JPH11238598A - 中性子源固体ターゲット - Google Patents
中性子源固体ターゲットInfo
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- JPH11238598A JPH11238598A JP3894798A JP3894798A JPH11238598A JP H11238598 A JPH11238598 A JP H11238598A JP 3894798 A JP3894798 A JP 3894798A JP 3894798 A JP3894798 A JP 3894798A JP H11238598 A JPH11238598 A JP H11238598A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構成の簡潔化と強度向上により優れた経済性
と高い信頼性を備えた中性子源固体ターゲットを提供す
ること。 【解決手段】 ターゲット容器2の中に複数枚のターゲ
ット板4を重ね併せてターゲット集合体12とした中性
子源固体ターゲットにおいて、各ターゲット板4の重ね
合わせ面を窪ませることにより得られる隙間により冷却
材流路5が形成されるようにしたもの。 【効果】 ターゲット板4の組立てにスペーサなどが用
いられていないので、取扱いが容易で、強度の大きなタ
ーゲットが得られ、大出力にも容易に対応かのうで、経
済性、信頼性の高い中性子源固体ターゲットが提供でき
る。
と高い信頼性を備えた中性子源固体ターゲットを提供す
ること。 【解決手段】 ターゲット容器2の中に複数枚のターゲ
ット板4を重ね併せてターゲット集合体12とした中性
子源固体ターゲットにおいて、各ターゲット板4の重ね
合わせ面を窪ませることにより得られる隙間により冷却
材流路5が形成されるようにしたもの。 【効果】 ターゲット板4の組立てにスペーサなどが用
いられていないので、取扱いが容易で、強度の大きなタ
ーゲットが得られ、大出力にも容易に対応かのうで、経
済性、信頼性の高い中性子源固体ターゲットが提供でき
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギーの陽
子線を重金属のターゲットに照射し、核破砕反応により
中性子を発生させる中性子源に係り、特に、そのターゲ
ットの構成に関する。
子線を重金属のターゲットに照射し、核破砕反応により
中性子を発生させる中性子源に係り、特に、そのターゲ
ットの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】重金属をターゲットとして、これに高エ
ネルギーの陽子線を照射すると、核破砕反応により中性
子が発生するので、中性子源を得ることができる。この
現象を利用した中性子源は、中性子源ターゲットシステ
ムと呼ばれるが、これは、原子炉による中性子源に比し
て、起動停止が簡単で、簡素な設備で大出力が得られる
という特徴がある。
ネルギーの陽子線を照射すると、核破砕反応により中性
子が発生するので、中性子源を得ることができる。この
現象を利用した中性子源は、中性子源ターゲットシステ
ムと呼ばれるが、これは、原子炉による中性子源に比し
て、起動停止が簡単で、簡素な設備で大出力が得られる
という特徴がある。
【0003】そこで、近年、中性子を利用した生命科
学、物質・材料、核物理学、医療など多様な分野での利
用を目的として、欧州、米国、日本など世界的に大出力
の中性子源ターゲットシステムの建設が計画されてい
る。
学、物質・材料、核物理学、医療など多様な分野での利
用を目的として、欧州、米国、日本など世界的に大出力
の中性子源ターゲットシステムの建設が計画されてい
る。
【0004】ところで、このとき使用されるターゲット
としては、大別して、ウラン、タンタル、タングステン
などの金属を用いた固体ターゲットと、水銀などの液体
金属を用いた液体ターゲットの2種があるが、このう
ち、従来から、固体ターゲットが広く使用されている。
ここで、この固体ターゲットの従来技術としては、例え
ば、ICANS−XII、T−18に記載のものがある。そし
て、この従来技術によるターゲットは、厚さ7.7mm〜
26.2mmのウラン板、或いはタンタル板を、スペーサ
を挟んで23枚重ね合わせてターゲット板集合体とし、
このターゲット板集合体を側面の両側から挟むようにし
て、冷却材流路を交互に配置し、この冷却材流路に冷却
材となる冷却水を供給し通流させることにより、ターゲ
ットの冷却が与えられるような構造になっている。
としては、大別して、ウラン、タンタル、タングステン
などの金属を用いた固体ターゲットと、水銀などの液体
金属を用いた液体ターゲットの2種があるが、このう
ち、従来から、固体ターゲットが広く使用されている。
ここで、この固体ターゲットの従来技術としては、例え
ば、ICANS−XII、T−18に記載のものがある。そし
て、この従来技術によるターゲットは、厚さ7.7mm〜
26.2mmのウラン板、或いはタンタル板を、スペーサ
を挟んで23枚重ね合わせてターゲット板集合体とし、
このターゲット板集合体を側面の両側から挟むようにし
て、冷却材流路を交互に配置し、この冷却材流路に冷却
材となる冷却水を供給し通流させることにより、ターゲ
ットの冷却が与えられるような構造になっている。
【0005】このとき、この従来技術では、陽子線の入
射部側では発熱密度が高く、最大の値になり、入射位置
から遠くなるほど発熱密度が減少するため、ターゲット
板は入射部側では薄く、入射部から重ね合わせ方向に向
かって離れるにつれて厚くなってゆくように配置されて
いる。
射部側では発熱密度が高く、最大の値になり、入射位置
から遠くなるほど発熱密度が減少するため、ターゲット
板は入射部側では薄く、入射部から重ね合わせ方向に向
かって離れるにつれて厚くなってゆくように配置されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ター
ゲットの組立時や保守点検時での操作性や、ターゲット
の強度について配慮がされているとはいえず、以下に説
