JPH11250738A - 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線 - Google Patents
電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線Info
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- JPH11250738A JPH11250738A JP5044598A JP5044598A JPH11250738A JP H11250738 A JPH11250738 A JP H11250738A JP 5044598 A JP5044598 A JP 5044598A JP 5044598 A JP5044598 A JP 5044598A JP H11250738 A JPH11250738 A JP H11250738A
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- acid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐クレージング性が良好で、かつ諸特性に優
れた電気絶縁用樹脂組成物及びこの電気絶縁用樹脂組成
物で被覆された電気絶縁性に優れたエナメル線を提供す
る。 【解決手段】 分子中にイミド結合を有するポリエステ
ル樹脂100重量部に、フェノキシ樹脂1〜15重量部
を配合してなる電気絶縁用樹脂組成物及びこの電気絶縁
用樹脂組成物を導体上に塗付し、焼付けてなるエナメル
線。
れた電気絶縁用樹脂組成物及びこの電気絶縁用樹脂組成
物で被覆された電気絶縁性に優れたエナメル線を提供す
る。 【解決手段】 分子中にイミド結合を有するポリエステ
ル樹脂100重量部に、フェノキシ樹脂1〜15重量部
を配合してなる電気絶縁用樹脂組成物及びこの電気絶縁
用樹脂組成物を導体上に塗付し、焼付けてなるエナメル
線。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁用樹脂組
成物およびエナメル線に関する。
成物およびエナメル線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から電気絶縁用樹脂組成物、特にエ
ナメル線用樹脂組成物としては、比較的機械特性、電気
特性、耐熱性などのバランスがとれているため、ポリエ
ステルワニスが多く使用されている。また最近の電気機
器の小型、軽量化および使用環境の多様化に伴い、使用
される絶縁材料の要求性能は一段と高度化している。ポ
リエステルワニスなどを焼付けたエナメル線は、ボビン
巻き時およびボビンからのコイル巻き時などの塗膜の残
存応力がある状態で、溶剤や湿気等の雰囲気中におかれ
ると、クレージングが発生する。このクレージングが発
展し、ピンホールになると、絶縁塗膜の役目を果たさな
くなるので、クレージングの発生を避ける必要がある。
ポリエステルワニスのクレージングを防ぐためには、架
橋度を増大させる、硬化剤を増量するなどの手法がとら
れるが、これらの手法を用いると、可撓性などの諸特性
が劣るという問題があった。
ナメル線用樹脂組成物としては、比較的機械特性、電気
特性、耐熱性などのバランスがとれているため、ポリエ
ステルワニスが多く使用されている。また最近の電気機
器の小型、軽量化および使用環境の多様化に伴い、使用
される絶縁材料の要求性能は一段と高度化している。ポ
リエステルワニスなどを焼付けたエナメル線は、ボビン
巻き時およびボビンからのコイル巻き時などの塗膜の残
存応力がある状態で、溶剤や湿気等の雰囲気中におかれ
ると、クレージングが発生する。このクレージングが発
展し、ピンホールになると、絶縁塗膜の役目を果たさな
くなるので、クレージングの発生を避ける必要がある。
ポリエステルワニスのクレージングを防ぐためには、架
橋度を増大させる、硬化剤を増量するなどの手法がとら
れるが、これらの手法を用いると、可撓性などの諸特性
が劣るという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、上記の従来技術の問題点を解決し、耐クレージング
性が良好で、かつ諸特性に優れた電気絶縁用樹脂組成物
を提供するものである。請求項2記載の発明は、上記の
電気絶縁用樹脂組成物で被覆された電気絶縁性に優れた
エナメル線を提供するものである。
は、上記の従来技術の問題点を解決し、耐クレージング
性が良好で、かつ諸特性に優れた電気絶縁用樹脂組成物
を提供するものである。請求項2記載の発明は、上記の
電気絶縁用樹脂組成物で被覆された電気絶縁性に優れた
エナメル線を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、分子中にイミ
ド結合を有するポリエステル樹脂100重量部に、フェ
ノキシ樹脂1〜15重量部を配合してなる電気絶縁用樹
脂組成物およびこの樹脂組成物を導体上に塗付し、焼付
けてなるエナメル線に関するものである。
ド結合を有するポリエステル樹脂100重量部に、フェ
ノキシ樹脂1〜15重量部を配合してなる電気絶縁用樹
脂組成物およびこの樹脂組成物を導体上に塗付し、焼付
