JPH11241149A - 優れた耐酸化性を備えたオーステナイトステンレス鋼 - Google Patents
優れた耐酸化性を備えたオーステナイトステンレス鋼Info
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- JPH11241149A JPH11241149A JP10345121A JP34512198A JPH11241149A JP H11241149 A JPH11241149 A JP H11241149A JP 10345121 A JP10345121 A JP 10345121A JP 34512198 A JP34512198 A JP 34512198A JP H11241149 A JPH11241149 A JP H11241149A
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Abstract
し、従来の炭素ボイラーのような過熱器の鋼としての適
用に特に優れた耐酸化性を備える。 【解決手段】 新しいオーステナイトステンレス合金
は、<0.12wt%の炭素、<1.0wt%の珪素、
16〜22wt%のクロム、<2.0wt%のマンガ
ン、8〜14wt%のニッケル、<1.0wt%のモリ
ブデン、炭素のwt%の4倍を越え<0.8重量%のT
iまたは炭素のwt%の8倍を越え<1.0重量%のN
bのいずれか一方、<0.03wt%の硫黄、<0.0
3wt%の酸素、<0.05wt%の窒素、≧0.02
wt%から≦0.11wt%のランタン、及び残部鉄と
不可避的不純物を含む分析値にしたがい提供される。新
しい鋼は過熱器の鋼及び熱交換器の鋼として特に適切で
ある。
Description
うオーステナイトステンレス鋼に関する。本発明のオー
ステナイトステンレス鋼は、例えば、従来の炭素ボイラ
ーのような過熱器の鋼としての適用に特に優れた耐酸化
性を備える。
び組織安定性に対する高い要求度が、高温度の適用に用
いる材料を達成させた。組織安定性とは、作用中の材料
の組織が脆くて粗い相に退化してはならないことを含
む。材料の選び方は、温度と負荷荷重、当然価格にも影
響される。
高温状況で、材料が曝される環境での酸化に対する材料
の耐性を意味するものである。酸化条件下で、すなわ
ち、酸化性ガス(主として酸素及び水蒸気)を含む雰囲
気において、酸化物層が鋼表面に形成される。酸化物層
が所定の厚さに達したとき、酸化物薄片がその表面から
剥離し、現象はスケーリングと呼ばれる。スケーリング
によって新しい金属面が露出され、それが再び酸化され
る。
起こす可能性がある。過熱器の管では、酸化物薄片蒸気
によって運び去られて、これらの薄片の蓄積が、例え
ば、管曲がり部に形成されたとき、この管内の蒸気流が
封じ込められ過加熱のために破壊に至る。さらに、酸化
物薄片は配管系に、いわゆる粒子腐食を発生する。ま
た、スケーリングはボイラーに大きな問題を引き起こ
し、それらの問題は、薄片自体は小さな影響という形で
現れるが、修理のための予期せぬ停止及び修理価格とい
う形で現れる。スケーリング問題の減少は、高蒸気温度
でのボイラー運転を可能し、出力経済性を上昇させる。
は、ゆっくりと成長し且つ金属面への良好な付着性を有
する酸化物を形成する能力を備える必要がある。曝され
る温度が高くなればますます、この酸化物の形成が強く
なる。材料の耐酸化性の尺度は、いわゆるスケーリング
温度であり、酸化に関する材料消失が例えば1. 5g/
m2 ・h の所定値に達する温度で規定される。
添加する。クロムは材料に保護酸化層を形成することに
寄与する。温度の上昇で、材料はクリープによって変形
を被る。ニッケルのようなオーステナイト安定化物質の
添加によって得られるオーステナイト母相は、微細な2
次相、例えば炭化物が析出するときに、クリープ強度に
好ましく影響する。鋼へのクロムの添加は、いわゆるシ
グマ相の分離を増加する傾向をもたらし、その傾向は、
上述したように、オーステナイト安定化ニッケルの添加
によって緩和することができる。
織安定化にプラスの影響を備える。オーステナイト安定
化元素としてのこれら双方の元素の機能が、すなわち、
操業中に脆くて粗いシグマ相の分離を緩和する。また、
マンガンは、硫黄添加による溶接の際の耐ヒートチェッ
ク性(heat check resistance) を改良する。優れた溶接
性が重要な材料特性を与える。
ト鋼が好ましいこれらの特性の組み合わせであり、した
がって、当然に高温度の適用に用いられる。最近もたら
されたこのSS2337(AISIタイプ321)タイ
プの合金はSandvik8R30に相当する。この鋼
