JPH11249466A - 定着方法 - Google Patents

定着方法

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JPH11249466A
JPH11249466A JP4704298A JP4704298A JPH11249466A JP H11249466 A JPH11249466 A JP H11249466A JP 4704298 A JP4704298 A JP 4704298A JP 4704298 A JP4704298 A JP 4704298A JP H11249466 A JPH11249466 A JP H11249466A
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JP
Japan
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toner
fixing
wax
roller
weight
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JP4704298A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Ichikawa
泰弘 市川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Publication of JPH11249466A publication Critical patent/JPH11249466A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低温から高温までの定着可能温度領域が広く、
多数枚の転写材を定着させた後においても劣化を生じに
くく、画質を乱すことがない定着方法を提供する。 【解決手段】定着装置は、ウェブレスオイルレス定着装
置であり、加圧ローラー6の直径(Dp)と当接ローラ
ー4の直径(Dc)との比(Dp/Dc)が1.5〜2
0であり、トナー像は、結着樹脂、着色剤及びワックス
を少なくとも含有したトナー粒子を有するトナーによっ
て形成されており、該トナー粒子は、該ワックスとし
て、130〜160℃の温度領域にDSC吸熱ピークを
有するワックスA及び60〜120℃の温度領域にDS
C吸熱ピークを有する炭化水素系ワックスBを含有し、
トナー粒子の重量に対するワックスAの含有量(A)及
びワックスBの含有量(B)が下記関係1重量%≦A+
B≦10重量%、A≧Bを満たしていることを特徴とす
る定着方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気記録法などにおいて用いるのに適した定着方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報(米国特許第3,666,363号明細書)およ
び特公昭43−24748号公報(米国特許第4,07
1,361号明細書)等に記載されているごとく、多数
の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用
し、種々の方法により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要
に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱
や圧力等により定着させ、複写物を得るものである。
【0003】従来このような画像形成装置における定着
器としては、一般に加熱部材として定着ローラー式が広
く用いられている。また、加熱部材として有端あるいは
エンドレスのフィルムを用いるフィルム加熱方式(定着
フィルム式)の加熱装置も定着器として有効であり実用
化されている。
【0004】図1に定着ローラー式の定着器の一例を示
す概略構成の断面図を、図2にフィルム加熱方式(定着
フィルム式)の定着器の一例を示す概略構成の断面図を
示した。図中、1は加熱体としての熱ローラー(定着ロ
ーラー、ヒートローラー)であり、内部にハロゲンヒー
タ3などを有し加熱されるものである。6はこの熱ロー
ラー1の下側において、該熱ローラーに並行に配設し、
ばね等により、熱ローラーの下面に所定の押圧力をもっ
て圧接した加圧部材としての加圧ローラーである。
【0005】上記熱ローラー1と加圧ローラー6との間
に形成される圧接ニップ部(N)に被加熱材としての転
写材(P)(未定着トナー画像)を導入して搬送通過さ
せることにより、加熱体としての加熱ローラー1の熱
と、ローラ対1、6の加圧によって、転写材(シート)
上のトナー画像が加熱加圧により固着画像として転写材
(シート)面に定着される。
【0006】さらに、加圧ローラーに接するように当接
ローラー4が設けられる。
【0007】従来、加圧ローラーに比べて当接ローラー
の直径は直径の比で1/4倍程度小さくすることが一般
的であり、この理由は加圧ローラーから汚染物質を剥離
しやすくするためであった。ところが装置の高速化、定
着エネルギーの有効利用という点において熱の逃げが多
いことから効率上の問題があった。
【0008】近年、用いられる転写材は多岐に渡ってい
る。例えば紙の種類も、その比重の差のみならず材質の
差、特に含まれる不純物の量が異なっているのが現状で
ある。これらの転写材の中には定着装置内部の構成部材
に付着しやすいものが含まれていたり、また、これらが
遊離しやすいものなどその品位はさまざまである。従来
の方法ではこれら転写材由来の汚染物質の悪影響を避け
ることが困難であり、装置の寿命を縮める大きな問題で
あった。具体的には、例えば紙については使用後に紙を
脱墨し再生した、いわゆる再生紙が環境保護の観点等も
含めて使用されてきている。しかし、再生紙では種々の
夾雑物が存在する場合があり、例えば、特開平5−10
0465号公報には古紙パルプを使用し、夾雑物の存在
量を規定した転写紙、特開平4−147152号公報に
は脱墨古紙パルプを使用し、填料に研磨剤を用いる転写
紙、特開平3−287894号公報には古紙再生パルプ
を用い、平衡水分量を規定した転写紙、特開平4−65
596号公報には古紙パルプを使用し、化学パルプの比
率と水分量を特定範囲とした転写紙、特開平6−352
21号公報には古紙再生パルプで残インクが特定範囲以
下である転写紙等の様に、再生紙での構成を制御するこ
とによって電子写真に使用したものが示されている。
【0009】現状電子写真用再生紙として古紙配合量が
70重量%であることが一般的であるが、省資源、ゴミ
低減等の環境保護の観点からも古紙配合量の高い再生紙
の要望がある。このため、一般的な再生紙でも使用にお
いて問題を発生することの無い、定着装置が求められて
いる。いわゆる再生紙を使用した場合に発生する問題点
