JPH11240704A - Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法 - Google Patents
Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法Info
- Publication number
- JPH11240704A JPH11240704A JP6220798A JP6220798A JPH11240704A JP H11240704 A JPH11240704 A JP H11240704A JP 6220798 A JP6220798 A JP 6220798A JP 6220798 A JP6220798 A JP 6220798A JP H11240704 A JPH11240704 A JP H11240704A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ammonium polyphosphate
- ammonia
- type
- reactant
- polyphosphate particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 II型の構造を有する結晶粒子からなり、該
結晶粒子の主たる粒子径が10μm以下であり、かつ該
結晶粒子の表面が平滑であるポリリン酸アンモニウムの
製造方法に関する。 【解決手段】 リン酸アンモニウムと無水リン酸をおお
よそ等モルずつ混合し220℃〜320℃で溶融する第
1工程と、第1工程で得られた反応物に該反応物中のリ
ン原子1mol当たり0.03〜300mol/分の速
度でアンモニアを吸収させ、アンモニアを吸収したのち
の該反応物中の窒素原子Nおよびリン原子Pの比である
N/Pが0.82〜0.86とする第2工程と、第2工
程で得られた反応物にアンモニアを吸収させ、アンモニ
アを吸収したのちの該反応物のN/Pを1とする第3工
程とからなるII型ポリリン酸アンモニウム粒子の製造
方法。
結晶粒子の主たる粒子径が10μm以下であり、かつ該
結晶粒子の表面が平滑であるポリリン酸アンモニウムの
製造方法に関する。 【解決手段】 リン酸アンモニウムと無水リン酸をおお
よそ等モルずつ混合し220℃〜320℃で溶融する第
1工程と、第1工程で得られた反応物に該反応物中のリ
ン原子1mol当たり0.03〜300mol/分の速
度でアンモニアを吸収させ、アンモニアを吸収したのち
の該反応物中の窒素原子Nおよびリン原子Pの比である
N/Pが0.82〜0.86とする第2工程と、第2工
程で得られた反応物にアンモニアを吸収させ、アンモニ
アを吸収したのちの該反応物のN/Pを1とする第3工
程とからなるII型ポリリン酸アンモニウム粒子の製造
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、II型の結晶構造
を有し、粒子径10μm 以下が主成分であり、結晶表面
が平滑な微細なポリリン酸アンモニウム(以下APP)
の製造方法に関する。更に詳細には、オレフィン樹脂及
び成型品または繊維等に本発明品を内部添加若しくは含
浸させた時、該オレフィン樹脂等及び成型品または繊維
等の機械的特性の低下が少なく、粒子径が小さくなり比
表面積が増加するにも関わらず従来品と同等の耐ブリー
ド性、難燃性を付与するAPP微粒子に関する。
を有し、粒子径10μm 以下が主成分であり、結晶表面
が平滑な微細なポリリン酸アンモニウム(以下APP)
の製造方法に関する。更に詳細には、オレフィン樹脂及
び成型品または繊維等に本発明品を内部添加若しくは含
浸させた時、該オレフィン樹脂等及び成型品または繊維
等の機械的特性の低下が少なく、粒子径が小さくなり比
表面積が増加するにも関わらず従来品と同等の耐ブリー
ド性、難燃性を付与するAPP微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】APPはリン酸塩含有物、及びアンモニ
ア化−縮合剤とからなる混合物を加熱縮合させて得られ
ることは良く知られている。しかし、公知のAPPは難
燃性能を付与する目的で、オレフィン樹脂及び成型品、
又は繊維等に添加又は含浸させた時、 1.粒子径が大きいことに起因する難燃性能のムラ及び
機械的強度の低下。 2.I型の結晶構造に由来する耐ブリード性の低下。 3.過度な機械粉砕によりAPPの結晶表面の歪化に起
