JPH11248489A - 二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法 - Google Patents

二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法

Info

Publication number
JPH11248489A
JPH11248489A JP10052161A JP5216198A JPH11248489A JP H11248489 A JPH11248489 A JP H11248489A JP 10052161 A JP10052161 A JP 10052161A JP 5216198 A JP5216198 A JP 5216198A JP H11248489 A JPH11248489 A JP H11248489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mark
measurement
dimensional
scale
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10052161A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Shimokawabe
明 下河辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan EM Co Ltd
Original Assignee
Japan EM Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan EM Co Ltd filed Critical Japan EM Co Ltd
Priority to JP10052161A priority Critical patent/JPH11248489A/ja
Publication of JPH11248489A publication Critical patent/JPH11248489A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01DMEASURING NOT SPECIALLY ADAPTED FOR A SPECIFIC VARIABLE; ARRANGEMENTS FOR MEASURING TWO OR MORE VARIABLES NOT COVERED IN A SINGLE OTHER SUBCLASS; TARIFF METERING APPARATUS; MEASURING OR TESTING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01D2205/00Indexing scheme relating to details of means for transferring or converting the output of a sensing member
    • G01D2205/90Two-dimensional encoders, i.e. having one or two codes extending in two directions

Landscapes

  • Optical Transform (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大測定範囲を絶対座標で表現できる二次元ア
ブソリュートエンコーダとそれを用いた二次元位置測定
装置を提供する。 【解決手段】 スケール303は絶対座標上の位置情報
を表現するマーク301を格子状に配置し、このマーク
を検出することでスケール上の測定対象物の二次元位置
をアブソリュート式に測定可能とする。矩形状のマーク
の内部を格子状に複数に分割し、マーク内の1個1個の
分割された範囲を1ビットとする複数桁の2進を表現す
るように設定される。マークが形成された二次元平面を
複数個のブロック503に分割し、各ブロックの絶対座
標上の位置情報を表すブロックマークと、各ブロック内
のx座標の位置情報を表すx座標マークと、各ブロック
内のy座標の位置情報を表すy座標マークを設定し、こ
れら3種類のマークを所定の規則性に従ってスケール上
に配置する。3種類のマークの情報から1つのマークの
絶対座標が求められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定の高速化が期
待できる二次元アブソリュートエンコーダおよびそれを
用いた二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子機器の小型化により、半導体
など使用される電子部品の小型・高集積化が進み、これ
らの部品に要求される寸法精度や形状精度が高まってい
る。そのため、その寸法、形状を測定する測定機も高精
度化を要求されている。また、液晶ディスプレイを生産
する際に用いられるフォトマスクなどは、大型・高精細
化が要求されており、これにより高精度化だけでなく、
大測定範囲の測定機が必要となっている。さらに、上記
の要求と同時に生産性向上のため、検査工程の高速化も
要求されている。形状、寸法測定などに多く用いられて
いる精密二次元測定機も例外ではない。
【0003】二次元形状を測定する際の座標の測定方法
は、次の2種類の方法が従来から用いられている。
【0004】(1)x、y軸それぞれにリニアエンコー
ダを使用し、x、y座標をそれぞれ測定する方法。
【0005】(2)二次元平面上に格子状のマークを配
置し、そのマークをx、y方向それぞれにカウントして
座標を測定する方法。
【0006】上記(1)の方法は一般的なものであっ
て、この方法と最近急速な進歩をしている画像処理の技
術を用いて、図1のような精密二次元測定機が構成され
ている。
【0007】図1の精密二次元測定機は、装置本体10
1の上面両端に平行に延設されたx軸測定用のリニアス
ケール103と、両リニアスケール103の上方に跨っ
て配置された可動ロッド105の上面に取付けられたy
軸測定用のリニアスケール107とを有し、x軸リニア
スケール103は可動ロッド105の両端部に一体に装
着されてリニアスケール103上をx軸方向に走査する
案内機構付き読取ヘッド109により読取られ、y軸リ
ニアスケール107はリニアスケール107上を可動し
てy 方向に走査する案内機構付き読取ヘッド111によ
り読取られる。また、装置本体101上には測定対象物
113を搭載するためのテーブル115を有し、測定対
象物113を画像読取するためのCCDカメラ117が
上記案内機構付き読取ヘッド111に取付けられて、こ
の読取ヘッド111と一体に可動する。従って、CCD
カメラ117の移動位置がリニアスケール103、10
7を走査する読取ヘッド109、111により検知され
る。
【0008】上記(2)の方法は、[XYリニアエンコ
ーダ]という製品名で二次元座標を測定するセンサとし
て用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術には次のような解決すべき課題がある。
【0010】(A)上記精密二次元測定機には、リニア
エンコーダの精度、案内機構の真直度、軸の直角度など
の誤差要因があるため、高精度化のために測定データの
補正を行う必要がある。そのため1台毎に組立ててか
ら、それぞれの誤差要因を別々に校正するので時間と労
力を必要とする。そのことが高価格化の原因となってい
る。(参考文献:J.Ye,N.Takac,C.N.Berglund,G.Owen,a
ndR.F.Pease:An Exact Algorithm forSelf-calibration
of Two-dimensionalPrecision Metrology Stges,Prec.
Eng1997,20,l6-32)。
【0011】(B)上記精密二次元測定機は、インクリ
メンタル方式のリニアエンコーダを使用しており、[X
Yリニアエンコーダ]もインクリメンタル方式のエンコ
ーダである。そのため、移動速度に制限があり、高速化
の妨げとなっている。
【0012】(C)上記精密二次元測定機は、位置検出
用の測定システムと画像処理用のシステムが別々に必要
であり、測定システムの構造が複雑になる。
【0013】上記のような課題を解決するのためには、
それぞれ次のような方法が考えられる。
【0014】上記(A)の課題は、[XYリニアエンコ
ーダ]のような二次元平面上にマークを配置する方法を
用れば解決できる。この場合、その校正は、そのマーク
の位置誤差を測定するのみで良い。高精度で広い範囲を
校正するためには、従来の精密二次元測定機が必要とな
るが、1台あれば簡単にマークの位置誤差が測定でき、
労力や時間をそれほど必要とない。これにより精密二次
元測定機の低価格化が可能となる。
【0015】上記(B)の課題は、インクリメンタル方
式のエンコーダに対して、アブソリュート方式のエンコ
ーダを使用することで解決できる。アブソリュート方式
のエンコーダは、 ・移動中の信号処理がないため、高速測定が可能であ
る、 ・ノイズや電源のON・OFFでの誤りが起きず、信頼
性が高い、 ・始業時や停電後、原点復帰が不要であり、操作が容易
である、という特長を有している。このため、インクリ
メンタル方式のエンコーダよりも、高速測定が可能とな
る。
【0016】上記(C)の課題は、図2の(a)に示す
ように、マーク201を配置した二次元平面上に測定対
象物203を直接載せ、CCDカメラ205でその画像
データを取得するという方法で解決できる。このように
することで、CCDカメラ1台で位置検出と形状測定が
同時にできる。位置検出は、CCDカメラ205の画像
中のマーク201を認識し、カウントすることで行わ
れ、形状測定も同一の画像を画像処理することで行われ
る。このような方法を用い、構造の簡単な測定機を製作
することができれば低価格化を実現することができる。
【0017】しかし、図2の(b)のような形状の測定
対象物207を測定しようとした場合には、位置の検出
方法がインクリメンタル方式であるために、内側形状、
外側形状をそれぞれ独立に測定できるが、両者の位置関
係を定め、図2の(b)のwのような寸法を測定するこ
とはできない。なぜなら、内側の輪郭線を測定するため
には、測定対象物207の上を横切らなければならず、
その部分でマーク201のカウントができなくなり、位
置検出が不可能となるためである。これに対し、アブソ
リュート方式の位置検出方法で絶対座標が測定できれ
ば、測定対象物上をカメラが横切つた後も正確な位置検
出ができ、この課題の解決が可能となる。
【0018】上述したこれらの解決法から、二次元平面
上にマークを配置する方法で、大測定範囲のアブソリュ
ート方式のエンコーダを実現できれば、高精度・高速・
大測定範囲の精密二次元測定機が低価格で製作できる可
能性がある。しかしこれまで、そのようなアブソリュー
ト方式のエンコーダは存在していない。
【0019】本発明は、上記の点に鑑みて成されたもの
で、その目的は、二次元平面上にマークを配置し、その
上に測定対象物を直接載せる方法を用いて、大測定範囲
を絶対座標で表現することが可能な二次元アブソリュー
トエンコーダを実現し、さらにはその二次元アブソリュ
ートエンコーダ用いた二次元位置測定装置並びに二次元
位置測定方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の二次元アブソリュートエンコーダ
の発明は、二次元平面上に絶対座標上の位置情報をそれ
ぞれ表現する複数のマークを等間隔の格子状に配置し、
該マークを検出することで測定対象物の二次元位置をア
ブソリュート式に測定可能とすることを特徴とする。
【0021】ここで、前記マークは、矩形状であって、
該マークの内部を格子状に複数に分割し、該マーク内の
1個1個の分割された範囲を1ビットとする複数桁の2
進を表現できるように設定されたものとすることができ
る。
【0022】また、前記マークが形成された二次元平面
は所定の大きさの複数個のブロックに分割され、前記マ
