JP2000082598A - 中性子散乱施設用ターゲット - Google Patents

中性子散乱施設用ターゲット

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JP2000082598A
JP2000082598A JP10252378A JP25237898A JP2000082598A JP 2000082598 A JP2000082598 A JP 2000082598A JP 10252378 A JP10252378 A JP 10252378A JP 25237898 A JP25237898 A JP 25237898A JP 2000082598 A JP2000082598 A JP 2000082598A
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JP10252378A
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Inventor
Masaki Kaminaga
雅紀 神永
Ryutaro Hino
竜太郎 日野
Akira Nishikawa
明 西川
Atsuhiko Terada
敦彦 寺田
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IHI Corp
Japan Atomic Energy Agency
Original Assignee
IHI Corp
Japan Atomic Energy Research Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 澱みなく流動する均一性の高い整った液体金
属の流れを全領域に形成し得るようにした中性子散乱施
設用ターゲットを薄肉化して実現し、しかも、核破砕反
応による発生熱を効率良く除熱し得るようにすることを
目的としている。 【解決手段】 中性子を利用した各種の物性研究を行う
為の中性子散乱施設で用いるターゲット4に関し、内側
容器18と外側容器19とから成る二重殻構造とし、内
側容器18内の幅方向中央位置に内側容器18の基端側
から先端側に向け徐々に相互間隔が拡がるようにブレー
ド21を複数枚配列し、内側容器18内におけるブレー
ド21列を挟んだ幅方向の一側を往路23とし且つ他側
を復路24として水銀M(液体金属)を給排し、内側容
器18と外側容器19との間の冷却流路20に対し冷却
水W(冷却媒体)を給排する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギー陽子
を入射して内部の液体金属と衝突させることにより核破
砕反応で中性子を発生せしめる中性子散乱施設用ターゲ
ットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は中性子を利用した各種の物性研究
を行う為の中性子散乱施設の一例を示すもので、陽子射
出器1から射出した陽子を線形加速器2により高周波電
流で加速して累積リング3に入射し、該累積リング3に
て偏向電磁石の磁場により軌道を曲げて周回させつつ高
周波電流により必要エネルギーとなるまで増速を行い、
然る後に、必要エネルギーとなった陽子を累積リング3
からターゲット4に向けて射出し、該ターゲット4内に
抱持されている水銀等の液体の重金属に当てて核破砕反
応(スポレーション反応)により高速中性子を発生せし
めるようにしてあり、更には、前記ターゲット4から発
生した高速中性子を、液体水素(20K、1.5MP
a)等の減速材を内部に抱持した減速材容器5を透過さ
せることにより研究目的に応じた熱中性子や冷中性子に
変換してビームライン6を通しラボ7へと導くようにし
てある。
【0003】図8は前述した如き中性子散乱施設に用い
られている従来のターゲット4の一例を示し、この種の
ターゲット4は、略水平な方向から入射する陽子8に対
向するように延びる容器本体9と、該容器本体9内の下
部に配置されて基端側から先端付近にまで延びる仕切板
10とを備え、該仕切板10と容器本体9の底面との間
に形成される流路を往路11として容器本体9の基端側
から先端側に向け水銀Mを導入し、該水銀Mを容器本体
9内の先端で折り返し、前記仕切板10と容器本体9の
天井面との間の流路を復路12として基端側へ戻すよう
に構成されている。
【0004】ここで、往路11の流入口13と復路12
の流出口14とは、容器本体9の外部で循環ループ15
により接続されていて、該循環ループ15の途中に備え
たポンプ16により水銀Mが循環されるようになってお
り、また、循環ループ15の途中に備えた熱交換器17
により水銀Mが冷却されてから容器本体9へ戻されるよ
うになっている。
【0005】即ち、高エネルギー陽子8を入射されて核
破砕反応で大強度の高速中性子が発生する際には、水銀
Mが多大な入熱を受けることになるので、容器本体9内
に対し水銀Mを常に給排して良好な流動状況を確保する
ことにより除熱を図り、ターゲット4の耐熱性を確保す
るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
従来のターゲット4においては、容器本体9の基端側に
導入された水銀Mが全て容器本体9の先端側まで流れて
から先端内周面に沿って基端側へと折り返す流れを形成
する為、この流れにより取り囲まれた領域で澱みや再循
環流Rが発生し易くなり、このような澱みや再循環流R
が発生してしまうと、容器本体9内に継続的に滞留して
排出されない水銀Mが生じて局所的な温度上昇(ホット
スポットの発生)が起こる虞れがあった。
【0007】また、耐圧性を確保する為に容器本体9を
厚肉にせざるを得なかった為、核破砕反応により発生し
た高速中性子が容器本体9を透過する際に、意図しない
大幅な減速がなされてしまうという不具合もあった。
【0008】更には、容器本体9に対し大流量の水銀M
を冷却しつつ循環供給することだけで核破砕反応による
発生熱を除熱するようにしていた為、水銀Mを循環する
ポンプ16等の給排設備や、熱交換器17等の冷却設備
にかかる負担が極めて大きく、しかも、発生熱の大きな
核破砕反応に対応することが困難であるという不具合も
あった。
【0009】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもの
で、澱みなく流動する均一性の高い整った液体金属の流
れを全領域に形成し得るようにした中性子散乱施設用タ
ーゲットを薄肉化して実現し、しかも、核破砕反応によ
る発生熱を効率良く除熱し得るようにすることを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、略水平な方向
から入射する陽子に対向するように延び且つ基端側から
先端側に向け容積が漸減するようにテーパ形状を付され
た内側容器と、該内側容器の周囲を相互間に冷却流路を
介在させつつ被包する外側容器と、内側容器内の幅方向
中央位置に陽子の入射方向に対し略直角な面を成して内
側容器の基端側から先端側に向け徐々に相互間隔が拡が
るように複数枚配列され且つその幅方向中央に陽子を通
過せしめる開口部を有し幅方向両側を内側容器の基端側
に向け後退せしめたブレードとを備え、内側容器内にお
けるブレード列を挟んだ幅方向の一側を往路とし且つ他
側を復路として内側容器の基端側から液体金属を給排し
得るよう構成すると共に、冷却流路に対し外側容器の基
端側から冷却媒体を給排し得るよう構成したことを特徴
とする中性子散乱施設用ターゲット、に係るものであ
る。
【0011】従って、本発明では、内側容器内における
ブレード列を挟んだ幅方向の一側を往路として内側容器
の基端側から液体金属を導入すると、その導入された液
体金属は、内側容器の先端側へと向かいつつ各ブレード
の相互間に分配され、該各ブレードの相互間を反対側へ
抜け出て内側容器内の幅方向他側の往路に到り、該往路
を通して内側容器の基端側へと戻される。
【0012】この際、各ブレードの幅方向両側が内側容
器の基端側に向け後退した形状となっていることによ
り、内側容器の先端側に向け往路を流れる液体金属が、
円滑に各ブレード間に分配され、また、各ブレード間を
抜け出た液体金属が、内側容器の基端側に向けて流れる
復路の流れに円滑に合流されることになる。
【0013】また、各ブレードは、内側容器の基端側か
ら先端側に向け徐々に相互間隔が拡がるように配列され
ており、各ブレード間を通過するのに伴う液体金属の流
動抵抗が内側容器の先端側に向かうほど緩和されている
ので、内側容器の基端側における液体金属の偏った分配
が抑制されることになり、しかも、往路を流れる液体金
属の流量が各ブレード間への分配により減少しても、内
側容器の容積が基端側から先端側に向け漸減するように
なっているので、内側容器の先端側においても基端側と
同様の分配状況が確保されることになる。
【0014】そして、このように液体金属の分配が良好
に行われる結果、内側容器内の全領域に澱みなく流動す
る均一性の高い整った液体金属の流れが形成されること
になり、内側容器の先端側で生じようとする澱みや再循
環流の発生が防止される。
【0015】また、各ブレードは、単なる液体金属の分
配板として機能するだけでなく、内側容器に対する補強
部材としても機能し、内側容器が各ブレードにより補強
されて剛性を大幅に向上されることになるので、内側容
器の薄肉化を図ることが可能となり、しかも、内側容器
と外側容器との間における冷却流路の圧力を内側容器内
の圧力より高めて差圧を持たせれば、更なる内側容器の
薄肉化を図ることも可能となる。
【0016】更に、内側容器と外側容器との間の冷却流
路に冷却媒体を給排して核破砕反応による発生熱の除熱
を支援することが可能となるので、より大きな発生熱の
核破砕反応にも対応することが可能となると共に、液体
金属の給排設備や冷却設備にかかる負担を軽減すること
も可能となる。
【0017】また、本発明においては、内側容器と外側
容器との間に、外側容器の基端側から先端側に向けて延
びるフローガイドを配設し、該フローガイドにより外側
