JP3838928B2 - 熱間工具鋼 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬度が45HRCを超える調質熱間工具鋼に関し、更に詳述すれば、熱間鍛造金型、押出型又はダイカスト金型等に使用され、熱処理組織を制御してヒートチェック性、溶損性及び被削性を向上させた熱間工具鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型用の熱間工具鋼としては、ヒートチェック性及び耐溶損性が必要である。これらの両特性を改善するために、従来、組成の改善が図られている。しかし、被削性は、これらの両特性と相反する性質であるため、この被削性とヒートチェック性及び溶損性との双方を改善し、両立することは難しい。
【0003】
近時のセラミック工具及びCBN工具の発展に伴い、従来、硬度が45HRCを超えるため、研削加工により仕上げ加工されていたような高硬度材料を、切削加工に置き換えて生産性を向上させる試みがなされている。熱処理後の調質材料を切削加工することにより金型を製造することができれば、納期の短縮及びコストの軽減が可能である。この切削加工により金型を製造することは、硬度42HRC以下で使用されるプラスチック成形用金型鋼では一般化されている。
【0004】
しかし、硬度が45HRCを超える調質された高硬度鋼では、切削加工しようとすると、工具寿命が短くなるのに加え、工具寿命のバラツキが大きくなるという問題点がある。この工具寿命のバラツキがあると、金型の製造を無人化運転するための障害となるため、工具寿命のバラツキの低減は、解決しなければならない重要な技術的課題である。
【0005】
更に、金型製作の短納期化を実現するために、高速切削加工も検討されている。しかし、400m/分以上の切削速度になると著しく工具寿命が短くなり、また工具寿命のバラツキが大きくなるため、高硬度材での試作品は多数報告があるものの、金型製造産業全体の主流技術とはなっていない。このような背景から、今までの多くの研究で行われている工具寿命及び切り屑の改善を目的とした被削性の改善ではなく、工具寿命のバラツキを少なくすることが望まれている。
【0006】
また、金型の仕上げ切削加工を実施する場合には、仕上げ面粗さが悪いため、現状ではラッピング研磨加工を更に実施する必要がある。このため、仕上げ面を改善することは、ラッピング研磨加工時間を短くすることにつながり、ひいては、金型製造の納期短縮とコストダウンにもなるため、極めて重要な課題である。
【0007】
上述の金型の切削加工については、切削加工条件に関する提案が多数なされている(特開平11−170102号公報、特開平11−188501号公報)。しかし、金型素材面から切削加工性を向上させることは、被削材の組成及び快削成分の影響についての調査が多くなされているものの、組織面から切削性を改善した技術は未だ提案されていない。
【0008】
なお、組織制御に関するものには、超強力鋼に代表されるように、延性及び靭性を害さずに高強度化を目指すために、ラスマルテンサイト組織の微細化を指向してきたが、反面被削性の劣化が助長されてしまうという問題点がある。
【0009】
近時、マルテンサイト基地組織でのパケットサイズを大きくすることにより、被削性、耐食性、鏡面性、及び靭性を改善する技術が提案されている(特開平12−54068号公報)。しかし、硬度が45HRC以上では、パケットサイズを大きくしても、工具寿命の改善効果が見込まれない上に、切削工具寿命のバラツキが大きく、切削後の仕上げ面を悪化させるという問題点がある。また、極端な粒の粗大化は、ヒートチェック性を低下させてしまう。
【0010】
また、上部ベーナイト組織を主体とするプレハードン鋼材について、被削性の改善が図られている(熱処理第39巻5号第225〜226頁、特開平12−54068号公報)。しかし、このような組織を安定して得るには、熱処理工程での冷却速度のコントロールが不可欠であり、多大な熱処理工数が必要であるという欠点がある。
