JPH11243591A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JPH11243591A
JPH11243591A JP4358298A JP4358298A JPH11243591A JP H11243591 A JPH11243591 A JP H11243591A JP 4358298 A JP4358298 A JP 4358298A JP 4358298 A JP4358298 A JP 4358298A JP H11243591 A JPH11243591 A JP H11243591A
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JP
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speaker
box
duct
speaker box
baffle plate
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Application number
JP4358298A
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English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Akishi Yamazaki
晃史 山崎
Keiko Yabuki
恵子 矢吹
Naomi Okada
直美 岡田
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
Akihiro Akiyama
明広 秋山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低域再生帯域の拡大を可能とし、音質が改善
されるスピーカ装置を得る。 【解決手段】 前面バッフル板3にスピーカユニット4
とダクト21を配設したスピーカ装置本体1のスピーカ
ボックス2の底面部2aを前後方向の所要半径の円弧凸
状面に形成し、この円弧凸状面に合わせてスピーカ置台
22の載置面23を同半径の円弧凹状面に形成する。こ
のスピーカ置台22にスピーカボックス2を、その底面
部2aを載置面23に嵌合状に載置して互いの円弧凹凸
状面に沿って回動し、バッフル板3が後方へ所要角度θ
で傾斜した状態で保持する。これによりスピーカユニッ
ト4の音放射によるスピーカユニット4側に発生する反
作用の力及びダクト21側に発生する反作用の力にそれ
ぞれ下方方向への分力が発生されて、スピーカボックス
2を下方に押さえ付ける力となり、スピーカボックス2
の底面部2aをスピーカ置台22の載置面23に圧接さ
せてスピーカボックス2の揺動が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に小形軽量のス
ピーカ装置に適用して好適なスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からスピーカ装置の低域再生限界を
伸ばすための有効な手段として例えば、スピーカを設け
たバッフル板に開口及びダクトを設け、スピーカの振動
板の背面から出た音の位相を反転して、ダクトを介して
開口から外部に放射させて、スピーカの振動板から前面
に出る音波を強め、低音域を歪まない様にしたバスレフ
レックス型(位相反転型)のスピーカ装置は良く知られ
ている。
【0003】この様な位相反転型スピーカ装置は図8
(A)に示す様にスピーカボックス51の前面に設けた
バッフル板52に穿ったスピーカ放音孔52aに対向し
てスピーカユニット53を固定する。
【0004】このスピーカユニット53は例えば、図8
(A)に示す如く、リング状マグネット54と、このリ
ング状マグネット54を挟むように取付けられたプレー
ト55及びヨーク56とを設け、プレート55の内周側
とヨーク56のセンターポール56aとの間に磁気空隙
57を形成する。またプレート55にはスピーカユニッ
ト53のフレーム58が取付けられ、フレーム58の外
周部にはエッジ59が設けられ、このエッジ59によっ
てコーン型の振動板60の外周部が保持されている。
【0005】一方、振動板60の内周部にボイスコイル
ボビン61が取付けられており、このボイスコイルボビ
ン61にはボイスコイル62が巻装され、ボイスコイル
62はプレート55及びヨーク56のセンターポール5
6aによって形成された磁気空隙57内に挿入する様に
なされている。63はこのボイスコイル62をこの磁気
空隙57内に保持するためのダンパーである。
