JPH11246488A - ジアリールカーボネートの製法 - Google Patents

ジアリールカーボネートの製法

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JPH11246488A
JPH11246488A JP10050945A JP5094598A JPH11246488A JP H11246488 A JPH11246488 A JP H11246488A JP 10050945 A JP10050945 A JP 10050945A JP 5094598 A JP5094598 A JP 5094598A JP H11246488 A JPH11246488 A JP H11246488A
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carbonate
oxalate
diaryl
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haloaryl
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JP10050945A
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Keigo Nishihira
圭吾 西平
Shinichi Yoshida
信一 吉田
Hideji Tanaka
秀二 田中
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ジアリールオキサレートを触媒存
在下で脱カルボニル反応させてジアリールカーボネート
を製造する方法において、ジアリールカーボネートを高
反応速度かつ高選択率で製造できる方法を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 本発明の課題は、ジアリールオキサレー
トを、触媒存在下、ハロアリールカーボネートを存在さ
せて、脱カルボニル反応させることを特徴とするジアリ
ールカーボネートの製法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジフェニルオキサレー
ト等のジアリールオキサレートの脱カルボニル反応によ
って、ポリカーボネートの製造原料として有用なジフェ
ニルカーボネート等のジアリールカーボネートを高反応
速度及び高選択率で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジフェニルオキサレート等のジアリール
オキサレートを脱カルボニル反応させてジフェニルカー
ボネート等のジアリールカーボネートを製造する方法と
しては、ジフェニルオキサレートを、無触媒下、蒸留フ
ラスコ中で煮沸してジフェニルカーボネートを製造する
方法〔有機合成化学協会誌,5,報47(1948),
70〕が知られている。しかし、この方法には、無触媒
でかつ反応温度も高いためにフェノールや二酸化炭素が
副生してジフェニルカーボネートの選択率や收率が著し
く低下し、逆に反応温度が低いとジフェニルカーボネー
トが殆ど得られないという問題がある。
【0003】また、ジアルキルオキサレートをアルコラ
ート触媒の存在下に50〜150℃で液相で加熱してジ
アルキルカーボネートを製造する方法(USP4544
507号明細書)も報告されているが、この明細書記載
の実施例によれば、ジフェニルオキサレートをカリウム
フェノキシド触媒の存在下で加熱しても、主生成物とし
て得られるものは原料のジフェニルオキサレートである
という問題がある。
【0004】前記の問題を解決する方法として、ジフェ
ニルオキサレート等のジアリールオキサレートを有機リ
ン化合物触媒の存在下で脱カルボニル反応させてジフェ
ニルカーボネート等のジアリールカーボネートを生成さ
せる方法が開示されている(特開平8−333307号
公報)。この方法は、ジフェニルカーボネート等のジア
リールカーボネートを高選択率で製造できるものである
が、反応速度的には必ずしも満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジフェニル
オキサレート等のジアリールオキサレートを触媒存在下
で脱カルボニル反応させてジフェニルカーボネート等の
ジアリールカーボネートを製造する方法において、ジフ
ェニルカーボネート等のジアリールカーボネートを高反
応速度かつ高選択率で製造できる方法を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、ジアリ
ールオキサレートを、触媒存在下、ハロアリールカーボ
ネートを存在させて、脱カルボニル反応させることを特
徴とするジアリールカーボネートの製法によって解決さ
れる。
【0007】
【発明の実施の形態】ジアリールカーボネートは次式で
表されるジアリールオキサレートの脱カルボニル反応に
よって製造される。
【0008】
【化1】 (式中、Arは置換基を有していないアリール基を表
す。)
【0009】ジアリールオキサレートとしては、例え
ば、前記アリール基がフェニル基又はナフチル基である