容器の基端側に導入した冷却媒体が先端側を経由してか
ら基端側に戻るように冷却流路を系統分けすることが好
ましい。
【0018】このようにすれば、冷却媒体を確実に外側
容器の先端側まで行き渡らせて冷却流路の全領域で効率
良く冷却を行うことが可能となると共に、フローガイド
により内側容器及び外側容器を補強して両者の剛性を向
上することも可能となる。
【0019】更に、本発明においては、内側容器と外側
容器との間に、フローガイドに対し平行に延びる複数の
リブを散在させて配置すると良く、このようにすれば、
冷却媒体の整流化を促進することが可能となると共に、
内側容器及び外側容器を補強して両者の剛性をより一層
向上することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0021】図1〜図6は本発明を実施する形態の一例
を示すもので、図8と同一の符号を付した部分は同一物
を表わしている。
【0022】図中18は略水平な方向から入射する陽子
8に対向するように延び且つ基端側から先端側に向け容
積が漸減するようにテーパ形状を付された内側容器、1
9は該内側容器18の周囲を相互間に冷却流路20を介
在させつつ被包する外側容器を示し、内側容器18内の
幅方向中央位置には、陽子8の入射方向に対し略直角な
面を成して内側容器18の基端側から先端側に向け徐々
に相互間隔が拡がるように複数枚のブレード21が配列
されており、該各ブレード21の幅方向中央には、陽子
8を通過せしめる開口部22が形成され、しかも、各ブ
レード21の幅方向両側は、内側容器18の基端側に向
け後退せしめた形状としてある。
【0023】そして、特に図2の平面断面図に示す如
く、内側容器18内におけるブレード21列を挟んだ幅
方向の一側を往路23とし且つ他側を復路24として内
側容器18の基端側から水銀Mを給排し得るようにして
あり、より具体的には、内側容器18内におけるブレー
ド21列の最後尾後方にビームダンプ25を配置し且つ
該ビームダンプ25の幅方向両側面から内側容器18の
基端にかけて一対の隔離板26を配置して非流動空間2
7を画定することにより、該非流動空間27の幅方向両
側に往路23の流入口28と復路24の流出口29とを
夫々形成し、これら流入口28と流出口29とを内側容
器18の外部で循環ループ15により接続して、該循環
ループ15の途中に備えたポンプ16により水銀Mを循
環し且つ前記循環ループ15の途中に備えた熱交換器1
7により水銀Mを冷却してから内側容器18へ戻すよう
に構成してある。
【0024】また、図5及び図6に外側容器19のみを
破断して内側容器18の平面図及び側面図を示すよう
に、内側容器18と外側容器19との間には、外側容器
19の基端側から先端側に向けて延びる複数本(図示す
る例では表裏合計八本)のフローガイド30が配設され
ており、該各フローガイド30により外側容器19の基
端側に導入した冷却水W(重水)が先端側を経由してか
ら基端側に戻るように冷却流路20が三系統A,B,C
に分けられている。
【0025】即ち、系統A,Bは、内側容器18の上下
面に同様にして形成されており、図5の平面図に図示さ
れている四本のフローガイド30のうちの真ん中の二本
に挟まれた流路領域を往路とし、該往路の両側の流路領
域を復路としており、前記往路における外側容器19の
基端側に突設した流入ノズル31から導入された冷却水
Wが外側容器19の先端側へ流れた後に左右に振り分け
られて各復路を戻り、外側容器19の基端側に突設した
流出ノズル32から排出されるようになっている。
【0026】また、系統Cは、図6の側面図に図示され
ている四本のフローガイド30のうちの真ん中の二本に
挟まれた流路領域を往路とし、該往路に対し外側容器1
9の幅方向反対側に同様にして形成されている流路領域
を復路(図4参照)としており、前記往路における外側
容器19の基端側に突設した流入ノズル31から導入さ
れた冷却水Wが外側容器19の先端側を回り込んで復路
を戻り、外側容器19の基端側に突設した流出ノズル3
2から排出されるようになっている。
【0027】更に、特に本形態例においては、図5に示
すように、内側容器18と外側容器19との間に、フロ
ーガイド30に対し平行に延びる複数のリブ33を散在
させて配置するようにしてあり、これらのリブ33は、
冷却水Wに対する整流板として機能すると共に、内側容
器18及び外側容器19の相互間を補強する補強部材と
しても機能するようになっている。
【0028】而して、内側容器18内におけるブレード
21列を挟んだ幅方向の一側を往路23として内側容器
18の基端側の流入口28から水銀Mを導入すると、そ
の導入された水銀Mは、内側容器18の先端側へと向か
いつつ各ブレード21の相互間に分配され、該各ブレー
ド21の相互間を反対側へ抜け出て内側容器18内の幅
方向他側の往路23に到り、該往路23を通して内側容
器18の基端側へと戻される。
【0029】この際、各ブレード21の幅方向両側が内
側容器18の基端側に向け後退した形状となっているこ