【0006】また、スピーカボックス51の外部の所定
位置に設けられた入力端子64よりの音響信号を接続線
65を介してスピーカユニット53の端子66に供給
し、端子66よりの音響信号を錦糸線67を介してボイ
スコイル62に供給している。
【0007】また、バッフル板52のスピーカ放音孔5
2aと同一面に開口58aを有するダクト68を設け、
スピーカユニット53の振動板60の背面から出た音の
位相を反転して、このダクト68からスピーカボックス
51の外に放射し、この振動板60の前面からでる音の
低音域を広げている。
【0008】前述の如き、位相反転型のスピーカ装置で
の電気的な等価回路は図8(B)の様に表わすことが出
来る。
【0009】図8(A)及び(B)で、S0 はスピーカ
ユニット53の支持系のスチフネス、M0 はスピーカユ
ニット53の支持系の等価質量、Rms0 はスピーカユニ
ット53の支持系の機械抵抗、Rm0はスピーカユニット
53の空気負荷の機械抵抗、R0 はスピーカユニット5
3の等価機械抵抗でRm0+Rms0 =R0 で表せる。SC
はスピーカボックス51内のスチフネス、RD はダクト
68部分の放射抵抗、MBDはダクト68部分の等価質
量、MD はダクト68部分の放射質量である。
【0010】前述の様に位相反転型のスピーカ装置とす
ることで、密閉型に比べて低音再生限界を低くすること
が出来て、スピーカユニット53の低音共振周波数f0
の約80%程度まで低域再生範囲を拡げることが出来る
とされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】然し、この様なスピー
カ装置ではスピーカボックス51が小型軽量であるため
図8(A)でのスピーカユニット53の振動板60の振
動による音放射力F1 はスピーカユニット53の等価質
量M0 にスピーカの振動板60に動く加速度α即ち、
=M0 α0 で表せるが、この様な音放射力F1
対し、振動板60の背面側からスピーカボックス1内に
向かう反作用力−F1 も、スピーカボックス51の容積
が小さくなれば顕著になり、振動板60の振動によって
スピーカボックス51内の空気は圧縮及び膨張を繰返
し、この空気は振動板60を元の位置に戻そうとする力
となって働くためスピーカボックス51を揺動させ、低
音再生が阻害される問題があった。
【0012】また、スピーカボックス51は小型である
ため、スピーカユニット53及びダクト68の開口68
aは聴取者の耳の方向には向かず音質が損なわれる不具
合があった。
【0013】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、前述した作用及び反作用の力によるスピーカボック
スの揺動を阻止し、低音放射の力が弱まるのを防止する
と共に音質の改善を図ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のスピーカ装置は、スピーカボックスの一の面
である前面のバッフル板に音放射用のスピーカユニット
が取付けられたスピーカ装置本体をスピーカ置台にバッ
フル板が後方へ任意角度で傾斜位置するように回動可能
に載置し、スピーカボックス内に発生する反作用の力に
スピーカ置台方向、すなわち、スピーカ置台方向の分力
が生じるように構成したものである。
【0015】このようにスピーカ装置を構成することに
より、スピーカボックスは、反作用の力の下方方向すな
わち、スピーカ置台方向の分力によりスピーカ置台に押
さえ付けるように保持されて揺動が阻止され、低音の強
力放射が可能となると共に、スピーカユニットは聴取者
の耳の方向に向けることができて音質が改善される。
【0016】また、前述の構成において、バッフル板に
スピーカユニットと共に低音放射用のダクトを形成する
ことにより、反作用の力のスピーカ置台方向の分力は加
算されて大となり、スピーカボックスはスピーカ置台に
大きな力で押さえ付けられることになって、揺動が確実
に阻止される。
【0017】また、本発明によるスピーカ装置は、前述
の構成において、スピーカ装置本体のスピーカボックス
の底面部を所要半径の円弧状に形成すると共にスピーカ
置台のスピーカボックスの載置面部をスピーカボックス
の円弧状底面部に合わせた円弧状面に形成し、スピーカ
ボックスをスピーカ置台に対してバッフル板が前後方向
へ任意角度で傾斜位置するように前後方向に回動可能に
載置して構成したものである。
【0018】このように構成することにより、スピーカ
ボックスをスピーカ置台に、前述のように揺動が阻止さ
れる状態で安定して載置できると共に、バッフル板に取
付けられたスピーカユニットの放音方向を聴取者の耳の
