JPH11240134A - 枚葉紙反転装置を備えた印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 あまり汚染されやすくなく、かつ機械的に単
純に形成されていて、しかも枚葉紙不在をできるだけ早
期にかつ確実に検知することのできる枚葉紙検知装置を
提供する。 【解決手段】 反転胴が、枚葉紙グリッパの領域に、枚
葉紙５を検知するための枚葉紙センサ１３／１４を備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、個々の枚葉紙を搬
送するためにグリッバシステムを有している反転装置を
備えた枚葉紙印刷機のための枚葉紙検知装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】両面刷りを行う枚葉紙印刷機のために
は、枚葉紙を裏返すための反転装置が設けられている。
この反転装置は表面印刷のための印刷装置からの枚葉紙
を中間貯えするための貯え胴と、反転胴とを有してお
り、これによって貯え胴に中間貯えされた枚葉紙は、逆
の搬送方向で、つまりそれまで後縁部であった枚葉紙縁
部を前にして、裏面印刷のための後続の印刷装置に供給
される。貯え胴及び反転胴は、それぞれ枚葉紙の前縁も
しくは後縁を固持するためのグリッパシステムを備えて
いる。

【０００３】枚葉紙が反転装置に適正に引き渡されたか
どうかをチェックするために、公知先行技術では、種々
の形式のエレクトロニューマチック式の枚葉紙センサ、
例えばスニッファピストン又は質問吸引器、又はエレク
トロオプティック式（電子光学式）の枚葉紙センサ、例
えば反射光線検出器が設けられている。これらの枚葉紙
センサは、反転装置内の単数又は複数の箇所で枚葉紙の
前縁又は後縁の存在を感知する。枚葉紙が検知されない
場合には、印刷の中断が行われる。

【０００４】公知のすべての枚葉紙センサは、以下に挙
げる欠点のうちの少なくとも幾つかを有している。

【０００５】信頼性の良い機能を得るためには、センサ
は、このセンサの傍らを通過する枚葉紙の比較的近傍に
配置されていなければならない。表面刷りを施された枚
葉紙面が貯え胴では外側を向いているので、塗布された
ばかりの印刷インキがセンサに接触して印刷汚れを生ぜ
しめる危険があり、このような危険は、枚葉紙のばたつ
きが大きくなればなるほどますます増大する。この印刷
汚れにより、塗布されたばかりの印像が損なわれるだけ
でなく、センサ自体も汚される。したがって、特にエレ
クトロオプティック式のセンサは頻繁なクリーニングを
必要とする。この印刷汚れを阻止するためには、空気に
より助成された枚葉紙案内薄板が使用される。しかしこ
の枚葉紙案内薄板は、センサ汚染の問題を完全に排除す
ることなしに、印刷機にかかる構造上の手間を高めてし
まう。

【０００６】エレクトロニューマチック式のセンサは、
たしかにエレクトロオプティック式のセンサに比べてそ
れほど汚染しやすくはないが、機械的に比較的手間のか
かる構造を有している。この種のセンサの応答特性は印
刷速度や被印刷物の種類に関連しているので、さらに頻
繁な位置調整作業が必要となる。

【０００７】さらに、これら公知のセンサはしばしば不
都合な角度位置でしか組み付けることができない。つま
り、公知のセンサは、不適正な枚葉紙引渡しが比較的遅
れて検知されるような位置又は枚葉紙検知のための極め
て短い時間窓しか存在しないような位置でしか組み付け
ることができないので、印刷中断はやはり比較的遅れて
行われる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、あま
り汚染されやすくなく、かつ機械的に単純に形成されて
いて、しかも枚葉紙不在をできるだけ早期にかつ確実に
検知することのできる枚葉紙検知装置を提供することで
ある。その上、すべての被印刷物（光沢紙、シート、黒
紙など）が確実に検知されなければならない。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、枚葉紙反転装置を備えた印刷機で
あって、枚葉紙反転装置が反転胴と、該反転胴に設けら
れた枚葉紙グリッパとを備えている形式のものにおい
て、反転胴が、枚葉紙グリッパの領域に、枚葉紙を検知
するための装置を備えているようにした。

【００１０】

【発明の効果】本発明装置の利点は、印刷汚れのない、
印刷速度とは無関係な枚葉紙不在の検出が可能となり、
さらに、印刷開始前に良好な角度位置が与えられること
にある。さらに、種々の被印刷物が極めて良好にこの測
定法により検知される。その上、高い運転確実性が得ら
れる。なぜならば、特に空気センサの使用時では汚染感
度が低いからである。さらに、良好な自己確実性が与え
られているので有利である。

【００１１】枚葉紙を検知するためのセンサとしては、
例えば空気センサが適している。このセンサは差圧の評
価によって、枚葉紙が存在しているのかどうか、あるい
は存在していないのかどうかを検知することができる。
基本的にはいかなる種類の、接触測定のためのセンサ、
例えば容量形センサなどが適している。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
につき詳細に説明する。

