JPH11245331A - ポリウレタン被覆鋼材および鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

ポリウレタン被覆鋼材および鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物

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JPH11245331A
JPH11245331A JP5344298A JP5344298A JPH11245331A JP H11245331 A JPH11245331 A JP H11245331A JP 5344298 A JP5344298 A JP 5344298A JP 5344298 A JP5344298 A JP 5344298A JP H11245331 A JPH11245331 A JP H11245331A
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polyol
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Yukirou Tsuri
之郎 釣
Kenji Takao
研治 高尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温での耐衝撃性と耐陰極剥離性に優れるポリ
ウレタン樹脂塗料組成物とこれを被覆したポリウレタン
被覆鋼材を提供する。 【解決手段】鋼材の表面にプライマー層を介してポリウ
レタン層を形成してなるポリウレタン被覆鋼材におい
て、前記ポリウレタン層が、主剤であるポリオールと硬
化剤であるイソシアネート化合物とが硬化したものであ
り、前記ポリオールが、(a)水酸基価140〜180
mgKOH/gの不乾性油と、(b)3級アミノ基を有
する芳香族系ジオールと、(c)水酸基価550〜13
00mgKOH/gの飽和脂肪族系ジオールとを含有す
ることを特徴とするポリウレタン被覆鋼材およびこれに
用いるポリウレタン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタン被覆
鋼材および鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物に関する
ものであり、特に、河川や港湾の護岸工事および橋梁や
海洋構造物などの基礎杭に利用される、耐低温衝撃性と
耐陰極剥離性に優れたポリウレタン被覆鋼材およびこれ
に適する鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、鋼矢板、鋼管杭などの防食被覆の
ひとつとして、ポリウレタン系塗料が使用されている。
ポリウレタン系塗料は、主剤であるポリオールと硬化剤
であるイソシアネート化合物を混合した後、スプレーな
どを用いて、鋼材表面に塗装を行なうため、様々な鋼材
の形状に対応することができる。従来は、ポリウレタン
被覆鋼材の耐食性を向上させるために、種々の改良がな
されてきた。例えば、高分子量ポリオール成分中に、ビ
スフェノール類のオキシアルキレンエーテルと、当量が
200以下の低分子量ポリオール成分の添加(特開昭5
7−44678号公報)や水酸基価120mgKOH/
g以下のポリオールと水酸基価および/またはアミン価
が120mgKOH/gより高い化合物の添加(特開昭
61−64441号公報)などで架橋密度を向上させる
ものがある。また、芳香族炭化水素または芳香族炭化水
素樹脂を添加するもの(特開昭60−47074号公
報)などがある。
【0003】通常、ポリウレタン被覆鋼材は、工場にて
鋼材にポリウレタン被覆を施した後に、工事現場にて施
工される。鋼矢板、鋼管矢板や鋼管杭にポリウレタン被
覆を適用した場合には、現地にてこれらの被覆鋼材を海
底や土中に打ち込むが、その際に被覆層に働く剪断力に
よって割れが生じないよう、ポリウレタン防食層に耐衝
撃性が求められる。ポリウレタン防食層の変形によって
吸収できるエネルギー量が大きいほど、すなわち、ポリ
ウレタン防食層の弾性率が高く破断伸びが大きいほど、
ポリウレタン防食層の耐衝撃性は良好になる。ポリウレ
タン防食層の弾性率と破断伸びは温度の影響を受け、特
に5℃以下の低温では破断伸びが著しく低下して低温脆
化を起こすため、ポリウレタン層の耐衝撃性も著しく低
