JPH11253539A - 消臭性布帛 - Google Patents

消臭性布帛

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JPH11253539A
JPH11253539A JP10076595A JP7659598A JPH11253539A JP H11253539 A JPH11253539 A JP H11253539A JP 10076595 A JP10076595 A JP 10076595A JP 7659598 A JP7659598 A JP 7659598A JP H11253539 A JPH11253539 A JP H11253539A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒の担体として可撓性の繊維布帛
を使用したものにおいて、耐食性被膜を透明にすること
により、担体布帛の備える色彩や柄模様が光触媒被膜を
透かして見えるようにし、しかも従来と同様に空気を能
率的に浄化でき、かつ発生時の活性酸素によって担体布
帛が侵されることがなく、カーテン、寝装品等のインテ
リヤに加工し易い消臭性布帛を提供する。 【解決手段】 合成繊維からなる布帛Fの表面に活性
酸素に対して耐食性を有する耐食性被膜11を形成し、
この耐食性被膜11の上に光触媒機能を有する金属酸化
物からなる透明な光触媒被膜12を形成した消臭性布帛
において、耐食性被膜11を二酸化珪素、酸化アルミニ
ウムまたは酸化ジルコニウムからなる透明被膜で形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酸化亜鉛等の消
臭用光触媒の担体として織物、編物、不織布等の布帛を
用いた消臭性布帛に関するものであり、太陽や蛍光灯の
光を受けて周囲の空気中酸素を活性化し、この活性酸素
で室内の臭気を消し、環境を清浄化するために利用され
る。
【0002】
【従来の技術】太陽や蛍光灯の光を受けて周囲の空気中
酸素を活性化し、この活性酸素で室内の臭気を消し、環
境を清浄化することができる消臭性布帛として、ナイロ
ン繊維やポリエステル繊維からなる織物、編物、不織布
等の繊維布帛にチタン・銀合金等の耐食性金属からなる
アモルファス構造の耐食性被膜をスパッタリングによっ
て形成し、この耐食性被膜の上に酸化チタンや酸化亜鉛
等の金属酸化物からなるアモルファス構造の光触媒被膜
をスパッタリングによって形成したものが知られている
(特開平8−215295号公報参照)。
【0003】上記の消臭性布帛が空気中で光を受ける
と、この光の一部が光触媒被膜の表面や耐食製被膜の表
面から反射し、その際に空気中の酸素を活性化する。す
なわち、光が光触媒被膜を2度通過するため、空気中の
酸素を能率的に活性化し、この活性酸素が空気中の雑菌
を分解し、悪臭や汚れを除去して環境を清浄化する。そ
して、上記の耐食性被膜は、それ自体が活性酸素で侵さ
れることなく担体布帛を活性酸素から保護するため、担
体布帛が脆化することがない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
消臭性布帛は、担体布帛の表面に設けた耐食性被膜が不
透明であり、外観が玉虫色となり、担体布帛の色彩や柄
模様が表面に現れないという問題があった。
【0005】この発明は、光触媒の担体として可撓性の
繊維布帛を使用したものにおいて、耐食性被膜を透明に
することにより、担体布帛の備える色彩や柄模様が光触
媒被膜を透かして見えるようにし、しかも従来と同様に
空気を能率的に浄化でき、かつ発生時の活性酸素によっ
て担体布帛が侵されることがなく、カーテン、寝装品等
のインテリヤに加工することができる消臭性布帛を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る消臭性布
帛は、合成繊維からなる布帛の表面に活性酸素に対して
耐食性を有する耐食性被膜が形成され、この耐食性被膜
の上に光触媒機能を有する金属酸化物からなる透明な光
触媒被膜が形成された消臭性布帛において、上記の耐食