ークは各前記ブロックの絶対座標上の位置情報を表すブ
ロックマークと、各前記ブロック内のx座標の位置情報
を表すx座標マークと、各前記ブロック内のy座標の位
置情報を表すy座標マークの3種類が設定され、これら
3種類のマークを所定の規則性に従って配置することで
該3種類のマークの情報から1つのマークの絶対座標が
求められるように設定されているとすることができる。
【0023】さらに、前記規則性は、x方向に前記ブロ
ックマーク、前記y座標マーク、前記x座標マークをセ
ットとして順に配列し、該ブロックの情報は、ブロック
位置の違いによって変化し、y座標の情報は、y方向に
1行ずれる毎にマーク番号が1変化し、x座標の情報
は、x方向に3列ずれる毎にマーク番号が1変化し、そ
れぞれのマークを階段状にずらして配置することである
とすることができる。
【0024】さらに、前記ブロックマークは前記x座標
マーク、前記y座標マークと区別できるように、該ブロ
ックマークが表現する2進数の範囲が規定されていると
することができる。
【0025】上記目的を達成するため、請求項6に記載
の二次元位置測定装置の発明は、請求項1ないし5のい
ずれかに記載の二次元アブソリュートエンコーダが形成
されたスケールと、該スケール上に配置された前記二次
元アブソリュートエンコーダのマークと該スケールに載
置された測定対象物とを含む画像を取得する撮像手段
と、該撮像手段から得られる前記画像を処理して前記マ
ークの配置の規則性から前記マークの位置情報を読み取
る画像処理手段と、該画像処理手段から得られる前記マ
ークの位置情報から該マークの絶対座標を検出し、該マ
ークの絶対座標を基にして同一画像中の前記測定対象物
の輪郭線上にある測定点の絶対座標を算出し、該測定点
の絶対座標の算出処理を該測定対象物の異なる位置の輪
郭線上で繰り返すことにより該測定対象物の二次元形状
を測定する演算手段とを具備することを特徴とする。
【0026】ここで、前記撮像手段は、前記マークと前
記測定対象物とを含む画像を拡大する顕微鏡と、該顕微
鏡で拡大された画像を読み取るビデオカメラとを有する
とすることができる。
【0027】また、前記スケールは、該スケールの校正
として該スケール上の前記マークの位置誤差の測定を行
った後、二次元の運動を行うX−Yステージ上に固定さ
れるとすることができる。
【0028】さらに、前記スケールの前記マークが請求
項4に記載の前記ブロックマーク、前記x座標マーク、
前記y座標マークからなる場合において、前記演算手段
での前記測定は、前記画像中に前記マークが連続して4
個以上見えているという測定条件を満たす場所で行うと
することができる。
【0029】さらに、前記演算手段は、画像処理によっ
て前記測定条件を満たすような画像から、前記ブロック
マーク、前記x座標マーク、前記y座標マークを検出
し、それぞれのマーク番号、選択したブロックマーク、
x座標マーク、y座標マークの配列、マークの絶対座標
系での座標、測定点の画像座標系での座標を得るとする
ことができる。
【0030】さらに、前記スケールの製作誤差や、該ス
ケールを固定した際のずれによるマークの位置誤差を、
校正に用いる測定機の座標系を基準に補正し、それによ
って得られる補正値を含んだマークの絶対座標系での座
標と、絶対座標系と画像座標系の傾き誤差を、校正に用
いる測定機の座標系とビデオカメラの傾きから補正し、
それによって得られる補正値を予め取得する補正データ
取得手段を有し、前記演算手段は該補正値を基に前記測
定点の絶対座標を補正するとすることができる。
【0031】さらに、水平配置の測定対象物の側方に前
記二次元アブソリュートエンコーダのスケールを垂直に
配置し、該測定対象物と該スケール間に45度傾斜のハ
ーフミラーを配置し、該ハーフミラーを介して前記撮像
手段により該スケールと該測定対象物の画像を読取ると
してもよい。
【0032】さらに、前記二次元アブソリュートエンコ
ーダを光あるいは磁気等の測定媒体を透過させる板の表
面、あるいは裏面、またはその両面に形成して前記スケ
ールとし、該スケールを測定対象物の上方に、あるいは
下方に所定の間隔をおいて配置し、前記撮像手段により
該スケールと該測定対象物の画像を読取るとしてもよ
い。
【0033】上記目的を達成するため、請求項14に記
載の二次元位置測定装置の発明は、請求項1ないし5の
いずれかに記載の二次元アブソリュートエンコーダが形
成されたスケール上に配置された前記二次元アブソリュ
ートエンコーダのマークと該スケールに載置された測定
対象物とを含む画像を読み取るステップと、前記画像を
処理して前記マークの配置の規則性から前記マークの位
置情報を読み取るステップと、前記マークの位置情報か
ら該マークの絶対座標を検出し、該マークの絶対座標を
基にして同一画像中の前記測定対象物の輪郭線上にある
測定点の絶対座標を算出し、該測定点の絶対座標の算出
処理を該測定対象物の異なる位置の輪郭線上で繰り返す
ことにより該測定対象物の二次元形状を測定するステッ
プとを有することを特徴とする。
【0034】ここで、前記二次元形状を測定するステッ
プにおいて、前記画像の中央のマークO点から画像座標
系のx方向に引いた直線と前記測定対象物の輪郭線との
交点Aと、画像座標系の前記O点からy方向に引いた直
線と前記測定対象物の輪郭線との交点Bと、画像座標系
の前記O点から前記測定対象物の輪郭線に引いた垂線と
該輪郭線との交点Cの3点を前記測定点として用いると
することができる。
【0035】また、前記二次元形状を測定するステップ
において、前記A点がないときは、前記中央のマークO
点の左右どちらかのマークから画像座標系のy方向に引
いた直線と前記測定対象物の輪郭線との交点を測定点と
し、また前記B点がないときは、前記中央のマークO点
の上下どちらかのマークから画像座標系のx方向に引い
た直線と前記測定対象物の輪郭線との交点を測定点し、
前記C点のみ存在する場合や前記A点、B点、C点とも
に存在しない場合はその範囲では測定しないものとする
とすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0037】(二次元アブソリュートエンコーダの原
理)本発明で提案する二次元アブソリュートエンコーダ
の構成と使用方法の原理は、次のようなものである。こ
の原理の模式図を図3に示す。
【0038】・二次元平面上に、後述する絶対位置の位
置情報を持つマーク301を予め定めた規則性に従って
配置する。以後、これをスケール303と呼ぶ。
【0039】・スケール303の校正を行う。
【0040】・スケール303を画像処理装置の付いた
X−Yステージの上に固定する。
【0041】・測定対象物305をスケ一ル303上に
直接載せる。
【0042】・スケール303上に配置されたマーク3
01と測定対象物305を含む画像を撮像手段、例えば
CCDカメラ307により取得する。
【0043】・その画像データを演算装置309により
処理し、マークの配置の規則性からマークの位置情報を
読み取る。(参考文献:安居院 猛、長尾 智晴「画像
の処理と認識」昭晃堂)。
【0044】・演算装置309は、読み取ったそのマー
クの位置情報から、絶対座標計算ブログラムによってマ
ークの絶対座標を検出する。更に、同一画像中の測定対
象物の輪郭線上にある測定点の絶対座標を計算する。
【0045】・以上の演算処理を異なる位置の測定対象
物の輪郭線上で繰り返し、測定対象物の二次元形状を測
定する。
【0046】以上の述べた装置構成と演算処理により、
低価格・高精度・高速・大測定範囲の精密二次元測定機
の実現が可能となる。
【0047】(二次元アブソリュートエンコーダの特
長)上記の原理による本発明の二次元アブソリュートエ
ンコーダは、従来技術に比べ次のような特長を有する。
【0048】(1)CCDカメラのみで位置検出、形状
測定が可能である。
【0049】(2)スケールを測定の基準とするため、
案内機構の真直度や軸の直角度は、測定誤差の要因とな
らない。またスケールの校正、補正は、マ一クの位置誤
差の測定のみで良く、高精度の校正が行えれば、スケー
ルの製作精度も高精度である必要はない。
【0050】(3)アブソリュート方式のエンコーダで
あるため、移動中の信号処理が不必要で高速測定が可能
であり、また信頼性が高く、原点復帰が不要で操作が容
易である。
【0051】このような特長から、本発明の二次元アブ
ソリュートエンコーダは、従来の二次元座標測定の方法
に比べて、高い有用性を持つものと考えられる。
【0052】(二次元アブソリュートエンコーダの測定
範囲とその拡大)従来一般に用いられているようなイン
クリメンタル方式の一次元リニアエンコーダのスケール
は、図4の(a)に示すように、等間隔の格子を使用し
ているため、比較的高分解能のまま測定範囲を大きくで
き、その精度は格子ピッチの正確さに依存する。このピ
ッチの誤差は、加工精度、温度変化などによって決定さ
れ、測定範囲が大きくなるほど大きくなる。そのため、
大測定範囲で高精度のものを作るのは難しいが、今日で
は3mの有効長で(3+0.003L)μm(L(m
m)は測定長)程度の製品が提供されている。(参考文
献:井澤 実 編著「精密位置決め技術」工業調査
会)。
【0053】一次元アブソリュート方式の場合は、図4
の(b)に示すように、格子を数個並ベて、1つの格子
を1ビットとし、そのビット情報から位置の絶対値を検
出するものが一般的である。この場合は、分解能を保っ
たまま測定範囲を大きくするには、ビット数を増やさな
ければならないが、例えば、ビット数10ビットで最小
ビット幅(分解能)1μmでも測定範囲は1mmと短
い。もし、1mのアブソリュートエンコーダを作るなら
ば、20ビット必要であり、20個のセンサを必要とす
る。またビットが細かくなればなるほど、製作が難しく
なる。
【0054】二次元アブソリュートエンコーダも、分解
能を保つたまま測定範囲を大きくするには、位置情報を
表現するマーク内のビット数を増やさなければならな
い。しかし一次元のアブソリュート方式のリニアエンコ
ーダの場合と同様に、ビット数を増やすとマ一クの形状
が複雑で細かくなり、製作が困難になる。そこで、スケ
ールがそれほど複雑ではなく、分解能を落とすことのな
いマークの位置情報の表現方法や配置の規則性を考える
必要がある。本発明によるその方法等を、次の「絶対座
標の検出方法」の項で詳しく述べる。
【0055】(絶対座標の検出方法)二次元アブソリュ
ートエンコーダは、どこの測定点でも必ず絶対座標が測
定できなければない。そのためには、マークの位置情報
の表現方法や配置の規則性、また、それらの情報を読み
取った後の絶対座標の計算方法を確立する必要がある。
以下でそれぞれの方法について述べる。
【0056】(スケール)本発明の一実施形態による二
次元アブソリュートエンコーダのスケール303は、図
5に示すように、ガラス基板の表面に格子状に正方形の
マーク301を配置する。更に、そのマーク301は内
部を格子状に9分割し、マーク内の1個1個の分割され
た範囲を1ビットとする9桁の2進数を表現できるよう
にする。このマーク301で表現できる情報の数は、2
9 =512である。図5の501は後述のブロック、5
03の破線は各ブロックを分けるブロック境界を表す。
【0057】図6に示すマークは、上記の512種類の
マークの中の数種類のマークであり、これらのマークが
表す2進数の情報を10進数に換算したそれぞれのマー
クの情報(以後、この情報のことをマーク番号呼ぶ)を
位置の情報として利用する。そのマーク内の分割数を増
やして情報量を増やすことは可能であるが、マークの形
状が複雑で細かくなり、スケールを製作することが難し
くなる。そこで、以下に説明する本例では、実施が比較
的容易な、9分割したマークを使用することとする。
【0058】この512種類のマークで、広い絶対座標
測定範囲を確保するために、本発明では次のような位置
情報の表現方法とマークの配置を用いる。
【0059】まず、図5に示すように、スケール303
を複数個のブロック501に分割し、そのブロック中の
1個1個のマーク301にそれぞれブロック501の位