としては、再生される紙中に存在する各種夾雑物が転写
紙から脱離し、加熱ロール、加圧ロール、加熱フィルム
などの部材を汚染し、画質を劣化させたり、紙詰まりの
原因となることなどである。
【0010】また、定着ローラーの傷については、加熱
ローラーにウェブなどのクリーニング部材が当接された
場合において付着した紙粉によって削れて傷が発生しや
すく、特に中質系パルプの繊維が原因としてあげられて
いる。これは、中質系パルプすなわち、中質古紙(新
聞、雑誌)を原料とした再生紙の影響であることが確認
されている。
【0011】近年、省エネルギーや待ち時間短縮を目的
とした低温度での定着が求められており、例えば、特開
平7−140708号公報、特開平7−181730号
公報、特開平8−305080号公報においては、トナ
ーに用いられる樹脂の分子量の極大が存在する分子量等
を規定しているものの、安定した定着特性を満足するこ
とができず、加熱ローラー、加圧ローラーなどの定着部
材に対する汚染が生じやすく、定着装置を長期に渡って
使用することが困難である。さらに、定着器における画
像の乱れを生じやすく、さまざまな材質、比重、大きさ
のものが混在することから転写材に対応する上で部分的
に温度が上がるなどの問題があり、対応する上で不十分
である。特に高速の処理を行う場合に、加熱ローラーに
トナー像が張り付く、いわゆるオフセットと呼ばれる現
象が生じやすい。この現象はさらには、定着器内部の加
圧ローラーやその他の部材に移行し、後に定着される転
写材にその汚染物が移行したり、画像を乱す現象になっ
て現れる。従来、このオフセット現象を解決するため
に、トナーからの提案として、例えば特公昭51−23
354号公報には、架橋剤と分子量調整剤を加え、適度
に架橋されたビニル系重合体からなるトナーが提案さ
れ、特公昭55−6805号公報には、α,β−不飽和
エチレン系単量体を構成単位とした重量平均分子量と数
平均分子量の比が3.5〜40となるように分子量分布
を広くしたトナーが提案されている。さらには、ビニル
系重合体において、Tg、分子量、ゲル含有率等を規定
したブレンド系のトナーが提案されている。確かに、こ
れらの提案によるトナーは分子量分布の狭い単一に樹脂
からなるトナーに比ベてはオフセット温度が上昇するも
のの、その耐久性への影響や高速機に適応させた場合に
おいては十分ではない。さらに、これらの手段によって
オフセット対策がなされた場合においては、定着に要す
る熱量が飛躍的に多くなり、熱ローラーを高温にする必
要があるために消費電力の増加や機内昇温などが問題で
あった。特に高速の処理を行う場合においては、定着が
不十分になったり、消費電力が著しく増えるなどの問題
点を有していた。
【0012】さらには、多種の異なるサイズの紙を用い
ることによって紙の接しないローラー部分の昇温が大き
くなり、次に大きなサイズの紙が通過した際にオフセッ
ト現象を生じ易い。加熱ローラーに付着したトナーやそ
の他の汚染物質は転写材の存在しない部分で、加圧ロー
ラーに移行し更なる画質劣化や転写材汚れを引き起こし
やすい。また、異なる転写材のサイズの使用によって、
熱が逃げにくい部分いわゆる非通紙部分の昇温が生じて
これらの汚染現象が一層生じ易くなる。
【0013】ところで最近、画像形成装置に要求される
性能は多岐に渡っている。文字や細線、太線の画像の他
に、写真やグラフィック等に含まれるベタ画像やハーフ
トーン画像においても優れた画像品質が求められてい
る。これらにおいては、定着器においても画像を劣化さ
せないことが必要であり、更なる性能の向上が求められ
ている。
【0014】これらの画像を繰り返し出力した場合にお
いて生じる問題点としては、前述のオフセットが挙げら
れる。この現象は特にハーフトーンやベタの部分が多い
グラフィック画像において顕著に現れる。この原因とし
て、転写材上のトナーが溶融が不十分であったり、溶融
したトナーが十分に転写材へ付着されないことがあげら
れる。この解決のために、定着ローラー表面に離型性オ
イルを塗布すること等が検討されているものの未だ満足
できるものが得られていない。
【0015】例えば特開平8−6418号公報において
は、加熱ローラーにオイル塗布するオイル塗布フェルト
とオイル塗布量を規制するオイルブレードに密着したオ
イル漏れ防止部材を、加熱ローラーの両端部に配設し、
オイル供給ユニットを密閉構造とする例が開示されてい
る。しかしながら、オイル供給機構が必要となるなど構
造面での複雑化や大型化、あるいは気化したオイルによ
る機内汚染、廃オイル処理などの手間や維持管理する上
での煩雑さが多くなり、さらにランニングコストの面
や、メンテナンスの面においてもデメリットが大きい。
一方で、トナー中に低分子量ポリエチレン、低分子量ポ
リプロピレンなどの離型剤を添加することが提案されて
いるものの、これだけで定着性と静電荷像保持体(感光
体)やキャリア、現像ローラーに対する汚染性などすべ
てを満足のいくものが得られていない。
【0016】一方、近年、複写機、プリンターのごとき
電子写真技術を用いた画像形成装置の機能が多様化し、
得られた画質の高精細化、高画質化が求められている。
これまでに、画質を良くするという目的のために、いく
つかの現像剤が提案されている。
【0017】従来、例えば、特開昭51−3244号公
報においては、粒度分布を規定して、画質の向上を意図
した非磁性トナーが提案されている。このトナーにおい
ては8〜12μmの粒径を有するトナーが主体であり、
比較的粗く、潜像への忠実な載りは不十分である。この
ような粗めのトナー粒子であり、ブロードな粒度分布を
用いて、鮮明な画像を形成するためにはトナー粒子を厚
く重ねることによって、トナー粒子間の間隙を埋める必
要があり、所定の画像濃度を出すために必要なトナー量
が増加する。
【0018】ところで、粒子径を細かい方向に制御した
場合、トナーの流動性が低下する問題がある。ここで流
動性を上げるために外添シリカなどの量を増やすと、従
来の定着方法では定着時にトナーが飛び散りやすく、画
質劣化しやすくなる。また、低温度で定着が可能な比較
的軟らかいトナーにおいては、ローラーの表面物質など
に対する汚染がトナー粒子径が細かいことによってさら
に生じやすくなることから、長期に渡る使用に限界があ
った。
【0019】このように、プロセススピードの速い高速
機においても定着性が優れ且つ安定しており、画質が優
れ、長寿命であり環境安定性等のすべてを満足するもの
が未だ得られていないのが現状である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は定着性が優れ且つ安定しており、低温から高温ま
での定着可能温度領域が広く、多数枚の転写材を定着さ
せた後においても劣化を生じにくく、繊細な画質でも乱
すことがない定着方法を提供することにある。
