JPH11247768A - パワーステアリング装置用ベーン - Google Patents

パワーステアリング装置用ベーン

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JPH11247768A
JPH11247768A JP10051672A JP5167298A JPH11247768A JP H11247768 A JPH11247768 A JP H11247768A JP 10051672 A JP10051672 A JP 10051672A JP 5167298 A JP5167298 A JP 5167298A JP H11247768 A JPH11247768 A JP H11247768A
Authority
JP
Japan
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vane
less
power steering
steering device
hardness
Prior art date
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Pending
Application number
JP10051672A
Other languages
English (en)
Inventor
Fujio Yamane
不二夫 山根
Kenichi Inoue
謙一 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP10051672A priority Critical patent/JPH11247768A/ja
Publication of JPH11247768A publication Critical patent/JPH11247768A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材質面の検討から、ベーンにとって必要な程
度に耐摩耗性を有しつつ、相手材への攻撃性が少なく、
したがって耐焼付性が高く、かつ製造コストを低減可能
なベーンを提供する。 【解決手段】 重量比で、第1発明;C:0.40〜
1.5%、Si:1.2%以下、Mn:1.5%以下、
Cr:10〜22%、残部Feおよび不可避的不純物か
らなるパワーステアリング装置用ベーン、第2発明;第
1発明に加えてW、Moの1種または2種を1/2W+
Moで0.1〜2.0%、V、Nb、Ta、Tiの1種
または2種以上を合計で1.5%以下、およびNi:
2.0%以下のうち、1グループまたは2グループ以上
を適宜添加したものである。第1または第2発明におい
て、HRC50を超える硬さとすること、MC型炭化物
を面積%で1%以下とすることがそれぞれ望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーステアリン
グギヤ駆動用のベーン型ポンプに用いられるベーンの技
術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】まず、パワーステアリングギヤ駆動用ベ
ーン型油圧ポンプの一例の作動を図4で述べる。図4に
おいて、紙面に直角方向の一対のサイドリング18と該
サイドリング18間に挟持されたカムリング13からな
る閉空間内に、ロータ11が回転可能に軸支されてい
る。ベーン1は概略直方体状の外形形状を有し、その厚
み方向の両面を前記ロータ11の放射状溝12で、また
両端面をサイドリング18の端面で、それぞれ摺動可能
に案内されており、該ロータ11とともに矢印20の方
向に回転する。
【0003】ここで、各ベーン1は、回転による遠心力
と、またはさらに後述により加圧された作動油が各ベー
ン1とロータ11の放射状溝12との隙間から入ること
により生じるベーン1を押し出す力等で、各案内面に直
角方向の一方の面であり厚み方向に関して中高形状であ
る頂面を、カムリング13のカム面14と常に圧接しつ
つ厚み方向に相対摺動しながら回転する。ロータ11と
各ベーン1とカムリング13のカム面14およびサイド
リング18とで区画されたポンプ室15は、ロータ11
の回転により、図中左上および右下側で最大容積、左下
および右上側で最小容積となるから、前記回転により作
動油は、サイドリング18に設けられた吸入ポート1
6,16から吸入され、ポンプ室15を経てサイドリン
グ18に設けられた吐出ポート17,17より吐出され
る。
【0004】ベーン1のカムリング13と接触摺動する
頂面は、カム面との相対角度変化に対応して良好な摩擦
