JPH11242118A - 偏光分離素子、偏光変換素子および投写型表示装置 - Google Patents

偏光分離素子、偏光変換素子および投写型表示装置

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JPH11242118A
JPH11242118A JP10062168A JP6216898A JPH11242118A JP H11242118 A JPH11242118 A JP H11242118A JP 10062168 A JP10062168 A JP 10062168A JP 6216898 A JP6216898 A JP 6216898A JP H11242118 A JPH11242118 A JP H11242118A
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JP
Japan
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light
polarized light
film
polarization
layer
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Withdrawn
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JP10062168A
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English (en)
Inventor
Kazuo Aoki
和雄 青木
Yukihiro Endo
幸弘 遠藤
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/28Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for polarising
    • G02B27/283Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 for polarising used for beam splitting or combining

Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏光分離素子や偏光変換素子の特性を向上さ
せることのできる技術を提供することを目的とする。ま
た、このような偏光分離素子を用いた光利用効率の高い
投写型表示装置を提供することを他の目的とする。 【解決手段】 本発明の偏光分離素子は、ほぼ1.48
ないし1.58の屈折率を有する透光性基板と、透光性
基板の上に形成された偏光分離膜を備えている。偏光分
離膜は、MgF2層とMgO層とを交互に積層させた多
層構造部を有している。本発明による偏光分離膜を用い
れば、二種類の偏光光に関する透過特性と反射特性とを
向上させることができる。また、この偏光分離膜を偏光
変換素子や投写型表示装置に利用すれば光利用効率の高
い偏光変換素子や投写型表示装置を提供することが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、入射された光を
二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子、この偏
光分離素子を備えた偏光変換素子および投写型表示装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】投写型表示装置には、画像信号に応じて
光を変調するために、ライトバルブと呼ばれる素子が用
いられる。ライトバルブとしては、透過型液晶パネルや
反射型液晶パネルなどのように、一種類の直線偏光光の
みを利用するタイプのものが使用されることが多い。こ
のように、一種類の直線偏光光を利用する投写型表示装
置においては、光源から出射された無偏光の入射光を、
一種類の直線偏光光(例えば、s偏光光)とするための
偏光変換素子が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】投写スクリーンに表示
された画像をできるだけ高輝度とするためには、偏光変
換素子に入射された無偏光の光を効率よく、一種類の直
線偏光光に変換することが望ましい。すなわち、偏光変
換素子に備えられた偏光分離膜の透過・反射特性、およ
び反射膜の反射特性をできるだけ向上させることが望ま
れている。また、投写型表示装置以外に用いられる偏光
分離素子や偏光変換素子についても、同様に、透過特性
や反射特性を向上させたいという要望がある。
【0004】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、偏光分離素子や
偏光変換素子の特性を向上させることのできる技術を提
供することを目的とする。また、このような偏光分離素
子を用いた光利用効率の高い投写型表示装置を提供する
ことを他の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第
1の素子は、入射された光を二種類の偏光光に分離する
ための偏光分離素子であって、ほぼ1.48ないし1.
58の屈折率を有する透光性基板と、前記透光性基板の
上に形成された偏光分離膜と、を備え、前記偏光分離膜
は、MgF2層とMgO層とを交互に積層させた多層構
造部を有することを特徴とする。
【0006】この偏光分離素子は、MgF2とMgOと
で構成された多層構造部を採用することによって、一方
の偏光光に関する透過特性と他方の偏光光に関する反射
特性とを共に向上させることができる。
【0007】上記偏光分離素子において、前記偏光分離
膜は、さらに、前記多層構造部の上に、SiO2で形成
された被覆層を備えることが好ましい。
【0008】こうすれば、基板上に形成された偏光分離
膜と、他の部材とを光学接着剤により接着する場合に、