【0021】さらに本発明の目的は、従来用いられるこ
との少なかった、再生紙を中心とする品位の異なる転写
材を用いた場合においても、低温から高温、低湿から高
湿まで幅広い環境下において、定着状態の差のほとんど
見られない高品位な画像定着を実現し、長期に渡る使用
に耐えうる定着方法を提供することにある。
【0022】また、さらに本発明の目的は、従来、複雑
な構成を持ち、メンテナンスに大きな労力を要していた
定着機構を大幅に改良し、高速機に適用した場合におい
ても、定着状態の差のほとんど見られない定着方法を提
供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、トナ
ー像を担持している転写材を、該トナー像を加熱するた
めの加熱部材、該トナー像に圧力を付与するための加圧
ローラー及び該加圧ローラーに当接する当接ローラーを
少なくとも具備している定着装置に供給し、該転写材に
該トナー像を加熱加圧定着する定着方法であって、該定
着装置は、加熱部材をクリーニングするためのウェブ及
び加熱部材にオイルを塗布するためのオイル塗布手段を
いずれも具備していないウェブレスオイルレス定着装置
であり、該加圧ローラーの直径(Dp)と該当接ローラ
ーの直径(Dc)との比(Dp/Dc)が1.5〜20
であり、該トナー像は、結着樹脂、着色剤及びワックス
を少なくとも含有したトナー粒子を有するトナーによっ
て形成されており、該トナー粒子は、該ワックスとし
て、130〜160℃の温度領域にDSC吸熱ピークを
有するワックスA及び60〜120℃の温度領域にDS
C吸熱ピークを有する炭化水素系ワックスBを含有し、
トナー粒子の重量に対するワックスAの含有量(A)及
びワックスBの含有量(B)が下記関係 1重量%≦A+B≦10重量% A≧B を満たしていることを特徴とする定着方法に関する。
【0024】本発明の定着方法により、上述の目的が達
成される理由は以下の様に推察される。
【0025】定着装置においては、トナーにより形成さ
れた未定着画像は、図1に示す定着ローラー1または図
2に示す定着フィルム14とニップ幅(N)をもって当
接した加圧ローラー6の間を搬送される間に、転写材
(シート)(P)に定着される。定着ローラー1は内部
にハロゲンヒータなどを有し加熱されるものである。こ
の定着ローラーの例としては、真金の上に接着層として
のプライマー層を介して、被覆樹脂層(表面層2)を設
けることがあげられる。被覆樹脂層にはシリコーンゴム
やフッ素系樹脂フィルムまたはチューブ等を用いること
ができる。
【0026】本発明者が上記のトナーの特性と定着装置
構成との関係について鋭意検討を行ったところ、当接ロ
ーラーおよび加圧ローラーとの関係が見い出された。
【0027】本発明においては特に、当接ローラーが加
圧ローラーとの直径の比で1.5〜20であるように設
定することによって、加圧ローラーが汚染されにくく、
温度が安定に保たれ、定着装置の耐久性が改善されるこ
とがわかっている。当接ローラーは加圧ローラーの過熱
防止とクリーニングの作用を持つ。従来の加熱ローラー
または加熱フィルムや加圧ローラーにはフッ素ゴムやシ
リコーンゴムなどの離型効果の高い材料が用いられてい
たが、トナーや紙に含まれる不純物による汚染防止効果
は必ずしも十分ではなかった。本発明においては、これ
らの離型効果で不十分な点を補うものである。本発明の
構成を用いることによって、鮮明で解像度の高い、画像
周囲のトナーの飛び散りの少ない優れた画像が得られる
ところに大きな特徴がある。しかも、耐久性、定着のた
めの離型性オイルを用いないため、放置した場合におい
てもオイルにじみを生じず、オイルやウェブの交換も不
要である。さらに、安定性に優れ、上記の現像装置の性
能が長期間維持できるところに特徴がある。
【0028】すなわち、本発明の定着方法を用いること
により、トナー画像の飛び散りや定着不良を防ぐことが
できるとともに、安定してトナー担持シートと加圧ロー
ラーとの付着力を低減できることから、長期間に渡って
良好な画像を得ることができる。
【0029】さらに、定着ローラの傷を発生させる原因
となるウェブが存在しないことによって、中質系パルプ
すなわち、中質古紙(新聞、雑誌)を原料とした再生紙
が使用可能となった。すなわち、これらの品位の異なる
紙を用いた場合においては、紙の中の含まれる炭酸カル
シウム、タルクなどの成分が遊離しやすく、ローラーの
傷が存在した場合にはその部分に選択的に付着し、ロー
ラー汚染を促進するからである。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる定着器として
は、加圧ローラーに当接ローラーが接していることが特
徴であって、本発明に用いることができる定着器とし
て、例えば、図1の概略図に示すものを用いることが可
能である。
【0031】静電荷保持体上のトナーがシート(転写
材)に転写された後に、シート(転写材)に定着させる
ためのものであり、構成として、加熱部材を備えてい
る。
【0032】図1、2及び3は、本発明に適用する定着
装置の一例の概略的説明図である。
【0033】図1に定着ローラー式の定着器の一例を、
図2及び3に定着フィルム式の定着器の例を示した。図
中、1,14,24は加熱部材としての加熱ローラー
(定着ローラー、ヒートローラー)または加熱フィルム
であり、内部にヒーターを有し加熱されるものである。
6はこの加熱ローラー1の下側において、該加熱ローラ
ーに並行に配設し、ばね等により、加熱ローラーの下面
に所定の押圧力をもって圧接した加圧部材としての加圧
ローラーである。さらに、別のばねにより、加圧ローラ
ーに対して当接ローラー4を圧接させている。
【0034】上記加熱ローラー1と加圧ローラー6との
間に形成される圧接ニップ部(N)に被加熱材としての
トナー担持シート(P)(未定着トナー画像)を導入し
て搬送通過させることにより、加熱体としての加熱ロー
ラー1の熱と、ローラー1,6の加圧によって、シート
(転写材)上のトナー画像が加熱加圧により固着画像と
してシート(転写材)面に定着される。
【0035】例えば、加熱ローラーを用いる場合におい
ては、アルミニウムや鉄などで形成された芯金を有して
おり、該芯金の表面にはPFA、PTFE等の離型性樹
脂層により、被覆されている。円筒状の芯金の内部に
は、ハロゲンヒーター(加熱体)が配設されており、該
ハロゲンヒーター(加熱体)には、電圧が印加されてい
る。
【0036】一方、加熱部材にはその温度を検知する温
度検知素子、例えば、サーミスターが当接されており、
該サーミスターは制御手段に接続されている。かかる制
御手段は該サーミスターの出力信号に基づいてハロゲン
ヒーターヘの供給電力を制御して加熱ローラーの外周面
の温度を所定の範囲に維持する様になっている。
