発生する化合物が分解して酸を発生し、この酸
が、(B)酸により架橋する架橋剤と(C)アルカリ可
溶性樹脂との架橋反応を促進することにより画像形成が
行われるものである。
【0013】
【ポジ型赤外線感光性平版印刷版】従来公知のポジ型赤
外線感光性平版印刷版材料としては、例えば特開平7−
285275号公報記載の、ノボラック樹脂等のフェノ
ール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂に、光を吸収
し熱を発生する物質と、種々のオニウム塩、キノンジア
ジド化合物類等を添加した画像記録材料が挙げられる。
他方、光を吸収し熱を発生する物質と、フェノール性水
酸基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂、および下記
(a)から(c)のうち少なくとも一つを共重合成分と
して10モル%以上含む共重合体とからなるポジ型赤外
線感光性平版印刷版がある。この系では、二種の樹脂の
強い相互作用によりアルカリ水溶液に不溶化するが、加
熱された場合には、熱によりその相互作用が弱まりアル
カリ水溶液に可溶化するものと推定される。 (a)1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素
原子が結合したスルホンアミド基を有するモノマー (b)1分子中に、活性イミノ基を有するモノマー (c)それぞれフェノール性水酸基を有するアクリルア
ミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、またはヒドロキシスチレン。 本発明においてはこれらのポジ型赤外線感光性平版印刷
版が好適に用いられる。
【0014】
【共通処理】本発明の感光性平版印刷版の処理方法で
は、ポジ型・ネガ型感光性平版印刷版、光重合型感光性
平版印刷版、およびネガ型およびポジ型赤外線感光性平
版印刷版を同一の自動現像機で、同一の処理液を用いて
共通処理することが可能である。
【0015】
【露光・現像・後処理】赤外線感光性平版印刷版は、近
赤外から赤外領域に発光波長を持つレーザーを搭載した
プレートセッターなどにより露光される。かかるレーザ
ーとしては波長760nmから1200nmの赤外線を放射
する固体レーザ及び半導体レーザが好ましい。本発明に
おいては、レーザ照射後すぐに現像処理を行っても良い
が、レーザ照射工程と現像工程の間に加熱処理を行うこ
とが好ましい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の
範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱
処理により、レーザ照射時、記録に必要なレーザエネル
ギーを減少させることができる。必要に応じて加熱処理
を行った後、本発明の処理方法で現像、不感脂化処理さ
れる。また、紫外・可視光線感光性平版印刷版は透明原
画を通して、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプ、ケミカルランプ、タングステンラン
プ、カーボンアーク灯等により露光された後、本発明の
処理方法で現像、不感脂化処理される。また光重合型感
光性平版印刷版はアルゴンレーザー、YAGレーザーで
走査露光された後、必要により加熱処理を行って本発明
の処理方法で現像、不感脂化処理される。
【0016】
【自動現像機】本発明の感光性平版印刷版の処理は自動
現像機を用いて行われる。かかる自動現像機は、現像処
理浴、水洗浴、リンス浴、不感脂化処理浴などからな
り、感光性平版印刷版を搬送する装置と、各処理浴およ
びスプレー装置および後段の後処理浴から前段の後処理
浴へのオーバーフロー部などで構成され、露光済みの感
光性平版印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上
げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像およ
び各後処理をするものである。また、最近は処理液が満
たされた処理浴中に液中ガイドロールなどによって感光
性平版印刷版を浸漬搬送させて現像処理する方法も知ら
れている。現像後、任意に水洗、リンス処理して、平版
印刷版はアラビアガムや澱粉誘導体等の水溶性樹脂を主
成分とする不感脂化液で処理される。本発明において、
この平版印刷版の不感脂化処理は、第1の処理浴から最
終の処理浴を通して2浴以上で行われる。自動現像機の
簡略化、設置スペース、製造コスト等から、2段階の不
感脂化処理浴を有することが好ましい。従って、本発明
の感光性平版印刷版の処理方法による製版過程として
は、例えば現像→不感脂化→不感脂化、現像→水洗→不
感脂化→不感脂化、現像→リンス→不感脂化→不感脂
化、現像→水洗→リンス→不感脂化→不感脂化などがあ
る。このような自動処理においては、現像浴および後処
理浴に処理量や稼動時間等に応じてそれぞれの補充液を
補充しながら処理することができる。特に本発明では、
処理量に応じた新鮮な不感脂化液の補充は最終の不感脂
化処理浴に行い、そのオーバーフロー排液を前段の不感
脂化処理浴に排出させ、同様にして順次オーバーフロー
排液を前段の不感脂化処理浴へ補充していく。また、現
像部では実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使
い捨て処理方式も適用できる。
【0017】
【現像液】特に記載のない限り、現像液及び現像補充液
を一括して現像液と称す。 [アルカリ剤]本発明に用いられる現像液としては従来
より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば
珪酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、
同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙
げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。
【0018】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中
で好ましいのは珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸
塩の水溶液である。その理由は珪酸塩の成分である酸化
珪素SiO2とアルカリ金属酸化物M2O の比率(一般に「 S
iO2 」/「 M2O」のモル比で表す)と濃度によってある
程度現像性の調節が可能とされるためであり、例えば、
特開昭54−62004号公報に開示されているよう
な、 SiO2 / M2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち「Si
O2 」/「 M2O」が1.0〜1.5)であって、 SiO2 の含
有量が1〜4重量%の珪酸ナトリウムの水溶液や、特公
昭57−7427号公報に記載されているような、「 S
iO2 」/「 M」が0.5から0.75(即ち「 SiO2 」/