とシール状態を得るごとく、相対運動方向、つまり厚み
方向に関して中高形状とされており、摺動しつつシール
作用を保持する。このため、該面は形状精度、面粗度と
も高精度の仕上が要求される。カムリング13は、通常
サイドリングで両側(紙面の表裏側)から挟持されてい
る。ベーン型ポンプは、吐出時の脈流が少なく、かつコ
ンパクトで大圧力を発生させ得ることから、近年、自動
車のパワーステアリングギア駆動用として採用されてい
る。
【0005】パワーステアリングの普及に伴い、ベーン
型ポンプのコスト低下が要求されており、特にベーン
は、ポンプ部品の中で、コスト比率が高いことから、ベ
ーンを安価に得る方法が種々検討されている。その例と
して、特開昭58−206896号、特開平2−308
993号は、ベーンの頂面等特定の面の機械加工を省略
することで、コストを低減することを提案している。
【0006】すなわち、特開昭58−206896号
は、素材として少なくとも一方の縁面を円弧状の凸面と
した平線材料を焼ならし処理した後、所定長さに切断し
てベーン素材とし、これを熱処理により硬化した後、上
記円弧状凸面を除く各面を研削により所定寸法に仕上げ
てベーンとし、この円弧状凸面を頂面として、この面を
カムリングのカム面に接触するごとくポンプに組み込ん
でならし運転し、該ならし運転中に前記焼ならし処理中
に生じさせた脱炭層を初期摩耗させることで、カムリン
グ形状に適合した形状とすることを提案している。しか
し、上記の方法では、多量の摩耗粉が発生し、これがト
ラブルの原因となり易い等の理由で採用されていない。
【0007】また、特開平2−308993号は、塑性
加工(引抜きまたは押出し加工)により、図5における
頂面30cおよび底面30dとなる両縁面を有する所定
断面形状の平線素材30を、図に示すように一対のロー
ル21,22で、面取部30e,30f,前面30a,
後面30b,曲面30h,30iをロール孔形23,2
4で規制(両縁面30cおよび30dは拘束せず)して
圧延した後、得られたフラットバーを所定長さに、望ま
しくはバンドソーで、またはプレスカット(剪断)によ
り切断し、該切断面を研削するベーンの製造方法を提案
している。
【0008】しかし、この方法は引抜きまたは押出し加
工により得られた帯状素材の頂面となる面30cが、た
とえ高い中高形状精度および高真直性で仕上げられたも
のであっても、上記厚み方向からの圧延によりこの真直
性と中高の頂面の形状が乱れ易く、その結果、頂面のシ
ール性が劣ること、表裏面(30a,30b)の厚みお
よび平面度を満足することは至難であること、またこの
提案が推奨するバンドソー切断では十分な、製造コスト
低減が図れないこと等が本発明者のテストの結果判明し
た。
【0009】上記2例は、ベーンの頂面として、従来の
研削加工を廃し、塑性加工による表面をそのまま使用す
ることにより、安価なベーンを供給しようとするもので
ある。しかしながら、ポンプ室内のシール作用を保持
し、この状態を長時間持続するためにには、ベーンの形
状精度、面粗度とも高精度が要求されるから、塑性加工
でこの要求を満たすには非常な技術管理が要求される。
一方、ベーンの材質としては、耐摩耗性の要求から、S
KH51またはその相当材を硬さ60HRC以上とする
ものが従来より広く使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの実験、検
討によると、SKH51またはその相当材は、高硬度の
MC型やM6C型炭化物を多量に含有するため、自身の
摩耗が少ない反面、相手材への攻撃性が大きく、したが
って相手部材を摩耗させ、かつ耐焼付性が低いため、性
能的には必ずしも十分でない上に、高価な元素である
W,Mo,V等を多量に含有し、また焼入れ温度が高
く、高製造コストとなるため、ベーン材として最適では
ないことがわかった。そこで、本発明は材質面の検討か
ら、ベーンにとって必要な程度に耐摩耗性を有しつつ、
相手材への攻撃性が少なく、したがって耐焼付性が高
く、かつ製造コストを低減可能なベーンを提供すること
を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述のように現行材は、
ベーン材として適切ではない。本発明者らのテストの結
果、Cを0.4%以上、Crを10%以上含有させて、
MC型やM6C型に比し、比較的軟質なCr炭化物を多
量に析出させることで、耐摩耗では従来材と同程度か、
やや劣る程度としても、未だ当該ベーンの用途に対して
は十分な程度であり、かつMC型、M6C型等の高硬度
の炭化物の生成を抑制して、相手材の摩耗を減じ、また