因する耐ブリード性の低下。 4.APP5%−熱水懸濁溶解液の粘性不足に起因する
耐ブリード性の低下。 等、不都合な問題を生ずる。
ア化−縮合剤とからなる混合物を加熱縮合させて得られ
ることは良く知られている。しかし、公知のAPPは難
燃性能を付与する目的で、オレフィン樹脂及び成型品、
又は繊維等に添加又は含浸させた時、 1.粒子径が大きいことに起因する難燃性能のムラ及び
機械的強度の低下。 2.I型の結晶構造に由来する耐ブリード性の低下。 3.過度な機械粉砕によりAPPの結晶表面の歪化に起
因する耐ブリード性の低下。 4.APP5%−熱水懸濁溶解液の粘性不足に起因する
耐ブリード性の低下。 等、不都合な問題を生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、特公昭53−
11280号明細書によるAPPの粒子径は63μm 以
下94%(平均粒子径18μm)で粒子径が大きく、微細
化する目的で機械的粉砕する事により結晶表面が歪化し
上述第1項及び第3項の不都合を生じている。又、特公
昭53−15478号、及び特公昭49−30356号
によるAPPはI型の結晶構造を有している。本発明者
等は、先に特願平3−12900号において、上記の不
都合な点が解決されたII型のAPP微粒子ならびにそ
の製造方法を提供した。しかし、その製造方法に係る結
晶化法は、技術的に難度が高く安定した製造を行うこと
は困難であった。本発明は、これらの不都合な問題点を
解決したAPP微粒子の製造方法を提供しようとするも
のである。
11280号明細書によるAPPの粒子径は63μm 以
下94%(平均粒子径18μm)で粒子径が大きく、微細
化する目的で機械的粉砕する事により結晶表面が歪化し
上述第1項及び第3項の不都合を生じている。又、特公
昭53−15478号、及び特公昭49−30356号
によるAPPはI型の結晶構造を有している。本発明者
等は、先に特願平3−12900号において、上記の不
都合な点が解決されたII型のAPP微粒子ならびにそ
の製造方法を提供した。しかし、その製造方法に係る結
晶化法は、技術的に難度が高く安定した製造を行うこと
は困難であった。本発明は、これらの不都合な問題点を
解決したAPP微粒子の製造方法を提供しようとするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(10)の構成を有する。 (1)リン酸アンモニウム1molに対して0.9〜
1.1molの割合で無水リン酸を混合し220℃〜3
20℃で溶融することによりリン酸アンモニウムと無水
リン酸との反応物を得る第1工程と、第1工程で得られ
た反応物に該反応物中のリン原子1mol当たり0.0
3〜300mol/分の速度でアンモニアを吸収させ、
アンモニアを吸収したのちの該反応物中の窒素原子Nお
よびリン原子Pの比であるN/Pを0.82〜0.86
とする第2工程と、第2工程で得られた反応物にアンモ
ニアを吸収させ、アンモニアを吸収したのちの該反応物
のN/Pを1とする第3工程とからなるII型ポリリン
酸アンモニウム粒子の製造方法。 (2)第1工程がアンモニアガスの添加を行わない工程
である前記1項に記載のII型ポリリン酸アンモニウム
粒子の製造方法。 (3)第3工程における反応物の温度が240〜300
℃である前記1ないし2項に記載のII型ポリリン酸ア
ンモニウム粒子の製造方法。 (4)前記工程2または工程3において反応物の吸収す
るアンモニアを液体を用いて供給する前記1から3項の
いずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒
子の製造方法。 (5)前記工程2または工程3において反応物の吸収す
るアンモニアを尿素により供給する前記1から4項のい
ずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒子
の製造方法。 (6)前記工程2または工程3において反応物の吸収す
るアンモニアを尿素の水溶液により供給する前記1から
5項のいずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモニ
ウム粒子の製造方法。 (7)前記尿素の水溶液中の尿素の濃度が70〜80重
量%である前記6項に記載のII型ポリリン酸アンモニ
ウム粒子の製造方法。 (8)前記第2工程で得られる反応物中のN/Pが0.