【0037】一方、加熱ローラーの下方には、加熱ロー
ラーと回転軸が互いに平行となるように加圧ローラーが
配設されている。該加圧ローラーには、ステンレスや鉄
などの芯金6aと、該芯金を被覆する弾性体層6bは耐
熱性および離型性に優れたシリコーンゴムや、フッ素ゴ
ムにより形成されている。なお、該加圧ローラーは加熱
ローラーに圧接するように配設され、その表面層は熱ロ
ーラーと同様に離型性に優れた材料で形成される。
【0038】本発明においては細線の再現性の向上即
ち、定着器における画像の乱れを大きく改善することが
できるという点に大きな効果が見いだされた。即ち、加
圧ローラーの直径(Dc)と当接ローラーの直径(D
p)との比(Dc/Dp)が1.5〜20であり、本発
明のローラーを用いることによって、高速機に当てはめ
た場合においても良好な定着画像が得られる。加圧ロー
ラーの直径(Dc)と当接ローラーの直径(Dp)との
比(Dc/Dp)が1.5未満の場合においては、定着
スピードが高速化されるにつれて熱の逃げが大きくな
り、画像のトナー飛び散りを生じ易く、また、ベタ画像
を多数枚とった場合の定着のムラを避けることが困難と
なる。一方で20を超える場合には、加圧ローラーをク
リーニングしたり、放熱する能力が低くなって加圧ロー
ラー汚染が生じ易くなる。さらには、定着スピードが1
50mm/秒以上の時に十分な加圧ローラー汚染防止効
果が得られなくなる。また、ローラー径の比をこの範囲
にすることによって、エネルギーの効率が向上する。な
お、加熱ローラーの外周面に転写材をローラーから分離
しやすくするために分離爪を設けることも可能である。
【0039】また本発明の特徴として、従来用いられて
いた巻き取りローラー式、ローラー式、ブレード式など
の加熱ローラーに対するクリーニング部材が不要であ
る。
【0040】本発明によれば、定着器内のローラーに付
着したトナーその他の汚染物を付着しにくくするための
オイル塗布部材やその他の加熱ローラーに対するウェブ
補助部材を省くことが可能であるところに大きな特徴が
ある。
【0041】当接ローラーは加圧ローラーに接してお
り、加圧ローラーのクリーニングおよび加圧ローラーの
温度を下げ温度の均一化を行う作用のいずれかもしくは
両方を行うものである。
【0042】クリーニングを行う場合においては、鏡像
力により加圧ローラー上のトナーその他の汚染物質を転
着させても良く、その場合においては金属を用いること
が可能である。金属を使用する場合においては、軸受け
などを絶縁性にしてフロート状態にしても良く、または
導電性にしても良いし、あるいは接地しても良い。加熱
ローラーに接触せず、転写材の搬送を妨げない位置に配
設される。
【0043】また、金属以外の材質は特に限定されない
が、各種プラスチック、フッ素ゴムやシリコーンゴム、
スチレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどの弾性体も
使用可能である。表面に離型性層や導電性層を設ける多
層構造も好ましい。また、金属と有機物との複合材料を
使用することも可能である。
【0044】加圧ローラーに対する当接ローラーの位置
は接していれば、特に限定されない。
【0045】また、これらのローラーにバイアスを印加
することも可能である。
【0046】本発明に使用されるトナーの結着樹脂の種
類としては特に限定されないが、例えば、ポリスチレ
ン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノー
ル樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイ
ン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビ
ニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キ
シレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、ク
マロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。ま
た、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂であ
る。さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、
アルケニルコハク酸などの酸成分を導入することも可能
である。また、樹脂の製造方法は公知のものが使用で
き、所望の分子量分布が得られるものであれば、特に限
定されない。
【0047】また、本発明に用いられるバインダー樹脂
は以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重
合体であっても良い。
【0048】例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフ
タレン等のような芳香族ジビニル化合物;エチレングリ
コールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレートおよび以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに変えた物等のようなアルキル鎖で
結ばれたジアクリレート化合物類;ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチ
レングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレン
グリコールジアクリレートおよび以上の化合物のアクリ
レートをメタアクリレートに変えた物等のエーテル結合
を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類;
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエ
チレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジアクリレートおよび以上の化合物のアク
リレートをメタアクリレートに変えた物等の芳香族基お
よびエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化
合物類:さらには、商品名MANDA(日本化薬)等の
ポリエステル型ジアクリレート化合物類が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリア
クリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアク
リレートおよび以上の化合物のアクリレートをメタアク
リレートに変えた物;トリアリルシアヌレート、トリア
