JPH11246465A - 塩素化アセトンの製造方法 - Google Patents

塩素化アセトンの製造方法

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JPH11246465A
JPH11246465A JP5235298A JP5235298A JPH11246465A JP H11246465 A JPH11246465 A JP H11246465A JP 5235298 A JP5235298 A JP 5235298A JP 5235298 A JP5235298 A JP 5235298A JP H11246465 A JPH11246465 A JP H11246465A
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/61Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アセトンまたは塩素化アセトンを塩素で塩素化
して、所定の塩素数の塩素化アセトンを得る。 【解決手段】液相反応で、触媒として一般式(3)、 (RO)3P (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を表す。)で表される亜リン酸エステルを使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医農薬中間体として
有用な塩素化アセトンの製造法、より詳しくは5個以下
の塩素原子を有する塩素化アセトン、特にペンタクロロ
アセトンの製造に好適な方法に関する。
【0002】
【従来技術】塩素化アセトン類の製造法としては、アセ
トンを光、金属塩化物、酸、金属有機酸塩などを触媒と
して塩素により塩素化する方法、対応する塩素化アルコ
ールの酸化による方法などが知られている。
【0003】アセトンを塩素ガスで塩素化する方法は、
原料の入手が容易で方法自体も簡単であるので多くの報
告例があるが、ヘキサクロロアセトンを製造する場合以
外では一般に選択性の点で必ずしも適した方法とは言え
ない。特にペンタクロロアセトンを目的とする際には、
高度の塩素化度と高い選択性の両者が同時に求められる
ためその反応条件の選択は極めて困難である。
【0004】塩素化度を十分に高めた場合、通常、ペン
タクロロアセトンはヘキサクロロアセトンを含んだ混合
物として得られる。この混合物からペンタクロロアセト
ン(沸点192℃)を蒸留分離することはヘキサクロロ
アセトン(沸点202〜204℃)の沸点が接している
ことから困難であり、また、場合によっては1,1,
3,3−テトラクロロアセトン(180〜182℃/7
18mmHg)や1,1,3,3−テトラクロロアセト
ン(183℃)が含まれることもあり、より一層蒸留分
離を困難にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】過度に塩素化されたア
セトンの生成を抑制した塩素化アセトンの製造方法、特
にヘキサクロロアセトンの生成を抑制したペンタクロロ
アセトンの製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、触媒存在
下アセトンを塩素ガスと接触させ選択的にペンタクロロ
アセトンを製造する方法について鋭意検討を加えたとこ
ろ、亜リン酸エステルを触媒として用いることでヘキサ
クロロアセトンの生成量を抑制でき選択的にペンタクロ
ロアセトンが得られることを見いだし、本発明を完成さ
せた。
【0007】すなわち、本発明は一般式(1)、 CH3-aClaCOCH3-bClb (式中、aおよびbはそれぞれ0〜3の整数であり、a
とbの和は0〜4である。)で表されるアセトンまたは
塩素化アセトンを液相中で塩素により塩素化して一般式
(2)、 CH3-dCldCOCH3-eCle (式中、dおよびeはそれぞれ0〜3の整数であり、d
とeの和は1〜5であり、かつ一般式(1)におけるa
とbの和より大である。)で表される塩素化アセトンを
製造する方法であって、触媒として一般式(3)、 (RO)3P (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を表す。)で表される亜リン酸エステルを使用する
塩素化アセトンの製造方法である。
【0008】本発明にかかる一般式(1)、 CH3-aClaCOCH3-bClb (式中、aおよびbはそれぞれ0〜3の整数であり、a
とbの和は0〜4である。)で表されるアセトンまたは
塩素化アセトンは、具体的には、アセトン、クロロアセ
トン、1,1−ジクロロアセトン、1,2−ジクロロア
セトン、1,1,1−トリクロロアセトン、1,1,2
−トリクロロアセトン、1,1,1,3−テトラクロロ
アセトン、1,1,2,2−テトラクロロアセトンであ
る。