下する。その結果、20℃以上の常温では耐衝撃性に全
く問題がなかったポリウレタン被覆鋼材が、外気温が5
℃以下になる冬季では、海底や土中に打ち込む際に、ポ
リウレタン被覆層に割れが生じ防食性が失われるという
問題が発生しており、ポリウレタン被覆鋼材の耐低温衝
撃性を改善することが望まれてきた。
【0004】前記した従来技術でも、耐低温衝撃性は十
分なものではない。すなわち、特開昭57−44678
号の技術では、室温における曲げ特性と防食性を両立す
る様にポリオールの組成を検討しているが、大荷重が高
速度で負荷された際の耐衝撃性は劣る。特開昭61−6
4441号の技術では、室温における衝撃強度が3.3
kgfmと低く、当然の事ながら低温の衝撃性はこの値
よりもさらに低い。特開昭60−47074号公報で行
った衝撃試験はJISK5664で規定されたデュポン
衝撃試験であり、試験片に与える衝撃強度は0.15k
gfm(500gの重りを300mmの高さから落下、
室温にて実施)と極めて低い。したがって、特開昭60
−47074号公報記載のポリウレタン被覆鋼材は、土
中に打ち込む際の衝撃に耐えられるほどの耐衝撃性を得
るに至っていない。
【0005】ポリウレタン防食層の耐低温衝撃性を改善
するためには、硬化物の樹脂骨格から見直さなければな
らない。一般にポリウレタン樹脂は主剤と硬化剤からな
り、主剤にはポリオール化合物を用い、硬化剤はポリイ
ソシアネートを用いる。ポリウレタン樹脂を防食の用途
で用いる場合には疎水性のポリオール樹脂を主剤として
用いることが多く、例えばひまし油やポリブタジエン化
合物等が挙げられる。しかしながら、これらのポリオー
ルをポリイソシアネートで硬化させたポリウレタン樹脂
は、低温における伸びには優れるものの、常温における
破断強度や表面硬度が極めて低く実用に適さない。そこ
で、通常はこれらのポリオールに、剛直な樹脂骨格を与
える成分、例えば芳香族系のポリオールを適当量配合す
ることにより、これらの硬化物に望ましい破断強度や表
面硬度を付与する。
【0006】したがって、この芳香族系ポリオールの添
加量を減少し、可とう性を付与することにより、低温で
の伸びを増大させ、耐低温衝撃性を向上させる方法が考
えられる。しかしながら、その場合には、硬化後のポリ
ウレタン層の架橋密度が低下し、水、酸素透過量が増大
するため、ポリウレタン被覆鋼材の耐陰極剥離性が低下
するという問題が生じるのである。陰極剥離とは下記の
現象をいい、耐陰極剥離性の向上は有機被覆鋼材の長期
の防食性能を維持する上で重要な課題である。
【0007】鋼材は海岸地帯で使用される場合は、ウレ
タン被覆等の有機被覆と電気防食とが併用される。すな
わち、海中部では陰極防食により鋼材の腐食を抑制し、
陰極防食の働かない干満帯から海上部にかけてはポリウ
レタン樹脂被覆で鋼材の防食を抑制する。その際、海中
部では、陰極防食による電流によって海中部で露出した
(ポリウレタン樹脂の被覆されていない)鋼材表面で海
水中の溶存酸素の還元反応が起こり、その結果アルカリ
が発生する。このアルカリが、ポリウレタン樹脂層の端
面からの剥離を著しく促進させる特有の現象、すなわち
陰極剥離を引き起こし、ポリウレタン被覆鋼材の防食性
能を低下させる。海岸地帯で使用される土木建材の長期
の防食性を確立する上で、鋼材の有機被覆と電気防食を
併用した際の陰極剥離を如何に抑制するかという課題は
きわめて重要である。
【0008】本発明の目的は、耐低温衝撃性と耐陰極剥
離性に優れたポリウレタン被覆鋼材と鋼材被覆用ポリウ
レタン樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、芳香族系ジオールと特定の水酸基価を有する飽和脂
肪族系ジオールを用いることにより、耐低温衝撃性と耐
陰極剥離性を両立することができることを見出したので
ある。すなわち、本発明は、(a)水酸基価140〜1
80mgKOH/gの不乾性油と、(b)3級アミノ基
を有する芳香族系ジオールと、(c)水酸基価550〜
1300mgKOH/gの飽和脂肪族系ジオールとを含
有するポリオールを主剤とし、イソシアネート化合物を
硬化剤とすることを特徴とする鋼材被覆用ポリウレタン
樹脂組成物およびこの樹脂塗料をプライマー層を介して
鋼材表面に有するポリウレタン被覆鋼材を提供する。こ
こで、前記主剤であるポリオールの水酸基価が190〜
230mgKOH/gであり、かつ、(c)/(b)=