リルトリメリテート等が挙げられる。これらの架橋剤
は、他のモノマー成分100重量%に対して、0.01
〜5重量%程度(更には0.03〜3重量%程度)用い
ることが好ましい。
【0049】トナー中には着色剤を添加することがで
き、たとえば顔料としてカーボンブラック、アニリンブ
ラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハ
ンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、
ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー
等が挙げられる。さらに例えば、染料としてはアントラ
キノン系染料、キサンテン系、メチン系染料等を挙げる
ことができ、これらを用いる場合には結着樹脂100重
量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3
〜10重量部を使用することが好ましい。
【0050】一方、磁性材料を含有させることもでき、
例えば、マグネタイト、フェライト、酸化鉄などが挙げ
られるが、必ずしも含有しなくても良い。
【0051】さらに本発明では、必要に応じてトナー中
に荷電制御剤を含有しても良い。例えば、モノアゾ染料
の金属錯塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアル
キルサリチル酸またはナフトエ酸の金属錯塩、ニグロシ
ン系化合物、有機四級アンモニウム塩等を用いることが
可能であり、特に限定されないが、良好な帯電性を得る
上で、効果的なものとしては、モノアゾ系金属化合物が
あげられる。また、より好ましいものとして、モノアゾ
系鉄錯体を挙げることができる。アゾ系鉄錯体は、特に
酸成分を有するバインダーに対し、分子間相互作用によ
り、好適に分散が達成されるためである。
【0052】また、本発明のトナーには、環境安定性、
帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上等の為、無機
微粉体、または、疎水性無機微粉体が混合されていても
良い。例えば、シリカ微粉体あるいは酸化チタン微粉体
を単独あるいは併用して用いることが好ましい。
【0053】シリカ微粉体はケイ素ハロゲン化物の蒸気
相酸化により生成された、いわゆる乾式法又はヒューム
ドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラス等から製
造される、いわゆる湿式シリカの両者が使用可能であ
る。また乾式シリカにおいては、製造工程において例え
ば、塩化アルミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン
化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによっ
て、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも
可能である。
【0054】更に、無機微粉体は疎水化処理されている
ものが好ましい。疎水化処理するには、無機微粉体と反
応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に
処理することによって付与される。その例としては、ケ
イ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式
シリカ微粉体をシランカップリング剤で処理した後、あ
るいはシランカップリング剤で処理すると同時にシリコ
ーンオイルのごとき有機ケイ素化合物で処理する方法が
挙げられる。
【0055】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメ
チルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエト
キシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロ
ルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニ
ルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブ
ロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルト
リクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、
クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリ
ルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリ
オルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチ
ルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロ
キサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン
及び水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げ
られる。
【0056】また有機ケイ素化合物としては、例えば、
シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオ
イルとしては、25℃における粘度が30〜1000セ
ンチストークスのものが用いられ、例えばジメチルシリ
コーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−
メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニル
シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が特
に好ましい。これによって、定着画像の鮮明さが湿度な
どの環境変動を受けにくくなる。
【0057】シリコーンオイル処理の方法としては、例
えばシランカップリング剤で処理された無機微粉体とシ
リコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用
いて直接混合してもよいし、ベースとなる無機微粉体に
シリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。ある
いは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散
