JP4139556B2 - ウエットシートの吸着保持機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材や化学物質や金属等の各種繊維、あるいは食材または汚泥といった各種の原料を含む原料液からシート状部材を製造するにあたって、抄き取ったウエットシートを抄き網から受け取る際の保持機構に関するものであって、本出願人がすでに出願に及んでいる特開平11−241290号「シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置」の分割出願に係るものである。
【0002】
【発明の背景】
例えばパルプ紙の製造においては、でき上がり品質をあらかじめチェックするためにサンプルシートを製造し、そのサンプルシートで当該パルプ液の繊維濃度を測ったり、地合や、要求されている色相が出ているか否かをチェックすることが行われる。そしてこのサンプルシートの製造は、パルプ液を抄紙機に流す前に行われるものであって、その工程は、基本的には通常の抄紙ラインにおける工程と同様に構成される。すなわち、サンプリングしたパルプ液を抄き網(「ワイヤー」と称することがある)により抄いてウエットシートを得る工程と、ウエットシートをプレスすることで脱水するプレス脱水工程や、ウエットシートを加熱することで乾燥させる加熱乾燥工程等から構成される。
【0003】
そして本出願人は、このような一連の製造工程を効率的且つ安定的に行うべく、各工程を担う装置等において、随所に工夫を凝らした開発を試み、特開平11−241290号「シート状部材の製造方法とシート状部材の製造装置」の出願に至っている。
この技術的工夫としては、抄き網上に抄き取られたばかりのウエットシートを、ほぼ均一に全体的に吸着保持して、抄き網から剥がすようにした保持構造が開示されている。これは抄き取られたばかりのウエットシートは、未だ繊維同士がしっかり結合し合っていないために、非常に破れやすく、例えばウエットシートの一部分を局部的に吸着したり、全体的に吸着しても吸着力に片寄りがあるような場合には、破れたり、皺になったりする場合が多かったためである。
【0004】
【分割出願を試みた技術的事項】
このように抄き取ったばかりのウエットシートに、ダメージを与えることなく全体的に吸着保持して剥がす構造は、上記特開平11−241290号に開示されてはいるものの、被保持物であるウエットシートが非常に破れやすい特殊性を考慮すると、吸着保持構造、それ自体でも原出願から独立して評価し得るものであるため、原出願を分割出願に及び、別途権利取得を試みるものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち請求項1記載のウエットシートの吸着保持機構は、原料液(P) を抄き網(39)を通して排水した後、抄き網(39)上に抄き取った未乾燥状態にあるウエットシート(3) を、吸着ヘッド(87) によって抄き網(39)から受け取るにあたり、
前記吸着ヘッド(87)は、ウエットシート(3) とほぼ同一の面積を有し、且つウエットシート (3) に対してほぼ平行に形成されたシート吸着面 (112) を具えて成るものであり、
抄き網 (39) からウエットシート (3) を受け取る際には、シート吸着面(112) によって抄き網(39)上のウエットシート(3) を覆うとともに、吸着ヘッド(87)の周囲を、抄き網(39)を有した抄き網カップ(37)の周囲と圧着させた状態で、シート吸着面 (112) に、ウエットシート (3) の表面に沿った空気を流し、ウエットシート (3) の全面にほぼ均一な負圧状態を形成することにより、ウエットシート(3) の表面をほぼ均一に吸着保持して、抄き網(39)から受け取るようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、ウエットシートを抄き網から剥がす際、従来のように抄き網を反転させる必要がなく、装置を比較的単純な構造の下に構成し得る。また抄き取った直後のウエットシートは、未だ繊維同士が結着せず、極めてダメージを受けやすい状態であるが、シート吸着面に、ウエットシートの表面に沿った空気を流すため、シート吸着面が全体的に負圧になり、ウエットシートの全面をほぼ同時的に吸着保持でき、吸着によって破れたり皺になったりすることがほとんどない。
【0006】
また請求項2記載のウエットシートの吸着保持機構は、前記請求項1記載の要件に加え、前記シート吸着面 (112) には、空気が流れる空隙 (129) が複数の層を成すように形成されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、空隙が複数の層で形成されるため、ウエットシートの表面に沿った空気流を確保できる。
【0007】
また請求項3記載のウエットシートの吸着保持機構は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記シート吸着面 (112) において、ウエットシート (3) の表面に沿って流す空気の流れは、シート吸着面 (112) の外側から中心に向かって流れる空気流であることを特徴として成るものである。
この発明によれば、ウエットシートの表面に沿って流す空気流は、シート吸着面の外側 から中心に向かって流すため、周方向において略均等になり、吸着力が片寄ることも無い。
【0008】
また請求項4記載のウエットシートの吸着保持機構は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記吸着ヘッド(87)の周囲と、抄き網カップ(37)の周囲とを圧着させるにあたっては、パッキン (41) を介在させて両者間の密閉状態を得るようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、吸着ヘッドの周囲と、抄き網カップの周囲との間に、パッキンを介在させるため、双方の接合部で高い密閉性が維持され、接合部からの大気の流入を、ほぼ完全に防止でき、ウエットシートをより均一且つ効果的に吸着保持できる。
【0009】
また請求項5記載のウエットシートの吸着保持機構は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記ウエットシート(3) を吸着保持するにあたっては、吸着ヘッド(87)内を吸引作用によって負圧状態とした際、抄き網カップ(37)内の空間を大気開放するようにしたことを特徴として成るものである。
