JPH11237743A - 平版印刷版製版方法および平版印刷版用原版 - Google Patents

平版印刷版製版方法および平版印刷版用原版

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JPH11237743A
JPH11237743A JP3930198A JP3930198A JPH11237743A JP H11237743 A JPH11237743 A JP H11237743A JP 3930198 A JP3930198 A JP 3930198A JP 3930198 A JP3930198 A JP 3930198A JP H11237743 A JPH11237743 A JP H11237743A
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JP
Japan
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group
printing plate
polymer
lithographic printing
alkyl
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Application number
JP3930198A
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English (en)
Inventor
Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線レーザにより、コンピューター等のデ
ジタルデータから直接製版可能であり、画像書き込み
後、湿式現像処理や擦り等の特別な処理を必要とせず、
高感度で、汚れのない印刷物を得ることができ、取り扱
い性に優れ、機上現像も可能な平版印刷版製版方法と、
これに使用する平版印刷版用原版とを提供する。 【解決手段】 親水性支持体上に、下記一般式(1)も
しくは下記一般式(2)で表される構造単位を有するポ
リマーと赤外線吸収剤とを含有する感光層を有し、イン
キおよび水で現像可能な平版印刷版用原版を用い、画像
状に赤外線露光後、インキおよび水に接触させて、現像
を行う。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(1) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(2) (式中 R1,R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基を、R3,R4 は水素、アルキル、ア
リール基を表す。R5はポリマー主鎖に組み込まれた単結
合もしくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版製版方
法および平版印刷版用原版に関し、詳しくは、赤外線レ
ーザにより、デジタルデータから直接製版できる、いわ
ゆるダイレクト製版可能な平版印刷版製版方法と、その
製版方法に使用する平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製版および印刷業界では、現像廃
液がアルカリ性であることより、環境問題が生じてきて
いる。また、製版作業の合理化が進められており、上記
のような複雑な湿式現像処理を必要とせず、露光後にそ
のまま印刷に使用できる印刷版用原版が望まれている。
特に、波長760nmから1200nmの赤外線(以
下、「IR」と表す場合がある)を放射する固体レーザ
及び半導体レーザを記録光源として、コンピュータ等の
デジタルデータから直接製版することができる印刷版用
原版が望まれている。
【0003】赤外線レーザにて直接製版可能な画像形成
システムとしては、特開平7−186562号公報に、
ポリマー側鎖にある官能基の分解を用いた画像形成シス
テムが提案されており、画像書き込み後、湿式現像処理
やこすり等の特別な処理を必要とせず、平版印刷版用原
版を得ることができる。しかしながら、感度の点で実用
化レベルには達しておらず、また、分解物の残存により
印刷物に汚れを生じるという問題もあった。
【0004】一方、特開昭60−10247号公報に
は、シリルエステル基を有するポリマーと酸発生剤とか
らなるポジ型感光性組成物が提案されている。また、特
開昭60−37549号公報には、シリルエーテル基を
有するポリマーと酸発生剤とからなるポジ型感光性組成
物が提案されている。これらのポジ型感光性組成物にお
いては、シリルエステル基またはシリルエーテル基を有
するポリマーは、主成分であるフェノール性バインダー
樹脂のアルカリ水溶液への溶解抑制剤として使用されて
いるものであり、像露光後に、アルカリ水溶液を使用し
た画像形成工程を設けることが必要であり、廃水処理の
問題があった。また、光に対して不安定な酸発生剤との
併用が必要であり、取り扱いが不便であった。さらに、
いずれも光源はUV光から可視光を用いており、赤外線
レーザーで直接製版することができるものではなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、赤外線レーザにより、コンピューター等のデジタル
データから直接製版可能であり、画像書き込み後、湿式
現像処理や擦り等の特別な処理を必要とせず、高感度
で、汚れのない印刷物を得ることができ、取り扱い性に
優れ、機上現像も可能な平版印刷版製版方法と、これに
使用する平版印刷版用原版を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは,鋭意検討の
結果、シリルエステル基またはシリルエーテル基を有す
るポリマーは、それ自身が疎水性であるだけでなく、熱
によって分解し、分解物が親水性もしくは低分子量成分
となる点に着目し、これを用いると、赤外線レーザーで
描いた後、インキと湿し水により画像部が疎水性のポジ
画像を形成できることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0007】すなわち、本発明は、親水性支持体上に、
下記一般式(1)もしくは一般式(2)で表される構造
単位を有するポリマーと赤外線吸収剤とを含有する感光
層を有し、インキおよび水で現像可能な平版印刷版用原
版を、画像状に赤外線露光後、インキおよび水に接触さ
せて、現像を行うことを特徴とする平版印刷版製版方法
である。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(1) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(2) (式中 R1,R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基を、R3,R4 は水素、アルキル、ア
リール基を表す。R5はポリマー主鎖に組み込まれた単結
合もしくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基を表す。)
【0008】また、本発明は、親水性支持体上に、下記
一般式(1)もしくは下記一般式(2)で表される構造
単位を有するポリマーと赤外線吸収剤とを含有する感光
層を有し、インキおよび水で現像可能な平版印刷版用原
版であって、下記一般式(1)もしくは下記一般式
(2)で表される構造単位を有するポリマーが感光層に
60重量%以上含有されてなることを特徴とする平版印
刷版用原版である。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(1) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(2) (式中 R1,R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基を、R3,R4 は水素、アルキル、ア