【0009】また、一般式(2)、 CH3-dCldCOCH3-eCle (式中、dおよびeはそれぞれ0〜3の整数であり、d
とeの和は1〜5であり、かつ一般式(1)におけるa
とbの和より大である。)で表される塩素化アセトン
は、具体的には、クロロアセトン、1,1−ジクロロア
セトン、1,2−ジクロロアセトン、1,1,1−トリ
クロロアセトン、1,1,2−トリクロロアセトン、
1,1,1,3−テトラクロロアセトン、1,1,2,
2−テトラクロロアセトン、ペンタクロロアセトンであ
る。
【0010】本発明に使用する触媒は、一般式(3)、 (RO)3P (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
ル基を表す。)で表される亜リン酸トリエステルであ
る。アルキル基としては特に限定されないが、炭素数1
〜5の分岐祖有することもあるアルキル基であり、ハロ
アルキル基は前記アルキル基のうち少なくとも一つの水
素が塩素で置換した基である。具体的には例えば、亜リ
ン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリ−
n−プロピル、亜リン酸トリ−n−ブチル、亜リン酸ト
リ−2−クロロエチル、亜リン酸ジフェニル−2−クロ
ロエチルおよび亜リン酸トリフェニルなどが挙げられ
る。これらは二種類以上を併せて使用することができ
る。
【0011】塩素は、通常ガス状態で使用し、原料であ
る一般式(1)または一般式(2)で表されるアセトン
または塩素化アセトン1モルに対して、(d+e)−
(a+b)モル(「量論量」という。)以上であり量論
量の3倍程度を使用するが、通常量論量の1〜1.5倍
程度を使用する。さらに過剰量を使用しても良いが多く
することにメリットはない。例えば、アセトンを原料と
しペンタクロロアセトンを製造する場合には5〜8モル
程度を使用するのが好ましい。
【0012】本発明においては、触媒の量は原料である
一般式(1)で表されるアセトンまたは塩素化アセトン
1モルに対して、0.001〜0.1モルであり、0.
001〜0.01モルである。0.001モル以下では
反応が遅く特にペンタクロロプロパンなどの高度に塩素
化された生成物を製造するには好ましくない。一方、
0.1モル以上使用することには反応上は問題はない
が、特にメリットはない。
【0013】本発明にかかる反応は液体と気体の反応で
あるので、相互の接触を促進する公知の装置、例えば、
攪拌機、スパージャーなどを用いてもよい。塩素は反応
の制御を容易にするために反応に不活性なガス、例え
ば、窒素、アルゴンなどとともに使用してもよい。
【0014】本発明の方法は、溶媒の存在下においても
行うことができる。溶媒としては塩素系溶媒、フッ素系
溶媒などの塩素化に不活性なもので、原料の塩素化アセ
トンと比べて充分に沸点差のあるものが好ましい。例え
ば、四塩化炭素、四塩化エタン、1,1−ジクロロ−1
−フルオロエタン、1、1、1−トリフルオロ−2,2
−ジクロロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオ
ロ−3,3−ジクロロプロパン、1,1,2,2,3−
ペンタフルオロ−1,3−ジクロロプロパン、2,4−
ジクロロトリフルオロトルエン、1,4−ビストリフル
オロメチルベンゼン、ヘキサクロロアセトンなどを挙げ
ることができる。
【0015】反応は約1〜10kg/cm2で行うが、
特に加圧下で実施することに利点はなく通常ほぼ大気圧
下で行えばよい。本発明の方法に使用する装置は、ステ
ンレス鋼、ハステロイ、フッ素樹脂、ガラスなどの材質
でできた装置かまたはこれらの材質でライニングされた
材料で造られた装置であることが好ましい。
【0016】本発明の方法の反応温度は、原料、目的生
成物、触媒量、反応圧力、溶媒使用の有りなしなどによ
り異なるが、通常10〜250℃であり、塩素化度の高
い塩素化アセトンを得る場合ほど一般には高く設定す
る。また、反応温度は反応時間中一定とすることも可能
であるが、通常は塩素化の進行と共に高めることが好ま
しい。例えば、アセトンを原料としペンタクロロアセト
ンを目的生成物とする場合には、反応初期は40℃程度
とし、反応の進行と共に徐々に温度を高め最終的には1
50〜200℃とする方法が例示できる。
【0017】本発明の方法によって得られた反応生成物
は塩素化反応において慣用される方法で精製されること
ができる。例えば、反応終了後、反応器内を窒素パージ
して、過剰に吹き込まれた塩素ガス、副生した塩化水素
ガスを除き、残った有機物を蒸留等の慣用の方法によっ
て精製する。
【0018】以下に本発明を実施例をもって詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施態様に限られない。以下
において「%」は別途注のない限りガスクロマトグラム