は、チタニウムの添加のために優れた強度と耐食性をを
有し、そのために、例えば、発電所の過熱器の管に数年
間使用される。しかしながら、この鋼の弱点は耐酸化性
が制限されることであり、使用可能寿命及び使用最高温
度に関して制限される。
が、主に塩素を含有する雰囲気で応力腐食に抵抗力のあ
るとされる合金鋼を開示する。しかしながら、この種の
課題は、過熱器適用より実質的に低温度に関する。この
鋼は、0.03〜0.08wt%のC、0.3〜0.8
wt%のSi、0.5〜1.0wt%のMn、17〜1
9wt%のCr、9〜11wt%のNi、0.35〜
0.6wt%のMo、0.4〜0.7wt%のTi、
0.008〜0.02wt%のN、0.01〜0.1w
t%のCe及び残部Feを含有する。さらに、例えば、
その耐ヒートチェック性と溶接性とが満足できない。
1の目的は、非常に優れた耐酸化性と、それによって高
温で主に蒸気雰囲気での適用において延長された寿命を
備える18Cr−10Niタイプの鋼を提供することで
ある。本発明の第2の目的は、使用最高温度を上昇させ
た18Cr−10Niタイプの鋼を提供することであ
る。
1に規定したような分析値にしたがう種類の鋼を提供す
ることによって驚くべき方法で達成された。
2337の改良及び変種であり、重量%で次のような化
学分析値を含有することができる。すなわち、 C:0.04〜0.08 Si:0.3〜0.7 Mn:1.3〜1.7 P:最大0.040 S:最大0.015 Cr:17.0〜17.8 Ni:10.0〜11.1 Mo:最大0.7 Ti:最大0.6 Cu:最大0.6 Nb:最大0.05 N :最大0.050 本発明の本質的な特徴は、純ランタンである希土類金属
を、上記SS2337に基本的に相当する合金に添加す
ることであり、ただし例外として、ある元素はその範囲
が広げられる。純Laの添加は、空気中並びに水蒸気中
で驚くべき良好な耐酸化性をもたらし、且つ優れた強度
と耐食特性を維持する。広範囲に渡る研究は、範囲、 0.02wt%<La≦0.11wt% が、酸化特性及び熱間加工性に関して最適条件であるこ
とを示した。いずれの存在する理論に結び付けられるこ
と無く、酸化特性の改良は、鋼に溶融された希土類金属
の含有量に依存することが考えられ、それによって、
S、O及びNのような元素の含有量を低く抑えることが
重要である。
なクリープ強度を与えることに寄与する。余り多くの量
は、二つのマイナスの影響があるクロム炭化物の析出を
もたらす。すなわち、 a)粒界での炭化物の析出は、粒内腐食の危険を増加さ
せ、すなわち、材料が鋭敏化する。
の耐酸化性を劣化させる。この理由で、炭素含有量は、
最大0.12wt%、好ましくは最大0.10wt%、
特に0.04〜0.08wt%の範囲が選ばれる。珪素
は優れた溶接性と鋳造性に寄与する。余り多い珪素含有
量は脆性をもたらす。したがって、最大1.0wt%の
珪素含有量が適切であり、好ましくは最大0.75wt
%、特に0.3〜0.7wt%の間が適切である。
る。しかしながら、クロムはフェライト安定化元素であ
り、余り多いクロム含有量はいわゆるσ−相の生成によ
る脆性の危険の増加をもたらす。この理由で、16〜2
2wt%の間のクロム含有量が選ばれ、好ましくは17
〜20wt%、特に17〜19wt%の間が選ばれる。
を形成する。製品では、加工性が改良されて、溶接に対
してはヒートチェックの発生に関し改良された耐性が得
られる。さらに、マンガンは、オーステナイト安定化で
あり、いずれの脆化も緩和する。一方、Mnは高合金価
格に影響する。このために、Mn含有量を最大2.0w
t%、好ましくは1.3〜1.7wt%の間にする。
オーステナイト組織を得るために添加され、改良された
強度を与え且つ脆化を緩和する。しかしながら、マンガ
ンと同様に、ニッケルは高合金価格に影響する。このた
めに、ニッケル含有量は適切に8〜14wt%の間に、
好ましくは9.0〜13.0wt%、特に9.5〜1
1.5wt%にする。
したがって、Mo含有量は1.0wt%を越えてはなら
ない。チタニウムは炭素に対して大きな親和性を持ち、
炭化物の形成によって改良されたクリープ強度が得られ
る。また、固溶体中のTiは優れたクリープ強度に寄与
する。また、Tiが炭素と結合することが、結晶粒界中
にクロム炭化物の分離の危険を増加する(ゆわいる鋭敏
化)。一方、余り高いTi含有量は脆化をもたらす。こ
のために、Ti含有量は炭素含有量の4倍より少なくて
はならず、0.80wt%を越えてはならない。
で安定化することができる。チタンに対すると同じ論点
で、ニオブ含有量は炭素含有量の8倍より少なくてはな
らず、1.0wt%を越えてはならない。酸素、窒素及
