JPH11241003A - カラーフィルター保護膜用樹脂組成物及びこれを用いたカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター保護膜用樹脂組成物及びこれを用いたカラーフィルター

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JPH11241003A
JPH11241003A JP4312698A JP4312698A JPH11241003A JP H11241003 A JPH11241003 A JP H11241003A JP 4312698 A JP4312698 A JP 4312698A JP 4312698 A JP4312698 A JP 4312698A JP H11241003 A JPH11241003 A JP H11241003A
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resin
color filter
epoxy resin
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JP4312698A
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Masahiro Kotani
正弘 小谷
Michio Uruno
道生 宇留野
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性、密着性、塗布性、透明
性、耐傷性及び耐湿性の要求特性を満足させるカラーフ
ィルター保護膜用樹脂組成物及びこれを用いたカラーフ
ィルターを提供する。 【解決手段】 (A)ノボラックエポキシ樹脂 100
重量部、(B)下記の一般式(I)で示される構造単位
及び/又は(II)で示される構造単位を有するノボラ
ック樹脂 10〜300重量部 【化1】 【化2】 並びに、(C)硬化促進剤 0.1〜10重量部を含有
してなるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物及びこれ
を用いたカラーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、耐薬品
性、密着性、塗布性、透明性、耐傷性及び耐湿性の要求
特性を満足させる新規なカラーフィルター保護膜用樹脂
組成物及びこれを用いたカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーフィルターを内蔵したカラ
ー液晶表示素子が種々発表されている。このカラー液晶
表示素子の作製にあたっては、ガラス等の透明基板上に
カラーフィルターを設け、この上にインジウムチンオキ
シド(ITO)等からなる無機薄膜を蒸着し、ホトリソ
グラフィー法によって、パターニングして透明電極を形
成した後、液晶配向膜を形成し、さらにその上に液晶を
配置する方法が主流になっている。この場合、カラーフ
ィルターには、この上にITOを蒸着して、ホトリソグ
ラフィー法で透明電極を形成するプロセスに耐え得るだ
けの耐熱性、耐薬品性が備わっていないため、ITOを
蒸着する前にカラーフィルター上に保護膜を形成してお
く必要がある。
【0003】このカラーフィルター保護膜に要求される
特性としては、耐熱性、耐薬品性の他にガラス基板やカ
ラーフィルターとの密着性、コーティング性、透明性、
耐傷性、耐湿性等が挙げられる。このうち、耐熱性は保
護膜上にITO等の透明電極を蒸着により形成する際
に、保護膜表面が、通常200℃以上に加熱されるた
め、この条件下で安定であることが必要である。また、
耐薬品性としては、液晶材料や通常配向膜ワニスの溶剤
に用いられるN−メチルピロリドン(NMP)等に侵さ
れないことが必要である。耐湿性は、長期間高湿度雰囲
気下に放置してもカラーフィルターが吸湿しないことが
必要である。
【0004】このような種々の特性に優れたカラーフィ
ルター保護膜用材料としては、特開昭58−19650
6号公報及び特開昭62−119501号公報にはアク
リル系樹脂、特開昭60−216307号公報及び特開
平4−202418号公報にはポリグリシジル(メタ)
アクリレート系樹脂、特開昭63−131103号公報
にはメラミン樹脂、特開平1−261464号公報には
エポキシ樹脂及びその他ポリイミド樹脂等がそれぞれ提
案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている材料ではそれぞれ欠点があり、全ての要求
特性を満足するバランスのとれた材料は無いのが現状で
ある。例えば、アクリル系樹脂では耐熱性が不十分であ
り、ITO等の蒸着時に膜の表面にシワやクラックを生
じるという問題がある。 メラミン樹脂は、比較的耐熱
性は高いものの、ガラス基板やカラーフィルターとの密
着性が極端に悪く、基板やフィルタ上でハジキを生じや
すい。 またポリイミド樹脂は、透明性が不十分なうえ
に、ワニスの保存安定性に欠ける点や、カラーフィルタ