この発明によれば、ウエットシートを吸着保持する際、吸着ヘッド内を吸引負圧状態にするとともに、抄き網カップ内の空間を大気開放するため、ウエットシートを境にして圧力差を生じ、より確実にウエットシートの吸着保持が行える。
【0010】
また請求項6記載のウエットシートの吸着保持機構は、前記請求項4または5記載の要件に加え、前記吸着ヘッド(87)の周囲と、抄き網カップ(37)の周囲との間に設けられるパッキン (41) は円帯形に形成されて成り、ウエットシート(3) を吸着保持する際には、シート吸着面(112) がパッキン (41) の内側に収まるとともに、ウエットシート(3) と軽く接触した状態または極く近接した状態で吸気が開始されることを特徴として成るものである。
この発明によれば、シート吸着面がパッキンの内側に収まり、ウエットシートに軽く接触した状態または極く近接した状態で吸着保持を開始するため、空隙空間が確保され、吸着空気を、より効果的にシート全面に作用させることができる。
【0011】
また請求項7記載のウエットシートの吸着保持機構は、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、前記吸着ヘッド(87)には、大気吸引量を調節する吸気量調節バルブ(95)を設けることを特徴として成るものである。
この発明によれば、吸気量調節バルブによって大気吸引量を調節できるため、ウエットシートを過度に冷却させてしまうことがなく、また抄き取るウエットシートの厚さ等に応じて吸着力の大きさ等も調節することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のウエットシートの吸着保持機構を適用した抄紙サンプルシート製造装置1を図面に従って説明する。この抄紙サンプルシート製造装置1では、1サイクル動作ごとに薄い円板形をした抄紙サンプルシートが1枚作成される。符号3(図4及び図6参照)は円板形をしたウエットシートを示し、このウエットシート3が乾燥されて目的の抄紙サンプルシートになる。
【0013】
5は抄紙サンプルシート製造装置1の機枠を示し、その天板5aの右端部(図1における右方へ向かう方向を右側とし、同図に向かって手前側を前方とする。以下の説明において向きを言うときはこの方向によるものとする。)にはストックインレット7が固定されている。また、機枠5の底板5bにはサクションポンプ9が据え付けられると共に、底板5bの右端部には2方向型のエアシリンダから成る抄き網昇降シリンダ11が上を向く向きで取り付けられている。5cは機枠5の中間ベースを示し、この中間ベース5cは左右方向に長い矩形の枠形をしていて、機枠5の上下方向におけるほぼ中間の位置に水平に設けられている。
【0014】
ストックインレット7(図1、図2、図5参照)は上下方向に長い円筒状を成し、抄き網昇降シリンダ11の軸心と同軸上にあって、機枠5の天板5aを貫通するように配置されている。このストックインレット7の下端部には円帯形をしたフランジ7aが設けられていて、このフランジ7aの下面にパッキン13が取り付けられている。15はストックインレット7の上面を閉塞した蓋板を示す。
【0015】
上記蓋板15には、その中心部をエアー噴射パイプ17が貫通すると共に、中心部を外れた位置をパルプ液自動投入パイプ19とパルプ液手動投入パイプ21が貫通している。パルプ液自動投入パイプ19の下端は斜めにカットされ、このカットされた面の先端19aはストックインレット7の下端面よりある程度上の位置まで延びている。エアー噴射パイプ17の下端部には側方へ向かって開口した複数の噴射孔17a(図5参照)が形成されており、この噴射孔17aは、ストックインレット7の下端面とパルプ液自動投入パイプ19の先端19aとのちょうど中間辺りの高さに位置している。
【0016】
パルプ液自動投入パイプ19の上端部にはストッカー23が取り付けられており、このストッカー23には最大で抄紙サンプルシート5枚分のパルプ液Pを貯留できるようになっている。パルプ液自動投入パイプ19には電磁開閉型のパルプ液投下弁25が介挿されると共に、このパルプ液投下弁25のすぐ上に別のエアー噴射パイプ27の先端部が貫入されている。また、ストッカー23内の下端部寄り位置には、このストッカー23の内周径よりやや小さい直径の円板形をしたバブル拡散板29(図1参照)が水平な向きで配置されている。
【0017】
ストッカー23内のパルプ液Pを投下するときは、パルプ液投下弁25が開放される。そして、この投下に先立って、前記エアー噴射パイプ27からストッカー23内に高圧空気が供給されてストッカー23内のパルプ液Pが充分撹拌され、それにより、パルプ液Pに含まれている繊維がいっぺんに投下されてしまうことの無いようにしている。ストッカー23内に噴射したエアーは泡となって浮上し、このとき、バブル拡散板29に当って周囲へ拡散する。これにより、ストッカー23内のパルプ液Pが満遍なく撹拌される。
【0018】
パルプ液手動投入パイプ21の下端はパルプ液自動投入パイプ19の下端より高いところに位置しており、このパルプ液手動投入パイプ21の上端に漏斗31が設けられている。この漏斗31及びパルプ液手動投入パイプ21は、ストックインレット7へのパルプ液Pの投入を手操作により行うためのものであって、例えば、ストッカー23に貯留されているパルプ液Pとは違う種類のパルプ液についてサンプルシートを製造する必要が急遽生じた場合等に使用し、所定量計量して投入する。
【0019】
32はパルプ液投下量検出センサを示す。このパルプ液投下量検出センサ32はストッカー23から投下されるパルプ液Pの量を計測するためのものであり、一例としてストックインレット7の蓋板15を貫通し、その先端電極をパルプ液自動投入パイプ19の先端19aよりやや高いところに位置させている。
【0020】
抄き網昇降シリンダ11のピストンロッド33の上端部には、一例として4ポート型のパイプ継手35が固定されており、このパイプ継手35に抄き網カップ37が取り付けられている。抄き網カップ37は上面が開口した円形の深皿状をしており、その上方開口部には外側へ突出した円帯状のフランジ37aが設けられている。抄き網カップ37の上方開口面はメッシュ100番程度の抄き網39により覆われ、この抄き網39の外周部を挾んで上記フランジ37aに円帯形のパッキン41が取り付けられている。そして、抄き網カップ37の底部には孔37bが形成され、この孔37bにパイプ継手35の上側のポートが接続されている。パイプ継手35の側方ポートの一方にはサクションポンプ9の吸引口から延びた第一のバキュームパイプ43が接続されている。
