JPH11241290A - シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置 - Google Patents

シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置

Info

Publication number
JPH11241290A
JPH11241290A JP14551598A JP14551598A JPH11241290A JP H11241290 A JPH11241290 A JP H11241290A JP 14551598 A JP14551598 A JP 14551598A JP 14551598 A JP14551598 A JP 14551598A JP H11241290 A JPH11241290 A JP H11241290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
paper
mesh
net
wet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14551598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4057144B2 (ja
Inventor
正吉 ▲たか▼木
Masayoshi Takagi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DAIICHI CREATIVE KK
Original Assignee
DAIICHI CREATIVE KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DAIICHI CREATIVE KK filed Critical DAIICHI CREATIVE KK
Priority to JP14551598A priority Critical patent/JP4057144B2/ja
Publication of JPH11241290A publication Critical patent/JPH11241290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4057144B2 publication Critical patent/JP4057144B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Manipulator (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の抄紙サンプルシートの製造技術では、サ
ンプルシートの地合が悪く、製造に時間がかかり、乾燥
ムラを生じ易かった。 【解決手段】サンプリングしたパルプ液Pを抄き網39
に抄き採る際に撹拌を継続することで、抄き網39に抄
き採られるウエットシート3の地合を高める。このウエ
ットシート3をシートキャリア71の吸着ヘッド87が
吸引保持して、プレス板51に圧着しての脱水と、加熱
板53に圧着させての乾燥を行い、この脱水中及び加熱
中にウエットシート3から滲出又は揮発する水分を積極
的にサクションポンプ9に吸引除去することで乾燥を速
める。吸着ヘッド87が次のウエットシート3を保持す
る前に、吸着ヘッド87を水冷して熱平衡を図ること
で、加熱中に吸着ヘッド87が帯びた熱がウエットシー
ト3の乾燥に影響するのを防止でき、これにより全ての
ウエットシートの乾燥度合いが均一になるのを保証でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状部材の製
造方法とシート状部材の製造装置に係り、例えば、木材
や化学物質や金属等の各種繊維、あるいは食材又は汚泥
といった各種の原料を含む原料液からシート状部材を製
造する方法と、シート状部材を製造する装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、パルプ紙の製造においては、出
来上がり品質を予めチェックするためのサンプルシート
を製造し、そのサンプルシートで当該パルプ液の繊維濃
度を測ったり、地合や、要求されている色相が出ている
か否か等をチェックすることが行われる。このサンプル
シートの製造は、パルプ液を抄紙機に流す前に行われる
ものであって、その工程は、基本的には通常の抄紙ライ
ンにおける工程と同様に構成される。即ち、サンプリン
グしたパルプ液を抄き網(「ワイヤー」と称することが
ある)により抄いてウエットシートを得る工程と、ウエ
ットシートをプレスすることで脱水するプレス脱水工程
や、ウエットシートを加熱することで乾燥させる加熱乾
燥工程等から構成される。
【0003】このような工程によるサンプルシートの製
造は、従来、その大部分を手作業に頼ることが多かった
が、手作業による場合の時間的ロスや個人差による出来
上がりのバラツキ等の問題に鑑みて、近時、これを機械
的に行う試みが出てきており、そのための自動機が幾つ
か提案されている。例えば、特開平2−87041号公
報には、サンプリングしたパルプ液を希釈して撹拌した
後に、この希釈パルプ液をフィルター(抄き網)を通し
て吸引することでフィルター上にウエットシートを形成
させ、このウエットシートを加熱乾燥させるようにした
ものが記載されている。尚、パルプ液を抄き網を通して
排水する際にパルプ液を強制的に吸引除去すると、微細
繊維が抜けてしまって色抜けを来たすので、この排水は
自然落水に依ることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】抄紙工程におけるパル
プ液の撹拌は、パルプ液に含まれている繊維を均一に分
散させると共にその均一な分散状態で繊維どうしを良く
絡ませることで、フロック(小さな塊)の形成を防止し
且つ全面均一に必要な強度を得るという重要な意義を持
っている。このため、従来のこの種の装置にあっても、
パルプ液(希釈パルプ液)を抄き取る前にこのパルプ液
を撹拌する工程を設けている。
【0005】ところが、従来の装置は、その撹拌手段等
の構造上の制約から、実際にパルプ液を抄く時点では撹
拌を停止させなければならなかった。従って、実際に抄
き取りが行われている最中に、撹拌によって折角分散し
た繊維が部分的に集合してフロックを形成したり、繊維
どうしの絡み合いが解けてしまい、或いは、繊維が立っ
た姿勢で抄き採られることが多くなって、どうしても地
合が悪くなり、必要な強度がなかなか得られないという
問題を生じていた。抄紙工程における地合ムラや強度不
十分ということは、例えサンプルシートと言えども致命
的な欠陥であって、とりわけ着色紙を作る場合における
サンプルシートの地合ムラは、出来上った紙の色相を大
きく狂わせてしまう原因になるから、重大な問題であ
る。
【0006】また、ウエットシートを加熱して乾燥させ
る工程においては、加熱温度を高くするほど乾燥時間を
短縮できるわけであるが、一部の色の着色紙を除いて、
この加熱温度をあまり高くすると紙の色が著しく変わっ
てしまうので、この加熱温度はあまり高くすることはで
きず、その結果、乾燥に時間がかかってしまうという問
題があった。抄紙サンプルシートは1枚作れば足りると
いうものでは無く、何枚か作ってそれらの平均値や傾向
をチェックする必要があるので、このサンプルシートの
製造に長い時間がかかるとその分抄紙ラインの稼働効率
が低下することになる。
【0007】更に、ウエットシートを保持する保持手段
がウエットシートを保持した状態でこれをプレス板に押
しつけた後に、保持手段がプレス板から離れる際、ウエ
ットシートがプレス板に張り付いたまま残ってしまった
り、プレス板から剥がれる際にウエットシートの表面が
荒れてしまうことが多かった。このような荒れは色の判
定を狂わせる重大な品質不良となる。
【0008】また、加熱乾燥工程においてはウエットシ
ートを保持している保持手段自体も相当に加熱されるの
で、1つの処理サイクルが終わって次のウエットシート
を保持する際にも、この保持手段がかなりの熱を持って
いる。保持手段がかなり熱を持ったままでウエットシー
トを保持すると、ここで一気に乾燥が進んでしまい、し
かも、このとき進行する乾燥度合いは一定で無いため
に、次の工程に持ちこむ水分量が非常に不安定になって
しまうので、乾燥処理の時間や加熱温度の設定を一定に
しても、結果的には、ウエットシート毎に乾燥度合いが
