JP3760592B2 - 炭酸ジアリールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリカーボネートの製造原料として有用な炭酸ジアリールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭酸ジアリールを製造する方法として、シュウ酸ジアリールを脱カルボニル反応させて炭酸ジアリールを生成させる方法が知られているが、この方法は、反応速度が遅い上に、炭酸ジアリールの選択率及び收率が低く、更に反応温度が高いために工業的に非常に不利であるという問題を有している。
例えば、シュウ酸ジフェニルを蒸留フラスコ中で無触媒下で煮沸して炭酸ジフェニルを製造する方法〔有機合成化学協会誌,5巻,4−9号,報47(1948),70〕では、反応速度が遅い上に無触媒かつ高温で反応を行うために、フェノールや二酸化炭素が副生して炭酸ジフェニルの選択率及び收率が著しく低下し、逆に反応温度が低いと炭酸ジフェニルが殆ど得られないという問題がある。
【0003】
また、シュウ酸ジアルキルなどをアルコラート触媒の存在下に50〜150℃で液相で加熱して炭酸ジアルキルを製造する方法(USP4544507号公報)も報告されているが、この公報記載の実施例によれば、シュウ酸ジフェニルをカリウムフェノラート触媒の存在下で加熱しても、主生成物として得られるものは原料のシュウ酸ジフェニルである。
このように、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応によって、工業的に好適な低い反応温度で、炭酸ジアリールを高反応速度、高選択率で連続的に製造できる方法は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シュウ酸ジアリールを脱カルボニル反応させて炭酸ジアリールを製造する方法において、工業的に好適な低い反応温度でも、炭酸ジアリールを高反応速度及び高選択率で連続的に製造できる方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、液相部が複数の反応区域を有する反応装置の第1反応区域に、シュウ酸ジアリール及び脱カルボニル触媒を液相状態で連続的に供給し、該反応区域の液相部を連続する反応区域に順次導いて、最終の反応区域から炭酸ジアリールを含む反応液を連続的に抜き出しつつ、発生する一酸化炭素を反応区域の上部から抜き出しながら、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応を行うことを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
炭酸ジアリールは次式で示されるシュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応によって製造される。
【0007】
【化1】
Figure 0003760592
(式中、Arはアリール基を表す。)
【0008】
本発明では、反応装置として、液相部が複数の反応区域を有する反応装置が使用される。そして、その第1反応区域に、シュウ酸ジアリール及び脱カルボニル触媒が液相状態で連続的に供給されて、該反応区域の液相部が連続する反応区域に順次導かれ、最終の反応区域から炭酸ジアリールを含む反応液が連続的に抜き出される。また、上記の反応式に従って発生する一酸化炭素は、連続的又は間欠的に反応区域の上部から連続的に抜き出される。
脱カルボニル触媒としては、例えば、リン原子の原子価が3価又は5価で、少なくとも1個の炭素−リン(C−P)結合を有する有機リン化合物(例えば、有機ホスホニウム塩、ホスフィン、ホスフィンジハライド、ホスフィンオキサイド)が好適に使用される。
【0009】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用されるシュウ酸ジアリールとしては、アリール基が、
(1)フェニル基、
(2)(a)メチル基、エチル基等の炭素数1〜12のアルキル基、
(b)メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜12のアルコキシ基、
(c)フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、又は
(d)ニトロ基など
の置換基を有する置換フェニル基、又は
(3)ナフチル基など、である化合物が挙げられる。
これらのアリール基の中ではフェニル基が好ましい。
【0010】
前記の置換フェニル基は各種異性体を含む。これら異性体としては、
(a)2−(又は3−、4−)メチルフェニル基、2−(又は3−、4−)エチルフェニル基等の2−(又は3−、4−)位に炭素数1〜12のアルキル基を有するアルキル置換フェニル基、
(b)2−(又は3−、4−)メトキシフェニル基、2−(又は3−、4−)エトキシフェニル基等の2−(又は3−、4−)位に炭素数1〜12のアルコキシ基を有するアルコキシ置換フェニル基、