「 M2O」が1.0〜1.5)であって、 SiO2 の濃度が1〜
4重量%であり、かつ該現像液かその中に存在する全ア
ルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%
のカリウムを含有していることからなるアルカリ金属珪
酸塩が好適に用いられる。
【0019】自動現像機を用いて、感光性平版印刷版を
現像する場合に、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶
液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現
像タンク中の現像液を交換することなく、多量の感光性
複写材料を処理することができることが知られている。
本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
例えば、特開昭54−62004号公報に開示されてい
るような現像液の SiO 2 /Na2Oのモル比が1.0〜1.5
(即ち「SiO2」/「Na2O」が1.0〜1.5)であって、 S
iO2 の含有量が1〜4重量%の珪酸ナトリウムの水溶液
を使用し、しかもポジ型感光平板印刷版の処理量に応じ
て連続的または断続的にSiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.
5(即ち「SiO2」/「Na2O」が1.0〜1.5)の珪酸ナト
リウム水溶液(補充液)を現像液に加える方法がある。
【0020】更には、特公昭57−7427号公報に開
示されている、「 SiO2 」/「 M」が0.5から0.75
(即ち「 SiO2 」/「 M2O」が1.0〜1.5)であって、
SiO2の濃度が1〜4重量%であるアルカリ金属珪酸塩
の現像液を用い、補充液として用いるアルカリ金属珪酸
塩の「 SiO2 」/「 M」が0.25〜0.75(即ち「 SiO
2 」/「 M2O」が0.5〜1.5であり、かつ該現像液およ
び該補充液のいずれもがその中に存在する全アルカリ金
属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウ
ムを含有していることからなる現像方法が好適に用いら
れる。更にはランニングコストや廃液量の削減の為、活
性度の高い現像液として SiO2 / M2Oのモル比が0.7〜
1.5であってSiO2の濃度が1.0〜4.0重量%のアルカリ
金属珪酸塩の水溶液からなり、また、補充液がSiO2/M2
O のモル比が0.3〜1.0であって、SiO2の濃度が0.5〜
4.0重量%のアルカリ金属珪酸塩の水溶液であるような
系も好適に用いられる。
【0021】またさらに、本発明の処理方法に用いられ
る現像液は非珪酸塩を主成分とすることも好ましい。か
かる現像液としては、特開平8−160631号公報や
特開平8−234447号公報記載の現像液が好ましく
用いられる。中でも好ましい例としては、特開平8−3
05039号公報記載の現像液が挙げられる。好ましい
現像液を具体的に説明すると、非還元糖から選ばれる少
なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基(珪酸
塩を除く)からなり、pHが9.0〜13.8の範囲である
現像液である。
【0022】かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基
やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還
元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元
基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して
還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適
に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロー
スやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配
糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げら
れる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、
リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−
マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズ
リシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に
二糖類のマルトースに水素添加したマルチトールおよび
オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が
好適に用いられる。これらの中で本発明に好ましい非還
元糖は糖アルコールとトレハロース型少糖類であり、中
でもD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度
なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であること
で好ましい。
【0023】これらの非還元糖は、単独もしくは二種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0.1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、
1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩衝作
用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃縮化
し難く、また原価アップの問題が出てくる。非還元糖に
組み合わせる塩基としては従来より知られているアルカ
リ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、同カリ
ウム、同リチウム、燐酸三ナトリウム、同カリウム、同
アンモニウム、燐酸二ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウムなど
の無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチ
レンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機ア
ルカリ剤も用いられる。
【0024】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、燐
酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。こ
れらのアルカリ剤は該現像液組成物のpHを9.0〜13.