バラついてしまうことになる。サンプルシート毎の乾燥
のバラツキは、当然、各種の測定値を狂わせる原因にな
る。
【0009】更に、抄き取られたばかりのウエットシー
トは、未だ繊維がしっかり結合し合っていないために非
常に破れ易いので、これを抄き網から剥がして次の工程
に移送する手段を構築することは案外困難である。この
ため、従来にあっては、抄き網を反転させることでウエ
ットシートを加熱板等に移す方法等が用いられていた
が、この方法によると、装置が複雑になってコスト高に
なるばかりか、ウエットシートが抄き網から上手く離れ
ないこともある等、動作に信頼性を欠くという問題があ
った。
【0010】尚、以上の諸問題は、抄紙の製造に限った
ことでは無く、再生紙用原料や汚泥等の成分を分析する
ための分析シートや、食材シート等、原料液を抄き取る
ことでシート状部材を得る各種のシート状部材の製造装
置について指摘される。
【0011】本発明は上記した従来の問題点に鑑みて為
されたものであり、抄き網に抄き取られるウエットシー
トの地合を最良にすることができ且つ全面均一な強度に
することを保証できるシート状部材の製造方法とシート
状部材の製造装置を提供することを目的とする。また本
発明は、過剰な熱を加えなくてもウエットシートの乾燥
を速めることができ、あるいは、ウエットシートの全面
を均一に脱水又は乾燥させることができるシート状部材
の製造方法とその装置を提供することを目的とする。
【0012】更に本発明は、薄く且つ非常に破れ易いウ
エットシートの保持を常に安定に行うことができ、ある
いは、ウエットシート保持手段が熱的にウエットシート
に影響を与えることが無く、又は、抄き網の目詰まりを
確実に防止できるシート状部材の製造装置を提供するこ
とを目的とする。そして、本発明は、プレス板に押しつ
けたウエットシートを保持手段がスムーズに剥離するこ
とができて、ウエットシートにダメージを与えることの
無いシート状部材の製造装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載のシート状部材の製造方法と請求項
4に記載のシート状部材の製造装置においては、原料液
の抄き取りは、原料液を撹拌しながら行うようにしたも
のである。従って、原料液は撹拌による繊維の均一な分
散作用を受けながら抄き網で抄き取られるので、抄き取
られたウエットシートの地合はフロックの無い最良の状
態となり、しかも、繊維が均一に分散した状態で互いに
良く絡み合って抄き採られるので、全面均一に必要な強
度を得ることができる。特に、請求項4の製造装置にお
いては、抄き網の上方において原料液を撹拌し抄き網の
下方から原料液を抜くという構造にしたので、原料液を
撹拌しながら抄き取ることを無理なく行うことができ、
装置が複雑になる虞れも無い。
【0014】請求項2に記載のシート状部材の製造方法
は、原料液の抄き取り工程と、抄き取ったウエットシー
トをプレスすることで脱水するプレス工程及び/又はウ
エットシートを加熱することで乾燥させる乾燥工程とを
含むシート状部材の製造方法において、プレス工程での
脱水中及び/又は乾燥工程での加熱中に、ウエットシー
トに負圧を加えることで滲出水分や揮発水分を積極的に
除去するようにしたものである。従って、プレスするこ
とで滲出した水分や加熱により蒸発した水分は、負圧に
よって積極的に取り除かれるので、脱水や乾燥が速やか
に進行すると共に、ウエットシートに対する脱水や乾燥
が全面均一に施され、また、ウエットシート毎の乾燥も
均一になり、乾燥が速やかに進行する分、加熱温度を低
く設定することが現実的に可能になる。
【0015】請求項3のシート状部材の製造方法は、請
求項2に記載したシート状部材の製造方法を、加熱乾燥
工程を有する抄紙方法に用いたものであって、加熱乾燥
工程での加熱温度を30°Cから100°Cの範囲内に
したものである。即ち、この発明では、ウエットシート
の繊維に付与された一般的な染料を変質あるいは変色さ
せない温度で加熱するようにしたものであり、このよう
に低い温度での加熱を現実的に可能にしたのは、プレス
中や加熱中にウエットシートに負圧をかけることで乾燥
速度を稼ぐようにしたからである。
【0016】請求項5のシート状部材の製造装置は、抄
き網を有する抄き網カップと、この抄き網カップに通じ
た給排水路と、ウエットシートを加熱乾燥させるための
加熱手段と、負圧吸引作用によるシート吸着面を有しこ
のシート吸着面でウエットシートを保持して加熱手段へ
の圧着その他の所要の処理を行う移動自在な吸着ヘッド
とを設け、当該所要の処理が1サイクル終了した後吸着
ヘッドが次のウエットシートを保持する前に、吸着ヘッ
ドを抄き網カップに結合させて抄き網カップに給水する
ことで吸着ヘッドの少なくともシート吸着面を水冷する
ようにしたものである。
【0017】従って、シートキャリアがウエットシート
を保持するときは、シートキャリアのシート保持面が必
ず熱平衡の状態になっているので、このシート保持面が
ウエットシートの乾燥に影響することは無く、その後の
プレス手段による脱水や加熱手段による乾燥の進行を正
しく管理することができて、全てのウエットシートが均
一に乾燥されるのを保証することができる。
【0018】請求項6に記載したシート状部材の製造装
置は、ウエットシートの抄き取りが終了した後、次の抄
き取りが開始するまで、抄き網カップに水を満たして抄
き網を水漬するようにしたものである。このようにする
ことで、抄き網カップが目詰まりするのを確実に防止す
ることができる。
【0019】請求項7の発明は、抄き取ったウエットシ
ートをプレスすることで脱水するためのプレス板と、抄
き取られたウエットシートを負圧吸引作用により保持し
て前記プレス板に押し付けるシートキャリアとを備えた
シート状部材の製造装置において、一端部が固定され他
端部に荷重が与えられた状態の剥離補助シートを前記プ
レス板の上面に被せたものである。
【0020】従って、この装置にあっては、プレス処理
が終了してシートキャリアがプレス板から離れる際、剥
離補助シートは、当初はウエットシートと共に引き上げ
られるが、両端部の負荷によって直ぐに弓なりに反って
ウエットシートから自然に剥離され、プレス板の上面に
落ち着く。これにより、シートキャリアはウエットシー
トだけをスムーズにプレス板から引き離すことができ
て、ウエットシートの表面が平滑な状態で取り上げるこ
とができ、それにより、高品質なサンプルシートを得る
ことができる。
【0021】請求項8に記載のシート状部材の製造装置
は、抄き網上に抄き取られたウエットシートを保持する
ための保持手段として、負圧吸引作用によるシート吸着
面を有した移動自在な吸着ヘッドを設け、この吸着ヘッ
ドは、下面が開口した外殻と、この外殻の開口を塞ぐよ
うに設けられた網と、この網に上側から重なった仕切板
と、この仕切板の下方に向かって開口した吸気路とを備
え、この吸気路が負圧になることで仕切板から上の空気
が仕切板の周りから上記網の目を縫って吸気路へ流れる
ようにしたものである。
【0022】即ち、この吸着ヘッドにあっては、外殻の
下面開口を塞いだ網がシート吸着面になり、このシート
吸着面がウエットシートに軽く接触又は近接した状態か
ら吸気が開始すると、吸気路と対応した部分が負圧にな
る他、仕切板から上の空気が仕切板の周りから下に回り
こんでシート吸着面の内側を舐めるように流れることに
よってシート吸着面の全体が負圧になる。特に、網の目
を縫って外側から中心に向かって流れる空気は周方向に
おいて略均等になるため、負圧力が片寄ることも無い。
従って、ウエットシートの吸着が全面略同時に、且つ、
全面均一な吸気力で行われるので、未だ繊維同士が結着
していないために非常に破れ易いウエットシートであっ
ても、吸着によって破れたり皺になったりすること無
く、スムーズに吸着保持されて行く。そして、全面的に
均一な吸気力が加えられるために、ウエットシートに対
する脱水もムラ無く進行させることができる。
【0023】請求項9に記載のシート状部材の製造装置
は、請求項8に記載したシート状部材の製造装置におい
て、網は、互いに重ねて複数枚設け、この複数の網は目
の細かいものを下側に位置させたものである。従って、
目の粗い網が、空気の流れる空隙を確実に形成すると共
にこの網の強度が前記空隙を保証し、それでいて、ウエ
ットシートに直接触れる網は目の細かいものであるから
ウエットシートに目立った網目が付く惧れも無い。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係