【0011】
また、低合金網であるSCM系では、金属間化合物を析出させて硬さを確保する技術が提案されている(特開平2−179845号公報)。しかし、この公報に記載された金属組織は、60%以上のフェライトと残部のパーライトからなる2相組織であり、45HRC以上の高硬度を得ることができない上に、熱間工具鋼の重要特性であるヒートチェック性と耐溶損性がないため、熱間工具鋼として、十分な特性を備えているとはいえない。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、内部組織を改善することにより、熱処理後の調質鋼において、ヒートチェック性及び溶損性を改善すると共に、被削性を改善して直彫りにより金型を製造する際の切削加工時の工具寿命及び寿命のバラツキを著しく改善することができ、また超微小切削加工した場合の仕上げ面が良好で、ラッピング加工時間を短縮することができる熱間工具鋼を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る熱間工具鋼は、C:0.28乃至0.55質量%、Si:0.15乃至0.80質量%、Mn:0.40乃至0.85質量%、P:0.020質量%以下、S:0.018質量%以下、Cr:2.5乃至5.7質量%、Mo:1.4乃至2.8質量%、V:0.20乃至0.90質量%、W:0.01乃至1.65質量%、Co:0.03乃至0.89質量%、Ni:0.01乃至1.65質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物のNを0.009質量%以下、Tiを0.003質量%以下、Bを0.012質量%以下に規制し、非金属介在物の清浄度がJIS G 0555の規定値でdA0.005%以下で、d(B+C)0.020%以下であると共に、下記数式で示されるマルテンサイト組織の方向性Xが17乃至33%の範囲にあり、ラスマルテンサイトに、10乃至30%のレンズ状又はバタフライ型のマルテンサイトが混在した組織を有することを特徴とする。
X={(マルテンサイト組織の方向が測定方向に対し±5°以内の同一性をもつ組織の長さ)/(測定長さ)}×100
【0014】
この熱間工具鋼においては、ラスマルテンサイトに、10乃至20%のレンズ状又はバタフライ型のマルテンサイトが混在した組織を有することが好ましい。
【0015】
更に、この熱間工具鋼は、マルテンサイト組織を有し、このマルテンサイト組織を構成するパケットサイズがオーステナイト粒径で73μm以下(結晶粒番号で4番以上)、好ましくは30μm以下(結晶粒番号で8番以上)のサイズを有することが好ましい。これにより、ヒートチェック性、仕上げ面粗さ性、工具寿命、及びその寿命バラツキ性に優れた熱間工具鋼を得ることができる。
【0016】
更にまた、この熱間工具鋼において、C含有量を[C]、V含有量を[V]、Mo含有量を[Mo]、W含有量を[W](いずれも質量%)としたとき、100×[C]−22×[V]−3.4×[Mo]−1.7×[W]の式の値が20未満、好ましくは18以下であることが好ましい。これにより、溶損性、ヒートチェック性、及び切削工具寿命のバラツキを改善することができる。
【0017】
45HRCを超えるプレハードン鋼においては、切削加工における切削工具の寿命が短くて寿命のバラツキが大きく、仕上げ面が悪い等の問題点がある。しかし、本発明者等の研究により、この切削工具の寿命が短い原因が金属組織にあることと、切削加工時の抵抗が高いことにあることが判明した。また、本発明者等は、45HRCを超える高硬度鋼において、切削工具寿命のバラツキが大きい原因が、切削時の切削抵抗の変動が大きいことに起因することを見いだした。そして、本発明者等はこれらを軽減する方法としてマルテンサイトの方向性が重要であることを見いだした。このマルテンサイトの方向性が17乃至33%の範囲になるように制御することにより、即ち、マルテンサイト組織の17乃至33%が同一方向に向くようにすることにより、被削性のバラツキを軽減したり、ヒートチェックでのクラックの進展を抑制することができる。また、超微細加工における仕上げ面の粗さを細かくするためには、結晶粒を微細化させ、マルテンサイトの方向を制御することが重要である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、更に詳細に説明する。