明するように、経済性悪化と信頼性低下の問題があっ
た。中性子源ターゲットシステムでは、稼働中、陽子線
照射によりターゲット及びその構造材料が放射能を帯び
てくるので、逐次保守点検が不可避であり、このとき、
固体ターゲットの場合は、マニュピュレータなどを使用
した遠隔操作による保守点検作業が必要である。
ゲットの組立時や保守点検時での操作性や、ターゲット
の強度について配慮がされているとはいえず、以下に説
明するように、経済性悪化と信頼性低下の問題があっ
た。中性子源ターゲットシステムでは、稼働中、陽子線
照射によりターゲット及びその構造材料が放射能を帯び
てくるので、逐次保守点検が不可避であり、このとき、
固体ターゲットの場合は、マニュピュレータなどを使用
した遠隔操作による保守点検作業が必要である。
【0007】しかし、従来技術では、ターゲット板の間
にスペーサなどを挟んで組み立てたターゲット集合体構
造のため、取扱いが極めて難しく、遠隔操作では対応が
困難で、場合によっては、一部のターゲット板の損傷に
際しても、ターゲット板集合体やターゲット全体を取り
替える必要が生じてしまう虞れがあり、このため、ター
ゲットの寿命が短くなって経済性が悪化してしまうので
ある。
にスペーサなどを挟んで組み立てたターゲット集合体構
造のため、取扱いが極めて難しく、遠隔操作では対応が
困難で、場合によっては、一部のターゲット板の損傷に
際しても、ターゲット板集合体やターゲット全体を取り
替える必要が生じてしまう虞れがあり、このため、ター
ゲットの寿命が短くなって経済性が悪化してしまうので
ある。
【0008】また、従来技術では、ターゲット板の構造
強度が十分に得られておらず、陽子線照射によりターゲ
ット板が変形し、冷却水流路が閉塞されてしまう事例が
報告されており、この場合、ターゲットに必要な冷却性
能が維持できなくなってしまうので、信頼性が低下して
しまうのである。
強度が十分に得られておらず、陽子線照射によりターゲ
ット板が変形し、冷却水流路が閉塞されてしまう事例が
報告されており、この場合、ターゲットに必要な冷却性
能が維持できなくなってしまうので、信頼性が低下して
しまうのである。
【0009】さらに、現在計画されているターゲットシ
ステムは、出力が従来の10倍以上あり、ターゲットで
の発熱密度は3kW/cm3 以上になるので、大きな熱
衝撃が不可避であり、それに対抗可能なターゲットの確
保が重要になり、これも解決すべき課題となっている。
本発明の目的は、構成の簡潔化と強度向上により優れた
経済性と高い信頼性を備えた中性子源固体ターゲットを
提供することにある。
ステムは、出力が従来の10倍以上あり、ターゲットで
の発熱密度は3kW/cm3 以上になるので、大きな熱
衝撃が不可避であり、それに対抗可能なターゲットの確
保が重要になり、これも解決すべき課題となっている。
本発明の目的は、構成の簡潔化と強度向上により優れた
経済性と高い信頼性を備えた中性子源固体ターゲットを
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、陽子線の照
射に伴う核破砕反応により、中性子を発生させる方式の
中性子源固体ターゲットにおいて、複数枚のターゲット
板を重ね合わたターゲット集合体を用い、これらのター
ゲット板の夫々の表面を窪ませることにより、これらタ
ーゲット板の重ね合わせ面に冷却材流通用の隙間が形成
されるようにして達成される。
射に伴う核破砕反応により、中性子を発生させる方式の
中性子源固体ターゲットにおいて、複数枚のターゲット
板を重ね合わたターゲット集合体を用い、これらのター
ゲット板の夫々の表面を窪ませることにより、これらタ
ーゲット板の重ね合わせ面に冷却材流通用の隙間が形成
されるようにして達成される。
【0011】同じく上記目的は、陽子線の照射に伴う核
破砕反応により、中性子を発生させる方式の中性子源固
体ターゲットにおいて、ほぼ角柱状の単一の部材からな
るターゲット本体を用い、このターゲット本体の長手方
向とほぼ直角に、該ターゲット本体を貫通している複数
本の孔により冷却材流通用の通路が形成されるようにし
て達成される。
破砕反応により、中性子を発生させる方式の中性子源固
体ターゲットにおいて、ほぼ角柱状の単一の部材からな
るターゲット本体を用い、このターゲット本体の長手方
向とほぼ直角に、該ターゲット本体を貫通している複数
本の孔により冷却材流通用の通路が形成されるようにし
て達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による中性子源ター
ゲットについて、図示の実施形態により詳細に説明す
る。まず、図1は、本発明による中性子源ターゲットの
第1の実施形態で、同図の(a)、(b)、(c)、(d)の各図
は、それぞれの切断線A−A、B−B、C−C、D−D
による断面を表わしたものであり、この実施形態による
中性子源ターゲット全体は1で表わしている。
ゲットについて、図示の実施形態により詳細に説明す
る。まず、図1は、本発明による中性子源ターゲットの
第1の実施形態で、同図の(a)、(b)、(c)、(d)の各図
は、それぞれの切断線A−A、B−B、C−C、D−D
による断面を表わしたものであり、この実施形態による
中性子源ターゲット全体は1で表わしている。
【0013】そして、この中性子源ターゲット1は、タ
ーゲット容器2と、このターゲット容器2の中に重ねて
収められた複数枚のターゲット板4とで構成され、ター
ゲット容器2の一方の端部(図1(a)、(b)の左側の端部)
を前端部として、ここには陽子線入射窓3が設けてあ
り、他方の端部(図1(a)、(b)の右側の端部)、すなわち
後端部にはターゲット板押さえ板6が設けてある。
ーゲット容器2と、このターゲット容器2の中に重ねて
収められた複数枚のターゲット板4とで構成され、ター
ゲット容器2の一方の端部(図1(a)、(b)の左側の端部)
を前端部として、ここには陽子線入射窓3が設けてあ
り、他方の端部(図1(a)、(b)の右側の端部)、すなわち
後端部にはターゲット板押さえ板6が設けてある。