偏光分離膜と他の部材との接着性を高めることができ
る。
【0009】本発明の第2の素子は、入射された光を二
種類の偏光光に分離するための偏光分離素子であって、
ほぼ1.48ないし1.58の屈折率を有する透光性基
板と、前記透光性基板の上に形成された偏光分離膜と、
を備え、前記偏光分離膜は、複数の層を積層させた多層
構造部と、前記多層構造部の上に、SiO2で形成され
た被覆層と、を備えることを特徴とする。
【0010】この偏光分離素子は、多層構造部の上にS
iO2で形成された被覆層を備えているので、基板上の
偏光分離膜と、他の部材とを光学接着剤により接着する
場合に、偏光分離膜と他の部材との接着性を高めること
ができる。
【0011】本発明の第3の素子は、入射された光を一
種類の偏光光に変換するための偏光変換素子であって、
入射光を二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子
と、前記二種類の偏光光の一方を他方の偏光光に変換す
る選択位相差板と、を備え、前記偏光分離素子は、所定
の方向に沿って配列された複数の透光性基板と、前記複
数の透光性基板の間に交互に配置された複数の偏光分離
膜と複数の反射膜と、を備え、前記透光性基板は、ほぼ
1.48ないし1.58の屈折率を有し、前記偏光分離
膜は、MgF2層とMgO層とを交互に積層させた多層
構造部を有することを特徴とする。
【0012】この偏光変換素子は、偏光分離膜としてM
gF2とMgOとで構成された多層構造部を採用してい
るので、入射光を効率よく一種類の偏光光に変換するこ
とができる。
【0013】本発明の第4の素子は、入射された光を一
種類の偏光光に変換するための偏光変換素子であって、
入射光を二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子
と、前記二種類の偏光光の一方を他方の偏光光に変換す
る選択位相差板と、を備え、前記偏光分離素子は、所定
の方向に沿って配列された複数の透光性基板と、前記複
数の透光性基板の間に交互に配置された複数の偏光分離
膜と複数の反射膜と、を備え、前記透光性基板は、ほぼ
1.48ないし1.58の屈折率を有し、前記偏光分離
膜は、複数の層を積層させた多層構造部と、前記多層構
造部の上に、SiO2で形成された被覆層と、を備える
ことを特徴とする。
【0014】この偏光変換素子の偏光分離膜は、多層構
造部の上にSiO2で形成された被覆層を備えているの
で、基板上の偏光分離膜と、他の部材とを光学接着剤に
より接着する場合に、偏光分離膜と他の部材との接着性
を高めることができる。
【0015】上記第3、第4の偏光変換素子において、
前記反射膜は、前記偏光分離膜と同じ構造を有するよう
にしてもよい。
【0016】こうすれば、偏光分離膜と反射膜とを同一
の構造として兼用することができるので、膜の作成が容
易である。
【0017】上記偏光変換素子において、前記反射膜
は、前記透光性基板の屈折率に比較して、より小さい屈
折率を有する第1の層と、より大きい屈折率を有する第
2の材質とを交互に積層させた多層構造部を有し、前記
反射膜の前記第1の層はSiO2で形成されており、前
記第2の層はTa25またはTiO2で形成されていて
もよい。
【0018】このように反射膜として、SiO2とTa2
5とで構成された多層構造部、あるいはSiO2とTi
2とで構成された多層構造部を有する反射膜を用いれ
ば、上記のように偏光分離膜と反射膜を同一の構造とし
た場合に比べ、少数の層数で、かつ、高い反射率を得る
ことができる。
【0019】上記偏光変換素子において、前記第2の層
は、蒸発させてTiO2をプラズマ雰囲気で成膜された
TiO2層であることが好ましい。
【0020】こうすれば、緻密な膜を形成することが難
しいTiO2膜についても、緻密な膜を形成することが
可能となり、良質の反射膜を有する偏光分離素子を得る
ことができる。
【0021】本発明による第1の装置は、光を投写する
ことによって画像を表示する投写型表示装置であって、
ほぼ一種類の偏光光を生成する偏光照明装置と、前記偏
光照明装置からの出射光を、与えられた画像信号に基づ
いて変調する変調手段と、前記変調手段により変調され
た光を投写する投写光学手段と、を備え、前記偏光照明
装置は、光源部と、前記光源部から出射された光をほぼ
一種類の偏光光に変換する偏光変換素子と、を備え、前
記偏光変換素子は、入射光を二種類の偏光光に分離する
ための偏光分離素子と、前記二種類の偏光光の一方を他
方の偏光光に変換する選択位相差板と、を備え、前記偏
光分離素子は、所定の方向に沿って配列された複数の透
光性基板と、前記複数の透光性基板の間に交互に配置さ
れた複数の偏光分離膜と複数の反射膜と、を備え、前記
透光性基板は、ほぼ1.48ないし1.58の屈折率を
有し、前記偏光分離膜は、MgF2層とMgO層とを交
互に積層させた多層構造部を有することを特徴とする。
【0022】この投写型表示装置に備えられた偏光分離
素子には、上記第1の素子の偏光分離素膜が用いられて
いるので、光源部からの光を高効率で所望の一種類の偏
光光に変換し、変調手段に供給することができる。した
がって、投写型表示装置によってスクリーン上に投写さ
れる画像の輝度を高めることが可能である。
【0023】本発明による第2の装置は、光を投写する
ことによって画像を表示する投写型表示装置であって、
ほぼ一種類の偏光光を生成する偏光照明装置と、前記偏
光照明装置からの出射光を、与えられた画像信号に基づ
いて変調する変調手段と、前記変調手段により変調され
た光を投写する投写光学手段と、を備え、前記偏光照明
装置は、光源部と、前記光源部から出射された光をほぼ
一種類の偏光光に変換する偏光変換素子と、を備え、前
記偏光変換素子は、入射光を二種類の偏光光に分離する
ための偏光分離素子と、前記二種類の偏光光の一方を他
方の偏光光に変換する選択位相差板と、を備え、前記偏
光分離素子は、所定の方向に沿って配列された複数の透