【0021】
従って、抄き網カップ37は前記ストックインレット7の真下に位置すると共に抄き網昇降シリンダ11が駆動することによって上下方向へ移動され、その移動は、図1に示すようにパッキン41が中間ベース5cより僅かに高いところに位置した下降位置と、図5に示し、図1には二点鎖線で示すようにストックインレット7に結合した上昇位置との間で行われる。抄き網カップ37が上昇位置に来るとき、そのパッキン41はストックインレット7のパッキン13と密着される。
【0022】
しかして、抄き網カップ37が上昇位置に来ると、図5を見て分かるように、ストックインレット7の下方開口が抄き網カップ37で塞がれてほぼ密閉された状態の空間が形成され、この空間の下端部寄りの位置に抄き網39が位置する。
【0023】
45は溢水受皿を示す。この溢水受皿45は抄き網カップ37より一回り程度大きい円形の皿形をしており、抄き網カップ37を囲うように設けられ、その底部には排水管47が接続されている。
【0024】
中間ベース5cの上面には、抄き網カップ37の移動軌跡の直ぐ左側にプレス板51が固定され、このプレス板51の左脇に加熱板53が、更にその左側に取外しカップ55がそれぞれ取り付けられている。プレス板51は、ウエットシート3をプレスすることで内部水分を滲出除去するためのものであり、比較的厚い平坦な金属板により形成され、その上面に剥離補助シート57が被されている。この剥離補助シート57はテフロン(商品名)シート等滑り性の良い材料により形成され、その右側端部はプレス板51の右側面に固定され、その左端部はプレス板51よりある程度下まで延びていて、ここに適度な重さの錘59が取り付けられている。
【0025】
加熱板53は、ウエットシート3を加熱乾燥させるためのものであり、これも比較的厚い平坦な金属板によって形成され、その下面に加熱器61が取り付けられており、加熱板53はこの加熱器61によって加熱される。この加熱温度はサンプリングしたパルプ液Pの質に応じて設定され、ウエットシート3に強い熱的変性を与えたくない場合は100°C以下の温度にすると良い。例えば、着色パルプの場合は30°Cから100°Cの範囲とする。特に、そのパルプ液が黄色に着色されている場合は50°Cから65°C程度、望ましくは60°C程度とするのが良い。もちろん、目的のサンプルシートが繊維濃度のチェックのみを行うためのものである場合等、熱的変性をある程度無視できるときは、この加熱温度を100°C以上に設定することも差し支えない。
【0026】
取外しカップ55は、後述する吸着ヘッドに吸着保持されたウエットシート3をこの吸着ヘッドから確実に取り外すための手段であって、前記抄き網カップ37とほぼ同じ構造を有する。すなわち、取外しカップ55は上面が開口した円形の深皿状をしており、その上方開口部には外側へ突出した円帯状のフランジ55aが設けられている。取外しカップ55の上方開口面はメッシュ100番程度の金網63により覆われている。そして、取外しカップ55の底部に形成された図示しない孔に第二のバキュームパイプ65が接続され、この第二のバキュームパイプ65は後述する第三のバキュームパイプと共にサクションポンプ9の吸引口に接続されている。
【0027】
下降位置に来ている抄き網カップ37の上面と、プレス板51の上面と、加熱板53の上面と、取外しカップ55の上面は、いずれも、同一水平面内に位置している。
【0028】
71はシートキャリアを示し(図1参照)、このシートキャリア71は、抄き網39上に抄き取られたウエットシート3を吸着保持して搬送するものである。73はシートキャリア71の移動ベースを示し、この移動ベース73は機枠5に支持された左右方向へ延びるガイドレール75に乗って移動するようになっている。そして、移動ベース73の背面部にはモータ77が取り付けられ、このモータ77によって回転される図示しないピニオンギアが機枠5に架設されたラック79と噛合しており、モータ77が回転することで移動ベース73が左右方向へ移動される。
【0029】
移動ベース73の上端部をなす水平壁には2方向型のエアシリンダから成る吸着ヘッド昇降シリンダ81が下向き姿勢で取り付けられ、そのピストンロッド83の先端部に、一例として3ポート型のパイプ継手85の上側ポートが固定されている。このパイプ継手85の下側ポートに吸着ヘッド87(詳細は、図3、図7、図8を参照)が取り付けられている。なおこの実施の形態では、吸着ヘッド87は、移動ベース73に取り付けられた吸着ヘッド昇降シリンダ81によって、昇降自在に構成しているが、例えば、前記プレス板51、加熱板53、取外しカップ55等を、昇降自在に構成することも可能であり、要は吸着ヘッド87とプレス板51等(加熱板53、取外しカップ55)とが、相対的に接近離反できるように構成されれば、どのような形態であっても構わない。
【0030】
そしてこの吸着ヘッド87が、本発明のウエットシート3の吸着保持機構を主に担うものであり、以下この吸着ヘッド87を構成する諸部材について説明する。89は吸着ヘッド87の外殻を示し、この外殻89は、下面が開口した円形のほぼ皿状をしており、その天壁91の中心部に円形の孔91aが形成され、この孔91aと通じるようにして前記パイプ継手85の下端部が固定されている。天壁91の中心部から外れた位置には吸気孔91bが形成され、この吸気孔91bと通じるようにバルブ取付管93が固定されている。このバルブ取付管93に吸気量調節バルブ95が取り付けられている。
【0031】
外殻89の内部には、上から順に、金属製の上側仕切板97及び下側仕切板99と、ゴム板101と、上網103、中網105及び下網107等から成る金網が階層状に配置されている。これらのうち、上側仕切板97の直径は外殻89の内径とほぼ等しく、その他の部材の直径は上側仕切板97の直径よりある程度小さくなっている。下側仕切板99は比較的厚く、この下側仕切板99の下面にゴム板101が接着されている。上側仕切板97の中心部には円形の挿通孔97aが形成されている。下側仕切板99とゴム板101の中心部には取付孔109が形成され、この取付孔109に取付パイプ111の下端部が内嵌固定されている。