る抄紙サンプルシート製造装置1を図面に従って説明す
る。この抄紙サンプルシート製造装置1では、1サイク
ル動作ごとに薄い円板形をした抄紙サンプルシートが1
枚作成される。符号3(図4及び図6参照)は円板形を
したウエットシートを示し、このウエットシート3が乾
燥されて目的の抄紙サンプルシートになる。
【0025】5は抄紙サンプルシート製造装置1の機枠
を示し、その天板5aの右端部(図1における右方へ向
かう方向を右側とし、同図に向かって手前側を前方とす
る。以下の説明において向きを言うときはこの方向によ
るものとする。)にはストックインレット7が固定され
ている。また、機枠5の底板5bにはサクションポンプ
9が据え付けられると共に、底板5bの右端部には2方
向型のエアシリンダから成る抄き網昇降シリンダ11が
上を向く向きで取り付けられている。5cは機枠5の中
間ベースを示し、この中間ベース5cは左右方向に長い
矩形の枠形をしていて、機枠5の上下方向における略中
間の位置に水平に設けられている。
【0026】ストックインレット7(図1、図2、図5
参照)は上下方向に長い円筒状を成し、抄き網昇降シリ
ンダ11の軸心と同軸上にあって、機枠5の天板5aを
貫通するように配置されている。このストックインレッ
ト7の下端部には円帯形をしたフランジ7aが設けられ
ていて、このフランジ7aの下面にパッキン13が取り
付けられている。15はストックインレット5の上面を
閉塞した蓋板を示す。
【0027】上記蓋板15には、その中心部をエアー噴
射パイプ17が貫通すると共に、中心部を外れた位置を
パルプ液自動投入パイプ19とパルプ液手動投入パイプ
21が貫通している。パルプ液自動投入パイプ19の下
端は斜めにカットされ、このカットされた面の先端19
aはストックインレット7の下端面よりある程度上の位
置まで延びている。エアー噴射パイプ17の下端部には
側方へ向かって開口した複数の噴射孔17a(図5参
照)が形成されており、この噴射孔17aは、ストック
インレット7の下端面とパルプ液自動投入パイプ19の
先端19aとのちょうど中間辺りの高さに位置してい
る。
【0028】パルプ液自動投入パイプ19の上端部には
ストッカー23が取り付けられており、このストッカー
23には最大で抄紙サンプルシート5枚分のパルプ液P
を貯留できるようになっている。パルプ液自動投入パイ
プ19には電磁開閉型のパルプ液投下弁25が介挿され
ると共に、このパルプ液投下弁25のすぐ上に別のエア
ー噴射パイプ27の先端部が貫入されている。また、ス
トッカー7内の下端部寄り位置には、このストッカー7
の内周径より稍小さい直径の円板形をしたバブル拡散板
29(図1参照)が水平な向きで配置されている。
【0029】ストッカー23内のパルプ液Pを投下する
ときは、パルプ液投下弁25が開放される。そして、こ
の投下に先立って、前記エアー噴射パイプ27からスト
ッカー23内に高圧空気が供給されてストッカー23内
のパルプ液Pが十分撹拌され、それにより、パルプ液P
に含まれている繊維がいっぺんに投下されてしまうこと
の無いようにしている。ストッカー23内に噴射したエ
アーは泡となって浮上し、このとき、バブル拡散板29
に当って周囲へ拡散する。これにより、ストッカー23
内のパルプ液Pが満遍なく撹拌される。
【0030】パルプ液手動投入パイプ21の下端はパル
プ液自動投入パイプ19の下端より高いところに位置し
ており、このパルプ液手動投入パイプ21の上端に漏斗
31が設けられている。この漏斗31及びパルプ液手動
投入パイプ21は、ストックインレット7へのパルプ液
Pの投入を手操作により行うためのものであって、例え
ば、ストッカー23に貯留されているパルプ液Pとは違
う種類のパルプ液についてサンプルシートを製造する必
要が急遽生じた場合等に使用し、所定量計量して投入す
る。
【0031】32はパルプ液投下量検出センサを示す。
このパルプ液投下量検出センサ32はストッカー23か
ら投下されるパルプ液Pの量を計測するためのもので、
ストックインレット7の蓋板15を貫通し、その先端電
極はパルプ液自動投入パイプ19の先端19aより稍高
いところに位置している。
【0032】抄き網昇降シリンダ11のピストンロッド
33の上端部には4ポート型のパイプ継手35が固定さ
れており、このパイプ継手35に抄き網カップ37が取
り付けられている。抄き網カップ37は上面が開口した
円形の深皿状をしており、その上方開口部には外側へ突
出した円帯状のフランジ37aが設けられている。抄き
網カップ37の上方開口面はメッシュ100番程度の抄
き網39により覆われ、この抄き網39の外周部を挾ん
で上記フランジ37aに円帯形のパッキン41が取り付
けられている。そして、抄き網カップ37の底部には孔
37bが形成され、この孔37bにパイプ継手35の上
側のポートが接続されている。パイプ継手35の側方ポ
ートの一方にはサクションポンプ9の吸引口から延びた
第一のバキュームパイプ43が接続されている。
【0033】従って、抄き網カップ37は前記ストック
インレット7の真下に位置すると共に抄き網昇降シリン
ダ11が駆動することによって上下方向へ移動され、そ
の移動は、図1に示すようにパッキン41が中間ベース
5cより僅かに高いところに位置した下降位置と、図5
に示し、図1には二点鎖線で示すようにストックインレ
ット7に結合した上昇位置との間で行われる。抄き網カ
ップ37が上昇位置に来るとき、そのパッキン41はス
トックインレット7のパッキン13と密着される。
【0034】しかして、抄き網カップ37が上昇位置に
来ると、図5を見て分かるように、ストックインレット
7の下方開口が抄き網カップ37で塞がれて略密閉され
た状態の空間が形成され、この空間の下端部寄りの位置
に抄き網39が位置する。
【0035】45は溢水受皿を示す。この溢水受皿45
は抄き網カップ37より一回り程度大きい円形の皿形を
しており、抄き網カップ37を囲うように設けられ、そ
の底部には排水管47が接続されている。
【0036】中間ベース5cの上面には、抄き網カップ
37の移動軌跡の直ぐ左側にプレス板51が固定され、
このプレス板51の左脇に加熱板53が、更にその左側
に取外しカップ55がそれぞれ取り付けられている。プ
レス板51は、ウエットシート3をプレスすることで内
部水分を滲出除去するためのものであり、比較的厚い平
坦な金属板により形成され、その上面に剥離補助シート
57が被されている。この剥離補助シート57はテフロ
ン(商品名)シート等滑り性の良い材料により形成さ
れ、その右側端部はプレス板51の右側面に固定され、
その左端部はプレス板51よりある程度下まで延びてい
て、ここに適度な重さの錘59が取り付けられている。
【0037】加熱板53は、ウエットシート3を加熱乾
燥させるためのものであり、これも比較的厚い平坦な金
属板によって形成され、その下面に加熱器61が取り付
けられており、加熱板53はこの加熱器61によって加
熱される。この加熱温度はサンプリングしたパルプ液P
の質に応じて設定され、ウエットシート3に強い熱的変
性を与えたくない場合は100°C以下の温度にすると
良い。例えば、着色パルプの場合は30°Cから100
°Cの範囲とする。特に、そのパルプ液が黄色に着色さ
れている場合は50°Cから65°C程度、望ましくは
60°C程度とするのが良い。勿論、目的のサンプルシ
ートが繊維濃度のチェックのみを行うためのものである
場合等、熱的変性をある程度無視できるときは、この加
熱温度を100°C以上に設定することも差し支えな
い。
【0038】取外しカップ55は、後述する吸着ヘッド
に吸着保持されたウエットシート3をこの吸着ヘッドか
ら確実に取り外すための手段であって、前記抄き網カッ
プ37と略同じ構造を有する。即ち、取外しカップ55
は上面が開口した円形の深皿状をしており、その上方開
口部には外側へ突出した円帯状のフランジ55aが設け
られている。取外しカップ55の上方開口面はメッシュ
100番程度の金網63により覆われている。そして、
取外しカップ55の底部に形成された図示しない孔に第
二のバキュームパイプ65が接続され、この第二のバキ
ュームパイプ65は後述する第三のバキュームパイプと
共にサクションポンプ9の吸引口に接続されている。
【0039】下降位置に来ている抄き網カップ37の上
面と、プレス板51の上面と、加熱板53の上面と、取
外しカップ55の上面は、いずれも、同一水平面内に位