耐焼付性を従来材より向上させることが可能で、ベーン
としては総合性能を遜色のないもの、または高い耐焼付
性を生かしてより高速の運転を可能となし得ること、さ
らにコスト的には数段有利なベーン材となし得ることが
わかった。
【0012】本願の第1発明は、重量比で、C:0.4
0〜1.5%、Si:1.2%以下、Mn:1.5%以
下、Cr:10〜22%、残部Feおよび不可避的不純
物からなることを特徴とするパワーステアリング装置用
ベーンであり、第2発明は前記第1発明に加えてW、M
oの1種または2種を1/2W+Moで0.1〜2.0
%、V、Nb、Ta、Tiの1種または2種以上を合計
で1.5%以下、およびNi:2.0%以下のうち、1
グループまたは2グループ以上を適宜添加したものであ
る。
【0013】第1発明において、MC型炭化物は生成さ
れず、第2発明ではMC型炭化物を面積%で1%以下と
なし得る。これに対し従来材では、MC型炭化物が2〜
3%程度生成されることが知られている。また、本発明
に係る材料の焼入れ温度は、いずれも従来材の1200
℃またはそれ以上に対し、1100℃程度以下であり、
コスト低減、特に連続焼入れ方式による高品質、低コス
ト化において、決定的な有利性を有する。次に本発明の
成分および数値の限定理由を述べる。
【0014】Cは、焼入れ性および焼戻し硬さを維持
し、またCrやW,Mo,V等の炭化物形成元素と結合
し、結晶粒の微細化と耐摩耗性を与えるために添加す
る。上記の効果を得るためにCは最低0.4%必要であ
るが、過度の含有はベーン用素材の冷間加工性の低下お
よび粗大炭化物の析出を招き、靭性および研削性を低下
させるので1.5%以下に限定する。Cの望ましい範囲
は0.44〜1.35%である。
【0015】Siは通常脱酸材として添加される他に、
ベーン材の焼戻し軟化抵抗を高めて基地を強化する。し
かし、1.2%を超えて添加すると冷間における加工性
を低下させるため、Siは1.2%以下とする。Siの
望ましい添加量は0.1〜0.6%である。MnはSi
と同様、脱酸材として添加される他に、ベーン材の焼入
れ性を向上させて基地を強化する上で有効である。しか
し、1.5%を越える添加は、焼鈍時の硬さを上昇させ
冷間加工性を低下させる。そのため、Mnの添加量は
1.5%以下とする。望ましいMnの添加量は0.1〜
0.8%である。
【0016】Niは、C,Mn,Cr等とともに焼入れ
性の向上に有効であり、また基地の本質的な靭性改善効
果を与えるため必要に応じて添加する。しかしながら、
2.0%を越えて添加すると、ベーン用素材の冷間加工
性および研削性を極端に低下させる。また、Niは高価
な原料であるため、必要以上の添加はベーンのコストを
上昇させる。そのため、ベーンとして特に靭性が必要な
場合には、0.1〜1.0%の添加が望ましい。さらに
望ましくは0.1〜0.5%である。
【0017】Crは、Cと結合して炭化物を形成して、
ベーンの耐摩耗性の向上および焼入れ性の向上の効果を
有する。この炭化物はMC型等に比し、比較的に軟質で
あり、相手材への攻撃性は低い。上記効果を得るために
は10%以上の添加が必要であるが、22%を越えて添
加すると、ベーン用素材の冷間加工性を極端に低下させ
る。そのため、Crの添加量は10〜22%とする。望
ましくは、12.0〜15.0%である。
【0018】W,Moは焼戻し時に微細な特殊炭化物と
して析出し、焼戻し硬さを高める元素である。ただし、
過度の添加は、高硬度の炭化物の著しい析出を招き、靭
性を極端に低下させるだけではなく、相手材の摩耗を増
加する。また、比較的高価な原料であることから、添加
する場合にはW、Moの1種または2種を1/2W+M
oで0.1〜2.0%の範囲で添加する。望ましくは、
同式で0.3〜2.0%である。
【0019】V,Nb,Ta,Tiは、Cとの共存下に
おいて炭化物の中でも高い硬さを有するMC型炭化物を
形成して、耐摩耗性の向上に効果的であるだけでなく、
焼戻し時には微細かつ凝集しにくい炭化物として析出
し、基地の硬さを向上させる。また、焼入れ温度保持中
においてもMC型炭化物は固溶しにくいため、結晶粒を
微細化し靭性を向上させる。しかしながら、1種または
2種以上の合計の添加量が1.5%を越えると、凝固時
に巨大なMC型炭化物を形成するため、相手材への攻撃
性を著しく増加し、ベーンの耐焼付き性を低下させる。
そのため、添加する場合は、V,Nb,Ta,Tiの添
加量は1種または2種以上合計で1.5%以下とする。
望ましい添加量は合計で1.0%以下である。
【0020】本発明で最も望ましい組成例は、C:0.