方向に確実に安定して向けることができる。
【0019】また、本発明によるスピーカ装置は、前述
の構成において、スピーカ置台に載置体を前後方向に回
動可能に取付け、スピーカボックスをスピーカ置台に、
バッフル板が前後方向へ任意角度で傾斜位置するように
載置体を介して載置して構成したものである。
【0020】このように構成することにより、スピーカ
ボックスは通常の直方体状のものを使用できて、スピー
カボックスをスピーカ置台に、前述のように揺動が阻止
される状態で安定して載置できると共に、バッフル板に
取付けられたスピーカユニットの放音方向を聴取者の耳
の方向に確実に安定して向けることができる。
【0021】また、本発明のスピーカ装置は前述の構成
において、スピーカ置台を中空状に形成し、この中空部
とスピーカボックスとを低音放射用のダクトを介して連
通すると共に、中空部に開口を形成した構成とすること
により、ダクトは太くしかも長く構成されることになっ
て、ダクトの放射効率を上げることができ、低域再生帯
域の拡大が可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図7を参照して説明する。
【0023】この実施の形態は、本発明に係るスピーカ
装置を、スピーカ装置本体のスピーカボックスとスピー
カ置台を組合せて構成したものである。
【0024】先ず、図1及び図2を参照して本発明スピ
ーカ装置の実施の第1の形態例について説明する。この
第1の形態例においては、スピーカ装置本体1は、スピ
ーカボックス2の一の面としての前面にバッフル板3を
設け、このバッフル板3の上半部側にスピーカ放音孔3
aを形成し、このバッフル板3にスピーカ放音孔3aの
内側においてスピーカユニット4を固定する。
【0025】このスピーカユニット4は、例えば図1に
示す如く構成されている。すなわち、リング状マグネッ
ト5とこのリング状マグネット5を挟むように取付けら
れたプレート6及びヨーク7とを設けて磁気回路を構成
してこのプレート6の内周側とヨーク7のセンターポー
ル7aとの間に磁気空隙8を形成している。プレート6
の表面側には鋼製等の漏斗状のフレーム9が取付けら
れ、このフレーム9の外周部にはエッジ10が設けら
れ、このエッジ10によってコーン型の振動板11の外
周部が保持されている。
【0026】この振動板11の内周部にボイスコイルボ
ビン12が取付けられて、このボイスコイルボビン12
は後半部側にボイスコイル13が巻装され、このボイス
コイル13を前述した磁気空隙8内に挿入して保持する
ようにフレーム9に対してダンパー14により支持して
いる。また、ヨーク7の裏面側には、リング状のキャン
セルマグネット15を、マグネット5の極性と逆になる
ように取付け、このキャンセルマグネット15を含む磁
気回路をシールドケース16により被覆することにより
スピーカユニット4を構成している。
【0027】このスピーカユニット4を前述したバッフ
ル板3のスピーカ放音孔3aの内側に緩衝枠体17を介
してフレーム9の外周縁部において固定してある。
【0028】また、スピーカボックス2の所定位置、図
示例では、スピーカボックス2の後面板18に配設され
た入力端子19よりの音声信号を接続線20、スピーカ
ユニット4の端子及び錦糸線を介してボイスコイル13
に供給するように構成している。
【0029】そして、この第1の形態例においては、ス
ピーカボックス2の底面部2aを前後方向の所要半径の
円弧凸状面に形成してある。
【0030】また、この第1の形態例においては、スピ
ーカボックス2のバッフル板3の下半部側にダクト開口
3bを形成して、このダクト開口3bから内方にバッフ
ル板3に対して略直角方向に所要長さのダクト21が形
成されている。このダクト21からスピーカユニット4
の振動板11の背面から出た音の位相を反転して、スピ
ーカボックス2の外方に放射し、振動板11の前面から
の音の低音域を広げる如くしている。すなわち、このダ
クト21は低音増強用のバフレフのダクトであってスピ
ーカボックス2内の空気を外方に放射する。
【0031】そして、このように構成されるスピーカ装
置本体1は、この実施の第1の形態例においては、スピ
ーカ置台22にスピーカボックス2をバッフル板3が後
方へ所要角度θで傾斜するように載置してスピーカ装置
を構成している。すなわち、スピーカ置台22は、スピ
ーカ装置本体1のスピーカボックス2の載置面23をス
ピーカボックス2の底面部2aの円弧凸状面に合わせた
同半径の円弧凹状面に形成してあり、この円弧凹状面の
載置面23の後部上縁には、支持面24が後方に傾斜し
て形成されて、この載置面23と支持面24により載置