【0019】
組成について
C:0.28乃至0.55質量%
Cは焼入れ加熱時に基地に固溶して必要な焼入れ硬さを与え、また焼もどし時特殊炭化物形成元素との間に特殊炭化物を形成して析出し、焼もどしにおける軟化抵抗と高温強度を与え、また残留炭化物を形成して高温での耐摩耗性を付与し、焼入れ加熱時の結晶粒の粗大化を防ぐ作用を有する。
Cが多すぎると炭化物量が過度に増加し、熱間工具としての必要な靭性が保持できず、また高温強度の低下も招く。また、被削性を改善するためには、バタフライマルテンサイトが多量に生成し過ぎてはいけない。このため、Cの上限値は0.55質量%である。Cが低すぎると、ラスマルテンサイトが多くなり、上記添加効果が得られないので、下限値を0.28質量%とする。
【0020】
Si:0.15乃至0.80質量%
Siは製造上脱酸元素として使用されるものであり、また用途に応じ耐酸化性及び500〜600℃以下での焼もどし軟化抵抗を高め、またA1変態点を上げるために、添加される。Siが少なすぎると上述の効果が得られず、また多すぎると靭性低下を招き、また熱電導性を過度に低下させるので、Siは0.15乃至0.80質量%とする。
【0021】
Mn:0.40乃至0.85質量%
Mnは基地に固溶して焼入れ性を高める効果が大きい。しかし、Mn含有量が多すぎると焼なまし硬さを過度に高くし、被切削性を低下させ、またA1変態点を過度に低くする。このため、Mn含有量は0.40乃至0.85質量%とする。
【0022】
P:0.020質量%以下
Pは、凝固時粒界に偏析し、熱間加工後の縞状部の偏析を高めて靭性を低下させ、また熱処理時にオーステナイト結晶粒界に偏析したり、更に基地に存在して靭性の水準を低下させるため、0.020質量%以下、望ましくは、0.015%以下とする。
【0023】
S:0.018質量%以下
SはMnS等の硫化物を形成し、熱間加工方向に伸びて分布し、T方向の靭性の低下をまねく。本発明の特徴である優れたT方向の靭性を維持させるための限界として、Sは0.018質量%以下とする。
【0024】
Cr:2.5乃至5.7質量%
Crは工具として必要とされる焼入れ性を与えるために最も重要な元素である。また、Crは、耐酸化性及びA1変態点の上昇を抑制し、更に残留炭化物を形成して焼入れ加熱時の結晶粒の粗大化を抑制し、更にまた耐摩耗性を高め、焼もどし時特殊炭化物を析出して昇温時の軟化抵抗を改善し、高温強度を高めるなどの効果を与えるために添加される。Cr含有量が多すぎるとCr炭化物を過度に形成し、かえって高温強度の低下をもたらす。このため、Cr含有量は2.5乃至5.7質量%とする。
【0025】
Mo:1.4乃至2.8質量%
W:0.01乃至1.65質量%
Mo及びWは特殊炭化物を形成するもので、残留炭化物形成により、焼入れ加熱時の組織粗大化を防止し、また焼もどし時に微細な特殊炭化物を析出し、焼もどし軟化抵抗と高温強度を高めるために最も重要な添加元素である。また、Mo及びWは、マルテンサイトの無方向化を実現するために重要な元素であり、微細な炭化物が析出する最低値が、Wの場合は0.01質量%以上、Moの場合は1.4質量%以上である。また、Wの場合に1.65質量%を超え、Moの場合に2.8質量%を超えると、炭化物が粗大化し、マルテンサイトの無方向化に効果がない。
【0026】
V:0.20乃至0.90質量%
Vは強力な炭化物形成元素であり、残留炭化物を形成して結晶粒微細化の効果が大きく、また高温での耐摩耗性向上を与える。また、焼もどし時に、微細な炭化物を基地中に析出させ、W及びMoとの共同添加により、600〜650℃以上の高温域での強度を高める効果が大きく、またA1変態点を高める効果を与える。Vは上記効果を得るために添加されるが、多すぎると粗大な炭化物を形成し、靭性の低下をまねくので0.9質量%以下とする。また、Mo及びWと同様に、マルテンサイトの無方向化を実現するには、0.20質量%以上含有させる必要がある。