【0014】ここで、ターゲット板4は、何れもタンタ
ル、タングステン、劣化ウランなどの重金属材料で作ら
れており、ターゲット容器2と陽子線入射窓3、それに
ターゲット板押さえ板6は、例えばステンレス鋼などの
耐腐食性の良い材料で作られている。
ル、タングステン、劣化ウランなどの重金属材料で作ら
れており、ターゲット容器2と陽子線入射窓3、それに
ターゲット板押さえ板6は、例えばステンレス鋼などの
耐腐食性の良い材料で作られている。
【0015】このターゲット容器2は、図示のように、
断面形状がほぼ四角形の筒状に作られ、その内面の向か
い合う2面(図1(a)では上下、図1(c)、(d))は左右に
なる面)にターゲット板挿入溝11が形成されており、
ここに、陽子線入射窓3を先にして、複数枚のターゲッ
ト板4が順次重ね合わせられ、相互に接触した状態でタ
ーゲット容器2の後端部から押し込まれ、後からターゲ
ット板押さえ板6が押し込まれることにより、ターゲッ
ト集合体12が構成されるようになっている。
断面形状がほぼ四角形の筒状に作られ、その内面の向か
い合う2面(図1(a)では上下、図1(c)、(d))は左右に
なる面)にターゲット板挿入溝11が形成されており、
ここに、陽子線入射窓3を先にして、複数枚のターゲッ
ト板4が順次重ね合わせられ、相互に接触した状態でタ
ーゲット容器2の後端部から押し込まれ、後からターゲ
ット板押さえ板6が押し込まれることにより、ターゲッ
ト集合体12が構成されるようになっている。
【0016】このとき、複数枚のターゲット板4には、
予め厚みの異なるものが用意してあり、図示のように、
前から1枚毎に順次、或いは複数枚毎に段階的に、その
厚さが増して行くように積み重ねられており、さらに、
このとき、これら複数枚のターゲット板4は、その両面
は平面ではなくて、円柱形、若しくは楕円柱形の一部を
なすようにして窪ませてある。なお、この図1では、タ
ーゲット板の厚み変化は、前端から3枚毎の段階的変化
になっている。
予め厚みの異なるものが用意してあり、図示のように、
前から1枚毎に順次、或いは複数枚毎に段階的に、その
厚さが増して行くように積み重ねられており、さらに、
このとき、これら複数枚のターゲット板4は、その両面
は平面ではなくて、円柱形、若しくは楕円柱形の一部を
なすようにして窪ませてある。なお、この図1では、タ
ーゲット板の厚み変化は、前端から3枚毎の段階的変化
になっている。
【0017】そして、このときの窪みとなる円柱形、若
しくは楕円柱形は、その長さ方向が図1(b)、(c)、(d)
で上下方向になるようにしてあり、これにより、各ター
ゲット板4の間に、上下方向から見て、ほぼ両凸レンズ
に類似した断面形状の隙間を生じ、この隙間により、図
1(a)に示されているように、複数の冷却材流路5が形
成されるようになっている。
しくは楕円柱形は、その長さ方向が図1(b)、(c)、(d)
で上下方向になるようにしてあり、これにより、各ター
ゲット板4の間に、上下方向から見て、ほぼ両凸レンズ
に類似した断面形状の隙間を生じ、この隙間により、図
1(a)に示されているように、複数の冷却材流路5が形
成されるようになっている。
【0018】また、これに合わせて、ターゲット集合体
12の上下部分とターゲット容器2の間にも隙間が生じ
るようにしてあり、これにより、図示のように、それぞ
れ冷却材入口7に連通した冷却材入口側流路9と、冷却
材出口8に連通した冷却材出口側流路10とが形成され
るようになっている。
12の上下部分とターゲット容器2の間にも隙間が生じ
るようにしてあり、これにより、図示のように、それぞ
れ冷却材入口7に連通した冷却材入口側流路9と、冷却
材出口8に連通した冷却材出口側流路10とが形成され
るようになっている。
【0019】この中性子源ターゲット1は、中性子源タ
ーゲットシステムにセットされ、所定の加速器によっ
て、1GeV以上に加速された高エネルギーの陽子線P
が、図示のように照射され、これが陽子線入射窓3を通
ってターゲット板4に順次突入すると、ターゲット板4
での核破砕反応により、ターゲット集合体12から多量
の中性子が発生し、ターゲット容器2の側方から外部に
放射され、中性子源として機能する。
ーゲットシステムにセットされ、所定の加速器によっ
て、1GeV以上に加速された高エネルギーの陽子線P
が、図示のように照射され、これが陽子線入射窓3を通
ってターゲット板4に順次突入すると、ターゲット板4
での核破砕反応により、ターゲット集合体12から多量
の中性子が発生し、ターゲット容器2の側方から外部に
放射され、中性子源として機能する。
【0020】しかして、このとき、ターゲット板4に
は、この陽子線Pの衝撃により熱が発生し、その発熱密
度は、大出力の中性子源の場合、中心部分では3kW/
cm3以上にもなり、放置すればターゲット板4が高温
になって、運転不能になってしまう。従って、陽子線の
照射に際しては、ターゲット板4を冷却しながら動作さ
せる必要がある。
は、この陽子線Pの衝撃により熱が発生し、その発熱密
度は、大出力の中性子源の場合、中心部分では3kW/
cm3以上にもなり、放置すればターゲット板4が高温
になって、運転不能になってしまう。従って、陽子線の
照射に際しては、ターゲット板4を冷却しながら動作さ
せる必要がある。
【0021】このため、図6に示すように、まず、ター
ゲット容器2の後端部に冷却材流路接続用のブラケット
13を設けた上で、冷却設備20を設け、これによる配
管をブラケット13を介してターゲット容器2接続し、
冷却材流路入口7から液体の冷却材を送り込み、冷却材
入口側流路9から各ターゲット板4の隙間である冷却材
流路5に通流させ、冷却材でターゲット板4から熱を奪
った後、冷却材出口側流路10を通って冷却材流路出口
8から流出させ、これにより冷却が得られるようにして
ある。
ゲット容器2の後端部に冷却材流路接続用のブラケット
13を設けた上で、冷却設備20を設け、これによる配
管をブラケット13を介してターゲット容器2接続し、
冷却材流路入口7から液体の冷却材を送り込み、冷却材
入口側流路9から各ターゲット板4の隙間である冷却材
