JPH11246667A - カゼイン誘導体の製造方法およびカゼイン誘導体を含有する合成繊維用処理剤 - Google Patents

カゼイン誘導体の製造方法およびカゼイン誘導体を含有する合成繊維用処理剤

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JPH11246667A
JPH11246667A JP5070398A JP5070398A JPH11246667A JP H11246667 A JPH11246667 A JP H11246667A JP 5070398 A JP5070398 A JP 5070398A JP 5070398 A JP5070398 A JP 5070398A JP H11246667 A JPH11246667 A JP H11246667A
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JP
Japan
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casein
component
reaction
water
halide
Prior art date
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Pending
Application number
JP5070398A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Miyamoto
英和 宮本
Tatsuo Uchida
達夫 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nicca Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nicca Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nicca Chemical Co Ltd filed Critical Nicca Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成繊維に有用な機能を付与することのでき
るカゼイン誘導体を工業的に容易な操作で製造する方法
を提供する。 【解決手段】 親水性有機溶媒を含んでいてもよい水中
で、アルカリの存在下に、カゼインとアルキルハライド
および/またはアルケニルハライドとを反応させること
を含むカゼイン誘導体の製造方法、および得られた反応
物を含有する合成繊維用処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カゼイン誘導体の
製造方法および各種の合成繊維に帯電防止性や吸水性を
付与する合成繊維用処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維に帯電防止性や吸水性を
付与する薬剤として、種々の界面活性剤や樹脂が用いら
れている。また、最近では、化学工業全般にわたって天
然物原料を使用した化学薬剤の開発が行われており、そ
の中で合成繊維に帯電防止性を付与するために天然物を
化学修飾した薬剤に関するものとしては、ペプチドに第
4級アンモニウム誘導体等を反応させたもの(特開平5
−98570号公報)や酵母タンパクにアクリルアマイ
ドを付加させたもの(特開昭47−98984号公報)
などが提案されているが、カゼインを化学修飾した薬剤
に関する記述は現在のところ見当たらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリエステ
ル、ナイロン、アクリル繊維などの合成繊維に有用な機
能を付与することのできるカゼイン誘導体を工業的に容
易な操作で製造する方法を提供することを目的としてな
されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、カゼインの有する物理化学性、構成ア
ミノ酸の有する様々な官能基の反応性等に着目して鋭意
研究を重ねた結果、カゼインとアルキルハライドおよび
/またはアルケニルハライドとの反応物が、合成繊維に
帯電防止性や吸水性を付与できることを見出し、この知
見に基づき本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、親水性有機溶媒を含
んでいてもよい水中で、アルカリの存在下に、カゼイン
とアルキルハライドおよび/またはアルケニルハライド
とを反応させることを含むカゼイン誘導体の製造方法を
提供する。本発明は、また、親水性有機溶媒を含んでい
てもよい水中で、アルカリの存在下に、カゼインとアル
キルハライドおよび/またはアルケニルハライドとを反
応させて得られる反応物を含有する合成繊維用処理剤を
提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるカゼインには
特に制限はない。カゼインは、両性の蛋白質であり、乳
中の主要蛋白として存在し、pH4.6付近を等電点と
する化合物であって、牛乳中には約3%の量で存在して
いる。一般には、牛乳や新鮮な脱脂乳を原料とし、酸類
を加えて沈殿させることによって生産されている。本発
明では、これらの市販されているカゼインを用いること
ができ、その産生動物種、原産地、さらにはその製造方
法には依らない。また、カゼインとして、塩酸カゼイ
ン、乳酸カゼイン等のカゼインの酸塩や、カゼインの
塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩やカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類
金属塩等を使用することもできる。
【0007】本発明で用いられるアルキルハライドまた
はアルケニルハライドは、合計炭素数8〜22の脂肪族
化合物のハロゲン化物であり、好ましくは合計炭素数1
2〜16のものが用いられる。アルキルハライドまたは
アルケニルハライドとしては、例えば、オクチルブロマ
イド、ノニルブロマイド、デシルブロマイド、ウンデシ
ルブロマイド、ラウリルブロマイド、ミリスチルブロマ
イド、セチルブロマイド、ステアリルブロマイド、オレ
イルブロマイド、ベヘニルブロマイド、オクチルクロラ
イド、ノニルクロライド、デシルクロライド、ウンデシ
ルクロライド、ラウリルクロライド、ミリスチルクロラ
イド、セチルクロライド、ステアリルクロライド、オレ
イルクロライド、ベヘニルクロライド等が挙げられ、こ
れらのアルキルハライドまたはアルケニルハライドは、
そのアルキルもしくはアルケニル基が直鎖状または分枝
鎖状のいずれであってもよく、またそれぞれ単独でもし
くは2種以上を混合して用いることができる。
【0008】本発明のカゼイン誘導体の製造方法を実施
するに際しては、好ましくは、反応容器中で、5〜50
重量%(対カゼイン)のアルカリを溶かした水溶液また
は親水性有機溶媒を含む水溶液にカゼインを加えた後、
5〜50重量%(対カゼイン)のアルキルハライドおよ
び/またはアルケニルハライドを加え、30〜100℃
の温度で1〜6時間反応させる。反応終了後、酸で中和
することによって、目的とするカゼイン誘導体が得られ
る。この際に用いられる水または親水性有機溶媒を含む