ものが挙げられ、中でもジフェニルオキサレートが好適
に挙げられる。
【0010】本発明では、前記のジアリールオキサレー
トの脱カルボニル反応は、触媒存在下、液相で行われる
ことが好ましい。触媒としては、この脱カルボニル反応
を比較的低温(約100〜350℃)で行わせることが
でき、かつジアリールカーボネートを高選択率(少なく
とも50%以上、更には60〜100%)で得ることが
できるものが好ましく、例えば、有機リン化合物を挙げ
ることができる。
【0011】本発明では、次式で表されるようなハロア
リールカーボネートを存在させて、その助触媒的な効果
により、前記のジアリールオキサレートの脱カルボニル
反応を高反応速度で行うことができる。
【0012】
【化2】 (式中、Arは置換基を有していないアリール基、Ar
−Xm 、Ar−Xn はハロアリール基、Xはハロゲン原
子を表す。また、mは0〜5の整数、nは1〜5の整数
を表す。)
【0013】本発明で使用されるハロアリールカーボネ
ートは、前記のように、ジアリールカーボネートを構成
するアリール基のうちの少なくとも1個が、芳香環上の
水素原子が少なくとも1個のハロゲン原子で置換されて
いるアリール基である化合物である(o−、m−、p−
等の各異性体を含む)。このような化合物としては、例
えば、m=0で、nが1〜5の整数であるアリール(ハ
ロアリール)カーボネート、m及びn1それぞれ1〜5
の整数であるビス(ハロアリール)カーボネートが挙げ
られる。なお、ハロアリール基は芳香環上の水素原子が
少なくとも1個のハロゲン原子(F、Cl、Br、I)
で置換されているアリール基を表す。
【0014】アリール(ハロアリール)カーボネートと
しては、例えば、フェニル(o−クロロフェニル)カー
ボネート、フェニル(p−クロロフェニル)カーボネー
ト、フェニル(2,4,6−トリクロロフェニル)カー
ボネート、フェニル(p−ブロモフェニル)カーボネー
ト等のフェニル(ハロフェニル)カーボネートが挙げら
れる。更に、フェニル(ペンタクロロフェニル)カーボ
ネート、フェニル(ペンタブロモフェニル)カーボネー
ト等の1個の芳香環上の水素原子が2個以上のハロゲン
原子で置換されたものもアリール(ハロアリール)カー
ボネートとして挙げることができる。
【0015】ビス(ハロアリール)カーボネートとして
は、例えば、ビス(o−クロロフェニル)カーボネー
ト、ビス(p−クロロフェニル)カーボネート、ビス
(m−ブロモフェニル)カーボネート、ビス(p−ブロ
モフェニル)カーボネート等のビス(ハロフェニル)カ
ーボネートが挙げられる。更に、ビス(2,4−ジクロ
ロフェニル)カーボネート、ビス(2,6−ジクロロフ
ェニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリクロロ
フェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジブロモフェ
ニル)カーボネート、ビス(2,4,6−トリブロモフ
ェニル)カーボネート、ビス(ペンタブロモフェニル)
カーボネート等の2個の芳香環上の水素原子がそれぞれ
2個以上のハロゲン原子で置換されたものもビス(ハロ
アリール)カーボネートとして挙げることができる。
【0016】本発明では、更に、ハロアリールオキサレ
ートも反応系内で前記のハロアリールカーボネートに転
化するため、ハロアリールカーボネート源として使用す
ることができる。ハロアリールオキサレートは、前記の
ハロアリールカーボネートと同様に、ジアリールオキサ
レートを構成するアリール基のうちの少なくとも1個
が、芳香環上の水素原子が少なくとも1個のハロゲン原
子で置換されているアリール基である化合物である(o
−、m−、p−等の各異性体を含む)。このような化合
物としては、アリール(ハロアリール)オキサレート、
ビス(ハロアリール)オキサレートなどが挙げられる。
なお、ハロアリール基は芳香環上の水素原子が少なくと
も1個のハロゲン原子(F、Cl、Br、I)で置換さ
れているアリール基を表す。
【0017】アリール(ハロアリール)オキサレート、
ビス(ハロアリール)オキサレートとしては、前記のア
リール(ハロアリール)カーボネートやビス(ハロアリ
ール)カーボネートに対応した化合物を使用することが
できる。例えば、ビス(p−クロロフェニル)オキサレ
ート等が使用される。
【0018】前記の有機リン化合物としては、リン原子
の原子価が3価又は5価で、少なくとも1個の炭素−リ
ン(C−P)結合を有する有機リン化合物が挙げられる
が、中でもリン原子の原子価が3価又は5価で、3個以
上の炭素−リン(C−P)結合を有する有機リン化合物
が好ましい。このような有機リン化合物としては、例え
ば、次式で表されるホスホニウム塩、ホスフィン、ホス
フィンジハライド、ホスフィンオキサイドが挙げられ
る。
【0019】
【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 、R9 、R11、R12、R13は、炭素数6〜14のア
リール基、炭素数7〜22のアラルキル基、炭素数1〜
16のアルキル基、炭素数4〜16の複素環基、又は炭
素数6〜14のアリールオキシ基を表し、同一であって