流路5に通流させ、冷却材でターゲット板4から熱を奪
った後、冷却材出口側流路10を通って冷却材流路出口
8から流出させ、これにより冷却が得られるようにして
ある。
【0022】この図6に示す冷却設備20は、冷却材タ
ンク21と冷却材循環ポンプ22、冷却器23、冷却材
浄化装置24などで構成される。ここで冷却材には水が
用いられており、冷却材循環ポンプ22により冷却材タ
ンク21からターゲット集合体12に供給される。
ンク21と冷却材循環ポンプ22、冷却器23、冷却材
浄化装置24などで構成される。ここで冷却材には水が
用いられており、冷却材循環ポンプ22により冷却材タ
ンク21からターゲット集合体12に供給される。
【0023】ターゲット集合体12内のターゲット板4
から熱を奪って温度が上昇した冷却水は、冷却器23で
二次冷却水により冷却され、冷却材浄化装置24で不純
物が除去された後、冷却材タンク21に戻る。この冷却
材タンク21の上部の空間25には、窒素などの不活性
気体が加圧した状態で封入されており、この気体の圧力
で冷却系統を加圧することにより、冷却材流路5内での
冷却水の沸騰が抑えられるようにしてある。
から熱を奪って温度が上昇した冷却水は、冷却器23で
二次冷却水により冷却され、冷却材浄化装置24で不純
物が除去された後、冷却材タンク21に戻る。この冷却
材タンク21の上部の空間25には、窒素などの不活性
気体が加圧した状態で封入されており、この気体の圧力
で冷却系統を加圧することにより、冷却材流路5内での
冷却水の沸騰が抑えられるようにしてある。
【0024】冷却器23には、二次冷却水入口31から
二次冷却水が供給され、ここで加熱された二次冷却水
は、二次冷却水出口32から排出され、図示してないク
ーリングタワーなどに送られ、奪ってきた熱は、最終的
には大気中に放出される。ここで、冷却器23として
は、小型のプレート式熱交換器や、シェルアンドチュー
ブ型熱交換器などを用いることができる。
二次冷却水が供給され、ここで加熱された二次冷却水
は、二次冷却水出口32から排出され、図示してないク
ーリングタワーなどに送られ、奪ってきた熱は、最終的
には大気中に放出される。ここで、冷却器23として
は、小型のプレート式熱交換器や、シェルアンドチュー
ブ型熱交換器などを用いることができる。
【0025】冷却材浄化装置24には、フィルターなど
のろ過装置とイオン交換用の脱塩装置を別々に設けた装
置や、ろ過機能と脱塩機能を有するろ過脱塩装置などが
用いられるが、このとき、ろ過脱塩装置を用いた方が冷
却設備20の小型化が得られる。ここで、冷却材浄化装
置24が、冷却器23の下流側に設けられているのは、
一番的なフィルタエレメントやイオン交換樹脂は、通
常、高温での使用に適していないためである。
のろ過装置とイオン交換用の脱塩装置を別々に設けた装
置や、ろ過機能と脱塩機能を有するろ過脱塩装置などが
用いられるが、このとき、ろ過脱塩装置を用いた方が冷
却設備20の小型化が得られる。ここで、冷却材浄化装
置24が、冷却器23の下流側に設けられているのは、
一番的なフィルタエレメントやイオン交換樹脂は、通
常、高温での使用に適していないためである。
【0026】この第1の実施形態による中性子源ターゲ
ット1の特徴は、各ターゲット板4の間にスペーサなど
特別な構造体を介在させず、ターゲット板4同士、直接
重ね合わせ、これだけで冷却材流路5を備えたターゲッ
ト集合体12を構成した点にある。
ット1の特徴は、各ターゲット板4の間にスペーサなど
特別な構造体を介在させず、ターゲット板4同士、直接
重ね合わせ、これだけで冷却材流路5を備えたターゲッ
ト集合体12を構成した点にある。
【0027】既に説明したように、陽子線Pの照射後
は、ターゲットが放射能化してしまうので、保守点検
は、マニュピュレータなどを使用して、遠隔操作による
取り扱いを要するが、この実施形態では、ターゲット容
器2にターゲット板4を押し込むだけでターゲット集合
体12が組立てられるので、ターゲット板4が劣化した
り損傷した場合でも、ターゲット板4の交換を容易に行
うことができ、マニュピュレータよる遠隔操作にも容易
に対応し、的確な保守点検のもとで安全確実な運転を容
易に維持することができる。
は、ターゲットが放射能化してしまうので、保守点検
は、マニュピュレータなどを使用して、遠隔操作による
取り扱いを要するが、この実施形態では、ターゲット容
器2にターゲット板4を押し込むだけでターゲット集合
体12が組立てられるので、ターゲット板4が劣化した
り損傷した場合でも、ターゲット板4の交換を容易に行
うことができ、マニュピュレータよる遠隔操作にも容易
に対応し、的確な保守点検のもとで安全確実な運転を容
易に維持することができる。
【0028】ところで、陽子線照射時でのターゲット板
の発熱密度は、図2に示すように、ビーム(陽子線)入射
位置からの距離、すなわち、陽子線入射窓3からから後
端部に向かう距離に応じて急激に減少し、ターゲット板
4の温度は、陽子線入射窓3から離れるに従って低下す
るので、必要な冷却能力も後端部になるに従って小さく
て済む。
の発熱密度は、図2に示すように、ビーム(陽子線)入射
位置からの距離、すなわち、陽子線入射窓3からから後
端部に向かう距離に応じて急激に減少し、ターゲット板
4の温度は、陽子線入射窓3から離れるに従って低下す
るので、必要な冷却能力も後端部になるに従って小さく
て済む。
【0029】そこで、ターゲット板4の厚みも、陽子線
入射窓3から離れるに従って厚くでき、これによりター
ゲット板の枚数を少なくして、構成の簡素化を図ること
ができる。このとき、上記実施形態では、スペーサを必
要としない構造なので、厚みの違うターゲット板4でも
自由に、しかも容易に配列することができ、上記したよ
うに、順次に、或いは数枚づつ段階的に厚さを変えるな
ど、任意に対応することができる。
入射窓3から離れるに従って厚くでき、これによりター
ゲット板の枚数を少なくして、構成の簡素化を図ること
ができる。このとき、上記実施形態では、スペーサを必
要としない構造なので、厚みの違うターゲット板4でも