とにより、内側容器18の先端側に向け往路23を流れ
る水銀Mが、円滑に各ブレード21間に分配され、ま
た、各ブレード21間を抜け出た水銀Mが、内側容器1
8の基端側に向けて流れる復路24の流れに円滑に合流
されることになる。
【0030】また、各ブレード21は、内側容器18の
基端側から先端側に向け徐々に相互間隔が拡がるように
配列されており、各ブレード21間を通過するのに伴う
水銀Mの流動抵抗が内側容器18の先端側に向かうほど
緩和されているので、内側容器18の基端側における水
銀Mの偏った分配が抑制されることになり、しかも、往
路23を流れる水銀Mの流量が各ブレード21間への分
配により減少しても、内側容器18の容積が基端側から
先端側に向け漸減するようになっているので、内側容器
18の先端側においても基端側と同様の分配状況が確保
されることになる。
【0031】そして、このように水銀Mの分配が良好に
行われる結果、内側容器18内の全領域に澱みなく流動
する均一性の高い整った水銀Mの流れが形成されること
になり、内側容器18の先端側で生じようとする澱みや
再循環流の発生が防止される。
【0032】また、各ブレード21は、単なる水銀Mの
分配板として機能するだけでなく、内側容器18に対す
る補強部材としても機能し、内側容器18が各ブレード
21により補強されて剛性を大幅に向上されることにな
るので、内側容器18の薄肉化を図ることが可能とな
り、しかも、内側容器18と外側容器19との間におけ
る冷却流路20の圧力を内側容器18内の圧力より高め
て差圧を持たせれば、更なる内側容器18の薄肉化を図
ることも可能となる。
【0033】更に、内側容器18と外側容器19との間
の冷却流路20の三系統A,B,Cに冷却水Wを給排す
ると、核破砕反応による発生熱の除熱が冷却水Wによる
水冷で支援されることになる。
【0034】従って上記形態例によれば、内側容器18
内の全領域に澱みなく流動する均一性の高い整った水銀
Mの流れを形成することができ、内側容器18の先端側
で生じようとする澱みや再循環流の発生を未然に防止す
ることができるので、内側容器18内に継続的に水銀M
が滞留することによる局所的な温度上昇を確実に回避す
ることができる。
【0035】また、各ブレード21の配列設置により内
側容器18を補強して該内側容器18の剛性を大幅に向
上することができるので、内側容器18の薄肉化を図る
ことができ、しかも、内側容器18と外側容器19との
間の冷却流路20における圧力を内側容器18内の圧力
より高めて差圧を持たせることにより更なる内側容器1
8の薄肉化を図ることもできるので、核破砕反応により
発生した高速中性子が容器本体を透過する際に意図しな
い大幅な減速がなされてしまう不具合を回避することが
できる。
【0036】更に、内側容器18と外側容器19との間
の冷却流路20に冷却水Wを給排して核破砕反応による
発生熱の除熱を支援することができるので、より大きな
発生熱の核破砕反応にも対応することができると共に、
水銀Mの給排設備や冷却設備にかかる負担を著しく軽減
することもできる。
【0037】また、特に本形態例においては、内側容器
18と外側容器19との間に、外側容器19の基端側か
ら先端側に向けて延びるフローガイド30を配設し、該
フローガイド30により外側容器19の基端側に導入し
た冷却水Wが先端側を経由してから基端側に戻るように
冷却流路20を系統分けしているので、冷却水Wを確実
に外側容器19の先端側まで行き渡らせて冷却流路20
の全領域で効率良く冷却を行うことができると共に、フ
ローガイド30により内側容器18及び外側容器19を
補強して両者の剛性を向上することもできる。
【0038】更に、本形態例に示した如く、内側容器1
8と外側容器19との間に、フローガイド30に対し平
行に延びる複数のリブ33を散在させて配置すれば、冷
却水Wの整流化を促進することができると共に、内側容
器18及び外側容器19の相互間を補強して両者の剛性
をより一層向上することができる。
【0039】尚、本発明の中性子散乱施設用ターゲット
は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、液体
金属は水銀以外のものであっても良く、冷却媒体も冷却
水に限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0040】
【発明の効果】上記した本発明の中性子散乱施設用ター
ゲットによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得
る。
【0041】(I)本発明の請求項1に記載の発明によ
れば、内側容器内の全領域に澱みなく流動する均一性の
高い整った液体金属の流れを形成することができ、内側
容器の先端側で生じようとする澱みや再循環流の発生を
未然に防止することができるので、内側容器内に継続的
に液体金属が滞留することによる局所的な温度上昇を確
実に回避することができる。
【0042】(II)本発明の請求項1に記載の発明に