置している。
【0040】71はシートキャリアを示し(図1参
照)、このシートキャリア71は、抄き網39上に抄き
取られたウエットシート3を吸着保持して搬送するもの
である。73はシートキャリア71の移動ベースを示
し、この移動ベース73は機枠5に支持された左右方向
へ延びるガイドレール75に乗って移動するようになっ
ている。そして、移動ベース73の背面部にはモータ7
7が取り付けられ、このモータ77によって回転される
図示しないピニオンギアが機枠5に架設されたラック7
9と噛合しており、モータ77が回転することで移動ベ
ース73が左右方向へ移動される。
【0041】移動ベース73の上端部を為す水平壁には
2方向型のエアシリンダから成る吸着ヘッド昇降シリン
ダ81が下向き姿勢で取り付けられ、そのピストンロッ
ド83の先端部に3ポート型のパイプ継手85の上側ポ
ートが固定されている。このパイプ継手85の下側ポー
トに吸着ヘッド87(詳細は、図3、図7、図8を参
照)が取り付けられている。この吸着ヘッド87がウエ
ットシート3の吸着を直接担う機構になっている。
【0042】89は吸着ヘッド87の外殻を示し、この
外殻89は、下面が開口した円形の略皿状をしており、
その天壁91の中心部に円形の孔91aが形成され、こ
の孔91aと通じるようにして前記パイプ継手85の下
端部が固定されている。天壁91の中心部から外れた位
置には吸気孔91bが形成され、この吸気孔91bと通
じるようにバルブ取付管93が固定されている。このバ
ルブ取付管93に吸気量調節バルブ95が取り付けられ
ている。
【0043】外殻89の内部には、上から順に、金属製
の上側仕切板97及び下側仕切板99と、ゴム板101
と、上網103、中網105及び下網107が階層状に
配置されている。これらのうち、上側仕切板97の直径
は外殻89の内径と略等しく、その他の部材の直径は上
側仕切板97の直径よりある程度小さくなっている。下
側仕切板99は比較的厚く、この下側仕切板99の下面
にゴム板101が接着されている。上側仕切板97の中
心部には円形の挿通孔97aが形成されている。下側仕
切板99とゴム板101の中心部には取付孔109が形
成され、この取付孔109に取付パイプ111の下端部
が内嵌固定されている。
【0044】上側仕切板は97は複数のボルト113に
よって下側仕切板99に固定されると共に、これら上側
仕切板97と下側仕切板99との間にはスペーサ115
によって空間117が設けられている。取付パイプ11
1の上端部は上側仕切板97の挿通孔97aを通して上
方へ突出している。そして、この取付パイプ111の上
端部が前記パイプ継手85の下側ポートに捩じ込まれ、
それにより、上下の仕切板97、99及びゴム板101
が外殻89内に配置される。
【0045】外殻89の天壁91と上側仕切板97との
間にはボルト113の頭部をスペーサとする空間119
が残され、この空間119の周辺部はシリコン121を
充填することで気密に塞がれる。取付パイプ111はそ
の周囲に十分な余裕を有して挿通孔97aに挿通され
る。従って、上側の空間119と下側の空間117は挿
通孔97aを通して通じ合う。また、ゴム板101の下
面は外殻89の下面と略同じ高さに位置する。
【0046】123は円帯形をしたガスケットを示す。
このガスケット123は2枚重ねた状態で上側仕切板9
7の周縁部の下に配置される。そして、外殻89の天壁
91の周縁沿いの部分にはボルト通し孔91cが形成さ
れており、このボルト通し孔91cを通したボルト12
5が前記シリコン121の層と、上側仕切板97の周縁
部に形成されたボルト通し孔97bと、ガスケット12
3の周縁部に形成されたボルト通し孔123aを通さ
れ、このボルト125の先端部が後述する網フレームに
固定される。
【0047】上網103にはメッシュ8番のものが用い
られ、中網105にはメッシュ12番のものが用いられ
ている。そして、下網107にはメッシュ60番のもの
が用いられている。127は金属製の網フレームを示
し、この網フレーム127は前記ガスケット123と略
同じ大きさを有した円環状に形成され、この網フレーム
127の下面に下網107の周辺部がロウ付けされてい
る。
【0048】そして、下網107の上に中網105と上
網103を載せた状態で、網フレーム127がガスケッ
ト123に下から重ねられ、この状態で、前記ボルト1
25の先端部が網フレーム127の螺孔127aにねじ
込まれる。これにより、外殻89の下面が下網107に
より覆われるので、吸着ヘッド87の下面には3層の
網、特に、目の粗い上網103と中網105の多数の目
から成る偏平な空隙129が形成され、この空隙129
の中心部に向かって取付パイプ111の下端が開口す
る。
【0049】下網107の下面には薄いマスクシート1
31(図3にのみ示してある)が貼付されている。この
マスクシート131は円環形をしており、その外径は下
網107の直径と略同じで、内径はウエットシート3の
直径より僅かに小さい。従って、下網107はウエット
シート3より僅かに小さい面積で下方に向かって露出す
る。図7を見て分かるように、下網107の下面の周辺
部を除く部分は外殻89の下面より稍下に位置する。
【0050】吸着ヘッド87はこのような構造になって
いるので、下方に向かっては下網107のうちマスクシ
ート131から露出している円形の領域だけが通気性を
有するシート吸着面112になる。そして、外殻89の
内部には、吸気量調節バルブ95を一端としてバルブ取
付管93−空間119−挿通孔97a−空間117−下
側仕切板99の外周部−空隙129−取付パイプ111
の内側という順路のエアー通路132が形成される。
【0051】シートキャリア71の水平移動は、吸着ヘ
ッド87が抄き網カップ37とプレス板51と加熱板5
3と取外しカップ55のそれぞれの真上の位置の間で行
われる。また、吸着ヘッド87は吸着ヘッド昇降シリン
ダ81の駆動によって上下方向へ移動され、上に引き上
げられた状態では、図1に示すようにプレス板51等が
位置する前記水平面よりある程度上に離間したところに
位置し、この状態からピストンロッド83が突出する
と、抄き網カップ37、プレス板51、加熱板53、取
外しカップ55のうちの1つに圧着される。
【0052】図9は配管系を示す。前記した第一のバキ
ュームパイプ43には抄き網脱水弁133が介挿されて
いる。第一のバキュームパイプ43のうち抄き網脱水弁
133から抄き網カップ37側の部分には落水パイプ1
35と給水パイプ137がジャンクションされており、
落水パイプ135には落水弁139が、給水パイプ13
7には給水弁141がそれぞれ設けられている。抄き網
カップ37が取り付けられているパイプ継手35の他方
の側方ポートには大気開放弁143が設けられている。
【0053】145は前記第二のバキュームパイプ65
に設けられたシート吸着弁を示す。前記吸着ヘッド87
が取り付けられたパイプ継手85の側方ポートにはサク
ションポンプ9の吸引口から延びた第三のバキュームパ
イプ147が接続され、この第三のバキュームパイプ1
47には吸着ヘッド負圧弁149がシート吸着弁145
と並列に介挿されている。上記した抄き網脱水弁13
3、落水弁139、給水弁141、大気開放弁143、
シート吸着弁145及び吸着ヘッド負圧弁149は、い
ずれも電磁開閉型のものを用いている。抄紙サンプルシ
ート製造装置1は以上のように構成されている。
【0054】次に、この抄紙サンプルシート製造装置1
による動作を順を追って説明する(図10から図14を
参照)。 (A.初期状態)初期状態において、抄き網カップ37
は下降位置にて待機し、吸着ヘッド87は抄き網カップ
37の真上の位置にて待機している。また、前記各制御
弁は「閉」になっていて、サクションポンプ9は運転を
停止している。加熱板53はメイン電源の投入によって
ヒートアップされ、設定された温度を維持する。ストッ
カー23には抄紙ラインからサンプリングしたパルプ液
Pを所要量入れておく。
【0055】(B.吸着ヘッドの熱平衡処理)初期状態
からスタートスイッチが投入されると、吸着ヘッド87
が下降して抄き網カップ37に圧着され(図10参
照)、これら吸着ヘッド87と抄き網カップ37とによ
って閉鎖空間が形成される。吸着ヘッド87が抄き網カ
ップ37に圧着したことが図示しないセンサにより検出
されると、吸着ヘッド負圧弁149、給水弁141、大
気開放弁143がそれぞれ「開」にされると共にサクシ