も異なっていてもよい。また、Xはホスホニウム塩の対
イオンを形成しうる原子又は原子団を表し、Y1 、Y2
はハロゲン原子を表す。)
【0020】R1 〜R13で表される前記のアリール基
(フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(ベンジ
ル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等)、複素環基
(チエニル基、フリル基、ピリジル基等)、アリールオ
キシ(フェノキシ基、ナフトキシ基等)基は、その芳香
環又は複素環上に、炭素数1〜15のアルキル基、炭素
数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15のアルコキ
シカルボニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数
2〜16のN,N−ジアルキル置換アミノ基、シアノ
基、ニトロ基、ハロゲン原子などを置換基として少なく
とも1個有していてもよい(o−、m−、p−、n−、
i−、s−、t−等の各種異性体を含む)。
【0021】また、R1 〜R13で表される前記のアルキ
ル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)
は、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数1〜15の
アルコキシカルボニル基、炭素数2〜16のN,N−ジ
アルキル置換アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン
原子などを置換基として少なくとも1個有していてもよ
い(n−、i−、s−、t−等の各種異性体を含む)。
【0022】前記の式(A)〜(D)で表される有機リ
ン化合物としては、有機リン化合物それぞれが有する基
(R1 〜R13)が全てアリール基であるもの(テトラア
リールホスホニウム塩、トリアリールホスフィン、トリ
アリールホスフィンジハライド、トリアリールホスフィ
ンオキサイド)が特に好ましいが、その一部が複素環基
であるものも好ましい。また、その1〜2個がアリール
基又は複素環基であって、残部がアラルキル基又はアル
キル基であるものであってもよい。
【0023】ホスホニウム塩の対イオンX- としては、
例えば、ハロゲンイオン(塩素イオン、臭素イオン
等)、ハイドロジェンジハライドイオン(ハイドロジェ
ンジクロライドイオン、ハイドロジェンジブロマイドイ
オン等)、脂肪族カルボン酸イオン(酢酸イオン、トリ
フルオロ酢酸イオン等)、芳香族カルボン酸イオン(安
息香酸イオン、ナフタレンカルボン酸イオン等)、芳香
族ヒドロキシイオン(フェノキサイドイオン等)、無機
酸イオン(チオンシアン酸イオン、フルオロボレートイ
オン等)などが挙げられる。対イオンの中では、ハロゲ
ンイオン、ハイドロジェンジハライドイオンが好ましい
が、塩素イオン、ハイドロジェンジクロライドイオンが
更に好ましく、中でも塩素イオンが特に好ましい。
【0024】前記の式(A)で表されるホスホニウム塩
としては、例えば、対イオンX- がハロゲンイオンであ
るものとして、テトラフェニルホスホニウムクロライ
ド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラキ
ス(p−クロロフェニル)ホスホニウムクロライド、テ
トラキス(p−トリル)ホスホニウムクロライド、p−
クロロフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、
p−クロロフェニルトリフェニルホスホニウムブロマイ
ド、p−トリルトリフェニルホスホニウムクロライド、
p−ビフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、
p−メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロラ
イド等のテトラアリールホスホニウムハライドなどが挙
げられる。
【0025】また、対イオンX- がハイドロジェンジハ
ライドイオンであるものとしては、テトラフェニルホス
ホニウムハイドロジェンジクロライド、テトラフェニル
ホスホニウムハイドロジェンジブロマイド等のテトラア
リールホスホニウムハイドロジェンジハライドなどが挙
げられ、対イオンX- が芳香族ヒドロキシイオンである
ものとしては、フェノキシトリフェニルホスホニウムク
ロライドなどが挙げられる。
【0026】前記の式(B)で表されるホスフィンとし
ては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(p−
クロロフェニル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホ
スフィンなどが挙げられる。
【0027】前記の式(C)で表されるホスフィンジハ
ライドとしては、例えば、トリフェニルホスフィンジク
ロライド、トリフェニルホスフィンジブロマイドなどが
挙げられる。
【0028】前記の式(D)で表されるホスフィンオキ