8の範囲になるように添加され、その添加量は所望のp
H、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、よ
り好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。尚、本発
明の処理方法に用いられる現像液には、非還元糖とアル
カリ剤の組み合わせに代えて、非還元糖のアルカリ金属
塩を主成分として用いることもできる。該非還元糖塩は
非還元糖とアルカリ金属水酸化物とを混合し該非還元糖
の融点以上に加熱し、脱水すること、或いは非還元糖と
アルカリ金属水酸化物の混合水溶液を乾燥することによ
って得られる。
【0025】現像液には更に、特開平8−160631
号公報や特開平8−134447号公報記載の、糖類以
外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用でき
る。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離
定数(pKa )が10.0〜13.2のものが好ましい。こ
のような弱酸としては、PergamonPress社
発行のIONISATION CONSTANTS O
F ORGANICACIDS IN AQUEOUS
SOLUTIONなどに記載されているものから選ば
れ、例えば2,2,3,3 - テトラフルオロプロパノール-1
(pKa 12.74)、トリフルオロエタノール(同12.
37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのア
ルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.6
8)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などの
アルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3-ヒドロキシ
-2- ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.
6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同1
1.7)、3,4-ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,
4-ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4-トリヒ
ドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同
11.56)、ピロガロール(同11.34)、o- クレゾ
ール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、
p- クレゾール(同10.27)、m- クレゾール(同1
0.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、
【0026】2−ブタノンオキシム(同12.45)、ア
セトキシム(同12.42)、1,2-シクロヘプタンジオン
ジオキシム(同12.3)、2-ヒドロキシベンズアルデヒ
ドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同
11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、
アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム
類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.
5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、
ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)
などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホス
ホン酸(同12.32)、1-アミノ-3,3,3- トリフルオロ
安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン
酸(同12.10)、1,1-エチリデンジホスホン酸(同1
1.54)、1,1-エチリデンジホスホン-1- ヒドロキシ
(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、
チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド
(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸
が挙げられる。
【0027】これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホ
サリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合
わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わ
せて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組
み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用さ
れる。
【0028】[界面活性剤]本発明に用いられる現像液
には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像
部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グ
リセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ
糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル類、
【0029】脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビ
ス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エス
テル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界
面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシ
アルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジ
アルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、αオレフィンスル
ホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分
岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエ
チレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−
オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥
珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、
硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル
塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸エステル塩類、
【0030】脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテ
ル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン
酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の
部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の
部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合
物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、
テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニ
ウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポ
リエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性
剤、カルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸
類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダ
ゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げ
た界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、
ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えるこ
ともでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0031】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10重量%、
より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加される。
【0032】[現像安定化剤]本発明の処理方法に用い
られる現像液には、種々現像安定化剤が用いられる。そ
れらの好ましい例として、特開平6−282079号公
報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加
物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテト
ラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウム
ブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨー
ドニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例
として挙げられる。更には、特開昭50−51324号
公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、
また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオ
ニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記
載されている水溶性の両性高分子電解質がある。
【0033】更に、特開昭59−84241号公報のア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特
開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面
活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレン
ジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載
の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコー
ル、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を
有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公
報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシ
ドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合
物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0034】[有機溶剤]現像液には更に必要により有
機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対