せしめた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方
法でもよい。
【0058】本発明中のトナーは、必要に応じて、上述
以外の添加剤を添加してもよい。
【0059】例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性
付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、
滑剤、研磨剤等の働きをする微粒子などである。
【0060】テフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化
ビニリデンのごとき滑剤;あるいは酸化セリウム、炭化
ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤;あるいは
酸化チタン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中で
も特に疎水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、あ
るいは例えばカーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチ
モン、酸化スズ等の導電性付与剤、また、逆極性の白色
微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いる
こともできる。
【0061】トナーと混合される樹脂微粒子または無機
微粉体あるいは疎水性無機微粉体などは、トナー100
重量部に対して0.1〜10重量部(より好ましくは、
0.1〜5重量部)使用するのが好ましい。
【0062】本発明にかかるトナーを作製するには、例
えば、トナー構成材料を混合機により充分混合してから
加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのごとき熱混
練機を用いて溶融混練し、さらに冷却固化後粉砕、分級
を行う方法があげられるが、溶媒中においてトナー粒子
を生成させる重合法なども使用することが可能であっ
て、特に限定されない。
【0063】本発明に用いられるトナーの粒子径は重量
平均径D4(μm)が、3.5≦D4≦9.5であり、か
つ、個数粒度分布における粒径3.17μm以下の粒子
の存在割合N(個数%)との関係が、 35−D4 ×5≦N≦180−D4 ×25 を満足する粒度分布を有することが高画質を得る上で好
ましい。本発明のトナー構成によれば、原稿により忠実
な画像にするための小粒径のトナーで従来問題であった
定着時のトナーの飛び散りが大幅に改善される。
【0064】また、本発明で用いる現像方式として、ト
ナー層を保持している現像ローラーと静電荷像保持体
(潜像担持体)とが接しているいわゆる接触現像方式を
用いても、接していない非接触現像方式を用いても良
く、特に限定されない。また、現像手段においてはキャ
リアを用いる二成分現像方式、キャリアを用いない一成
分現像方式、補助帯電部材を用いるその他の現像方式な
どを使用することが可能であり、特に限定されない。
【0065】本発明におけるワックスは、2種類のワッ
クスを併用することが重要であり、これにより、相互の
分散性の違いから多量含有させても偏析しにくく、現像
性に悪影響を及ぼすことなく離型効果を高めることが出
来る。
【0066】ワックスAとしてDSC吸熱ピークを13
0〜160℃に持ち、それとは別に、DSC吸熱ピーク
を60〜120℃に持つ炭化水素系ワックスBを含有
し、これらの重量比がA≧Bであることが重要である。
A<Bである場合においては分散の効果が小さくなる。
該ワックスBの分子量分布において、重量平均分子量M
wと個数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)が1.0〜
2.0であることが好ましい。好ましくは1.5以下で
ある。Mw/Mnが2.0より大きくなると、即ち分子
量分布幅が広くなると、加圧ローラーへのフィルミング
や搬送部材などのトナーによる汚染の問題となりやす
い。
【0067】また、2.0より大きくなるとワックスに
よる可塑効果が大きくなりトナー粒子同士の凝集性が強
くなりすぎ、好ましくない。
【0068】これらのワックスAとワックスBの量は、
トナー100重量部中で1重量部以上、10重量部以下
である必要がある。1重量部未満ではこれらのワックス
の効果が小さく、10重量部を超えると性能にメリット
の増加が小さく無駄となる。
【0069】本発明に用いられるワックスAとしては、
プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のオレフィン
の共重合体があげられるが、中でもプロピレンとエチレ
ンの共重合体が好ましい。また、ワックスBとしては、
パラフィンワックス、マイクロワックス、フィッシャー
・トロプシュワックスおよび直鎖のα−オレフィン、分
枝部分が末端にあるような分枝α−オレフィンおよびこ
れらの不飽和基の位置の異なるオレフィン等があげら
れ、これらの単独重合オレフィンもしくはこれらの共重
合オレフィンが例示される。この中でも特にフィッシャ
ー・トロプシュワックスが好ましい。
【0070】フィッシャー・トロプシュワックスとして
は、サゾール社(Sasol Chem.Ltd.)の
サゾールワックスが利用できる。
【0071】サゾールワックスは、硬く、結晶性のワッ
クスで、かつ融点の割りには低粘度であることを特長と
し、サゾールワックスH1、H2、H8、C1、C2、
C3、C4;粉砕タイプであるH1−N6、SPRAY
30、SPRAY40;酸化タイプであるサゾールワッ
クスA1、A2、A3、A6、A7、A14等が存在す
るが、この内でもサゾールワックスC1、C2、C3、
C4、C2−N3等のCシリーズのものが本発明におい
て最も適しており好ましい。
【0072】また、3種以上のワックスを併用すること
も可能であり、その他には特に限定されないが、たとえ
ば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリ
スタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプ
シュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体など
で、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロッ
ク共重合物、グラフト変性物などを併用することも可能
である。
【0073】これらのワックスは結着樹脂100重量部
に対し、0.5重量部以上20重量部以下で用いること
が好ましい。
【0074】本発明トナーに含有されるワックスとして
酸変性ポリオレフィンを用いることも可能であるが特に