(c)2−(又は3−、4−)フルオロフェニル基、2−(又は3−、4−)クロロフェニル基等のo−(又はm−、p−)位にハロゲン原子を有するハロゲン置換フェニル基、
(d)2−(又は3−、4−)ニトロフェニル基、などが挙げられる。
【0011】
シュウ酸ジアリールとしては、シュウ酸ジフェニル、シュウ酸ビス(2−メチルフェニル)、シュウ酸ビス(3−メチルフェニル)、シュウ酸ビス(4−メチルフェニル)、シュウ酸ビス(2−クロロフェニル)、シュウ酸ビス(3−クロロフェニル)、シュウ酸ビス(4−クロロフェニル)、シュウ酸ビス(2−ニトロフェニル)、シュウ酸ビス(3−ニトロフェニル)、シュウ酸ビス(4−ニトロフェニル)などが具体的に挙げられる。また、その他のシュウ酸ジアリールは公知の方法に基づいて容易に合成される。
これらのシュウ酸ジアリールの中では、シュウ酸ジフェニルが好ましい。
【0012】
本発明で使用される有機ホスホニウム塩は、次の一般式で示される。
【化2】
Figure 0003760592
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数7〜22のアラルキル基、炭素数4〜16の複素環基、又は炭素数6〜14のアリールオキシ基を表し、Xはホスホニウム塩の対イオンを形成しうる原子又は原子団を表す。また、これらの基は互いに同一であっても異なっていてもよく、二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を形成していても差し支えない。)
【0013】
1 、R2 、R3 、R4 で表されるアリール基、アルキル基、アラルキル基、複素環基、アリールオキシ基としては次のものが挙げられる。
即ち、アリール基としては、置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、
アルキル基としては、置換基を有していてもよい、メチル基、エチル基、n−(又はi−)プロピル基、n−(又はi−、sec−、tert−)ブチル基等の炭素数1〜16のアルキル基が挙げられ、
アラルキル基としては、置換基を有していてもよい、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等の炭素数7〜22のアラルキル基が挙げられ、
複素環基としては、置換基を有していてもよい、チエニル基、フリル基、ピリジル基等の炭素数4〜16の複素環基が挙げられ、
アリールオキシ基としては、置換基を有していてもよい、フェノキシ基、ナフトキシ基等の炭素数6〜14のアリールオキシ基が挙げられる。
【0014】
前記のアリール基、アラルキル基、複素環基及びアリールオキシ基は、その芳香環又は複素環上に、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜16のN,N−ジアルキル置換アミノ基等のアミノ基、シアノ基、ニトロ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子などの各種置換基を1つ以上有していても差し支えない(o、m、p等の各種異性体を含む)。
また、前記のアルキル基は、炭素数1〜15のアルコキシ基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜16のN,N−ジアルキル置換アミノ基等のアミノ基、シアノ基、ニトロ基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子などの各種置換基を1つ以上有していても差し支えない。
【0015】
有機ホスホニウム塩としては、例えば、
1 、R2 、R3 、R4 の全てがアリール基であるもの(テトラアリールホスホニウム塩)や、
1 、R2 、R3 、R4 のうちの3つがアリール基であって、1つが別の基であるものや、
1 、R2 、R3 、R4 のうちの2つがアリール基であって、2つが別の基であるものや、
1 、R2 、R3 、R4 のうちの1つがアリール基であって、3つが別の基であるものや、
1 、R2 、R3 、R4 のいずれもアリール基でないものが挙げられる。
【0016】
これら有機ホスホニウム塩の中では、R1 、R2 、R3 、R4 の全てがアリール基であるもの(テトラアリールホスホニウム塩)や、R1 、R2 、R3 、R4 のうちの3つがアリール基であって1つが複素環基であるものが好ましいが、中でもR1 、R2 、R3 、R4 の全てがアリール基であるもの(テトラアリールホスホニウム塩)が好ましい。
【0017】
有機ホスホニウム塩の対イオンX- としては、
ハロゲンイオン(塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等)や、
ハイドロジェンジハライドイオン(ハイドロジェンジクロライドイオン、ハイドロジェンジブロマイドイオン、ハイドロジェンジヨーダイドイオン、ハイドロジェンブロマイドクロライドイオン等)や、