保持部が形成される。このスピーカ置台22にスピーカ
ボックス2を、その底面部2aを載置面23に嵌合状に
載置して、この互いの円弧凹凸状面に沿って回動し、バ
ッフル板3が後方へ所要角度θで傾斜した状態で保持さ
せる。このスピーカ置台22はテーブル、棚等の台面2
5上に載置する。
【0032】次に、このようにスピーカ置台22に載置
保持されるスピーカ装置本体1の動作を説明する。
【0033】スピーカユニット4の振動板11が動く加
速度をα0 、スピーカユニット4の振動系の実効質量を
0 とすればスピーカユニット4の駆動の力F1 は加速
度α0 と実効質量m0 の積となる。
【0034】すなわち、F1 =m0 α0 になる。
【0035】これがスピーカの作用の力であって、この
作用の力F1 と逆向きに同じ大きさの力、すなわち、反
作用の力−F1 が発生する。
【0036】更に低音増強用のバスレフのダクト21か
らの空気の放射による作用の力をFD1とすれば、この作
用の力FD1と逆向きに同じ大きさの力、すなわち、反作
用の力−FD1として発生する。
【0037】このように、スピーカボックス2のバッフ
ル板3に配設されたスピーカユニット4及びダクト21
からスピーカボックス2内に反作用の力−F1 及び−F
D1が発生するが、この反作用の力−F1 及び−FD1は、
スピーカボックス2が後方に所要角度θで傾斜してスピ
ーカ置台22に載置されているので、下側に向くことに
なり、このため、図1に示すように反作用の力−F1
び−FD1は後方への水平の力と下方への垂直の力に分か
れて作用することになる。すなわち、スピーカユニット
4の反作用の力−F1 は、水平の分力−F1 sinθと
垂直の分力−F1 cosθに分力され、またダクト21
の反作用の力−FD1は、水平の分力−FD1sinθと垂
直の分力−FD1cosθに分力される。
【0038】そして、スピーカボックス2、スピーカユ
ニット4及びダクト21の重量の和であるスピーカ装置
本体1の自重をm1 とし、スピーカ置台22の自重をm
2 とし、スピーカボックス2の底面部2aとスピーカ置
台22の載置面23との間の摩擦抵抗をR1 とし、更
に、スピーカ置台22と台面25との間の摩擦抵抗をR
2 とすると次式が成立する。
【0039】F1 +FD1≒(m1 +F1 cosθ+FD1
cosθ)R1+(m1 +m2 +F1 cosθ+FD1
osθ)R2
【0040】この式からスピーカ装置本体1の自重m1
が大きく、しかもスピーカボックス2の底面部2aとス
ピーカ置台22の載置面23との間の摩擦抵抗R1 が大
きい場合には、スピーカユニット4の駆動による反作用
の力を支えることができて、スピーカボックス2が不動
状態で保持されることがわかる。
【0041】また、小形軽量のスピーカ装置ではスピー
カ装置本体1、すなわち、スピーカボックス2等の重量
1 を大きくすることは困難であるが、スピーカ装置本
体1のスピーカボックス2とスピーカ置台22との間の
摩擦抵抗R1 を大きくすることは前記重量m1 を大きく
するよりも容易である。
【0042】このようにスピーカユニット4の駆動によ
る反作用の力を支えることによって、スピーカユニット
4の低音の放射の力は減少することがなくなるので非常
に強力な低音を放射できるようになり、大きな音質の改
良になる。
【0043】また、断面積の大きな長いダクトを備える
ことにより、ダクトの放射効率を上げ低音の増強を計り
低域の拡大ができるようになる。
【0044】このように、この実施の第1の形態例で
は、スピーカボックス2はバッフル板3が後方へ所要角
度θで傾斜して保持されているため、このバッフル板3
に設置されるスピーカユニット4及びダクト21の音放
射により発生する反作用の力が後方方向と下方方向に分
けられることになるので、下方方向の力がスピーカ装置
本体1の自重に加算され、この加算された下方方向の全
ての力とスピーカボックス2の底面とスピーカ置台22
の間及びスピーカ置台22の底面部と台面25の間の摩
擦抵抗の積による力で音放射の反作用の力を支えること
になって、スピーカボックス2は不動状態、すなわち、
固定状態で保持される。なお、スピーカ置台22は、支
持面24を形成しない状態でもスピーカボックス2を保
持することができる。
【0045】このように、スピーカボックス2が不動状
態で保持されることにより、スピーカユニット4の音放
射の力の損失がなくなるので、低域の音は非常に良好で
強力になり音質の改善ができる。
【0046】また、スピーカボックス2はバッフル板3
が後方へ任意角度で傾斜するようにスピーカ置台22に
対して回動させることにより、音を聴取する場合にスピ
ーカユニット4及びダクト21の放射方向を耳の方向に
確実に向けることができて、音質が改良される。
【0047】以上のように構成される実施の第1の形態
例において、スピーカユニット4の駆動用の磁気回路の
構造及び大きさは、任意であることは云うまでもなく、
スピーカボックス2には複数個のスピーカユニット及び
ダクトを設置してもよく、この場合は、それぞれの放射
の力による反作用の力の下方方向の分力が加算されてス
ピーカボックス2を支える力が一層強力になる。
【0048】このようにスピーカボックス2に複数個、
例えば2個のスピーカユニットを設置する場合は、一方
を全帯域スピーカとし、他方を低音用スピーカとするこ
とができる。
【0049】また、スピーカ置台22は、スピーカボッ
クス2を両側面側からも支持できるように構成すること
ができ、この場合は、スピーカボックス2の不動保持、
すなわち固定が一層確実に行えることになる。
【0050】次に、図3及び図4は実施の第2の形態例
を示し、この第2の形態例においては、スピーカ装置本
体31は、スピーカボックス32の前面バッフル板33
にスピーカ放音孔33aを形成して、例えば、前述した
第1の形態例において用いられているスピーカユニット
と同様に構成されるスピーカユニット4を取付けてあ
り、底面部34を前述した第1の形態例のスピーカボッ
クス2の底面部2aと同様に、前後方向の所要半径の円
弧凸状面に形成してある。そして、この円弧凸状面の底
面部34にダクト開口34aを形成してこのダクト開口
34aの内面側にダクト35が底面部34に対してほぼ
垂直に立上げ形成されている。このダクト35からスピ
ーカユニット4の振動板の背面から出た音の位相を反転
してスピーカボックス32の下方に放射するように構成
されている。
【0051】なお、スピーカユニット4は、前述した第
1の形態例のスピーカユニット4と同様に構成されるの
で各部材には同一符号を付して説明を省略する。また、
このスピーカユニット4は第1の形態例と同様に、後面
板36に配設された入力端子19よりの音声信号を接続
線20、スピーカユニット4の端子及び錦糸線を介して
ボイスコイル13に供給するように構成されている。
【0052】このように構成されるスピーカ装置本体3
1は、前述した第1の形態例と同様にスピーカ置台37
に載置保持される。このスピーカ置台37は中空状に形
成されており、スピーカボックス32の載置面38は、
第1の形態例と同様に、スピーカボックス32の底面部
34の円弧凸状面に合わせた同半径の円弧凹状面に形成
してあり、この載置面38の後部側に連続して支持面3
9が立上げ形成されて、この載置面38と支持面39に
より載置保持部が形成されている。
【0053】そして、この中空状のスピーカ置台37の
載置面38には、前述したスピーカボックス32の底面
部34に形成されたダクト開口34aに対応して前後方
向に長い通気開口38aを形成し、中空部37aとダク
ト35を導通するようになされている。また、このスピ
ーカ置台37の前面40は、所要の傾斜角度で傾斜して
形成されて、この前面40には開口40aが形成されて
いる。
【0054】このように構成されるスピーカ置台37に
スピーカボックス32を、その底面部34を載置面38
に嵌合状に載置して、この互いの円弧凹凸状面に沿って
回動し、バッフル板33が後方へ所要角度θで傾斜した
状態で保持させる。
【0055】この状態で、スピーカボックス32のダク
ト35とスピーカ置台37の中空部37aが導通され
て、このスピーカ置台37の傾斜前面40には開口40
aが形成されていることにより中空部37aは中音道と
なり、スピーカボックス32のダクト35が延長される
ことになって、ダクト35からの低音の放射は、スピー
カ置台37の中空部37aを通して前面開口40aから
前方に放射される。これによりダクト35の放射効率が
向上され、低音の放射が一層強力に改良される。
【0056】このスピーカ置台37には、開口40aか
らの音の放射による作用の力と逆向きに反作用の力が発
生する。この反作用の力は、スピーカ置台37の開口4
0aは傾斜前面40に形成されていることにより、下側
に向くことになり、前述した第1の形態例で説明したよ
うに、後方への水平の力と下方への垂直の力に分かれて
作用する。
【0057】そして、この反作用の力による下方への垂
直の分力は、スピーカ装置本体31の自重に、スピーカ
ユニット4側において生じる反作用の力の下方への垂直
の分力及びスピーカ置台37の自重と共に加算されてス
ピーカ置台37が載置される台面25に加わり、この下
方への全ての力とスピーカボックス32の底面部34と
スピーカ置台37の載置面38との間及びスピーカ置台