性被膜が二酸化珪素、酸化アルミニウムまたは酸化ジル
コニウムからなる透明被膜であることを特徴とする。
【0007】上記の布帛は、ナイロン繊維、ポリエステ
ル繊維、ポリアクリロニトリル繊維、アラミド繊維等の
合成繊維からなる織物、編物、不織布等の可撓性を有す
る繊維布帛である。上記の合成繊維は、特にフィラメン
トが好ましく、織物や編物ではモノフィラメント糸また
はマルチフィラメント糸の形で使用される。そして、こ
の発明では、これらの繊維布帛が光触媒の担体として用
いられるが、光触媒被膜を形成した後の用途に応じて上
記の布帛にあらかじめ適当な浸染または捺染を施すこと
が好ましい。
【0008】上記布帛表面の耐食性被膜は、活性酸素に
対する耐食性に優れ、かつ光反射性を有する透明な二酸
化珪素、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウム、好
ましくは二酸化珪素または酸化アルミニウムで形成され
る。この耐食性被膜の厚さは、10〜1000Å、特に
30〜100Åが好ましい。この耐食性被膜の厚さが1
0Å未満の場合は、担体布帛の保護機能が不十分とな
り、担体布帛が活性酸素によって侵され易くなり、反対
に上記厚みが1000Åを超えた場合は、コストが上昇
して不経済である。
【0009】この耐食性被膜は、スパッタリング加工に
よって形成される。すなわち、前記の繊維布帛を広げて
密閉チャンバー内に置き、その表面に対向してアノード
およびターゲットを、アノードが繊維布帛とターゲット
の間に位置するように配置する。ただし、ターゲット
は、珪素、アルミニウムまたはジルコニウムであらかじ
め作られる。次いで、上記の密閉チャンバー内を減圧し
て圧力5×10-5Torr程度の真空にした後、アルゴン等
の不活性ガスを導入して圧力5×10-4Torr程度の不活
性ガス雰囲気とし、続いて酸素を導入して圧力2×10
-3Torr程度のアルゴンと酸素の混合ガス雰囲気を形成す
る。
【0010】しかるのち、アノードとターゲット間に5
00〜1000Vの直流電圧を印加してグロー放電を起
こさせ、生じたアルゴンイオンをターゲットに衝突させ
てターゲットから珪素、アルミニウムまたはジルコニウ
ムを叩きだし、繊維布帛に向かって飛散させながら混合
ガス中の酸素で酸化し、生じた二酸化珪素、酸化アルミ
ニウムまたは酸化ジルコニウムを繊維布帛の表面に付着
させ、急冷してアモルファス構造の耐食性被膜を形成す
る。なお、ターゲットを二酸化珪素、酸化アルミニウム
または酸化ジルコニウムで作り、不活性ガス雰囲気下で
スパッタリングを行ってもよい。なお、上記の繊維布帛
は、裏面から水冷シリンダー等で冷却して温度を100
℃以下に維持するのが好ましい。
【0011】上記耐食性被膜上の光触媒被膜は、光触媒
機能に優れ、太陽または照明灯の光を受けて空気中の酸
素を能率的に活性化させる金属酸化物で形成され、上記
の金属酸化物としては酸化チタン(二酸化チタン)、酸
化亜鉛、酸化銅等、遷移金属の酸化物が例示される。特
に酸化チタンおよび酸化亜鉛は、上記の光触媒機能に優
れている点で好ましい。この光触媒被膜の厚みは20〜
2000Åが好ましく、この厚みが20Å未満では所期
の光触媒機能が不十分になり、反対に2000Åを超え
ると、酸素の活性化機能が向上することなくコストのみ
が嵩み、経済的でない。
【0012】上記の光触媒被膜は、耐食性被膜同様にス
パッタリング加工で形成することが好ましく、この場合
は得られる被膜の強度が高く、容易に剥離しない。この
スパッタリングは、上記の金属酸化物をターゲットに使
用し、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うこともで
きるが、チタンや亜鉛等の単体金属をターゲットに使用
し、スパッタリング室内をアルゴンと酸素の混合ガス雰
囲気に保ち、ターゲットから金属の単体が飛散する際に
酸化させてもよく、この場合は直流スパッタが可能にな
る。また、酸化亜鉛系のセラミックスをターゲットに使
用した場合は、アルゴンガス雰囲気下で直流スパッタが
可能になる。