【0027】
Ni:0.01乃至1.65質量%
Niは基地に固溶して靭性を高め、また焼入性を高めるために添加される。Ni含有量が多すぎると、焼なまし硬さを過度に高くし、被切削性を低下させ、またA1変態点の過度の低下をまねくため、1.65質量%以下とする。また、Niを0.01質量%以上添加すると、結晶粒界の炭化物の粗大化を阻止できるため、マルテンサイトの無方向化に寄与する。
【0028】
Co:0.03乃至0.89質量%
Coは基地に固溶して高温強度を高める作用を有する。また、焼入加熱時のオーステナイト中への炭化物の固溶限を高め、焼もどし時の特殊炭化物の析出量を増加させ、また昇温時の析出炭化物の凝集抵抗を高め、この面からも高温強度特性を改善する効果を与える。また、工具の使用時の昇温により表面に緻密な密着性の酸化被膜を形成させ、高温での耐摩耗性、耐焼付性を高める効果を与える。Coは上記目的のために目的、用途により添加されるが、多すぎると靭性を低下させるので0.89質量%以下とする。Coは、Niと同様に0.03質量%以上添加すると、結晶粒界の炭化物の粗大化を阻止できため、マルテンサイトの無方向化に寄与する。
【0029】
N:0.009質量%以下
NはAlNなどを析出し、機械的性質を悪化させるため、0.009%以下とする。
【0030】
Ti:0.003質量%以下
Tiは、TiNを生成し、被削性と機械的性質を悪化させるため、0.003%以下とする。
【0031】
B:0.012質量%以下
Bは、BNを生成し、機械的性質を悪化させるため、0.003%以下とする。
【0032】
介在物について
硬さが45HRCを超える調質材では、非金属介在物の清浄度がJIS dA0.005%以上d(B+C)0.020%以上と、dAとd(B+C)の両介在物のいずれかが高くなると、非金属介在物が多くなるために、工具刃先を欠けさせ、工具寿命のバラツキが大きくなる。このような介在物がある状態でのマルテンサイト組織の制御は、工具寿命のバラツキを改善することができない。しかし、介在物が少ない状態では、成分及びマルテンサイト(ベーナイト)方向を制御することにより、工具寿命のバラツキの改善効果が得られる。
【0033】
組織について
特開平12−54068号公報に開示されている低Cのマルテンサイト系ステンレス鋼では、ラスマルテンサイトを生成し、被削性と、耐食性、鏡面性及び靭性を改善する組織が提案されている。しかし、本願発明者等の研究では、高C%量である熱間工具鋼では、バタフライ型、レンズ型、ラス型が混在したマルテンサイト組織を生成している。そして、偏析部では、バタフライ型又はレンズ型マルテンサイトと炭化物が多く生成し、これにより、工具寿命が短かくなり、工具寿命のばらつきが大きくなり、ヒートチェック性が著しく悪化する。
【0034】
更に、耐溶損性を向上させるためには、低C%のラスマルテンサイト組織が有効である。この低C%のマルテンサイト組織にするためには、基地中のC量を低減する必要があるので、炭化物生成元素であるMo,V及びWの含有量を規定する必要がある。本発明者等は、組成を種々変更して耐溶損性を調べ、それを多変量解析(重回帰分析)した結果、そのC含有量を[C]、V含有量を[V]、Mo含有量を[Mo]、W含有量を[W](いずれも質量%)としたとき、20>100×[C]−22×[V]−3.4×[Mo]−1.7×[W]の不等式を満足することにより、耐溶損性を向上できることを見いだした。従って、100×[C]−22×[V]−3.4×[Mo]−1.7×[W]は20未満、更に好ましくは18以下であることが好ましい。
【0035】
更に、ラスマルテンサイトを主体とし、レンズ状又はバタフライ型マルテンサイトを10乃至30%、好ましくは10乃至20%混在させた組織にすると、100%ラスマルテンサイトよりも、工具寿命を延長することができる。