置、x座標、y座標の情報を付与する。以後、ブロック
位置を表すマークをブロックマーク、x座標の情報を表
すマークをx座標マーク、y座標の情報を表すマークを
y座標マークと称することとする。ここでブロックマー
クは、図6に示すように、マーク番号256以上のマー
クを用いることとし、x座標マーク、y座標マークと区
別できるようになっている。
【0060】この3種類のマーク(x座標マーク、y座
標マーク、ブロックマーク)を予め定めた規則性に従っ
て配置し、3種頻のマークの情報から1つのマークの絶
対座標が求められるようになっている。その規則性と
は、例えば図7に示すようなものである。
【0061】・x方向にブロックマーク、y座標マー
ク、x座標マークを順に配列する。
【0062】・ブロックの情報は、ブロック位置の違い
によって変化する。y座標の情報は、y方向に1行ずれ
る毎にマーク番号が1変化する。x座標の情報は、x方
向に3列ずれる毎にマーク番号が1変化する。
【0063】・それぞれのマークを階段状にずらして配
置し、上記の規則性からブロックマークの右上のマーク
はx座標マーク、左下のマークはy座標マークとなる。
【0064】ブロックマークは、上記のようにx座標マ
ーク、y座標マークと区別できるようになっているの
で、ブロックマークが確認できれば、x座標マーク、y
座標マークも識別できるようになっている。
【0065】このようなマークの位置情報の表現方法と
配置の規則性により、512個のマークを単純に並べ
て、1つのマークの位置情報で1つのマークの絶対座標
を与えるのではなく、3種類のマークの情報で1つのマ
ークの絶対座標が求められるので、前者の1つのマーク
の位置情報で1つのマークの絶対座標を与える場合に得
られる測定範囲の約10万倍の測定範囲を確保できる。
また、マークは格子状に配列されているので、どこか1
つのマークの絶対座標が求められれば、残りのマーク
は、求めたマークからそれぞれ格子のピッチ分離れた座
標となる。このような構成と測定方法により、本発明の
二次元アブソリュートエンコーダは、広い絶対座標測定
範囲の実現が可能となる。
【0066】(測定条件)絶対座標を前項で述べたスケ
ールを用いて測定する場合、1つの測定点(絶対座標)
についてブロックマーク、x座標マーク、y座標マーク
が必ずそれぞれ1個必要となる。そこで測定時には、図
8に示すように、9個のマークの画像から、ブロックマ
ーク、x座標マーク、y座標マークを選択する。図8の
(a)はブロックマークが9個のマークの中心に存在す
る場合、図8の(b)はx座標マークが9個のマークの
中心に存在し、その周りにブロックマークが存在する場
合、図8の(c)はy座標マークが9個のマークの中心
に存在し、その周りにブロックマークが存在する場合を
それぞれ示している。
【0067】しかし、実際に測定を行う場合、図9に示
すように、スケール303上に測定対象物305が載せ
られる。それにより、例えば、図中の破線で示した画像
901を使って絶対座標を計算しようとした場合、その
画像中にブロックマークがないため絶対座標の計算が不
可能となる。この計算が可能であるのは、次のような場
合である。
【0068】・903で示すように、マークが縦に3個
見える。
【0069】・905で示すように、マークが横に3個
見える。
【0070】・907、909、911で示すように、
マークが正方形に4個見える。
【0071】このような配列のマークが画像中に見えて
いる場合には、必ずその中にはブロックマーク、x座標
マーク、y座標マークが含まれており、絶対座標の計算
が可能となる。
【0072】画像中に連続したマークが4個以上見えて
いるとき、先に述べた配列が必ず含まれ、その中には必
ずブロックマーク、x座標マーク、y座標マークが含ま
れるので、マークの絶対座標の計算が必ず可能である。
そこで、本例の二次元アブソリュートエンコーダによる
測定では、画像中にマークが連続して4個以上見えてい
るという条件を満たす場所で測定を行うものとする。
【0073】(絶対座標の計算)絶対座標を計算するた
めに、図10に示すように、まず以下の座標系を定義す
る。
【0074】(1)絶対座標系:スケール303の1番
左下のマークを原点(0)とし、校正に用いる測定機の
座標系を基準とする座標系(0−xyz座標系)。
【0075】(2)画像座標系:CCDカメラ307で
得られる画像の1番左下の画素を原点(0′)とし、画
素の配列方向を基準とする座標系(0′−x′y′z′
座標系)。
【0076】次に上述した測定条件を満たすような画像
から、ブロックマーク、x座標マーク、y座標マークを
検出し、それぞれのマーク番号(k、m、n)、選択し
たブロックマーク、x座標マーク、y座標マークの配
列、マークの絶対座標系での座標(xm 、ym )、測定
点の画像座標系での座標(x′p 、y′p )を画像処理
によって得ることができる。絶対座標系と画像座標系
は、図10に示すような関係になっており、測定点
(p)の絶対座標系での座標(xp 、yp )が次式
(1)で計算できる。
【0077】
【数1】 xp =N×P+(x′p −x′m )Q yp =M×P+(y′p −y′m )Q …(1) ここで、Pはマーク間の距離,Qは1画素(ピクセル)
の長さである。また、M、Nは画像中にある9個のマー
クのうちの中央のマークのスケール全体での行と列を表
しており、これら行と列の座標は、選択したブロックマ
ーク、x座標マーク、y座標マークの配列から決定され
る下記の表1の計算式によって求めることができる。中
央のマークは、実際の測定時には測定対象物で見えない
こともあるが、画像中のどれか1個のマークの絶対座標
系での座標と画像座標系での座標が確認できれば、中央
のマークの画像座標系での座標も計算によって求めるこ
とができる。また、選択されたマーク配置がブロックの
境界をまたぐ場合、ブロック境界でマーク配置の規則性
が変化するため、表1に示すように、同じ配列でも別の
計算式が必要となる。
【0078】
【表1】
【0079】図10に示すように、絶対座標系と画像座
標系の傾き誤差が無く、マークが正確に配置されている
場合は、上記の方法で測定点の絶対座標が計算できる。
しかし次のような場合には誤差が発生する。
【0080】(1)組立誤差などが理由で絶対座標系に
対し、画像座標系が傾いている。
【0081】(2)スケールの製作精度が低く、格子の
ピッチに誤差がある場合。
【0082】そこで、本発明では、図11に示すよう
に、スケールの製作誤差や、スケールを固定した際のず
れによるマークの位置誤差を、校正に用いる測定機の座
標系を基準に補正し、それによって得られる補正値を含
んだマークの絶対座標系での座標(xmc、ymc)と、絶
対座標系と画像座標系の傾き誤差を、校正に用いる測定
機の座標系とカメラの傾きから補正し、それによって得
られる補正値θを、予め補正データとして取得する。
【0083】これにより、マーク番号とマークの配列に
よって決定される中央のマークのスケール全体での行M
と列Nから、そのマークの補正値を含んだ絶対座標系で
の座標(xmc、ymc)が求められ、更に画像座標系での
中央のマークと測定点の座標が画像処理から求められる
ので、測定点の画像座標系0′−x′y′z′から絶対
座標系0−xyzへの変換は、次式(2)の座標変換式
を使って求められ、補正された測定点の絶対座標での座
標が計算できる。
【0084】
【数2】
【0085】このように、予め取得しておいた補正デー
タ(xmc、ymc)、傾きの補正値θと画像から得られる
中央のマークの画像座標系での座標(x′m 、y′
m )、スケール全体での行と列(M、N)、測定点の画
像座標系(x′p 、y′p )から、図12に示すような
処理手順により、測定点の補正された絶対座標での座標
(xp 、yp )が計算できる。
【0086】また、測定点を画像処理によって求める場
合、図13の破線で示した画像のように、同一のマーク
が画像の中央にある範囲ならば、座標計算に使う画像が
異なっていても、同一の測定点の絶対座標を計算でき
る。なぜならば、計算に必要な情報は、図12中の計算
式にも示されているように、画像座標系での中央のマー
ク1301と測定点1303の相対的な位置(x′p
x′m 、y′p −y′m)と中央のマーク1301のス
ケール座標系での絶対座標(xmc、ymc)であり、これ
らの情報は同一のマークが画像の中央にあるならば、同
一の結果が得られるためである。このことは、画像上の
テンプレートに測定点を合わせて、そのときの座標を測
定する従来の方法に比べ、カメラの位置合わせを正確に
する必要がないという優れた利点が得られる。
【0087】これまで述べたように、高精度の二次元ア
ブソリュートエンコーダを製作するためには、校正が必
要であり、補正データを高精度で測定する必要がある。
高精度で広範囲を校正する方法としては、精密二次元測
定機を使用する方法などが考えられる。このことから、
従来の複雑な校正を行う精密二次元測定機が1台は必要
である。しかし逆に言えば、本発明では、精密二次元測
定機が1台あれば、多数のスケールに対しても、スケー
ルの校正が簡単に高精度で行うことができ、スケールの
製作精度や測定機の組立精度、運動精度に依らずに、高
精度な二次元位置測定装置が比較的低価格で製作でき
る。
【0088】(他の実施形態)前述の図7は、スケール
303上の二次元アブソリュートエンコーダを構成する
各マーク(x座標マーク、y座標マーク、ブロックマー
ク)の配置の規則性の一具体例を示したものであり、本
発明に係るその規則性を具体化したパターンは図7に示
すものに限定されない。例えば、図31に示すような変
形例のものでも図7に示すもとの同様に機能することは
明らかである。
【0089】上記各マークの種類(x座標マーク、y座
標マーク、ブロックマーク)毎にマークの色あるいは反
射率を変えて形成することで、マークの種類を色あるい
は反射率の違いで識別するようにしてもよい。この場
合、例えば、フォトエッチング技術を用いればマークの
種類毎に色あるいは反射率の異なる金属等を用いて形成
することができる。
【0090】水平配置の測定対象物の側方に本発明の二
次元アブソリュートエンコーダのスケールを垂直に配置
し、測定対象物とスケール間に45度傾斜のハーフミラ
ーを配置するという装置構成も採用できる。更に、本発
明の二次元アブソリュートエンコーダを、光(あるいは
磁気等の測定媒体)を透過させる板の表面、あるいは裏
面、またはその両面に形成して透過スケールとし、この
スケールを測定対象物の上方に、あるいは下方に配置し
て、CCDカメラ等によりスケールと測定対象物の画像
を読取るというような装置構成も採用できる。
【0091】なお、本発明の装置の演算処理等は、前述
した実施の形態の機能を実現するソフトウエアのプログ
ラムコードを記録した記録媒体(記憶媒体)を、システ
ムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置の
コンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格
納されたプログラムコードを読み出し、実行することに
よっても、達成されることは言うまでもない。この場
合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が
前述した実施の形態の機能を実現することになり、その
プログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成す
ることになる。そのプログラムコードを記録し、またテ
ーブル等の変数データを記録する記録媒体としては、例
えばフロッピディスク(FD)、ハードディスク、光デ
ィスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁
気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカー
ド)、ROMなどを用いることができる。
【0092】
【実施例】次に、本発明の一実験例とその実験結果につ
いて詳述する。
【0093】(実施装置の構成例)図14は、本発明で