【0013】上記の耐食性被膜を有する布帛は、スパッ
タリングに際して密閉チャンバ内で拡げられる。その
際、布帛を裏面から水冷シリンダ等で冷却し、上記布帛
の温度を100℃以下に維持することが好ましく、これ
によってアモルファス構造の光触媒被膜が形成され、光
触媒機能が増大する。また、ターゲットに使用する単体
金属または金属酸化物も冷却し、前記同様にスパッタリ
ングすることにより、耐食性被膜上に光触媒被膜が形成
される。
【0014】図1において、10は得られた消臭性布帛
であり、Fは担体の繊維布帛、11は耐食性被膜、12
は光触媒被膜である。この消臭性布帛10の光触媒被膜
12に太陽や蛍光灯の光が入ると、この光が光触媒被膜
12の表面および耐食性被膜11の表面から反射し、そ
の際に空気中の酸素を活性化して空気中の臭気を消し、
環境を清浄化する。そして、上記の耐食性被膜11は、
活性酸素で侵されることなく繊維布帛Fを活性酸素から
保護する。しかも、耐食性被膜11が光触媒被膜12と
共に透明であるため、繊維布帛Fが有する色彩や柄模様
が光触媒被膜12側から見え、美しい外観を呈する。
【0015】
【発明の実施の形態】実施形態1 光触媒の担体布帛としてポリエステルマルチフィラメン
ト糸からなる織物を用い、この織物を精錬、セットし、
次いで分散染料で染色し、乾燥、熱セットを施し、しか
るのち表面にスパッタリング加工により耐食性皮膜を形
成する。図2は、スパッタリング装置の一例を示す縦断
面図であり、密閉可能なチャンバ20の下部に珪素から
なる平板状のターゲット21が表面を上にして中空のタ
ーゲットソース22上に固定され、このターゲットソー
ス22に通される冷水によってターゲット21が下面か
ら冷却される。このターゲット21の上方左右にアノー
ド23が水平に設置され、このアノード23およびター
ゲット21間に直流電源Eによって500〜1000V
の直流電圧が印加される。
【0016】上記アノード23の上方に水冷シリンダー
24が水平に、かつ回転自在に設置され、その右上方に
加工前の織物Fの送り出し軸25が、また左上方に加工
後の織物Fの巻取り軸26がそれぞれ水平に、かつ回転
自在に設置され、送り出し軸25に巻かれた加工前の織
物Fが引出され、右上部のガイドローラ27を経て上記
水冷シリンダー24に巻回され、左上部のガイドローラ
28を経て巻取り軸26に巻取られる。また、チャンバ
20に真空ポンプ29、アルゴンガス供給用のガスボン
ベ30および酸素供給用の酸素ボンベ31がそれぞれ接
続される。
【0017】上記の装置において、送出し軸25、巻取
り軸26および水冷シリンダー24を回転し、織物Fを
時計方向に所定の速度で送りながら水冷シリンダー24
で冷却する。一方、真空ポンプ29を駆動してチャンバ
20内圧力を5×10-5Torr程度に減圧し、次いでガス
ボンベ30からアルゴンガスを導入してチャンバ20内
圧力を5×10-4Torr程度に調整し、更に酸素ボンベ3
1から酸素を導入してチャンバ20内圧力を2×10-3
Torr程度に調整し、しかるのち上記のアノード23およ
びターゲット21間に直流電圧を印加してターゲット2
1から珪素を飛び出させ、この珪素をチャンバ20内の
酸素と反応させて二酸化珪素とし、この二酸化珪素を織
物F上に付着させてアモルファス構造の耐食性被膜11
を形成する。このとき、織物Fの送り速度を調整して耐
食性被膜11の厚さを10〜1000Åに形成する。
【0018】このようにしてスパッタリング加工が進
み、送り出し軸25に巻かれた織物Fの全体が巻取り軸
26に移行し終わると、ターゲット21を珪素の板から
チタンの板に交換し、再び前記同様にチャンバー20内
を前記のアルゴン・酸素の混合ガス雰囲気に調整し、し
かるのちアノード23およびターゲット21間に直流電
圧を印加してターゲット21からチタンを飛び出させ、
このチタンを酸化して酸化チタンを織物Fの耐食性皮膜
11上に付着させてアモルファス構造の光触媒被膜12
を形成し、織物F上に二酸化珪素の耐食性被膜11を介
して酸化チタンの光触媒被膜12を有する消臭性布帛1
0を得る。このとき、織物Fの送り速度を調整して光触