サイドとしては、例えば、トリフェニルホスフィンオキ
サイド、トリス(p−クロロフェニル)ホスフィンオキ
サイド、トリス(p−トリル)ホスフィンオキサイドな
どが挙げられる。
【0029】有機リン化合物の中では、ホスホニウム塩
が好ましい。そして、ホスホニウム塩の中では、テトラ
アリールホスホニウムハライド、テトラアリールホスホ
ニウムハイドロジェンジハライドが好ましいが、テトラ
アリールホスホニウムクロライド、テトラアリールホス
ホニウムハイドロジェンジクロライドが更に好ましく、
中でもテトラアリールホスホニウムクロライドが特に好
ましい。
【0030】本発明では、有機リン化合物に加えて、下
記のハロゲン化合物を必要に応じて添加して脱カルボニ
ル反応を行うことが好ましい。有機リン化合物として、
ホスフィンやホスフィンオキサイドを使用する場合やハ
ライド及びハイドロジェンジハライド以外のホスホニウ
ム塩を使用する場合は、ハロゲン化合物を添加すること
が好ましい。このハロゲン化合物としては、次のような
無機ハロゲン化合物及び/又は有機ハロゲン化合物が使
用される。これらハロゲン化合物の中では、塩素化合
物、臭素化合物が好ましく、中でも塩素化合物が特に好
ましい。
【0031】無機ハロゲン化合物としては、例えば、三
塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、三臭化リン、
五臭化リン、オキシ臭化リン等のリンのハロゲン化物
や、塩化チオニル、塩化スルフリル、二塩化イオウ、二
塩化二イオウ等のイオウのハロゲン化物や、塩化水素、
臭化水素等のハロゲン化水素や、塩素、臭素等のハロゲ
ン単体などが挙げられる。これら無機ハロゲン化合物の
中では上記の無機塩素化合物が好ましいが、中でも塩化
水素が好ましい。
【0032】有機ハロゲン化合物としては、例えば、飽
和炭素にハロゲン原子が結合している構造(C−Ha
l)、カルボニル炭素にハロゲン原子が結合している構
造(CO−Hal)、を有する有機ハロゲン化合物が好
適に使用される。但し、Halは塩素原子、臭素原子等
のハロゲン原子を表す。
【0033】このような有機ハロゲン化合物としては、
例えば、次のような化合物が挙げられる。飽和炭素にハ
ロゲン原子が結合している構造を有する有機ハロゲン化
合物としては、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン、塩化ブチル、塩化ヘキシル、
塩化ドデシル、3−クロロ−1−プロペン等のハロゲン
化アルキルや、塩化ベンジル、ベンゾトリクロリド、塩
化トリフェニルメチル、α−ブロモ−o−キシレン等の
ハロゲン化アラルキルや、β−クロロプロピオニトリ
ル、γ−クロロブチロニトリル等のハロゲン置換脂肪族
ニトリルや、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢
酸、ブロモ酢酸、クロロプロピオン酸等のハロゲン置換
脂肪族カルボン酸や、クロロ酢酸フェニル、トリクロロ
酢酸フェニル等のハロゲン置換脂肪族カルボン酸のアリ
ールエステルなどが挙げられる。
【0034】カルボニル炭素にハロゲン原子が結合して
いる構造を有する有機ハロゲン化合物としては、例え
ば、塩化アセチル、塩化オキサリル、塩化プロピオニ
ル、塩化ステアロイル、塩化ベンゾイル、2−ナフタレ
ンカルボン酸クロライド、2−チオンフェンカルボン酸
クロライド等の酸ハロゲン化物や、クロログリオキシル
酸フェニル等のハロゲノグリオキシル酸アリールや、ク
ロロギ酸フェニル等のハロゲノギ酸アリールなどが挙げ
られる。これら有機ハロゲン化合物の中では、ハロゲン
原子が塩素原子である上記の有機塩素化合物が特に好ま
しい。
【0035】ジアリールオキサレートの脱カルボニル反
応は、例えば、1槽又多槽の完全混合型反応器に、ジア
リールオキサレートと好ましくは触媒(特に有機リン化
合物)を供給し、更に前記のハロアリールカーボネート
及び/又はハロアリールオキサレートを添加し、更に必
要に応じて前記のハロゲン化合物を添加して、加熱する
ことによって行われる。そして、前記反応式に従って、
ジアリールオキサレートからジアリールカーボネートと
一酸化炭素が生成する。このとき、反応温度は100〜
450℃、更には160〜400、特に180〜350
℃であることが好ましい。また、反応圧は特に制限され
るものではなく、加圧、常圧、減圧いずれの条件でもよ
く、例えば、10mmHg〜10kg/cm2 の範囲で
行うことができる。
【0036】脱カルボニル反応において、前記のハロア
リールカーボネートやハロアリールオキサレートは、反
応器に供給されるジアリールオキサレートに対して5〜
50モル%、更には10〜30モル%程度使用されるこ
とが好ましい。これらは、それぞれ単独で使用しても複
数で使用してもよく、また両者を混合して使用しても差
し支えない。脱カルボニル反応において、触媒として有
機リン化合物を使用する場合、有機リン化合物は、単独
又は複数で、ジアリールオキサレートに対して0.00
01〜50モル%、更には0.01〜20モル%程度使
用されることが好ましく、反応液中に溶解及び/又は懸
濁されていても差し支えない。また、脱カルボニル反応