【００１３】図面中、同一の構成部分または同一機能を
有する構成部分は、同じ符号で示されている。

【００１４】図１に示された反転装置は表面刷りのため
の圧胴１と、裏面刷りのための圧胴２とを備えた枚葉紙
印刷機の一部を成している。表面刷りのための圧胴１と
裏面刷りのための圧胴２との間に配置された反転装置
は、貯え胴３と、この貯え胴３に隣接して配置された反
転胴４とを備えている。貯え胴３は圧胴１，２及び反転
胴４の直径のほぼ二倍の直径を有している。枚葉紙反転
領域は有利には貯え胴３の反転胴４と枚葉紙搬送領域と
の間に位置している。

【００１５】圧胴１に沿って印刷を施された枚葉紙５
は、中間胴６を介して順次に貯え胴３へ搬送される。こ
の場合、貯え胴３では、印刷を施された枚葉紙面（表面
刷り）が外側に位置している。貯え胴３が回転する間、
この貯え胴３はグリッパ７により枚葉紙５の前縁を固持
する。枚葉紙５の後縁が反転胴４に到来した後に、この
後縁は反転胴４に設けられたグリッパ８によってくわえ
られ、貯え胴３に対して逆向き回転する反転胴４によっ
て貯え胴３から引き出され、この場合、枚葉紙５の先ほ
どまで後縁であった縁部が前縁となる。反転胴４上でも
枚葉紙５の印刷を施された面はやはり外側に位置してお
り、この反転胴４から枚葉紙５は圧胴２を備えた印刷装
置へ引き渡され、そしてこの印刷装置において裏面刷り
が実施される。

【００１６】個々の胴の回転方向は図１に矢印により示
されており、それぞれ印刷を施された枚葉紙面は三角形
の印で示されている。枚葉紙５は反転の種々の中間段間
において一点鎖線で表されている。反転胴４に設けられ
たグリッパ８は反転胴４の回転の種々の段階で破線で示
されている。

【００１７】次に、図１に示した反転装置の略示斜視図
である図２を参照して、この反転装置のための枚葉紙セ
ンサについて説明する。グリッパ８に対して本発明によ
れば別の１つのグリッパ８′が加えられる。このグリッ
パ８′は、検出ユニット１３と評価装置１４とから成る
枚葉紙センサ（以降、符号１３／１４で示す）を取り付
けるために役立つ。この場合、この枚葉紙センサ１３／
１４はグリッパ８′に設けられたグリッパ先端部１２に
おいて作用し、しかも枚葉紙が整然とした状態で搬送さ
れている場合に枚葉紙が位置するはずの、グリッパ８′
の前方のトング領域において作用する。このことによ
り、適正に到来した枚葉紙を確実に検知することもでき
るようになる。この場合、付加的なグリッパ８′は、グ
リッパ８が有しているような本来の枚葉紙保持機能もし
くは枚葉紙搬送機能を発揮しない付加的なグリッパであ
る。したがって、このグリッパ８′は、グリッパ８のよ
うな本来の意味でのグリッパではない。

【００１８】この付加的なグリッパ８′は、有利には枚
葉紙走行方向に対して直交する横方向に取り付けられ、
しかもこの場合、可能となるあらゆるサイズ（紙判）の
枚葉紙を検知することができると有利である。付加的な
グリッパ８′を枚葉紙走行方向のほぼ中央に取り付ける
ことが有利であることが判った。なぜならば、これによ
って、小さなサイズの枚葉紙をも検知することができる
からである。

【００１９】別の実施例では、付加的なグリッパ８′の
代わりに、もともと存在している既存のグリッパ８を、
このグリッパ８が本来のグリッパ機能、つまり枚葉紙の
保持及び搬送の他に枚葉紙検知機能をも有するように形
成することも可能である。この場合には、グリッパ８
が、上で説明した付加的なグリッパ８′が有する構成と
同じ構成を有している。枚葉紙検知機能を備えたこのグ
リッパ８は、上で説明した付加的なグリッパ８′と同様
に枚葉紙走行方向に対して直交する横方向で、しかも枚
葉紙走行方向のほぼ中央に配置されることが有利であ
る。しかし、基本的にはそれぞれ既存のグリッパ８に、
前記の付加的なグリッパ８′の持つ装置と同様の装置を
組み込むことも可能である。付加的なグリッパ８′にお
いて知られた構成による枚葉紙検出システムをグリッパ
８に組み込ことによって、枚葉紙を保持するグリッパ８
の性能が損なわれることはない。むしろこの場合には、
グリッパ８は二重機能、つまり枚葉紙をくわえて引き続
き搬送する機能と、枚葉紙の存在を監視すると共に特別
な構成ではグリッパ内部での枚葉紙の位置を検知する機
能との二重機能を満たす。