ョンポンプ9が運転を開始する。これにより、清水が給
水パイプ137及び第一のバキュームパイプ43を経て
上記閉鎖空間に供給され、この清水は吸着ヘッド87の
3層の網107、105、103をすり抜けた後、パイ
プ継手85から第三のバキュームパイプ147を経てサ
クションポンプ9に吸引される。従って、この清水の流
れにより吸着ヘッド87の下面である3層の金網10
7、105、103やゴム板101等が熱平衡される。
【0056】吸着ヘッド87が抄き網カップ37に圧着
されてから1分経過すると、給水弁141が「閉」にな
って給水が停止されると共に、吸着ヘッド87が上に戻
され(抄き網カップ37から離間)、吸着ヘッド負圧弁
149、大気開放弁143がいずれも「閉」にされ、サ
クションポンプ9の運転が停止する。そして、シートキ
ャリア71はプレス板51の真上の位置へと移動されて
ここで待機する。
【0057】(C.パルプ液の投入とストックインレッ
ト)吸着ヘッド87がプレス板51の真上の位置に来た
ことが図示しない近接スイッチにより検出されると、抄
き網カップ37が上昇位置へと移動されてストックイン
レット7に下方から圧着され、これら抄き網カップ37
とストックインレット7とで閉鎖空間が形成される。次
いで、給水弁141が「開」になって上記閉鎖空間に清
水151が供給される。この清水151の液面がパルプ
液自動投入パイプ19の先端19aに達すると(図5参
照)、このパルプ液自動投入パイプ19を電極とするレ
ベル計が清水供給の完了を検知し、それにより、給水弁
141が「閉」になって給水が停止される。この状態で
は、図5を見て分かるように、前記したエアー噴射パイ
プ17の噴射孔17aが清水151の中に位置する。
【0058】ストックインレット7への給水が停止する
と、今度は、エアー噴射パイプ27からストッカー23
内に高圧空気が噴射されて、ストッカー23内のパルプ
液Pを撹拌する。この撹拌が始まって15秒経過する
と、パルプ液投下弁25が「開」になってパルプ液Pが
ストックインレット7に投下される。そして、この投下
により清水151の液面が上昇して前記パルプ液投下量
検出センサ32の下端に接すると、パルプ液投下弁25
が「閉」になってパルプ液Pの投下が停止し、エアー噴
射パイプ27による高圧空気の噴射も停止する。これに
より、抄紙サンプルシート1枚分のパルプ液Pが清水1
51に加えられる。
【0059】パルプ液Pの投下が停止すると直ぐに、エ
アー噴射パイプ17からストックインレット7内に高圧
空気が噴射され、この噴射によってパルプ液Pと清水1
51とが十分撹拌混合される。従って、投下されたパル
プ液Pは清水151によって希釈されると共に噴射する
空圧空気の泡で撹拌されて繊維を均一に分散される、即
ち、ストックインレットされる。この処理は約10秒継
続される。
【0060】(D.ウエットシートの抄き採りと脱水)
パルプ液Pが投下されてから10秒経過すると、高圧空
気の供給を継続したまま、落水弁139が「開」になっ
て、前記閉鎖空間内の希釈されたパルプ液Pが第一のバ
キュームパイプ43と落水パイプ135を経て自然落水
される。このとき、パルプ液P中の繊維が抄き網39で
抄き取られてウエットシート3を形成して行く(図4参
照)。
【0061】そして、この落水により閉鎖空間内の水位
が下がって、その液面がパルプ液自動投入パイプ19の
先端19aに達したことがレベル計により検出される
と、高圧空気の供給が停止され、この後30秒経過する
と、落水弁139が「閉」になり、抄き網脱水弁133
が「開」になると共にサクションポンプ9が運転を開始
する。これにより、抄き網39に付着している水分とウ
エットシート3の飽和水分以上の水分が除去される。
【0062】(E.ウエットシートのピックアップ)こ
の脱水が2秒行われると、抄き網カップ37が下降位置
に戻され(ストックインレット7から離間する)、次い
で、シートキャリア71が移動して、吸着ヘッド87が
抄き網カップ37の真上の位置を経て再び抄き網カップ
37に圧着される。ここで、抄き網脱水弁133が
「閉」になり、吸着ヘッド負圧弁149と大気開放弁1
43が「開」になる。これにより、抄き網カップ37内
の空間が大気に開放されると共に吸着ヘッド87内が負
圧になって、抄き網39上にあったウエットシート3が
吸着ヘッド87に吸着保持される。
【0063】吸着ヘッド87によるウエットシート3の
吸着は、具体的に次のように行われる。吸着ヘッド87
が抄き網カップ37に圧着すると、そのシート吸着面1
12が抄き網カップ37のパッキン41の内側に収まっ
てウエットシート3に軽く接触又は近接する。従って、
ウエットシート3とパッキン41とシート吸着面112
とで閉鎖空間が形成される。この状態から、吸着ヘッド
負圧弁149が開いて取付けパイプ111内が負圧にな
ると、ウエットシート3の中央部がシート吸着面112
に吸着され、これと略同時に、外殻89内の空気が仕切
板99の周囲から下へ回り込んで前記空隙129を通っ
て取付けパイプ111へ流れて行く。この空気の流れに
よってシート吸着面112の全体が負圧になり、この全
面的な負圧によってウエットシート3がシート吸着面1
12に吸着される。
【0064】このように、シート吸着面112へのウエ
ットシート3の吸着は、全面略同時に行われる。このよ
うな作用を可能にしたのは、シート吸着面112とウエ
ットシート3とが軽く接触するか又は極く近接した状態
から吸気を開始するようにしたことと、空隙129を設
けることでシート吸着面112の全体を負圧にできるよ
うにしたことにある。特に、空隙129を外側から中心
に向かって流れる空気は周方向において略均等になるた
め、吸着力が片寄ることもも無い。
【0065】しかして、ウエットシート3の吸着が全面
略同時に、且つ、全面均一な吸気力で行われるので、未
だ繊維同士が結着していないウエットシートであって
も、吸着によって破れたり皺になったりすることは無
く、しっかり吸着保持される。そして、全面的に均一な
吸気力が加えられるために、ウエットシート3に対する
脱水をムラ無く進行させることができ、このことも、皺
を生じさせない重要な要素となる。
【0066】尚、吸気量調節バルブ95の開放度は、ウ
エットシート3を冷却してしまうことの無い程度に調節
する。
【0067】(F.プレスによる脱水)次いで、吸着ヘ
ッド87が上に移動された後、シートキャリア71がプ
レス板51の真上まで移動され、ここで吸着ヘッド87
が剥離補助シート57を挟んでプレス板51に圧着され
る(図11参照)。これにより、ウエットシート3がプ
レス板51に押しつけられて水分を滲出させると共に、
厚みを均一にされる。
【0068】このとき、吸着ヘッド87がウエットシー
ト3をプレス板51に押しつける圧力は、ウエットシー
ト3の全面に対して均一に加えられる。即ち、吸着ヘッ
ド87の圧力は下側仕切板99及びゴム板101から上
網103、中網105、下網107を経てウエットシー
ト3に加えられ、3枚の金網103、105、107を
経る際に分散され、最終的には最も細かい目になってい
る下網107のワイヤーを経て加えられるからである。
しかも、この圧力は途中でゴム板101を経るので、吸
着ヘッド87とプレス板51との平行が多少崩れていて
もこの崩れはゴム板101に吸収されるからである。ま
た、ウエットシート3への圧力がこのように加えられる
ために、ウエットシート3に目立った網目(中網105
や上網103の目)が付くことも無い。
【0069】そして、前記空隙129は3枚の金網10
3、105、107によって形成されており、特に、上
網103と中網105には目が粗いものを使用している
ために強度が高く、吸着ヘッド87がプレス板51に押
しつけられても、この空隙129が潰されることは無
い。従って、ウエットシート3をプレスしている間にお
いても、エアー通路132の空気流は確保され、この空
気流によって、ウエットシート3から滲出した水分が積
極的に除去される。このプレスは3分間継続され、この
プレス処理によりウエットシート3の水分は略15パー
セント程度にされる。
【0070】(G.抄き網の保水)吸着ヘッド87が抄
き網カップ37から逃げた後所定のタイミングで、給水
弁141が「開」になって抄き網カップ37に給水が為
され、この給水は抄き網カップ37からある程度溢れる
まで十分な時間継続された後停止する。溢れた水は溢水
受皿45が受けて排水管47から排水される。抄き網カ
ップ37に供給された水はそのまま保持される。従っ