限定されない。
【0075】これらのワックスは、トナー製造に際し、
予めバインダー重合体成分中に添加、混合しても良い。
特に、重合体成分の調製時に、ワックスと高分子量重合
体とを溶剤に予備溶解した後、低分子量重合体溶液と混
合する方法でも良い。
【0076】係る重合体溶液の固体濃度は、分散効率、
撹拌時の樹脂の変質防止、操作性等を考慮し、5〜70
重量%であり、高分子量重合体成分とポリオレフィン重
合体の予備溶液は5〜60重量%、低分子量重合体溶液
は5〜70重量%の固体濃度であることが一例として挙
げられる。
【0077】高分子重合体成分と低分子量ワックスを溶
解又は分散させる方法は、撹拌混合により行われ、撹拌
は回分式又は連続式でおこなっても良い。
【0078】例えば、低分子量重合体溶液を混合する方
法は、該予備溶液の固形分量100重量部に対して、該
低分子量重合体溶液を10〜1000重量部添加し撹拌
混合を行うことが挙げられる。この場合、回分式でも連
続式でも良い。
【0079】次に、本発明における測定方法について述
べる。
【0080】(1)トナー粒度分布測定方法 ここで粒度分布については、種々の方法によって測定で
きるが、本発明においてはコールターカウンタを用いて
測定を実施した。
【0081】即ち測定装置としては、コールターカウン
タTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII
(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナト
リウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例
えばISOTON−II(コールター社製)が使用でき
る。
【0082】測定方法としては、前記電解水溶液100
〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは
アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.l〜5ml加え、
更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、
前記測定装置により、アパーチャーとして100μmア
パーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体
積分布と個数分布を算出した。
【0083】それから本発明に係る体積分布から求めた
重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの代表
値をチャンネル毎の代表値とする)、個数分布から求め
た個数基準の長さ平均粒径(D1)及びその変動係数を
求めた。
【0084】 (2)ワックスの分子量分布測定条件 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:GMH−HT(東ソー社製の2連) 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加) 流速 :1.0ml/min 試料 :濃度0.15重量%の試料を0.4ml注入
【0085】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
当たっては、単分散ポリスチレン標準試料により作成し
た分子量校正曲線を使用する。更に、ワックスの分子量
はMark−Houwink粘度式から導き出される換
算式によって算出される。 (3)ワックスのDSC測定条件 装置:内熱式入力補償型の示差走査熱量計 DSC−7
(パーキンエルマー社製) 測定方法:ASTM D3418−82に準ずる。本発
明では1回昇温させ前履歴をとり温度速度10℃/mi
n.で降温後、昇温させたときに得られるDSC曲線を
用いる。
【0086】
【実施例】以上、本発明の基本的な構成と特徴について
述べたが、以下に実施例に基づいて具体的に本発明につ
いて説明する。しかしながら、これによって本発明の実
施形態が限定されるものではない。実施例中の部数は重
量部である。
【0087】 [実施例1] トナーの製造例: スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100部 (共重合比90:10) 磁性酸化鉄 100部 荷電制御剤(モノアゾ系鉄錯体) 3部 エチレン−プロピレン共重合体(DSC吸熱ピーク温度144℃) 4部 低分子量ポリエチレン 2部 (Mw/Mn=1.32、DSC吸熱ピーク温度146℃)
【0088】上記材料をヘンシェルミキサーで良く混合
した後、130℃に設定したエクストルーダーでよく混
合し、冷却後、カッターミルで粗粉砕した後、機械式粉
砕機で微粉砕した。その後、風力分級器で分級し、黒色
トナー粒子を得た。
【0089】得られた黒色微粉体100部に、コロイダ
ルシリカ1部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、ト
ナー1を得た。
【0090】本実施例では、市販のレーザービームプリ
ンターLBP−WX(キヤノン製)を下記の条件に改造
して用いた。
【0091】加熱ローラーは、表面にPFA層を有する
直径45mm、長さ3180mmのものを用いた。加圧
ローラーは、導電材を分散させたPFA層を表面に有す
る直径35mm、長さ3000mmのものを用いた。ま
た、加圧力は28kgfとした。また、加圧ローラーに
対して板ばねを介して接する形で直径10mm、長さ3
000mmのアルミニウム製の当接ローラーを配設し
た。クリーニングウェブ、定着オイルは使用していな
い。
【0092】このトナー1および定着器の各ローラーを
用いて、表4に示す構成を用い、低温低湿環境(15℃
/10%RH)下、高温高湿環境(32.5℃/80%
RH)下で画出しを行った。画出し試験の結果を表5に
示す。
【0093】転写材としては、古紙パルプ配合率が75
重量%であり、上質系パルプの配合率が100重量%で
あり、填料としてカオリンを5重量%配合し、且つ硫酸
アルミニウムを添加した抄紙原料を用いて製造されたも
のを用いた。「古紙配合率」とは、上質系古紙(複写用
紙、コンピューターフォーム用紙、上白の如き化学パル
プ100%古紙)と中質系古紙(新聞、雑誌、中白等の
グラウンドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ
(TMP)、ケミグランドパルプ(CGP)の如き古
紙)の合計である。「上質系パルプ」とは、化学パルプ
(バージンパルプ)と上質系古紙の合計である。
【0094】上記の設定条件を用いて、表4に示すトナ
ーおよび定着条件を用いて、連続20,000枚にわた
り定着試験を行い、得られた結果を下記項目について評
