JPH11258780A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

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JPH11258780A
JPH11258780A JP5766698A JP5766698A JPH11258780A JP H11258780 A JPH11258780 A JP H11258780A JP 5766698 A JP5766698 A JP 5766698A JP 5766698 A JP5766698 A JP 5766698A JP H11258780 A JPH11258780 A JP H11258780A
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JP
Japan
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acid
finishing
bath
solution
processing
Prior art date
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Application number
JP5766698A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sakamoto
敦 坂本
Chikashi Oishi
近司 大石
Tadao Toyama
忠夫 登山
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理液の廃液量を抑え、感光性平版印刷版を
長期間処理しても不感脂化処理浴において版面上に感光
層成分が析出しない、安定な処理を継続できる感光性平
版印刷版の処理方法を提供する。印刷時汚れのない平版
印刷版を長期間にわたって製造することのできる感光性
平版印刷版の処理方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に感光層を有する感光性平版印
刷版を露光、現像後に、フィニッシング処理を2浴以上
の処理浴で行う工程において、第1段のフィニッシング
処理浴に水を仕込み、及び第2段以降のフィニッシング
処理浴にフィニッシング液を仕込んで処理を開始し、フ
ィニッシング補充液を最終のフィニッシング処理浴に補
充し、そのオーバーフロー排液を前段のフィニッシング
処理浴に排出し、同様にして順次オーバーフロー排液を
前段のフィニッシング処理浴へ補充していくことを特徴
とする感光性平版印刷版の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版の
処理方法に関するものであり、特に、長期間の安定処理
に適した感光性平版印刷版の処理方法に関するものであ
る。ここでフィニッシング液、フィニッシング処理と
は、水溶性樹脂を含有する不感脂化液とそれによる処理
(以下、不感脂化処理とする)、あるいは界面活性剤を
含有する水溶液(以下、リンス液とする)とそれによる
処理(以下、リンス処理とする)を意味する。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版は現像、水洗処理後ま
たは水洗しないで版面の洗浄・保護を主な目的としたフ
ィニッシング処理、すなわち不感脂化液による処理、ま
たは版面の洗浄を主な目的としたリンス液による処理が
行われる。ここで不感脂化液は水溶性樹脂、界面活性
剤、親油性物質等を主成分とした水溶液またはエマルジ
ョンからなり、またリンス液は界面活性剤を主成分とし
た水溶液からなっている。近年、製版・印刷業界では製
版作業の合理化および標準化のため、感光性平版印刷版
用自動現像機が広く用いられている。この自動現像機
は、一般に感光性平版印刷版を搬送する装置とスプレー
装置、現像浴および後処理浴からなる。後処理浴は通
常、水洗浴および不感脂化浴またはリンス浴からなる。
現像浴から出てきた版面上には、感光層成分が溶解した
現像液がのっていることから、それが通常酸性又は中性
の不感脂化液やリンス液と触れた瞬間に中和されて低p
H化し、溶解していた感光層成分(主にバインダー)が
版上で析出して付着し、平版印刷版における印刷時の汚
れの原因となる。
【0003】水洗浴は、現像された感光性平版印刷版上
の現像液やそれに溶出した感光層成分が、フィニッシン
グ処理浴へ持ち込まれる量を少なくするための水洗処理
をおこなう。水洗処理は通常、節水等の目的で水洗水を
循環して繰り返し使用し、水洗浴中の感光層成分の濃度
上昇を防ぐために少量の新鮮水を補充しながらおこなわ
れる。しかしながら、感光性平版印刷版の処理量の増加
と共にフィニッシング処理浴へ持ち込まれる感光層成分
が徐々に増加し沈殿が生じたり、またpHが高くなった
水でフィニッシング液が希釈されることになり、印刷
時、版に汚れが生じたり着肉性が悪くなる傾向があった
この問題を解決するには、補充する水洗水を増量する方
法や、フィニッシング処理浴への補充を行い、さらには
その補充量を増加する方法などがあげられるが、それに
伴い廃液量も増加し、昨今の環境への配慮と逆行したも
のになり新たな問題が発生した。一方、感光層成分の沈
殿を防止するために、各種の界面活性剤を不感脂化液ま
たはリンス液に添加することも提案されているが、十分
な効果は得られていなかった。
【0004】一方、処理液の廃液量を抑制しながら長期
にわたって安定処理を継続する観点から、現像後、水洗
処理せずに、フィニッシング処理を2浴以上で実施し、
その際、フィニッシング補充液を最終のフィニッシング
処理浴に補充し、そのオーバーフロー排液を前段のフィ
ニッシング処理浴に排出し、同様にしてオーバーフロー
排液を前段のフィニッシング処理浴へ補充していく処理
方法が提案される。しかしながら、この方法において
も、版上で感光層成分が析出して付着し、平版印刷版に
おける印刷時の汚れの原因となることを十分に解消する
ことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、処理液の廃液量を抑え、感光性平版印刷版を長期間
処理してもフィニッシング処理浴において版面上に感光
層成分が析出しない、安定な処理を継続できる感光性平
版印刷版の処理方法を提供することである。延いては、
印刷時汚れのない平版印刷版を長期間にわたって製造す
ることのできる感光性平版印刷版の処理方法を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、フィニッシン
グ処理を2浴以上で行い、第1段のフィニッシング処理
浴に水を仕込んで処理を開始することで、フィニッシン
グ処理浴において版上での感光層成分の析出を防ぐこと
ができることを見出した。本発明はバッファー力のない
水に現像浴から高アルカリ性の現像液が持ち込まれるこ
とと、フィニッシング液のオーバーフローが前段のフィ
ニッシング処理浴に排出されることを利用している。す
なわち処理開始当初、第1段のフィニッシング処理浴を
バッファー力のない水にしておくことにより、版面に乗
った現像液が急激にpH低下することなく感光層成分の
析出が防止できる。また、処置が進んだ場合、第1段の
フィニッシング処理浴は後段からのフィニッシング液の
オーバーフローによりバッファー力を持つようになる
が、同時に現像浴からも現像液が持ち込まれ、結果とし
て第1段のフィニッシング処理浴は弱アルカリ性から高
アルカリ性になり、版上での感光層成分の析出を防止で
きることを見出した。従って本発明は、支持体上に感光
層を有する感光性平版印刷版を露光、現像後に、フィニ
ッシング処理を2浴以上の処理浴で行う工程において、
第1段のフィニッシング処理浴に水を仕込み、及び第2
段以降のフィニッシング処理浴にフィニッシング液を仕
込んで処理を開始し、フィニッシング補充液を最終のフ
ィニッシング処理浴に補充し、そのオーバーフロー排液
を前段のフィニッシング処理浴に排出し、同様にして順
次オーバーフロー排液を前段のフィニッシング処理浴へ
補充していくことを特徴とする感光性平版印刷版の処理
方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の感光性平版印刷版