【0032】
上側仕切板97は複数のボルト113によって下側仕切板99に固定されると共に、これら上側仕切板97と下側仕切板99との間にはスペーサ115によって空間117が設けられている。取付パイプ111の上端部は上側仕切板97の挿通孔97aを通して上方へ突出している。そして、この取付パイプ111の上端部が前記パイプ継手85の下側ポートに捩じ込まれ、それにより、上下の仕切板97、99及びゴム板101が外殻89内に配置される。
【0033】
外殻89の天壁91と上側仕切板97との間にはボルト113の頭部をスペーサとする空間119が残され、この空間119の周辺部はシリコン121を充填することで気密に塞がれる。取付パイプ111はその周囲に充分な余裕を有して挿通孔97aに挿通される。従って、上側の空間119と下側の空間117は挿通孔97aを通して通じ合う。また、ゴム板101の下面は外殻89の下面とほぼ同じ高さに位置する。
【0034】
123は円帯形をしたガスケットを示す。このガスケット123は2枚重ねた状態で上側仕切板97の周縁部の下に配置される。そして、外殻89の天壁91の周縁沿いの部分にはボルト通し孔91cが形成されており、このボルト通し孔91cを通したボルト125が前記シリコン121の層と、上側仕切板97の周縁部に形成されたボルト通し孔97bと、ガスケット123の周縁部に形成されたボルト通し孔123aを通され、このボルト125の先端部が後述する網フレームに固定される。
【0035】
上網103にはメッシュ8番のものが用いられ、中網105にはメッシュ12番のものが用いられている。そして、下網107にはメッシュ60番のものが用いられている。127は金属製の網フレームを示し、この網フレーム127は前記ガスケット123とほぼ同じ大きさを有した円環状に形成され、この網フレーム127の下面に下網107の周辺部がロウ付けされている。
【0036】
そして、下網107の上に中網105と上網103を載せた状態で、網フレーム127がガスケット123に下から重ねられ、この状態で、前記ボルト125の先端部が網フレーム127の螺孔127aにねじ込まれる。これにより、外殻89の下面が下網107により覆われるので、吸着ヘッド87の下面には3層の網、特に、目の粗い上網103と中網105の多数の目から成る偏平な空隙129が形成され、この空隙129の中心部に向かって取付パイプ111の下端が開口する。
【0037】
下網107の下面には薄いマスクシート131(図3にのみ示してある)が貼付されている。このマスクシート131は円環形をしており、その外径は下網107の直径とほぼ同じで、内径はウエットシート3の直径より僅かに小さい。従って、下網107はウエットシート3より僅かに小さい面積で下方に向かって露出する。図7を見て分かるように、下網107の下面の周辺部を除く部分は外殻89の下面よりやや下に位置する。
【0038】
吸着ヘッド87はこのような構造になっているので、下方に向かっては下網107のうちマスクシート131から露出している円形の領域だけが通気性を有するシート吸着面112になる。そして、外殻89の内部には、吸気量調節バルブ95を一端としてバルブ取付管93−空間119−挿通孔97a−空間117−下側仕切板99の外周部−空隙129−取付パイプ111の内側という順路のエアー通路132が形成される。
【0039】
シートキャリア71の水平移動は、吸着ヘッド87が抄き網カップ37とプレス板51と加熱板53と取外しカップ55のそれぞれの真上の位置の間で行われる。また、吸着ヘッド87は吸着ヘッド昇降シリンダ81の駆動によって上下方向へ移動され、上に引き上げられた状態では、図1に示すようにプレス板51等が位置する前記水平面よりある程度上に離間したところに位置し、この状態からピストンロッド83が突出すると、抄き網カップ37、プレス板51、加熱板53、取外しカップ55のうちの1つに圧着される。なお吸着ヘッド87と、抄き網カップ37等(プレス板51、加熱板53、取外しカップ55)との接近離反は相対的に行えればよく、必ずしも吸着ヘッド87を上下方向に移動させてプレス板51等に圧着させる必要はない。
【0040】
図9は配管系を示す。前記した第一のバキュームパイプ43には抄き網脱水弁133が介挿されている。第一のバキュームパイプ43のうち抄き網脱水弁133から抄き網カップ37側の部分には落水パイプ135と給水パイプ137がジャンクションされており、落水パイプ135には落水弁139が、給水パイプ137には給水弁141がそれぞれ設けられている。抄き網カップ37が取り付けられているパイプ継手35の他方の側方ポートには大気開放弁143が設けられている。
【0041】
145は前記第二のバキュームパイプ65に設けられたシート吸着弁を示す。前記吸着ヘッド87が取り付けられたパイプ継手85の側方ポートにはサクションポンプ9の吸引口から延びた第三のバキュームパイプ147が接続され、この第三のバキュームパイプ147には吸着ヘッド負圧弁149がシート吸着弁145と並列に介挿されている。上記した抄き網脱水弁133、落水弁139、給水弁141、大気開放弁143、シート吸着弁145及び吸着ヘッド負圧弁149は、いずれも電磁開閉型のものを用いている。なお第三のバキュームパイプ147には、パイプ継手85と、吸着ヘッド負圧弁149との間に吸着ヘッド87内を大気開放するための第二の大気開放弁150を設けることが可能である。抄紙サンプルシート製造装置1は以上のように構成されている。
【0042】
次に、この抄紙サンプルシート製造装置1による動作を順を追って説明する(図10から図14を参照)。
〔A.初期状態〕
初期状態において、抄き網カップ37は下降位置にて待機し、吸着ヘッド87は抄き網カップ37の真上の位置にて待機している。また、前記各制御弁は「閉」になっていて、サクションポンプ9は運転を停止している。加熱板53はメイン電源の投入によってヒートアップされ、設定された温度を維持する。ストッカー23には抄紙ラインからサンプリングしたパルプ液Pを所要量入れておく。
【0043】
〔B.吸着ヘッドの熱平衡処理〕