ハロゲン酸イオン(塩素酸イオン、臭素酸イオン、ヨウ素酸イオン等)や、
過ハロゲン酸イオン(過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオン等)や、
脂肪族カルボン酸イオン(酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酸イオン等)や、
芳香族カルボン酸イオン(安息香酸イオン、α−(又はβ−)ナフタレンカルボン酸イオン等)や、
芳香族ヒドロキシイオン(フェノキサイドイオン等)や、
無機酸イオン(硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、硼酸イオン、硼酸水素イオン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、フルオロボレートイオン等)や、
テトラアルキルホウ酸イオン(テトラメチル硼酸イオン、テトラエチル硼酸イオン等の炭素数1〜10のアルキル基を有する)や、
テトラアリール硼酸イオン(テトラフェニル硼酸イオン、テトラキス−p−フルオロフェニル硼酸イオン等の炭素数6〜14のアリール基を有する)や、
アルキルスルホン酸又はアルキルスルフィン酸イオン(メチル基、エチル基、n−(又はi−)プロピル基等の炭素数1〜16のアルキル基を有する)や、
アリールスルホン酸又はアリールスルフィン酸イオン(フェニル基、p−トルイル基、p−ニトロフェニル基等のアリール基を有する)などが挙げられる。
これら対イオンX- の中では、ハロゲンイオン、ハイドロジェンジハライドイオンが好ましいが、中でも塩素イオン、ハイドロジェンジクロライドイオンが特に好ましい。
【0018】
有機ホスホニウム塩として、例えば、以下のような化合物が具体的に挙げられる。
1 、R2 、R3 、R4 の全てがアリール基であって、X- がハロゲンイオンであるホスホニウム塩としては、例えば、
テトラフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムヨーダイド、テトラキス(p−クロロフェニル)ホスホニウムクロライド、テトラキス(p−フルオロフェニル)ホスホニウムクロライド、テトラキス(p−トリル)ホスホニウムクロライドや、
p−クロロフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、p−クロロフェニルトリフェニルホスホニウムブロマイド、p−クロロフェニルトリフェニルホスホニウムヨーダイドや、
p−トリルトリフェニルホスホニウムクロライド、p−トリルトリフェニルホスホニウムブロマイド、p−トリルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、m−トリフルオロメチルフェニルトリフェニルホスホニウムクロライドや、
p−ビフェニルトリフェニルホスホニウムクロライドや、m−メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、p−メトキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、p−エトキシフェニルトリフェニルホスホニウムクロライド、p−エトキシフェニルトリフェニルホスホニウムブロマイド、p−エトキシフェニルトリフェニルホスホニウムヨーダイドや、
p−ジメチルアミノフェニルトリフェニルホスホニウムクロライドや、p−エトキシカルボニルフェニルトリフェニルホスホニウムクロライドや、
m−シアノフェニルトリフェニルホスホニウムクロライドや、
1−ナフチルトリフェニルホスホニウムクロライド、2−チオフェントリフェニルホスホニウムクロライドが挙げられる。
これらの有機ホスホニウム塩の中では、テトラフェニルホスホニウムクロライドが特に好ましい。
【0019】
1 、R2 、R3 、R4 の全てがアリール基であって、X- がハイドロジェンジハライドイオンであるホスホニウム塩としては、例えば、
テトラフェニルホスホニウムハイドロジェンジクロライド、テトラフェニルホスホニウムハイドロジェンジブロマイド、テトラフェニルホスホニウムハイドロジェンジヨーダイド、テトラフェニルホスホニウムハイドロジェンブロマイドクロライドが挙げられる。
これらのホスホニウム塩の中では、テトラフェニルホスホニウムハイドロジェンジクロライドが特に好ましい。
【0020】
1 、R2 、R3 、R4 のうちの3つがアリール基であって、1つが複素環基で、X- がハロゲンイオンであるホスホニウム塩としては、例えば、2−チオフェントリフェニルホスホニウムクロライドが挙げられる。
【0021】
1 、R2 、R3 、R4 のうちの3つがアリール基であって、1つがアリールオキシ基、X- がハロゲンイオンであるホスホニウム塩としては、例えば、フェノキシトリフェニルホスホニウムクロライドが挙げられる。