光性基板と、前記複数の透光性基板の間に交互に配置さ
れた複数の偏光分離膜と複数の反射膜と、を備え、前記
透光性基板は、ほぼ1.48ないし1.58の屈折率を
有し、前記偏光分離膜は、複数の層を積層させた多層構
造部と、前記多層構造部の上に、SiO2で形成された
被覆層と、を備えることを特徴とする。
【0024】この投写型表示装置に備えられた偏光分離
素子には、上記第2の素子の偏光分離素膜が用いられて
いるので、基板上の偏光分離膜と、他の部材とを光学接
着剤により接着する場合に、偏光分離膜と他の部材との
接着性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】A.偏光分離膜および偏光変換素
子の構成 次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。
図1は、この発明による偏光変換素子320の一例を示
す説明図である。図1(a)は、偏光変換素子320の
平面図であり、図1(b)は、偏光変換素子320の斜
視図である。この偏光変換素子320は、入射光をp偏
光光とs偏光光とに分離して出射するための偏光分離素
子330と、偏光分離素子330で分離された2種類の
直線偏光光を1種類の直線偏光光とするためのλ/2位
相差板381とが備えられている。なお、λ/2位相差
板381が本発明における選択位相差板に相当する。
【0026】偏光分離素子330は、それぞれ断面が平
行四辺形の柱状の第1と第2の透光性基板(以下、「基
板」と呼ぶ)321,322が交互に貼り合わされた形
状を有している。また、基板321と基板322との間
には、交互に、偏光分離膜20と反射膜30とが備えら
れている。
【0027】図1(a)に示す偏光変換素子320の偏
光分離膜20に、s偏光成分とp偏光成分とを含むラン
ダムな偏光方向を有する光が入射すると、この入射光
は、まず、偏光分離膜20によってs偏光光とp偏光光
に分離される。s偏光光は、偏光分離膜20によってほ
ぼ垂直に反射され、反射膜30によってさらに垂直に反
射されてから出射される。一方、p偏光光は、偏光分離
膜20をそのまま透過する。偏光分離膜20を透過した
p偏光光の出射面には、λ/2位相差板381が配置さ
れており、このp偏光光がs偏光光に変換されて出射さ
れる。したがって、偏光変換素子320を通過した光
は、そのほとんどがs偏光光となって出射される。ま
た、偏光変換素子から出射される光をp偏光光としたい
場合には、λ/2位相差板381を反射膜30によって
反射されたs偏光光が出射する出射面に配置するように
すればよい。
【0028】図2は、偏光分離膜20の部分を拡大して
示す断面図である。偏光分離膜20は、透光性の基板3
21上に積層された誘電体多層膜であり、2種類の材質
が交互に計49層積層された多層構造部22と、多層構
造部22の上に形成された被覆層24とで構成されてい
る。この偏光分離膜20は、基板321の表面上に一層
ずつ順次積層されて構成されている。偏光分離膜20が
積層された基板321は、光学接着剤18を介して基板
322と接着される。被覆層24は、偏光分離膜20と
基板322との間の接着性を高める機能を有している。
【0029】この多層構造部22は、ほぼ1.5の屈折
率を有する基板321上に、基板に対し比較的小さい屈
折率を有する層(以下、L層と呼ぶ)と、比較的大きい
屈折率を有する層(以下、H層と呼ぶ)とが積層して形
成されている。図2の例では、L1,H2,L3,H
4,…L47,H48,L49の合計49層が形成され
ている。被覆層24は、H層とL層の材質のほぼ中間の
屈折率を有する。基板321,322の部材としては、
その屈折率がほぼ1.48ないし1.58の種々の部材
を用いることができ、屈折率がほぼ1.52の白板ガラ
スや、BK7−Sなどの光学ガラスを用いることができ
る。偏光分離膜20のL層の材質としては、屈折率がほ
ぼ1.38であるMgF2が用いられており、H層の材
質としては、屈折率がほぼ1.73であるMgOが用い
られている。また、被覆層24の材質としては、屈折率
がほぼ1.44であるSiO2が用いられている。な
お、各層の屈折率は、大気中の水分の吸収等によって変
化することが知られている。この明細書において、「屈
折率」とは、偏光分離膜20を長期間、大気中に曝した
状態で保たれる屈折率を意味する。
【0030】図3は、図2の偏光分離膜20の各層の膜
厚を示す説明図である。なお、この構造は設計波長λを
600nmとしたときの構造である。ここで、設計波長
λとは、膜を設計する際の初期設定値であり、この設計
波長において所望の透過・反射特性が得られるように、
各層の厚みが決定される。設計波長λとしては、その光
学素子において利用される主要な光成分の波長が選ばれ
る。本実施例の偏光変換素子320は、RGBの3つの
色光の偏光変換に利用されるものであり、この例では、
赤色光の波長付近(600nm)を設計波長として選択
している。図3中、右欄の値Dは、各層の光学的厚さ
(実際の膜厚dに材質の屈折率nを乗じた厚さ)を設計
波長λの1/4で割った値である。したがって、実際の
膜厚dは、値Dにλ/4を乗じて、nで割った値であ
る。なお、このときの屈折率nは、L層についてはL層
の屈折率、H層についてはH層の屈折率を用いる。図3
に示すように、多層構造部22の各層の光学的厚みはλ
/4程度の値となっているが、それぞれ異なる値となっ
ている。また、被覆層24は、その光学的厚みが3/4
λである。
【0031】図4は、図3の構造を有する偏光分離膜2
0の光学特性のシミュレーション結果を示すグラフであ
る。波長400〜700nmの範囲において、各層の屈
折率は0.1程度変化する。図4のシミュレーション結
果は、各層の屈折率の波長特性を考慮して膜の特性マト
リクスを解いて得られた値である。
【0032】図4に示すように、この偏光分離膜20は
400〜700nmの可視領域でp偏光光の透過率が9
9.2%以上であり、また、s偏光光の反射率も99.