初期状態からスタートスイッチが投入されると、吸着ヘッド87が抄き網カップ37に対して相対的に接近し、双方が圧着され(図10参照)、これら吸着ヘッド87と抄き網カップ37とによって閉鎖空間が形成される。吸着ヘッド87が抄き網カップ37に圧着したことが図示しないセンサにより検出されると、吸着ヘッド負圧弁149、給水弁141がそれぞれ「開」にされると共にサクションポンプ9が運転を開始する。これにより、清水が給水パイプ137及び第一のバキュームパイプ43を経て上記閉鎖空間に供給され、この清水は吸着ヘッド87の3層の網107、105、103をすり抜けた後、パイプ継手85から第三のバキュームパイプ147を経てサクションポンプ9に吸引される。従って、この清水の流れにより吸着ヘッド87の下面である3層の網107、105、103やゴム板101等が熱平衡される。
【0044】
吸着ヘッド87が抄き網カップ37に圧着されてから1分経過すると、給水弁141が「閉」になって給水が停止されると共に、吸着ヘッド87が抄き網カップ37から相対的に離間し、吸着ヘッド負圧弁149が「閉」にされ、サクションポンプ9の運転を停止する。そして、シートキャリア71はプレス板51の真上の位置へと移動されてここで待機する。
【0045】
〔C.パルプ液の投入とストックインレット〕
吸着ヘッド87がプレス板51の真上の位置に来たことが図示しない近接スイッチにより検出されると、抄き網カップ37が上昇位置へと移動されてストックインレット7に下方から圧着され、これら抄き網カップ37とストックインレット7とで閉鎖空間が形成される。次いで、給水弁141が「開」になって上記閉鎖空間に清水151が供給される。この清水151の液面がパルプ液自動投入パイプ19の先端19aに達すると(図5参照)、このパルプ液自動投入パイプ19を電極とするレベル計が清水供給の完了を検知し、それにより、給水弁141が「閉」になって給水が停止される。この状態では、図5を見て分かるように、前記したエアー噴射パイプ17の噴射孔17aが清水151の中に位置する。
【0046】
ストックインレット7への給水が停止すると、今度は、エアー噴射パイプ27からストッカー23内に高圧空気が噴射されて、ストッカー23内のパルプ液Pを撹拌する。この撹拌が始まって15秒経過すると、パルプ液投下弁25が「開」になってパルプ液Pがストックインレット7に投下される。そして、この投下により清水151の液面が上昇して前記パルプ液投下量検出センサ32の下端に接すると、パルプ液投下弁25が「閉」になってパルプ液Pの投下が停止し、エアー噴射パイプ27による高圧空気の噴射も停止する。これにより、抄紙サンプルシート1枚分のパルプ液Pが清水151に加えられる。
【0047】
パルプ液Pの投下が停止すると直ぐに、エアー噴射パイプ17からストックインレット7内に高圧空気が噴射され、この噴射によってパルプ液Pと清水151とが充分撹拌混合される。従って、投下されたパルプ液Pは清水151によって希釈されると共に噴射する空圧空気の泡で撹拌されて繊維を均一に分散される、すなわち、ストックインレットされる。この処理は約10秒継続される。
【0048】
〔D.ウエットシートの抄き取りと脱水〕
パルプ液Pが投下されてから10秒経過すると、高圧空気の供給を継続したまま、落水弁139が「開」になって、前記閉鎖空間内の希釈されたパルプ液Pが第一のバキュームパイプ43と落水パイプ135を経て自然落水される。このとき、パルプ液P中の繊維が抄き網39で抄き取られてウエットシート3を形成して行く(図4参照)。
【0049】
そして、この落水により閉鎖空間内の水位が下がって、その液面がパルプ液自動投入パイプ19の先端19aに達したことがレベル計により検出されると、高圧空気の供給が停止され、この後30秒経過すると、落水弁139が「閉」になり、抄き網脱水弁133が「開」になると共にサクションポンプ9が運転を開始する。これにより、抄き網39に付着している水分とウエットシート3の飽和水分以上の水分が除去される。
【0050】
〔E.ウエットシートのピックアップ〕
この脱水が2秒行われると、抄き網カップ37が下降位置に戻され(ストックインレット7から離間する)、次いで、シートキャリア71が移動して、吸着ヘッド87が抄き網カップ37の真上の位置を経て再び抄き網カップ37に圧着される。ここで、抄き網脱水弁133が「閉」になり、吸着ヘッド負圧弁149と大気開放弁143が「開」になる。これにより、抄き網カップ37内の空間が大気に開放されると共に吸着ヘッド87内が負圧になって、抄き網39上にあったウエットシート3が吸着ヘッド87に吸着保持される。
【0051】
吸着ヘッド87によるウエットシート3の吸着は、具体的に次のように行われる。吸着ヘッド87が抄き網カップ37に圧着すると、そのシート吸着面112が抄き網カップ37のパッキン41の内側に収まってウエットシート3に軽く接触又は近接する。従って、ウエットシート3とパッキン41とシート吸着面112とで閉鎖空間が形成される。この状態から、吸着ヘッド負圧弁149が開いて取付けパイプ111内が負圧になると、ウエットシート3の中央部がシート吸着面112に吸着され、これとほぼ同時に、外殻89内の空気が仕切板99の周囲から下へ回り込んで前記空隙129を通って取付けパイプ111へ流れて行く。この空気の流れによってシート吸着面112の全体が負圧になり、この全面的な負圧によってウエットシート3がシート吸着面112に吸着される。
【0052】
このように、シート吸着面112へのウエットシート3の吸着は、全面ほぼ同時に行われる。このような作用を可能にしたのは、シート吸着面112とウエットシート3とが軽く接触するか又は極く近接した状態から吸気を開始するようにしたことと、空隙129を設けることでシート吸着面112の全体を負圧にできるようにしたことにある。特に、空隙129を外側から中心に向かって流れる空気は周方向においてほぼ均等になるため、吸着力が片寄ることも無い。
【0053】
しかして、ウエットシート3の吸着が全面ほぼ同時に、且つ、全面均一な吸気力で行われるので、未だ繊維同士が結着していないウエットシートであっても、吸着によって破れたり皺になったりすることは無く、しっかり吸着保持される。そして、全面的に均一な吸気力が加えられるために、ウエットシート3に対する脱水をムラ無く進行させることができ、このことも、皺を生じさせない重要な要素となる。
【0054】
なお、吸気量調節バルブ95の開放度は、ウエットシート3を冷却してしまうことの無い程度に調節する。また大気開放弁143は、ウエットシート3が吸着ヘッド87にピックアップされた後、「閉」にされるのが一般的である。