84である前記1〜7項のいずれか1項に記載のII型
ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法。 (9)リン酸アンモニウムがリン酸アンモニウムとリン
酸2アンモニウムから選ばれた1種以上である前記1〜
8項のいずれかに記載のII型ポリリン酸アンモニウム
粒子の製造方法。 (10)前記1〜9項のいずれか1項に記載の製造方法
で得られるII型ポリリン酸アンモニウム粒子の75重
量%以上が10μm以下である前記1〜9項のいずれか
に記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方
法。 本発明の構成と効果につき以下に詳述する。本発明のA
PP微粒子は、反応過程に於てII型の構造を維持しつ
つ結晶の成長を抑制した粒子径10μm 以下が75重量
%以上の物である。I型、II型の結晶構造とは、図1
に示されるようにそれぞれJCPDSカード記載のN
o.220061、 No.220062のX線回折パタ
ーンを有する物である。本発明のAPP微粒子は、リン
酸アンモニウムと無水リン酸(P2 O5 )の略均等モル
量をガス状アンモニア雰囲気下、高められた温度で加熱
することにより製造するにあたり、II型の構造を形成
させる第1段反応工程と、アンモニア化剤により微細な
結晶核を生成させる第2段反応工程、及びガス状アンモ
ニアの雰囲気下、熱熟成後冷却する第3段反応工程によ
り得られる。本発明のII型の構造を形成させる第1段
反応工程とは、略均等モル量のリン酸アンモニアと無水
リン酸を窒素ガス雰囲気下、250℃以上好ましくは2
70℃以上320℃以下の温度で加熱溶融攪拌すること
である。リン酸アンモニアと無水リン酸のモル比は略均
等モルが好ましく、略均等モル比以外ではI型のAPP
が混入する。又、反応温度250℃以下及び第1段反応
工程以前ではI型及びその他の型のAPPが副生し、5
%熱水溶液の粘性が異常に低下し不都合を生じる。
(10)の構成を有する。 (1)リン酸アンモニウム1molに対して0.9〜
1.1molの割合で無水リン酸を混合し220℃〜3
20℃で溶融することによりリン酸アンモニウムと無水
リン酸との反応物を得る第1工程と、第1工程で得られ
た反応物に該反応物中のリン原子1mol当たり0.0
3〜300mol/分の速度でアンモニアを吸収させ、
アンモニアを吸収したのちの該反応物中の窒素原子Nお
よびリン原子Pの比であるN/Pを0.82〜0.86
とする第2工程と、第2工程で得られた反応物にアンモ
ニアを吸収させ、アンモニアを吸収したのちの該反応物
のN/Pを1とする第3工程とからなるII型ポリリン
酸アンモニウム粒子の製造方法。 (2)第1工程がアンモニアガスの添加を行わない工程
である前記1項に記載のII型ポリリン酸アンモニウム
粒子の製造方法。 (3)第3工程における反応物の温度が240〜300
℃である前記1ないし2項に記載のII型ポリリン酸ア
ンモニウム粒子の製造方法。 (4)前記工程2または工程3において反応物の吸収す
るアンモニアを液体を用いて供給する前記1から3項の
いずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒
子の製造方法。 (5)前記工程2または工程3において反応物の吸収す
るアンモニアを尿素により供給する前記1から4項のい
ずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒子
の製造方法。 (6)前記工程2または工程3において反応物の吸収す
るアンモニアを尿素の水溶液により供給する前記1から
5項のいずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモニ
ウム粒子の製造方法。 (7)前記尿素の水溶液中の尿素の濃度が70〜80重
量%である前記6項に記載のII型ポリリン酸アンモニ
ウム粒子の製造方法。 (8)前記第2工程で得られる反応物中のN/Pが0.
84である前記1〜7項のいずれか1項に記載のII型
ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法。 (9)リン酸アンモニウムがリン酸アンモニウムとリン
酸2アンモニウムから選ばれた1種以上である前記1〜
8項のいずれかに記載のII型ポリリン酸アンモニウム
粒子の製造方法。 (10)前記1〜9項のいずれか1項に記載の製造方法
で得られるII型ポリリン酸アンモニウム粒子の75重
量%以上が10μm以下である前記1〜9項のいずれか
に記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方
法。 本発明の構成と効果につき以下に詳述する。本発明のA
PP微粒子は、反応過程に於てII型の構造を維持しつ
つ結晶の成長を抑制した粒子径10μm 以下が75重量
%以上の物である。I型、II型の結晶構造とは、図1
に示されるようにそれぞれJCPDSカード記載のN