の処理方法ついて詳しく述べる。本発明の感光性平版印
刷版の処理方法に用いられる感光性平版印刷版は、特に
限定されるものではなく、従来のポジ型・ネガ型感光性
平版印刷版、光重合型感光性平版印刷版、ポジ型・ネガ
型赤外線感光性平版印刷版等が挙げられる。
【0008】
【ポジ型感光性平版印刷版】ポジ型感光性平版印刷版と
しては高分子バインダーとo- キノンジアジド化合物を
主成分とする感光層を有するものが挙げられる。特に好
ましい例としては、特開平9−134002号公報に記
載のポジ型感光性平版印刷版が用いられる。
【0009】
【ネガ型感光性平版印刷版】ネガ型感光性平版印刷版と
しては、感光性ジアゾ化合物を含む感光層、光架橋性感
光層などを有するものが挙げられるが、特に好ましい例
としては特開平6−282079号公報に詳しく記載さ
れているネガ型感光層を有する感光性平版印刷版を挙げ
ることができる。
【0010】
【光重合型感光性平版印刷版】光重合型感光性平版印刷
版としては、特開平8−220758号公報に詳しく記
載されている光重合性組成物を用いた平版印刷版を挙げ
ることができる。
【0011】
【赤外線感光性平版印刷版】赤外線感光性平版印刷版に
は、以下に示したようなネガ型赤外線感光性平版印刷版
およびポジ型赤外線感光性平版印刷版が好適に用いられ
るが、これらに限定されるものでない。
【0012】
【ネガ型赤外線感光性平版印刷版】ネガ型赤外線感光性
平版印刷版の感光性組成物層は(A)光又は熱により分
解して酸を発生する化合物、(B)酸により架橋する架
橋剤、(C)アルカリ可溶性樹脂の少なくとも1種、
(D)赤外線吸収剤、(E)その他添加物を含有する。
ネガ型赤外線感光性平版印刷版においては、赤外線を放
射する固体レーザ及び半導体レーザにより付与されたエ
ネルギーが、(D)赤外線吸収剤によって熱エネルギー
に変換され、それによって(A)光又は熱により分解し
て酸を発生する化合物が分解して酸を発生し、この酸
が、(B)酸により架橋する架橋剤と(C)アルカリ可
溶性樹脂との架橋反応を促進することにより画像形成が
行われるものである。
【0013】
【ポジ型赤外線感光性平版印刷版】次にポジ型赤外線感
光性平版印刷版について述べる。従来公知のポジ型赤外
線感光性平版印刷版材料としては、例えば特開平7−2
85275号公報記載の、ノボラック樹脂等のフェノー
ル性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂に、光を吸収し
熱を発生する物質と、種々のオニウム塩、キノンジアジ
ド化合物類等を添加した画像記録材料が挙げられる。他
方、光を吸収し熱を発生する物質と、フェノール性水酸
基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂、および下記
(a)から(c)のうち少なくとも一つを共重合成分と
して10モル%以上含む共重合体とからなるポジ型赤外
線感光性平版印刷版を提示している。この系では、二種
の樹脂の強い相互作用によりアルカリ水溶液に不溶化す
るが、加熱された場合には、熱によりその相互作用が弱
まりアルカリ水溶液に可溶化するものと推定される。 (a)1分子中に、窒素原子上に少なくとも一つの水素
原子が結合したスルホンアミド基を有するモノマー (b)1分子中に、活性イミノ基を有するモノマー (c)それぞれフェノール性水酸基を有するアクリルア
ミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、またはヒドロキシスチレン。 本発明においてはこれらのポジ型赤外線感光性平版印刷
版が好適に用いられる。
【0014】
【共通処理】本発明の感光性平版印刷版の処理方法で
は、ポジ型・ネガ型感光性平版印刷版、光重合型感光性
平版印刷版、およびネガ型およびポジ型赤外線感光性平
版印刷版を同一の自動現像機で、同一の処理液を用いて
共通処理することが可能である。
【0015】
【露光・現像・後処理】赤外線感光性平版印刷版は、近
赤外から赤外領域に発光波長を持つレーザーを搭載した
プレートセッターなどにより露光される。かかるレーザ
ーとしては波長760nmから1200nmの赤外線を放射
する固体レーザ及び半導体レーザが好ましい。本発明に
おいては、レーザ照射後すぐに現像処理を行っても良い
が、レーザ照射工程と現像工程の間に加熱処理を行うこ
とが好ましい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の
範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱
処理により、レーザ照射時、記録に必要なレーザエネル
ギーを減少させることができる。必要に応じて加熱処理
を行った後、発明の処理方法で現像、フィニッシング処
理される。また、紫外・可視光線感光性平版印刷版は透
明原画を通して、例えば、水銀灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ、ケミカルランプ、タングステンラ
ンプ、カーボンアーク灯等により露光された後、本発明
の処理方法で現像、フィニッシング処理される。また光
重合型感光性平版印刷版はアルゴンレーザー、YAGレ
ーザーで走査露光された後、必要により加熱処理を行っ
て本発明の処理方法で現像、フィニッシング処理され
る。
【0016】
【自動現像機】本発明の感光性平版印刷版の処理は自動
現像機を用いて行われる。かかる自動現像機は、現像処
理浴と複数のフィニッシング処理浴からなり、感光性平
版印刷版を搬送する装置と、各処理浴およびスプレー装
置および後段のフィニッシング処理浴から前段のフィニ
ッシング処理浴へのオーバーフロー部などで構成され、
露光済みの感光性平版印刷版を水平に搬送しながら、ポ
ンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付
けて現像およびフィニッシング処理するものである。ま
た、最近は処理液が満たされた処理浴中に液中ガイドロ
−ルなどによって感光性平版印刷版を浸漬搬送させて現
像処理する方法も知られている。現像後、平版印刷版は
アラビアガムや澱粉誘導体等の水溶性樹脂を主成分とす
る不感脂化液で、あるいは界面活性剤を含むリンス液で
フィニッシング処理される。本発明において、この平版
印刷版のフィニッシング処理は第1段のフィニッシング
処理浴から最終のフィニッシング処理浴を通して2浴以
上で行われる。自動現像機の簡略化、設置スペース、製
造コスト等から、自動現像機は第1段および第2段のフ
ィニッシング処理浴からなる2段階のフィニッシング処
理浴を有することが好ましい。従って本発明の方法によ
る製版工程としては具体的に、現像→不感脂化処理浴→
不感脂化処理浴、あるいは現像→リンス処理浴→リンス
処理浴が挙げられる。このような自動処理においては、
現像浴およびフィニッシング処理浴に処理量や稼動時間
等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理するこ
とができる。特に本発明の特徴は、処理量に応じた新鮮
なフィニッシング液の補充は最終のフィニッシング処理
浴に行い、そのオーバーフロー液を前段のフィニッシン
グ処理浴に排出させ、同様にして順次オーバーフロー排
液を前段のフィニッシング処理浴へ補充していく。ま
た、現像部では実質的に未使用の処理液で処理するいわ
ゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0017】
【現像液】特に記載のない限り、現像液及び現像補充液
を一括して現像液と称す。 [アルカリ剤]本発明に用いられる現像液としては従来
より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば
珪酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、
同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤が挙
げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイ
ソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いら
れる。