ーを侵すような溶剤しか使用できないというような問題
がある。 ポリグリシジル(メタ)アクリレート系樹脂
は、耐熱性、透明性は良好であるが、密着性、耐アルカ
リ性、耐湿性に問題がある。
【0006】これに対して、エポキシ樹脂は、ノボラッ
クエポキシ樹脂/ノボラック樹脂の組み合わせが半導体
封止樹脂に広く用いられているが、エポキシ樹脂は耐熱
性、耐湿性は良好であるものの、コーティング性、透明
性及び密着性等に問題がある。
【0007】例えば、特開平1−261464号公報に
は低着色性のフェノール及び/またはクレゾールノボラ
ック樹脂を硬化剤として用いた保護膜が提案されている
が、これらの樹脂は低分子量であるため、コーティング
性が悪く、しかもフェノール性水酸基のパラ位に数多く
メチレン結合を持つことから、熱硬化過程において発色
原因となるトリフェニルメタン型構造が生成しやすく、
良好な透明性を得ることができない(村山新一著 フェ
ノール樹脂(S.45年出版)34〜35頁参照)。
【0008】本発明は前記の欠点を改良して、耐熱性、
耐薬品性、密着性、塗布性、透明性、耐傷性及び耐湿性
の全ての要求特性を満足させる新規なカラーフィルター
保護膜用樹脂組成物及びこれを用いたカラーフィルター
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ノボラ
ックエポキシ樹脂 100重量部、(B)下記の一般式
(I)で示される構造単位及び/又は(II)で示され
る構造単位を有するノボラック樹脂 10〜300重量
【化3】
【化4】 並びに、(C)硬化促進剤 0.1〜10重量部を含有
してなるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物に関す
る。
【0010】本発明においては、(A)ノボラックエポ
キシ樹脂100重量部に対して、(D)官能性シランカ
ップリング剤1〜50重量部を加えることが好ましい。
【0011】本発明においては、(A)ノボラックエポ
キシ樹脂はフェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラックエポキシ樹脂及びビスフェノールAノボ
ラックエポキシ樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも
1種類とすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における(A)ノボラック
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラックエポキシ
樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラックエポキシ樹脂、α−ナフトールノボラ
ックエポキシ樹脂等があり、これらの樹脂は市場から容
易に入手することができる。具体的には、フェノールノ
ボラックエポキシ樹脂としては、DEN−431,43
8,439(ダウ・ケミカル(株)製)、エピコート1
52,154(油化シェルエポキシ(株)製)、EPP
N−201,202(日本化薬(株)製)等、クレゾー
ルノボラックエポキシ樹脂としてはEOCN−102
S,103S,104S,1020,1025及び10
27(日本化薬(株)製)、ESCN−195X,20
0S,220(住友化学工業(株)製)等、ビスフェノ
ールAノボラックエポキシ樹脂としてはN−865,N
−880(大日本インキ化学工業(株)製)、α−ナフ
トールノボラックエポキシ樹脂、EXB−4300(大
日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0013】本発明における(B)下記の一般式(I)
で示される構造単位及び/又は(II)で示される構造
単位を有するノボラック樹脂ノボラック樹脂 として
は、(I)で示される構造単位を有するテルペンフェノ
ールノボラック樹脂、(II)で示される構造単位を有
するビスフェノールAノボラック樹脂の混合物、または
一般式(I)で示される構造単位及び/又は(II)で
示される構造単位を同一樹脂中に有する共縮合ノボラッ
ク樹脂が好ましい。
【化5】
【化6】
【0014】上記の一般式(I)で示される構造単位を
有するテルペンフェノールノボラック樹脂は市場から容
易に入手することができる。たとえば、エピキュア M
P402(油化シェルエポキシ(株)製)等がある。
【0015】上記の一般式(II)で示される構造単位
を有するビスフェノールAノボラック樹脂も市場から容
易に入手することができる。たとえば、フェノライトV
H−4150,4170,4240,4290(大日本
インキ化学工業(株)製)等がある。
【0016】本発明における(B)ノボラック樹脂 の
分子量は、本発明の組成物を基体に均一な膜として塗布
することができる限り特に制限されないが、通常1,0
00〜300,000(ポリスチレン換算重量平均分子
量)であり、好ましくは3,000〜50,000であ