自由に、しかも容易に配列することができ、上記したよ
うに、順次に、或いは数枚づつ段階的に厚さを変えるな
ど、任意に対応することができる。
【0030】ところで、このような核破砕反応で発生し
た中性子は、水による吸収が大きいから、ターゲットで
の冷却水が存在する部分はなるべく少なくするのが、効
率良く中性子を得るための要件となる。
た中性子は、水による吸収が大きいから、ターゲットで
の冷却水が存在する部分はなるべく少なくするのが、効
率良く中性子を得るための要件となる。
【0031】ここで、上記実施形態によれば、冷却材流
路5の断面形状が凸レンズ状にしてあり、ターゲット板
4の周辺部では冷却材流路5が絞られているので、冷却
水の占める体積を小さく抑えることができ、この結果、
冷却水により吸収される中性子の量が低減され、中性子
の利用効率を向上させることができ、且つ、冷却水の総
流量も抑えられるので、経済的な冷却設備を実現するこ
とができる。
路5の断面形状が凸レンズ状にしてあり、ターゲット板
4の周辺部では冷却材流路5が絞られているので、冷却
水の占める体積を小さく抑えることができ、この結果、
冷却水により吸収される中性子の量が低減され、中性子
の利用効率を向上させることができ、且つ、冷却水の総
流量も抑えられるので、経済的な冷却設備を実現するこ
とができる。
【0032】次に、陽子線照射時のターゲット板4の発
熱密度は、図3に示すように、ターゲット板4の中央部
から離れ、周辺に向かうに従って急激に減少するから、
ターゲット板全体を均一に冷却する必要はなく、中央部
が重点的に冷却されるようしてやればよい。
熱密度は、図3に示すように、ターゲット板4の中央部
から離れ、周辺に向かうに従って急激に減少するから、
ターゲット板全体を均一に冷却する必要はなく、中央部
が重点的に冷却されるようしてやればよい。
【0033】ここで、上記実施形態によれば、図1(a)
に示したように、冷却材流路5の断面形状が凸レンズ形
にしてあるので、中央部での冷却能力が、周辺部分での
冷却能力よりも大きくなり、要求に合致した無駄のない
冷却機能が得られていることにより、少ない冷却材流量
で、ターゲット集合体12に必要な冷却性を充分に保つ
ことができ、経済性に優れた中性子源を容易に得ること
ができる。
に示したように、冷却材流路5の断面形状が凸レンズ形
にしてあるので、中央部での冷却能力が、周辺部分での
冷却能力よりも大きくなり、要求に合致した無駄のない
冷却機能が得られていることにより、少ない冷却材流量
で、ターゲット集合体12に必要な冷却性を充分に保つ
ことができ、経済性に優れた中性子源を容易に得ること
ができる。
【0034】また、このようなターゲットシステムで
は、ターゲット板4の陽子線入射位置に近い程、つまり
中心に近い程、ターゲット板4の発熱密度が大きくなる
ので、充分な冷却のためには、ターゲット板4を薄くせ
ざるを得ないが、この場合、過大な熱衝撃によってター
ゲット板4に変形を生じ、冷却材流路5が閉塞されてし
まう虞れを生じる。
は、ターゲット板4の陽子線入射位置に近い程、つまり
中心に近い程、ターゲット板4の発熱密度が大きくなる
ので、充分な冷却のためには、ターゲット板4を薄くせ
ざるを得ないが、この場合、過大な熱衝撃によってター
ゲット板4に変形を生じ、冷却材流路5が閉塞されてし
まう虞れを生じる。
【0035】しかるに、上記実施形態では、冷却材流路
5の断面形状が凸レンズ状にされていて、ターゲット板
4の周辺部では、その厚みが増加されているので、ター
ゲット板4の強度を充分に高く保つことができ、従っ
て、上記実施形態によれば、ターゲット板4の変形を充
分に防止することができ、高い信頼性の保持と共に、中
性子源の大出力化にも容易に対応することができる。
5の断面形状が凸レンズ状にされていて、ターゲット板
4の周辺部では、その厚みが増加されているので、ター
ゲット板4の強度を充分に高く保つことができ、従っ
て、上記実施形態によれば、ターゲット板4の変形を充
分に防止することができ、高い信頼性の保持と共に、中
性子源の大出力化にも容易に対応することができる。
【0036】次に、本発明による中性子源固体ターゲッ
トの第2の実施形態について、図4により説明する。と
ころで、この図4に示した本発明の第2の実施形態によ
る中性子源固体ターゲット1でも、ターゲット容器2、
ターゲット容器2の先端に取り付けられた陽子線入射窓
3、複数のターゲット板4、ターゲット板押さえ板6と
を備え、ターゲット容器2の内面に形成されているター
ゲット板挿入溝11に沿って、該容器2の中に複数のタ
ーゲット板4を互いに接触させ重ね合わせて挿入し、タ
ーゲット集合体12を構成している点は、図1で説明し
た第1の実施形態による中性子源固体ターゲット1と同
じである。
トの第2の実施形態について、図4により説明する。と
ころで、この図4に示した本発明の第2の実施形態によ
る中性子源固体ターゲット1でも、ターゲット容器2、
ターゲット容器2の先端に取り付けられた陽子線入射窓
3、複数のターゲット板4、ターゲット板押さえ板6と
を備え、ターゲット容器2の内面に形成されているター
ゲット板挿入溝11に沿って、該容器2の中に複数のタ
ーゲット板4を互いに接触させ重ね合わせて挿入し、タ
ーゲット集合体12を構成している点は、図1で説明し
た第1の実施形態による中性子源固体ターゲット1と同
じである。
【0037】そして、このとき、ターゲット板4相互間
に生じる隙間により冷却材流路5が形成されており、且
つターゲット集合体12とターゲット容器2の間に冷却
材入口側流路9と冷却材出口側流路10とが形成されて
いることも、第1の実施形態と同様である。
に生じる隙間により冷却材流路5が形成されており、且
つターゲット集合体12とターゲット容器2の間に冷却
材入口側流路9と冷却材出口側流路10とが形成されて
いることも、第1の実施形態と同様である。
【0038】しかして、この図4の第2の実施形態で
は、冷却材流路5の幅が各ターゲット板4毎に順次、又
は段階的に異なっている点で、図1の第1の実施形態と
は異なっている。なお、ここでは、前端から3、2、
3、3の段階的な変化になっている。