【0036】
また、清浄度が高い熱間工具鋼において、マルテンサイトの結晶方位の方向性を17乃至33%、好ましくは22.3乃至28.3%に揃えることにより、切削工具の寿命のバラツキを抑制することができるのに加え、工具寿命自体を向上させることができ、更に、ヒートチェック性を向上させることができる。更に、セルを小さくし、マルテンサイトの結晶方位を17乃至33%、好ましくは22.3乃至28.3%に揃えることにより、微小切削加工において、仕上げ面を著しく綺麗にする効果がある。
【0037】
組織の主体をマルテンサイトにすることにより、切削時の抵抗を軽減し、被削性を向上させることができる。
【0038】
また、マルテンサイトの結晶方位の同一方向性を17乃至33%に揃えて、比較的靭性が低いレンズ状又はバタフライ型マルテンサイトを10乃至30%混在させた組織にすることにより、工具寿命のバラツキを改善することができると共に、ヒートチェック性を著しく改善できる。
【0039】
更に、偏析部にある炭化物は、少ない方が良く、介在物を極力少なくする必要がある。
【0040】
上述のごとく、結晶方位を揃える方法としては、ラスマルテンサイト化する方法がある。ラスマルテンサイトは、殆ど同じ結晶方位のものが多数隣接して生成する傾向があり、これらのラスマルテンサイトが合体した粒界は小傾角粒界を形成させる。
【0041】
また、マルテンサイトの方向性、即ち、同一方向のマルテンサイト量の測定方法は以下のとおりである。即ち、鋼材の圧延方向に垂直の断面において、その中心と鋼材表面とから試料を切り出し、腐食して金属組織を出現させ、400倍の光学顕微鏡で金属組織を観察し、各試料について10箇所の写真撮影を行う。そして、図3に示すように、各写真において、長さ7cmの横線と、長さ5cmの縦線とを、夫々5本等間隔で引き、図1に示すように、各線分上において、セル内のマルテンサイト組織の方向が、罫線から左右±5.0°以内に入るマルテンサイト部の線分上の長さを測定し、これを全長(例えば、横線の場合は7cm)で除して、同一方向に並ぶマルテンサイト組織の比率を求める。
【0042】
又は、以下のようにして、マルテンサイト組織の方向性を定義しても良い。先ず、図3に示す碁盤目のように均等に格子をつけ、同一方向に±5°以内の角度で整列するマルテンサイト部の長さを測定する。この測定方向に対し±5°以内で傾斜するものは、同一方向とみなす。そして、図1に示すように、測定長さ(L)において、この測定方向と平行な(±5°以内で)マルテンサイト組織の長さ、即ちA1とA2との和を求め、これを測定長さLで除すことにより、マルテンサイトの方向性が、{(A1+A2)/L}×100の比率により定義される。なお、A1とA2の結晶粒において、マルテンサイトの方向が測定方向と同一(±5°以内で)であり、B1の結晶粒においては、マルテンサイトの方向が測定方向と同一ではなかったとする。従って、この比率は、一般的には、{(マルテンサイト組織の方向が測定方向に対し±5°以内の同一性をもつ組織の長さ)/(測定長さ)}×100と表すことができる。
【0043】
全てのセルが同一方向であれば、図2に示すように、マルテンサイトの方向性は、0%か、又は100%になり、25%前後であれば、例えば、17乃至33%であれば、ほぼ等方性であるといえる。この場合に、マルテンサイトの結晶方向と平行に切削すると、被削性が向上する。しかし、垂直に切削すると、切削抵抗が高くなり、仕上面が悪くなった上に、寿命が低下する。切削加工はマルテンサイト組織の方向と関係なしに切削することが必要である。安定した寿命を得るためには、あらゆる角度でマルテンサイトの方向性が同等であることが重要である。これを実現するためには、結晶粒が微細なほど好ましく、これによりマルテンサイト組織が等方性となりやすい。
【0044】