1〜0.1(重量比)であるのが好ましい。なお、水酸
基価は、試料油1gから得られるアセチル化物に結合し
ている酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg
数をいう。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に断面図を示すように、本発
明のポリウレタン被覆鋼材5は、鋼材3の片面または両
面にプライマー層2を介して特定のポリウレタン層1を
有する。
【0011】<鋼材>本発明に使用する鋼材1は、たと
えば鋼管、鋼管矢板、鋼矢板、H形鋼、鋼板などが挙げ
られる。具体的には、地下埋設配管、海底配管、地上配
管などに使用される鋼管、燃料貯蔵タンクや化学プラン
トなどに使用される鋼板、形鋼、鋼管、および海洋構造
物、港湾河川護岸構造物、橋梁などの屋外に設置される
構造物に使用される杭用鋼管、鋼管矢板、鋼矢板および
H形鋼などが挙げられる。本発明の鋼材1は好ましくは
鋼材表面を清浄にしその上にプライマー層2を介してポ
リウレタン層1を有する。一般に、鋼材とプライマー層
の接着強度を向上させるためには、鋼材表面を清浄に保
つことが重要である。本発明では、鋼材表面の酸化層お
よび油などを除去できればその具体的な手段を限定しな
いが、Rz(十点平均粗さ)=20〜100μm、好ま
しくは30〜70μmのスチールブラスト処理またはス
チールグリッド処理が最適である。表面平均粗さ20μ
m未満の場合には、アンカー効果が低下するためプライ
マの密着強度が低下し、100μm超の場合にはプライ
マーによって鋼材が完全に被覆できないため、長期のポ
リウレタン被覆鋼材の防食性能が低下する。
【0012】<プライマー層>本発明で用いるプライマ
ーは、スズ系の触媒を添加した主剤(両末端ポリオール
のプレポリマー)と硬化剤(両末端イソシアネートのプ
レポリマー)からなる常温硬化の二液のウレタンプライ
マー層が好ましく、その膜厚は10〜100μm、好ま
しくは30〜70μmが好ましい。10μm未満の場合
は接着強度が著しく低下し、100μm超の場合はプラ
イマーが硬化する際に発泡する。陰極剥離を抑制するた
め、プライマー中に防錆顔料としてリン酸系、クロム酸
系および/またはモリブデン酸系の防錆顔料を、ウレタ
ンプライマー樹脂に対して20〜150重量%添加して
もかまわない。さらに耐陰極剥離性を向上させるため、
プライマーを鋼材に塗布する前に鋼材表面にクロメート
処理を施してもかまわない。
【0013】<ポリウレタン層>本発明のポリウレタン
層は、主剤であるポリオールと硬化剤であるイソシアネ
ート化合物とが硬化したものである。ポリオールの組成
として(a)水酸基価が140〜180mgKOH/g
の不乾性油、(b)3級のアミノ基を有する芳香族系ジ
オールおよび(c)水酸基価550〜1300mgKO
H/gの飽和脂肪族系ジオールが含有されなければなら
ない。
【0014】(a)不乾性油 水酸基価が140〜180mgKOH/gの不乾性油と
しては、特に限定されないが、親水基の濃度が低く安価
な疎水性のひまし油が最も好ましい。しかしながら、ひ
まし油のみをイソシアネートで硬化させたポリウレタン
樹脂は柔らかいため、表面硬化が低く、耐摩耗性および
耐傷つき性に劣る。水酸基価が上記範囲の不乾性油は防
食性能に優れるという利点がある。
【0015】(b)芳香族系ジオール 3級のアミノ基を有する芳香族系ジオールを用いる理由
としては、ベンゼン核に由来する剛直な骨格を有し、イ
ソシアネートとの反応速度が速いためである。3級のア
ミノ基を有する芳香族系ジオールと不乾性油を用いた場
合には、芳香族系ジオールの配合量の増加とともに架橋
密度が高くなるため表面硬度、耐摩耗性、耐傷つき性お
よび耐陰極剥離性が向上するが、低温での伸びの減少に
より耐低温衝撃性が低下する。3級アミノ基を有する芳
香族系ジオールは特に限定されないが、例えば、アニリ
ン、アミノトルエン、アミノフォノール等の芳香族系ア
ミン化合物と酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチ
レン等の酸化アルキレンとの付加重合物が挙げられる。
好ましくは、水酸基価200〜600mg/KOHの3
級アミノ基を有する芳香族ジオールであり、この範囲で
あると特に耐陰極隔離性に優れるという利点がある。
【0016】(c)飽和脂肪族系ジオール ポリウレタン被覆鋼材の表面硬度、耐摩耗性、耐傷つき