は、冷却材流路5の幅が各ターゲット板4毎に順次、又
は段階的に異なっている点で、図1の第1の実施形態と
は異なっている。なお、ここでは、前端から3、2、
3、3の段階的な変化になっている。
【0039】すなわち、第1の実施形態では、図1(a)
から明らかなように、冷却材流路5の幅wが全て一定の
寸法になっていて、冷却材流路5の断面積は全部同じに
なっているが、第2の実施形態では、図4(a)に示すよ
うに、前端から後端になるにつれて、冷却材流路5の幅
wを順次、若しくは段階的に小さな値にし、これにより
断面積が減少されて行くようにした点で異なっているの
である。
から明らかなように、冷却材流路5の幅wが全て一定の
寸法になっていて、冷却材流路5の断面積は全部同じに
なっているが、第2の実施形態では、図4(a)に示すよ
うに、前端から後端になるにつれて、冷却材流路5の幅
wを順次、若しくは段階的に小さな値にし、これにより
断面積が減少されて行くようにした点で異なっているの
である。
【0040】ここで、この冷却材流路5の断面積は、タ
ーゲット構造体12の前端から後端までの各ターゲット
板4の位置方向での発熱密度分布に応じて、必要な冷却
水流量が確保されるように決めるのが合理的であり、こ
れにより無駄な冷却水の通流を抑えながら的確な冷却状
態が保てる。そして、この合理性は、陽子線入射位置、
すなわち前端位置から離れるに従って冷却材流路5の断
面積を小さくしてゆくことで与えられ、このために必要
な構成は、この第2の実施形態により満足されている。
ーゲット構造体12の前端から後端までの各ターゲット
板4の位置方向での発熱密度分布に応じて、必要な冷却
水流量が確保されるように決めるのが合理的であり、こ
れにより無駄な冷却水の通流を抑えながら的確な冷却状
態が保てる。そして、この合理性は、陽子線入射位置、
すなわち前端位置から離れるに従って冷却材流路5の断
面積を小さくしてゆくことで与えられ、このために必要
な構成は、この第2の実施形態により満足されている。
【0041】従って、この第2の実施形態によれば、冷
却水の存在空間が更に少なく抑えられ、この結果、冷却
水による中性子の吸収量が更に低減できるので、図1の
実施形態による効果に加えて、中性子の利用効率が更に
向上できることになる。また、この第2の実施形態によ
れば、冷却水の流量が少なくて済むので、冷却設備の規
模を小さくでき、より一層経済的になるという効果が得
られる。
却水の存在空間が更に少なく抑えられ、この結果、冷却
水による中性子の吸収量が更に低減できるので、図1の
実施形態による効果に加えて、中性子の利用効率が更に
向上できることになる。また、この第2の実施形態によ
れば、冷却水の流量が少なくて済むので、冷却設備の規
模を小さくでき、より一層経済的になるという効果が得
られる。
【0042】さらに、この第2の実施形態によれば、各
冷却材流路5の断面積を変えることにより、冷却水の流
量配分が自由に変えられるので、ターゲット集合体12
の温度分布の制御も任意に行えることになり、より一層
合理的な冷却性能を持たせることができる。
冷却材流路5の断面積を変えることにより、冷却水の流
量配分が自由に変えられるので、ターゲット集合体12
の温度分布の制御も任意に行えることになり、より一層
合理的な冷却性能を持たせることができる。
【0043】次に、本発明による中性子源固体ターゲッ
トの第3の実施形態について、図5により説明する。図
5において、40はターゲット本体を、そして50は冷
却材流路となる孔を表わし、ターゲット容器2、陽子線
入射窓3、ターゲット板押さえ板6は、図1と図4の実
施形態と同じである。ターゲット本体40は、角柱状の
タンタル、タングステン、劣化ウランなどの重金属材料
で単一の部材として作られており、且つ、この本体に
は、その4面の側面の内、対向する2側面の一方から他
方に向かって、所定の直径を有する孔50が、所定の配
置密度で、所定の本数にわたって形成してある。
トの第3の実施形態について、図5により説明する。図
5において、40はターゲット本体を、そして50は冷
却材流路となる孔を表わし、ターゲット容器2、陽子線
入射窓3、ターゲット板押さえ板6は、図1と図4の実
施形態と同じである。ターゲット本体40は、角柱状の
タンタル、タングステン、劣化ウランなどの重金属材料
で単一の部材として作られており、且つ、この本体に
は、その4面の側面の内、対向する2側面の一方から他
方に向かって、所定の直径を有する孔50が、所定の配
置密度で、所定の本数にわたって形成してある。
【0044】そして、このターゲット本体40は、ター
ゲット容器2の後端部、つまり図5(a)の右側から、タ
ーゲット板挿入溝11に沿って、陽子線入射窓3を先頭
にしてターゲット容器2の中に挿入され、後からターゲ
ット板押さえ板6が押し込まれることにより、ターゲッ
ト集合体12を形成している。
ゲット容器2の後端部、つまり図5(a)の右側から、タ
ーゲット板挿入溝11に沿って、陽子線入射窓3を先頭
にしてターゲット容器2の中に挿入され、後からターゲ
ット板押さえ板6が押し込まれることにより、ターゲッ
ト集合体12を形成している。
【0045】このとき、ターゲット本体40は、図5
(b)から明らかなように、複数の孔50の一方と他方の
端部が、それぞれ冷却材入口側流路9と冷却材出口側流
路10に開口するようにして、ターゲット容器2内に挿
入されており、従って図6で説明したように、冷却材入
口側流路9から冷却水を供給することにより、多数の孔
50を通って冷却材出口側流路10に冷却水が流通さ
れ、これによりターゲット本体40の冷却が得られるこ
とになり、中性子源固体ターゲットとして動作させるこ
とができる。
(b)から明らかなように、複数の孔50の一方と他方の
端部が、それぞれ冷却材入口側流路9と冷却材出口側流
路10に開口するようにして、ターゲット容器2内に挿
入されており、従って図6で説明したように、冷却材入
口側流路9から冷却水を供給することにより、多数の孔
50を通って冷却材出口側流路10に冷却水が流通さ
れ、これによりターゲット本体40の冷却が得られるこ