リール基を表す。R5はポリマー主鎖に組み込まれた単結
合もしくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基を表す。)
【0009】本発明の平版印刷版用原版がポジ画像を形
成するシステムについては、次のように考えられる。ま
ず、赤外線レーザーでの露光により与えられたエネルギ
ーは、赤外線吸収剤により光熱変換されて、露光部分で
は局所的に熱が発生する。次に、発生した熱により、シ
リルエステルまたはシリルエーテル構造単位を主鎖中に
有するポリマーにおいて、次のようなポリマーの主鎖切
断反応が起きる。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)- → -C(=O)OH + H-O-Si(R1)(R2)- -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)- → -C(R3)(R4)OH + H-O-Si(R1)(R2)- また、発生した熱により、シリルエステルまたはシリル
エーテル構造単位を側鎖に有するポリマーにおいては、
次のようなポリマー末端部の切断反応が起きる。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) → -C(=O)OH + H-O-Si(R1)(R2)(R5) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) → -C(R3)(R4)OH + H-O-Si(R1)(R2)(R5) このような、熱により容易に分解するポリマーと赤外線
吸収剤との組合せにより、赤外線吸収剤が赤外線レーザ
ーによる露光感度を高め、赤外線レーザーから直接書込
みをすることができ、また、酸発生剤が存在しなくて
も、高感度で画像を形成することができる。
【0010】上記反応により生成した分解物は親水性も
しくは低分子量化合物であり、有機溶媒、湿し水、ある
いはインクに溶解する。従って、生成した分解物を有機
溶媒や湿し水で除去することもできるし、インクととも
に除去することもできる。疎水性分解物が除去された部
分では、親水性支持体が露出し、その結果、未露光部に
おいてインクを受容する平版印刷版が形成される。この
ように、シリルエステルまたはシリルエーテル構造単位
を主鎖中に有するポリマーを、溶解抑制剤としてではな
く主基材であるバインダーポリマーとして用いたことに
より、広い意味でのアブレーションが可能となり、印刷
機上での製版が可能となる。
【0011】すなわち、本発明によれば、赤外線レーザ
により、コンピューター等のデジタルデータから直接製
版可能であり、画像書き込み後、湿式現像処理や擦り等
の特別な処理を必要とせず、高感度で、汚れのない印刷
物を得ることができ、取り扱い性に優れ、機上現像も可
能な平版印刷版製版方法と、これに使用する平版印刷版
用原版とが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】まず、本発明の平版印刷版用原版について
説明する。本発明の平版印刷版用原版は、親水性支持体
上に、感光層を有してなり、この感光層は前記一般式
(1)もしくは前記一般式(2)で表される構造単位を
有するポリマー60重量%以上と赤外線吸収剤とを含有
している。
【0014】〔一般式(1)もしくは一般式(2)で表
される構造単位を有するポリマー〕本発明で用いられる
ポリマーは、下記一般式(1)もしくは下記一般式
(2)で表される構造単位を有するポリマーである(以
下、熱分解性ポリマーという場合がある。)。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(1) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(2) 式中 R1,R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基から選ばれる基を表し、R3,R4
水素、アルキル、アリール基から選ばれる基を表し、R5
はポリマー主鎖に組み込まれた単結合もしくはアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基から
選ばれる基を表す。アルキル基としては、置換または非
置換のアルキル基が挙げられ、メチル、エチル、プロピ
ルなど炭素数1から20までのアルキル基が好ましく、
炭素数1から10までのアルキル基がより好ましい。ア
リール基としては、置換または非置換のアリール基が挙
げられ、フェニル基、ナフチル基など炭素数6から20
までのアリール基が好ましく、炭素数6から10までの
アリール基がより好ましい。アルコキシ基としては、置
換または非置換アルコキシ基が挙げられ、炭素数1から
15までのアルコキシ基が好ましい。アリールオキシ基
としては、置換または非置換のアリールオキシ基が挙げ
られ、炭素数6から15までのアリールオキシ基が好ま
しい。置換基としては、クロロ、ブロモ等のハロゲン原
子、メトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基、メト
キシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アミド
基、水酸基、アリールオキシ基、アセチルオキシ基等の
アシルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキ
シ基などを用いることができる。
【0015】本発明で用いられる熱分解性ポリマーの分
子量は、重量平均分子量として、1,000〜1,00
0,000程度が好ましく、より好ましくは、2,00
0〜300,000程度である。1,000未満では塗
膜を形成せず、1,000,000を超えると感度が低
下し、汚れが生ずる。
【0016】以下に、本発明で用いられる熱分解性ポリ
マーの具体例を示す。なお、本発明はこれらの具体例に
限定されるものではない。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】本発明で用いられる熱分解性ポリマーは、
特開昭60−10247号、特開昭60−37549
号、およびUSP4752552号に記載されている方
法で合成することができる。
【0027】本発明で用いられる熱分解性ポリマーの感
光層における配合割合としては、感光層全固形分中、6
0重量%以上であり、好ましくは、70〜99.99重
量%、より好ましくは80〜99重量%である。
【0028】[赤外線吸収剤]本発明において使用され
る赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmの
赤外線を有効に吸収する染料または顔料である。好まし
くは、波長760nmから1200nmに吸収極大を有
する染料または顔料である。染料としては、市販の染料
および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編
集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用
できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピ
ラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン
染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノン
イミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体などの染料
が挙げられる。