熱処理を実施すると、マルテンサイト又はベイナイトの組織となる。このときの結晶方向は、1μm以下の微細な炭化物及び介在物を核として決まる。また、ベイナイト組織は結晶粒界に沿って生成する傾向があり、同一方向に偏る傾向にある。図2に示すように、同一方向に偏ると、A接線のように100%になるか、又はB接線のように0%となる。この場合に、A方向に一方向に切削加工する場合は、被削性が良好であるが、B方向のように垂直となる場合は、著しく被削性が悪化する。特に、マルテンサイトの方向が切削方向と垂直となると、仕上げ面が悪くなる。このため、マルテンサイト組織の無方向化を図る必要がある。
【0045】
このマルテンサイト組織の無方向化を実現するためには、マルテンサイト析出サイトを多数つくる必要がある。このためには、微細な介在物及び炭化物を均一に分散させることが重要である。従来の鋼材は、無方向化組織とすることを考慮に入れていないため、どうしても工具寿命がばらつく要因となってしまっている。このマルテンサイト組織の無方向化のために、マルテンサイトの方向性を示す比率{(マルテンサイト組織の方向が測定方向に対し±5°以内の同一性をもつ組織の長さ)/(測定長さ)}×100を33%以下、好ましくは28.3%以下にする。一方、このマルテンサイトの方向性を示す比率{(マルテンサイト組織の方向が測定方向に対し±5°以内の同一性をもつ組織の長さ)/(測定長さ)}×100が17%未満であると、切削しやすい面と切削しにくい面ができ、仕上面に段差ができる上に、工具が突発的な損傷を受けやすい。このため、マルテンサイトの方向性を示す比率{(マルテンサイト組織の方向が測定方向に対し±5°以内の同一性をもつ組織の長さ)/(測定長さ)}×100は、17%以上、好ましくは22.3%以上にする。
【0046】
結晶粒の大きさ
また、硬さが45HRCを超える鋼材の場合、ミクロ偏析と炭化物又は介在物が多量にある状態で結晶粒を粗大化させても、切削工具寿命延長の改善効果がなく、切削工具寿命のバラツキが大きい。これに対し、介在物が少量である材料において、結晶粒を75μm以下(4番)と微細化すると、被削性の著しい改善効果が認められる。これらの原因は、結晶粒等により、マルテンサイト及びベーナイトの方向性が変わることにより、ミクロ的な段差が発生し、工具の刃先がチッピングすることにある。結晶粒が75μm以下であると、ミクロ的な段差発生を抑制することができるため、仕上面向上と切削工具寿命の延長効果がある。また、結晶粒を42μm以下(6番以上)に微細化(特に30μm以下:8番以上)すると、ヒートチェック性を改善でき、被削性のバラツキを抑制し、安定した切削工具の寿命が得られる上に、被削性自体の改善が認められる。更に、結晶粒が30μm以下(結晶粒度:8番以上)の微細な結晶粒であると仕上げ面が綺麗になる。
【0047】
偏析等の軽減には、前熱処理として、高温ソーキング等が実施されている。しかし、高温ソーキングを実施すると、焼入焼戻し後の結晶粒が粗大化してしまうため、45HRCを超える鋼材の場合は、被削性が悪化する。更に、偏析部のC、Cr、Mo、V等の元素が非偏析部に拡散し、高C%で析出するレンズ型やバタフライ型のマルテンサイトが全面に生成し、HRC45を超える材料では切削時の抵抗が高くなり、被削性が逆に悪化する。
【0048】
前熱処理を実施しないで、ミクロ偏析、炭化物及び介在物が多量にある状態で結晶粒を粗大化させても、工具寿命の延長が少ない上に、工具寿命のバラツキが大きくなる。これに対し、炭化物及び介在物が少量である材料において、結晶粒を6番以上に微細化(特に9番以上)させると、工具寿命のバラツキを抑えることができ、この工具寿命のバラツキは、平均すると、介在物があって結晶粒を粗大化させた材料よりも著しく改善される。また、介在物が少ない材料の結晶粒を微細化すると、仕上げ面も良好となる。
【0049】
最適な結晶粒度は、9番以上である。しかし、結晶粒を微細化しすぎると、クラックの進展が速くなり、ヒートチェック性が悪くなる。また、結晶粒の粗大化は割れ等の生じさせる原因となる。
【0050】