において、前記のハロゲン化合物を添加する場合、その
添加量は、単独又は複数で、有機リン化合物に対して
0.01〜150倍モル、更には0.05〜100倍モ
ル程度であることが好ましい。
【0037】以上のようにして、ジアリールオキサレー
トを脱カルボニル反応させて、ジアリールカーボネート
を高反応速度及び高選択率で製造することができる。生
成したジアリールカーボネートは、蒸留などの方法によ
り分離精製される。このとき、反応液と共に抜き出され
たハロアリールカーボネートやハロアリールオキサレー
トは、未反応のジアリールオキサレートと共に反応器に
戻される。
【0038】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
具体的に説明する。なお、生成物などは液体クロマトグ
ラフィーにより分析し、ジフェニルカーボネートの選択
率は転化したジフェニルオキサレートに対してモル基準
で求めた。
【0039】実施例1 攪拌機及び温度計を取り付けた500mL容フラスコ
に、ジフェニルオキサレート(1.45モル)、テトラ
クロロフェニルホスホニウムクロライド(5.44
g)、クロロホルム(0.0008モル)、及びフェニ
ル(p−クロロフェニル)カーボネート(0.145モ
ル)を加え、オイルバスで加熱し、230℃まで昇温し
て反応を開始した。4時間後に反応液を分析したとこ
ろ、ジフェニルオキサレートの転化率が83.2%で、
ジフェニルカーボネートの選択率が99.8%であっ
た。
【0040】実施例2 フェニル(p−クロロフェニル)カーボネートに代えて
ビス(p−クロロフェニル)カーボネート0.073モ
ルを加えたほかは、実施例1と同様に反応を行った。4
時間後に反応液を分析したところ、ジフェニルオキサレ
ートの転化率が82.3%で、ジフェニルカーボネート
の選択率が99.8%であった。
【0041】実施例3 フェニル(p−クロロフェニル)カーボネートに代えて
ビス(p−クロロフェニル)オキサレート0.073モ
ルを加えたほかは、実施例1と同様に反応を行った。4
時間後に反応液を分析したところ、ジフェニルオキサレ
ートの転化率が83.8%で、ジフェニルカーボネート
の選択率が99.8%であった。
【0042】比較例1 フェニル(p−クロロフェニル)カーボネートを加えな
かったほかは、実施例1と同様に反応を行った。4時間
後に反応液を分析したところ、ジフェニルオキサレート
の転化率が65.0%で、ジフェニルカーボネートの選
択率が99.8%であった。
【0043】
【発明の効果】本発明により、ジフェニルオキサレート
等のジアリールオキサレートを触媒存在下で脱カルボニ
ル反応させて、高反応速度かつ高選択率でジフェニルカ
ーボネート等のジアリールカーボネートを製造すること
ができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアリールオキサレートを、触媒存在
    下、ハロアリールカーボネートを存在させて、脱カルボ
    ニル反応させることを特徴とするジアリールカーボネー
    トの製法。
  2. 【請求項2】 ジアリールオキサレートがジフェニルオ
    キサレートであることを特徴とする請求項1記載のジア
    リールカーボネートの製法。
  3. 【請求項3】 ハロアリールカーボネートがフェニル
    (ハロフェニル)カーボネート及び/又はビス(ハロフ
    ェニル)カーボネートであることを特徴とする請求項1
    記載のジアリールカーボネートの製法。
  4. 【請求項4】 触媒が有機リン化合物であることを特徴
    とする請求項1記載のジアリールカーボネートの製法。
  5. 【請求項5】 有機リン化合物が、リン原子の原子価が
    3価又は5価で、少なくとも1個の炭素−リン(C−
    P)結合を有する有機リン化合物であることを特徴とす
    る請求項4記載のジアリールカーボネートの製法。
  6. 【請求項6】 有機リン化合物が、ホスホニウム塩、ホ
    スフィン、ホスフィンジハライド、又はホスフィンオキ
    サイドであることを特徴とする請求項4記載のジアリー
    ルカーボネートの製法。
  7. 【請求項7】 有機リン化合物がテトラアリールホスホ
    ニウム塩であることを特徴とする請求項4記載のジアリ
    ールカーボネートの製法。
  8. 【請求項8】 有機リン化合物がテトラアリールホスホ
    ニウムハライド又はテトラアリールホスホニウムハイド
    ロジェンジハライドであることを特徴とする請求項4記
    載のジアリールカーボネートの製法。
JP10050945A 1998-03-03 1998-03-03 ジアリールカーボネートの製法 Pending JPH11246488A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016020315A (ja) * 2014-07-14 2016-02-04 三菱化学株式会社 炭酸ジフェニルの製造方法およびポリカーボネートの製造方法

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