する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好
ましくは5重量%以下のものから選ばれる。例えば、1
−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−
フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタ
ノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル
−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベ
ンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコ
ール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシ
ベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキ
サノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチル
シクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノー
ル、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニル
ジエタノールアミンなどを挙げることができる。有機溶
剤の含有量は使用液の総重量に対して0.1〜5重量%で
ある。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係が
あり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増
加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少な
く、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解
せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなる
からである。
【0035】[還元剤]本発明に用いられる現像液には
更に還元剤が加えられてもよい。これは印刷版の汚れを
防止するものである。好ましい有機還元剤としては、チ
オサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキ
ノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノ
ール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン
などのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の
還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜
リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジ
チオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩などを挙げることができる。これらの還元
剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩で
ある。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好まし
くは、0.05〜5重量%の範囲で含有される。
【0036】[有機カルボン酸]現像液には更に有機カ
ルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン
酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香
族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例と
しては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン
酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアル
カン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和
脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香
族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アン
トラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物
で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息
香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4
−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子
酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、
1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキ
シナフトエ酸は特に有効である。
【0037】上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶
性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアン
モニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる
現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はない
が、0.1重量%より低いと効果が十分でなく、また10
重量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかり
か、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがあ
る。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して
0.1〜10重量%であり、よりこのましくは0.5〜4重
量%である。
【0038】[その他]本発明に用いられる現像液に
は、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡
剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬
水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸およびそのナトリウ
ム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジア
ミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ト
リエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−
ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジア
ミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカ
ルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およ
びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホ
ン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチ
レンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタン−1,1
−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩お
よびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0039】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重
量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期
の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い
場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現
像液の残余の成分は水である。本発明に用いられる現像
液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液として
おき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬
上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出
を起こさない程度が適当である。また、スプレードライ
法等で水分を除去するか、或いは固形原料を混合した固
形化現像剤も好ましい態様である。
【0040】
【不感脂化液】本発明に用いられる不感脂化補充液は、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩
類、アルキルアミノカルボン酸塩類及びオレフィンスル
ホン酸塩類からなる群から選ばれる少なくとも1種を含
有する。ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸塩類の「アルキル」とは、炭素原子数6〜20の直
鎖又は一部置換されたアルキルを示し、好ましくは炭素
原子数8〜17の直鎖アルキルを表す。具体的にはオク
チル、ノニル、ラウリル、ミリスチル、セチル、ステア
リル等の直鎖アルキルが好ましい。また塩としてはアル
カリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が用いられ
る。例えばポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウ
リルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチ
レンラウリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリ
オキシエチレンステアリルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエーテル
硫酸アンモニウなどである。具体的に、ポリオキシエチ
レンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム(花王製
エマールNC)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル硫酸アンモニウム(日本染化製センカノールE
B)などが用いられる。これらから2種以上使用しても
よい。
【0041】アルキルアミノカルボン酸塩類において
「アルキルアミノ」とは、炭素原子数6〜20の直鎖又
は置換された一つのアルキル基又は複数のアルキル基で
置換されたアミノ基を示す。具体的にはオクチルアミ
ノ、ジオクチルアミノ、ラウリルアミノ等が好ましく用
いられる。また塩としてはアルカリ金属塩、塩酸塩など
が用いられる。具体例としてはモノ又はジオクチルアミ
ノエチルグリシン塩酸塩(竹本油脂製レボン15)、ラ
ウリルアミノエチルカルボン酸ナトリルム塩(ライオン
製リポミンLA)などがある。これらから2種以上使用
してもよい。また、オレフィンスルホン酸塩類の「オレ
フィン」とは、不飽和結合を有する直鎖又は一部置換さ
れたアルケンを示し、具体的には炭素原子数8〜30の
アルケンが用いられる。また一部水が付加したヒドロキ
シアルカンの形になっていても良い。塩としてはアルカ
リ金属塩、アンモニウム塩等が用いられる。具体例とし
てはαオレフィンスルホン酸ナトリウム(例えばライオ
ン(株)製リポランLB 440、ソフトデタージェント
W)がある。オレフィンスルホン酸塩類を2種以上使用
してもよい。
【0042】本発明で使用する不感脂化補充液におい
て、上述のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸塩類、アルキルアミノカルボン酸塩類及びオレフ
ィンスルホン酸塩類からなる群から選ばれる少なくとも
1種の含有量は、不感脂化補充液の全重量に基づいて0.