【0018】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中
で好ましいのは珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸
塩の水溶液である。その理由は珪酸塩の成分である酸化
珪素SiO2とアルカリ金属酸化物M2O の比率(一般に「 S
iO2 」/「 M2O」のモル比で表す)と濃度によってある
程度現像性の調節が可能とされるためであり、例えば、
特開昭54−62004号公報に開示されているよう
な、 SiO2 / M2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち「Si
O2 」/「 M2O」が1.0〜1.5)であって、 SiO2 の含
有量が1〜4重量%の珪酸ナトリウムの水溶液や、特公
昭57−7427号公報に記載されているような、「 S
iO2 」/「 M」が0.5から0.75(即ち「 SiO2 」/
「 M2O」が1.0〜1.5)であって、 SiO2 の濃度が1〜
4重量%であり、かつ該現像液かその中に存在する全ア
ルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%
のカリウムを含有していることからなるアルカリ金属珪
酸塩が好適に用いられる。
【0019】自動現像機を用いて、感光性平版印刷版を
現像する場合に、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶
液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現
像タンク中の現像液を交換することなく、多量の感光性
複写材料を処理することができることが知られている。
本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
例えば、特開昭54−62004号公報に開示されてい
るような現像液の SiO 2 /Na2Oのモル比が1.0〜1.5
(即ち「SiO2」/「Na2O」が1.0〜1.5)であって、 S
iO2 の含有量が1〜4重量%の珪酸ナトリウムの水溶液
を使用し、しかもポジ型感光平板印刷版の処理量に応じ
て連続的または断続的にSiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.
5(即ち「SiO2」/「Na2O」が1.0〜1.5)の珪酸ナト
リウム水溶液(補充液)を現像液に加える方法がある。
【0020】更には、特公昭57−7427号公報に開
示されている、「 SiO2 」/「 M」が0.5から0.75
(即ち「 SiO2 」/「 M2O」が1.0〜1.5)であって、
SiO2の濃度が1〜4重量%であるアルカリ金属珪酸塩
の現像液を用い、補充液として用いるアルカリ金属珪酸
塩の「 SiO2 」/「 M」が0.25〜0.75(即ち「 SiO
2 」/「 M2O」が0.5〜1.5であり、かつ該現像液およ
び該補充液のいずれもがその中に存在する全アルカリ金
属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウ
ムを含有していることからなる現像方法が好適に用いら
れる。更にはランニングコストや廃液量の削減の為、活
性度の高い現像液として SiO2 / M2Oのモル比が0.7〜
1.5であってSiO2の濃度が1.0〜4.0重量%のアルカリ
金属珪酸塩の水溶液からなり、また、補充液がSiO2/M2
O のモル比が0.3〜1.0であって、SiO2の濃度が0.5〜
4.0重量%のアルカリ金属珪酸塩の水溶液であるような
系も好適に用いられる。
【0021】またさらに、本発明の処理方法に用いられ
る現像液は非珪酸塩を主成分とすることも好ましい。か
かる現像液としては、特開平8−160631号公報や
特開平8−234447号公報記載の現像液が好ましく
用いられる。中でも好ましい例としては、特開平8−3
05039号公報記載の現像液が挙げられる。好ましい
現像液を具体的に説明すると、非還元糖から選ばれる少
なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基(但し
珪酸塩を除く)からなり、pHが9.0〜13.8の範囲で
ある現像液である。
【0022】かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基
やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還
元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元
基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して
還元した糖アルコールに分類され、何れも本発明に好適
に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロー
スやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配
糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げら
れる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、
リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−
マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズ
リシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に
二糖類のマルトースに水素添加したマルチトールおよび
オリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が
好適に用いられる。これらの中で本発明に好ましい非還
元糖は糖アルコールとトレハロース型少糖類であり、中
でもD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度
なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であること
で好ましい。
【0023】これらの非還元糖は、単独もしくは二種以
上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める
割合は0.1〜30重量%が好ましく、更に好ましくは、
1〜20重量%である。この範囲以下では十分な緩衝作
用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃縮化
し難く、また原価アップの問題が出てくる。非還元糖に
組み合わせる塩基としては従来より知られているアルカ
リ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、同カリ
ウム、同リチウム、燐酸三ナトリウム、同カリウム、同
アンモニウム、燐酸二ナトリウム、同カリウム、同アン
モニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウ
ム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウムなど
の無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチ
レンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機ア
ルカリ剤も用いられる。
【0024】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいの
は水酸化ナトリウム、同カリウムである。その理由は、
非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広い
pH領域でpH調整が可能となるためである。また、燐
酸三ナトリウム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。こ
れらのアルカリ剤は該現像液組成物のpHを9.0〜13.