【0055】
〔F.プレスによる脱水〕
次いで、吸着ヘッド87が抄き網カップ37から相対的に離反した後、シートキャリア71がプレス板51の真上まで移動され、ここで吸着ヘッド87が剥離補助シート57を挟んでプレス板51に圧着される(図11参照)。これにより、ウエットシート3がプレス板51に押しつけられて水分を滲出させると共に、厚みを均一にされる。
【0056】
このとき、吸着ヘッド87がウエットシート3をプレス板51に押しつける圧力は、ウエットシート3の全面に対して均一に加えられる。すなわち、吸着ヘッド87の圧力は下側仕切板99及びゴム板101から上網103、中網105、下網107を経てウエットシート3に加えられ、3枚の網103、105、107を経る際に分散され、最終的には最も細かい目になっている下網107のワイヤーを経て加えられるからである。しかも、この圧力は途中でゴム板101を経るので、吸着ヘッド87とプレス板51との平行が多少崩れていてもこの崩れはゴム板101に吸収されるものである。また、ウエットシート3への圧力がこのように加えられるために、ウエットシート3に目立った網目(中網105や上網103の目)が付くことも無い。
【0057】
そして、前記空隙129は3枚の網103、105、107によって形成されており、特に、上網103と中網105には目が粗いものを使用しているために強度が高く、吸着ヘッド87がプレス板51に押しつけられても、この空隙129が潰されることは無い。従って、ウエットシート3をプレスしている間においても、エアー通路132の空気流は確保され、この空気流によって、ウエットシート3から滲出した水分が積極的に除去される。このプレスは3分間継続され、このプレス処理によりウエットシート3の水分はほぼ15パーセント程度にされる。
【0058】
〔G.抄き網の保水〕
吸着ヘッド87が抄き網カップ37から相対的に逃げた後、所定のタイミングで、給水弁141が「開」になって抄き網カップ37に給水がなされ、この給水は抄き網カップ37からある程度溢れるまで充分な時間継続された後停止する。溢れた水は溢水受皿45が受けて排水管47から排水される。抄き網カップ37に供給された水はそのまま保持される。従って、抄き網39は抄き網カップ37内に蓄えられた水に浸ることで常時保水され、これにより、パルプ液Pの繊維が抄き網39に付着して目詰まりするのを防止される。
【0059】
〔H.プレス板からの剥離〕
プレス処理が終了すると、吸着ヘッド87をプレス板51に対して相対的に離反させる。このとき、前記剥離補助シート57は、当初、図6に二点鎖線で示すようにウエットシート3と共に引き上げられるが、左右両側部の負荷によって直ぐに弓なりに反ってウエットシート3から自然に剥離し、プレス板51の上面に落ち着く。これにより、吸着ヘッド87はウエットシート3だけをスムーズにプレス板51から引き離すことができ、これを破ったりすることの無いのはもちろん、ウエットシート3の表面を荒らすことも防止される。
【0060】
〔I.加熱乾燥〕
こうして吸着ヘッド87がプレス板51から離間した後、シートキャリア71は加熱板53の真上の位置を経てこの加熱板53に圧着される(図12参照)。これによって、ウエットシート3が加熱乾燥され、ここでも、ウエットシート3から蒸発する水分はサクションポンプ9による吸引作用によって積極的に取り除かれる。この場合の水分の除去も全面均一に行われるので、皺が生じることも無い。この加熱はほぼ3分間行われ、これによりウエットシート3が絶乾状態になる。なお本明細書においては、絶乾状態となったウエットシート3を、加熱乾燥以降の工程においては、ドライシート3と称するものである。
【0061】
加熱板53の熱はウエットシート3を経て吸着ヘッド87にも伝わるが、3層の網107、105、103の上にはゴム板101が配置されているので、このゴム板101においてかなり断熱され、下側仕切板99より上に伝わることは少ない。
【0062】
〔J.加熱板からの剥離〕
加熱乾燥が終了すると、吸着ヘッド87を加熱板53に対して相対的に離反させる。このときのドライシート3の剥離態様は、プレス板51からウエットシート3を剥離する態様と、ほぼ同様である(図6参照)。すなわち図示を省略する剥離補助シートが、当初、ドライシート3と共に引き上げられるが、左右両側部の負荷によって直ぐに弓なりに反ってドライシート3から自然に剥離し、加熱板53の上面に落ち着くのである。これにより、吸着ヘッド87はドライシート3だけをスムーズに加熱板53から引き離すことができ、これを破ったりすることの無いのはもちろん、ドライシート3の表面を荒らすことも防止される。
【0063】
〔K.取り外し〕
吸着ヘッド87が加熱板53から離間すると、シートキャリア71は取外しカップ55の真上の位置へと移動される。そして吸着ヘッド87を取外しカップ55に圧着させてから(図13参照)、吸着ヘッド負圧弁149を「閉」にして、吸着ヘッド87に作用する負圧吸引力を弱めるとともに、シート吸着弁145、第二の大気開放弁150を「開」とする。これにより、それまで吸着ヘッド87のシート吸着面112に保持されていたドライシート3が取外しカップ55の金網63に吸い取られる。
【0064】
吸着ヘッド87が取外しカップ55から相対的に離反した後、シートキャリア71は抄き網カップ37の真上の位置へと移動されて熱平衡処理が始まるまでそこに待機され、サクションポンプ9は運転を停止され、第二の大気開放弁150とシート吸着弁145とが「閉」にされる。
【0065】
〔L.ドライシートの排出〕
なおドライシート3を取外しカップ55から取り出すにあたっては、例えば小型吸着パットを具えた取出しアームを適用し得るものである。これにはまず取出しアームが、取外しカップ55の中心位置に移動した後、取出しアームの小型吸着パットにドライシート3を接触させるまで、取外しカップ55が上昇する。その後、小型吸着パットの真空発生機を作動させ、ドライシート3を小型吸着パットに吸着して、取外しカップ55からドライシート3を排出する。排出を終了した取外しカップ55は下降するとともに、取出しアームが機外に戻り、真空発生機が停止される。この段階でドライシート3は、取出しアームの吸着パットから開放されて所望の場所に収容され、一連のシート抄造は完了となる。