媒被膜12の厚さを20〜2000Åに形成する。
【0019】実施形態2 実施形態1において、耐食性被膜形成時のスパッタリン
グに際し、ターゲット21として珪素に代えてアルミニ
ウムを用いることにより、織物F上に酸化アルミニウム
の耐食性被膜を形成し、以下実施形態1と同様にして酸
化チタンの光触媒被膜を形成し、耐食性被膜が酸化アル
ミニウム、光触媒被膜が酸化チタンの消臭性布帛を得
る。
【0020】実施形態3 実施形態1において、光触媒被膜形成時のスパッタリン
グに際し、ターゲット21としてチタンに代えて亜鉛を
用いることにより、二酸化珪素からなる耐食性被膜11
上に酸化亜鉛からなる光触媒被膜を形成し、耐食性被膜
が二酸化珪素、光触媒被膜が酸化亜鉛の消臭性布帛を得
る。
【0021】実施形態4 実施形態1において、耐食性被膜形成時のスパッタリン
グに際し、ターゲット21として珪素に代えてアルミニ
ウムを用いることにより、織物F上に酸化アルミニウム
の耐食性被膜を形成する。一方、光触媒被膜形成時のス
パッタリングに際し、ターゲット21としてチタンに代
えて亜鉛を用いることにより、酸化亜鉛からなる光触媒
被膜を形成し、耐食性被膜が酸化アルミニウム、光触媒
被膜が酸化亜鉛の消臭性布帛を得る。
【0022】
【実施例】実施例1 実施形態1の方法で消臭性布帛を製造した。担体織物F
としてポリエステルタフタを使用し、精錬、セットの
後、液流染色機(日阪製作所製「サーキュラー染色機R
Z型」)および下記処方(織物重量に対する重量%)の
混合染料を用い、浴比1:20で茶色に染色した。すな
わち、常温から130℃に昇温させ、この温度に30分
間維持した後に80℃まで温度を下げて染液を排出し、
ソーピングおよび湯洗を行い、次いで130℃で2分乾
燥し、180℃で1分間の熱セット処理を行った。 分散染料(住友化学社製、「スミカロンイエロー」) 0.67% 分散染料(住友化学社製、「スミカロンレッド」) 0.72% 分散染料(住友化学社製、「スミカロンブルー」) 0.25% PH調整剤(日華化学社製、「ベネラップHE」) 0.50% 酢酸 0.50%
【0023】上記の茶色に染色された織物Fに二酸化珪
素からなる厚さ60Åの耐食性被膜11をスパッタリン
グ加工で形成した。すなわち、ターゲット21に珪素板
を用い、アルゴン・酸素の混合ガス雰囲気下でスパッタ
リングを行った。しかるのち、ターゲット21をチタン
板に交換して同様にスパッタリングを行い、上記耐食性
被膜11上に酸化チタンからなる厚さ1500Åの光触
媒被膜12を形成した。なお、上記のターゲットソース
22および水冷シリンダー24に冷水を流してターゲッ
ト21の温度を10℃に、また水冷シリンダ24上の織
物Fの温度を40℃にそれぞれ維持した。
【0024】得られた消臭性布帛10は、スパッタリン
グ加工を施す前とほとんど同様の美しい茶色の外観を有
し、カーテン用および寝装品用として好適であった。ま
た、光触媒被膜の上に市販の包装用ガムテープを貼付け
て剥離テストを行ったところ、光触媒被膜および耐食性
被膜のいずれにも剥離が認められなかった。次に、上記
実施例の消臭性布帛を所定の大きさに切り取って試料F
a とし、図3に示す試験用チャンバ35内に上記の試料
Fa を吊下げ、この試料Fa をチャンバ35内のブラッ
クライト36で照射しながら、チャンバ35に封入した
所定量のアセトアルデヒドをポンプ37および循環パイ
プ38で循環させ、250時間後にガス濃度計39でア
セトアルデヒドの濃度を測定した。また、上記の光触媒
被膜および耐食性被膜を有しない比較例1の織物につい
て同様の試験を行った。その結果を下記の表1に示す。
【0025】 表 1 実施例 比較例1 当初の濃度(ppm) 100 100 250時間後の濃度(ppm) 75 85
【0026】表1に示すとおり、実施例の消臭性布帛
は、ブラックライトの照射によってチャンバ35内の酸
素を活性化し、この活性酸素によってアセトアルデヒド
を分解するので、比較例1に比べて濃度を10%低くす
ることができた。
【0027】また、上記の織物F上に耐食性被膜11