8の範囲になるように添加され、その添加量は所望のp
H、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、よ
り好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。尚、本発
明の処理方法に用いられる現像液には、非還元糖とアル
カリ剤の組み合わせに代えて、非還元糖のアルカリ金属
塩を主成分として用いることもできる。該非還元糖塩は
非還元糖とアルカリ金属水酸化物とを混合し該非還元糖
の融点以上に加熱し、脱水すること、或いは非還元糖と
アルカリ金属水酸化物の混合水溶液を乾燥することによ
って得られる。
【0025】現像液には更に、特開平8−160631
号公報や特開平8−134447号公報記載の、糖類以
外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用でき
る。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離
定数(pKa )が10.0〜13.2のものが好ましい。こ
のような弱酸としては、PergamonPress社
発行のIONISATION CONSTANTS O
F ORGANICACIDS IN AQUEOUS
SOLUTIONなどに記載されているものから選ば
れ、例えば2,2,3,3 - テトラフルオロプロパノール-1
(pKa 12.74)、トリフルオロエタノール(同12.
37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのア
ルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.6
8)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などの
アルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3-ヒドロキシ
-2- ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.
6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同1
1.7)、3,4-ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,
4-ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4-トリヒ
ドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同
11.56)、ピロガロール(同11.34)、o- クレゾ
ール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、
p- クレゾール(同10.27)、m- クレゾール(同1
0.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、
【0026】2−ブタノンオキシム(同12.45)、ア
セトキシム(同12.42)、1,2-シクロヘプタンジオン
ジオキシム(同12.3)、2-ヒドロキシベンズアルデヒ
ドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同
11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、
アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム
類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.
5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、
ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)
などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホス
ホン酸(同12.32)、1-アミノ-3,3,3- トリフルオロ
安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン
酸(同12.10)、1,1-エチリデンジホスホン酸(同1
1.54)、1,1-エチリデンジホスホン-1- ヒドロキシ
(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、
チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド
(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸
が挙げられる。
【0027】これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホ
サリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合
わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わ
せて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組
み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用さ
れる。
【0028】[界面活性剤]本発明に用いられる現像液
には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像
部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の好ましい例とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グ
リセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ
糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル類、
【0029】脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビ
ス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エス
テル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界
面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシ
アルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジ
アルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、αオレフィンスル
ホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分
岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエ
チレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−
オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥
珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、
硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル
塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸エステル塩類、
【0030】脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテ
ル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン
酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の
部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の
部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合
物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、
テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニ
ウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポ
リエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性
剤、カルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸
類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダ
ゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げ
た界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、
ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えるこ
ともでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0031】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10重量%、
より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加される。
【0032】[現像安定化剤]本発明の処理方法に用い
られる現像液には、種々現像安定化剤が用いられる。そ
れらの好ましい例として、特開平6−282079号公
報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加
物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテト
ラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウム
ブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨー
ドニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例
として挙げられる。更には、特開昭50−51324号
公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、
また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオ
ニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記
載されている水溶性の両性高分子電解質がある。
【0033】更に、特開昭59−84241号公報のア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特
開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面
活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシ
エチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレン
ジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載
の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコー
ル、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を
有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公
報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシ
ドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合
物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0034】[有機溶剤]現像液には更に必要により有
機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対
する溶解度が約10重量%以下のものが適しており、好
ましくは5重量%以下のものから選ばれる。例えば、1
−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−
フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタ
ノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル
−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベ
ンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコ
ール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシ
ベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキ
サノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチル
シクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノー
ル、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニル
ジエタノールアミンなどを挙げることができる。有機溶
剤の含有量は使用液の総重量に対して0.1〜5重量%で
ある。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係が