提案した二次元アブソリュートエンコーダの原理の実証
と、二次元形状測定への応用を示すために構成した実施
装置の構成例を示す。本実施装置は大きく分けて、CC
Dカメラ1401、顕微鏡1403、画像処理ボード1
405、コンピュータ1407、画像処理ソフトウエア
1409により構成された画像取得・処理装置と、X−
Yステージ1411、およびスケール303とによって
構成されている。X−Yステージ1411上には本発明
による二次元アブソリュートエンコーダのスケール30
3が装着され、そのスケール303上に測定対象物30
5が載置され、またX−Yステージ1411にカウンタ
1413が接続されている。
【0094】以下に、それぞれの構成機器の仕様や機能
および動作等について説明する。
【0095】(仕様例)一般的にリニアエンコンダは、
測定範囲が大きくなると精度が悪化するため、高分解
能、高精度のものは、測定範囲を大きくすることが難し
く、応答速度も非常に遅くなる。一般的なリニアエンコ
ーダの仕様は、分解能0.5μm〜1μm、測定範囲1
00mm〜3000mmの場合、Lを測定長とすると、
その精度は(3+3L/1000)μm(測定長100
〜1500mm)〜(5+5L/1000)μm(測定
長1600〜3000mm)となっている。(参考文
献:R.V.Stuart「入門真空・薄膜・スパッタリング」技
報堂出版)。
【0096】そこで、本実施例では、上記の仕様をもと
に、本発明で提案した二次元アブソリュートエンコーダ
の仕様を、一例として、(1)絶対座標測定範囲500
mm×500mm以上、(2)測定の最小分解能2μm
以下、とし、これを本発明の実証に用いる実施装置を構
成する上での基準とした。
【0097】(画像取得・処理装置)図14に示すよう
に、顕微鏡1403で拡大した測定対象物305とスケ
ール303の映像をCCDカメラ1401から、画像処
理ボード1405を介してパーソナルコンピュータのよ
うなコンピュータ1407に取り込み、コンピュータ1
407内の画像処理ソフト(画像処理プログラム)14
09を用いて画像処理およびその後の座標計算を行う。
【0098】以下に本実施例装置を構成するのに使用し
た各機器の仕様例を記す。
【0099】・顕微鏡1403 ニコン社製測定顕微鏡 対物レンズ10倍 ・CCDカメラ1401 東京電子工業社製TV方式・RS170方式CCDカメ
ラ 有効画素数 768(x)×493(y) 走査面積 8.8×6.6mm ・画像処理ボード1405 DATA TRANSLATION社製 DT3155 モノクロ画像用画像処理装置 ・画像処理ソフト1409 Impuls社製 Vision XXL コンピュータ1407に実際に画像を取り込む際の画素
数は、信号処理の関係で640(x)×480(y)と
なり、このような仕様様で構成された画像取得・処理装
置を用いると、その最小分解能は、 ・x方向 8.8/640/10=1.375μm ・y方向 6.6/480/10=1.375μm となる。二次元アブソリュートエンコーダ303の最小
分解能は、画像取得・処理装置の最小分解能に依存する
ため、今回構成した実施装置の最小分解能は1.375
μmとなる。
【0100】この最小分解能は、上記で定めた仕様(測
定の最小分解能2μm以下)を満たしている。また、こ
の最小分解能は、もっと細かい画素のCCDカメラを使
用するか、顕微鏡の倍率を上げることで小さくすること
ができる。ただし、顕微鏡の倍率を上げる方法を取った
場合、同じスケールを使用すると、視野内に9個のマー
クが入らなくなるので、視野内に9個のマーク入るよう
に、スケールを縮小して製作し直す必要がある。
【0101】(X−Yステージ)スケール303をx、
y方向に移動させるために、顕微鏡1403に取り付け
可能なX−Yステージ1411を用いる。これによりス
ケール305を手動でx、y方向に移動できる。このX
−Yステージ1411には、x、y方向にそれぞれイン
クリメンタル方式のリニアエンコーダが付いており、ス
テージの動きをカウンタ1413で読むことができるよ
うになっている。今回使用したX−Yステージ1411
の仕様は、以下のようになっている。
【0102】・X−Yステージ1411 ニコン社製 X−Yステージ 移動範囲100(x)×100(y)mm 精度 3+L/50μm(L:測定長) エンコーダ最小分解能 0.5μm このX−Yステージ1411に付属しているリニアエン
コーダ(図示しない)により、二次元アブソリュートエ
ンコーダの測定とは別に、二次元座標を測定し、両測定
値を比較することで、二次元アブソリュートエンコーダ
の測定の精度を検討できる。
【0103】(スケール)今回試作したスケールは、次
のような工程で製作した。
【0104】(1)ガラス基板上にアルミニウムを真空
蒸着、(2)その上にフォトレジストを塗布、(3)S
EM(走査型電子顕微鏡)に付属している電子ビーム露
光装置によって、スケールのマークを描画、(4)エッ
チングによってマーク以外の部分のアルミニウムを除
去。
【0105】電子ビーム露光装置の1回の最大描画範囲
が1.6mm×1.6mmしかなく、SEMのX−Yス
テージの可動範囲も40mm×40mm程度しかない。
そのため、目標とする500mm×500mmのスケー
ルを製作することができなかった。そこで今回は10m
m×10mmのスケールを試作し、絶対座標が測定可能
であるかを確認することとした。また、最大描画範囲
1.6mm×1.6mmにより、10mm×10mmの
スケールの全範囲を露光するために、スケール303の
全範囲を36分割して描画した。しかし、SEMのX−
Yステージの可動範囲を拡大する等の改良により、50
0mm×500mm、あるいは1200mm×1200
mmのスケールを製作することは十分可能である。
【0106】試作したスケールを図15に示す。その内
部は、図16に示すように、「発明の実施の形態」の欄
で述べたマーク301とマーク配置によって構成されて
いる。スケール内のマーク301の寸法は、 マーク間隔 250μm マーク寸法 40μm×40μm となっている。この寸法で、「発明の実施の形態」の欄
で述べたマークとマーク配置のスケールを実際に製作す
るとすれば、約1200mm×1200mmの絶対座標
測定範囲を得ることができ、今回定めた仕様(絶対座標
測定範囲500mm×500mm以上)を十分満足する
ものである。また、この寸法のスケールを前述の画像取
得・処理装置で見ると、CCDカメラ1401の視野内
に9個のマーク301が入るようになっており、絶対座
標の測定が可能となっている。
【0107】しかし、この寸法でスケールを製作する
と、10mm×10mmの範囲は1ブロックの範囲内
で、1ブロック内の測定の可、不可しか確認ができな
い。そこで、ブロック境界や他のブロックでも測定が可
能であるかを確認するために、図15に示すように、1
ブロックの範囲を小さくし、10mm×10mmの範囲
を3ブロックで表現するようにした。
【0108】(実験方法)以下に述べる本発明に関する
実験は、図14に示すスケール303の二次元アブソリ
ュートエンコーダにより測定された測定点の二次元座標
と、その二次元アブソリュートエンコーダに原点を一致
させたX−Yステージ1411のリニアエンコーダによ
り測定された同一測定点の二次元座標とを比較すること
により行う。
【0109】しかし、実際に測定する場合、二次元アブ
ソリュートエンコーダのスケール303とX−Yステー
ジ1411の座標系とを正確に合わせることは実際上困
難である。「発明の実施の形態」の欄で述べたように、
実際に二次元アブソリュートエンコーダを使用する場合
には、スケールの製作精度や測定機の組立精度などの誤
差要因のためにスケールの校正を行う必要がある。そこ
で、X−Yステージ1411の座標系を基準にスケール
303の校正を行い、その校正を行ったスケール303
を使用して実験を行う。その校正の方法と校正結果は以
下に詳しく述べる。
【0110】(スケールの校正)上述のように、二次元
アブソリュートエンコーダは、スケール303の製作精
度などの誤差要因により、校正を行わなければならな
い。実際に500mm×500mmの大測定範囲のスケ
ールを校正する場合には、精密二次元測定機のような大
測定範囲を高精度で測定できる測定機を使用する必要が
ある。しかし今回は校正する範囲が10mm×10mm
とそれほど大きくないため、簡単に校正することとし
た。その校正は次のような方法で行った。
【0111】・X−Yステージ1411上にプレパラー
トとカバーガラスで作られたホルダ(図示しない)を接
着剤で固定し、そのホルダ上に二次元アブソリュートエ
ンコーダのスケール303を固定する。
【0112】・固定されたスケール303の原点とX−
Yステージ1411の原点を合わせる。
【0113】・コンピュータ1407のモニター画面上
において、それぞれ校正するマークの左下の角の画像と
モニター画面上に予め付けたテンプレート(図示しな
い)とが重なるように、X−Yステージ1411を移動
させる。ただし、テンプレートとマークが重なったとい
う判断は目視で行う。
【0114】・重なった場所のX−Yステージ1411
のリニアエンコーダの座標をカウンタ1413のカウン
ト値を読取ることで取得する。この座標を「発明の実施
の形態」の欄で述べた補正値を含むマークの絶対座標系
での座標(xmc、ymc)とする。
【0115】・この座標値をコンピュータ1407内の
座標計算プログラムの中に予め補正データとして入力し
ておき、これを使って座標計算を行う。
【0116】実際にこの処理手順により、10mm×1
0mmのスケール303上のマーク301を全マークに
ついて校正するには、1296個のマークを測定しなけ
ればならない。目視による測定で行うには測定点数が多
い。そこで、上述したようにスケール製作時に、図17
に示すように、10mm×10mmのスケールの全範囲
を36分割(A1〜A36)して描画を行っているの
で、描画の1回毎のばらつきがなく、描画範囲毎の移動
時の回転方向のずれがなければ、1回で描画できる範囲
内の36個のマーク(範囲A1内のM1〜M36)と3
6回描画した各範囲の1番左下の36個のマーク(範囲
A1〜A36内のM1)の絶対座標系での座標を測定す
れば、全てのマークの補正値を含む絶対座標系での座標
が、この72個のマークの測定値から求められる。
【0117】この校正を行う前に、まず目視による測定
方法のばらつき(偏差)を確認する必要がある。そこ
で、描画範囲A1内のマークM1を原点とし、同様に四
隅のM6、M31、M36のそれぞれのマークの位置誤
差を10回測定し、その誤差のばらつきを確認する。こ
の測定の最小分解能は前述のように0.5μmである。
その測定結果の一例を図18に示す。図18の(a)は
マークM6、(b)はマークM31、および(b)はマ
ークM36に関する位置誤差のばらつきを示す。この図
18の結果から、目視による測定方法のばらつき(p−
p値)は最大±3μm、標準偏差はx、yともに1〜
1.5μmであったことが分かる。
【0118】よって、今回行った校正方法では、最大±
3μmのばらつきを含んでいる。以後、校正の際も、以
下に説明するる実際の測定の場合も、X−Yステージ1
411による測定は、目視による方法を用いており、そ
の測定値は、±3μmのばらつきを含んでいることを前
提とする。
【0119】次に、描画の1回毎のばらつきについて確
認する。図17のA1、A21、A31の描画範囲内の
36個のマーク(M1〜M36)の座標を、範囲内の1
番左下のマーク(M1)を基準に、それぞれ3回づつ測
定する。座標測定は、X−Yステージ1411を用いた
目視による方法によって行う。図19はその測定結果を
グラフの同一の座標上に重ねて表したものである。図1
9の結果を見ると、実際に描画されなければならない点
(マーク間隔0.25mm)からの位置誤差はあるが、
描画範囲(A1、A21、A31)の違いによる誤差
は、ほとんど存在しない。
【0120】上記3範囲(A1、A21、A31)の各
36個のマークそれぞれの位置誤差(ばらつき、偏差)
を比較した結果を図20に示す。各点は3回の測定誤差