【0066】
以上の動作が繰り返されて必要な数のサンプルシートが製造される。この場合、まず吸着ヘッド87のシート吸着面112が水冷により熱平衡されるので、抄き網39に抄き取られたウエットシート3に、熱せられたままの吸着ヘッド87が接触してウエットシート3に急激な乾燥や変色等の熱変性を与えるのを確実に防止される。
【0067】
なお、この抄紙サンプルシート製造装置1においては、ウエットシート3を加熱乾燥させる前にプレス処理によって水分を滲出させるようにしたが、場合によっては、プレス工程を省いて、加熱処理による乾燥のみとしても良い。
【0068】
以上、本発明のウエットシートの吸着保持機構を適用した抄紙サンプルシート製造装置1について詳述してきたが、装置の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても何ら構わない。
【0069】
例えば、この実施の形態においては、吸着ヘッドのシート吸着面を構成する網として金網を用いたが、この網には、針金を織った形の通常の金網に限らず、断面に空隙がある構造のものであればどのようなものであっても使用可能である。特に、JIS(日本工業規格)で定められている抄紙の強度試験に供するサンプルシート等を製作しようとする場合、実施の形態に示したような金網(特に、前記した上網や中網など粗目のもの)を装着したままでウエットシートに規定どおりの強いプレス圧を加えると、その網目がウエットシートに付いてしまうおそれがあるが、表面の凹凸が極く微小な網、例えば、抄紙機のドライヤーに用いられている「カンバス」と称される合成樹脂製の網等を用いれば、強いプレス圧を加えた場合でも、少なくとも金網よりは目立った網目が付くことは無い。
【0070】
また、撹拌手段として高圧空気を用いるようにしたが、この撹拌手段は、撹拌羽根や超音波振動などであっても良い。更に、この実施の形態においては、本発明を抄紙サンプルシート製造装置に適用したが、本発明はこのようなシートに限らず、例えば、合成繊維や金属繊維を含む各種のシート類とか、故紙原料や汚泥等の内容分析用シート、あるいは、春雨や小魚、海藻その他の食材を主成分とするシート状食材等、様々なシート状部材の製造方法とその装置に広く適用することができる。この場合、目的のシート状部材が所謂サンプルであると量産品であるとを問うことは無く、これら各種のシート状部材の大きさが特に小さいものに限られないことももちろんである。
【0071】
【発明の効果】
まず請求項1記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、未だ繊維同士が結着せず、比較的脆い状態にある抄き取ったばかりのウエットシート3を、全体的に吸着保持するため、吸着に伴いウエットシート3が破れたり、皺になったりすることがほとんどない。 また吸着に伴う空気は、ウエットシート3とほぼ平行にシート吸着面112を流れ、シートを貫通する方向には流さないため、吸着に伴うシートの損傷を解消し得るものである。また吸着空気がウエットシート3の表面にほぼ沿うように流れることに起因して、シートに作用する負圧をより均一化できる。
【0072】
また請求項2記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、空隙129が複数の層で形成されるため、ウエットシート3の表面に沿った空気流を確保できる。
【0073】
また請求項3記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、ウエットシート3の表面に沿って流す空気流は、シート吸着面112の外側から中心に向かって流すため、周方向において略均等になり、吸着力が片寄ることも無い。
【0074】
また請求項4記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、吸着ヘッド87の周囲と、抄き網カップ37の周囲との間にはパッキン41を介在させているため、吸着保持を行う際、吸着ヘッド87と抄き網カップ37との接合部から、大気が流入してしまうことがほとんどなく、ウエットシート3の全面を、より均一且つ効果的に吸着保持できる。
【0075】
また請求項5記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、ウエットシート3を吸着保持する際、ウエットシート3における吸着ヘッド87側の面に負圧を作用させ、一方これに対向する抄き網カップ37側の面を大気開放し、ウエットシート3を境にして圧力差を生じさせるため、より確実にウエットシート3を吸着ヘッド87に吸着保持させ得る。
【0076】
また請求項6記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、シート吸着面112がパッキン41の内側に収まった状態でウエットシート3の吸着を行うため、吸着空気を流すための空間となる空隙129が確実に確保でき、ウエットシート3に作用する負圧をより一層、均一化できる。
【0077】
また請求項7記載のウエットシートの吸着保持機構によれば、吸気量調節バルブ95によって吸着作用を担う大気吸引量を調節できるため、ウエットシート3を過度に冷却させてしまうことがなく、また抄き取るウエットシート3の厚さ等に応じて吸着力の大きさ等も調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のウエットシートの吸着保持機構を適用した抄紙サンプルシート製造装置を一部切り欠いて示す正面図である。
【図2】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要部を拡大した斜視図である。
【図3】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置における吸着ヘッドの拡大底面図である。
【図4】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置における抄き網カップを、これに抄き取られたウエットシートを一部切り欠いた状態で示す要部拡大斜視図である。
【図5】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけるストックインレット容器と抄き網カップとが結合した状態を示す要部拡大縦断面図である。