あり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増
加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少な
く、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解
せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなる
からである。
【0035】[還元剤]本発明に用いられる現像液には
更に還元剤が加えられてもよい。これは印刷版の汚れを
防止するものである。好ましい有機還元剤としては、チ
オサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキ
ノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノ
ール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジン
などのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の
還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜
リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジ
チオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩などを挙げることができる。これらの還元
剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩で
ある。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好まし
くは、0.05〜5重量%の範囲で含有される。
【0036】[有機カルボン酸]現像液には更に有機カ
ルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン
酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香
族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例と
しては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン
酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアル
カン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和
脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香
族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アン
トラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物
で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息
香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4
−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香
酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子
酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、
1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキ
シナフトエ酸は特に有効である。
【0037】上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶
性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアン
モニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる
現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はない
が、0.1重量%より低いと効果が十分でなく、また10
重量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかり
か、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがあ
る。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して
0.1〜10重量%であり、よりこのましくは0.5〜4重
量%である。
【0038】[その他]本発明に用いられる現像液に
は、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡
剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬
水軟化剤としては例えば、ポリ燐酸およびそのナトリウ
ム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジア
ミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ト
リエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−
ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジア
ミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカ
ルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およ
びアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホ
ン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチ
レンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタン−1,1
−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩お
よびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0039】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液に0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重
量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期
の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い
場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現
像液の残余の成分は水である。本発明に用いられる現像
液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液として
おき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬
上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離や析出
を起こさない程度が適当である。また、スプレードライ
法等で水分を除去するか、或いは固形原料を混合した固
形化現像剤も好ましい態様である。
【0040】
【フィニッシング液】特に記載のない限り、フィニッシ
ング液及びフィニッシング補充液を一括してフィニッシ
ング液と称し、以下説明する。単にフィニッシング液と
いう場合は不感脂化液とリンス液の双方を意味する。第
1段のフィニッシング処理浴に処理開始当初に仕込む水
についても、ここで記載する。第1段のフィニッシング
処理浴に仕込む水は、水単独でもよいし、界面活性剤を
0.001〜20重量%、好ましくは0.05〜20重量%
含ませることもできる。その界面活性剤としては、後述
するフィニッシング液に含ませる界面活性剤と同様のも
のを使用することができる。二種以上の界面活性剤を用
いてもよい。
【0041】フィニッシング液は一般的には現像液より
低いpH3〜12の範囲で使用することが有利である。
pHを3〜12にするためには一般的にフィニッシング
液中に鉱酸、有機酸又は無機塩等を添加し調節する。そ
の添加量は0.01〜2重量%である。例えば鉱酸として
は硝酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等が挙げられる。有
機酸としてはクエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン
酸、フィチン酸、有機ホスホン酸、またグリシン、α−
アラニン、β−アラニンなどのアミノ酸等が挙げられ
る。無機塩としては硝酸マグネシウム、第1リン酸ナト
リウム、第2リン酸ナトリウム、硫酸ニッケル、ヘキサ
メタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が
挙げられる。鉱酸、有機酸又は無機塩等の少なくとも1
種もしくは2種以上を併用してもよい。
【0042】フィニッシング液が界面活性剤を含有する
リンス液である場合、上記のpH調整剤の他に、親油性
物質、防腐剤、防黴剤、消泡剤などを含有させておくこ
とができる。リンス液の主成分である界面活性剤として
は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤およびノニオン界面活性剤が挙げられる。アニ
オン界面活性剤としては脂肪酸塩類、アビエチン酸塩
類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスル
ホン酸塩類、α−オレフィンスルホン酸塩類、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジ
スルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル
ナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオ
キシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル
−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルス
ルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、
【0043】石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫
酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩
類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリ
ド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンス
チリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン
酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸
塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でも
ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル
塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類およびα−
オレフィンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテ
ルジスルホン酸塩類、が特に好ましく用いられる。カチ
オン界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第4級
アンモニウム塩類等が用いられる。
【0044】両性界面活性剤としては、アルキルカルボ
キシベタイン類、アルキルイミダゾリン類、アルキルア
ミノカルボン酸類等が用いられる。ノニオン界面活性剤
としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオ
キシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グ
リセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール
脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸
エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、
【0045】ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオ
キシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸
ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシ
アルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキ
ルアミンオキシド、ポリプロピレングリコールの分子量
200〜5000、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン又はソルビトールのポリオキシエチレン又はポリオキ
シプロピレンの付加物、アセチレングリコール系等が挙
げられる。又、弗素系、シリコン系のノニオン界面活性
剤も同様に使用することができる。該界面活性剤は二種
以上併用することができる。使用量は特に限定する必要
はないが、好ましい範囲としてはリンス液の全重量に基
づいて0.01〜20重量%が適当であり、好ましくは0.