とになり、中性子源固体ターゲットとして動作させるこ
とができる。
【0046】ここで、冷却材流路となる孔50の断面積
(∝直径)と配置密度は、各位置でのターゲット本体40
の発熱密度に応じて、必要な冷却水流量が確保されるよ
うに決めてある。すなわち、この第3の実施形態では、
図5(a)に示すように、陽子線Pの入射位置である前端
部から離れるに従って、ターゲット本体40の断面積密
度に対する、孔50の直径と配置密度で決まる冷却材流
路の断面積密度の割合が小さくなるようにしてある。
(∝直径)と配置密度は、各位置でのターゲット本体40
の発熱密度に応じて、必要な冷却水流量が確保されるよ
うに決めてある。すなわち、この第3の実施形態では、
図5(a)に示すように、陽子線Pの入射位置である前端
部から離れるに従って、ターゲット本体40の断面積密
度に対する、孔50の直径と配置密度で決まる冷却材流
路の断面積密度の割合が小さくなるようにしてある。
【0047】既に図2と図3で説明したように、陽子線
の照射によるターゲットでの発熱密度は、陽子線Pの入
射位置で最大になり、この位置から離れるに従って低下
するから、必要な冷却能力も、前端から後端に向かって
小さくなるようにするのが合理的であり、従って、この
第3の実施形態によれば、無駄のない的確な冷却が得ら
れることになる。
の照射によるターゲットでの発熱密度は、陽子線Pの入
射位置で最大になり、この位置から離れるに従って低下
するから、必要な冷却能力も、前端から後端に向かって
小さくなるようにするのが合理的であり、従って、この
第3の実施形態によれば、無駄のない的確な冷却が得ら
れることになる。
【0048】また、この図5に示す第3の実施形態によ
れば、単一の部材からなるターゲット本体40を用いて
いるので、図1に示した第1の実施形態の特徴に加え
て、さらにターゲット集合体12の構造が簡略化でき、
従って保守点検時の作業性をさらに大きく向上できる。
れば、単一の部材からなるターゲット本体40を用いて
いるので、図1に示した第1の実施形態の特徴に加え
て、さらにターゲット集合体12の構造が簡略化でき、
従って保守点検時の作業性をさらに大きく向上できる。
【0049】さらに、同じく単一の部材からなるターゲ
ット本体40を用いている結果、この第3の実施形態に
よれば、陽子線入射時の熱衝撃がかなり大きくなって
も、ターゲット本体40での変形発生の虞れがなく、そ
れに伴う冷却材流路の閉塞も完全に防止できるので、信
頼性の向上を充分に得ることができ、中性子源の大出力
化にも、さらに容易に対応することができる。
ット本体40を用いている結果、この第3の実施形態に
よれば、陽子線入射時の熱衝撃がかなり大きくなって
も、ターゲット本体40での変形発生の虞れがなく、そ
れに伴う冷却材流路の閉塞も完全に防止できるので、信
頼性の向上を充分に得ることができ、中性子源の大出力
化にも、さらに容易に対応することができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ターゲット集合体の構
成が単純化されるので、マニュピュレータよる遠隔操作
にも容易に対応し、的確な保守点検のもとで安全確実な
運転が維持でき、大出力にも充分に対応が可能な中性子
源固体ターゲットを容易に提供することができる。
成が単純化されるので、マニュピュレータよる遠隔操作
にも容易に対応し、的確な保守点検のもとで安全確実な
運転が維持でき、大出力にも充分に対応が可能な中性子
源固体ターゲットを容易に提供することができる。
【図1】本発明による中性子源固体ターゲットの第1の
実施形態を示す断面図である。
実施形態を示す断面図である。
【図2】固体ターゲットにおける陽子線入射位置から長
さ方向の距離に対する発熱密度変化を示す特性図であ
る。
さ方向の距離に対する発熱密度変化を示す特性図であ
る。
【図3】固体ターゲットにおける陽子線入射位置から半
径方向の距離に対する発熱密度変化を示す特性図であ
る。
径方向の距離に対する発熱密度変化を示す特性図であ
る。
【図4】本発明による中性子源固体ターゲットの第2の
実施形態を示す断面図である。
実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明による中性子源固体ターゲットの第3の
実施形態を示す断面図である。
実施形態を示す断面図である。
【図6】中性子源固体ターゲットの冷却設備の一例を示
すブロック構成図である。
すブロック構成図である。
1 中性子源ターゲット 2 ターゲット容器 3 陽子線入射窓 4 ターゲット板 5 冷却材流路 6 ターゲット板押さえ板 7 冷却材流路入口 8 冷却材流路出口 9 冷却材入口側流路 10 冷却材出口側流路 11 ターゲット板挿入溝 12 ターゲット集合体 13 ブラケット 20 冷却設備 21 冷却材タンク 22 冷却材循環ポンプ 23 冷却器 24 冷却材浄化装置 25 加圧した気体が封入された空間 31 二次冷却水入口 32 二次冷却水出口 P 陽子線
Claims (3)
- 【請求項1】 陽子線の照射に伴う核破砕反応により、
中性子を発生させる方式の中性子源固体ターゲットにお
いて、 複数枚のターゲット板を重ね合わたターゲット集合体を
用い、 これらのターゲット板の夫々の表面を窪ませることによ
り、これらターゲット板の重ね合わせ面に冷却材流通用
の隙間が形成されるように構成したことを特徴とする中
性子源固体ターゲット。 - 【請求項2】 請求項1の発明において、 前記隙間が、前記ターゲット板の中央部で広く、周辺部
で狭くなるように構成されていることを特徴とする中性
子源固体ターゲット。 - 【請求項3】 陽子線の照射に伴う核破砕反応により、
中性子を発生させる方式の中性子源固体ターゲットにお
いて、 ほぼ角柱状の単一の部材からなるターゲット本体を用
い、 このターゲット本体の長手方向とほぼ直角に、該ターゲ
ット本体を貫通している複数本の孔により冷却材流通用
の通路が形成されるように構成したことを特徴とする中