価した。
【0095】<定着性評価>以下の定着性評価結果は、
2つの環境における悪いレベルの方(最悪値)を比較し
た。
【0096】(1)耐久画像汚れ 耐久試験中に1,000枚おきに白紙を5枚づつ定着器
に通過させ、白紙上に生じた汚れに付着した汚れを『リ
フレクトメーター』(東京電色社製)により測定した。
定着器通過の白地部分の白色度と定着器通過前の転写紙
の白色度の関係から、汚れ量(%)を算出し、画像汚れ
を評価した。
【0097】(2)画像飛び散り 10,000及び20,000枚め定着時に細線画像
(1〜7本/1mm)を定着し、その解像度をルーペを
用いて評価した。トナーが飛び散り、解像度が落ちた度
合いについて確認した。(判別可能なライン数、縦方向
のライン横方向のラインそれぞれ10カ所の平均値) A:7本、B:5〜6本、C:3〜4本、D:2本以下
【0098】(3)ベタ画像汚れ ベタ画像(同一画像濃度)を60枚連続で定着し、つぎ
に定着した白紙上における紙上の汚れをルーペ(30
×)にて評価した。 A(良好):付着物はほとんど見られない。 B(可) :付着物は極めて少なく、画像も問題ないレベル。 C(悪い):付着物が多く、画像欠陥を生じる可能性がある。
【0099】(4)加圧ローラー汚れ定着試験終了後、
加圧ローラー表面への異物の付着の様子に基づいて、加
圧ローラーの耐久性への影響について評価を行った。 A(非常に良好):付着物はほとんど見られず、画像上も影響が小さい。 B(良好) :付着物はほとんど見られず、画像品位の変化が少ない。 C(可) :付着物は極めて少なく、画像も問題ないレベル。 D(悪い) :付着物が多く、画像欠陥を生じる。
【0100】(5)定着ローラー傷 耐久試験終了後に定着ローラー表面の様子を表面粗さ計
を用いて初期の状態からの表面粗さの変化ΔRaを測定
した。
【0101】 A:1.5μm未満、B:1.5〜2.3μm、 C:2.4〜3.2μm、D:3.3μm以上
【0102】[実施例2〜15および比較例1〜8]表
1、表2に示すトナー1〜11を用いて、表3の定着器
を用い、定着条件を表4に示すように変更した以外は、
実施例1と同様に評価を行って、表5に示す結果を得
た。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、定着性が安定してお
り、定着可能速度領域が広く、多数枚の転写材を定着さ
せた後においても劣化を生じにくく、画質が優れ、転写
材の種類、周囲の温度、湿度環境の影響が小さくでき、
それらを長期にわたって維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置として好適な装置の一例を示
す縦断面概略図である。
【図2】本発明の定着装置として好適な装置の一例を示
す縦断面概略図である。
【図3】本発明の定着装置として好適な装置の他の例を
示す縦断面概略図である。
【符号の説明】 1 加熱ローラー(定着ローラー) 2 加熱ローラー表面層 3 加熱体 4 当接ローラー 6 加圧ローラー 11 フィルム材駆動ローラー 12 フィルム材従動ローラー 14、24 定着用フィルム 15 低熱容量ライン状加熱体 16 温度センサー 21 フィルム材駆動ローラー 22 フィルム材従動ローラー N ニップ部 P トナー担持シート(トナー担持転写材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を担持している転写材を、該ト
    ナー像を加熱するための加熱部材、該トナー像に圧力を
    付与するための加圧ローラー及び該加圧ローラーに当接
    する当接ローラーを少なくとも具備している定着装置に
    供給し、該転写材に該トナー像を加熱加圧定着する定着
    方法であって、 該定着装置は、加熱部材をクリーニングするためのウェ
    ブ及び加熱部材にオイルを塗布するためのオイル塗布手
    段をいずれも具備していないウェブレスオイルレス定着
    装置であり、該加圧ローラーの直径(Dp)と該当接ロ
    ーラーの直径(Dc)との比(Dp/Dc)が1.5〜
    20であり、 該トナー像は、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なく
    とも含有したトナー粒子を有するトナーによって形成さ
    れており、 該トナー粒子は、該ワックスとして、130〜160℃
    の温度領域にDSC吸熱ピークを有するワックスA及び
    60〜120℃の温度領域にDSC吸熱ピークを有する
    炭化水素系ワックスBを含有し、トナー粒子の重量に対
    するワックスAの含有量(A)及びワックスBの含有量
    (B)が下記関係 1重量%≦A+B≦10重量% A≧B を満たしていることを特徴とする定着方法。
  2. 【請求項2】 該ワックスBの分子量分布において、重
    量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比
    (Mw/Mn)が1.0〜2.0であることを特徴とす
    る請求項1に記載の定着方法。
  3. 【請求項3】 該ワックスBの分子量分布において、重
    量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比
    (Mw/Mn)が1.0〜1.5であることを特徴とす
    る請求項1に記載の定着方法。
  4. 【請求項4】 該トナー像が150mm/秒以上の定着
    スピードで該転写材に定着されることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の定着方法。
  5. 【請求項5】 該加熱部材がローラー形状であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の定着方
    法。
  6. 【請求項6】 該トナーは、重量平均径D4(μm)
    と、個数粒度分布における粒径3.17μm以下の粒子
    の存在割合N(個数%)とが、下記関係 3.5≦D4 ≦9.5 35−(D4 ×5)≦N≦180−(D4 ×25) を満足する粒度分布を有することを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の定着方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7694858B2 (en) * 2002-12-12 2010-04-13 Suntory Holdings Limited Liquid filling method and device

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