3%以上となっている。したがって、この偏光分離膜2
0を用いれば、高効率で可視領域のp偏光光を透過しs
偏光光を反射する偏光分離素子330を作製することが
可能となる。被覆層24は、多層構造部22と基板32
2との接着性を高めるために積層されており、偏光分離
膜20の光学特性にはほとんど影響しない。すなわち、
被覆層24がない場合にも、図4に示すシミュレーショ
ン結果と同様の結果が得られるので、被覆層24は省略
してもよい。また、図4のシミュレーション結果は、L
1層側から光を入射した場合の結果であるが、被覆層2
4側から光を入射した場合にも同様の結果が得られる。
【0033】図5は、反射膜30の種々の実施例を示す
説明図である。反射膜30は、図2に示す偏光分離膜2
0と同じように、基板321上に積層された誘電体多層
膜であり、2種類の材質が交互に積層されて形成されて
いる。
【0034】図5(a)の反射膜30は、L層の材質と
してMgF2が、H層の材質としてMgOが用いられて
おり、図3の偏光分離膜20と同一の構造を有する多層
膜である。すなわち、基板321上に、L1,H2,L
3,H4,…L47,H48,L49の順に49層の膜
が積層され、50層目には被覆層24が積層されてい
る。なお、前述したように、反射膜30においても50
層目の被覆層は積層されていなくともよい。
【0035】図5(a)の構成を有する反射膜を用いた
場合のs偏光光の反射特性は、図4に示すs偏光光の反
射特性と同じであり、前述したように、400〜700
nmの可視領域で99.3%以上の反射率を得ることが
できる。図4に示すような、p偏光光の透過率とs偏光
光の反射率とが共に高い多層膜を用いれば、同じ構造を
有する多層膜を、偏光分離膜および反射膜の双方に利用
することができる。
【0036】図5(b)の構成では、L層の材質として
屈折率がほぼ1.44であるSiO2が用いられてお
り、H層の材質として屈折率がほぼ2.266であるT
iO2が用いられている。図5(b)の構成を有する反
射膜30では、基板321上に、H1,L2,H3,L
4,…H27,L28の順に28層が積層されている。
図5(b)の反射膜30は、図5(a)の反射膜30よ
りも層数が少ないので作製が容易であるという利点があ
る。
【0037】図6は、図5(b)の構成を有する反射膜
を用いた場合のs偏光光の反射特性のシミュレーション
結果を示すグラフである。図6に示すように、図5
(b)の構成を有する反射膜30を用いた場合には、4
00〜700nmの可視領域で99.975%以上の高
い反射率を得ることができる。なお、この反射膜30に
おいても、H1層側から光を入射した場合でも、L28
層側から光を入射した場合でも、同様のシミュレーショ
ン結果が得られる。
【0038】図5(c)の構成では、L層の材質として
屈折率がほぼ1.44であるSiO2が用いられてお
り、H層の材質として屈折率がほぼ2.18であるTa
25が用いられている。図5(c)の構成を有する反射
膜30では、基板321上に、H1,L2,H3,L
4,…H27,L28の順に28層が積層されている。
この反射膜30も図5(a)の反射膜30よりも層数が
少ないので作製が容易である。図5(c)に示す反射膜
の構成は、設計波長λを680nmとした計算で得られ
たものである。このときの値Dは、各層の光学的厚さを
設計波長λ(680nm)で割った値である。したがっ
て、実際の膜厚dは、値Dにλを乗じて、各層の材質の
屈折率nで割った値である。
【0039】図7は、図5(c)の構成を有する反射膜
を用いた場合のs偏光光の反射特性のシミュレーション
結果を示すグラフである。図7に示すように、図5
(c)の構成を有する反射膜を用いた場合には、400
〜700nmの可視領域で99.86%以上の高い反射
率を得ることができる。
【0040】図5(b),(c)のように、s偏光光の
反射特性を向上させることを目標として反射膜30を設
計すると、比較的少ない層数で、図6、図7に示すよう
な高い反射率を得ることができる。
【0041】以上のような偏光分離膜20および反射膜
30を用いた偏光分離素子330(図1)は、入射光を
高効率でs偏光光とp偏光光とに分離して出射すること
ができる。また、この偏光分離素子330を備える偏光
変換素子320(図1)は、入射光を高効率で一種類の
偏光光(s偏光光あるいはp偏光光)に変換して出射す
ることが可能である。
【0042】ところで、図3、図5に示すような誘電体
多層膜は、通常、PVD(真空蒸着)や、プラズマCV
Dなどを用いた成膜装置で、各層毎に、順次積層して作
製される。PVDを用いた成膜装置で成膜する場合に
は、MgF2膜やSiO2膜は、2.66×10-3Pa
(2×10-5Torr)程度の真空度で成膜される。また、
MgO膜は、蒸着する際に、酸素を補給しながら成膜さ
れ、3.99×10-2Pa(3×10-4Torr)程度の真
空度で成膜される。また、成膜する際の基板温度は、約
300℃に設定される。
【0043】一方、図5(b)の反射膜30を構成する
TiO2膜は、PVDやプラズマCVDなどを用いた成
膜装置では、緻密な膜を形成することは困難な場合があ
る。本発明では、以下に説明するイオンアシスト法によ
りプラズマを生成して膜を蒸着するイオンアシスト成膜