なお、介在物が少量である状態で結晶粒を粗大化させると、切削工具寿命及び切削工具寿命のバラツキを抑えることが可能である。しかし、その反面、下記表1(井上:1989年4月金属臨時増刊号第68頁)にあるように、結晶粒の粗大化は、割れの発生原因となるため、靭性が要求される工具鋼には適用できない。特に、熱間工具鋼で靭性が要求されるアルミニウム押出ダイス、冷間刃物、熱間プレス型、アルミニウムダイキャスト型、押出用ステム等においては、下記表2に示すように、粒径を微細化することが重要である。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
熱処理について
高C高Cr系の熱間工具鋼において、前熱処理を高温で実施すると、偏析部のC、Cr,Mo、V等の元素が非偏析部に拡散し、高C%で析出するレンズ型及びバタフライ型のマルテンサイトが全面に生成し、硬度がHRC45を超える材料では切削時の抵抗が高くなり、被削性を逆に悪化させ、溶損性、ヒートチェック性、及び靭性が低下する。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。供試材の組成及びマルテンサイトの方向性等を下記表3及び表4に示す。なお、表4において、「式」欄は、マルテンサイト指数を示す式100×C(%)−22×V(%)−3.4×Mo(%)−1.7×W(%)の値である。この表3及び表4に示す組成を有する各供試材を10kgVIF炉(真空誘導加熱炉)にて溶製し、鋳塊を40×80×250mmの形状になるように鍛造し、830℃で焼きなまし処理した。また、全ての溶製材は、非金属介在物の清浄度がJIS dA0.005%以下で、d(B+C)0.020%以下であり、炭化物のアスペクト比が1.3〜1.0である。なお、表4の介在物の欄において、「あり」とは、焼きなまし材において、非金属介在物の清浄度が、JIS dA0.005%以下、d(B+C)0.020%以下のいずれかの条件を満たさない場合であり、「なし」とは、焼きなまし材における非金属介在物の清浄度が、JIS dA0.005%以下であると共に、d(B+C)0.020%以下である場合である。
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
素材の評価は、980〜1050℃×30分焼き入れ後、500〜670℃×2時間×2回焼戻処理をし、硬さを46HRCに調整し、SKD61の素材の性能を50として指数化し、この指数により、切削工具寿命、仕上げ面粗さ、ヒートチェック性、及び溶損性を比較した。また、工具寿命のバラツキは、切削工具寿命のバラツキの割合を百分率で評価した。
【0058】
被削性の評価は、直径10mmのハイスのTiNコーティングエンドミルにて、回転速度520rpm、送り40mm/分、切り込み軸方向15mmで、半径方向0.5mmで、乾式にて側面加工を実施し、2mにて工具の損耗状態を判断し、工具の寿命は、折損又は溶融するまで実施した。また、仕上げ面粗さは、表面粗さのRzの値により評価した。
【0059】
結晶粒は、JISGO551による結晶粒度試験方法と同番の附属書4の規定による交差線分による判定法によった。
【0060】
ヒートチェック試験は、直径30mm、長さ50mmの供試材を高周波誘導加熱にて加熱し、表面温度が650℃に達したときに水をかけ、50℃まで冷やす処理を、100回繰り返し、クラックの長さを測定した。
【0061】
溶損性の評価は、ダイキャストで一般的に使用されるADC12を650℃に加熱した容器内で、直径5mm、長さ30mmの素材を500rpmで撹拌して20分間保持し、素材の損耗量を測定した。
【0062】
これらの試験結果を下記表5に示す。
【0063】
【表5】
【0064】
表3及び表4に示すようなJIS規格でのSKD61の成分、Si及びMo等の成分、介在物量が、請求項1から外れると、表5のSKD61及び比較例1のように、切削工具の平均寿命を向上させる効果及び切削工具の寿命のバラツキを抑制する効果がない。しかし、これらが請求項1を満足すると、実施例11乃至18のように、切削工具寿命の向上効果及びそのバラツキ抑制効果により、工具寿命のバラツキが1/2以下、工具寿命が1.6倍以上になる。