【0022】
ホスホニウム塩のうち、市販されていないものは公知の方法〔Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,2869(1983)、J.Am.Chem.Soc.,70,737(1948)〕に準じて容易に合成することができる。
例えば、テトラアリールホスホニウムクロライドは、トリアリールホスフィンと対応するハロゲン化アリール(ヨード又はブロム化合物)を酢酸パラジウム触媒の存在下で反応させて、得られたテトラアリールホスホニウムヨーダイド又はテトラアリールホスホニウムブロマイドをイオン交換樹脂(クロル型)を用いてテトラアリールホスホニウムクロライドに変換する方法により合成される。
得られたテトラアリールホスホニウムクロライドは、乾燥アルゴンガス等の乾燥不活性ガス流通下に80〜200℃で0.5〜5時間乾燥され、次いで塩化水素ガス流通下にこの温度範囲で0.5〜2時間処理される。
【0023】
ハロゲンイオン以外の対イオンを有するテトラアリールホスホニウム塩は、上記のようにして得られたテトラアリールホスホニウムクロライドを、対応する対イオンを有するアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)又はアンモニウム塩と反応(イオン交換)させることにより合成される。テトラアリールホスホニウム塩以外のその他のホスホニウム塩も同様の方法により合成される。
【0024】
一般式(B)で示されるホスフィンとしては、R5 、R6 、R7 がR1 、R2 、R3 、R4 と同様のアリール基、アルキル基、アラルキル基又は複素環基であるものが挙げられる。これらの基は互いに同一であっても異なっていてもよく、二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を形成していても差し支えない。
【0025】
前記のホスフィンとしては、例えば、
5 、R6 、R7 の全てがアリール基であるもの(トリアリールホスフィン)や、
5 、R6 、R7 のうちの2つがアリール基であって、1つが別の基であるものや、
5 、R6 、R7 のうちの1つがアリール基であって、2つが別の基であるものや、
5 、R6 、R7 のいずれもアリール基でないものが挙げられる。
これらホスフィンの中では、R5 、R6 、R7 の全てがアリール基であるものが好ましい。
【0026】
ホスフィンとして、例えば、以下のような化合物が具体的に挙げられる。
5 、R6 、R7 の全てがアリール基であるもの(トリアリールホスフィン)としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、α−ナフチル(フェニル)−p−メトキシフェニルホスフィンが挙げられる。
【0027】
一般式(C)で示されるホスフィンジハライドとしては、R8 、R9 、R10がR1 、R2 、R3 、R4 と同様のアリール基、アルキル基、アラルキル基又は複素環基であって、Y1 、Y2 が塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子であるものが挙げられる。これらの基は互いに同一であっても異なっていてもよく、二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を形成していても差し支えない。また、Y1 、Y2 も同一であっても異なっていてもよい。
【0028】
前記のホスフィンジハライドとしては、例えば、
8 、R9 、R10の全てがアリール基であるもの(トリアリールホスフィンジハライド)や、
8 、R9 、R10のうちの2つがアリール基であって、1つが別の基であるものや、
8 、R9 、R10のうちの1つがアリール基であって、2つが別の基であるものや、
8 、R9 、R10のいずれもアリール基でないものが挙げられる。
これらホスフィンジハライドの中では、R8 、R9 、R10の全てがアリール基であるものが好ましい。
【0029】
ホスフィンジハライドとして、以下のような化合物が具体的に挙げられる。
8 、R9 、R10の全てがアリール基であるもの(トリアリールホスフィンジハライド)としては、例えば、トリフェニルホスフィンジクロライド、トリフェニルホスフィンジブロマイド、トリフェニルホスフィンジヨーダイドが挙げられる。
【0030】
一般式(D)で示されるホスフィンオキサイドとしては、R11、R12、R13がR1 、R2 、R3 、R4 と同様のアリール基、アルキル基、アラルキル基又は複素環基であるものが挙げられる。これらの基は互いに同一であっても異なっていてもよく、二つの基の間で架橋されてリン原子を含む環を形成していても差し支えない。
【0031】
前記のホスフィンオキサイドとしては、例えば、
11、R12、R13の全てがアリール基であるもの(トリアリールホスフィンオキサイド)や、
11、R12、R13のうちの2つがアリール基であって、1つが別の基であるものや、