性を確保した上で、耐陰極剥離性および低温での耐衝撃
性を両立させるために、飽和脂肪族系ジオールを併用し
なければならない。飽和脂肪族系ジオールの役割は、高
い水酸基価により架橋密度を高く保持するとともに、そ
の柔らかい樹脂骨格により、ポリウレタン層に低温での
可とう性を付与することである。飽和脂肪族系ジオール
の水酸基価は550〜1300mgKOH/gでなけれ
ばならず、さらには650〜1260mgKOH/gが
より好ましい。550mgKOH/g未満では分子量が
増大するため、硬化後のポリウレタン防食層の架橋密度
の向上の効果が少なく、配合しても耐陰極剥離性は向上
しない。また1300mgKOH/g超の場合には、架
橋密度が必要以上に増大するため、低温での防食層の可
とう性が低下し、良好な耐低温衝撃性が得られない。配
合する脂肪族系ポリオールは、分子内の自由度が大きく
柔軟な骨格を有するよう、一重結合のみで形成された飽
和脂肪族系ジオールである。また、水酸基の位置は、イ
ソシアネートと速やかに反応するよう両端末が好まし
い。飽和脂肪族系ジオールは特には限定されないが、例
えば、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオー
ル、3メチル−1,5ペンタンジオール、4メチル1,
8オクタンジオール等が挙げられる。
【0017】上記(a),(b),(c)成分のポリオ
ールは、ジオールが好ましいが、その特性を損なわない
範囲で3官能以上のトリオール等が含まれていてもよ
い。主剤のポリオールは、上述の(a),(b),
(c)成分を混合した水酸基価が190〜230mgK
OH/g、好ましくは200〜225mgKOH/gで
あることが好ましい。水酸基価がこの範囲であると、硬
化後の架橋密度が適切で、耐陰極剥離性が高く、また、
低温での伸びも適切で、耐低温衝撃性が高い。
【0018】ポリウレタン層の膜厚は2.0〜4.0m
mが好ましい。2.0mm未満の場合は、水や酸素の進
入を十分に防げないため防食性に劣り、4.0mm超の
場合は防食性能が飽和し、コストに見合う効果が得られ
ない。
【0019】<a,b,cの配合量>(c)/(b)=
1〜0.1(重量比)であることが好ましい。この比が
1超の場合、ポリウレタン層の表面硬度、耐摩耗性およ
び耐傷つき性が低下する。比が0.1未満の場合、飽和
脂肪族系ジオールの添加によるポリウレタン層への柔軟
化の効果が得られず、ポリウレタン被覆鋼材の耐低温衝
撃性が低下する。
【0020】<イソシアネート化合物>本発明で用いる
イソシアネート化合物は特にその組成を限定しないが、
例えばポリメチレン−ポリフェニル−ポリイソシアネー
トやジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ト
リレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。ポ
リウレタン層の主剤(ポリオール)と硬化剤(イソシア
ネート化合物)の配合量比は、各々の官能基濃度から求
めた理論当量の±10wt%以内が好ましい。硬化剤が
理論当量より10%超少ない場合は硬化不良を起こし、
10wt%超多い場合には硬化剤が空気中の水分と反応
して発泡する。ポリウレタン層は、上述したポリオール
とイソシアネート化合物を混合後、スプレーなどを用い
て塗布後、硬化することによって得られる。本発明に用
いるポリウレタン層用の樹脂塗料組成物は常温で硬化す
るものが好ましく、塗装作業の能率と樹脂の取り扱いや
すさを両立するような時間でゲル化するよう、スズ系の
触媒を適量添加したものが好ましい。また、ポリウレタ
ン防食層に耐候性や耐摩耗性を付与するため、カーボン
ブラックや炭酸カルシウム等の顔料を配合してもかまわ
ない。また、その他の特性を付与するために、可塑剤、
助剤、増粘剤、酸化防止剤、光安定剤等を含有してもよ
い。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例)Rz=50μmのブラスト加工を行った板厚
6.0mmの鋼板に、ポリウレタンプライマーをカップ
ガンを用いて30〜50μm塗布した。プライマーは、
主剤として両末端ポリオール、硬化剤として両末端イソ
シアネートのプレポリマーを用いた。塗工したプライマ
ーを室温で1日間硬化させた後、主剤の樹脂組成の異な
るポリウレタン塗料を、エアレススプレーを用いて3.