05〜10重量%である。
【0046】また、リンス液に使用する防腐剤としては
繊維、木材加工、食品、医薬、化粧品、農薬分野等で使
用されている公知の物が使用できる。例えば第4級アン
モニウム塩、一価フェノール誘導体、二価フェノール誘
導体、多価フェノール誘導体、イミダゾール誘導体、ピ
ラゾロピリミジン誘導体、一価ナフトール、カーボネー
ト類、スルホン誘導体、有機スズ化合物、シクロペンタ
ン誘導体、フェニル誘導体、フェノールエーテル誘導
体、フェノールエステル誘導体、ヒドロキシルアミン誘
導体、ニトリル誘導体、ナフタリン類、ピロール誘導
体、キノリン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、第2級
アミン、1,3,5トリアジン誘導体、チアジアゾール
誘導体、アニリド誘導体、ピロール誘導体、ハロゲン誘
導体、二価アルコール誘導体、ジチオール類、シアン酸
誘導体、チオカルバミド酸誘導体、ジアミン誘導体、イ
ソチアゾール誘導体、一価アルコール、飽和アルデヒ
ド、不飽和モノカルボン酸、飽和エーテル、不飽和エー
テル、
【0047】ラクトン類、アミノ酸誘導体、ヒダントイ
ン、シアヌール酸誘導体、グアニジン誘導体、ピリジン
誘導体、飽和モノカルボン酸、ベンゼンカルボン酸誘導
体、ヒドロキシカルボン酸誘導体、ビフェニル、ヒドロ
キサム酸誘導体、芳香族アルコール、ハロゲノフェノー
ル誘導体、ベンゼンカルボン酸誘導体、メルカプトカル
ボン酸誘導体、第4級アンモニウム塩誘導体、トリフェ
ニルメタン誘導体、ヒノキチオール、フラン誘導体、ベ
ンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、イソキノリン誘
導体、アルシン誘導体、チオカルバミン酸誘導体、リン
酸エステル、ハロゲノベンゼン誘導体、キノン誘導体、
ベンゼンスルホン酸誘導体、モノアミン誘導体、有機リ
ン酸エステル、ピペラジン誘導体、フェナジン誘導体、
ピリミジン誘導体、チオファネート誘導体、イミダゾリ
ン誘導体、イソオキサゾール誘導体、アンモニウム塩誘
導体等の中の公知の防腐剤が使用できる。
【0048】特に好ましい防腐剤として、ピリジンチオ
ール−1−オキシドの塩、サリチル酸およびその塩、
1,3,5−トリスヒドロキシエチルヘキサヒドロ−S
−トリアジン、1,3,5−トリスヒドロキシメチルヘ
キサヒドロ−S−トリアジン、1,2−ベンズイソチア
ゾリン−3−オン、5−クロル−2−メチル−4−イソ
チアゾリン−3−オン、2−ブロモ−2−ニトロ−1,
3−プロパンジオールが挙げられる。好ましい添加量
は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮す
る量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異な
るが、使用時の不感脂化液に対して0.01〜4重量%
の範囲が好ましく、また種々のカビ、細菌に対して効力
のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好まし
い。
【0049】リンス液にはまた、親油性物質を含有させ
ておくこともできる。これにより、平版印刷版の画像部
がより高い感脂性を示すようになり、現像インキ盛り
(現像後、画像を見易くするためと、画像の感脂性を高
め保持するためにエマルジョン型のインキ(通常黒色)
を画像上にのせること)が容易になるばかりでなく、該
水溶液による処理の後、版面保護剤処理を行う場合は、
画像部の感脂性の低下を強く抑えることができる。好ま
しい親油性物質には、例えばオレイン酸、ラノリン酸、
吉草酸、ノニル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸などのような炭素数が5〜25の有機カルボン
酸、ひまし油などが含まれる。これらの親油性物質は単
独もしくは2以上を組み合わせて使用することができ
る。リンス液中に含ませる親油性物質は、その総重量に
対して0.005〜10重量%、より好ましくは0.05〜
5重量%の範囲である。また、消泡剤を添加することも
でき、特にシリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分
散型及び可溶化型等がいずれも使用できる。好ましくは
使用時のリンス液に対して0.001〜1.0重量%の
範囲が最適である。
【0050】フィニッシング液が水溶性樹脂を含有する
不感脂化液である場合、前述のpH調整剤、防腐剤、防
黴剤、消泡剤を含有させておくことができる。不感脂化
液は、基本的にアラビアガムの約15〜20%の水溶液
が用いられることが多い。アラビアガム以外にも種々の
水溶性樹脂が不感脂化液の主成分として用いられる。例
えば、デキストリン、ステラビック、ストラクタン、ア
ルギン酸塩類、ポリアクリル酸塩類、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミ
ド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシアルキル
セルロース塩、大豆のオカラから抽出した水溶性多糖類
が好ましく、また、プルランまたはプルラン誘導体、ポ
リビニルアルコールも好ましい。
【0051】さらに、変成澱粉誘導体としてブリティッ
シュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリンおよびシャー
ディンガーデキストリン等の酵素変成デキストリン、可
溶化澱粉に示される酸化澱粉、変成アルファー化澱粉お
よび無変成アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、燐
酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン
酸澱粉およびカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カ
ルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スル
フォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベ
ンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ
澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロ
キシアルキル架橋澱粉、燐酸架橋澱粉、ジカルボン酸架
橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合
体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル
共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチ
ン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、
【0052】カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、
澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレ
ンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等
の澱粉グラフト重合体が好ましい。また天然高分子化合
物としては、かんしょ澱粉、ばれいしょ澱粉、タピオカ
澱粉、小麦澱粉およびコーンスターチ等の澱粉類、カラ
ジーナン、ラミナラン、海ソウマンナン、ふのり、アイ
リッシュモス、寒天およびアルギン酸ナトリウム等の藻
類から得られるもの、トロロアオイ、マンナン、クイン
スシード、ペクチン、トラガカントガム、カラヤガム、
キサンチンガム、グアービンガム、ローカストビンガ
ム、キャロブガム、ベンゾインガム等の植物性粘質物、
デキストラン、グルカン、レバン等のホモ多糖ならびに
サクシノグルカンおよびサンタンガム等のヘトロ多糖等
の微生物粘質物、にかわ、ゼラチン、カゼインおよびコ