の平均値である。この結果により、x、y方向ともに、
各描画範囲でのマークの位置誤差のばらつき(p−p
値)は、±1μm程度であり、この値は目視による測定
のばらつき±3μmの範囲内であるので、描画毎のばら
つきはほとんど存在しないと言える。
【0121】次に、描画範囲毎の移動時の回転方向のず
れについて確認する。描画毎のばらつきの確認の際に測
定した3範囲(A1、A21、A31)内のM1、M1
2、M13、M24、M25、M26(図17参照)の
6個のマークの座標データを最小二乗法で直線近似し、
その直線をその範囲のx軸とし、M1、M2、M3、M
4、M5、M6(図17参照)の6個のマークの座標を
最小二乗法で直線近似し、その直線をその範囲のy軸と
し、それぞれA1、A21、A31の3範囲で求めて比
較する。この求めた各範囲のx、y軸とX−Yステージ
1411の座標系との傾き(傾斜角度)α、βを計算し
た結果を下記の表2に示す。この計算結果からA1、A
21、A31の3範囲とも、ほぼ同じ角度でX−Yステ
ージ1411の座標系に対して傾いていることが分か
る。この結果から描画範囲毎の移動時の回転方向のずれ
も存在しないと言える。
【0122】またその各範囲ともに、x軸、y軸のずれ
から計算すると、描画された範囲は平行四辺形の形状に
なっている。しかしこれは、露光装置の補正により解決
できることであり、スケール303の校正の際には、直
接影響を及ぼさない。
【0123】
【表2】
【0124】上記の結果から、1回で描画できる範囲内
の36個のマーク(範囲A1内のM1〜M36)と36
回描画したそれぞれの範囲の1番左下のマーク(範囲A
1〜A36内のM1)の絶対座標を測定すれば、全ての
マークの補正値を含む絶対座標系での座標(xmc
mc)が、この72個のマークの測定値から求めること
ができる、ということが理解できよう。
【0125】そこで、1回で描画できる範囲内の36個
のマーク(M1〜M36)の絶対座標に、前述の3範囲
を測定した際の測定値の平均値を用いる。また、36回
描画したそれぞれの範囲の1番左下のマーク(範囲A1
〜A36内のM1)は、スケール303の全範囲の1番
左下のマークを原点とし、それぞれのマークの絶対座標
をX−Yステージ1411を用いた目視による方法によ
って測定する。その測定結果を図21に示す。範囲A1
〜A36の1番左下のマーク(M1)をそれぞれ3回測
定した結果得られた測定値のばらつきを図22に示す。
図22は、この測定結果も目視による測定のばらつき±
3μm範囲内であることを示している。
【0126】以上の手順により求めた1回で描画できる
範囲内の36個のマーク(範囲A1内のM1〜M36)
の測定値と36回描画したそれぞれの範囲の1番左下の
マーク(範囲A1〜A36内のM1)の測定値を補正デ
ータとして座標計算プログラムに入力する。次の「二次
元形状測定への応用」の項ではこの校正を行ったスケー
ルを用いて実際に測定を行った実験結果を詳述する。
【0127】また、測定点の絶対座標系での座標を計算
するためには、画像座標系と絶対座標系の傾きを予め求
めておく必要がある。そこで、図23に示すように、あ
る1つのマーク2301が画面のx方向、y方向の端か
ら端まで移動するように、X−Yステージ1411を移
動させ、その時のマーク2301の画像座標系での座標
(x′i 、y′i )の測定値から、それぞれx、y方向
の絶対座標系(X−Yステージ1411の移動方向を基
準とする)と画像座標系の傾きθx 、θy を求める。同
様の測定を10回行い、x、y方向を合わせた全ての平
均値を座標計算で用いる画像座標系と絶対座標系との傾
きθとする。今回の実験装置(実施装置)の場合は、こ
の傾きθは0.7867°であった。
【0128】(二次元形状測定への応用:測定方法)本
発明の二次元アブソリュートエンコーダを用いた実施装
置では、図14で既に説明したように、画像処理装置の
付いたX−Yステージ1411の上に固定された二次元
アブソリュートエンコーダのスケール303の上に、測
定対象物305を直接載せる。次に、スケール303上
に配置されたマーク301と測定対象物305を含む画
像を顕微鏡1403を介してCCDカメラ1401によ
り撮影し、その撮影した画像を画像処理ボード140
5、コンピュータ1407を通し、コンピュータ内の画
像処理ソフトウエア(図12、表1等に示すような画像
処理・座標計算プログラムを含む)1409を用いて処
理することで、マーク301の絶対座標と、同一画像中
の測定対象物305の輪郭線上にある測定点の絶対座標
とが同時に計算される。X−Yステージ1411を移動
することで、その処理を測定対象物305の異なる位置
の輪郭線上で順次繰り返せば、測定対象物305の二次
元形状が測定可能となる。従って、マーク301の位置
検出と測定対象物305の形状測定とを、コンピュータ
1407のメモリ内に格納された同一の画像処理・座標
計算プログラムにより同時に行うことができる。
【0129】この二次元形状測定を行う際、測定対象物
305の輪郭線上の測定点数が多いほど測定対象物30
5の形状を忠実に再現できることになるが、測定対象物
305の面積が大きくなると、データ数が多くなり、処
理速度が遅くなる。そこで、今回の実験では、その測定
点として、図24に示すように、画像座標系での特徴的
な点を3点取得することとした。
【0130】図24のA点は中央のマークO点から画像
座標系のx方向に引いた直線と測定対象物305の輪郭
線との交点であり、B点は同様に画像座標系のO点から
y方向に引いた直線と測定対象物305の輪郭線との交
点であり、C点はO点から測定対象物305の輪郭線に
引いた垂線と輪郭線との交点である。また、図24の
(b)、(c)に示すように、上記A点、あるいはB点
が存在しない場合がある。このようなときには、例えば
図24の(b)のように、A点がないときは、中央のマ
ークO点の左右どちらかのマークから、画像座標系のy
方向に引いた直線と測定対象物の輪郭線との交点を測定
点(A′点)とし、図24の(c)のように、B点がな
いときは、中央のマークO点の上下どちらかのマークか
ら、画像座標系のx方向に引いた直線と測定対象物の輪
郭線との交点を測定点(B′点)とする。また、これら
以外に、A点、B点はいずれも存在しないが、C点のみ
存在する場合や、A点、B点、C点ともに存在しない場
合がある。その場合は、その範囲では測定しないものと
する。
【0131】このような3点の絶対座標が計算できる測
定対象物305の輪郭線の形状は、単調増加、単調減少
している連続的な形状に限られる。もし、測定対象物3
05の輪郭線の形状が複雑な場合には、計算プログラム
の改良が必要である。しかし、今回の実験では、発明の
原理の実証とその応用を示すことが目的であるため、単
純な形状の測定対象物305の測定を行い、その測定結
果とX−Yステージ1411で同一の測定対象物305
を測定した結果を比較、検討する。
【0132】実際の測定値の比較と検討は、次のように
行う。スケール303の二次元アブソリュートエンコー
ダによる測定で、絶対座標系での測定点(A点、B点、
C点)の座標を上記のようにして求めた後、この求めた
座標のxの値と同値を取るようにX−Yステージ141
1のxの値を決め、X−Yステージ1411により測定
対象物305の輪郭線の座標測定を行う。
【0133】このようにして得たそれぞれの測定方法で
のyの値を比較する。スケール303の二次元アブソリ
ュートエンコーダの原点とX−Yステージ1411の原
点は前述のように予め一致させているので、両測定が誤
差なく正確に行われていれば、測定結果(yの値)は一
致する。それぞれの測定方法による測定結果を比較、検
討することで、二次元アブソリュートエンコーダによる
絶対座標測定が可能であるかを実証することができる。
X−Yステージ1411による測定は、校正の時と同様
にスケール303の原点とステージ1411の原点を一
致させ、目視によって測定する方法を用いる。
【0134】また、今回構成した装置で二次元形状測定
を行うときに、測定対象物305の厚さがかなり厚い場
合には、測定対象物に対する顕微鏡1403の焦点深度
が浅くなるため、スケール303に顕微鏡1403の焦
点を合わせると測定対象物305の輪郭線がぼやけてし
まう。これは、目視による測定では、大きな測定誤差の
原因になる。そのため、測定対象物305には、あまり
厚さのあるものが使用できない。そこで、今回の測定対
象物305としては、直線形状のものとして替え刃の剃
刀の刃を使用し、円弧形状のものとして円形のレタリン
グシールを使用するというように、かなり薄いものを使
用した。
【0135】(測定結果:直線)直線形状の測定対象物
として剃刀の刃を測定する。測定時の撮像画像を図25
に示す。この画像はCCDカメラ1401からの出力画
像を画像処理ボード1405で二値化したもので、コン
ピュータ1409での画像処理、座標計算はすべてこの
二値化した画像を基に行われる。
【0136】今回の実験では、剃刀の刃(測定対象物)
305の輪郭線上の8箇所で、それぞれ図25のように
中央のマークO点からA点、B点、C点の絶対座標が計
算され、全24点の二次元アブソリュートエンコーダに
よる測定値を得た。更に、X−Yステージ1411によ
り、この24点の測定値のx座標を同値にしたときの剃
刀の刃の輪郭線の座標(y座標)を測定した。これを同
一のマークが見える範囲で画像を取得する位置を移動さ
せ、異なる画像を用いて5回ずつ繰り返し測定を行っ
た。その各測定点での5回の測定の平均値を図26で四
角と丸の印で示す。図26中の直線は、X−Yステージ
1411による測定の全測定点の測定値を最小二乗法に
より直線近似したものである。
【0137】スケール303の二次元アブソリュートエ
ンコーダを用いた測定結果とX−Yステージ1411を
用いた測定結果を更に細かく比較、検討するために、図
26の直線を基準にして、それぞれの測定法の測定回数
5回でのばらつきと、5回の平均値の測定法による相違
を図27に示す。
【0138】図27に示す測定結果により、5回の平均
値の測定法による違いは、最大で2.4μmであり、こ
れは目視による測定法のばらつき±3μmの範囲内であ
る。このことから、本発明で提案した原理に基づく二次
元アブソリュートエンコーダは、校正と同程度の精度で
測定ができることが確認された。図27のばらつきの結
果を見ると、二次元アブソリュートエンコーダによる測
定は、目視による測定に比べて、ばらつきが少ない。そ
のばらつきは2.8μmであり、各測定点の測定回数5
回の時の標準偏差は、0μm〜1.2μmであった。
【0139】理論的には二次元アブソリュートエンコー
ダの測定は、ばらつきがない。この2.8μmのばらつ
きは、約2画素分の長さに相当する。二次元アブソリュ
ートエンコーダを用いてA、B、C点の座標を測定する
と、撮影位置が異なる画像でも、同一の中央のマークが
見えている画像からは同じ測定結果が得られる。しか
し、実際には、同じマークが見えている画像であって
も、図28に示すように画像の撮影位置の違いで、輪郭
線部分の画素が閾値によって、1画素分の誤差を生じる
可能性がある。中央のマークから測定対象物305の輪
郭線までの画素数を測定する場合、マーク側と測定対象
物側の両側でこの1画素分の誤差を生じる可能性がある
ので、これが2画素分のばらつきの原因と考えられる。
【0140】(測定結果:円弧)円弧形状の測定対象物
305として、円形のレタリングシールを測定する。測
定時の撮像画像を図29に示す。この画像は、直線形状
測定と同様にCCDカメラ1401の画像を二値化した
ものである。レタリングシールの輪郭線上の8箇所で、
上述した直線形状の測定と同様に、図29に示すよう
に、それぞれ中央のマークからA点,B点,C点が計算
され、全24点の二次元アブソリュートエンコーダによ
る測定値を得た。更に、X−Yステージ1411によ
り、この24点の測定値のx座標を同値にしたときのレ
タリングシールの輪郭線の座標(y座標)を測定した。
各測定点は3回ずつ繰り返し測定を行っている。
【0141】図30は、その各測定点の3回の測定の平