【００２０】図３には、トング型グリッパが示されてい
る。両グリッパ先端部１２にはその前方部分に枚葉紙セ
ンサの検出ユニット１３が組み込まれている。この枚葉
紙センサ１３／１４は本実施例では空気センサとして形
成されている。枚葉紙５が両グリッパ先端部１２の間に
位置していると、第１の圧力が生じ、この圧力を空気セ
ンサが検出する。グリッパトング内に枚葉紙が存在しな
い場合には、第１の圧力と異なる第２の圧力が生じる。
この差圧測定により、枚葉紙が存在するのかどうか、あ
るいは枚葉紙が存在しないのかどうかが検知される。

【００２１】本発明の有利な１実施例では、グリッパ
８′は反転胴４において枚葉紙走行方向に対して直交す
る横方向でも、枚葉紙走行方向と同じ方向でも移動可能
に配置されている。この手段により、印刷を施したい枚
葉紙サイズに合わせてグリッパ８′を調節することがで
きる。

【００２２】グリッパ８は測定値検出を改善するために
後方にずらされていてもよい。その場合、有利な１実施
例ては、グリッパ８′の、短縮されたグリッパトング１
５によって測定値検出の改善を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】枚葉紙印刷機における反転装置の側面図であ
る。

【図２】図１に示した反転装置の反転胴と貯え胴の略示
斜視図である。

【図３】枚葉紙検出手段を備えたグリッパの側面図であ
る。

【符号の説明】

１，２ 圧胴、 ３ 貯え胴、 ４ 反転胴、 ５ 枚
葉紙、 ６ 中間胴、７，８ グリッパ、 ８′ グリ
ッパ、 １２ グリッパ先端部、 １３ 検出ユニッ
ト、 １４ 評価装置、 １５ グリッパトング

フロントページの続き (71)出願人 390009232 Ｋｕｒｆｕｅｒｓｔｅｎ−Ａｎｌａｇｅ 52−60，Ｈｅｉｄｅｌｂｅｒｇ，Ｆｅｄｅ ｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒ ｍａｎｙ (72)発明者 カール−ハインツ ヘルムシュテッター ドイツ連邦共和国 ズィンスハイム シュ ッツェンシュトラーセ ４ (72)発明者 アンドレアス ヘン ドイツ連邦共和国 ネッカーゲミュント イム ビーンガルテン 19 (72)発明者 トビアス ミュラー ドイツ連邦共和国 ヒルシュベルク シュ タウデンベルクヴェーク ８ (72)発明者 ユルゲン ラウタート ドイツ連邦共和国 ハイデルベルク ロー ゼンベルクヴェーク １ (72)発明者 アンドレアス シュルツ ドイツ連邦共和国 ハイデルベルク ミッ ターマイヤーシュトラーセ 27 (72)発明者 ヨーゼフ ヴェーレ ドイツ連邦共和国 ガイベルク アム フ ォーレンヴァルト 15

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枚葉紙反転装置を備えた印刷機であっ
   て、枚葉紙反転装置が反転胴（４）と、該反転胴（４）
   に設けられた枚葉紙グリッパ（８）とを備えている形式
   のものにおいて、反転胴（４）が、枚葉紙グリッパ
   （８）の領域に、枚葉紙（５）を検知するための装置
   （１３／１４）を備えていることを特徴とする、枚葉紙
   反転装置を備えた印刷機。
2. 【請求項２】 枚葉紙（５）を検知するための装置（１
   ３／１４）が、枚葉紙グリッパ（８）の形を有してい
   て、しかも枚葉紙グリッパ（８）のグリッパ先端部（１
   ２）の領域に、枚葉紙（５）を検知するためのセンサ
   （１３）を備えている、請求項１記載の印刷機。
3. 【請求項３】 枚葉紙（５）を検知するための装置（１
   ３／１４）が、反転胴（４）に設けられている枚葉紙グ
   リッパ（８）に対して付加的に反転胴（４）に取り付け
   られている、請求項２記載の印刷機。
4. 【請求項４】 枚葉紙（５）を検知するための装置（１
   ３／１４）が、反転胴に設けられている枚葉紙グリッパ
   （８）に組み込まれている、請求項１記載の印刷機。
5. 【請求項５】 枚葉紙（５）を検知するための装置（１
   ３／１４）が、印刷を施したい最大枚葉紙サイズに対し
   てほぼ中央で、枚葉紙前縁の領域に配置されている、請
   求項３又は４記載の印刷機。
6. 【請求項６】 枚葉紙（５）を検知するための装置（１
   ３／１４）が、枚葉紙走行方向に対して直交する横方向
   及び／又は枚葉紙走行方向と同じ方向で移動可能に反転
   胴（４）に配置されている、請求項１記載の印刷機。
7. 【請求項７】 枚葉紙（５）を検知するための装置（１
   ３／１４）が、空気センサ（１３）と、枚葉紙（５）の
   存在する場合と存在しない場合との間の差圧を検出する
   評価ユニット（１４）とから成っている、請求項１記載
   の印刷機。
8. 【請求項８】 枚葉紙グリッパ（８′）が、短縮された
   枚葉紙グリッパトング（１５）を備えている、請求項１
   記載の印刷機。