る。重合体の分子量は、形成する硬化塗膜の膜厚、塗布
方法等の塗膜形成の目的や条件に応じて適宜選択するこ
とができる。
【0017】本発明における(C)硬化促進剤として
は、通常エポキシ樹脂の硬化に際して用いられるものが
使用できる。具体的には、塩酸等の無機酸、酢酸、シュ
ウ酸等の有機酸、トリエチルアミン、ベンジルジメチル
アミン等の第三級アミン類、1−ベンジル−2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類、BF3等のルイス酸またはルイス酸塩等を
挙げることができ、好ましくは第三級アミン類、または
イミダゾール類が用いられる。
【0018】本発明の組成物において、(A)ノボラッ
クエポキシ樹脂100重量部に対する(B)ノボラック
樹脂の配合量は10〜300重量部とされ、30〜10
0重量部が好ましい。(B)ノボラック樹脂の配合量は
10重量部未満であれば耐熱性が低下し、また300重
量部を越えると耐薬品性が不十分になる。通常、(A)
ノボラックエポキシ樹脂中のエポキシ基に対する(B)
ノボラック樹脂中の水酸基の比率(モル比)を好ましく
は水酸基/エポキシ基=0.6〜1.0、より好ましく
は0.8〜1.0となるように配合する。水酸基/エポ
キシ基の比率が0.6未満であると成膜後に十分な架橋
密度が得られないため耐熱性が低下する傾向があり、ま
た1.0を越えると耐湿性、耐薬品性が低下する傾向が
ある。
【0019】また、本発明における(C)硬化促進剤の
配合量は、(A)ノボラックエポキシ樹脂100重量部
に対して0.1〜10重量部とされ、好ましくは0.5
〜5重量部である。硬化促進剤が0.1重量部未満であ
れば耐熱性が不十分となり、また10重量部を越えると
耐湿性、耐薬品性等が低下する。
【0020】また本発明においては、(D)官能性シラ
ンカップリング剤を密着性の向上のために用いることが
できる。官能性シランカップリング剤としては、ビニル
基、メタクリロイル基、水酸基、カルボキシル基、アミ
ノ基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基
を有するシランカップリング剤、具体的にはビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
特にエポキシ基を有するシランカップリング剤が密着
性、耐薬品性等に優れているため好ましい。これらの官
能性シランカップリング剤は、単独でも、二種類以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0021】(D)官能性シランカップリング剤の使用
量は、(A)ノボラックエポキシ樹脂100重量部に対
して、好ましくは1〜50重量部であり、より好ましく
は5〜30重量部である。(D)官能性シランカップリ
ング剤の使用量が、1重量部未満であれば密着性が不十
分となる傾向があり、また50重量部を越えると塗布性
や耐熱性が低下する傾向がある。
【0022】本発明の組成物は、通常、有機溶剤に溶解
してカラーフィルター基材に塗布し、加熱硬化させるこ
とによって保護膜を形成させることができる。有機溶剤
としては、本発明の組成物を溶解し、かつこれらの成分
と反応しないものであれば、特に制限されるものではな
い。具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
剤;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチ
ル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n
−ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
タート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタ
ート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセター
ト、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセター
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセター
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセター
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセター
ト、プロピレングリコールジアセタート、γ−ブチロラ
クトン等のエステル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド
系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤のうち、エステル
系溶剤およびケトン系溶剤が好ましく、単独でまたは二