均値(四角と丸の印で示す)と、スケール303の二次
元アブソリュートエンコーダおよびX−Yステージ14
11による測定値をそれぞれの最小二乗法によって円に
近似した結果とを示す。図30から最小二乗法よって近
似したそれぞれの円は、良く一致していることが分か
る。下記の表3は、それぞれの測定法の測定値から近似
された円の中心の座標と半径とを比較したものである。
中心の座標は、x方向に0.9μm、y方向に1.1μ
mのずれがあり、半径は0.9μmの差があった。この
結果は、目視による測定のばらつき±3μmの範囲内で
ある。このことから、円弧形状の測定対象物も二次元ア
ブソリュートエンコーダを用いた形状測定で、校正と同
程度の精度で測定が可能であることが確認できた。
【0142】
【表3】
【0143】(その他)なお、上記実験のため試作した
スケールは、l0mm×10mmであったが、実用上目
標とする二次元アブソリュートエンコーダの仕様は、例
えば500mm×500mmである。今回実験に使用し
た電子ビーム露光装置では、最大30mm×30mmの
スケールしか製作できない。しかし、フォトマスクを製
作する際に使われる大型の露光装置には、最大描画範囲
が800mm×800mmのものがあり、上記の仕様を
満たすようなスケールの製作は可能である。(参考文
献:田辺 功、竹花 洋一、法元 盛久「フォトマスク
技術のはなし」工業調査会)。
【0144】また、実際の生産ラインの検査工程などに
本発明装置を適用する場合に、画像データの取得方法、
座標計算の効率化を図り、画像処理に用いているコンピ
ュータや画像処理ボードを処理速度の速いものを採用す
ることで、さらに測定の高速化が得られることは勿論で
ある。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような顕著な効果が得られるので、従来技術に比
べ各種分野での適用で高い有用性を持つものと期待でき
る。
【0146】(1)従来、座標検出と測定対象物の形状
測定には別々のセンサが必要であったが、本発明による
二次元アブソリュートエンコーダでは、CCDカメラの
みで座標検出と二次元形状測定が可能である。
【0147】(2)アブソリュート方式のエンコーダで
あるため、移動中の信号処理が不必要で高速測定が可能
であり、また信頼性が高く、原点復帰が不要で操作が容
易である。
【0148】(3)従来の精密二次元測定機、本発明に
よる二次元アブソリュートエンコーダともに、予め校正
を行い補正データを取得しておく必要がある。しかし、
前者の装置組立後1台毎に行う複雑な校正に比べ、本発
明に係る後者の校正は、測定の基準となるスケール上の
マークの位置誤差を測定するのみで良い。その位置誤差
の測定を比較的高精度に行えれば、スケールの製作精度
を高精度にする必要はない。
【0149】(4)従来の精密二次元測定機は、校正に
時間と労力が必要であり、それが測定機が高価格化とい
う問題を引き起こしていたが、それに比べ本発明の二次
元アブソリュートエンコーダは、上記(3)の理由によ
り、比較的廉価に精密二次元測定機が製作できる。
【0150】(5)前述のように、本発明の二次元アブ
ソリュートエンコーダとX−Yステージとを用いて、二
種類の測定対象物(剃刀の刀、円形のレタリングシー
ル)の二次元形状測定を行い、両測定値を比較した結
果、その差は最大2.4μmであった。この結果は、校
正時の目視による測定のばらつき(p−p値)±3μm
の範囲内である。この実験結果から分かるように、校正
によって、絶対座標系と画像座標系の傾きθとスケール
の製作精度などによるマークの位置誤差の補正値を含む
各マークの絶対座標系での座標(xmc、ymc)を予
め補正データとして取得しておくことで、校正の精度と
同等の精度で二次元形状測定が可能である。
【0151】(6)本発明では、二次元平面のスケール
が測定の基準であり、そのスケールの画像から測定点の
絶対座標を計算するため、従来の測定機では誤差要因と
なっていた案内機構の真直度、測定機の軸の直角度は、
本発明の二次元アブソリュートエンコーダでは誤差要因
とならない。
【0152】(7)前述した実験例のように、測定点
(A点、B点、C点)の座標を、画像処理によって計算
する場合、中央のマークが同一であるような画像から
は、同一の測定結果が得られる。これにより、従来の画
像上のテンプレートに測定点を合わせて、座標を測定す
る方法に比べ、本発明では撮影位置を正確に合わせる必
要がない。
【0153】(8)上記(7)の理由から、中央のマー
クが同一である画像を用いた二次元アブソリュートエン
コーダの測定では、原理的に、ばらつきが生じない。
【0154】しかし、今回の実験の結果、ばらつきが最
大2.8μm存在した。これはCCDカメラの2画素分
の長さに相当する。このばらつきの原因は、画像処理の
過程で生ずる誤差であると考えられる。よって、フィル
タリング等の画像処理技術を用いて、このばらつきの原
因を除去することは可能である。
【0155】(9)本発明の二次元エンコーダはアブソ
リュート式のため、従来のインクリメント式の二次元エ
ンコーダでは測定不可能であった中抜きの測定対象物
(図2の(b)参照)でも測定可能となり、また適切な
絶対座標計算アルゴリズムを用いることで不連続または
複雑な測定対象物でも比較的高速に測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の典型的な精密二次元測定機の構成を示す
概略斜視図である。
【図2】従来のインクリメント方式のエンコーダと1台
のCCDカメラを用いて測定対象物の位置検出と形状測
定を行う測定方法を示す概念図であり、図の(a)は測
定が可能な場合、図の(b)は測定が不可能な場合を示
す図である。
【図3】本発明の二次元アブソリュートエンコーダの構
成とその使用方法の原理を説明する模式図である。
【図4】従来一般に用いられているようなインクリメン
タル方式の一次元リニアエンコーダのスケール(図の
(a))と、一次元アブソリュート方式の一次元リニア
エンコーダのスケール(図の(b))の構成を示す拡大
平面図である。
【図5】本発明の一実施形態における二次元アブソリュ
ートエンコーダのスケールの構成を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態における二次元アブソリュ
ートエンコーダを構成する2進数の情報を表すx座標マ
ーク、y座標マークおよびブロックマークのビット配列
(10進数変換で最大512まで表現可能)を示す説明
図である。
【図7】図6に示す3種頻のマークの情報から1つのマ
ークの絶対座標が求められるように図ったマーク配置の
規則性の一例を示す概念図である。
【図8】測定時に撮像画面から3種頻のマークを選択す
る際に、図の(a)はブロックマークが9個のマークの
中心に存在する場合、図の(b)はx座標マークが9個
のマークの中心に存在する場合、図の(c)はy座標マ
ークが9個のマークの中心に存在する場合をそれぞれ示
す模式図である。
【図9】実際に測定を行う場合に絶対座標の計算が可能
となるための画像上のマークの最小必要個数の条件を示
す概念図である。
【図10】絶対座標を計算するための絶対座標系と画像
座標系の関係を示す図である。
【図11】スケールの製作誤差や、スケールを固定した
際のずれによるマークの位置誤差を、校正に用いる測定
機の座標系を基準に補正する際の、絶対座標系に対する
画像座標系の傾き補正値θと補正データの関係を示す図
である。
【図12】本発明の一実施形態における測定点の補正さ
れた絶対座標での座標を計算する演算手順の一例を示す
フローチャートである。
【図13】同一のマークが画像の中央にある範囲なら
ば、座標計算に使う画像が異なっていても、同一の測定
点の絶対座標を計算できることを示す概念図である。
【図14】本発明で提案した二次元アブソリュートエン
コーダの原理の実証と、二次元形状測定への応用を示す
ために構成した実施装置の構成例を示す模式図である。
【図15】本発明で提案した二次元アブソリュートエン
コーダの原理の実証と、二次元形状測定への応用を示す
ための実験用に試作したスケールの内容を示す概念図で
ある。
【図16】CCDカメラ(×100)により撮像された
スケール上のマークの濃淡画像を示す平面図である。
【図17】図16のスケールの全範囲を36分割(A1
〜A36)して描画を行った状態と、電子ビーム露光装
置の1回の描画範囲のマーク配置(A1)を示す概念図
である。
【図18】図17の描画範囲A1内のマークM1を原点
とし、マークM6(図の(a))、マークM31(図の
(b))、マークM36(図の(c))の位置誤差を1
0回測定し、その誤差のばらつきを示すグラフである。
【図19】図17のA1、A21、A31の描画範囲内
の36個のマーク(M1〜M36)の座標を、範囲内の
1番左下のマーク(M1)を基準に、それぞれ3回づつ
測定した結果を同一の座標上に重ねて表した状態を示す
図である。
【図20】3範囲(A1、A21、A31)の各36個
のマークそれぞれのx座標(図の(a))とy座値(図
の(b))の位置誤差(3回の測定誤差の平均値)のば
らつきを示すグラフである。
【図21】36回描画したそれぞれの範囲の1番左下の
マーク(範囲A1〜A36内のM1)を、スケールの全
範囲の1番左下のマークを原点とし、それぞれのマーク
の絶対座標を測定した結果を示す図である。
【図22】範囲A1〜A36の1番左下のマーク(M
1)をそれぞれ3回測定した結果得られたx座標(図の
(a))とy座値(図の(b))の測定値のばらつきを
示すグラフである。
【図23】画像座標系と絶対座標系間の傾きθを求める
方法の一例を示す説明図である。
【図24】測定対象物の輪郭線上の測定点として画像座
標系での特徴的な点を3点取得する際の特徴的な点の定
義を示す図である。
【図25】直線形状の測定対象物の一例として剃刀の刃
を測定したときの測定時の撮像画像を示す平面図であ
る。
【図26】剃刀の刃の輪郭線上の8箇所の全24点につ
いての二次元アブソリュートエンコーダによる5回の測
定の平均値と、X−Yステージによる5回の測定の平均
値と、X−Yステージによる測定値を最小二乗法により
直線近似して得た直線とを表すグラフである。
【図27】図26中の上記直線を基準にして、それぞれ
の測定法の測定回数5回でのばらつきと、5回の平均値
の測定法による相違を、A点、B点、C点の測定点の種
類毎に示すグラフである。
【図28】同じマークが見えている画像であっても、画
像の撮影位置の違いで、輪郭線部分の画素が閾値によっ
て、1画素分の誤差を生じる可能性があることを説明す
る模式図である。
【図29】円弧形状の測定対象物の一例として円形のレ
タリングシールを測定したときの測定時の撮像画像を示
す平面図である。
【図30】円形のレタリングシールの輪郭線上の8箇所
の全24点についての二次元アブソリュートエンコーダ
による3回の測定の平均値と、X−Yステージによる3
回の測定の平均値と、二次元アブソリュートエンコーダ
およびX−Yステージによる測定値をそれぞれの最小二
乗法によって円に近似した結果とを示すグラフである。
【図31】図6に示す3種頻のマークの情報から1つの
マークの絶対座標が求められるように図ったマーク配置
の規則性の他の例を示す概念図である。
【符号の説明】
101 装置本体 103 x軸測定用のリニアスケール 105 可動ロッド105 107 y軸測定用のリニアスケール 109 案内機構付き読取ヘッド 111 案内機構付き読取ヘッド 113 測定対象物 115 テーブル 117 CCDカメラ 201 インクリメント式の二次元エンコーダ上のマー
ク 203 測定対象物 205 CCDカメラ 207 測定対象物 301 絶対座標上の位置情報を個々に有するマーク 303 スケール(二次元アブソリュートエンコーダ) 305 測定対象物 307 CCDカメラ(CCDビデオカメラ) 309 演算装置 501 ブロック 503 ブロックの境界 901 絶対座標の計算が不可能な撮像画像の例 903、905、907、909 絶対座標の計算が可