11、R12、R13のうちの1つがアリール基であって、2つが別の基であるものや、
11、R12、R13のいずれもアリール基でないものが挙げられる。
これらホスフィンオキサイドの中では、R11、R12、R13の全てがアリール基であるものが好ましい。
【0032】
ホスフィンオキサイドとして、例えば、前記のホスフィンのリン原子が酸化された以下のような化合物が具体的に挙げられる。
11、R12、R13の全てがアリール基であるもの(トリアリールホスフィンオキサイド)としては、例えば、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリス(p−クロロフェニル)ホスフィンオキサイド、トリス(p−トリル)ホスフィンオキサイド、α−ナフチル(フェニル)−p−メトキシフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。
【0033】
本発明で使用される有機ホスホニウム塩の中では、テトラアリールホスホニウムハライド、テトラアリールホスホニウムハイドロジェンジハライド、トリアリールホスフィンジハライドが好ましく、中でもテトラアリールホスホニウムクロライド、テトラアリールホスホニウムハイドロジェンジクロライド、トリアリールホスフィンジクロライドが特に好ましい。
【0034】
本発明では、必要に応じて次のような無機及び/又は有機ハロゲン化合物を供給しながら、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応を行っても差し支えない。無機又は有機ハロゲン化合物の中では塩素化合物又は臭素化合物が好ましいが、中でも塩素化合物が特に好ましい。
有機リン化合物として、ホスフィン又はホスフィンオキサイドが使用される場合や、ハライド及びハイドロジェンジハライド以外の有機ホスホニウム塩が使用される場合や、低濃度のホスホニウムハライド又はホスホニウムハイドロジェンジハライドが使用される場合には、特にハロゲン化合物を供給することが好ましい。
【0035】
無機ハロゲン化合物としては、
三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン、三臭化リン、五臭化リン、オキシ臭化リン等のリンのハロゲン化物や、
塩化チオニル、塩化スルフリル、二塩化イオウ、二塩化二イオウ等のイオウのハロゲン化物や、
塩化水素、臭化水素等のハロゲン化水素や、
塩素、臭素等のハロゲン単体などが用いられる。
これらの無機ハロゲン化合物の中では、上記の無機塩素化合物が好ましい。
【0036】
有機ハロゲン化合物としては、例えば、
飽和炭素にハロゲン原子が結合している構造(C−Hal)や、
カルボニル炭素にハロゲン原子が結合している構造(−CO−Hal)、
(但し、Halは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表す。)
を有する有機ハロゲン化合物が好適に用いられる。これらの構造は、例えば、次の一般式(a)、(b)として表される。
【0037】
【化3】
Figure 0003760592
(式中、Halは塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表し、nは1〜4の整数を表す。)
【0038】
このような有機ハロゲン化合物としては、例えば、次のような化合物が具体的に挙げられる。
一般式(a)で表される、飽和炭素にハロゲン原子が結合している構造を有する有機ハロゲン化合物としては、
クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、塩化ブチル、塩化ドデシル等のハロゲン化アルキルや、
塩化ベンジル、ベンゾトリクロリド、塩化トリフェニルメチル、α−ブロモ−o−キシレン等のハロゲン化アラルキルや、
β−クロロプロピオニトリル、γ−クロロブチロニトリル等のハロゲン置換脂肪族ニトリルや、
クロロ酢酸、ブロモ酢酸、クロロプロピオン酸等のハロゲン置換脂肪族カルボン酸などが挙げられる。
【0039】
一般式(b)で表される、カルボニル炭素にハロゲン原子が結合している構造を有する有機ハロゲン化合物としては、
塩化アセチル、塩化オキサリル、塩化プロピオニル、塩化ステアロイル、塩化ベンゾイル、2−ナフタレンカルボン酸クロライド、2−チオンフェンカルボン酸クロライド等の酸ハロゲン化物や、
クロログリオキシル酸フェニル等のハロゲノグリオキシル酸アリールや、
クロロギ酸フェニル等のハロゲノギ酸アリールなどが挙げられる。
これらの有機ハロゲン化合物の中では、ハロゲン原子が塩素原子である上記の有機塩素化合物が好ましい。
【0040】
本発明では、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応において、前記のように、液相部が複数の反応区域を有する反応装置が使用される。本発明の反応装置において、反応区域の数は特に制限されるものではないが、2〜30、特に2〜10、更には2〜5であることが好ましい。