よれば、各ブレードの配列設置により内側容器を補強し
て該内側容器の剛性を大幅に向上することができるの
で、内側容器の薄肉化を図ることができ、しかも、内側
容器と外側容器との間の冷却流路における圧力を内側容
器内の圧力より高めて差圧を持たせることにより更なる
内側容器の薄肉化を図ることもでき、このような内側容
器の薄肉化の結果として、核破砕反応により発生した高
速中性子が容器本体を透過する際に意図しない大幅な減
速がなされてしまう不具合を回避することができる。
【0043】(III)本発明の請求項1に記載の発明
によれば、内側容器と外側容器との間の冷却流路に冷却
媒体を給排して核破砕反応による発生熱の除熱を支援す
ることができるので、より大きな発生熱の核破砕反応に
対応することができると共に、液体金属の給排設備や冷
却設備にかかる負担を著しく軽減することができる。
【0044】(IV)本発明の請求項2に記載の発明に
よれば、冷却媒体を確実に外側容器の先端側まで行き渡
らせて冷却流路の全領域で効率良く冷却を行うことがで
きると共に、フローガイドにより内側容器及び外側容器
を補強して両者の剛性を向上することができる。
【0045】(V)本発明の請求項3に記載の発明によ
れば、冷却媒体の整流化を促進することができると共
に、内側容器及び外側容器の相互間を補強して両者の剛
性をより一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す一部を切り
欠いた斜視図である。
【図2】図1のターゲットの平面断面図である。
【図3】図2のIII−III方向の矢視図である。
【図4】図3のIV−IV方向の矢視図である。
【図5】図1のターゲットの外側容器のみを破断して示
す内側容器の平面図である。
【図6】図1のターゲットの外側容器のみを破断して示
す内側容器の側面図である。
【図7】一般的な中性子散乱施設の一例を示す概略図で
ある。
【図8】従来のターゲットの一例を示す側面断面図であ
る。
【符号の説明】
4 ターゲット 8 陽子 18 内側容器 19 外側容器 20 冷却流路 21 ブレード 22 開口部 23 往路 24 復路 30 フローガイド 33 リブ M 水銀(液体金属) W 冷却水(冷却媒体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 竜太郎 茨城県那珂郡東海村白方白根2番地の4 日本原子力研究所 東海研究所内 (72)発明者 西川 明 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 寺田 敦彦 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 Fターム(参考) 2G085 BE02 BE05 BE06 CA30 DA10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平な方向から入射する陽子に対向す
    るように延び且つ基端側から先端側に向け容積が漸減す
    るようにテーパ形状を付された内側容器と、該内側容器
    の周囲を相互間に冷却流路を介在させつつ被包する外側
    容器と、内側容器内の幅方向中央位置に陽子の入射方向
    に対し略直角な面を成して内側容器の基端側から先端側
    に向け徐々に相互間隔が拡がるように複数枚配列され且
    つその幅方向中央に陽子を通過せしめる開口部を有し幅
    方向両側を内側容器の基端側に向け後退せしめたブレー
    ドとを備え、内側容器内におけるブレード列を挟んだ幅
    方向の一側を往路とし且つ他側を復路として内側容器の
    基端側から液体金属を給排し得るよう構成すると共に、
    冷却流路に対し外側容器の基端側から冷却媒体を給排し
    得るよう構成したことを特徴とする中性子散乱施設用タ
    ーゲット。
  2. 【請求項2】 内側容器と外側容器との間に、外側容器
    の基端側から先端側に向けて延びるフローガイドを配設
    し、該フローガイドにより外側容器の基端側に導入した
    冷却媒体が先端側を経由してから基端側に戻るように冷
    却流路を系統分けしたことを特徴とする請求項1に記載
    の中性子散乱施設用ターゲット。
  3. 【請求項3】 内側容器と外側容器との間に、フローガ
    イドに対し平行に延びる複数のリブを散在させて配置し
    たことを特徴とする請求項2に記載の中性子散乱施設用
    ターゲット。
JP10252378A 1998-09-07 1998-09-07 中性子散乱施設用ターゲット Pending JP2000082598A (ja)

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JP10252378A JP2000082598A (ja) 1998-09-07 1998-09-07 中性子散乱施設用ターゲット

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