(二酸化珪素、厚さ60Å)と光触媒被膜12(酸化チ
タン、厚さ1500Å)の両者を設けた実施例の消臭性
布帛、上記の織物Fのみからなる比較例1、織物F上に
耐食性被膜11(二酸化珪素、厚さ60Å)のみを設け
た比較例2および織物F上に光触媒被膜12(酸化チタ
ン、厚さ1500Å)のみを設けた比較例3について、
15cmの距離から蛍光灯(40W)で紫外線を照射し、
連続90日の照射後における試料の引裂強度をショッパ
ー式引裂試験器で測定し、引裂強度保存率を算出した。
その結果を下記の表2に示す。
【0028】 表 2 実施例 比較例1 比較例2 比較例3 最初の引裂強度(g) 2100 2100 2100 2100 90日後の引裂強度(g) 1950 2000 2050 1080 引裂強度保存率(%) 93 95 98 51
【0029】表2に示すとおり、光触媒被膜12のみを
設けた比較例3は、活性酸素の影響で引裂強度保存率が
約1/2に低下したのに対し、耐食性被膜11と光触媒
被膜12の両者を設けた実施例は、被膜を全く有しない
比較例1および耐食性被膜11のみを有する比較例2と
ほぼ等しい保存率を示し、活性酸素の影響をほとんど受
けないことが判明した。
【0030】
【発明の効果】上記のとおり、この発明の消臭性布帛
は、布帛の備える色彩や柄模様が光触媒被膜上から見え
るため、上記の色彩や柄模様を変えることにより種々の
外観が得られ、しかも光触媒の機能を備えていて空気を
能率的に浄化でき、また布帛が発生時の活性酸素によっ
て侵されることがなく、耐久性に富み、カーテン、寝装
品その他のインテリヤ用に加工することができ、消臭性
布帛として優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態の断面図である。
【図2】スパッタ装置の一例を示す断面図である。
【図3】光触媒機能の試験装置の断面図である。
【符号の説明】 F:布帛(織物) Fa :試料 10:消臭性布帛 11:耐食性被膜 12:光触媒被膜 20:スパッタ用チャンバ 21:ターゲット 22:ターゲットソース 23:アノード 24:水冷シリンダー 25:送り出し軸 26:巻取り軸 29:真空ポンプ 30:ガスボンベ 31:酸素ボンベ 35:試験用チャンバ 36:ブラックライト 37:ポンプ 38:循環パイプ 39:ガス濃度計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維からなる布帛の表面に耐食性と
    光反射性を有する耐食性被膜が形成され、この耐食性被
    膜の上に光触媒機能を有する金属酸化物からなる透明な
    光触媒被膜が形成された消臭性布帛において、上記の耐
    食性被膜が二酸化珪素、酸化アルミニウムまたは酸化ジ
    ルコニウムからなる透明被膜であることを特徴とする消
    臭性布帛。
  2. 【請求項2】 耐食性被膜の厚さが10〜1000Åで
    ある請求項1に記載の消臭性布帛。
  3. 【請求項3】 耐食性被膜および光触媒被膜がそれぞれ
    スパッタリング加工で形成された請求項1または2に記
    載の消臭性布帛。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003097923A1 (en) * 2002-05-15 2003-11-27 Kabushiki Kaisha Suzutora (Suzutora Corporation) Deodorizing curtain and its manufacturing method
US8070918B2 (en) 2004-09-15 2011-12-06 Sekisui Nano Coat Technology Co., Ltd. Metal-coated textile
CN106758163A (zh) * 2016-11-09 2017-05-31 江南大学 一种多层复合结构的红外隐身织物及制备方法

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