55〜0.70%、Si:0.1〜0.6%、Mn:
0.1〜0.8%、Ni:0.1〜0.5%、Cr:1
2.0〜15.0%、Mo:0.50%以下、V:0.
3%以下、残部Feである。ベーンの硬さは、ベーン自
身の耐摩耗性に大きく影響を与える。本発明に係る成分
系のベーンにおいて、HRC50を越え、または53を
越える硬さとすることにより、従来材に比し、遜色のな
い程度またはやや劣るが、ベーンとしての耐摩耗性には
十分な値とし得ることがわかった。望ましくは、HRC
53超、さらに望ましくはHRC55以上とするとよい
(この場合も相手材との攻撃性はさして増加しない)。
【0021】次にMC型炭化物は、前述のように耐摩耗
性、靭性を向上するが、一方で過度な存在により相手材
への攻撃性を増し、耐焼付性を低下するから、その量を
制限することが望ましく、面積率で1.0%以下(0%
も含む)に限定するとよい。本願の第1発明ではMC型
炭化物は生成されず、第2発明でも1.0%以下とする
ことは容易である。
【0022】
【発明の実施の形態】表1の化学成分からなる熱間圧延
後焼鈍した丸線材料を準備し、冷間圧延により一方の縁
面を円弧状とした断面形状の平線素材を得た。これを個
取り切断して所定の硬さを得るため、焼入れ焼戻しの熱
処理および仕上げ研削加工を行ない、図1に示すベーン
を得た。
【0023】
【表1】
【0024】次に各テストピースを図2に示す形態およ
び数値条件で、ベーンの円弧状とした頂面を所定荷重
で、相手材に押し当て、定時間往復動をさせ、その時の
摩耗幅を測定した。また、同材質、同熱処理の材料か
ら、耐焼付き性試験片を作成し、図3に断面図およびそ
のA−A矢視図を示すリケン式ピニオンディスク試験に
より、焼付発生荷重を測定し、各材質による耐焼付性を
比較した。
【0025】表2に各試料の熱処理硬さ(SKH51は
a:HRC65、b:HRC55の2種)ならびに摩耗
試験および耐焼付性試験の結果を示す。表2に示す通
り、従来品の摩耗幅が0.8〜1.0mmであるのに対
して、本発明品は摩耗幅が0.8〜1.4mmとなり、
摩耗が従来品に比べ摩耗がほぼ同等なものから、やや大
きいまでの結果が得られた。但し、本発明のうち熱処理
硬さがHRC50を越えるものに限定すると摩耗幅は
1.2mm以下、HRC53を越えるものに限定すると
摩耗幅は1.0mm以下にそれぞれ減少し、従来材とほ
ぼ同等となし得ることがわかる。なお、比較例の摩耗幅
は0.8〜1.4mmに分布している。
【0026】
【表2】
【0027】次に耐焼付性について本発明品は、従来品
の100〜110kgf/cm2に対し、110〜17
0kgf/cm2と従来品よりも一段と向上しているこ
とがわかる。すなわち、従来品は前述のようにCrの添
加量は少なく、SKH51では1/2W+Moを約8.
5%、Vを2.1%と、またM50では1/2W+Mo
を4.25%を多量に含有しているため、耐摩耗性は
0.8および1.0mmと良好であるが、相手材に対す
る攻撃性が強く、焼付き荷重が100〜110kgf/
cm2と低くなっている。
【0028】また、比較例のうち、No.36はCが
0.32%と低いため、摩耗幅が1.4mmとやや大き
く、かつ焼付き荷重は110kgf/cm2とやや低
い。比較例No.37〜39は自身の摩耗幅が1.0m
mと良好であるが、MC型炭化物形成元素であるV,N
b,Ta,Tiの合計量が2.83〜3.2%と1.5
%はもちろん、従来材(SKH51)の2.10%をも
大きく越えており、このため相手材に対する攻撃性が強
く、したがって焼付き荷重が70kgf/cm2と低い
値となっている。
【0029】さらに比較例No.40は、V,Nb,T
a,Tiの合計量が2.14%とやはり1.5%を越え
ているから、またNo.41は、Crが4.1%と低い
ことによる耐摩耗性の低下を1/2W+Moを4.25
%と多くして補うような組成であることから、摩耗幅は
それぞれ1.0mmと0.8mmと、それぞれ良好であ
るが、焼付き荷重はいずれも100kgf/cm2と低
いものとなっている。次にNo.5,6,10,42a
の各ベーンをポンプに組み込んで耐久試験を行なった。
試験条件は、圧力:3kgf/cm2と100kgf/
cm2の繰返し、回転数:3000rpm、油温:定温
保持、総回転数:30万回である。その結果、No.