での「面積%」を示す。
【0019】
【実施例】〔実施例1〕ガス吹き込み管と還流冷却器を
備えたガラス反応器にアセトン200g、触媒として亜
リン酸トリフェニル4.3gを入れ40℃に加熱しなが
ら塩素ガスを徐々に吹き込んだ。反応温度を徐々に上げ
ながら105℃まで上昇させた。ここでさらに反応を促
進させるため亜リン酸トリフェニル2.0gを追加し、
さらに反応温度を徐々に上げながら塩素ガスを吹き込ん
だ。反応温度が158℃になったところで塩素の導入を
停止し、反応器に窒素ガスを吹き込んで未反応の塩素、
生成した塩化水素を追い出した。塩素の導入量は152
0gであった。反応器中の粗ペンタクロロアセトンは7
84gであり、ガスクロマトグラフィにより分析したと
ころその組成は、ペンタクロロアセトン85.9%、ヘ
キサクロロアセトン4.9%、テトラクロロアセトン
7.7%であった。
【0020】〔実施例2〕ガス吹き込み管と還流冷却器
を備えたガラス反応器にアセトン200g、触媒として
亜リン酸トリフェニル4.3gを入れ40℃に加熱しな
がら塩素ガスを徐々に吹き込んだ。反応温度を徐々に上
げながら105℃まで上昇させた。ここでさらに反応を
促進させるため亜リン酸トリフェニル2.0gを追加
し、さらに反応温度を徐々に上げながら塩素ガスを吹き
込んだ。反応温度が185℃になったところで塩素の導
入を停止し、反応器に窒素ガスを吹き込んで未反応の塩
素、生成した塩化水素を追い出した。塩素の導入量は1
650gであった。反応器中の粗ペンタクロロアセトン
は800gであり、ガスクロマトグラフィにより分析し
たところその組成は、ペンタクロロアセトン90.6
%、ヘキサクロロアセトン7.2%、テトラクロロアセ
トン2.1%であった。
【0021】〔比較例1〕ガス吹き込み管と還流冷却器
を備えたガラス反応器にアセトン200g、触媒として
トリフェニルフォスフィン5.3gを入れ40℃に加熱
しながら塩素ガスを徐々に吹き込んだ。反応温度を徐々
に上げながら100℃まで上昇させた。さらに反応温度
を徐々に上げながら塩素ガスを吹き込んだ。反応温度が
185℃になったところで塩素の導入を停止し、反応器
に窒素ガスを吹き込んで未反応の塩素、生成した塩化水
素を追い出した。塩素の導入量は1010gであった。
反応器中の粗ペンタクロロアセトンは750gであり、
ガスクロマトグラフィにより分析したところその組成
は、ペンタクロロアセトン73.7%、ヘキサクロロア
セトン20.1%、テトラクロロアセトン0.7%、ト
リクロロアセトン2.8%であった。
【0022】〔比較例2〕ガス吹き込み管と還流冷却器
を備えたガラス反応器にアセトン200g、触媒として
キノリン1.5gを入れ40℃に加熱しながら塩素ガス
を徐々に吹き込んだ。反応温度を徐々に上げながら75
℃まで上昇させた。さらに反応温度を徐々に上げながら
塩素ガスを吹き込んだ。反応温度が185℃になったと
ころで塩素の導入を停止し、反応器に窒素ガスを吹き込
んで未反応の塩素、生成した塩化水素を追い出した。塩
素の導入量は823gであった。反応器中の粗ペンタク
ロロアセトンは660gであり、ガスクロマトグラフィ
により分析したところその組成は、ペンタクロロアセト
ン65.4%、ヘキサクロロアセトン3.6%、テトラ
クロロアセトン4.7%、トリクロロアセトン22.3
%であった。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によると過度に塩素化され
たアセトンの生成を減らし、目的とする塩素化アセトン
を収率よく製造することができるという効果を奏し、特
にペンタクロロアセトンの製造においては極めて有効で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1)、 CH3-aClaCOCH3-bClb (式中、aおよびbはそれぞれ0〜3の整数であり、a
    とbの和は0〜4である。)で表されるアセトンまたは
    塩素化アセトンを液相中で塩素により塩素化して一般式
    (2)、 CH3-dCldCOCH3-eCle (式中、dおよびeはそれぞれ0〜3の整数であり、d
    とeの和は1〜5であり、かつ一般式(1)におけるa
    とbの和より大である。)で表される塩素化アセトンを
    製造する方法であって、触媒として一般式(3)、 (RO)3P (式中、Rはアルキル基、ハロアルキル基またはフェニ
    ル基を表す。)で表される亜リン酸エステルを使用する
    塩素化アセトンの製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(2)がペンタクロロアセトンであ
    る請求項1記載の塩素化アセトンの製造方法。
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