【0029】好ましい染料としては例えば特開昭58−
125246号、特開昭59−84356号、特開昭5
9−202829号、特開昭60−78787号等に記
載されているシアニン染料、特開昭58−173696
号、特開昭58−181690号、特開昭58−194
595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−
112793号、特開昭58−224793号、特開昭
59−48187号、特開昭59−73996号、特開
昭60−52940号、特開昭60−63744号等に
記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112
792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国
特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げるこ
とができる。
【0030】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号公報に開示されているピ
リリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料とし
て好ましい別の例として米国特許第4,756,993
号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近
赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のう
ち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリ
リウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が
挙げられる。
【0031】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便
覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977
年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986
年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類と
しては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔
料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔
料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられ
る。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮
合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系
顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロ
ン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ま
しいものはカーボンブラックである。
【0032】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)およ
び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)
に記載されている。
【0033】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点
で好ましくなく、また、10μmを超えると画像記録層
の均一性の点で好ましくない。顔料を分散する方法とし
ては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分
散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、
サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミ
ル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミ
ル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加
圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0034】これらの赤外線吸収剤は、感光層全固形分
に対し0.01〜40重量%、好ましくは0.1〜10
重量%、染料の場合、特に好ましくは0.5〜10重量
%、顔料の場合特に好ましくは1.0〜10重量%の割
合で感光層中に添加することができる。顔料もしくは染
料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くな
り、また40重量%を超えると印刷時非画像部に汚れが
発生する。
【0035】[その他の成分]本発明の感光層において
は、熱分解性ポリマーと赤外線吸収剤という上述の2つ
の成分が必須であるが、必要に応じてこれら以外に種々
の化合物を添加しても良い。
【0036】本発明においては、酸発生剤を添加するこ
ともできる。但し、前記熱分解性ポリマーはそれ自身熱
により分解し、該分解により連鎖的に反応が進み、特に
他の酸発生剤を併用しなくても画像を形成することがで
きるため、酸発生剤は必須ではない。本発明において
は、酸発生剤として、光または熱の作用により酸を発生
させる公知の化合物を選択して用いることができる。
【0037】たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.E
ng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(198
0) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,06
9,055号、同4,069,056号、特開平3−1
40,140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker
etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,T
eh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)
、米国特許第4,069,055号、同4,069,
056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello eta
l,Macromolecules,10(6),1307(1977) 、Chem.&Eng.New
s,Nov.28,p31(1988) 、欧州特許第104,143号、
米国特許第339,049号、同第410,201号、
特開平2−150,848号、特開平2−296,51
4号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Po
lymer J.17,73(1985) 、J.V.Crivello etal.J.Org.Che
m.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Pol
ymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Po
lymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macrom
olecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.Po
lymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979) 、欧州特
許第370,693号、米国特許3,902,114
号、欧州特許第233,567号、同297,443
号、同297,442号、米国特許第4,933,37
7号、同410,201号、同339,049号、同
4,760,013号、同4,734,444号、同
2,833,827号、獨国特許第2,904,626
号、同3,604,580号、同3,604,581号
等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macrom
olecules,10(6),1307(1977) 、J.V.Crivello etal,J.Po
lymer Sci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979)等に記載
のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.C
uring ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニ
ウム塩等のオニウム塩、
【0038】米国特許第3,905,815号、特公昭
46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭
55−32070号、特開昭60−239736号、特
開昭61−169835号、特開昭61−169837
号、特開昭62−58241号、特開昭62−2124
01号、特開昭63−70243号、特開昭63−29
8339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et
al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inor
g.Chem.,19,3007(1980) 、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19
(12),377(1896) 、特開平2−161445号等に記載
の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Poly
mer Sci.,25,753(1987)、 E.Reichmanis etal,J.Pholyme
r Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、 Q.Q.Zhu etal,
J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetra
hedron Lett.,(24)2205(1973)、 D.H.R.Barton etal,J.C
hem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,
PerkinI,1695(1975)、 M.Rudinstein etal,Tetrahedron
Lett.,(17),1445(1975)、 J.W.Walker etal,J.Am.Chem.S
oc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Tech
nol.,11(4),191(1985)、 H.M.Houlihan etal,Macormolec
ules,21,2001(1988)、 P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,C
hem.Commun.,532(1972)、 S.Hayase etal,Macromolecule
s,18,1799(1985)、 E.Reichmanis etal,J.Electrochem.S
oc.,SolidState Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan e
tal,Macromolcules,21,2001(1988)、
【0039】欧州特許第0290,750号、同04
6,083号、同156,535号、同271,851
号、同0,388,343号、米国特許第3,901,
710号、同4,181,531号、特開昭60−19
8538号、特開昭53−133022号等に記載のo
−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNO
OKA etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、 G.Berner e
tal,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs etal,Coating Techn
ol.,55(697),45(1983),Akzo、 H.Adachi etal,Polymer P
reprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672
号、同84515号、同199,672号、同044,
115号、同0101,122号、米国特許第4,61
8,564号、同4,371,605号、同4,43
1,774号、特開昭64−18143号、特開平2−
245756号、特願平3−140109号等に記載の
イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホ
ン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号等
に記載のジスルホン化合物、特開昭50−36209号
(米国特許第3969118号)記載のo−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホン酸ハライド、特開昭55−6
2444号(英国特許第2038801号)記載あるい
は特公平1−11935号に記載のo−ナフトキノンジ
アジド化合物を挙げることができる。
【0040】さらにこれらの他、特願平9−26878
号、特願平9−89451号、特願平9−85328号
に記載の熱で酸を発生するようなスルホン酸エステル類
を用いることができる。
【0041】その他の添加剤としては、可視光域に大き
な吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することが
できる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイ
エロー#103、オイルピンク#312、オイルグリー
ンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、
オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラ
ックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、
ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(C
I42555)、メチルバイオレット(CI4253
5)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145
170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、
メチレンブルー(CI52015)など、あるいは特開
昭62−293247号公報に記載されている染料を挙
げることができる。これらの染料は、画像形成後、画像
部と非画像部の区別がつきやすいので、添加することが
好ましい。尚、添加量は、感光層全固形分に対し、0.