001〜20重量%が適当であり、好ましい範囲は0.0
1〜5重量%である。0.001重量%よりも少ないと良
好な印刷性が得られず、一方20重量%を越えると発泡
しやすくなる。不感脂化補充液のみならず、処理を開始
する際に仕込む不感脂化液も同様に上記の界面活性剤を
含んでもよい。以下、特に記載のない限り、処理を開始
する際に仕込む不感脂化液及び不感脂化補充液を一括し
て不感脂化液と称する。
【0043】不感脂化液としてはアラビアガムの約15
〜20%の水溶液に、必要に応じて、界面活性剤、湿潤
剤、pH調整剤、キレート剤等を含有させた組成物が適し
ている。アラビアガム以外にも種々の水溶性高分子化合
物が不感脂化液の主成分として用いられる。例えば、デ
キストリン、ステラビック、ストラクタン、アルギン酸
塩類、ポリアクリル酸塩類、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、カルボキシアルキルセルロース
塩、大豆のオカラから抽出した水溶性多糖類が好まし
く、また、プルランまたはプルラン誘導体、ポリビニル
アルコールも好ましい。
【0044】さらに、変成澱粉誘導体としてブリティッ
シュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャー
ディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可
溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉お
よび無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐
酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン
酸澱粉およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カ
ルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スル
フォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベ
ンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ
澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロ
キシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架
橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合
体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル
共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチ
ン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、
【0045】カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、
澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレ
ンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等
の澱粉グラフト重合体が好ましい。また天然高分子化合
物としては、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ
澱粉、小麦澱粉およびコーンスターチ等の澱粉類、カラ
ジーナン、ラミナラン、海ソウマンナン、ふのり、アイ
リッシュモス、寒天およびアルギン酸ナトリウム等の藻
類から得られるもの、トロロアオイ、マンナン、クイン
スシード、ペクチン、トラガカントガム、カラヤガム、
キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビンガ
ム、キャロブガム、ベンゾインガム等の植物性粘質物、
デキストラン、グルカン、レバン等のホモ多糖ならびに
サクシノグルカンおよびサンタンガム等のヘトロ多糖等
の微生物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼインおよびコ
ラーゲン等の蛋白質が好ましい。これらの水溶性樹脂は
2種以上組み合わせても使用でき、好ましくは5〜40
重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲で含有
させることができる。
【0046】また本発明に用いられる不感脂化液中に
は、塗膜の面状等を良化するために必要に応じて、上記
に述べた以外の界面活性剤を添加することができる。こ
のような界面活性剤の添加量は不感脂化液の全重量に基
づいて、0.01〜20重量%が適当である。使用できる
界面活性剤としてはアニオン界面活性剤、カチオン界面
活性剤、両性界面活性剤およびノニオン界面活性剤が挙
げられる。アニオン界面活性剤としては脂肪酸塩類、ア
ビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、
アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩
類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、直
鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸
塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピル
スルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフ
ェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリ
ンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミ
ド二ナトリウム塩類、
【0047】石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫
酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩
類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリ
ド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物
の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合
物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリ
ン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキル
スルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びア
ルキルナフタレンスルホン酸塩類、及びアルキルジフェ
ニルエーテルジスルホン酸塩類、が特に好ましく用いら
れる。カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩
類、第4級アンモニウム塩類等が用いられる。
【0048】両性界面活性剤としては、アルキルカルボ
キシベタイン類、アルキルイミダゾリン類が用いられ
る。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル
類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリ
トール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモ
ノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオ
キシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン
脂肪酸部分エステル類、
【0049】ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸
ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシ
アルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキ
ルアミンオキシド、ポリプロピレングリコールの分子量
200〜5000、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン又はソルビトールのポリオキシエチレン又はポリオキ
シプロピレンの付加物、アセチレングリコール系等が挙
げられる。又、弗素系、シリコン系のノニオン界面活性
剤も同様に使用することができる。その他不感脂化液に
は必要により湿潤剤としてグリセリン、エチレングリコ
ール、トリエチレングリコール等を添加することができ
る。これらの湿潤剤の好ましい使用量としては0.1〜5
重量%である。
【0050】不感脂化液は、一般的には酸性領域pH3
〜6の範囲で使用する方が有利である。pHを3〜6に
するためには一般的には不感脂化液中に鉱酸、有機酸又
は無機塩等を添加し調節する。その添加量は0.01〜2
重量%である。例えば鉱酸としては硝酸、硫酸、リン
酸、メタリン酸等が挙げられる。有機酸としてはクエン
酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、
酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸、有
機ホスホン酸、またグリシン、α−アラニン、β−アラ
ニンなどのアミノ酸等が挙げられる。無機塩としては硝
酸マグネシウム、第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナ
トリウム、硫酸ニッケル、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、
有機酸又は無機塩等の少なくとも1種もしくは2種以上
を併用してもよい。
【0051】上記成分の他必要に応じてキレート化合物
を添加してもよい。通常、不感脂化液は濃縮液として市
販され、使用時に水道水、井戸水等を加えて希釈して使
用される。この希釈する水道水や井戸水に含まれている
カルシウムイオン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を汚
れ易くする原因となることもあるので、キレート化合物
を添加して、上記欠点を解消することができる。好まし
いキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミン
テトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエ
チレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、その
カリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチ
レンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボ
ン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリ
ウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効であ
る。これらキレート剤は不感脂化液組成中に安定に存在
し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量として
は使用時の不感脂化液に対して0.001〜1.0重量%が
適当である。
【0052】更に本発明に用いられる不感脂化液には、
防腐剤を添加することが好ましい。防腐剤は繊維、木材
加工、食品、医薬、化粧品、農薬分野等で使用されてい
る公知の物が使用できる。例えば第4級アンモニウム
塩、一価フェノール誘導体、二価フェノール誘導体、多
価フェノール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾロピ
リミジン誘導体、一価ナフトール、カーボネート類、ス
ルホン誘導体、有機スズ化合物、シクロペンタン誘導
体、フェニル誘導体、フェノールエーテル誘導体、フェ
ノールエステル誘導体、ヒドロキシルアミン誘導体、ニ
トリル誘導体、ナフタリン類、ピロール誘導体、キノリ
ン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、第2級アミン、
1,3,5トリアジン誘導体、チアジアゾール誘導体、
アニリド誘導体、ピロール誘導体、ハロゲン誘導体、二
価アルコール誘導体、ジチオール類、シアン酸誘導体、
チオカルバミド酸誘導体、ジアミン誘導体、イソチアゾ
ール誘導体、一価アルコール、飽和アルデヒド、不飽和
モノカルボン酸、飽和エーテル、不飽和エーテル、
【0053】ラクトン類、アミノ酸誘導体、ヒダントイ
ン、シアヌール酸誘導体、グアニジン誘導体、ピリジン
誘導体、飽和モノカルボン酸、ベンゼンカルボン酸誘導
体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、ビフェニル、ヒドロ
キサム酸誘導体、芳香族アルコール、ハロゲノフェノー
ル誘導体、ベンゼンカルボン酸誘導体、メルカプトカル
ボン酸誘導体、第4級アンモニウム塩誘導体、トリフェ
ニルメタン誘導体、ヒノキチオール、フラン誘導体、ベ
ンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、イソキノリン誘
導体、アルシン誘導体、チオカルバミン酸誘導体、リン
酸エステル、ハロゲノベンゼン誘導体、キノン誘導体、
ベンゼンスルホン酸誘導体、モノアミン誘導体、有機リ
ン酸エステル、ピペラジン誘導体、フェナジン誘導体、
ピリミジン誘導体、チオファネート誘導体、イミダゾリ
ン誘導体、イソオキサゾール誘導体、アンモニウム塩誘
導体等の中の公知の防腐剤が使用できる。
【0054】特に好ましい防腐剤として、ピリジンチオ
ール−1−オキシドの塩、サリチル酸およびその塩、
1,3,5−トリスヒドロキシエチルヘキサヒドロ−S
−トリアジン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルヘ
キサヒドロ−S−トリアジン、1,2−ベンズイソチア
ゾリン−3−オン、5−クロル−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,
3−プロパンジオールが挙げられる。好ましい添加量
は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮す
る量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異な
るが、使用時の不感脂化液に対して0.01〜4重量%の
範囲が好ましく、また種々のカビ、細菌に対して効力の
あるように2種以上の防腐剤を併用することが好まし
い。
【0055】また、消泡剤を添加することもでき、特に
シリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可
溶化型等がいずれも使用できる。好ましくは使用時の不
感脂化液に対して0.001〜1.0重量%の範囲が最適で
ある。不感脂化液の残余の成分は水である。本発明に用
いられる不感脂化液は、使用時よりも水の含有量を少な
くした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するように
しておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は
各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。ま
た、スプレードライ法等で水分を除去するか、或いは固
形原料を混合した固形化不感脂化剤も好ましい態様であ