て、抄き網39は抄き網カップ37内に蓄えられた水に
浸ることで常時保水され、これにより、パルプ液Pの繊
維が抄き網39に付着して目詰まりするのを防止され
る。
【0071】(H.プレス板からの剥離)プレス処理が
終了すると、吸着ヘッド87が上に引き上げられる。こ
のとき、前記剥離補助シート57は、当初、図6に二点
鎖線で示すようにウエットシート3と共に引き上げられ
るが、左右両側部の負荷によって直ぐに弓なりに反って
ウエットシート3から自然に剥離し、プレス板51の上
面に落ち着く。これにより、吸着ヘッド87はウエット
シート3だけをスムーズにプレス板51から引き離すこ
とができ、これを破ったりすることの無いのは勿論、ウ
エットシート3の表面を荒らすことも防止される。
【0072】(I.加熱乾燥)こうして吸着ヘッド87
がプレス板51から離間した後、シートキャリア71は
加熱板53の真上の位置を経てこの加熱板53に圧着さ
れる(図12参照)。これによって、ウエットシート3
が加熱乾燥され、ここでも、ウエットシート3から蒸発
する水分はサクションポンプ9による吸引作用によって
積極的に取り除かれる。この場合の水分の除去も全面均
一に行われるので、皺が生じることも無い。この加熱は
略3分間行われ、これによりウエットシート3が絶乾状
態になる。
【0073】加熱板53の熱はウエットシート3を経て
吸着ヘッド87にも伝わるが、3層の金網107、10
5、103の上にはゴム板101が配置されているの
で、このゴム板101においてかなり断熱され、下側仕
切板99より上に伝わることは少ない。
【0074】加熱開始から3分経過した後シートキャリ
ア71が上に引き上げられる。この引上げが行われる直
前にシート吸着弁145を「開」にしてサクションポン
プ9による吸引力を一部逃がして吸着ヘッド87の負圧
力を低下させる。従って、次の取外し工程において、ウ
エットシート3が吸着ヘッド87から外れ易くなる。
【0075】(J.取外し)吸着ヘッド87が加熱板5
3から離間すると、シートキャリア71は取外しカップ
55の真上の位置へと移動される。そして、大気開放弁
143、吸着ヘッド負圧弁149を「閉」にして取外し
カップ55の金網63での負圧吸引力を高めた後、吸着
ヘッド87が取外しカップ55に圧着される(図13参
照)。これにより、それまで吸着ヘッド87のシート吸
着面112に保持されていたウエットシート3が取外し
カップ55の金網63に吸い取られる。次いで、抄き網
脱水弁133を「開」にして取外しカップ55の吸引力
を弱めてウエットシート3を取外し易くする。
【0076】この後、吸着ヘッド87が上に引き上げら
れた後、シートキャリア71は抄き網カップ37の真上
の位置へと移動されて熱平衡処理が始まるまでそこに待
機され、サクションポンプ9は運転を停止され、抄き網
脱水弁133とシート吸着弁145が「閉」にされる。
【0077】以上の動作が繰り返されて必要な数のサン
プルシートが製造される。この場合、先ず吸着ヘッド8
7のシート吸着面112が水冷により熱平衡されるの
で、抄き網39に抄き取られたウエットシート3に、熱
せられたままの吸着ヘッド87が接触してウエットシー
ト3に急激な乾燥や変色等の熱変性を与えるのを確実に
防止される。
【0078】尚、この抄紙サンプルシート製造装置1に
おいては、ウエットシート3を加熱乾燥させる前にプレ
ス処理によって水分を滲出させるようにしたが、場合に
よっては、プレス工程を省いて、加熱処理による乾燥の
みとしても良い。
【0079】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設
計の変更などがあっても本発明に含まれる。
【0080】例えば、実施の形態においては、吸着ヘッ
ドのシート吸着面を構成する網として金網を用いたが、
この網には、針金を織った形の通常の金網に限らず、断
面に空隙がある構造のものであればどのようなものであ
っても使用可能である。特に、JIS(日本工業規格)
で定められている抄紙の強度試験に供するサンプルシー
ト等を製作しようとする場合、実施の形態に示したよう
な金網(特に、前記した上網や中網など粗目のもの)を
装着したままでウエットシートに規定どおりの強いプレ
ス圧を加えると、その網目がウエットシートに付いてし
まうおそれがあるが、表面の凹凸が極く微小な網、例え
ば、抄紙機のドライヤーに用いられている「カンバス」
と称される合成樹脂製の網等を用いれば、強いプレス圧
を加えた場合でも、少なくとも金網よりは目立った網目
が付くことは無い。
【0081】また、撹拌手段として高圧空気を用いるよ
うにしたが、この撹拌手段は、撹拌羽根や超音波振動な
どであっても良い。更に、実施の形態においては、本発
明を抄紙サンプルシート製造装置に適用したが、本発明
はこのようなシートに限らず、例えば、合成繊維や金属
繊維を含む各種のシート類とか、故紙原料や汚泥等の内
容分析用シート、あるいは、春雨や小魚、海藻その他の
食材を主成分とするシート状食材等、様々なシート状部
材の製造方法とその装置に広く適用することができる。
この場合、目的のシート状部材が所謂サンプルであると
量産品であるとを問うことは無く、これら各種のシート
状部材の大きさが特に小さいものに限られないことも勿
論である。
【0082】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載したシー
ト状部材の製造方法と、請求項4に記載したシート部材
の製造装置によれば、原料液は撹拌による繊維の均一な
分散作用を受けながら抄き網で抄き取られるので、抄き
取られたウエットシートの地合はフロックの無い最良の
状態となり、しかも、繊維が均一に分散した状態で互い
に良く絡み合って抄き採られるので、全面均一に必要な
強度を得ることができる。特に、請求項4の製造装置に
おいては、抄き網の上方において原料液を撹拌し抄き網
の下方から原料液を抜くという構造にしたので、原料液
を撹拌しながら抄き取ることを無理なく行うことがで
き、装置が複雑になる虞れも無い。
【0083】請求項2のシート状部材の製造方法によれ
ば、プレスすることで滲出した水分や加熱により揮発し
た水分は負圧によって積極的に取り除かれるので、脱水
や乾燥が速やかに進行すると共に、ウエットシートに対
する脱水や乾燥が全面均一に施され、また、全てのウエ
ットシートの乾燥も均一になり、乾燥が速やかに進行す
る分、加熱温度を低く設定することが可能になる。
【0084】請求項3のシート状部材の製造方法では、
ウエットシートの繊維に付与された一般的な染料を変質
あるいは変色させない温度で加熱するようにしたもので
あり、このように低い温度での加熱を現実的に可能にし
たのは、プレス中や加熱中にウエットシートに負圧をか
けることで乾燥速度を稼ぐようにしたからである。
【0085】請求項5のシート状部材の製造装置によれ
ば、シートキャリアがウエットシートを保持するとき
は、シートキャリアのシート保持面が必ず熱平衡の状態
になっているので、このシート保持面がウエットシート
の乾燥に影響することは無く、その後のプレス手段によ
る脱水や加熱手段による乾燥の進行を正しく管理するこ
とができて、全てのウエットシートが均一に乾燥される
のを保証することができる。
【0086】請求項6のシート状部材の製造装置によれ
ば、抄き網カップが目詰まりするのを確実に防止するこ
とができる。
【0087】請求項7のシート状部材の製造装置によれ
ば、シートキャリアはウエットシートだけをスムーズに
プレス板から引き離すことができて、ウエットシートの
表面が平滑な状態で取り上げることができるので、高品
質なサンプルシートを得ることができる。
【0088】請求項8のシート状部材の製造装置によれ
ば、ウエットシートの吸着が全面略同時に、且つ、全面
均一な吸気力で行われるので、未だ繊維同士が結着して
いないために非常に破れ易いウエットシートであって
も、吸着によって破れたり皺になったりすること無く、
スムーズに吸着保持されて行く。そして、全面的に均一
な吸気力が加えられるために、ウエットシートに対する
脱水もムラ無く進行させることができる。
【0089】請求項9のシート状部材の製造装置によれ
ば、目の粗い網が、空気の流れる空隙を確実に形成する
と共にこの網の強度が前記空隙を保証し、それでいて、
ウエットシートに直接触れる網は目の細かいものである
からウエットシートに目立った網目が付く惧れも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る抄紙サンプルシート