37の底面部と台面25の間の摩擦抵抗の力によってス
ピーカボックス32は音放射の反作用の力が支えられて
台面25に対して不動状態で保持、すなわち、固定され
る。なお、スピーカ置台37は、支持面39を形成しな
い状態でもスピーカボックス32を保持することができ
る。
【0058】このように、この第2の形態例において
も、スピーカボックス32は不動状態で保持されること
により、スピーカユニット4の音放射の力の損失が減少
され、また、この第2の形態例の構成では、ダクト35
はスピーカボックス32内に上下方向に形成するので全
長を長く形成できて、低域の音を非常に良好で強力に放
射できると共に音質が改善される。
【0059】また、スピーカボックス32のバッフル板
33が後方へ任意角度で傾斜でき、また、スピーカ置台
37の開口40aが形成された前面40もバッフル板3
3と同様に後方へ傾斜していることにより、スピーカユ
ニット4及びダクト35の放射方向が聴取者の耳の方向
に確実に向けることができて音質が改良される。
【0060】また、スピーカ置台37の傾斜前面40の
開口40aには、内面側に、図3に二点鎖線で示すよう
に、傾斜前面40に対して略直角方向にダクト40bを
形成することにより、低音放射が更に強力に行われ、低
域の音は一層良好で強力になる。
【0061】このようにスピーカ置台37の前面40の
開口40aにダクト40bを形成した場合のスピーカ装
置での電気的な等価回路は、図5のように表わすことが
できる。
【0062】この図5において、スピーカ装置本体31
側においては、S0 はスピーカユニット4の支持系のス
チフネス、MD はスピーカユニット4の支持系の等価質
量、R0 はスピーカユニット4の等価機械抵抗、SC
スピーカボックス42内のスチフネス、MBDはスピーカ
ボックス32内のダクト35部分の等価質量である。そ
して、SSCはスピーカ置台37の中空部37a内のスチ
フネス、MSDはスピーカ置台37内のダクト40b部分
の等価質量であり、MD はダクト放射質量、RD はダク
ト放射抵抗である。
【0063】このように、スピーカ置台37を中空状に
形成し、この中空部37aに開口40aを形成してこの
開口40aにダクト40bを形成すると共に、中空状部
37aにスピーカボックス32内のダクト35を連通す
ることにより、ダクトが太く、しかも長く延長されるこ
とになって、低域の帯域拡大及び放射効率が向上し、低
音放射が強力に行われる。
【0064】また、この第2の形態例において、スピー
カボックス32側には、ダクトを形成せず、ダクト開口
34aのみを前後方向に長い長穴として形成し、一方、
スピーカ置台37の載置面38の開口38aを円形に形
成し、この開口38aの上面側にダクト35を植立形成
し、このダクト35をスピーカボックス32内にダクト
開口34aから挿入してスピーカボックス32内に配置
してもよく、この場合は、スピーカボックス32とスピ
ーカ置台37との接合が一層確実に行えることになる。
【0065】更に、図6及び図7は実施の第3の形態例
を示し、この第3の形態例は、スピーカ装置本体をスピ
ーカ置台に前後方向に回動可能な載置体を介して載置保
持するように構成したものである。
【0066】すなわち、この第3の形態例のスピーカ装
置は、スピーカ装置本体41のスピーカボックス42が
全体として直方体状に形成されている。このスピーカボ
ックス42の前面にバッフル板43を設け、このバッフ
ル板43の上半部にスピーカ放音孔43aを形成し、こ
のスピーカ放音孔43aの内側にスピーカユニット4を
固定してある。なお、このスピーカユニット4は第1の
形態例のスピーカユニットと同様に構成されるので、各
部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】また、このスピーカボックス42のバッフ
ル板43の下半部側にはダクト開口43bを形成して、
このダクト開口43bから内方にバッフル板43に対し
て略直角方向に所要長さのダクト44が形成されてい
る。このダクト44からスピーカユニット4の振動板1
1の背面から出た音の位相を反転してスピーカボックス
42の外方に放射し、振動板11の前面からの音の低音
域を広げる如くしている。すなわち、このダクト44は
低音増強用のバフレフのダクトであって、スピーカボッ
クス42内の空気を外方に放射する。
【0068】そして、このように構成されるスピーカ装
置本体41は、スピーカ置台45に載置保持される。こ
のスピーカ置台45には、水平状の載置面46と立上げ
支持面47とから形成される側面視略L字状の載置体4
8が、その屈曲角部48aにおいて軸49により前後方
向に所要の摩擦抵抗をもって回動可能に軸支されて、こ
の載置体46にスピーカ装置本体41、すなわち、スピ
ーカボックス42が、この底面部42aから後面部42
bの下部側にかけて載置保持される。このスピーカ置台
45もテーブル、棚等の台面25上に載置する。
【0069】このように、スピーカ置台45に載置体4
8を介して載置保持されるスピーカ装置本体41は、載
置体48の軸支部を中心に前後方向に回動することによ
り、スピーカユニット4とダクト44が配されたバッフ
ル板43を後方へ所要角度θで傾斜された状態で保持さ
れる。このように後方へ傾斜して保持されるスピーカ装
置本体41は、スピーカユニット4及びダクト44の音
放射により発生する反作用の力が前述した第1の形態例
の場合と同様に後方方向と下方方向に分力されることに
なるので、この下方方向の分力がスピーカ装置本体41
の自重に加算され、この加算された下方方向の全ての力
が載置体48の軸支部に加わることになる。
【0070】これにより、載置体48はスピーカ置台4
5と一体化されて、スピーカ装置本体41、すなわち、
スピーカボックス42は不動状態で保持される。このよ
うに、スピーカボックス42が不動状態、すなわち、固
定状態で保持されることにより、スピーカユニット4の
音放射の力の損失がなくなるので、低域の音は非常に良
好で強力になり音質の改善ができる。
【0071】また、スピーカボックス42は、バッフル
板43が後方へ任意角度で傾斜するようにスピーカ置台
45に対して回動させることにより、音を聴取する場合
にスピーカユニット4及びダクト44の放射方向を聴取
者の耳の方向に確実に向けることができて音質が改良さ
れる。
【0072】以上、本発明の実施の各形態例について説
明したが、本発明はこれ等の実施の形態例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱することなく、その
他種々の構成が採り得るものである。
【0073】例えば、スピーカユニットとしては、図示
の構成のものに限ることなく、他の構成のスピーカユニ
ットを適用てのるものであり、また、スピーカボック
ス、スピーカ置台は合成樹脂材により成形できるもの
で、この場合、ダクトも一体成形できるが、このダクト
を別体に作製し、スピーカボックス、スピーカ置台の成
形後、取付けることもできる。なお、スピーカボック
ス、スピーカ置台の形成材料としては合成樹脂材に限る
ことなく、木板等も使用できることは勿論である。
【0074】また、スピーカボックスのダクト開口は、
前面バッフル板、後面板ではなく、スピーカボックスの
左右側面板に形成して、スピーカボックスの左右側板か
ら低音を放射させるようにしてもよい。この場合、スピ
ーカボックスをスピーカ置台に対して左側又は右側方向
に傾斜して載置保持させることにより、放音による反作
用の力は下方方向に分力されて前述した作用及び効果を
奏することになる。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、スピーカ
ユニットと共に低音放射用のダクトを備えたスピーカボ
ックスをスピーカ置台に、スピーカユニットを取付けた
バッフル板を後方へ任意角度で傾斜位置するように回動
可能に載置保持し、スピーカボックス内に発生する反作
用の力にスピーカ置台方向の分力が生じるように構成し
たので、スピーカボックスは、スピーカ置台に対して押
さえ付けられるように保持されて揺動が阻止される。従
ってスピーカユニットの音放射の力の損失が低減され
て、小形軽量のスピーカ装置であっても、音質が大幅に
改良され、特に音の放射の力が増大されて強力な低音を
放射できて、強力な低音放射と高音質のものを得ること
ができる。
【0076】また、スピーカボックスはスピーカ置台に
対して回動可能であるためスピーカユニットが取付けら
れたバッフル板を後方へ任意角度で傾斜させて、聴取者
の耳の方向に確実に向けることができるので音質が一層
改善される。
【0077】また、スピーカ置台を開口を有する中空状
に形成し、スピーカボックスとダクトを介して連通する
ことにより、ダクトが太く、しかも長く構成されること
になるので、ダクトの放射効率を向上させることができ
て低域再生帯域の拡大ができ、更に強力な低音放射がで
きて音質が大きく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカ装置の第1の形態例の側断面
図である。
【図2】図1に示すスピーカ装置のスピーカ置台の斜視
図である。
【図3】本発明のスピーカ装置の第2の形態例の側断面
図である。
【図4】図3に示すスピーカ装置のスピーカ置台の斜視