能な撮像画像の例 1301 撮像画面の中央のマーク 1303 測定点 1401 CCDカメラ 1403 顕微鏡 1405 画像処理ボード 1407 コンピュータ 1409 画像処理ソフトウエア(画像処理・座標計算
プログラム) 1411 X−Yステージ 1413 カウンタ 2301 注目マーク

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元平面上に絶対座標上の位置情報を
    それぞれ表現する複数のマークを等間隔の格子状に配置
    し、該マークを検出することで測定対象物の二次元位置
    をアブソリュート式に測定可能とすることを特徴とする
    二次元アブソリュートエンコーダ。
  2. 【請求項2】 前記マークは、矩形状であって、該マー
    クの内部を格子状に複数に分割し、該マーク内の1個1
    個の分割された範囲を1ビットとする複数桁の2進を表
    現できるように設定されたことを特徴とする請求項1に
    記載の二次元アブソリュートエンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記マークが形成された二次元平面は所
    定の大きさの複数個のブロックに分割され、前記マーク
    は各前記ブロックの絶対座標上の位置情報を表すブロッ
    クマークと、各前記ブロック内のx座標の位置情報を表
    すx座標マークと、各前記ブロック内のy座標の位置情
    報を表すy座標マークの3種類が設定され、これら3種
    類のマークを所定の規則性に従って配置することで該3
    種類のマークの情報から1つのマークの絶対座標が求め
    られるように設定されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の二次元アブソリュートエンコーダ。
  4. 【請求項4】 前記規則性は、x方向に前記ブロックマ
    ーク、前記y座標マーク、前記x座標マークをセットと
    して順に配列し、該ブロックの情報は、ブロック位置の
    違いによって変化し、y座標の情報は、y方向に1行ず
    れる毎にマーク番号が1変化し、x座標の情報は、x方
    向に3列ずれる毎にマーク番号が1変化し、それぞれの
    マークを階段状にずらして配置することであることを特
    徴とする請求項3に記載の二次元アブソリュートエンコ
    ーダ。
  5. 【請求項5】 前記ブロックマークは前記x座標マー
    ク、前記y座標マークと区別できるように、該ブロック
    マークが表現する2進数の範囲が規定されていることを
    特徴とする請求項3または4に記載の二次元アブソリュ
    ートエンコーダ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の二
    次元アブソリュートエンコーダが形成されたスケール
    と、 該スケール上に配置された前記二次元アブソリュートエ
    ンコーダのマークと該スケールに載置された測定対象物
    とを含む画像を取得する撮像手段と、 該撮像手段から得られる前記画像を処理して前記マーク
    の配置の規則性から前記マークの位置情報を読み取る画
    像処理手段と、 該画像処理手段から得られる前記マークの位置情報から
    該マークの絶対座標を検出し、該マークの絶対座標を基
    にして同一画像中の前記測定対象物の輪郭線上にある測
    定点の絶対座標を算出し、該測定点の絶対座標の算出処
    理を該測定対象物の異なる位置の輪郭線上で繰り返すこ
    とにより該測定対象物の二次元形状を測定する演算手段
    とを具備することを特徴とする二次元位置測定装置。
  7. 【請求項7】 前記撮像手段は、前記マークと前記測定
    対象物とを含む画像を拡大する顕微鏡と、該顕微鏡で拡
    大された画像を読み取るビデオカメラとを有することを
    特徴とする請求項6に記載の二次元位置測定装置。
  8. 【請求項8】 前記スケールは、該スケールの校正とし
    て該スケール上の前記マークの位置誤差の測定を行った
    後、二次元の運動を行うX−Yステージ上に固定される
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の二次元位置
    測定装置。
  9. 【請求項9】 前記スケールの前記マークが請求項4に
    記載の前記ブロックマーク、前記x座標マーク、前記y
    座標マークからなる場合において、前記演算手段での前
    記測定は、前記画像中に前記マークが連続して4個以上
    見えているという測定条件を満たす場所で行うことを特
    徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の二次元位
    置測定装置。
  10. 【請求項10】 前記演算手段は、画像処理によって前
    記測定条件を満たすような画像から、前記ブロックマー
    ク、前記x座標マーク、前記y座標マークを検出し、そ
    れぞれのマーク番号、選択したブロックマーク、x座標
    マーク、y座標マークの配列、マークの絶対座標系での
    座標、測定点の画像座標系での座標を得ることを特徴と
    する請求項9に記載の二次元位置測定装置。
  11. 【請求項11】 前記スケールの製作誤差や、該スケー
    ルを固定した際のずれによるマークの位置誤差を、校正
    に用いる測定機の座標系を基準に補正し、それによって
    得られる補正値を含んだマークの絶対座標系での座標
    と、絶対座標系と画像座標系の傾き誤差を、校正に用い
    る測定機の座標系とビデオカメラの傾きから補正し、そ
    れによって得られる補正値を予め取得する補正データ取
    得手段を有し、 前記演算手段は該補正値を基に前記測定点の絶対座標を
    補正することを特徴とする請求項8ないし10のいずれ
    かに記載の二次元位置測定装置。
  12. 【請求項12】 水平配置の測定対象物の側方に前記二
    次元アブソリュートエンコーダのスケールを垂直に配置
    し、該測定対象物と該スケール間に45度傾斜のハーフ
    ミラーを配置し、該ハーフミラーを介して前記撮像手段
    により該スケールと該測定対象物の画像を読取ることを
    特徴とする請求項6ないし11のいずれかに記載の二次
    元位置測定装置。
  13. 【請求項13】 前記二次元アブソリュートエンコーダ
    を光あるいは磁気等の測定媒体を透過させる板の表面、
    あるいは裏面、またはその両面に形成して前記スケール
    とし、該スケールを測定対象物の上方に、あるいは下方
    に所定の間隔をおいて配置し、前記撮像手段により該ス
    ケールと該測定対象物の画像を読取ることを特徴とする
    請求項6ないし11のいずれかに記載の二次元位置測定
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし5のいずれかに記載の
    二次元アブソリュートエンコーダが形成されたスケール
    上に配置された前記二次元アブソリュートエンコーダの
    マークと該スケールに載置された測定対象物とを含む画
    像を読み取るステップと、 前記画像を処理して前記マークの配置の規則性から前記
    マークの位置情報を読み取るステップと、 前記マークの位置情報から該マークの絶対座標を検出
    し、該マークの絶対座標を基にして同一画像中の前記測
    定対象物の輪郭線上にある測定点の絶対座標を算出し、
    該測定点の絶対座標の算出処理を該測定対象物の異なる
    位置の輪郭線上で繰り返すことにより該測定対象物の二
    次元形状を測定するステップとを有することを特徴とす
    る二次元位置測定方法。
  15. 【請求項15】 前記二次元形状を測定するステップに
    おいて、前記画像の中央のマークO点から画像座標系の
    x方向に引いた直線と前記測定対象物の輪郭線との交点
    Aと、画像座標系の前記O点からy方向に引いた直線と
    前記測定対象物の輪郭線との交点Bと、画像座標系の前
    記O点から前記測定対象物の輪郭線に引いた垂線と該輪
    郭線との交点Cの3点を前記測定点として用いることを
    特徴とする請求項14に記載の二次元位置測定方法。
  16. 【請求項16】 前記二次元形状を測定するステップに
    おいて、前記A点がないときは、前記中央のマークO点
    の左右どちらかのマークから画像座標系のy方向に引い
    た直線と前記測定対象物の輪郭線との交点を測定点と
    し、また前記B点がないときは、前記中央のマークO点
    の上下どちらかのマークから画像座標系のx方向に引い
    た直線と前記測定対象物の輪郭線との交点を測定点し、
    前記C点のみ存在する場合や前記A点、B点、C点とも
    に存在しない場合はその範囲では測定しないものとする
    ことを特徴とする請求項15に記載の二次元位置測定方
    法。
JP10052161A 1998-03-04 1998-03-04 二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法 Pending JPH11248489A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052161A JPH11248489A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10052161A JPH11248489A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11248489A true JPH11248489A (ja) 1999-09-17

Family

ID=12907124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10052161A Pending JPH11248489A (ja) 1998-03-04 1998-03-04 二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11248489A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001221659A (ja) * 2000-02-14 2001-08-17 Teiichi Okochi 光学式スケール装置及び光学式ロータリースケール装置
JP2002202115A (ja) * 2000-11-09 2002-07-19 Samsung Electronics Co Ltd 測定装置の自動測定エラー検出方法
JP2003098216A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Hioki Ee Corp 回路基板検査装置
JP2004053606A (ja) * 2002-07-16 2004-02-19 Mitsutoyo Corp 絶対二次元位置検出装置および絶対二次元位置測定方法
US6765195B1 (en) * 2001-05-22 2004-07-20 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Method and apparatus for two-dimensional absolute optical encoding
EP1828725A1 (en) * 2004-12-23 2007-09-05 Renishaw plc Position measurement
JP2008014739A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Mitsutoyo Corp 二次元エンコーダ、及び、そのスケール
JP4714333B2 (ja) * 1999-11-11 2011-06-29 レニショウ パブリック リミテッド カンパニー 測定スケールおよび測定システム