ラーゲン等の蛋白質が好ましい。これらの水溶性樹脂は
2種以上組み合わせても使用でき、不感脂化液の全重量
に基づいて好ましくは5〜40重量%、より好ましくは
10〜30重量%の範囲で含有させることができる。
【0053】不感脂化液には、前述のリンス液に関して
記載した界面活性剤を含ませることができる。その含有
量は、不感脂化液の全重量に基づいて、0.01〜20重
量%程度が適当である。その他、不感脂化液には必要に
より湿潤剤としてグリセリン、エチレングリコール、ト
リエチレングリコール等を添加することができる。これ
らの湿潤剤の好ましい使用量としては0.1〜5重量%で
ある。
【0054】また、不感脂化液にはキレート化合物を添
加してもよい。通常、不感脂化液は濃縮液として市販さ
れ、使用時に水道水、井戸水等を加えて希釈して使用さ
れる。この希釈する水道水や井戸水に含まれているカル
シウムイオン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を汚れ易
くする原因となることもあるので、キレート化合物を添
加して、上記欠点を解消することができる。好ましいキ
レート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテト
ラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレ
ントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリ
ウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリ
ウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレン
ジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム
塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロ
キシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、
そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボ
ン酸類を挙げることが出来る。上記キレート剤のナトリ
ウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効であ
る。これらキレート剤は不感脂化液組成中に安定に存在
し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量として
は使用時の不感脂化液に対して0.001〜1.0重量
%が適当である。不感脂化液は乳化分散型でもよく、そ
の油相としては有機溶剤が用いられ又、可溶化剤の助け
を借りて、可溶化型にしてもよい。
【0055】フィニッシング液の残余の成分は水であ
る。フィニッシング液は、使用時よりも水の含有量を少
なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するよう
にしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度
は各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
また、スプレードライ法等で水分を除去するか、或いは
固形原料を混合した固形化フィニッシング剤も好ましい
態様である。
【0056】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、処理開始当
初の第1段のフィニッシング処理浴にはバッファー力の
ない水が仕込まれているので、現像液の載った版が持ち
込まれても版上で急激なpH低下がなく、感光層成分が
版上で析出することを防ぐことができる。第1段のフィ
ニシング処理浴には後段のフィニッシング処理浴のオー
バーフロー排液が補充されて、その組成は水から徐々に
フィニッシング液に置き換わっていくが、同時に持ち込
まれた現像液成分によりpHは上昇している。その間
も、持ち込まれる版上で急激なpH低下が起こることな
く、結局、第1段のフィニッシング処理浴において長期
にわたって版面上に感光層成分が析出することがない。
従って、安定な処理を継続することができ、印刷時汚れ
のない平版印刷版を製造することができる。また、2浴
以上の連続するフィニッシング処理浴において最終のフ
ィニッシング処理浴にのみフィニッシング補充液を補充
し、そのオーバーフロー排液を前段のフィニッシング処
理浴に排出し、同様にして順次オーバーフロー排液を前
段のフィニッシング処理浴へ補充する態様をとるので、
処理液の廃液量を抑制することができる。従って環境へ
も充分に配慮したものである。
【0057】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、下記実施例におけるパーセントは、他に指定のな
い限り、すべて重量%である。
【実施例1】(基板の作成)厚さ0.24mmのJIS A
1050アルミニウム板の表面をナイロンブラシと40
0メッシュのパミストンの水懸濁液を用い砂目立てした
後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウム水溶液
に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で
水洗後、20%HNO3 で中和洗浄、水洗した。これを
VA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用い
て1%硝酸水溶液中で260クーロン/dm2 の陽極時電
気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定し
たところ0.6μm(Ra表示)であった。ひきつづいて
30%のH2 SO4 水溶液中に浸漬し、55℃で2分間
デスマットした後、20%H2 SO4 水溶液中で電流密
度14A/dm2 、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2 相当に
なるように陽極酸化し、水洗後、珪酸ナトリウム2.5重
量%水溶液で30℃で10秒処理し、水洗して基板を作
成した。
【0058】この様にして処理された基板の表面に下記
に示す高分子化合物[a]を塗布し、90℃で10秒間
乾燥した。乾燥後の被覆量は、10mg/m2 であった。 高分子化合物[a](下記式参照) 0.2g メタノール 100g 水 1g
【0059】
【化1】
【0060】このようにして基板[A]を作成した。こ
の基板[A]上に下記感光液[A]を塗布することによ
り感光層を設けた。乾燥後の感光層塗膜量1.8g/m2
あった。 感光液[A] 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特許 第3,635,709 号明細書の実施例1に記載されているもの) 0.8g バインダー ノボラックI(下記式参照) 1.5g ノボラックII(下記式参照) 0.2g ノボラック以外の樹脂III (下記式参照) 0.4g p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g ピロガロール 0.05g 4−〔p−N,N−ビス(エトキシカルボニルメチル) アミノフェニル〕−2,6−ビス(トリクロロメチル) −S−トリアジン 0.07g ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製の 対アニオンを1−ナフタレンスルホン酸に変えた染料) 0.045g F176PF(フッ素系界面活性剤) (大日本インキ化学工業(株)製) 0.01g メチルエチルケトン 15g 1−メトキシ−2−プロパノール 10g
【0061】
【化2】
【0062】更に、真空密着時間を短縮させるため、以
下の方法でマット層を形成した。マット層形成用樹脂液
としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/ア