製造装置を一部切り欠いて示す正面図である。
【図2】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要部
を拡大した斜視図である。
【図3】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけ
る吸着ヘッドの拡大底面図である。
【図4】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけ
る抄き網カップを、これに抄き取られたウエットシート
を一部切り欠いた状態で示す要部拡大斜視図である。
【図5】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけ
るストックインレット容器と抄き網カップとが結合した
状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図6】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけ
るプレス処理の状態を示す要部拡大正面図である。
【図7】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけ
る吸着ヘッドを拡大した中央垂直断面図である。
【図8】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけ
る吸着ヘッドを一部切り欠いた状態で拡大した分解斜視
図である。
【図9】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の配管
系を示す図である。
【図10】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要
部を、吸着ヘッドが抄き網カップに圧着された状態で示
す正面図である。
【図11】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要
部を、吸着ヘッドがプレス板に圧着された状態で示す正
面図である。
【図12】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要
部を、吸着ヘッドが加熱板に圧着された状態で示す正面
図である。
【図13】図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要
部を、吸着ヘッドが取外しカップに圧着された状態で示
す正面図である。
【符号の説明】
1 シート状部材の製造装置 3 シート状部材(ウエットシート) 7 撹拌容器 17 撹拌手段 37 抄き網カップ 39 抄き網 43、135 排水路 43、137 給水路 51 プレス手段(プレス板) 53、61 加熱手段 57 剥離補助シート 59 荷重 71 シートキャリア 87 吸着ヘッド 89 外殻 99 仕切板 103 網 105 網 107 網(目の細かい網) 111 吸気路 112 シート吸着面 P 原料液(パルプ液)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料液を抄き網に通すことで抄き網上にウ
    エットシートを抄き取る抄き取り工程を含むシート状部
    材の製造方法であって、抄き取り工程は、原料液を撹拌
    しながら行うことを特徴とするシート状部材の製造方
    法。
  2. 【請求項2】原料液を抄き網に通すことで抄き網上にウ
    エットシートを抄き取る抄き取り工程と、ウエットシー
    トをプレスすることで脱水するプレス脱水工程及び/又
    はウエットシートを加熱することで乾燥させる加熱乾燥
    工程とを含み、プレス工程でのプレス中及び/又は加熱
    乾燥工程での加熱中に、ウエットシートに負圧を加える
    ことで滲出水分や揮発水分を積極的に除去することを特
    徴とするシート状部材の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載したシート状部材の製造方
    法において、原料液がパルプ液であり、加熱乾燥工程を
    有し、この加熱乾燥工程での加熱温度を30°Cから1
    00°Cの範囲内としたことを特徴とするシート状部材
    の製造方法。
  4. 【請求項4】下面が開口し原料液が投入される撹拌容器
    と、上方開口面に抄き網が張設され前記撹拌容器に下方
    から結合分離自在に結合される抄き網カップと、撹拌容
    器内に設けられた撹拌手段と、前記抄き網カップに通じ
    た排水路と、シートキャリアとを備え、抄き網カップが
    撹拌容器に結合された状態で撹拌容器に原料液を投入し
    て前記撹拌手段により撹拌し、この撹拌を行いながら原
    料液を抄き網に通して排水することで抄き網上にウエッ
    トシートを抄き取り、このウエットシートをシートキャ
    リアが保持して次の工程に移送することを特徴とするシ
    ート状部材の製造装置。
  5. 【請求項5】上方開口面に抄き網が張設されこの抄き網
    を通して原料液が排水されることで抄き網上にウエット
    シートが抄き取られる抄き網カップと、この抄き網カッ
    プに通じた給排水路と、ウエットシートを加熱乾燥させ
    るための加熱手段と、負圧吸引作用によるシート吸着面
    を有しこのシート吸着面でウエットシートを保持して加
    熱手段への圧着その他の所要の処理を行う移動自在な吸
    着ヘッドとを備えたシート状部材の製造装置であって、
    当該所要の処理が終了した後吸着ヘッドが次のウエット
    シートを保持する前に、吸着ヘッドを抄き網カップに結
    合させて抄き網カップに給水することで吸着ヘッドの少
    なくともシート吸着面を水冷することを特徴とするシー
    ト状部材の製造装置。
  6. 【請求項6】下面が開口し原料液が投入される撹拌容器
    と、上方開口面に抄き網が張設され前記撹拌容器に下方
    から結合分離自在に結合される抄き網カップと、撹拌容
    器内に設けられた撹拌手段と、前記抄き網カップに通じ
    た給排水路と、シートキャリアとを備え、抄き網カップ
    が撹拌容器に結合された状態で撹拌容器に原料液を投入
    して前記撹拌手段により撹拌し、原料液を抄き網を通し
    て排水することにより抄き網上にウエットシートを抄き
    取り、このウエットシートをシートキャリアが保持して
    次の工程に移送し、ウエットシートの抄き取りが終了し
    た後次の抄き取りが開始するまで、抄き網カップに水を
    満たして抄き網を水漬することを特徴とするシート状部
    材の製造装置。
  7. 【請求項7】上方開口面に抄き網が張設されこの抄き網
    を通して原料液が排水されることで抄き網上にウエット
    シートが抄き取られる抄き網カップと、この抄き網カッ
    プに通じた排水路と、ウエットシートをプレスすること
    で脱水するためのプレス板と、一端部が固定され他端部
    に荷重が与えられた状態で前記プレス板の上面に被され
    た剥離補助シートと、抄き取られたウエットシートを負
    圧吸引作用により保持して前記プレス板に押し付けるシ
    ートキャリアとを備えたことを特徴とするシート状部材
    の製造装置。
  8. 【請求項8】上方開口面に抄き網が張設されこの抄き網
    を通して原料液が排水されることで抄き網上にウエット
    シートが抄き取られる抄き網カップと、この抄き網カッ
    プに通じた排水路と、負圧吸引作用によるシート吸着面
    を有しこのシート吸着面でウエットシートを保持して次
    の工程に移送する吸着ヘッドとを備えたシート状部材の
    製造装置であって、前記吸着ヘッドは、下面が開口した
    外殻と、この外殻の開口を塞ぐように設けられた網と、
    この網に上側から重なった仕切板と、この仕切板の下方
    に向かって開口した吸気路とを備え、この吸気路が負圧
    になることで仕切板から上の空気が仕切板の周りから上
    記網の目を縫って吸気路へ流れるようにしたことを特徴
    とするシート状部材の製造装置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載したシート状部材の製造装