o.220061、 No.220062のX線回折パタ
ーンを有する物である。本発明のAPP微粒子は、リン
酸アンモニウムと無水リン酸(P2 O5 )の略均等モル
量をガス状アンモニア雰囲気下、高められた温度で加熱
することにより製造するにあたり、II型の構造を形成
させる第1段反応工程と、アンモニア化剤により微細な
結晶核を生成させる第2段反応工程、及びガス状アンモ
ニアの雰囲気下、熱熟成後冷却する第3段反応工程によ
り得られる。本発明のII型の構造を形成させる第1段
反応工程とは、略均等モル量のリン酸アンモニアと無水
リン酸を窒素ガス雰囲気下、250℃以上好ましくは2
70℃以上320℃以下の温度で加熱溶融攪拌すること
である。リン酸アンモニアと無水リン酸のモル比は略均
等モルが好ましく、略均等モル比以外ではI型のAPP
が混入する。又、反応温度250℃以下及び第1段反応
工程以前ではI型及びその他の型のAPPが副生し、5
%熱水溶液の粘性が異常に低下し不都合を生じる。
【0005】本発明のアンモニアを供給する化合物(以
下アンモニア化剤)とは、ガス状アンモニア、尿素、炭
酸アンモニア、カルバミン酸アンモニア等加熱によりア
ンモニアガスを発生する物質、又はこれ等の混合物、及
びこれ等の水溶液である。本発明のアンモニア化剤によ
る微細な結晶核を生成させる第2段反応工程とは、II
型の構造を形成させた第1反応工程で得られた初期溶融
反応液を攪拌、混練中又は噴霧下に化学量論的に必要な
アンモニア量の30〜90%を瞬時に供給できる量のア
ンモニア化剤を加え、瞬時に結晶化させることである。
アンモニア化剤の添加量が多すぎると、I型及びその他
の型のAPPが副生し、5%熱水溶液の粘度が低下す
る。又、少なすぎると所望の粒子径より大きいAPPが
得られる。本発明の第3段反応工程とは、第2段反応工
程で得られた顆粒状粉末に対し、250℃好ましくは2
70℃〜320℃で1〜10時間好ましくは2〜5時間
攪拌処理を持続することである。
下アンモニア化剤)とは、ガス状アンモニア、尿素、炭
酸アンモニア、カルバミン酸アンモニア等加熱によりア
ンモニアガスを発生する物質、又はこれ等の混合物、及
びこれ等の水溶液である。本発明のアンモニア化剤によ
る微細な結晶核を生成させる第2段反応工程とは、II
型の構造を形成させた第1反応工程で得られた初期溶融
反応液を攪拌、混練中又は噴霧下に化学量論的に必要な
アンモニア量の30〜90%を瞬時に供給できる量のア
ンモニア化剤を加え、瞬時に結晶化させることである。
アンモニア化剤の添加量が多すぎると、I型及びその他
の型のAPPが副生し、5%熱水溶液の粘度が低下す
る。又、少なすぎると所望の粒子径より大きいAPPが
得られる。本発明の第3段反応工程とは、第2段反応工
程で得られた顆粒状粉末に対し、250℃好ましくは2
70℃〜320℃で1〜10時間好ましくは2〜5時間
攪拌処理を持続することである。
【0006】反応は公知の反応式を由来する物である
が、本発明のII型APP微粒子は以下に示す2段階の
反応により進行する。 第1段反応工程:初期溶融反応 (NH4)2HPO4 + P2O5 →3/n[(NH4)2/3 H1/3 PO3]n もしくは NH4H2PO4 + P2O5 →3/n[(NH4)1/3 H2/3 PO3]n 第2段反応工程:中期結晶化反応 3/n[(NH4)2/3 H1/3 PO3]n + 1/2CO(NH3)2 + 1/2H2O→3/
n(NH4PO3)n もしくは 3/n[(NH4)1/3 H2/3 PO3]n + CO(NH3)2 + H2O→3/n(NH4P
O3)n ただし(n<10000)
が、本発明のII型APP微粒子は以下に示す2段階の
反応により進行する。 第1段反応工程:初期溶融反応 (NH4)2HPO4 + P2O5 →3/n[(NH4)2/3 H1/3 PO3]n もしくは NH4H2PO4 + P2O5 →3/n[(NH4)1/3 H2/3 PO3]n 第2段反応工程:中期結晶化反応 3/n[(NH4)2/3 H1/3 PO3]n + 1/2CO(NH3)2 + 1/2H2O→3/
n(NH4PO3)n もしくは 3/n[(NH4)1/3 H2/3 PO3]n + CO(NH3)2 + H2O→3/n(NH4P
O3)n ただし(n<10000)
【0007】
【発明の効果】本発明のAPPはII型の結晶構造を持
ち、結晶の表面が平滑であり、更に粒子径が小さいので
(10μm 以下80重量%以上)オレフィン樹脂、及び
成型品又は繊維等に内添させたとき緻密に分散する。従
って、機械的強度が向上する。因に、公知の方法による
II型のAPP及び市販されているII型のAPP(E
xolit422)は粒子径が63μm 以下94%、平
均粒径15μm で本発明のAPPよりはるかに大きい。
又、このAPPは機械的粉砕により微粒子化出来ない特
性を持っている。超過激な粉砕、例えばボールミル等で
数時間かけて粉砕することにより微粒子化した物は結晶
が長さ方向に裂けたり、結晶表面に傷がつき、平滑性を
失い歪になる。