5,6,10はNo.42aに比し、何ら遜色は認めら
れなかった。
【0030】以上、実施例として、ベーンは頂面を研削
仕上し、かつ熱処理は個取り切断後行なうもので述べた
が、本発明のベーンは、技術管理を強化することによ
り、頂面の研削仕上を省略するものに適用してもよく、
また熱処理は長尺の塑性加工によるコイル材を一方端側
から、焼入れ炉を通過させる連続方式とするものとして
もよい。特に連続式は材料の焼入れ温度が従来材より低
下されているので採用が容易となり、かつ生産性が高
く、傷の発生を極少とし得るから、低コスト化、高品質
化に適している。
【0031】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明はパワース
テアリング装置用ベーンとして、従来使用されていたS
KH51またはそれの相当材が攻撃性が強いことから相
手材を過度に摩耗させ、その結果焼付き荷重が低く、し
たがって性能的に必ずしも十分でなく、かつ価格的には
劣ることを見出したことによるものである。これに基づ
いて、本発明は当該ベーンとして、必要な耐摩耗性を比
較的軟質なCrの炭化物を多量に分布させることで得、
それにより相手材に対する攻撃性を低下することで、耐
摩耗性については遜色がなく、攻撃性が少ない点で優
れ、かつ低価格的にも優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベーンの形状を示す図である。
【図2】高速往復動試験方法を示す図である。
【図3】リケン式ピニオンディスク試験方法を示す図で
ある。
【図4】ベーンポンプの構造例を示す図である。
【図5】特開平2−308993号を説明する図であ
る。
【符号の説明】
1 ベーン、1a 頂面、1b 膨出部、9 研削とい
し、11 ロータ、12放射状溝、13 カムリング
(相手部材)、14 カム面、15 ポンプ室、16
吸入ポート、17 吐出ポート、20 矢印、21,2
2 ロール、23,24 ロール孔型、30 平線素
材、D1,D2 方向を示す矢印、R 半径、t 厚
み、θ 角度、δ クリアランス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C:0.40〜1.5%、S
    i:1.2%以下、Mn:1.5%以下、Cr:10〜
    22%、残部Feおよび不可避的不純物からなることを
    特徴とするパワーステアリング装置用ベーン。
  2. 【請求項2】 重量比で、C:0.40〜1.5%、S
    i:1.2%以下、Mn:1.5%以下、Cr:10〜
    22%と、さらにW、Moの1種または2種を1/2W
    +Moで0.1〜2.0%、V、Nb、Ta、Tiの1
    種または2種以上を合計で1.5%以下およびNi:
    2.0%以下のうち、1グループまたは2グループ以上
    を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなることを
    特徴とするパワーステアリング装置用ベーン。
  3. 【請求項3】 重量比で、C:0.55〜0.70%、
    Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.8%、N
    i:0.1〜0.5%、Cr:12〜15%、Mo:
    0.50%以下、V:0.3%以下、残部Feおよび不
    可避的不純物からなる請求項2のパワーステアリング装
    置用ベーン。
  4. 【請求項4】 HRC50を超える硬さに熱処理されて
    いる請求項1、2または3のパワーステアリング装置用
    ベーン。
  5. 【請求項5】 MC型炭化物が面積率で1.0%以下
    (0%も含む)請求項1、2、3または4のパワーステ
    アリング装置用ベーン。
JP10051672A 1998-03-04 1998-03-04 パワーステアリング装置用ベーン Pending JPH11247768A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100436516B1 (ko) * 1999-12-28 2004-06-16 주식회사 포스코 자동차 조향장치 부품용 소재의 제조방법

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