このような反応装置としては、例えば、図1、3に示されるような、原料供給ライン1、反応区域2(2−1、2−2、2−3、2−4など)、反応区域仕切り板3、連通孔5、液相部抜き出しライン6、気相部抜き出しライン7などを備えた、液相部が複数の反応区域を有し、かつ気相部が連通している反応器で構成される反応装置が挙げられる。
また、図2に示されるような、原料供給ライン1、反応区域2(2−1、2−2、2−3、2−4など)、液相部送入ライン4、液相部抜き出しライン6、気相部抜き出しライン7などを備えた、液相部が少なくとも1つの反応区域を有する複数の反応器で構成される反応装置(複数の反応区域が独立した構造を有する多槽式の反応装置)も挙げられる。1つの反応器が有する反応区域の数は少なくとも1つ(例えば、1〜3、好ましくは1)であり、その反応区域は図1、3におけると同様であればよい。そして、その反応器は液相部の上部に気相部を有する。なお、この反応装置において、全反応区域の数は特に制限されるものではないが、2〜30、特に2〜10、更には2〜5であることが好ましい。
このように、本発明で使用される反応装置としては、複数の反応区域が独立した構造をもつものか、あるいは内部が反応区域仕切り板で複数の反応区域(液相部)に区切られていて、各反応区域の気相部が連通している構造をもつものなどが好適に使用される。なお、気相部抜き出しライン7には凝縮器が設置される(図示せず)。
【0041】
図1、3に示される反応装置では、反応区域仕切り板は、図1のように高さが順次低くなっていてもよく、図3のように高さが同一であってもよい。
このような反応装置では、仕切り板は任意の位置に1個以上の連通孔をそれぞれ有しているが、前者の場合は仕切り板は連通孔を有していなくてもよい。
また、反応液は、連通孔を通して連続する反応区域に順次導かれるが、連通孔のない前者の場合は各反応区域を順次オーバーフローして最終反応区域に導かれる。その他、反応区域を複数に区切る方法としては、多孔板を挿入する方法など、反応区域を区切ることによってプラグフロー型に近づけることができる方法であればよい。なお、各反応区域の液相部は、攪拌機、ポンプ循環、ガス吹き込みなどによって強制的に攪拌・混合されてもよく、あるいは反応に伴う一酸化炭素の発生、液相部の流れや対流などによって攪拌・混合される程度でもよい。また、反応装置は、例えば、外部ジャケット等に熱媒を通して加熱される。
【0042】
本発明では、これらの反応装置を使用することによって、原料供給ライン1から第1反応区域に供給される原料液(シュウ酸ジアリール、及び、例えば、有機リン化合物及び前記のハロゲン化合物などを含む脱カルボニル触媒)が連続する反応区域に順次導かれて、高反応速度、高選択率で脱カルボニル反応が行われ、最終反応区域から液相部抜き出しライン6を通して炭酸ジアリールを含む反応液が連続的に得られる。そして、脱カルボニル反応に伴って発生する一酸化炭素は、反応装置の上部(気相部)から気相部抜き出しライン7を通して連続的又は間欠的に抜き出されて反応系外へ除去される。
【0043】
反応後、最終反応区域から抜き出された炭酸ジアリールを含む反応液から、蒸留等により炭酸ジアリールが分離精製される。脱カルボニル触媒(例えば、前記有機リン化合物)を含む蒸留残渣(炭酸ジアリールや未反応のシュウ酸ジアリールも少量含む)は、必要量のシュウ酸ジアリール、有機リン化合物や前記のハロゲン化合物が添加された後、原料供給ラインを通して第1反応区域に循環供給される。なお、抜き出された一酸化炭素に同伴する低沸物等は前記の凝縮器により除去される。回収された一酸化炭素はシュウ酸ジアリールの原料であるシュウ酸ジアルキルの製造等に使用される。
【0044】
シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応は、シュウ酸ジアリール及び脱カルボニル触媒(例えば、前記有機リン化合物)、そして必要に応じて前記のハロゲン化合物を含む原料液を第1反応区域に供給して、第1反応区域の液相部を連続する反応区域に順次導きながら行われる。このとき、反応温度は、100〜450℃、特に160〜400℃、更には180〜350℃であることが好ましい。反応圧力は特に制限されるものではなく、加圧、常圧、減圧のいずれの条件で反応を行っても差し支えない。
有機リン化合物はシュウ酸ジアリールに対して0.001〜50モル%、特に0.01〜20モル%使用されることが好ましく、前記のハロゲン化合物を供給する場合、該ハロゲン化合物は有機リン化合物に対してモル比(ハロゲン化合物/有機リン化合物)が0.01〜300、特に0.1〜100であるように添加されるされることが好ましい。なお、有機リン化合物は単独でも2種類以上存在させても差し支えなく、反応液に溶解及び/又は懸濁させても差し支えない。
【0045】
前記の脱カルボニル反応に溶媒は特に必要とされないが、必要に応じて、ジフェニルエーテル、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン等の溶媒を適宜使用することができる。
反応器の材質は特に制限されるものではなく、例えば、ガラス製又はステンレス鋼(SUS)製の反応器を使用することができる。仕切り板の材質も反応に不活性なものであれば特に制限されない。
【0046】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、シュウ酸ジアリールの転化率(供給されたシュウ酸ジアリールに対する消費されたシュウ酸ジアリールの割合)、炭酸ジアリールの選択率(消費されたシュウ酸ジアリールに対する生成した炭酸ジアリールの割合)はモル基準(モル%)で求め、炭酸ジアリールの生成速度は反応区域の液相部の容積1L当たり1時間に生成した炭酸ジアリールのg数で表した。
【0047】
実施例1
図1に示されるような、3つの反応区域の液相部の容積が順に37mL、36mL、48mLであって(液相部全容積:121mL)、連通孔のない仕切り板を有する反応器(ガラス製)で構成される反応装置を使用して、アルゴン流通下で、以下のようにシュウ酸ジフェニルの脱カルボニル反応を行った。
原料液(シュウ酸ジフェニルに対して、テトラフェニルホスホニウムクロライドを0.50モル%、クロロホルムを6400ppm含有するシュウ酸ジフェニルの溶液)をフラスコ中で150℃で溶解して、270℃のオイルバスに入れた反応装置の第1反応区域に27g/hrで連続的に供給した。そして、第1反応区域の液相部を仕切り板からオーバーフローさせて、順次、第2反応区域、第3反応区域に導いて、第3反応区域から反応液を連続的に抜き出すと共に、反応の進行に伴って発生する一酸化炭素を反応器の上部から連続的に抜き出した。なお、反応中、原料供給ライン、液相部抜き出しライン及びポンプは150℃に保温し、各反応区域の液相部は攪拌を行った。
反応が定常に達した時点で、第3反応区域から抜き出された反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、その組成は炭酸ジフェニル93.0重量%、シュウ酸ジフェニル6.1重量%であり、シュウ酸ジフェニルの転化率は94.6%、炭酸ジフェニルの選択率は99.1%、炭酸ジフェニル生成速度(STY)は185g/L・hrであった。なお、反応温度は第1反応区域で250℃、第2反応区域で246℃、第3反応区域で246℃であった。
【0048】
実施例2
図2に示されるような、コンデンサー(図示せず)を備えた内容積70mLの反応器(ガラス製)を導管及びポンプを介して3個連結した反応装置(液相部の容積が70mLである1つの反応区域を有する3個の反応器で構成される反応装置)を使用して、アルゴン流通下で、以下のようにシュウ酸ジフェニルの脱カルボニル反応を行った。
原料液(シュウ酸ジフェニルに対して、テトラフェニルホスホニウムクロライドを0.50モル%、クロロホルムを6500ppm含有するシュウ酸ジフェニルの溶液)をフラスコ中で150℃で溶解して、270℃のオイルバスに入れた第1反応区域(第1反応器)に34g/hrで連続的に供給した。そして、第1反応区域の液相部が50mLになった時点で第2反応区域(第2反応器)へ、第2反応区域の液相部が50mLになった時点で第3反応区域(第3反応器)へ送液を開始して、第3反応区域から反応液を連続的に抜き出すと共に、反応の進行に伴って発生する一酸化炭素を反応器の上部から連続的に抜き出した。なお、各反応区域の液相部は50mLとなるように送液量を調節し(液相部全容積:150mL)、攪拌を行った。また、原料供給ライン、液相部抜き出しライン及びポンプは150℃に保温した。
反応が定常に達した時点で、第3反応区域から抜き出された反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、その組成は炭酸ジフェニル89.8重量%、シュウ酸ジフェニル9.6重量%であり、シュウ酸ジフェニルの転化率は91.5%、炭酸ジフェニルの選択率は99.3%、炭酸ジフェニル生成速度(STY)は182g/L・hrであった。なお、反応温度は第1〜第3反応区域とも250℃であった。
【0049】
比較例1
図1に示されるような反応装置であって仕切り板のないもの(ガラス製)を使用し、液相部の容積が120mLになるように送液を行ったほかは、実施例1と同様にシュウ酸ジフェニルの脱カルボニル反応を行って、反応液を分析した。