装置を用いてTiO2膜が成膜される。
【0044】図8は、イオンアシスト成膜装置900を
示す説明図である。この成膜装置900は、Arガス供
給口910と、フィラメント920と、プラズマ生成部
930と、電子ビーム生成部940と、加速用コイル9
42と、Arガス排気部922と、成膜処理部950と
を備えている。
【0045】Arガス供給口910から供給されるAr
ガスは、フィラメント920から放出される熱電子によ
り、プラズマ生成部930においてArプラズマに変換
される。電子ビーム生成部940では、電子ビーム生成
部940の周囲に配置された加速用コイル942が、A
rプラズマから電子を引き出し、さらに、加速すること
により、電子ビームを発生する。この電子ビームは、成
膜処理部950に導かれ、成膜処理部950内において
プラズマを生成する。
【0046】TiO2膜を基板321上に形成するとき
には、成膜処理部950内の図示しない電子銃から出射
される電子ビームが、ハース952と呼ばれる容器に予
め収納されたTiO2を溶かし蒸発させる。蒸発したT
iO2は、成膜処理部950内で生成されたプラズマ雰
囲気を通過して基板321に到達し、積層される。な
お、このときの真空度は、1.33×10-2Pa(1×
10-4Torr)程度である。また、基板321の成膜温度
は約250℃に設定される。
【0047】このイオンアシスト法を用いて成膜する場
合には、PVDやプラズマCVDにより成膜する場合よ
りも緻密なTiO2膜を成膜することができる。なお、
成膜時の基板温度(約250℃)は、PVDやプラズマ
CVDにより成膜する場合の基板温度(約300℃)よ
りも低くてすむという利点もある。なお、このイオンア
シスト法を用いて成膜できるのは、上記のTiO2膜に
限らず、Ta25膜などの種々の膜を緻密に成膜するこ
とが可能である。
【0048】B.投写型表示装置の構成 図9は、図1に示す偏光変換素子を備えた投写型表示装
置800の要部を示す概略構成図である。この投写型表
示装置800は、偏光照明装置50と、ダイクロイック
ミラー801,804と、反射ミラー802,807,
809と、リレーレンズ806,808,810と、3
つの液晶ライトバルブ803,805,811と、クロ
スダイクロイックプリズム813と、投写レンズ814
とを備えている。
【0049】図10は、図9の偏光照明装置50の要部
を平面的にみた概略構成図である。この偏光照明装置5
0は、光源部60と、偏光発生装置70とを備えてい
る。光源部60は、s偏光成分とp偏光成分とを含むラ
ンダムな偏光方向の光束を出射する。光源部60から出
射された光束は、偏光発生装置70によって偏光方向が
ほぼ揃った一種類の直線偏光光(本実施例では、s偏光
光)に変換されて、照明領域80を照明する。なお、こ
の照明領域80が図9の投写型表示装置における3つの
液晶ライトバルブ803,805,811に相当する。
【0050】光源部60は、光源ランプ101と、放物
面リフレクター102とを備えている。光源ランプ10
1から放射された光は、放物面リフレクター102によ
って一方向に反射され、略平行な光束となって偏光発生
装置70に入射する。
【0051】偏光発生装置70は、第1の光学要素20
0と、第2の光学要素400とを備えている。図11
は、第1の光学要素200の斜視図である。第1の光学
要素200は、矩形状の輪郭を有する微小な光束分割レ
ンズ201が、縦方向にM行、横方向に2N列のマトリ
クス状に配列された構成を有している。したがって、レ
ンズ横方向の中心線CLからは、左方向にN列、右方向
にN列存在する。この例では、M=10,N=4であ
る。第1の光学要素200は、光軸が第1の光学要素2
00の中心に一致するように配置されている。各光束分
割レンズ201をZ方向から見た外形形状は、照明領域
80(図9の液晶ライトバルブ803,805,81
1)の形状と相似形をなすように設定されている。本実
施例では、照明領域80はx方向に長い横長の形状であ
るため、光束分割レンズ201のXY平面上における外
形形状も横長である。
【0052】第2の光学要素400(図10)は、光学
素子300と出射側レンズ390とを備えている。そし
て、光学素子300および出射側レンズ390は、その
中心が光軸と一致するように配置されている。
【0053】光学素子300は、集光レンズアレイ31
0と、遮光板315と、2つの偏光変換素子320a,
bとを備えている。集光レンズアレイ310は、第1の
光学要素200と同じ構成のレンズアレイであり、第1
の光学要素200と相対する向きに配置される。集光レ
ンズアレイ310は、第1の光学要素200とともに、
各光束分割レンズ201で分割された複数の分割光束を
集光し、偏光変換素子320a,bの有効入射領域に導
く。偏光変換素子320a,bは、図1に示すような2
つの偏光変換素子を、それぞれの偏光分離膜および反射
膜が向かい合うように配置したものである。なお、偏光
変換素子320a,bは、前述したように、偏光分離素
子330a,bの出射面に、λ/2位相差板381を選
択的に配置したものである。遮光板315は、集光レン
ズアレイ310により偏光変換素子320a,bの偏光
分離膜に集光しきれなかった光が反射膜に直接入射する
のを防止するために配置される。この偏光変換素子32
0a,bには、前述した本発明による偏光分離膜および
反射膜が備えられている。したがって、光源部60から
出射された光束を高効率で一種類の直線偏光光(本実施
例では、s偏光光)に変換して出射することができる。
【0054】図10の出射側レンズ390は、光学素子
300から出射される複数の分割光束(偏光変換素子3
20a,bによって変換された直線偏光光の分割光束)
の各々を照明領域80上、すなわち図9の各液晶ライト
バルブ803,805,811上に重畳させる。
【0055】図9のダイクロイックミラー801,80
4は、偏光照明装置50から出射された光束を赤、青、
緑の3色の色光に分離する色光分離手段としての機能を
有する。3つの液晶ライトバルブ803,805,81
1は、与えられた画像情報(画像信号)に従って、3色
の色光をそれぞれ変調して画像を形成する変調手段とし
ての機能を有する。クロスダイクロイックプリズム81
3は、3色の色光を合成してカラー画像を形成する色光
合成手段としての機能を有する。投写レンズ814は、
合成されたカラー画像を表す光をスクリーン815上に
投写する投写光学手段としての機能を有する。
【0056】青光緑光反射ダイクロイックミラー801
は、偏光照明装置50から出射された光束の赤色光成分
を透過させるとともに、青色光成分と緑色光成分とを反
射する。透過した赤色光は、反射ミラー802で反射さ
れて、赤光用液晶ライトバルブ803に達する。一方、
第1のダイクロイックミラー801で反射された青色光
と緑色光のうち、緑色光は緑光反射ダイクロイックミラ
ー804によって反射され、緑光用液晶ライトバルブ8
05に達する。一方、青色光は、第2のダイクロイック
ミラー804も透過する。
【0057】この実施例では、青色光の光路の長さが3
つの色光のうちで最も長くなる。そこで、青色光に対し
ては、ダイクロイックミラー804の後に、入射レンズ
806と、中間レンズ808と、出射レンズ810とを
備えた導光手段850が設けられている。すなわち、青
色光は、緑光反射ダイクロイックミラー804を透過し
た後に、まず、入射レンズ806及び反射ミラー807
を経て、中間レンズ808に導かれる。さらに、反射ミ
ラー809によって反射されて出射レンズ810に導か
れ、青光用液晶ライトバルブ811に達する。
【0058】3つの液晶ライトバルブ803、805、
811は、図示しない外部の制御回路から与えられた画
像信号(画像情報)に従って、それぞれの色光を変調
し、それぞれの色成分の画像情報を含む色光を生成す
る。これらの液晶ライトバルブには、通常、入射側と出
射側にそれぞれ偏光板(図示せず)が設けられている。
したがって、所定の偏光光(本実施例では、s偏光光)
のみが液晶ライトバルブの入射側の偏光板を透過し、変
調される。
【0059】変調された3つの色光は、クロスダイクロ
イックプリズム813に入射する。クロスダイクロイッ
クプリズム813には、赤光を反射する誘電体多層膜
と、青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成され
ている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合
成されて、カラー映像を表す光が形成される。合成され
た光は、投写光学系である投写レンズ814によってス
クリーン815上に投写され、映像が拡大されて表示さ
れる。
【0060】本投写型表示装置800の偏光照明装置5
0には、前述のように本発明による偏光変換素子320
a,bが用いられているので、偏光照明装置50に入射
される光源部60からの光は、高効率で所望の直線偏光
光(本実施例では、s偏光光)に変換されて出射され
る。したがって、このような偏光変換素子320a,b
を備える投写型表示装置においては、スクリーン815
上に投写される画像の輝度を高めることが可能となる。
【0061】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0062】(1)本実施例においては、偏光分離膜2
0および反射膜30として、双方とも、本発明による誘
電体多層膜を用いているが、どちらか一方のみに本発明
による誘電体多層膜を用いるようにしてもよい。すなわ
ち、偏光分離膜20のみを本発明による誘電体多層膜と
してもよいし、反射膜30のみを本発明による誘電体多
層膜としてもよい。
【0063】(2)本実施例においては、偏光分離膜2
0は、偏光分離素子330に備えられており、反射膜3
0と共に用いられているが、偏光分離膜20は、s偏光
光とp偏光光とを分離する偏光分離素子として、独立に
用いてもよい。すなわち、透光性の基板の上に本発明の
偏光分離膜を形成すれば、偏光分離特性のよい偏光分離
素子を得ることができる。
【0064】(3)本実施例においては、反射膜30
は、偏光分離素子330に備えられており、偏光分離膜
20と共に用いられているが、反射膜30は、s偏光光
のミラーとして、独立に用いてもよい。すなわち、透光
性の基板の上に本発明の反射膜を形成すれば、反射特性
のよいミラーを得ることができる。
【0065】(4)本発明による偏光照明装置は、図9
に示す投写型表示装置に限らず、これ以外の種々の装置
に適用することが可能である。例えば、カラー画像でな
く、白黒画像を投写する投写型表示装置にも本発明によ
る偏光照明装置を適用することができる。この場合に
は、図9の装置において、液晶ライトバルブが1枚で済
み、また、光束を3色に分離する色光分離手段と、3色
の光束を合成する色光合成手段とを省略できる。さら
に、ライトバルブを1つしか用いない投写型カラー表示
装置にも本発明を適用することができる。また、反射型
のライトバルブを用いる投写型表示装置やリア型表示装
置等の偏光照明光を利用する画像表示装置にも適用可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による偏光変換素子320の一例を示
す説明図。
【図2】偏光分離膜20の部分を拡大して示す断面図。
【図3】図2の偏光分離膜20の各層の膜厚を示す説明
図。
【図4】図3の構造を有する偏光分離膜20の光学特性
のシミュレーション結果を示すグラフ。
【図5】反射膜30の種々の実施例を示す説明図。
【図6】図5(b)の反射膜を用いた場合のs偏光光の
反射特性のシミュレーション結果を示すグラフ。
【図7】図5(c)の反射膜を用いた場合のs偏光光の
反射特性のシミュレーション結果を示すグラフ。
【図8】イオンアシスト法を用いたイオンアシスト成膜
装置900を示す説明図。
【図9】図1に示す偏光変換素子を備えた投写型表示装
置800の要部を示す概略構成図。
【図10】図9の偏光照明装置50の要部を平面的にみ
た概略構成図。
【図11】第1の光学要素200の斜視図。
【符号の説明】
18…光学接着剤 20…偏光分離膜 22…多層構造部 24…被覆層 30…反射膜 50…偏光照明装置 60…光源部 70…偏光発生装置 80…照明領域 101…光源ランプ 102…放物面リフレクター 200,400…光学要素 201…光束分割レンズ 300…光学素子 310…集光レンズアレイ 315…遮光板 320,320a,320b…偏光変換素子 321,322…基板 330,330a,330b…偏光分離素子 381…λ/2位相差板 390…出射側レンズ 800…投写型表示装置 801,804…ダイクロイックミラー 802,807,809…反射ミラー 803,805,811…液晶ライトバルブ 806,808,810…リレーレンズ 813…クロスダイクロイックプリズム 814…投写レンズ 815…スクリーン 850…導光手段 900…イオンアシスト成膜装置 910…Arガス供給口 920…フィラメント 922…Arガス排気部 930…プラズマ生成部 940…電子ビーム生成部 942…加速用コイル 950…成膜処理部 952…ハース

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射された光を二種類の偏光光に分離す
    るための偏光分離素子であって、 ほぼ1.48ないし1.58の屈折率を有する透光性基
    板と、 前記透光性基板の上に形成された偏光分離膜と、を備
    え、 前記偏光分離膜は、 MgF2層とMgO層とを交互に積層させた多層構造部
    を有することを特徴とする偏光分離素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の偏光分離素子であって、 前記偏光分離膜は、さらに、 前記多層構造部の上に、SiO2で形成された被覆層を
    備える、偏光分離素子。
  3. 【請求項3】 入射された光を二種類の偏光光に分離す
    るための偏光分離素子であって、 ほぼ1.48ないし1.58の屈折率を有する透光性基
    板と、 前記透光性基板の上に形成された偏光分離膜と、を備
    え、 前記偏光分離膜は、 複数の層を積層させた多層構造部と、 前記多層構造部の上に、SiO2で形成された被覆層
    と、を備えることを特徴とする偏光分離素子。
  4. 【請求項4】 入射された光を一種類の偏光光に変換す
    るための偏光変換素子であって、 入射光を二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子
    と、 前記二種類の偏光光の一方を他方の偏光光に変換する選
    択位相差板と、を備え、 前記偏光分離素子は、 所定の方向に沿って配列された複数の透光性基板と、 前記複数の透光性基板の間に交互に配置された複数の偏
    光分離膜と複数の反射膜と、を備え、 前記透光性基板は、ほぼ1.48ないし1.58の屈折
    率を有し、 前記偏光分離膜は、 MgF2層とMgO層とを交互に積層させた多層構造部
    を有することを特徴とする偏光変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の偏光変換素子であって、 前記偏光分離膜は、さらに、 前記多層構造部の上に、SiO2で構成された被覆層を
    備える、偏光変換素子。
  6. 【請求項6】 入射された光を一種類の偏光光に変換す
    るための偏光変換素子であって、 入射光を二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子
    と、 前記二種類の偏光光の一方を他方の偏光光に変換する選