水の量は、カゼイン濃度が5〜40重量%、特に10〜
20重量%となるような量であるのが好ましい。このと
き、アルカリの濃度、反応温度および反応時間を調節す
ることにより、生成するカゼイン誘導体の分子量および
分子量分布を制御することができる。
【0009】本発明に用いられるアルカリとしては、一
般的な無機のアルカリ化合物を使用することができ、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムなどが挙げられる。上記した中和に用いられる酸と
しては、一般的な無機酸を使用することができ、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。
【0010】本発明の方法により得られるカゼイン誘導
体は、合成繊維用処理剤として合成繊維に帯電防止性や
吸水性を付与することができるほか、原料のカゼインの
有する様々な機能を保持している。また、本発明の合成
繊維用処理剤は、上記カゼイン誘導体をそのまま、もし
くはこれを成分とし、さらに必要に応じて消泡成分、防
腐成分など、目的に応じて他の成分を加えることもでき
る。
【0011】本発明の合成繊維用処理剤は、従来より行
われている処理方法、例えば、スプレー法、浸漬法、パ
ッディング法などで合成繊維に処理することができ、さ
らに柔軟剤、抗菌剤など、従来より用いられている他の
合成繊維用処理剤と併用して処理することも可能であ
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるもの
ではない。 実施例1 水40.0gに水酸化ナトリウム0.5gを溶解し、4
0℃で乳酸カゼイン5.0gを加え、膨潤させた。次
に、ラウリルブロマイド1.0gを滴下し、40℃で5
時間反応させた。反応終了後、塩酸により中和して、カ
ゼイン誘導体溶液を得た。
【0013】実施例2 水40.0gに水酸化ナトリウム0.75gを溶解し、
40℃で乳酸カゼイン5.0gを加え、膨潤させた。次
に、ラウリルブロマイド1.0gを滴下し、40℃で5
時間反応させた。反応終了後、塩酸により中和して、カ
ゼイン誘導体溶液を得た。
【0014】実施例3 水40.0gに水酸化ナトリウム0.25gを溶解し、
40℃で乳酸カゼイン5.0gを加え、膨潤させた。次
に、セチルブロマイド1.0gを滴下し、40℃で5時
間反応させた。反応終了後、塩酸により中和して、カゼ
イン誘導体溶液を得た。
【0015】実施例4 水40.0gに水酸化ナトリウム0.3gを溶解し、4
0℃で乳酸カゼイン5.0gを加え、膨潤させた。次
に、ラウリルクロライド2.0gを滴下し、80℃で6
時間反応させた。反応終了後、塩酸により中和して、カ
ゼイン誘導体溶液を得た。
【0016】 比較例1水98.0gに水酸化ナトリウム1.0gを溶
解し、40℃で乳酸カゼイン1.0gを加え、乳化分散
させた。 比較例2 水を用意した。
【0017】処理方法 実施例1〜4に示したカゼイン誘導体溶液を有効成分1
重量%に希釈した処理液で、比較例1ではそのままの濃
度の処理液で、そして比較例2では水のみの処理液で、
ポリエステルポンジ布をパッディング処理した(1di
p−1nip、ピックアップ=67%)。その後、オー
ブン乾燥機で100℃×90秒間の乾燥を行い、続いて
180℃×60秒間の仕上げセットを行った。
【0018】評価方法 摩擦帯電圧および半減期 上記の方法で処理したポリエステルポンジ布を20℃、
RH=40%で24時間調湿後、同雰囲気で摩擦帯電圧
および半減期を測定した。摩擦帯電圧としては、京大化
研式ロータリースタティックテスター(興亜商会製)を
用い、摩擦対象布を綿金巾とし、60秒間摩擦後の帯電
圧を測定した。半減期としては、この帯電圧が半分にな
るまでの時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0019】吸水性 上記の方法で処理したポリエステルポンジ布を一夜間放
置後、布上に容量1mLのシリンジで水を1滴(約0.
02g)落とし、その水滴が布上から消失するまでの時
間を測定した。その結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、合成繊維に帯電防止性
および吸水性を付与できるカゼイン誘導体が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性有機溶媒を含んでいてもよい水中
    で、アルカリの存在下に、カゼインとアルキルハライド
    および/またはアルケニルハライドとを反応させること
    を含むカゼイン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 親水性有機溶媒を含んでいてもよい水中
    で、アルカリの存在下に、カゼインとアルキルハライド
    および/またはアルケニルハライドとを反応させて得ら
    れる反応物を含有する合成繊維用処理剤。
JP5070398A 1998-03-03 1998-03-03 カゼイン誘導体の製造方法およびカゼイン誘導体を含有する合成繊維用処理剤 Pending JPH11246667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5070398A JPH11246667A (ja) 1998-03-03 1998-03-03 カゼイン誘導体の製造方法およびカゼイン誘導体を含有する合成繊維用処理剤

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JP5070398A JPH11246667A (ja) 1998-03-03 1998-03-03 カゼイン誘導体の製造方法およびカゼイン誘導体を含有する合成繊維用処理剤

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JPH11246667A true JPH11246667A (ja) 1999-09-14

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ID=12866273

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JP5070398A Pending JPH11246667A (ja) 1998-03-03 1998-03-03 カゼイン誘導体の製造方法およびカゼイン誘導体を含有する合成繊維用処理剤

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JP (1) JPH11246667A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038133A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Kirin Brewery Co Ltd 帯電防止剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002038133A (ja) * 2000-07-26 2002-02-06 Kirin Brewery Co Ltd 帯電防止剤

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