けてなるエナメル線に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明における分子中にイミド結
合を有するポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成
分との反応により得られるが、樹脂中にイミド結合を導
入するため、酸成分の一部として一般式(I)
合を有するポリエステル樹脂は、酸成分とアルコール成
分との反応により得られるが、樹脂中にイミド結合を導
入するため、酸成分の一部として一般式(I)
【化1】 (式中、R1はトリカルボン酸の残基等の3価の有機
基、R2はジアミンの残基等の2価の有機基を意味す
る)で表されるイミドジカルボン酸が用いられる。
基、R2はジアミンの残基等の2価の有機基を意味す
る)で表されるイミドジカルボン酸が用いられる。
【0006】一般式(I)で表されるイミドジカルボン
酸としては、例えば、ジアミン1モルに対してトリカル
ボン酸無水物2モルを反応させることにより得られるイ
ミドジカルボン酸(特公昭51−40113号公報参
照)が挙げられる。あらかじめジアミンと無水トリメリ
ット酸とを反応させてイミドジカルボン酸として用いな
いで、ジアミンと無水トリメリット酸をポリエステルの
製造時に加えてもよい。トリカルボン酸無水物として
は、トリメリット酸無水物、3,4,4′−ベンゾフェ
ノントリカルボン酸無水物、3,4,4′−ビフェニル
トリカルボン酸無水物等があり、トリメリット酸無水物
が好ましい。ジアミンとしては、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、1,4−ジアミノナフタレン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジアミノジフェニルスルホン等が用いられる。
酸としては、例えば、ジアミン1モルに対してトリカル
ボン酸無水物2モルを反応させることにより得られるイ
ミドジカルボン酸(特公昭51−40113号公報参
照)が挙げられる。あらかじめジアミンと無水トリメリ
ット酸とを反応させてイミドジカルボン酸として用いな
いで、ジアミンと無水トリメリット酸をポリエステルの
製造時に加えてもよい。トリカルボン酸無水物として
は、トリメリット酸無水物、3,4,4′−ベンゾフェ
ノントリカルボン酸無水物、3,4,4′−ビフェニル
トリカルボン酸無水物等があり、トリメリット酸無水物
が好ましい。ジアミンとしては、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、1,4−ジアミノナフタレン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジアミノジフェニルスルホン等が用いられる。
【0007】イミドジカルボン酸の使用量は、全酸成分
の3〜20当量%の範囲とすることが好ましく、5〜1
5当量%の範囲とすることがより好ましい。イミドジカ
ルボン酸の使用量が少なすぎると、耐熱性が劣る傾向に
あり、多すぎるとクレージングおよびエナメル線の外観
が低下する場合がある。上記のイミドジカルボン酸以外
の酸成分としては、テレフタル酸またはその低級アルキ
ルエステル、例えばテレフタル酸ジメチルテレフタル酸
モノメチル、テレフタル酸ジエステル等が用いられる。
またエナメル線用ポリエステルワニスに常用される化合
物、例えばイソフタル酸、アジピン酸、フタル酸、セバ
シン酸等を用いることもできる。
の3〜20当量%の範囲とすることが好ましく、5〜1
5当量%の範囲とすることがより好ましい。イミドジカ
ルボン酸の使用量が少なすぎると、耐熱性が劣る傾向に
あり、多すぎるとクレージングおよびエナメル線の外観
が低下する場合がある。上記のイミドジカルボン酸以外
の酸成分としては、テレフタル酸またはその低級アルキ
ルエステル、例えばテレフタル酸ジメチルテレフタル酸
モノメチル、テレフタル酸ジエステル等が用いられる。
またエナメル線用ポリエステルワニスに常用される化合
物、例えばイソフタル酸、アジピン酸、フタル酸、セバ
シン酸等を用いることもできる。
【0008】また分子中にイミド結合を有するポリエス
テル樹脂の製造に用いるアルコール成分としては、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール等のジオール
類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレート等のトリオール類などが用いられる。これらの
酸成分およびアルコール成分は単独でまたは2種以上組
み合わせて用いられる。アルコール成分と酸成分との配
合割合は、可撓性および耐熱性の点から、カルボキシル
基に対する水酸基の当量比を1.3〜1.6とすること
が好ましく、1.4〜1.5とすることがさらに好まし
い。カルボキシル基に対する水酸基の当量比が大きい
と、可撓性が低下し、小さいと耐熱性が低下する傾向に
ある。
テル樹脂の製造に用いるアルコール成分としては、例え
ばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール等のジオール
類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレート等のトリオール類などが用いられる。これらの