ち、結晶の表面が平滑であり、更に粒子径が小さいので
(10μm 以下80重量%以上)オレフィン樹脂、及び
成型品又は繊維等に内添させたとき緻密に分散する。従
って、機械的強度が向上する。因に、公知の方法による
II型のAPP及び市販されているII型のAPP(E
xolit422)は粒子径が63μm 以下94%、平
均粒径15μm で本発明のAPPよりはるかに大きい。
又、このAPPは機械的粉砕により微粒子化出来ない特
性を持っている。超過激な粉砕、例えばボールミル等で
数時間かけて粉砕することにより微粒子化した物は結晶
が長さ方向に裂けたり、結晶表面に傷がつき、平滑性を
失い歪になる。
【0008】本発明のAPPはII型の結晶構造を持
ち、更に結晶の表面が平滑であるために、オレフィン樹
脂及び成型品又は繊維等に内添させ、高温高湿雰囲気に
晒したとき、該オレフィン樹脂及び成型品又は繊維等の
表面に、内添した該APPの溶出がみられない。本発明
のAPPは、分子量約300万の高分子で、熱水溶解液
は高い粘性を示す。例えば5%熱水溶解液の粘度は10
0〜10000センチポイズを示す。この様に本発明の
APP微粒子は、樹脂用、繊維用、製紙用、塗料用等の
難燃剤として好適に使用することが出来る。以下実施例
を示す。
ち、更に結晶の表面が平滑であるために、オレフィン樹
脂及び成型品又は繊維等に内添させ、高温高湿雰囲気に
晒したとき、該オレフィン樹脂及び成型品又は繊維等の
表面に、内添した該APPの溶出がみられない。本発明
のAPPは、分子量約300万の高分子で、熱水溶解液
は高い粘性を示す。例えば5%熱水溶解液の粘度は10
0〜10000センチポイズを示す。この様に本発明の
APP微粒子は、樹脂用、繊維用、製紙用、塗料用等の
難燃剤として好適に使用することが出来る。以下実施例
を示す。
【0009】
【実施例】使用した原材料および物性の評価は次によ
る。 原料 リン酸アンモニア:大平化学工業(株)製工業用リン酸
一アンモニア及びリン酸二アンモニア 無水リン酸:ラサ工業(株)製無水リン酸(P2 O5 ) 尿素:宇部興産(株)製 粒状尿素 炭酸アンモニア:試薬一級 市販II型APP:ヘキスト社製Exolit422 I型APP:自社合成品 ポリプロピレン樹脂:エチレン−プロピレンブロック共
重合体(エチレン含有量8.5重量%、メルトフローレ
ート20g/10分) ポリエチレン樹脂:チッソ(株)製 M680(メルト
インデックス6.5g/10分) エチレン−プロピレンゴム:日本合成ゴム(株)製(E
P 02P) 難燃助剤:2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,
3,5−トリアジンのポリマー
る。 原料 リン酸アンモニア:大平化学工業(株)製工業用リン酸
一アンモニア及びリン酸二アンモニア 無水リン酸:ラサ工業(株)製無水リン酸(P2 O5 ) 尿素:宇部興産(株)製 粒状尿素 炭酸アンモニア:試薬一級 市販II型APP:ヘキスト社製Exolit422 I型APP:自社合成品 ポリプロピレン樹脂:エチレン−プロピレンブロック共
重合体(エチレン含有量8.5重量%、メルトフローレ
ート20g/10分) ポリエチレン樹脂:チッソ(株)製 M680(メルト
インデックス6.5g/10分) エチレン−プロピレンゴム:日本合成ゴム(株)製(E
P 02P) 難燃助剤:2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,
3,5−トリアジンのポリマー
【0010】物性測定法 1)粒子径及び粒度分布 ストークスの沈降の式を原理とした粒度分布測定器。堀
場製作所製CAPA−500 2)5%溶解液粘度 APP5g を80℃の熱純水95g に懸濁させ、同温度
を維持し5分間攪拌溶解し、25℃まで冷却した一部
を、東京計器(株)製粘度測定器VISCONIC[E
MD]で測定。 3)分子量 分子量既知のポリエチレングリコール、及びポリエチレ
ンオキサイドを基準物質として、ウォーターズ社製高速
液体クロマトグラフで測定。 4)結晶型態 X線回折法 5)燃焼性 UL−94(Underweriters Labor
atories)に準じて行った。UL−94では垂直
燃焼試験を採用し、その評価は難燃性に応じてV−2、
V−1、V−0、に区分されるものである。また綿着火
率に関しては、試験片の下方30cmに置いた外科用脱脂
綿に溶融物が落下し外科用脱脂綿が着火したか否かを確
認した。 6)ブリード試験 80℃80%RHの恒温恒湿器に試験片(縦100mm
横100mm厚さ2mm)を一定期間暴露した後、80
℃の熱風乾燥器で2時間乾燥させ、室温でデシケータに
一昼夜放置したサンプルをJIS K6911に準じて
表面電気抵抗値を測定し、試験に供した時点から表面電
気抵抗値の低下がみられた時点までをブリード保持日数
とした。 7)アイゾット衝撃試験(ノッチ付き) JIS K7110に準拠。 8)デュポン法落錘衝撃試験 50×50×2mmの試験片を用い、JIS K−54