    置であって、網は互いに重なって複数設けられ、この複
    数の網は目の細かいものが下側に位置することを特徴と
    するシート状部材の製造装置。
JP14551598A 1997-12-22 1998-05-27 シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置 Expired - Fee Related JP4057144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14551598A JP4057144B2 (ja) 1997-12-22 1998-05-27 シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36573197 1997-12-22
JP9-365731 1997-12-22
JP14551598A JP4057144B2 (ja) 1997-12-22 1998-05-27 シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000260385A Division JP4139556B2 (ja) 1997-12-22 2000-08-30 ウエットシートの吸着保持機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11241290A true JPH11241290A (ja) 1999-09-07
JP4057144B2 JP4057144B2 (ja) 2008-03-05

Family

ID=26581695

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14551598A Expired - Fee Related JP4057144B2 (ja) 1997-12-22 1998-05-27 シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置
JP2000260385A Expired - Lifetime JP4139556B2 (ja) 1997-12-22 2000-08-30 ウエットシートの吸着保持機構

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000260385A Expired - Lifetime JP4139556B2 (ja) 1997-12-22 2000-08-30 ウエットシートの吸着保持機構

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP4057144B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020990A (ja) * 2000-07-06 2002-01-23 Nsk Warner Kk 抄紙方法及び抄紙装置
JP2002020991A (ja) * 2000-07-06 2002-01-23 Nsk Warner Kk 抄紙方法及び抄紙装置
US6929717B2 (en) 2000-07-06 2005-08-16 Nsk - Warner Kabushiki Kaisha Paper making method and apparatus
CN114108391A (zh) * 2020-08-28 2022-03-01 常州市诚鑫环保科技有限公司 具高强度且两面光滑的纸塑杯体的制造方法
CN116474608A (zh) * 2023-05-09 2023-07-25 江苏中金玛泰医药包装有限公司 一种胶粘剂原材料配比设备及其使用方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008174879A (ja) * 2007-01-20 2008-07-31 Seed:Kk 古紙再生装置のパルプ濃度調整方法および装置
JP5484122B2 (ja) * 2010-02-26 2014-05-07 デュプロ精工株式会社 古紙処理装置
CN111472195B (zh) * 2020-01-17 2022-05-17 陕西科技大学 一种手工造纸装置及手工造纸方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002020990A (ja) * 2000-07-06 2002-01-23 Nsk Warner Kk 抄紙方法及び抄紙装置
JP2002020991A (ja) * 2000-07-06 2002-01-23 Nsk Warner Kk 抄紙方法及び抄紙装置
US6929717B2 (en) 2000-07-06 2005-08-16 Nsk - Warner Kabushiki Kaisha Paper making method and apparatus
CN114108391A (zh) * 2020-08-28 2022-03-01 常州市诚鑫环保科技有限公司 具高强度且两面光滑的纸塑杯体的制造方法
CN116474608A (zh) * 2023-05-09 2023-07-25 江苏中金玛泰医药包装有限公司 一种胶粘剂原材料配比设备及其使用方法
CN116474608B (zh) * 2023-05-09 2023-12-08 江苏中金玛泰医药包装有限公司 一种胶粘剂原材料配比设备及其使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4057144B2 (ja) 2008-03-05
JP4139556B2 (ja) 2008-08-27
JP2001113485A (ja) 2001-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11241290A (ja) シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置
KR920009572B1 (ko) 목질계 성형체 제조방법
US5301604A (en) Reduced-pressure fryer machine
KR100660091B1 (ko) 초지기
JP4950741B2 (ja) 洗濯物の圧搾式脱水方法及び圧搾式脱水機
KR101757902B1 (ko) 계란팩 제조를 위한 펄프몰드 성형시스템
CN112964614A (zh) 一种无纺布吸水性检测设备
KR100798049B1 (ko) 펄프 몰딩기의 탈수성형 장치
JP3037881U (ja) 和紙風再生紙の簡易型紙漉装置
JP2002204963A (ja) 洗米・浸漬方法とその装置および炊飯方法
JP2001073289A (ja) 抄紙サンプルシート製造装置
JP2003169618A (ja) 湯葉及び腐竹の自動製造装置
JP7233735B2 (ja) 乾燥海苔製造装置
JP3035636B2 (ja) 抄造方法並びに装置
JPH0646472Y2 (ja) 脱水機
JP4103104B2 (ja) 紙製書画等の修復方法と修復装置
JPH08337995A (ja) 湿式摩擦材の製造方法
CN111074693B (zh) 一种消除纸浆模塑制品表面缺陷的二次吸浆补偿技术方法
CN217262166U (zh) 一种hmg粗品生产用存储罐
JP2004060113A (ja) 加圧プレス装置および抄造成形装置
CN208554570U (zh) 一种智能型蔬菜种子筛选烘干一体机
JP3537386B2 (ja) 既洗浸漬米の製造装置
JP2004052163A (ja) 抄造成形方法およびその装置
JPS58149664A (ja) 自動海苔抄製機における抄製水滴落下防止法
JP2562515Y2 (ja) 簡易紙手漉き器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101221

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111221

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121221

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131221

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees