JPH11241592A - トンネル掘削装置 - Google Patents

トンネル掘削装置

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JPH11241592A
JPH11241592A JP5887998A JP5887998A JPH11241592A JP H11241592 A JPH11241592 A JP H11241592A JP 5887998 A JP5887998 A JP 5887998A JP 5887998 A JP5887998 A JP 5887998A JP H11241592 A JPH11241592 A JP H11241592A
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智幸 青木
Masataka Uchida
正孝 内田
Takuya Tani
卓也 谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】掘進作業中に得られるデータを利用して最適な
掘進作業を行うことができる、トンネル掘削装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】岩盤中を掘進するトンネル掘削機におい
て、カッタートルク、推力、掘進速度、カッターヘッド
回転数、カッター回転モーターの消費電力を検知するセ
ンサーを設置する。各センサーの検知値から、トルクに
関するパラメータと、推力に関するパラメータを取り出
す。両パラメータの相関関係を図示する表示装置を備え
た、トンネル掘削装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩盤の状況を把握
しつつ掘進することができる、トンネル掘削装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】TBM(トンネルボーリングマシン)と
称するトンネル掘削機は、切羽が自立するような堅硬な
岩盤を高速で掘削するのに適している。しかし不良岩盤
において、切羽が崩壊するような場合には掘進が困難に
なる可能性がある。それは、掘削した切羽や天端、側壁
が崩壊してきたり、掘削した空洞の周囲の岩盤が地圧で
変形して機体を締め付けたりすることからである。この
ような状況に至る前に予兆を早期に把握し、適切な機械
操作や岩盤補強対策を実施して掘進が困難となるトラブ
ルを回避する必要がある。そのために従来は、TBMの
運転手の勘で、切羽や天端、側壁の状態を予測してい
た。またより詳細に切羽前方の地質を調査するために
は、弾性波反射法などの物理探査や、先進水平ボーリン
グなどによる方法が採用されてきた。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかし前記したよう
な従来の方法は、トンネルの掘削作業を中止して行う必
要があり、不経済なものであった。上記の方法とは別
に、掘進中の掘削機から得られるトルクや推力、掘進速
度などのデータを用いて岩盤の強度を判定する試みにつ
いては研究例があるが、応用できる範囲は良好な岩盤に
限られ、切羽などの自立しない不良な岩盤においては、
適切な評定は困難であった。
【0004】本発明は上記したような従来の問題を解決
するためになされたもので、掘進作業中に得られるデー
タを利用して最適な掘進作業を行うことができる、トン
ネル掘削装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明のトンネル掘削装置は、岩盤中を掘
進するトンネル掘削機において、カッタートルク、推
力、掘進速度、カッターヘッド回転数、カッター回転モ
ーターの消費電力を検知するセンサーを設置し、各セン
サーの検知値から、トルクに関するパラメータと、推力
に関するパラメータを取り出し、両パラメータの相関関
係を図示する表示装置を備えた、トンネル掘削装置を特
徴としたものである。
【0006】
【本発明の実施の態様】以下図面を参照しながら、本発
明のトンネル掘削装置の実施例について説明する。
【0007】<イ>センサーの設置。 TBMと称する岩盤中を掘進するトンネル掘削機は、前
胴1と後胴2とに分割してあり、両者間をジャッキ4で
連結し、前面にはカッターヘッド3を備えた装置であ
る。この掘削機に、次のような数値を検知できるセンサ
ーを設置する。カッタートルク、推力、掘進速度、カッ
ターヘッド回転数、カッター回転モーターの消費電力。
【0008】<ロ>堅硬な岩盤における強度と推力の関
係。 堅硬な岩盤では岩盤強度S.推力F、トルクT、および
切り込み量Pとの間には以下の比例関係が認められるこ
とが分かっている。(『資源と素材』Vol12,N
o.5,pp303〜308,1996)
【0009】 S=a・F/P (1) S=b・T/P (2) P=v/N (3) ここで、 v:掘進速度(例えば1分当たりの掘進長)。 N:カッターヘッドの回転数(例えば1分当たりの回転
回数)。 a,b:比例定数。 c:パラメータ。1、1.5とする研究例がある。
【0010】また、単位体積の岩盤を掘削するのに要す
るエネルギーとして掘削体積比エネルギーが定義されて
いる。これは掘削機械の掘削効率の指標として以前から
用いられている。これは岩盤強度と正比例の関係にある
と考えられている。
【0011】また、TBMでは掘削エネルギーの大部分
が、カッターヘッドを回転させるエネルギーであること
が分かっている。そのために、掘削体積比エネルギーE
sを次の式で近似的に求めることができる。Es=W/
(vtπD2 /4) ここで、 W:カッターヘッド回転モーター消費電力量。 D:掘削径。 t:掘削時間。このように、掘削体積比エネルギーは、
カッターヘッド回転トルクと関連するパラメータであ
る。
【0012】<ハ>不良な岩盤における強度と推力の関
係。 トルクに関連するパラメータとしてT/P(あるいは
Es)を採用し、推力に関連するパラメータとしてF/
Pを採用すると、堅硬な岩盤では岩盤強度が大きくなる
つれて両パラメータもともに大きくなる。しかし切羽や
天端が自立しないような崩落性の不良岩盤では必ずしも
この関係が成り立たないことがこれまでの調査で分かっ
た。その理由は、切羽が崩壊すると掘削機が崩落岩片の
取り込みに追いつかなくなる。するとカッターヘッド面
盤を押すようになるからであり、カッターヘッド回転ト
ルクが異常に上昇する。(図3) あるいは切羽は自立しても、天端が崩落して岩塊が掘削
機の上載荷重として加わったり、岩盤空洞の地圧による
変形が大きく、その結果掘削機が締め付けられたりする
と、掘削機と岩盤の摩擦が急激に大きくなる。すると推
力が異常に上昇する。(図3)
【0013】<ニ>不良岩盤での適用。 このように、トルク、推力のみで状況を把握することが
困難である。そこで、図4に示すように両パラメータの
相関図上でデータの分布と岩盤状況との関連性を示して
みる。すると、岩盤が軟らかい時、すなわち圧縮強度が
小さいときにはデータは図の左下の領域に集まり、岩盤
が硬い時、すなわち圧縮強度が大きいときにはデータは
図の右上の領域に集まることが分かる。したがって、掘
削が順調に行われているときには、データは図の左下か
ら右上に至る帯状の領域(正常掘削領域)の中を岩盤の
硬さに応じて移動することになる。
【0014】一方、切羽が崩壊してきたり、ズリ取込み
口が閉塞したりすると、推力の増加に比べてカッターヘ
ッド回転トルクの増加割合が大きくなる。すると、デー
タは正常掘削領域から外れ、図4の右下の領域に移動す
る。
【0015】一方、天端が崩落して掘削機に大きな上載
荷重が作用したり、地圧による壁面の変形が大きくなり
掘削機の胴体が締め付けられると、トルクの増加に比べ
て推力の増加割合が大きくなる。この場合はデータは図
4の左上領域に移動する。
【0016】切羽も天端も崩落状態が激しい場合は、推
力もトルクも増加する。この場合のデータは、図4の右
上領域に移動し、正常掘削領域から外れることがない。
しかしこの場合には掘削ズリの状況をベルトコンベアー
などで目視するなど、他の情報から岩盤が硬く正常な掘
削が行われている場合とは区別することができる。
【0017】実際の掘削においては、トルクや推力の絶
対値は掘削機の掘進速度の操作によって変動する。しか
し前記の式(1)、(2)に基づいてトルクに関連する
パラメータとしてT/P(あるいはEs)を採用し、
推力に関連するパラメータとしてF/Pを採用すると、
これらの影響を相殺することができる。
【0018】<ホ>掘削作業へのフィードバック。 本発明の掘削装置は図4に示すような相関図をパソコン
上でリアルタイムに表示させる。そして図上でのデータ
の分布、およびその移動軌跡から、図3の関係に基づい
て掘削中の岩盤の状況を判断する。特に現在掘削中の岩
盤の状況を的確に判断しながら、最適の状況で掘削を継
続することができる。図4に示すような相関図を表示す
る装置は、掘削機の内部に設置することも、あるいは機
体の外部の設置することもできる。
【0019】
【本発明の効果】本発明のトンネル掘削装置は、現在掘
削中の推力、カッターヘッド回転トルク、掘進速度など
のデータを検出し、それらの相関図をパソコンでリアル
タイムに表示できる掘削装置である。したがって次のよ
うな効果を得ることができる。 <イ>掘削中の岩盤状況の変化をcm単位で把握して表
示することができる。したがってその表示にしたがって
操作すれば、最適な条件を選択して効率のよい掘削を継
続することができる。 <ロ>例えば、切羽の岩盤状況が崩落性に移行してきた
場合、オペレータはカッターヘッドの回転数を下げる、
掘削速度を低下するなどの対策によってカッターヘッド
のズリ取り込み口の閉塞を避けて掘削を継続することが
できる。 <ハ>さらに、掘削機の1ストローク(推進ジャッキが
伸びきるまで、1〜2m程度)ごとの平均データの相関
図を表示することにより、崩落などの程度を把握し、吹
き付けコンクリート、鋼製枠、ライナーなどの支保工の
選択の判断に役立てることができる。例えば、岩盤状況
が捕捉性に移行してきて回復の兆しがない場合、メイン
グリッパだけでは推力が不足する恐れがあると判断し、
ライナーを入れてシールドジャッキの推進反力を取る対
策を立てるなどの方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】切羽崩壊時のトンネル掘削装置の状況の説明
図。
【図2】天端崩落時のトンネル掘削装置の状況の説明
図。
【図3】トルクに関するパラメータと、推力に関するパ
ラメータとの相関図。
【図4】パソコンの画面に示された岩盤の状況を判定す
るための相関図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】岩盤中を掘進するトンネル掘削機におい
    て、 カッタートルク、推力、掘進速度、カッターヘッド回転
    数、カッター回転モーターの消費電力を検知するセンサ
    ーを設置し、 各センサーの検知値から、トルクに関するパラメータ
    と、推力に関するパラメータを取り出し、 両パラメータの相関関係を図示する表示装置を備えた、 トンネル掘削装置
  2. 【請求項2】トルクに関するパラメータとして、 {トルク÷(切り込み量のc乗)}を採用した、 請求項1記載の、トンネル掘削装置
  3. 【請求項3】トルクに関するパラメータとして、 単位掘進体積当たりのカッター回転モーターの消費電力
    量を採用した、 請求項1記載の、トンネル掘削装置
  4. 【請求項4】推力に関するパラメータとして、 (推力÷切り込み量)を採用した、 請求項1記載の、トンネル掘削装置
  5. 【請求項5】トルクに関するパラメータと、推力に関す
    るパラメータの相関関係を図示する表示装置を、 掘削機の機体内に備えた、 請求項1記載の、トンネル掘削装置
  6. 【請求項6】トルクに関するパラメータと、推力に関す
    るパラメータの相関関係を図示する表示装置を、 掘削機の機体外に備えた、 請求項1記載の、トンネル掘削装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020094414A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 川崎重工業株式会社 シールド掘進機
CN112065414A (zh) * 2020-09-24 2020-12-11 湖南尚上公路桥梁建设有限公司 一种市政管道施工方法

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JP2020094414A (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 川崎重工業株式会社 シールド掘進機
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