JPH11242825A - 光ディスク再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズを光ディスク面にほぼ垂直に配置
するための傾斜調整機構を廃して、部品点数の少ない安
価な光ディスク再生装置を提供すること。 【解決手段】 光ディスク面を照射するレーザの波長を
短くして、対物レンズの開口数を小さくすることによ
り、対物レンズの傾斜調整機構を不要にしたものであ
る。これにより、部品点数の少ない安価な光ディスク再
生装置を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状の記録
媒体に記録された情報をレーザ光を用いて再生する光デ
ィスク再生装置、特にその対物レンズ駆動装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】光ディスク再生装置は、スピンドルモー
タにより回転駆動される光ディスクにレーザ光を照射し
て、その反射光から情報を読み取る装置であり、レーザ
光を光ディスク面にスポット状に照射する対物レンズ
を、垂直方向に移動させてフォーカシングを行う機構
と、光ディスク面のトラックに追随させるように水平方
向に移動させる機構とを有する対物レンズ駆動装置を備
えている。

【０００３】図４は従来の対物レンズ駆動装置の構成を
示している。図４において、対物レンズ１は駆動部材２
に固定され、駆動部材２には、フォーカス方向駆動用コ
イル３とトラック方向駆動用コイル４が固着されてい
る。また駆動部材２は、その両側をワイヤ状の弾性部材
５によって固定部材６に支持され、固定部材６は、駆動
機構本体７に固定されている。駆動機構本体７には、そ
の上面に磁石８が固定され、これら磁石８とヨークとな
る駆動機構本体７とコイル３、４とにより磁気回路を構
成している。したがって、コイル３、４に電流を流すこ
とにより、対物レンズ１をフォーカス方向およびトラッ
ク方向に駆動することができる。駆動機構本体７には、
その側面にねじ穴９と荷重支持部１０が設けられてい
る。

【０００４】このような対物レンズ駆動装置では、対物
レンズ１の開口数が大きいため、対物レンズ１の光軸と
光ディスクがほぼ垂直に配設されることが必要であり、
このため、駆動機構本体７を光ディスク再生装置本体１
１に対して傾斜調整する機構が必要となる。次に、この
ような傾斜調整機構について図５を参照して説明する。
光ディスク再生装置本体１１には、ほぼ球状の凹部Ａが
形成され、駆動機構本体７には、凹部Ａとほぼ同寸法の
球状の凸部Ｂが形成されている。駆動機構本体７は、２
組（１組だけ図示）の弾性部材１２を介してねじ１３を
ねじ穴９に締結することにより光ディスク再生装置本体
１１に固定され、駆動機構本体７の球状の凸部Ｂが光デ
ィスク再生装置本体１１の球状の凹部Ｂに摺動可能に嵌
合する。一方、荷重支持部１０は、弾性部材１４によっ
て光ディスク再生装置本体１１に引き付けられている。
このような構造により、ねじ１３を回転させることによ
り、駆動機構本体７が傾斜調整され、駆動機構本体７に
弾性部材５により支持されている対物レンズ駆動部材１
２も同時に傾斜調整され、対物レンズ１が光ディスク面
に対しほぼ垂直に配設されるように傾斜調整される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の対物レンズ駆動装置では、対物レンズを光ディスク
面にほぼ垂直に配設するための傾斜調整機構を必要とす
るため、部品点数が多くなり、また組み立て調整作業に
多くの時間がかかるので、製品のコストを押し上げてい
た。本発明は、このような従来の問題を解決するもので
あり、従来の対物レンズ傾斜調整機構を廃して、部品点
数の少ない安価な光ディスク再生装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、光ディスク面を照射するレーザの波長を
短くして、対物レンズの開口数を小さくすることによ
り、対物レンズの傾斜調整機構を不要にしたものであ
る。これにより、部品点数の少ない安価な光ディスク再
生装置を提供することができる。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、光ディスク面に対して垂直なフォーカス方向および
水平なトラック方向に対物レンズを駆動する対物レンズ
駆動装置を有する光ディスク再生装置において、光ディ
スク面を照射する光として波長の短い光を使用し、対物
レンズとして開口数の小さいレンズを使用することを特
徴とする光ディスク再生装置であり、波長の短い光と開
口数の小さいレンズを使用することにより、従来の対物
レンズの傾斜調整機構を不要にして、部品点数の少ない
安価な光ディスク再生装置を実現できるという作用を有
する。