び硫黄は、酸化物、窒化物及び硫化物の形で選択された
希土類金属と一般的に結合し、それによって、これらは
改良された耐酸化性に寄与することはない。このため
に、S及びOの含有量のそれぞれは、0.03wt%を
越えてはならず、且つN含有量は0.05wt%を越え
てはならない。好ましくは、SとOとの含有量は0.0
05wt%を越えてはならず、且つN含有量は0.02
wt%を越えてはならない。
も改良する。所定濃度以下ではこの効果は現れない。上
記所定限定以上の添加後は、耐酸化性のさらなる改良は
達成されない。このため、ランタン含有量は0.02〜
0.11wt%、好ましくは0.05〜0.10wt%
の間に選択する。
37金属は、高周波炉による溶融とインゴットへの鋳造
によって製造された。化学組成を表1に示す。このイン
ゴットから10mm厚みの板がインゴットを横切って鋸
切断され、板はその後約4mmの厚さに熱間圧延され
た。この手順の目的は鋳造組織の破壊であり、均一の粒
子径が得られた。同時に合金の熱間加工性の指標が得ら
れた。その後圧延された板はこのタイプの鋼の実施にし
たがって焼鈍され、1055℃で10分の保持時間で、
引き続き水焼き入れされた。
×30mmの大きさに切断され、それらの面を200粒
度の研磨紙で研磨した。その後、分析試料は300時間
700℃の水蒸気中で酸化された。結果を図1に示し、
水蒸気中での酸化の際の重量変化を試験時間の関数とし
て図示する。
まないSS2337(チャージ654695)に対し
て、重量が700℃の蒸気で100時間後に減少し、そ
れは材料が剥離し、すなわち酸化物の離脱を意味する。
純ランタン及び他の希土類金属で合金化したチャージに
対しては、ほんのわずかな重量増加が示され、材料に酸
化物が形成されたことを示す。上述のように、これは過
熱器の管に使用される合金に対しては望ましい特性であ
る。
工性特性に付いての影響を明らかにするために、実験が
実施された。上記の望ましい手順にしたがってチャージ
は製造され、異なる温度で高温引張り試験がされた。図
2の結果は、ランタンが熱間加工性に対してマイナスの
効果を持たないことを示し、これはCeと共に事実であ
る。
るLa含有量でもたらされる。硫黄、酸素及び窒素のよ
うな元素は、鋼溶融物中でLaと容易に反応して、安定
な硫化物、酸化物及び窒化物を形成する。これらの化合
物中で結合したLaは、したがって、酸化特性に効果を
示さない、そのために、S、O及びN含有量は低く抑え
られる。
化材料に対してクリープ強度を弱めることを示さなかっ
た。
変化を試験時間の関数として図示する。
Claims (10)
- 【請求項1】 C :<0.12wt%、 Si:<1.0wt%、 Cr:16〜22wt%、 Mn:<2.0wt%、 Ni:8〜14wt%、 Mo:<1.0wt%、 炭素のwt%の4倍を越え<0.8wt%のTi、また
は炭素のwt%の8倍を越え<1.0wt%のNb、の
いずれか一方、 S :<0.03wt%、 O :<0.03wt%、 N :<0.05wt%、 La:≧0.02wt%から≦0.11wt%、及び残
部Fe及び不可避的不純物、 を含有するオーステナイトステンレス鋼。 - 【請求項2】 炭素含有量が0.04〜0.08wt%
の間にある請求項1記載の鋼。 - 【請求項3】 珪素含有量が0.3〜0.7wt%の間
にある請求項1または2記載の鋼。 - 【請求項4】 クロム含有量が17〜20wt%の間に
ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼。 - 【請求項5】 マンガン含有量が1.3〜1.7wt%
の間にある請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼。 - 【請求項6】 ニッケル含有量が9.0〜13.0wt
%の間にある請求項1〜5のいずれか1項に記載の鋼。 - 【請求項7】 ランタン含有量が≧0.05wt%から
≦0.10wt%以下の間にある請求項1〜6のいずれ
か1項に記載の鋼。 - 【請求項8】 炭素ボイラーの過熱器の鋼として使用す
る請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼。 - 【請求項9】 熱交換機の鋼として使用する請求項1〜
7のいずれか1項に記載の鋼。 - 【請求項10】 エテンオーブンの対流部品に使用する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の鋼。
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