【図6】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置におけるプレス処理の状態を示す要部拡大正面図である。
【図7】 本発明の主たる構成部材である吸着ヘッドを拡大して示す中央垂直断面図である。
【図8】 同上一部切り欠いた状態で拡大した分解斜視図である。
【図9】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の配管系を示す図である。
【図10】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要部を、吸着ヘッドが抄き網カップに圧着された状態で示す正面図である。
【図11】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要部を、吸着ヘッドがプレス板に圧着された状態で示す正面図である。
【図12】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要部を、吸着ヘッドが加熱板に圧着された状態で示す正面図である。
【図13】 図1に示す抄紙サンプルシート製造装置の要部を、吸着ヘッドが取外しカップに圧着された状態で示す正面図である。
【符号の説明】
1 抄紙サンプルシート製造装置(シート状部材の製造装置)
3 ウエットシート、ドライシート(シート状部材)
5 機枠
5a 天板
5b 底板
5c 中間ベース
7 ストックインレット
7a フランジ
9 サクションポンプ
11 抄き網昇降シリンダ
13 パッキン
15 蓋板
17 エアー噴射パイプ
17a 噴射孔
19 パルプ液自動投入パイプ
19a 先端
21 パルプ液手動投入パイプ
23 ストッカー
25 パルプ液投下弁
27 エアー噴射パイプ
29 バブル拡散板
31 漏斗
32 パルプ液投下量検出センサ
33 ピストンロッド
35 パイプ継手
37 抄き網カップ
37a フランジ
37b 孔
39 抄き網
41 パッキン
43 バキュームパイプ(第一の)
45 溢水受皿
47 排水管
51 プレス板
53 加熱板
55 取外しカップ
55a フランジ
57 剥離補助シート
59 錘
61 加熱器
63 金網
65 バキュームパイプ(第二の)
71 シートキャリア
73 移動ベース
75 ガイドレール
77 モータ
79 ラック
81 吸着ヘッド昇降シリンダ
83 ピストンロッド
85 パイプ継手
87 吸着ヘッド
89 外殻
91 天壁
91a 孔
91b 吸気孔
91c ボルト通し孔
93 バルブ取付管
95 吸気量調節バルブ
97 上側仕切板
97a 挿通孔
97b ボルト通し孔
99 下側仕切板
101 ゴム板
103 上網
105 中網
107 下網
109 取付孔
111 取付パイプ
112 シート吸着面
113 ボルト
115 スペーサ
117 空間
119 空間
121 シリコン
123 ガスケット
123a ボルト通し孔
125 ボルト
127 網フレーム
127a 螺孔
129 空隙
131 マスクシート
132 エアー通路
133 抄き網脱水弁
135 落水パイプ
137 給水パイプ
139 落水弁
141 給水弁
143 大気開放弁
145 シート吸着弁
147 バキュームパイプ(第三の)
149 吸着ヘッド負圧弁
150 大気開放弁(第二の)
151 清水
P パルプ液(原料液)
Claims (7)
- 原料液(P) を抄き網(39)を通して排水した後、抄き網(39)上に抄き取った未乾燥状態にあるウエットシート(3) を、吸着ヘッド(87) によって抄き網(39)から受け取るにあたり、
前記吸着ヘッド(87)は、ウエットシート(3) とほぼ同一の面積を有し、且つウエットシート (3) に対してほぼ平行に形成されたシート吸着面 (112) を具えて成るものであり、
抄き網 (39) からウエットシート (3) を受け取る際には、シート吸着面(112) によって抄き網(39)上のウエットシート(3) を覆うとともに、吸着ヘッド(87)の周囲を、抄き網(39)を有した抄き網カップ(37)の周囲と圧着させた状態で、シート吸着面 (112) に、ウエットシート (3) の表面に沿った空気を流し、ウエットシート (3) の全面にほぼ均一な負圧状態を形成することにより、ウエットシート(3) の表面をほぼ均一に吸着保持して、抄き網(39)から受け取るようにしたことを特徴とするウエットシートの吸着保持機構。 - 前記シート吸着面 (112) には、空気が流れる空隙 (129) が複数の層を成すように形成されることを特徴とする請求項1記載のウエットシートの吸着保持機構。
- 前記シート吸着面 (112) において、ウエットシート (3) の表面に沿って流す空気の流れは、シート吸着面 (112) の外側から中心に向かって流れる空気流であることを特徴とする請求項1または2記載のウエットシートの吸着保持機構。
- 前記吸着ヘッド(87)の周囲と、抄き網カップ(37)の周囲とを圧着させるにあたっては、パッキン (41) を介在させて両者間の密閉状態を得るようにしたことを特徴とする請求項1、2または3記載のウエットシートの吸着保持機構。
- 前記ウエットシート(3) を吸着保持するにあたっては、吸着ヘッド(87)内を吸引作用によって負圧状態とした際、抄き網カップ(37)内の空間を大気開放するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のウエットシートの吸着保持機構。
- 前記吸着ヘッド(87)の周囲と、抄き網カップ(37)の周囲との間に設けられるパッキン (41) は円帯形に形成されて成り、ウエットシート(3) を吸着保持する際には、シート吸着面(112) がパッキン (41) の内側に収まるとともに、ウエットシート(3) と軽く接触した状態または極く近接した状態で吸気が開始されることを特徴とする請求項4または5記載のウエットシートの吸着保持機構。
- 前記吸着ヘッド(87)には、大気吸引量を調節する吸気量調節バルブ(95)を設けることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のウエットシートの吸着保持機構。
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