00−8.3.2項に示される装置を使用し、サンプル
温度10℃、先端曲率半径1/4インチの撃芯を使用
し、撃芯受台内径3/2インチの条件で撃芯荷重と落下
高さを変化させて評価した。
場製作所製CAPA−500 2)5%溶解液粘度 APP5g を80℃の熱純水95g に懸濁させ、同温度
を維持し5分間攪拌溶解し、25℃まで冷却した一部
を、東京計器(株)製粘度測定器VISCONIC[E
MD]で測定。 3)分子量 分子量既知のポリエチレングリコール、及びポリエチレ
ンオキサイドを基準物質として、ウォーターズ社製高速
液体クロマトグラフで測定。 4)結晶型態 X線回折法 5)燃焼性 UL−94(Underweriters Labor
atories)に準じて行った。UL−94では垂直
燃焼試験を採用し、その評価は難燃性に応じてV−2、
V−1、V−0、に区分されるものである。また綿着火
率に関しては、試験片の下方30cmに置いた外科用脱脂
綿に溶融物が落下し外科用脱脂綿が着火したか否かを確
認した。 6)ブリード試験 80℃80%RHの恒温恒湿器に試験片(縦100mm
横100mm厚さ2mm)を一定期間暴露した後、80
℃の熱風乾燥器で2時間乾燥させ、室温でデシケータに
一昼夜放置したサンプルをJIS K6911に準じて
表面電気抵抗値を測定し、試験に供した時点から表面電
気抵抗値の低下がみられた時点までをブリード保持日数
とした。 7)アイゾット衝撃試験(ノッチ付き) JIS K7110に準拠。 8)デュポン法落錘衝撃試験 50×50×2mmの試験片を用い、JIS K−54
00−8.3.2項に示される装置を使用し、サンプル
温度10℃、先端曲率半径1/4インチの撃芯を使用
し、撃芯受台内径3/2インチの条件で撃芯荷重と落下
高さを変化させて評価した。
【0011】実施例1 290〜300℃に予熱した総容量5リットルの卓上ニ
ーダーに、窒素ガス雰囲気を維持しながら(NH4)2 H
PO4 660g(5モル)、P2 O5 710g(5モ
ル)の混合物を入れ、加熱、攪拌した。5分後に全量が
溶融し、286℃の融液になった。この液を同温度を保
持、攪拌しながら20分経過後76.9%(80℃)の
尿素液97.5g(化学量論的に必要な副生アンモニア
量の50%相当)を7分間で噴霧添加した。引続き2リ
ットル/分のアンモニアガスを供給しつつ2時間250
〜270℃で攪拌、熟成を行い、少量の凝集体を含んだ
粉末状APP1450gを得た。凝集体を単結晶に分離
すべく粉砕機(ホソカワミクロン製AP−B型)で粗砕
した。得られた物の物理特性を表1に示す。
ーダーに、窒素ガス雰囲気を維持しながら(NH4)2 H
PO4 660g(5モル)、P2 O5 710g(5モ
ル)の混合物を入れ、加熱、攪拌した。5分後に全量が
溶融し、286℃の融液になった。この液を同温度を保
持、攪拌しながら20分経過後76.9%(80℃)の
尿素液97.5g(化学量論的に必要な副生アンモニア
量の50%相当)を7分間で噴霧添加した。引続き2リ
ットル/分のアンモニアガスを供給しつつ2時間250
〜270℃で攪拌、熟成を行い、少量の凝集体を含んだ
粉末状APP1450gを得た。凝集体を単結晶に分離
すべく粉砕機(ホソカワミクロン製AP−B型)で粗砕
した。得られた物の物理特性を表1に示す。
【0012】実施例2〜6、比較例1〜5 286℃の融液を保持する時間、及び、76.9%尿素
液の添加量、添加所要時間を以下の表1に示す以外は実
施例1と同様にした。得られた物の物理特性を表2に示
す。
液の添加量、添加所要時間を以下の表1に示す以外は実
施例1と同様にした。得られた物の物理特性を表2に示
す。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】実施例−7、比較例−6 ポリプロピレン樹脂として、エチレン含有量8.5重量
%、メルトフローレート(温度230℃、 荷重2.16
Kgを加えたときの10分間の溶融樹脂の吐出量)20g
/10分の結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合
体70%に、実施例1〜6及び、比較例1〜5で得られ
た各種APPを20%、及び化合物(N)である2−ピ
ペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジ
ンポリマー10重量%更に樹脂安定化剤として 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール 0.15重量% ジ−ミリスチル−β、β' −チオジプロピオネート 0.20重量% ステアリン酸カルシウム 0.10重量% をクッキングミキサー(商品名)に入れ、1分間攪拌混
合した。得られた混合物をミニマックス(商品名)で溶
融混練し、温度210℃で押出しペレット化した。この
ようにして得られた各ペレットをプレスの温度を210
℃に設定した熱プレス成型器でブリード試験用の所定の
試験片をそれぞれ成型した。該試験片を用いてブリード