【０００８】本発明の請求項２に記載の発明は、光の波
長が０．７８μｍより小さいことを特徴とする請求項１
記載の光ディスク再生装置であり、波長の短い光と開口
数の小さいレンズを使用することにより、従来の対物レ
ンズの傾斜調整機構を不要にして、部品点数の少ない安
価な光ディスク再生装置を実現できるという作用を有す
る。

【０００９】本発明の請求項３に記載の発明は、対物レ
ンズの開口数が０．４５より小さいことを特徴とする請
求項２記載の光ディスク再生装置であり、波長の短い光
と開口数の小さいレンズを使用することにより、従来の
対物レンズの傾斜調整機構を不要にして、部品点数の少
ない安価な光ディスク再生装置を実現できるという作用
を有する。

【００１０】（実施の形態）以下、本発明の実施の形態
を図面を参照して説明する。本発明による光ディスク再
生装置は、光ディスク面を照射する光として波長の短い
光を使用し、対物レンズとして開口数の小さいレンズを
使用することを特徴とする。図１に示すように、光源Ｓ
から出射された光は、対物レンズ１によって光軸Ｋに対
し角度θで集光する。このとき、媒質の屈折率をｎとす
ると、開口数ＮＡは、ＮＡ＝ｎ＊sinθなる式により表
せる。また、集光される光のスポット径Ｄは、 Ｄ＝λ／ＮＡ ・・・（１） により表せる。このスポット径Ｄが小さいほど、再生信
号の品位が良化する。また対物レンズ１が傾斜すると、
光学的な収差が増大するため、急激に再生信号の品位が
劣化する。

【００１１】図２は代表的な再生信号であるジッター値
とＮＡとの関係を示し、図３はジッター値とレンズ傾斜
量との関係を示す。これらの図から明らかなように、ジ
ッター値はＮＡを大きくすると小さくなり、ほぼ反比例
の関係にある。また、レンズの傾斜によるジッター値の
変化は、ＮＡが大きいほど変動が大きく、ＮＡの指数関
数的に増大する。

【００１２】したがって、式（１）から波長λを小さく
して開口数ＮＡも小さくすることにより、従来と同等の
スポット径Ｄを得ることができ、開口数ＮＡを小さくで
きるため、ジッターも少なくすることができ、これによ
りレンズの傾斜調整を行わなくても、従来と同等の品位
を得ることができる。ちなみに、従来の光ディスク再生
装置における半導体レーザの波長λは０．７８μｍであ
り、対物レンズ１の開口数ＮＡは０．４５程度なので、
本実施の形態では、半導体レーザとして波長が０．７８
μｍよりも小さいものを使用し、対物レンズ１として開
口数が０．４５よりも小さいものを使用する。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、上記実施の形態から明らかな
ように、光ディスク面を照射する光の波長を短くして、
対物レンズの開口数を小さくすることにより、対物レン
ズの傾斜調整機構を不要にしたものであり、これによ
り、部品点数の少ない安価な光ディスク再生装置を実現
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における原理を説明するための対物レン
ズの光路図

【図２】本発明における原理を説明するためのジッター
と開口数との関係を示す特性図

【図３】本発明における原理を説明するためのジッター
とレンズ傾斜との関係を示す特性図

【図４】従来の光ディスク再生装置における対物レンズ
駆動装置の構成を示す斜視図

【図５】従来の光ディスク再生装置における対物レンズ
傾斜調整機構を示す概略図

【符号の説明】

１ 対物レンズ ２ 駆動部材 ３ フォーカス駆動用コイル ４ トラック駆動用コイル ５ 弾性部材 ６ 固定部材 ７ 駆動機構本体 ８ 磁石 ９ ねじ穴 １０ 荷重支持部 １１ 光ディスク再生装置本体 １２ 弾性部材 １３ ねじ １４ 弾性部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスク面に対して垂直なフォーカス
   方向および水平なトラック方向に対物レンズを駆動する
   対物レンズ駆動装置を有する光ディスク再生装置におい
   て、光ディスク面を照射する光として波長の短い光を使
   用し、対物レンズとして開口数の小さいレンズを使用す
   ることを特徴とする光ディスク再生装置。
2. 【請求項２】 光の波長が０．７８μｍより小さいこと
   を特徴とする請求項１記載の光ディスク再生装置。
3. 【請求項３】 対物レンズの開口数が０．４５より小さ
   いことを特徴とする請求項２記載の光ディスク再生装
   置。