酸成分およびアルコール成分は単独でまたは2種以上組
み合わせて用いられる。アルコール成分と酸成分との配
合割合は、可撓性および耐熱性の点から、カルボキシル
基に対する水酸基の当量比を1.3〜1.6とすること
が好ましく、1.4〜1.5とすることがさらに好まし
い。カルボキシル基に対する水酸基の当量比が大きい
と、可撓性が低下し、小さいと耐熱性が低下する傾向に
ある。
【0009】本発明に用いるポリエステル樹脂の合成
は、例えば、前記の酸成分とアルコール成分とをエステ
ル化触媒の存在下に170〜250℃の温度で加熱反応
させることにより行われる。この際、用いられるエステ
ル化触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、酢
酸鉛、ジブチルスズラウレート、ナフテン酸亜鉛などが
挙げられる。前記のイミドジカルボン酸は、あらかじめ
合成したものを用いてもよく、またジアミンおよび無水
トリメリット酸のイミド酸となる成分を他の酸成分、ア
ルコール成分と同時に混合加熱してイミド化およびエス
テル化を同時に行ってもよい。このときジアミンと無水
トリメリット酸の配合量は、前記のイミドジカルボン酸
の配合量に対応する量とするのが好ましい。また合成時
の粘度が高いため、例えばフェノール、クレゾール、キ
シレノール等のフェノール系溶媒の共存下で合成を行う
ことが好ましい。上記ポリエステル樹脂の分子量は、数
平均分子量で1500〜4000が好ましい。ただし、
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定さ
れた、以下も同様である。
は、例えば、前記の酸成分とアルコール成分とをエステ
ル化触媒の存在下に170〜250℃の温度で加熱反応
させることにより行われる。この際、用いられるエステ
ル化触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、酢
酸鉛、ジブチルスズラウレート、ナフテン酸亜鉛などが
挙げられる。前記のイミドジカルボン酸は、あらかじめ
合成したものを用いてもよく、またジアミンおよび無水
トリメリット酸のイミド酸となる成分を他の酸成分、ア
ルコール成分と同時に混合加熱してイミド化およびエス
テル化を同時に行ってもよい。このときジアミンと無水
トリメリット酸の配合量は、前記のイミドジカルボン酸
の配合量に対応する量とするのが好ましい。また合成時
の粘度が高いため、例えばフェノール、クレゾール、キ
シレノール等のフェノール系溶媒の共存下で合成を行う
ことが好ましい。上記ポリエステル樹脂の分子量は、数
平均分子量で1500〜4000が好ましい。ただし、
数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーにより、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定さ
れた、以下も同様である。
【0010】本発明に使用されるフェノキシ樹脂として
は、数平均分子量が10000〜16000、重量平均
分子量が45000〜60000のものが好ましく、一
般式(II)で表される繰り返し単位を有している。市販
品としては、フェノキシアソシエイツ社製のPKHH、
PKHC、PKHJ等が挙げられる。ただし、重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定されたも
のである。
は、数平均分子量が10000〜16000、重量平均
分子量が45000〜60000のものが好ましく、一
般式(II)で表される繰り返し単位を有している。市販
品としては、フェノキシアソシエイツ社製のPKHH、
PKHC、PKHJ等が挙げられる。ただし、重量平均
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
より、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定されたも
のである。
【化2】
【0011】本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、分子中
にイミド結合を有するポリエステル樹脂100重量部に
対して、フェノキシ樹脂を1〜15重量部、好ましくは
3〜10重量部の割合で配合して得られる。フェノキシ
樹脂が少なすぎると耐クレージング性が低下しやすくな
り、またフェノキシ樹脂が多すぎると、密着性および可
とう性が低下する傾向がある。
にイミド結合を有するポリエステル樹脂100重量部に
対して、フェノキシ樹脂を1〜15重量部、好ましくは
3〜10重量部の割合で配合して得られる。フェノキシ
樹脂が少なすぎると耐クレージング性が低下しやすくな
り、またフェノキシ樹脂が多すぎると、密着性および可
とう性が低下する傾向がある。
【0012】本発明の電気絶縁性樹脂組成物には、必要
に応じてさらにテトラブチルチタネートなどの硬化剤、
有機酸の金属塩(亜鉛塩、鉛塩、マンガン塩等)を外観
改良剤として添加することができる。硬化剤の使用量
は、ポリエステル樹脂に対して3〜10重量%が好まし
く、有機酸の金属塩の使用量は、ポリエステル樹脂に対