種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0023】本発明の組成物を有機溶剤に溶解して、組
成物溶液を調製する方法は特に制限されるものではな
く、全成分を同時に溶剤に溶解して組成物溶液を調製し
てもよく、必要に応じて各成分を適宜2つ以上の溶液と
しておいて、使用時にこれらの溶液を混合して組成物溶
液としてもよい。このようにして組成物溶液を調製する
場合の有機溶剤の配合量は、塗布に供せられる最終的な
組成物溶液全量のうち50〜95重量%とすることが好
ましい。有機溶剤の配合量が50重量%未満では固形分
濃度が高すぎて塗膜のレベリング性が低下したり、塗膜
の透明性が低下したりする傾向があり、また95重量%
を越えると固形分濃度が低すぎて、塗膜の耐薬品性等が
不十分となる傾向がある。
【0024】また、本発明の組成物には必要に応じて、
1分子中に2個以上のアクリル基またはメタクリル基を
有する化合物、エピビス型や脂環式構造を有するエポキ
シ樹脂、シリコーン系またはフッ素系等の界面活性剤、
酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤等を添加すること
もできる。
【0025】本発明の組成物溶液を塗布する方法は特に
制限されず、浸漬法、スプレー法、ロールコート法、回
転塗布法等の他、スクリーン印刷、オフセット印刷等の
印刷による塗布方法等で基材に塗布することができる。
本発明の組成物の加熱硬化条件は組成物の各成分の具体
的種類、配合割合等によって適宜選択されるが、通常、
50〜300℃で0.1〜10時間、好ましくは100
〜250℃で1〜5時間程度である。
【0026】本発明の組成物により形成される硬化塗膜
はガラス、金属、プラスチック等の種々の材料に対して
優れた密着性を示し、平滑、強靱で耐光性、耐熱性、耐
水性、耐溶剤性、透明性に優れているため、ゼラチン、
グリュー、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂等の
種々のバインダー樹脂を染料による染色や、顔料分散に
よって着色して得られる種々のカラーフィルタの表面保
護層、防染保護層として有用である。カラーフィルター
保護膜は加熱硬化後の膜厚が0.005〜30μm、好
ましくは0.1〜10μm程度となるように、適宜、塗
布して用いることができる。
【0027】従来のポリグリシジル(メタ)アクリレー
ト樹脂は、耐熱性、透明性は良好であるが、エステル結
合の数が多すぎるため、耐アルカリ性や耐湿性に問題が
あり、一方、ノボラック樹脂を硬化剤として用いたエポ
キシ樹脂は、耐熱性や耐湿性は良好であるが、コーティ
ング性、透明性に問題があることが判明した。また、従
来技術では、塗布性、密着性、耐熱性等すべての要求特
性を満足させるものはなかったが、本発明における組成
物は、これらの各要求特性をバランス良く満足させるこ
とができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって制限されるもの
ではない。 実施例1 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬製EOC
N−104S、エポキシ当量220)100重量部に対
し、重量平均分子量5,200のポリ−p−ビニルフェ
ノール樹脂、MARUKALINCUR M(丸善石油
化学製グレードS−2P、水酸基当量120)55重量
部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール1.0重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
SH−6040)10重量部、エチルセロソルブアセ
テート280重量部、ブチルセロソルブアセテート18
0重量部を加えて室温で均一に混合、溶解させた。
【0029】この溶液を、孔径0.2μmのメンブラン
フィルタで濾過した後、スピンコーターを用いてガラス
板(ダウコーニング社製7059材、無アルカリガラ
ス)上に回転数700rpmで回転塗布した。塗布後、
ガラス板を180℃のクリーンオーブン中にて1時間処
理し、塗膜を硬化させた。得られた塗膜の表面は極めて
平滑であり、ピンホール等は全く見られなかった。触針
式膜厚計(日本真空技術社製、Dektak 3ST)
によって測定した膜厚は2.3μmであった。
【0030】このようにして作製した塗膜について以下
の試験を行った。塗膜のガラス板との密着性を調べるた
めにテープ剥離によるゴバン目試験(JIS−K−54
00)を行った。その結果、残存数100/100であ
り、剥離は全く見られなかった。次に塗膜の400〜8
00nmにおける吸収スペクトルを塗布したものと同じ
ガラス板をリファレンスとして測定したところ、光線透
過率は全領域で95%以上であった。
【0031】また、この塗膜をつけたガラス板をプレッ
シャークッカーテスト(120℃、2気圧)1時間(以
下、PCT処理という)、N−メチルピロリドン中に室
温で30分浸漬(以下、NMP処理という)、5重量%