    択位相差板と、を備え、 前記偏光分離素子は、 所定の方向に沿って配列された複数の透光性基板と、 前記複数の透光性基板の間に交互に配置された複数の偏
    光分離膜と複数の反射膜と、を備え、 前記透光性基板は、ほぼ1.48ないし1.58の屈折
    率を有し、 前記偏光分離膜は、 複数の層を積層させた多層構造部と、 前記多層構造部の上に、SiO2で形成された被覆層
    と、を備えることを特徴とする偏光変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項4ないし6のいずれかに記載の偏
    光変換素子であって、 前記反射膜は、 前記偏光分離膜と同じ構造を有する、偏光変換素子。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし6のいずれかに記載の偏
    光変換素子であって、 前記反射膜は、 前記透光性基板の屈折率に比較して、より小さい屈折率
    を有する第1の層と、より大きい屈折率を有する第2の
    材質とを交互に積層させた多層構造部を有し、 前記反射膜の前記第1の層はSiO2で形成されてお
    り、前記第2の層はTa25またはTiO2で形成され
    ている、偏光変換素子。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の偏光変換素子であって、 前記第2の層は、蒸発させたTiO2をプラズマ雰囲気
    で成膜したTiO2層である、偏光変換素子。
  10. 【請求項10】 光を投写することによって画像を表示
    する投写型表示装置であって、 ほぼ一種類の偏光光を生成する偏光照明装置と、 前記偏光照明装置からの出射光を、与えられた画像信号
    に基づいて変調する変調手段と、 前記変調手段により変調された光を投写する投写光学手
    段と、を備え、 前記偏光照明装置は、 光源部と、 前記光源部から出射された光をほぼ一種類の偏光光に変
    換する偏光変換素子と、を備え、 前記偏光変換素子は、 入射光を二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子
    と、 前記二種類の偏光光の一方を他方の偏光光に変換する選
    択位相差板と、を備え、 前記偏光分離素子は、 所定の方向に沿って配列された複数の透光性基板と、 前記複数の透光性基板の間に交互に配置された複数の偏
    光分離膜と複数の反射膜と、を備え、 前記透光性基板は、ほぼ1.48ないし1.58の屈折
    率を有し、 前記偏光分離膜は、 MgF2層とMgO層とを交互に積層させた多層構造部
    を有することを特徴とする投写型表示装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の投写型表示装置であ
    って、 前記偏光分離膜は、さらに、 前記多層構造部の上に、SiO2で構成された被覆層を
    備える、投写型表示装置。
  12. 【請求項12】 光を投写することによって画像を表示
    する投写型表示装置であって、 ほぼ一種類の偏光光を生成する偏光照明装置と、 前記偏光照明装置からの出射光を、与えられた画像信号
    に基づいて変調する変調手段と、 前記変調手段により変調された光を投写する投写光学手
    段と、を備え、 前記偏光照明装置は、 光源部と、 前記光源部から出射された光をほぼ一種類の偏光光に変
    換する偏光変換素子と、を備え、 前記偏光変換素子は、 入射光を二種類の偏光光に分離するための偏光分離素子
    と、 前記二種類の偏光光の一方を他方の偏光光に変換する選
    択位相差板と、を備え、 前記偏光分離素子は、 所定の方向に沿って配列された複数の透光性基板と、 前記複数の透光性基板の間に交互に配置された複数の偏
    光分離膜と複数の反射膜と、を備え、 前記透光性基板は、ほぼ1.48ないし1.58の屈折
    率を有し、 前記偏光分離膜は、 複数の層を積層させた多層構造部と、 前記多層構造部の上に、SiO2で形成された被覆層
    と、を備えることを特徴とする投写型表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項10ないし12のいずれかに記
    載の投写型表示装置であって、 前記反射膜は、 前記偏光分離膜の構造と同じである、投写型表示装置。
  14. 【請求項14】 請求項10ないし12のいずれかに記
    載の投写型表示装置であって、 前記反射膜は、 前記透光性基板の屈折率に比較して、より小さい屈折率
    を有する第1の層と、より大きい屈折率を有する第2の
    材質とを交互に積層させた多層構造部を有し、 前記反射膜の前記第1の層はSiO2で形成されてお
    り、前記第2の層はTa25またはTiO2で形成され
    ている、投写型表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の投写型表示装置であ
    って、 前記第2の層は、蒸発させたTiO2をプラズマ雰囲気
    で成膜したTiO2層である、投写型表示装置。
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