して0.1〜1重量%が好ましい。本発明の電気絶縁用
樹脂組成物は、溶媒に溶解して適当な粘度に調整して使
用することができる。この際、用いられる溶媒として
は、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、セ
ロソルブ類、キシレン等、すなわちポリエステル樹脂と
の溶解性が良好な溶媒が用いられる。
に応じてさらにテトラブチルチタネートなどの硬化剤、
有機酸の金属塩(亜鉛塩、鉛塩、マンガン塩等)を外観
改良剤として添加することができる。硬化剤の使用量
は、ポリエステル樹脂に対して3〜10重量%が好まし
く、有機酸の金属塩の使用量は、ポリエステル樹脂に対
して0.1〜1重量%が好ましい。本発明の電気絶縁用
樹脂組成物は、溶媒に溶解して適当な粘度に調整して使
用することができる。この際、用いられる溶媒として
は、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、セ
ロソルブ類、キシレン等、すなわちポリエステル樹脂と
の溶解性が良好な溶媒が用いられる。
【0013】
【作用】本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、銅線等の導
体上に塗付し、焼付けることにより耐クレージング性に
優れたエナメル線とされるが、可とう性等の諸特性が低
下することはない。
体上に塗付し、焼付けることにより耐クレージング性に
優れたエナメル線とされるが、可とう性等の諸特性が低
下することはない。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。なお、例中の「%」は特に断らない限り「重量
%」を意味する。
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。なお、例中の「%」は特に断らない限り「重量
%」を意味する。
【0015】実施例1 (1)ポリエステル樹脂液の調整 温度計、撹拌機およびコンデンサ付き4つ口フラスコ
に、4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.6g
(0.4当量)、無水トリメリット酸76.8g(0.
8当量)、テレフタル酸ジメチル349.2g(3.6
当量)、グリセリン73.0g(2.38当量)、エチ
レングリコール99.8g(3.22当量)、クレゾー
ル114gおよびテトラブチルチタネート0.64gを
入れ、窒素気流中で室温から1時間で170℃に昇温し
て3時間反応させた。ついで、得られた溶液を215℃
に昇温して6時間反応させ、数平均分子量約2,000
のポリエステルを合成した。得られた樹脂溶液にクレゾ
ール583gを加え、テトラブチルチタネート26.4
gおよびナフテン酸亜鉛(金属分6%)25.3gを添
加して不揮発分40%のポリエステル樹脂液を得た。 (2)電気絶縁用樹脂組成物の調製 上記(1)で得られたポリエステル樹脂液100gに、
PKHH(フェノキシアリシエイツ社製フェノキシ樹
脂)2.0g(5%)を添加して電気絶縁用樹脂組成物
を得た。
に、4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.6g
(0.4当量)、無水トリメリット酸76.8g(0.
8当量)、テレフタル酸ジメチル349.2g(3.6
当量)、グリセリン73.0g(2.38当量)、エチ
レングリコール99.8g(3.22当量)、クレゾー
ル114gおよびテトラブチルチタネート0.64gを
入れ、窒素気流中で室温から1時間で170℃に昇温し
て3時間反応させた。ついで、得られた溶液を215℃
に昇温して6時間反応させ、数平均分子量約2,000
のポリエステルを合成した。得られた樹脂溶液にクレゾ
ール583gを加え、テトラブチルチタネート26.4
gおよびナフテン酸亜鉛(金属分6%)25.3gを添
加して不揮発分40%のポリエステル樹脂液を得た。 (2)電気絶縁用樹脂組成物の調製 上記(1)で得られたポリエステル樹脂液100gに、
PKHH(フェノキシアリシエイツ社製フェノキシ樹
脂)2.0g(5%)を添加して電気絶縁用樹脂組成物
を得た。
【0016】実施例2 実施例1(2)において、PKHHの代わりにPKHC
(フェノキシアリシエイツ社製フェノキシ樹脂)2.0
g(5%)を添加した以外は、実施例1と同様にして電
気絶縁用樹脂組成物を得た。
(フェノキシアリシエイツ社製フェノキシ樹脂)2.0
g(5%)を添加した以外は、実施例1と同様にして電
気絶縁用樹脂組成物を得た。
【0017】実施例3 実施例1(2)において、PKHHの代わりにPKHJ
(フェノキシアリシエイツ社製フェノキシ樹脂)2.0
g(5%)を添加した以外は、実施例1と同様にして電
気絶縁用樹脂組成物を得た。
(フェノキシアリシエイツ社製フェノキシ樹脂)2.0
g(5%)を添加した以外は、実施例1と同様にして電
気絶縁用樹脂組成物を得た。
【0018】比較例1 温度計、撹拌機およびコンデンサ付き4つ口フラスコ
に、4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.6g
(0.4当量)、無水トリメリット酸76.8g(0.