る。本発明に用いられる不感脂化液は乳化分散型でもよ
く、その油相としては有機溶剤が用いられ又、可溶化剤
の助けを借りて、可溶化型にしてもよい。本発明に用い
られる不感脂化液は、感光性平版印刷版の特性に合せて
溶液タイプ、乳化タイプ等容易に設けることができ、画
像部の感脂性の保護と非画像部の親水性保護に優れた効
果を発揮する。
【0056】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版の処理方法に
よれば、処理液の廃液量を増やさずに安定な処理を継続
することができ、インキ着肉性の良い、かつ、印刷時汚
れのない平版印刷版を長期間にわたって製造することが
できる。
【0057】以下実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。なお、下記におけるパーセントは、他に指
定のない限り、すべて重量%である。
【実施例1】(基板の作成)厚さ0.24mmのJIS A
1050アルミニウム板の表面をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液を用い砂目立てした
後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウム水溶液
に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で
水洗後、20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これを
VA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用い
て1%硝酸水溶液中で260クーロン/dm2 の陽極時電
気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定し
たところ0.6μm(Ra表示)であった。ひきつづいて
30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬し、55℃で2分間
デスマットした後、20%H2 SO4 水溶液中で電流密
度14A/dm2 、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2 相当に
なるように陽極酸化し、水洗後、珪酸ナトリウム2.5重
量%水溶液で30℃で10秒処理し、水洗して基板を作
成した。この様にして処理された基板の表面に下記に示
す高分子化合物[a]を塗布し、90℃で10秒間乾燥
した。乾燥後の被覆量は、10mg/m2 であった。 高分子化合物[a](下記式参照) 0.2g メタノール 100g 水 1g
【0058】
【化1】
【0059】このようにして基板[A]を作成した。こ
の基板[A]上に下記感光液[A]を塗布することによ
り感光層を設けた。乾燥後の感光層塗膜量1.8g/m2
あった。 感光液[A] 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特許 第3,635,709 号明細書の実施例1に記載されているもの) 0.8g バインダー ノボラックI(下記式参照) 1.5g ノボラックII(下記式参照) 0.2g ノボラック以外の樹脂III (下記式参照) 0.4g p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g ピロガロール 0.05g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン 0.07g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製の 対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料) 0.045g F176PF(フッ素系界面活性剤) (大日本インキ化学工業(株)製) 0.01g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール 10g
【0060】
【化2】
【0061】更に、真空密着時間を短縮させるため、以
下の方法でマット層を形成した。マット層形成用樹脂液
としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/ア
クリル酸(仕込み重量比65:20:15)共重合体の
一部をナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転
霧化静電塗布機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂
液の送液量は40ml/分、霧化頭への印加電圧は−9
0kV、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%
とし、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤さ
せ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の
温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは約
6μm、大きさは約30、個数は150個/mm2 であっ
た。このようにしてポジ型感光性平版印刷版を作成し
た。
【0062】このように作成した感光性平版印刷版を1
030mm×800mmに裁断、多数枚用意した。1m
の距離から3kWのメタルハライドランプにより1分間
画像露光した後、現像処理浴の後に第1の不感脂化処理
浴と第2の不感脂化処理浴を有し、現像浴および第2の
不感脂化処理浴に補充液を補充する機構をもち、第2の
不感脂化処理浴のオーバーフロー液を第1の不感脂化処
理浴に排出する機構を持った自動現像機で処理した。そ
の際、現像浴には次に示す現像液[A]を20リットル
仕込み、30℃で12秒間現像処理し、第1および第2
の不感脂化処理浴には不感脂化液[A]を4L仕込んで
処理を開始した。 現像液[A] D−ソルビット 27.0 g 水酸化カリウム 12.6 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.16g DEQUEST 2066(米国モンサント社製キレート剤) 0.34g 水 70.8 g
【0063】 不感脂化液[A] アラビアガム 1.8 g 酵素変性馬鈴薯澱粉 18.3 g 酵素変性玉蜀黍澱粉 3.7 g 燐酸化ワキシ−玉蜀黍澱粉 1.8 g ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.91g ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム 0.44g (花王株式会社製エマールNC) 第一燐酸アンモニウム 0.27g 燐酸(85%) 0.37g EDTA−四ナトリウム塩 0.27g エチレングリコール 1.8 g ベンジルアルコール 2.3 g デヒドロ酢酸ナトリウム 0.04g エマルジョン型シリコン消泡剤 0.02g 水 68.4 g
【0064】処理は一日あたり160版、6ヶ月間連続
して行った。現像浴へは下記の現像補充液[A]を1m2
あたり60cc補充した。不感脂化浴へは上記不感脂化液
[A]を1m2あたり20cc補充した。 現像補充液[A] D−ソルビット 58.3 g 水酸化カリウム 25.9 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.24g DEQUEST 2066(米国、モンサント社製キレート剤) 1.2 g 水 61.36g 処理の途中で印刷用の版をサンプリングし、ハリス社製
オーレリア125を用いて、イソプロピルアルコール1
0%水溶液を湿し水、大日本インキ株式会社製Geos
−G(N)墨をインキとして用いて印刷した。印刷物の
インキ着肉や汚れ性に問題が生じることもなく印刷でき
た。
【0065】
【実施例2】実施例1の不感脂化液[A]のポリオキシ
エチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム0.