EP2538179A2 (en) 2011-06-24 2012-12-26 Canon Kabushiki Kaisha Two-dimensional absolute encoder and scale therefor
JP2013092414A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Mitsutoyo Corp 変位検出装置、目盛の校正方法及び目盛の校正プログラム
US8530781B2 (en) 2008-12-09 2013-09-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Processing apparatus
JP2013205076A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Dainippon Printing Co Ltd パターン寸法測定装置、パターン寸法測定方法
EP2708855A2 (en) 2012-09-13 2014-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Two-dimensional absolute encoder and scale
WO2014181478A1 (ja) * 2013-05-10 2014-11-13 株式会社ニコン X線装置及び構造物の製造方法
JP2016138879A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングDr. Johannes Heidenhain Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung 位置測定装置
CN108303038A (zh) * 2017-12-21 2018-07-20 天津大学 基于二维光学点阵的反射型面形测量方法和装置
US20190080468A1 (en) * 2017-09-13 2019-03-14 National Tsing Hua University Positioning and measuring system based on image scale
JP2020051940A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーエプソン株式会社 エンコーダー、エンコーダーの製造方法、ロボットおよびプリンター

Cited By (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4714333B2 (ja) * 1999-11-11 2011-06-29 レニショウ パブリック リミテッド カンパニー 測定スケールおよび測定システム
JP2001221659A (ja) * 2000-02-14 2001-08-17 Teiichi Okochi 光学式スケール装置及び光学式ロータリースケール装置
JP4603121B2 (ja) * 2000-02-14 2010-12-22 大河内 禎一 光学式スケール装置及び光学式ロータリースケール装置
JP2002202115A (ja) * 2000-11-09 2002-07-19 Samsung Electronics Co Ltd 測定装置の自動測定エラー検出方法
US6765195B1 (en) * 2001-05-22 2004-07-20 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Method and apparatus for two-dimensional absolute optical encoding
JP2003098216A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Hioki Ee Corp 回路基板検査装置
JP2004053606A (ja) * 2002-07-16 2004-02-19 Mitsutoyo Corp 絶対二次元位置検出装置および絶対二次元位置測定方法
EP1828725A1 (en) * 2004-12-23 2007-09-05 Renishaw plc Position measurement
JP2008525783A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 レニショウ パブリック リミテッド カンパニー 位置測定法
JP2008014739A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Mitsutoyo Corp 二次元エンコーダ、及び、そのスケール
US8530781B2 (en) 2008-12-09 2013-09-10 Kabushiki Kaisha Toshiba Processing apparatus
US9040900B2 (en) 2011-06-24 2015-05-26 Canon Kabushiki Kaisha Two-dimensional absolute encoder and scale therefor
EP2538179A2 (en) 2011-06-24 2012-12-26 Canon Kabushiki Kaisha Two-dimensional absolute encoder and scale therefor
JP2013092414A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Mitsutoyo Corp 変位検出装置、目盛の校正方法及び目盛の校正プログラム
US9134144B2 (en) 2011-10-25 2015-09-15 Mitutoyo Corporation Displacement detecting device, scale calibrating method and scale calibrating program
JP2013205076A (ja) * 2012-03-27 2013-10-07 Dainippon Printing Co Ltd パターン寸法測定装置、パターン寸法測定方法
EP2708855A2 (en) 2012-09-13 2014-03-19 Canon Kabushiki Kaisha Two-dimensional absolute encoder and scale
US9267820B2 (en) 2012-09-13 2016-02-23 Canon Kabushiki Kaisha Two-dimensional absolute encoder and scale with marks each having one of a plurality of different characteristic values
WO2014181478A1 (ja) * 2013-05-10 2014-11-13 株式会社ニコン X線装置及び構造物の製造方法
JPWO2014181478A1 (ja) * 2013-05-10 2017-02-23 株式会社ニコン X線装置及び構造物の製造方法
JP2016138879A (ja) * 2015-01-26 2016-08-04 ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツングDr. Johannes Heidenhain Gesellschaft Mit Beschrankter Haftung 位置測定装置
US20190080468A1 (en) * 2017-09-13 2019-03-14 National Tsing Hua University Positioning and measuring system based on image scale
US10535157B2 (en) * 2017-09-13 2020-01-14 National Tsing Hua University Positioning and measuring system based on image scale
CN108303038A (zh) * 2017-12-21 2018-07-20 天津大学 基于二维光学点阵的反射型面形测量方法和装置
JP2020051940A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 セイコーエプソン株式会社 エンコーダー、エンコーダーの製造方法、ロボットおよびプリンター

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11248489A (ja) 二次元アブソリュートエンコーダおよび二次元位置測定装置並びに二次元位置測定方法
US5008743A (en) Telecentric imaging system optical inspection machine using the same and method for correcting optical distortion produced thereby
JPH1183438A (ja) 光学式測定装置の位置校正方法
CN111207671B (zh) 位置标定方法和位置标定装置
JP5515432B2 (ja) 三次元形状計測装置
JP2008525783A (ja) 位置測定法
CN104199257A (zh) 一种精密定位平台绝对定位精度的测量及补偿方法
US7860298B2 (en) Method and system for the calibration of a computer vision system
JP2000252203A (ja) アライメントマーク及びアライメント方法
JP4603121B2 (ja) 光学式スケール装置及び光学式ロータリースケール装置
US8290240B2 (en) System, apparatus, method, and computer program product for determining spatial characteristics of an object using a camera and a search pattern
JPS61160004A (ja) パタ−ンエツジ測定方法および装置
US7584072B2 (en) Method for determining correction values for the measured values of positions of structures on a substrate
CN115289997B (zh) 一种双目相机三维轮廓扫描仪及其使用方法
CN113725108B (zh) 大板扇出型封装芯片的漂移定位测量方法及装置
US6836740B2 (en) Method for determining the relative position of first and second imaging devices, method of correcting a position of a point of projection of the devices, printing form exposer, printing unit, printing unit group and printing press
JP3040845B2 (ja) アライメントマーク
JP3610730B2 (ja) 表面形状欠陥検出方法とその装置
JP5786999B2 (ja) 三次元形状計測装置、三次元形状計測装置のキャリブレーション方法
CN108460331B (zh) 一种鲁棒的指针式仪表读数自动识别装置及其识别方法
JPH0585004B2 (ja)
JP2000258121A (ja) 複数カメラ校正用のマスター基板及び画像認識カメラの校正方法
CN214583089U (zh) 用于转台转轴标定的标定模板
JPH11132735A (ja) Icリード浮き検査装置及び検査方法
JP2789818B2 (ja) 半導体ウエハの識別方法