水酸化ナトリウム水溶液に室温で30分浸漬(以下、N
aOH処理という)、および250℃のギヤオーブン中
に1時間放置(以下、250℃処理という)の処理を別
々に行い、各処理後で上記のゴバン目試験および光線透
過率の測定を行った。これらの結果を塗膜製造直後(硬
化直後)の試験結果と比較したところ、いずれの場合も
接着性や光線透過率は良好であった。なお、ゴバン目試
験結果を表1に、および光線透過率試験結果を表2に示
す。
【0032】実施例2 実施例1において、クレゾールノボラックエポキシ樹脂
の代わりにビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂
(大日本インキ化学工業製N−880、エポキシ当量2
09)を用いた以外は、実施例1と同様にしてガラス板
上に塗布、加熱硬化させた。得られた塗膜の表面は極め
て平滑であり、ピンホール等は全く見られなかった。触
針式膜厚計によって測定した膜厚は2.2μmであっ
た。作製した塗膜について実施例1と同様に各種特性試
験を行った。ゴバン目試験結果を表1に、および光線透
過率試験結果を表2に示す。
【0033】実施例3 実施例1において、重量平均分子量5,200のポリ−
p−ビニルフェノール樹脂、MARUKALINCUR
Mの代わりに重量平均分子量9,800のポリ−p−
ビニルフェノール樹脂、MARUKALINCUR M
(丸善石油化学製グレードS−4、水酸基当量120)
を用いた以外は、実施例1と同様にしてガラス板上に塗
布、加熱硬化させた。得られた塗膜の表面は極めて平滑
であり、ピンホール等は全く見られなかった。触針式膜
厚計によって測定した膜厚は2.5μmであった。作製
した塗膜について実施例1と同様に各種特性試験を行っ
た。ゴバン目試験結果を表1に、および光線透過率試験
結果を表2に示す。
【0034】比較例1 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬製 EO
CN−104S、エポキシ当量220)100重量部、
無水トリメリット酸30重量部、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製 SH−6040)5.0重量部、エチルセ
ロソルブアセテート400重量部を室温で均一に混合溶
解し、得られた溶液を実施例と同様にしてガラス板上に
塗布、加熱硬化させた。得られた塗膜の表面にはピンホ
ールが見られた。触針式膜厚計によって測定した膜厚は
1.7μmであった。作製した塗膜について実施例1と
同様に各種特性試験を行った。ゴバン目試験結果を表1
に、および光線透過率試験結果を表2に示す。
【0035】比較例2 重量平均分子量80,000のポリメタクリル酸グリシ
ジル100重量部、無水トリメリット酸10重量部、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン社製 SH−6040)1.
0重量部、エチルセロソルブアセテート580重量部を
室温で均一に混合溶解し、得られた溶液を実施例と同様
にしてガラス板上に塗布、加熱硬化させた。得られた塗
膜の表面は極めて平滑であり、ピンホール等は全く見ら
れなかった。触針式膜厚計によって測定した膜厚は2.
0μmであった。作製した塗膜について実施例1と同様
に各種特性試験を行った。ゴバン目試験結果を表1に、
および光線透過率試験結果を表2に示す。
【0036】比較例3 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬製EOC
N−104S、エポキシ当量220)100重量部に対
し、重量平均分子量720のフェノールノボラック樹脂
(明和化成製 H−1、水酸基当量106)50重量
部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール1.0重量部、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製
SH−6040)5.0重量部、エチルセロソルブア
セテート240重量部、ブチルセロソルブアセテート1
60重量部を加えて室温で均一に混合溶解し、得られた
溶液を実施例と同様にしてガラス板上に塗布、加熱硬化
させた。得られた塗膜の表面にはピンホールが見られ
た。触針式膜厚計によって測定した膜厚は2.0μmで
あった。作製した塗膜について実施例1と同様に各種特
性試験を行った。ゴバン目試験結果を表1に、および光
線透過率試験結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例4 実施例1〜3で調製した組成物溶液を一般的に知られて
いる方法で作製したカラーフィルター基材上に塗布した
後、加熱硬化して保護膜を形成し、保護膜付きカラーフ
ィルターの特性を調べた。
【0040】カラーフィルター基材は透明ガラス基板上
にゼラチンと重クロム酸カリウム溶液を用いて、常法に
よりストライプ状の赤、緑、青の3色の染色式カラーフ
ィルターがついた基材を作製した(ストライプ幅100