クリル酸(仕込み重量比65:20:15)共重合体の
一部をナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転
霧化静電塗布機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂
液の送液量は40ml/分、霧化頭への印加電圧は−9
0kV、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%
とし、塗布後2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤さ
せ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の
温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは約
6μm、大きさは約30、個数は150個/mm2 であっ
た。このようにしてポジ型感光性平版印刷版を作成し
た。
【0063】このように作成した感光性平版印刷版を1
030mm×800mmに裁断、多数枚用意した。1m
の距離から3kWのメタルハライドランプにより1分間
画像露光した後、現像処理浴の後に第1の不感脂化処理
浴と第2の不感脂化処理浴を有し、現像浴および第2の
不感脂化処理浴に補充液を補充する機構をもち、第2の
不感脂化処理浴のオーバーフロー液を第1の不感脂化処
理浴に排出する機構を持った自動現像機で処理した。そ
の際、現像浴には次に示す現像液[A]を20L仕込
み、30℃で12秒間現像処理し、第1の不感脂化処理
浴には水を4L仕込み、また第2の不感脂化処理浴には
不感脂化液[A]を4L仕込んで開始した。
【0064】 現像液[A] 〔SiO2 〕/〔K2 O〕モル比1.2、SiO2 1.4重量%の ケイ酸カリウム水溶液 1000g ポリオキシエチレン(付加モル数n=10)ジグリセリン 2g 不感脂化液[A] アラビアガム 1.8 g 酵素変性馬鈴薯澱粉 18.3 g 酵素変性玉蜀黍澱粉 3.7 g 燐酸化ワキシ−玉蜀黍澱粉 1.8 g ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 0.91g 第一燐酸アンモニウム 0.27g 燐酸(85%) 0.37g EDTA−四ナトリウム塩 0.27g エチレングリコール 1.8 g ベンジルアルコール 2.3 g デヒドロ酢酸ナトリウム 0.04g エマルジョン型シリコン消泡剤 0.02g 水 68.4 g
【0065】処理は一日あたり160版、3ヶ月間連続
して行った。現像浴へは下記の現像補充液[A]を1m2
あたり60cc補充した。不感脂化浴へは上記不感脂化液
[A]を1m2あたり20cc補充した。 現像補充液[A] 〔SiO2 〕/〔K2 O〕モル比1.0、SiO2 2.0重量%の ケイ酸カリウム水溶液 1000g ポリオキシエチレン(付加モル数n=10)ジグリセリン 4g 処理した版には感光層成分などの付着物は認められず、
また印刷も問題なく行うことができた。処理終了後、自
動現像機内部を観察した結果、第1の不感脂化処理浴に
わずかのゲル状沈殿、またスプレーパイプに若干の詰ま
りが認められたが上記期間は問題なく処理できた。
【0066】
【実施例2】実施例1の現像液[A]および現像補充液
[A]を、以下の現像液[B]および現像補充液[B]
に交換し、処理は一日あたり160版、6ヶ月間連続し
て行ったほかは、実施例1と同様に処理した。 現像液[B] D−ソルビット 27.0 g 水酸化カリウム 12.6 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.16g DEQUEST 2066(米国モンサント社製キレート剤) 0.34g 水 70.8 g 現像補充液[B] D−ソルビット 58.3 g 水酸化カリウム 25.9 g トリエタノールアミンのエチレンオキシド30モル付加物 0.24g DEQUEST 2066(米国、モンサント社製キレート剤) 1.2 g 水 61.36g 処理した版には感光層成分などの付着物は認められず、
また印刷も問題なく行うことができた。処理終了後、自
動現像機内部を観察した結果、各処理浴には沈殿は認め
られず、またスプレーパイプ等が詰まることもなかっ
た。
【0067】
【実施例3】実施例1と同様の操作により、ただし、不
感脂化処理をリンス処理に代えて処理した。すなわち、
第1のリンス処理浴には水を4L仕込み、第2のリンス
浴には下記組成のリンス原液 [A] を8倍に希釈して4
L仕込み、補充はリンス原液[A] を14倍に希釈して
1m2あたり20cc補充した。リンス処理の後、水洗し、
GU−7(富士写真フイルム製 保護ガム液)を塗布し
て印刷に供した。 リンス原液[A] ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム 2.00g ジオクチルスルホコハク酸エステルのナトリウム塩 2.00g 燐酸(85%) 5.00g 水酸化ナトリウム 2.00g エマルジョン型シリコン消泡剤 0.01g 水 93.00g 処理した版には感光層成分などの付着物は認められず、
また印刷も問題なく行うことができた。処理終了後、自
動現像機内部を観察した結果、各処理浴には沈殿は認め
られず、またスプレーパイプ等が詰まることもなかっ
た。
【0068】
【実施例4】実施例2と同様の操作により、ただし、不
感脂化処理をリンス処理に代えて処理した。すなわち、
第1のリンス処理浴には水を4L仕込み、第2のリンス
浴にはリンス原液 [A] を8倍に希釈して4L仕込み、
補充はリンス原液 [A] を14倍に希釈して1m2あたり
20cc補充した。リンス処理の後、水洗し、GU−7
(富士写真フイルム製 保護ガム液)を塗布して印刷に
供した。処理した版には感光層成分などの付着物は認め
られず、また印刷も問題なく行うことができた。処理終
了後、自動現像機内部を観察した結果、各処理浴には沈
殿は認められず、またスプレーパイプ等が詰まることも
なかった。
【0069】
【比較例1】実施例1の第1の不感脂化処理浴に不感脂
化液[A]を仕込んだ以外は実施例1と同様に処理し
た。処理した版にはカス付着が多く認められ、その版を
用いた印刷物にもチリ状の地汚れ(本来、画像のない部
分にポツ状にインクが付着する汚れ)が発生した。
【比較例2】実施例2の第1の不感脂化処理浴に不感脂
化液[A]を仕込んだ以外は実施例2と同様に処理し
た。処理した版にはカス付着が多く認められ、その版を
用いた印刷物にもチリ状の地汚れが発生した。
【0070】
【比較例3】実施例3の第1のリンス処理浴にリンス原
液 [A] を8倍に希釈して仕込んだ以外は、実施例3と
同様に処理した。処理した版にはカス付着が多く認めら
れ、その版を用いた印刷物にもチリ状の地汚れが発生し
た。
【比較例4】実施例4の第1のリンス処理浴にリンス原
液 [A] を8倍に希釈して仕込んだ以外は、実施例4と
同様に処理した。処理した版にはカス付着が多く認めら
れ、その版を用いた印刷物にもチリ状の地汚れが発生し
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に感光層を有する感光性平版印
    刷版を露光、現像後に、フィニッシング処理を2浴以上
    の処理浴で行う工程において、第1段のフィニッシング
    処理浴に水を仕込み、及び第2段以降のフィニッシング
    処理浴にフィニッシング液を仕込んで処理を開始し、フ
    ィニッシング補充液を最終のフィニッシング処理浴に補
    充し、そのオーバーフロー排液を前段のフィニッシング
    処理浴に排出し、同様にして順次オーバーフロー排液を
    前段のフィニッシング処理浴へ補充していくことを特徴
    とする感光性平版印刷版の処理方法。
JP5766698A 1998-03-10 1998-03-10 感光性平版印刷版の処理方法 Pending JPH11258780A (ja)

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