44gをラウリルアミノエチルカルボン酸ナトリウム
(ライオン株式会社製リポミンLA)0.44gに変え
たほかは、実施例1と同様に処理した。処理の途中で印
刷用の版をサンプリングし、ハリス社製オーレリア12
5を用いて、イソプロピルアルコール10%水溶液を湿
し水、大日本インキ株式会社製Geos−G(N)墨を
インキとして用いて印刷した。印刷物のインキ着肉や汚
れ性に問題が生じることもなく印刷できた。
【0066】
【実施例3】実施例1の不感脂化液[A]のポリオキシ
エチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウム0.
44gをαオレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン
株式会社製リポランLB440)0.44gに変えたほ
かは、実施例1と同様に処理した。処理の途中で印刷用
の版をサンプリングし、ハリス社製オーレリア125を
用いて、イソプロピルアルコール10%水溶液を湿し
水、大日本インキ株式会社製Geos−G(N)墨をイ
ンキとして用いて印刷した。印刷物のインキ着肉や汚れ
性に問題が生じることもなく印刷できた。
【0067】
【比較例1】実施例1の不感脂化液[A]からポリオキ
シエチレンラウリルフェニルエーテル硫酸ナトリウムを
除いたほかは、実施例1と同様に処理した。処理の途中
で印刷用の版をサンプリングし、ハリス社製オーレリア
125を用いて、イソプロピルアルコール10%水溶液
を湿し水、大日本インキ株式会社製Geos−G(N)
墨をインキとして印刷した。印刷物にはスジ状の地汚れ
が発生するとともにインキ着肉枚数も大幅に上昇してい
まい、正常な印刷物を得ることができなかった。
【0068】
【比較例2】実施例1の自動現像機を第1の不感脂化処
理浴のみのものに変更し、不感脂化浴へは不感脂化液
[A]を1m2 あたり60cc補充したほかは、実施例1
と同様に処理した。処理の途中で印刷用の版をサンプリ
ングし、ハリス社製オーレリア125を用いて、イソプ
ロピルアルコール10%水溶液を湿し水、大日本インキ
株式会社製Geos−G(N)墨をインキとして印刷し
た。印刷物のインキ着肉や地汚れ性に問題が生じること
なく印刷できた。しかしながら、不感脂化処理浴への補
充量が増加し、現像廃液とあわせた総廃液量が増加して
しまった。
【0069】以上の実施例1〜3及び比較例1〜2にお
ける平版印刷版のインキ着肉枚数(印刷物にインキが着
肉し、正常な印刷物が得られるまでに要した印刷用紙の
枚数)と非画像部の地汚れ性、及び総廃液量(現像廃液
+不感脂化廃液(cc/m2))の結果を表1に示す。
【0070】 インキ着肉枚数 地汚れ 総廃液量(cc/m2) 実施例1 8 なし 80 実施例2 7 なし 80 実施例3 7 なし 80 比較例1 120 スジ状 80 比較例2 20 なし 120

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を有する感光性平版印
    刷版を露光、現像後、不感脂化処理を2浴以上の処理浴
    で行い、最終の不感脂化処理浴にポリオキシエチレンア
    ルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキルアミノカル
    ボン酸塩類及びオレフィンスルホン酸塩類からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種を含有する不感脂化補充液を
    補充し、そのオーバーフロー排液を前段の不感脂化処理
    浴に排出し、同様にして順次オーバーフロー排液を前段
    の不感脂化処理浴へ補充していくことを特徴とする感光
    性平版印刷版の処理方法。
JP1915998A 1998-01-30 1998-01-30 感光性平版印刷版の処理方法 Pending JPH11218936A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007286385A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Mitsubishi Paper Mills Ltd アルカリ可溶性樹脂層処理液、アルカリ可溶性樹脂層除去方法、レジストパターンの形成方法及び回路基板の製造方法
JP2010286851A (ja) * 2010-08-09 2010-12-24 Mitsubishi Paper Mills Ltd アルカリ可溶性樹脂層除去方法、レジストパターンの形成方法及び回路基板の製造方法

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