0〜3.5mm塗装した。組成を表1に示す。硬化剤に
は粗MDI(粗ジフェニルメタンジイソシアネート)を
用い、主剤中の水酸基濃度に対して硬化剤中のイソシア
ネート基濃度が1:1になるよう混合した。ポリウレタ
ン層を塗装した鋼板は、室温で10日以上放置し、ポリ
ウレタン防食層を十分に硬化させた。
【0022】(比較例)比較例1、2は、飽和脂肪族系
ジオールの水酸基価が本発明の範囲外のものを用いた。
比較例3、5は、(c)飽和脂肪族系ジオール成分を含
まないもの、比較例4、6は(b)芳香族系ジオール成
分を含まないポリオールを用いた。
【0023】評価は下記の条件で行い、結果を表1に示
した。 (1) ポリウレタン被覆鋼板の耐衝撃性は、ASTMG1
4の落錘衝撃試験に準拠して0℃で行い、ポリウレタン
層の亀裂の有無を目視で確認し、被覆層に割れが生じな
い限界高さから衝撃強度を求めた。 (2) ポリウレタン被覆鋼材の表面硬度はデュロメーター
に硬度計を用い、JISK7215のタイプDに準拠し
て測定した。 (3) ポリウレタン被覆鋼材の耐陰極剥離性は、ポリウレ
タン被覆鋼材の被覆層の中央部に直径5mmの鋼面に達
する人工欠陥を作製し、被覆層にアクリル性の円筒を接
着した。円筒の内部を3重量%の食塩水で満たし、白金
電極を対極とし、飽和カロメル標準電極に対して−1.
5Vの電位を鋼材に印加した。60℃で30日間電位を
印加した後、人工欠陥の端面からの剥離距離(mm)を
測定し、陰極剥離距離とした。 表1の結果からわかるように、本発明のポリウレタン被
覆鋼材は良好な表面硬度(60HDD以上)、低温での
耐衝撃性(5.0kgfm)および耐陰極剥離性(6.
0mm以下)が得られた。
【0024】
【表1】
【0025】 表1中の化合物の種類 芳香族系ジオール A:アニリンと酸化ポリプロピレンの付加重合物 B:ベンジルアミンと酸化ブチレンの付加重合物 飽和脂肪族系ジオール C:3メチル−1,5ペンタンジオール D:5メチル−1,9ノナンジオール E:1,4ブタンジオール F:1,13トリデカンジオール G:1,3プロパンジオール ひまし油:リシノール酸グリセリドを主成分とする ヒマシ油抽出物、水酸基価160mgKOH/g
【0026】
【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂塗料を被覆し
たポリウレタン被覆鋼材は、低温での耐衝撃性と耐陰極
剥離性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例を示すポリウレタン被覆鋼材の
断面図である。
【符号の説明】
1:ポリウレタン層 2:プライマー層 3:鋼材 5:ポリウレタン被覆鋼材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材の表面にプライマー層を介してポリウ
    レタン層を形成してなるポリウレタン被覆鋼材におい
    て、 前記ポリウレタン層が、主剤であるポリオールと硬化剤
    であるイソシアネート化合物とが硬化したものであり、 前記ポリオールが、 (a)水酸基価140〜180mgKOH/gの不乾性
    油と、 (b)3級アミノ基を有する芳香族系ジオールと、 (c)水酸基価550〜1300mgKOH/gの飽和
    脂肪族系ジオールとを含有することを特徴とするポリウ
    レタン被覆鋼材。
  2. 【請求項2】前記主剤であるポリオールの水酸基価が1
    90〜230mgKOH/gであり、かつ、(c)/
    (b)=1〜0.1(重量比)であることを特徴とする
    請求項1に記載のポリウレタン被覆鋼材。
  3. 【請求項3】(a)水酸基価140〜180mgKOH
    /gの不乾性油と、 (b)3級アミノ基を有する芳香族系ジオールと、 (c)水酸基価550〜1300mgKOH/gの飽和
    脂肪族系ジオールとを含有するポリオールを主剤とし、
    イソシアネート化合物を硬化剤とすることを特徴とする
    鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記主剤であるポリオールの水酸基価が1
    90〜230mgKOH/gであり、かつ、(c)/
    (b)=1〜0.1(重量比)であることを特徴とする
    請求項3に記載の鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物。
JP5344298A 1998-03-05 1998-03-05 ポリウレタン被覆鋼材および鋼材被覆用ポリウレタン樹脂組成物 Withdrawn JPH11245331A (ja)

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