試験の測定を行った。その結果を表3に示した
%、メルトフローレート(温度230℃、 荷重2.16
Kgを加えたときの10分間の溶融樹脂の吐出量)20g
/10分の結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合
体70%に、実施例1〜6及び、比較例1〜5で得られ
た各種APPを20%、及び化合物(N)である2−ピ
ペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジ
ンポリマー10重量%更に樹脂安定化剤として 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール 0.15重量% ジ−ミリスチル−β、β' −チオジプロピオネート 0.20重量% ステアリン酸カルシウム 0.10重量% をクッキングミキサー(商品名)に入れ、1分間攪拌混
合した。得られた混合物をミニマックス(商品名)で溶
融混練し、温度210℃で押出しペレット化した。この
ようにして得られた各ペレットをプレスの温度を210
℃に設定した熱プレス成型器でブリード試験用の所定の
試験片をそれぞれ成型した。該試験片を用いてブリード
試験の測定を行った。その結果を表3に示した
【0016】
【表3】
【図1】 I型およびII型のX線回折パターンを示
す。
す。
Claims (10)
- 【請求項1】 リン酸アンモニウム1molに対して
0.9〜1.1molの割合で無水リン酸を混合し、2
20〜320℃で溶融することによりリン酸アンモニウ
ムと無水リン酸との反応物を得る第1工程と、第1工程
で得られた反応物に該反応物中のリン原子1mol当た
り0.03〜300mol/分の速度でアンモニアを吸
収させ、アンモニアを吸収したのちの該反応物中の窒素
原子Nおよびリン原子Pの比であるN/Pを0.82〜
0.86とする第2工程と、第2工程で得られた反応物
にアンモニアを吸収させ、アンモニアを吸収したのちの
該反応物のN/Pを1とする第3工程とからなるII型
ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法。 - 【請求項2】 第1工程がアンモニアガスの添加を行わ
ない工程である請求項1に記載のII型ポリリン酸アン
モニウム粒子の製造方法。 - 【請求項3】 第3工程における反応物の温度が240
〜300℃である請求項1ないし2項に記載のII型ポ
リリン酸アンモニウム粒子の製造方法。 - 【請求項4】 前記工程2または工程3において反応物
の吸収するアンモニアを液体を用いて供給する請求項1
から3項のいずれか1項に記載のII型ポリリン酸アン
モニウム粒子の製造方法。 - 【請求項5】 前記工程2または工程3において反応物
の吸収するアンモニアを尿素により供給する請求項1か
ら4項のいずれか1項に記載のII型ポリリン酸アンモ
ニウム粒子の製造方法。 - 【請求項6】 前記工程2または工程3において反応物
の吸収するアンモニアを尿素の水溶液により供給する請
求項1から5項のいずれか1項に記載のII型ポリリン
酸アンモニウム粒子の製造方法。 - 【請求項7】 前記尿素の水溶液中の尿素の濃度が70
〜80重量%である請求項6に記載のII型ポリリン酸
アンモニウム粒子の製造方法。 - 【請求項8】 前記第2工程で得られる反応物中のN/
Pが0.84である請求項1〜7項のいずれか1項に記
載のII型ポリリン酸アンモニウム粒子の製造方法。 - 【請求項9】 リン酸アンモニウムがリン酸アンモニウ
ムとリン酸2アンモニウムから選ばれた1種以上である
請求項1〜8のいずれかに記載のII型ポリリン酸アン
モニウム粒子の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
製造方法で得られるII型ポリリン酸アンモニウム粒子
の75重量%以上が10μm以下である請求項1〜9の
いずれかに記載のII型ポリリン酸アンモニウム粒子の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220798A JPH11240704A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6220798A JPH11240704A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11240704A true JPH11240704A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=13193476
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6220798A Pending JPH11240704A (ja) | 1998-02-26 | 1998-02-26 | Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11240704A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101597044A (zh) * | 2009-07-15 | 2009-12-09 | 广东聚石化学股份有限公司 | 高聚合度窄分子量分布的结晶ⅱ型聚磷酸铵的制备方法 |