その結果、反応が定常に達した時点で反応装置から抜き出された反応液の組成は、炭酸ジフェニル76.6重量%、シュウ酸ジフェニル23.1重量%であり、シュウ酸ジフェニルの転化率は79.0%、炭酸ジフェニルの選択率は99.4%、炭酸ジフェニル生成速度(STY)は155g/L・hrであった。なお、反応温度は250℃であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、シュウ酸ジアリールを、前記の有機リン化合物の存在下、工業的に好適な低い反応温度で脱カルボニル反応させて、高反応速度及び高選択率で炭酸ジアリールを連続的に製造することができる。本発明により、ポリカーボネートの原料として有用な炭酸ジアリールを、毒性の強い化合物であるホスゲンを用いることなく、高反応速度及び高選択率で製造できる。本発明はシュウ酸ジアリールから炭酸ジアリールを工業的に連続製造できる方法であり、非常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で使用した反応装置を概略示す図である。
【図2】図2は実施例2で使用した反応装置を概略示す図である。
【図3】図3は本発明の一実施態様を概略示す図である。
【符号の説明】
1:原料供給ライン
2(2−1、2−2、2−3、2−4など):反応区域
3:反応区域仕切り板
4:液相部送入ライン
5:連通孔
6:液相部抜き出しライン
7:気相部抜き出しライン

Claims (12)

  1. 液相部が複数の反応区域を有する反応装置の第1反応区域に、シュウ酸ジアリール及びリン原子の原子価が3価又は5価で、少なくとも1個の炭素−リン(C−P)結合を有する有機リン化合物を液相状態で連続的に供給し、該反応区域の液相部を連続する反応区域に順次導いて、最終の反応区域から炭酸ジアリールを含む反応液を連続的に抜き出しつつ、発生する一酸化炭素を反応区域の上部から抜き出しながら、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応を行うことを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法。
  2. 反応装置が、液相部が複数の反応区域を有しかつ気相部が連通している反応器で構成される反応装置であることを特徴とする請求項1記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  3. 反応装置が、液相部が少なくとも1つの反応区域を有する複数の反応器で構成される反応装置であることを特徴とする請求項1記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  4. 有機リン化合物が、有機ホスホニウム塩、ホスフィン、ホスフィンジハライド、又はホスフィンオキサイドであることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  5. 有機リン化合物が、テトラアリールホスホニウム塩、トリアリールホスフィン、トリアリールホスフィンジハライド、又はトリアリールホスフィンオキサイドであることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  6. 有機リン化合物が、テトラアリールホスホニウムハライド、又はテトラアリールホスホニウムハイドロジェンジハライドであることを特徴とする請求項1、2、又は3記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  7. 第1反応区域に、飽和炭素にハロゲン原子が結合している構造又はカルボニル炭素にハロゲン原子が結合している構造を有する有機ハロゲン化合物を供給しながら脱カルボニル反応を行うことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  8. 第1反応区域に、リンのハロゲン化合物、イオウのハロゲン化合物、ハロゲン化水素及びハロゲン単体から選ばれる少なくとも1種の無機ハロゲン化合物を供給しながら脱カルボニル反応を行うことを特徴とする請求項1、2、又は3記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  9. ハロゲン化合物が塩素化合物であることを特徴とする請求項7又は8記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  10. 液相部が複数の反応区域を有する反応装置の第1反応区域に、シュウ酸ジアリール及び脱カルボニル触媒を液相状態で連続的に供給し、該反応区域の液相部を連続する反応区域に順次導いて、最終の反応区域から炭酸ジアリールを含む反応液を連続的に抜き出しつつ、発生する一酸化炭素を反応区域の上部から抜き出しながら、シュウ酸ジアリールの脱カルボニル反応を行うことを特徴とする炭酸ジアリールの製造方法。
  11. 反応装置が、液相部が複数の反応区域を有しかつ気相部が連通している反応器で構成される反応装置であることを特徴とする請求項10記載の炭酸ジアリールの製造方法。
  12. 反応装置が、液相部が少なくとも1つの反応区域を有する複数の反応器で構成される反応装置であることを特徴とする請求項10記載の炭酸ジアリールの製造方法。
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