性子源固体ターゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3894798A JPH11238598A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 中性子源固体ターゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3894798A JPH11238598A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 中性子源固体ターゲット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11238598A true JPH11238598A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12539412
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3894798A Pending JPH11238598A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | 中性子源固体ターゲット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11238598A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004514242A (ja) * | 2000-07-11 | 2004-05-13 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 中性子発生のための破砕装置 |
JP2004514120A (ja) * | 2000-11-09 | 2004-05-13 | ステリス インコーポレイテッド | 製品用x線ターゲット |
JP2005521997A (ja) * | 2002-04-02 | 2005-07-21 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 熱吸収要素を有するx線を発生するための装置 |
JP2006047115A (ja) * | 2004-08-04 | 2006-02-16 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 中性子発生装置及びターゲット、並びに中性子照射システム |
JP2006196353A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Hitachi Ltd | 加速器中性子源及びこれを用いたホウ素中性子捕捉療法システム |
JP2006284344A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Hitachi Eng Co Ltd | 二次荷電粒子発生装置 |
KR101026163B1 (ko) * | 2008-10-17 | 2011-04-05 | 한국원자력연구원 | 중성자 발생장치용 금속 표적 |
JP2018171241A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 住友重機械工業株式会社 | 中性子捕捉療法装置 |
JP2021530689A (ja) * | 2018-07-09 | 2021-11-11 | アドバンスド アクセレレーター アプリケーションズ | 中性子アクティベータ、当該中性子アクティベータを含む中性子放射化システム、および当該中性子アクティベータが実行する中性子放射化方法 |
CN116437555A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-07-14 | 中子科学研究院(重庆)有限公司 | 多束流沉积的中子靶及中子发生器 |
-
1998
- 1998-02-20 JP JP3894798A patent/JPH11238598A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004514242A (ja) * | 2000-07-11 | 2004-05-13 | コミツサリア タ レネルジー アトミーク | 中性子発生のための破砕装置 |
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JP4704788B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-06-22 | 株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス | 二次荷電粒子発生装置 |
KR101026163B1 (ko) * | 2008-10-17 | 2011-04-05 | 한국원자력연구원 | 중성자 발생장치용 금속 표적 |
JP2018171241A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 住友重機械工業株式会社 | 中性子捕捉療法装置 |
JP2021530689A (ja) * | 2018-07-09 | 2021-11-11 | アドバンスド アクセレレーター アプリケーションズ | 中性子アクティベータ、当該中性子アクティベータを含む中性子放射化システム、および当該中性子アクティベータが実行する中性子放射化方法 |
CN116437555A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-07-14 | 中子科学研究院(重庆)有限公司 | 多束流沉积的中子靶及中子发生器 |
CN116437555B (zh) * | 2022-12-30 | 2024-03-22 | 中子科学研究院(重庆)有限公司 | 多束流沉积的中子靶及中子发生器 |
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