【0065】
更に、請求項1を満足することにより、即ち、実施例11〜18のように、レンズ状又はバタフライ型マルテンサイトを10〜30%混在させると、実施例9、19よりも更に工具寿命のバラツキと平均工具寿命を20%以上改善でき、現行材料と比べて工具寿命のバラツキを1/2.8以下、平均寿命を2.0倍以上に向上させることができる。
【0066】
更にまた、請求項2を満足し、結晶粒を73μm以下に制限することにより、実施例11〜18に示すように、更に被削性を改善することができる。また、42μm以下とすると、実施例13〜17のように、被削性のバラツキを3.6倍以上向上させることができる。その上、耐ヒートチェック性が1.8倍以上向上する。更に、30μm以下とすると、更に切削後の仕上面が実施例13〜15のように、2倍以上向上する。
【0067】
また、20>100×[C]−22×[V]−3.4×[Mo]−1.7×[W]の不等式を満足することにより、実施例11〜15のように、耐溶損性が1.7倍向上する。更に、前記式の値を18以下にすると、耐溶損性が2倍以上向上する。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、非金属介在物の清浄度をJIS dA0.005%以下で、d(B+C)で0.020%以下とすることにより、また、マルテンサイトの方向性を17乃至33%の範囲に限定することにより、工具寿命を延長できると共に、切削工具寿命のバラツキを抑制し、耐溶損性とヒートチェック性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるマルテンサイトの方向性の計算方法を示す図である。
【図2】同じくマルテンサイトの方向性を説明する図である。
【図3】本発明における同一方向のマルテンサイトの量の測定方法を説明する金属顕微鏡写真である。
Claims (4)
- C:0.28乃至0.55質量%、Si:0.15乃至0.80質量%、Mn:0.40乃至0.85質量%、P:0.020質量%以下、S:0.018質量%以下、Cr:2.5乃至5.7質量%、Mo:1.4乃至2.8質量%、V:0.20乃至0.90質量%、W:0.01乃至1.65質量%、Co:0.03乃至0.89質量%、Ni:0.01乃至1.65質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物のNを0.009質量%以下、Tiを0.003質量%以下、Bを0.012質量%以下に規制し、非金属介在物の清浄度がJIS G 0555の規定値でdA0.005%以下で、d(B+C)0.020%以下であると共に、下記数式で示されるマルテンサイト組織の方向性Xが17乃至33%の範囲にあり、ラスマルテンサイトに、10乃至30%のレンズ状又はバタフライ型のマルテンサイトが混在した組織を有することを特徴とする熱間工具鋼。
X={(マルテンサイト組織の方向が測定方向に対し±5°以内の同一性をもつ組織の長さ)/(測定長さ)}×100 - マルテンサイト組織を有し、このマルテンサイト組織を構成するパケットサイズがオーステナイト粒径で73μm以下(結晶粒番号で4番以上)のサイズを有することを特徴とする請求項1に記載の熱間工具鋼。
- 前記マルテンサイト組織を構成するパケットサイズがオーステナイト粒径で30μm以下(結晶粒番号で8番以上)のサイズを有することを特徴とする請求項2に記載の熱間工具鋼。
- C含有量を[C]、V含有量を[V]、Mo含有量を[Mo]、W含有量を[W](いずれも質量%)としたとき、20>100×[C]−22×[V]−3.4×[Mo]−1.7×[W]の不等式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱間工具鋼。
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