8当量)、テレフタル酸ジメチル349.2g(3.6
当量)、グリセリン73.0g(2.38当量)、エチ
レングリコール99.8g(3.22当量)、クレゾー
ル114gおよびテトラブチルチタネート0.64gを
入れ、窒素気流中で室温から1時間で170℃に昇温し
て3時間反応させた。ついで、得られた溶液を215℃
に昇温して6時間反応させ、数平均分子量約2,000
のポリエステルを合成した。得られた樹脂溶液にクレゾ
ール583gを加え、テトラブチルチタネート39.6
gおよびナフテン酸亜鉛(金属分6%)25.3gを添
加して不揮発分40%のポリエステル樹脂液を得た。
に、4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.6g
(0.4当量)、無水トリメリット酸76.8g(0.
8当量)、テレフタル酸ジメチル349.2g(3.6
当量)、グリセリン73.0g(2.38当量)、エチ
レングリコール99.8g(3.22当量)、クレゾー
ル114gおよびテトラブチルチタネート0.64gを
入れ、窒素気流中で室温から1時間で170℃に昇温し
て3時間反応させた。ついで、得られた溶液を215℃
に昇温して6時間反応させ、数平均分子量約2,000
のポリエステルを合成した。得られた樹脂溶液にクレゾ
ール583gを加え、テトラブチルチタネート39.6
gおよびナフテン酸亜鉛(金属分6%)25.3gを添
加して不揮発分40%のポリエステル樹脂液を得た。
【0019】比較例2 温度計、撹拌機およびコンデンサ付き4つ口フラスコ
に、4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.6g
(0.4当量)、無水トリメリット酸76.8g(0.
8当量)、テレフタル酸ジメチル349.2g(3.6
当量)、グリセリン73.0g(2.38当量)、エチ
レングリコール99.8g(3.22当量)、クレゾー
ル114gおよびテトラブチルチタネート0.64gを
入れ、窒素気流中で室温から1時間で170℃に昇温し
て3時間反応させた。ついで、得られた溶液を215℃
に昇温して8時間反応させ、数平均分子量約3,000
のポリエステルを合成した。得られた樹脂溶液にクレゾ
ール583gを加え、テトラブチルチタネート26.4
gおよびナフテン酸亜鉛(金属分6%)25.3gを添
加して不揮発分40%のポリエステル樹脂液を得た。
に、4,4′−ジアミノジフェニルメタン39.6g
(0.4当量)、無水トリメリット酸76.8g(0.