図である。
【図5】図3に示すスピーカ装置の電気的等価回路図で
ある。
【図6】本発明のスピーカ装置の第3の形態例の側断面
図である。
【図7】図6に示すスピーカ装置のスピーカ置台の斜視
図である。
【図8】従来のスピーカ装置の側断面図及びその電気的
等価回路である。
【符号の説明】
1,31,41‥‥スピーカ装置本体、2,32,42
‥‥スピーカボックス、3,33、43‥‥バッフル
板、4‥‥スピーカユニット、21,35,44‥‥ダ
クト、22,37,45‥‥スピーカ置台、23,38
‥‥載置面、25‥‥台面、37a‥‥中空部、40a
‥‥開口、46‥‥載置体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢吹 恵子 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岡田 直美 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 篠原 幾夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 秋山 明広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカボックスの一の面のバッフル板
    に音放射用のスピーカユニットが取付けられたスピーカ
    装置本体をスピーカ置台に前記バッフル板が後方へ任意
    角度で傾斜位置するように回動可能に載置し、 前記スピーカボックス内に発生する反作用の力に前記ス
    ピーカ置台方向の分力が生じるようにしたことを特徴と
    するスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスピーカ装置におい
    て、 前記スピーカ装置本体の前記バッフル板に前記スピーカ
    ユニットと共に低音放射用のダクトを設け、前記スピー
    カユニットの反作用の力と前記ダクトの反作用の力にそ
    れぞれ前記スピーカ置台方向の分力を生じるようにした
    ことを特徴とするスピーカ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のスピーカ装置におい
    て、 前記スピーカボックスの底面部を所要半径の円弧状に形
    成すると共に、前記スピーカ置台の前記スピーカボック
    スの載置面部を前記スピーカボックスの円弧状底面部に
    合わせた円弧状面に形成し、前記スピーカボックスを前
    記スピーカ置台に対して、前記バッフル板が前後方向へ
    任意角度で傾斜位置するように前後方向に回動可能に載
    置したことを特徴とするスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のスピーカ装置におい
    て、 前記スピーカ置台に載置体を前後方向に回動可能に取付
    け、前記スピーカボックスを前記スピーカ置台に、前記
    バッフル板が前後方向へ任意角度で傾斜位置するように
    前記載置体を介して載置したことを特徴とするスピーカ
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のスピーカ装置におい
    て、 前記スピーカ置台を中空状に形成したことを特徴とする
    スピーカ装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載のスピーカ装置におい
    て、 前記スピーカ置台を中空状に形成し、この中空内部と前
    記スピーカボックスの内部とを低音放射用のダクトを介
    して連通すると共に前記スピーカ置台に外方へ開放する
    開口を設けたことを特徴とするスピーカ装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1279322A1 (en) * 2000-04-07 2003-01-29 Harold N. Smith, Jr. Sound enhancing speaker cabinet for a removable speaker assembly
JP2020014200A (ja) * 2018-07-13 2020-01-23 ゲネレク オーワイ ラウドスピーカー
JP2021164111A (ja) * 2020-04-02 2021-10-11 アルプスアルパイン株式会社 携帯型スピーカーシステム

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