μm)。この基材の表面凹凸を触針式膜厚計によって測
定したところ、1.0μmであった。
【0041】次に、このカラーフィルター基材上に前記
組成物溶液を700rpmで回転塗布し、180℃で1
時間乾燥することにより保護層を形成した。このように
して作製された保護膜付きカラーフィルター上に、イン
ジウムチンオキシド(ITO)を常法に従い蒸着した。
このITOがついたカラーフィルターを光学顕微鏡で詳
細に観察したが、カラーフィルターや保護膜にシワやク
ラック等は全く認められず、カラーフィルターと保護膜
との接着性及び密着性も表3に示すように良好であっ
た。
【0042】さらに、このITOがついたカラーフィル
ターを湿度100%の雰囲気下に2週間放置した後、液
晶配向膜(日立化成工業製、STX−24)をスピンコ
ートにより乾燥後の膜厚が0.05μmとなるように塗
布し、200℃のホットプレート上で10分間乾燥させ
成膜した。この後、カラーフィルターを光学顕微鏡で詳
細に観察したが、カラーフィルターに異常は見られなか
った。
【0043】比較例4 比較例1〜3で調製した組成物溶液を用いた以外は実施
例4と全く同様にしてカラーフィルター基材上に保護
膜、及びITO膜を形成して特性を調べた。結果を表3
に示す。
【0044】さらに、このITOがついたカラーフィル
ターを湿度100%の雰囲気下に2ピンコートにより乾
燥後の膜厚が0.05μmとなるように塗布し、200
℃のホットプレート上で10分間乾燥させ成膜した。こ
の後、カラーフィルターを光学顕微鏡で詳細に観察した
ところ、比較例1及び2で調製した組成物溶液を用いて
保護膜を形成したカラーフィルターに吸湿が原因と考え
られる色抜けが見られた。
【0045】
【表3】 1)異常のないものを○、シワ、クラックが発生したものを×と
した。 2)ゴバン目試験により、剥がれのないものを○、部分的
に剥がれのあるものを△、完全に剥がれたものを×とし
た。 3)異常のないものを○、部分的に色抜けのあるものを
△、全面に色抜けのあるものを×とした。
【0046】
【発明の効果】請求項1〜3におけるカラーフィルター
保護膜用樹脂組成物はこれを用いて形成される塗膜がコ
ーティング性、透明性、接着性、耐薬品性、耐熱性、耐
傷性及び耐湿性に優れている。また請求項4におけるカ
ラーフィルタは、請求項1〜3のいずれかにおけるカラ
ーフィルター保護膜用樹脂組成物を用いて形成され、前
記の樹脂組成物から形成される塗膜と同様の特長を示
す。これは、ノボラックエポキシ樹脂のフェノール硬化
による塗膜であるため、耐湿性に優れるとともに、硬化
剤として低分子のノボラック樹脂ではなく、フェノール
性水酸基を有する高分子量の樹脂を用いるため、塗布
性、透明性、密着性にも優れることによる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ノボラックエポキシ樹脂 100
    重量部、(B)下記の一般式(I)で示される構造単位
    及び/又は(II)で示される構造単位を有するノボラ
    ック樹脂 10〜300重量部 【化1】 【化2】 並びに、(C)硬化促進剤 0.1〜10重量部を含有
    してなるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ノボラックエポキシ樹脂100重
    量部に対して、(D)官能性シランカップリング剤1〜
    50重量部を含有してなる請求項1記載のカラーフィル
    ター保護膜用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)ノボラックエポキシ樹脂がフェノ
    ールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエ
    ポキシ樹脂及びビスフェノールAノボラックエポキシ樹
    脂よりなる群より選ばれる少なくとも1種類からなる請
    求項1または2記載のカラーフィルター保護膜用樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のカ
    ラーフィルター保護膜用樹脂組成物を用いたカラーフィ
    ルター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100345921C (zh) * 2004-03-24 2007-10-31 中央硝子株式会社 镜用边缘涂料及涂布了该边缘涂料的镜
WO2008067093A1 (en) * 2006-11-29 2008-06-05 Ppg Industries Ohio, Inc. Epoxy functional polymers comprising the reaction product of terpene and an epoxy functional monomer and coatings comprising such polymers

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