8当量)、テレフタル酸ジメチル349.2g(3.6
当量)、グリセリン73.0g(2.38当量)、エチ
レングリコール99.8g(3.22当量)、クレゾー
ル114gおよびテトラブチルチタネート0.64gを
入れ、窒素気流中で室温から1時間で170℃に昇温し
て3時間反応させた。ついで、得られた溶液を215℃
に昇温して8時間反応させ、数平均分子量約3,000
のポリエステルを合成した。得られた樹脂溶液にクレゾ
ール583gを加え、テトラブチルチタネート26.4
gおよびナフテン酸亜鉛(金属分6%)25.3gを添
加して不揮発分40%のポリエステル樹脂液を得た。
【0020】<試験例>実施例1〜および比較例1〜2
で得られた樹脂組成物を用いて、下記の焼付け条件に従
って直径1.0mmの銅線に塗付し、線速15m/分で焼
付けを行い、エナメル線を作製した。 〔塗布・焼付け条件〕 焼付け炉:熱風式竪炉(炉長5.5m) 炉温:入口/出口=320℃/430℃ 塗装方法:樹脂組成物をくぐらせたエナメル線をダイス
で絞り、焼付け炉を通過させる手順を6回行なう。1回
目から6回目までのダイスの径を1.07mm、1.09
mm、1.11mm、1.12mm、1.13mm、1.14mm
と変化させた。得られたエナメル線の耐クレージング性
試験を下記の方法に従って評価し、また他の一般特性
(可撓性、絶縁破壊電圧、耐軟化性)をJIS C 3
003に準じて測定し、その結果を表1に示した。
で得られた樹脂組成物を用いて、下記の焼付け条件に従
って直径1.0mmの銅線に塗付し、線速15m/分で焼
付けを行い、エナメル線を作製した。 〔塗布・焼付け条件〕 焼付け炉:熱風式竪炉(炉長5.5m) 炉温:入口/出口=320℃/430℃ 塗装方法:樹脂組成物をくぐらせたエナメル線をダイス
で絞り、焼付け炉を通過させる手順を6回行なう。1回
目から6回目までのダイスの径を1.07mm、1.09
mm、1.11mm、1.12mm、1.13mm、1.14mm
と変化させた。得られたエナメル線の耐クレージング性
試験を下記の方法に従って評価し、また他の一般特性
(可撓性、絶縁破壊電圧、耐軟化性)をJIS C 3
003に準じて測定し、その結果を表1に示した。
【0021】〔耐クレージング性試験〕適当な長さのエ
ナメル線を、温度60℃、湿度100%に保った恒温槽
中で48時間放置した。48時間後、試験片を取り出し
常温になるまで(約3〜5分)放置した。この後、試験
片の1mを3%伸長し、直ちにフェノールフタレインの
3%アルコール溶液の適量を滴下した0.2%食塩水を
正極とし、それに試験片の導体を負極として浸し、12
Vの直流電圧を1分間加えて発生するピンホール数を調
た。これを2回くり返し、各ピンホール個数を示した。
ナメル線を、温度60℃、湿度100%に保った恒温槽
中で48時間放置した。48時間後、試験片を取り出し
常温になるまで(約3〜5分)放置した。この後、試験
片の1mを3%伸長し、直ちにフェノールフタレインの
3%アルコール溶液の適量を滴下した0.2%食塩水を
正極とし、それに試験片の導体を負極として浸し、12
Vの直流電圧を1分間加えて発生するピンホール数を調
た。これを2回くり返し、各ピンホール個数を示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1から、本発明の樹脂組成物(実施例
1、2、3)によれば、可とう性等の諸特性を低下させ
ることなく、耐クレージング性に優れたエナメル線が得
られることが示される。
1、2、3)によれば、可とう性等の諸特性を低下させ
ることなく、耐クレージング性に優れたエナメル線が得
られることが示される。
【0024】
【発明の効果】請求項1における電気絶縁用樹脂組成物
によれば、耐クレージング性が良好で、かつ可撓性、耐
軟化性等の諸特性に優れた塗膜を得ることができる。請
求項2におけるエナメル線は、上記の特性を有する塗膜
を有し、電気絶縁性に優れる。
によれば、耐クレージング性が良好で、かつ可撓性、耐
軟化性等の諸特性に優れた塗膜を得ることができる。請
求項2におけるエナメル線は、上記の特性を有する塗膜
を有し、電気絶縁性に優れる。
Claims (2)
- 【請求項1】 分子中にイミド結合を有するポリエステ
ル樹脂100重量部に、フェノキシ樹脂1〜15重量部
を配合してなる電気絶縁用樹脂組成物。 - 【請求項2】 請求項1記載の電気絶縁用樹脂組成物を
導体上に塗付し、焼付けてなるエナメル線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044598A JPH11250738A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5044598A JPH11250738A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11250738A true JPH11250738A (ja) | 1999-09-17 |
Family
ID=12859068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5044598A Pending JPH11250738A (ja) | 1998-03-03 | 1998-03-03 | 電気絶縁用樹脂組成物およびエナメル線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11250738A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010102890A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Sumitomo Electric Wintec Inc | 絶縁ワニス及びこれを用いた絶縁電線 |
-
1998
- 1998-03-03 JP JP5044598A patent/JPH11250738A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010102890A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Sumitomo Electric Wintec Inc | 絶縁ワニス及びこれを用いた絶縁電線 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20050228 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060808 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080626 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081016 |