-
1998
- 1998-02-26 JP JP6220798A patent/JPH11240704A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101597044A (zh) * | 2009-07-15 | 2009-12-09 | 广东聚石化学股份有限公司 | 高聚合度窄分子量分布的结晶ⅱ型聚磷酸铵的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100190204B1 (ko) | 2형 폴리인산암모늄 미립자의 제조방법 | |
JP4973848B2 (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP2804917B2 (ja) | 新規な亜燐酸塩とその難燃化剤としての応用 | |
CA2475757A1 (en) | Polymer powder with phosphonate-based flame retardant, process for its production, and moldings produced from this polymer powder | |
WO2011030822A1 (ja) | ホスホン酸金属塩の製造方法及びホスホン酸金属塩を含む熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH10175985A (ja) | 含窒素有機リン酸化合物及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物 | |
JP3007512B2 (ja) | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 | |
EP0894820B1 (en) | Flame-retarding composition for polymers, preparation process and self-extinguishing polymeric products obtained therewith | |
CN114015060B (zh) | 一种聚磷酸铵阻燃剂、其制备方法及应用 | |
WO1995018177A1 (fr) | Composition polymere thermoplastiques ignifuge, poudre de polyphosphate d'ammonium non hydrosoluble a constituant, et son procede de production | |
JP2918127B2 (ja) | Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法 | |
JPH11240704A (ja) | Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子の製造方法 | |
JP2567327B2 (ja) | 難燃剤およびその組成物 | |
CA1180478A (en) | Polyol pre-mixture for making flame-retardant polyurethane foam plastics | |
JPH04300204A (ja) | Ii型ポリリン酸アンモニウムの微粒子 | |
CN111807343B (zh) | 聚磷酸铵制备细粒径控制方法及其应用 | |
CN110066460B (zh) | 一种防喷霜析出的环保型阻燃塑料母料及制备方法 | |
JP4524422B2 (ja) | Ii型ポリリン酸アンモニウムの製造方法 | |
JPH07149739A (ja) | メラミンシアヌレート顆粒およびその製造方法 | |
JP5477567B2 (ja) | ポリ乳酸樹脂組成物 | |
JP3804096B2 (ja) | エチレンジアミン−フェニルホスホン酸塩、その製造法及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物 | |
JP2001302221A (ja) | 高耐熱性ii型ポリリン酸アンモニウムの製造方法 | |
JP2000273327A (ja) | 難燃剤組成物および難燃性樹脂組成物 | |
RU2180890C1 (ru) | Способ получения высококонденсированного полифосфата аммония | |
JP2001089115A (ja) | Ii型ポリリン酸アンモニウムの製造方法と、その中間組成物及びその製造方法 |