01〜10重量%の割合である。
【0042】また、本発明における感光層中には、現像
条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−
251740号公報や特開平3−208514号公報に
記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59
−121044号公報、特開平4−13149号公報に
記載されているような両性界面活性剤を添加することが
できる。非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビ
タントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリ
ド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙
げられる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキル
ジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチ
ルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチ
ル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインや
N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品
名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感光層
中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、
より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0043】更に本発明の感光層中には、必要に応じ、
塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。
例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、
リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テ
トラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸
のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。これら以
外にも、エポキシ化合物、ビニルエーテル類、特願平7
−18120号に記載のヒドロキシメチル基を持つフェ
ノール化合物、およびアルコキシメチル基を有するフェ
ノール化合物等を添加してもよい。さらに塗膜の強度を
向上させるために他の高分子化合物を添加してもよい。
【0044】本発明の平版印刷用原版は、通常上記各成
分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布し感光層を
形成することにより製造することができる。ここで使用
する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ
エチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテ
ート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラ
クトン、トルエン、水等をあげることができるがこれに
限定されるものではない。
【0045】これらの溶媒は単独あるいは混合して使用
される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の
濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、
乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途
によって異なるが、平版印刷用原版についていえば一般
的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法
としては、種々の方法を用いることができるが、例え
ば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カー
テン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード
塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0046】本発明における感光層中には、塗布性を良
化するための界面活性剤、例えば特開昭62−1709
50号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤
を添加することができる。好ましい添加量は、感光層全
固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.0
5〜0.5重量%である。
【0047】〔親水性支持体〕本発明の感光層は親水性
支持体上に形成される。本発明に使用される親水性支持
体(以下、単に「支持体」という場合がある)として
は、表面が親水性であり、従来公知の、平版印刷版に使
用される親水性支持体をいずれも用いることができる。
本発明に使用される親水性支持体は、寸度的に安定な板
状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属が
ラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチ
ックフィルム等が含まれ、これらの表面に対し、必要に
応じて親水性の付与や強度向上等の目的で、適切な公知
の物理的もしくは化学的処理を施してもよい。
【0048】特に好ましい支持体としては、紙、ポリエ
ステルフィルム又はアルミニウム板が挙げられ、その中
でも寸法安定性がよく、比較的安価であり、必要に応じ
て為される表面処理により親水性や強度に優れた表面を
提供できるアルミニウム板は特に好ましい。また、特公
昭48−18327号に記載されているようなポリエチ
レンテレフタレートフィルム上にアルミニウムシートが
結合された複合体シートも好ましく用いることができ
る。
【0049】好適なアルミニウム板は、純アルミニウム
板、およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を
含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもし
くは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミ
ニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガ
ン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッ
ケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高
々10重量%以下である。本発明において特に好適なア
ルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋な
アルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅か
に異元素を含有するものでもよい。このように本発明に
適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるも
のではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板
を適宜に利用することができる。本発明で用いられるア
ルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.3mmである。
【0050】また、金属、特にアルミニウムの表面を有
する支持体の場合には、砂目立て処理、珪酸ソーダ、フ
ッ化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸
漬処理、あるいは陽極酸化処理等の表面処理が為されて
いることが好ましい。
【0051】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように両者を組み合わせた方法も利用すること
ができる。
【0052】さらに、砂目立て処理した後にアルカリ金
属珪酸塩(珪酸ナトリウム等)の水溶液に浸漬処理され
たアルミニウム板が好ましく使用できる。特に、特公昭
47−5125号に記載されているようにアルミニウム
板を陽極酸化処理した後に、アルカリ金属珪酸塩の水溶
液に浸漬処理したものが好ましく使用される。アルミニ
ウム板の陽極酸化処理は、例えば、リン酸、クロム酸、
硫酸、硼酸等の無機酸、もしくは蓚酸、スルファミン酸
等の有機酸、またはそれらの塩の水溶液あるいは非水溶
液の単独または二種以上を組み合わせた電界液中でアル
ミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施され
る。
【0053】また、米国特許第3,658,662号に
記載されているようなシリケート電着も有効である。さ
らに、特公昭46−27481号、特開昭52−586
02号、特開昭52−30503号に記載されているよ
うな電解グレインを施した支持体と、上記陽極酸化処理
および珪酸ソーダ処理とを組み合わせた表面処理も有用
である。また、特開昭56−28893号に記載されて
いるような機械的粗面化、化学的エッチング、電解グレ
イン、陽極酸化処理、さらに珪酸ソーダ処理を順に行っ
たものも好適である。さらに、これらの処理を行った後
に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルスルホン酸、スル
ホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリア
クリル酸、水溶性金属塩(例えば硼酸亜鉛)もしくは黄
色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適に使用でき
る。さらに、特願平5−304358号に開示されてい
るようなラジカルによって付加反応を起こし得る官能基
を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられ
る。
【0054】その他、好ましい例としては、任意の支持
体上に表面層として耐水性の親水性層を設けたものを挙
げることができる。このような表面層としては、例え
ば、US3,055,295号や、特開昭56−131
68号等に記載の無機顔料と結着剤とからなる層、特開
平9−80744号に記載の親水性膨潤層、特表平8−
507727号に記載の酸化チタン、ポリビニルアルコ
ール、珪酸類からなるゾルゲル膜等を挙げることができ
る。
【0055】本発明の親水性支持体としては、親水性支
持体の上に親水性ポリマーを塗布したものが好ましい。
特に、この処理は汚れやすい印刷条件で印刷する際に有
効な手段である。親水性ポリマーとしては末端カルボキ
シル基,スルホン酸基,およびそれらの金属塩,アルコ
キシ基,水酸基,アミド基を有するポリマーが好まし
い。これらの親水性ポリマーの具体例としては、ポリビ
ニルアルコール、ポリメチルメタクリル酸、ポリメチル
メタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリビニル安息香酸、ポリビニル安息
香酸ナトリウム、ポリ(2−ヒドロキシエチル)アクリ
レート、ポリ-N- ビニルピロリドン、ポリ-N- ビニルア
セトアミド、などがある。また、それらの共重合体も同
様に有効である。共重合可能なモノマーとしては、エチ
レン、プロピレン、メチルビニルエーテル、スチレン、
酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、アクリロニトリルなどのαーオレフィン、ビニル化
合物、ビニリデン化合物などが挙げられる。また、これ
らのビニル系ポリマーの他に、ポリエチレンオキサイド
などのポリエチレン基を含む重合体、また、デンプン−
アクリル酸系グラフト重合体、カルボキシル化メチルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビヤガム、コラ
ーゲンなどの天然高分子化合物も有効である。
【0056】(平版印刷版製版方法)本発明の平版印刷
版製版方法では、親水性支持体上に、前記一般式(1)
もしくは前記一般式(2)で表される構造単位を有する
ポリマー(熱分解性ポリマー)と赤外線吸収剤とを含有
する感光層を有し、インキおよび水で現像可能な平版印
刷版用原版を、波長760nmから1200nmの赤外
線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像状
に露光後、インキおよび水に接触させて、現像を行う。
また、レーザ照射後すぐにオフセット印刷機等に該印刷
版を装着し、印刷機上においてインキおよび湿し水に接
触させて、現像を行うことができ、多数枚の印刷を行う
ことができる。ここで、前記一般式(1)もしくは前記
一般式(2)で表される構造単位を有するポリマーとし
ては、本発明の平版印刷版用原版に使用するポリマーと
同様の熱分解性ポリマーを用いることができる。
【0057】本発明の平版印刷版製版方法に使用する平
版印刷版用原版は、親水性支持体上に、前記熱分解性ポ
リマーと赤外線吸収剤とを含有する感光層を有していれ
ば、特に制限はなく、前記熱分解性ポリマーが感光層に
60重量%以上含有されていることを要する本発明の平
版印刷版用原版には限定されない。熱分解性ポリマーの
感光層における配合割合としては、感光層全固形分中、
10重量%以上、好ましくは60重量%以上であり、よ
り好ましくは、70〜99.99重量%、さらに好まし
くは80〜99重量%である。また、親水性支持体、赤
外線吸収剤、及びその他の添加剤については、本発明の
平版印刷版用原版と同様のものを使用することができ
る。
【0058】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0059】実施例1〜5 厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)を
トリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラ
シと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその
表面を砂目立てし、水でよく洗浄した。この板を45℃
の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッ
チングを行い、水洗後、更に2%HNO 3 に20秒間浸
漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量
は約3g/m2 であった。次に、この板を7%H2 SO
4 を電解液として電流密度15A/dm2 で3g/m2
の直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗乾燥して、親水性
支持体Sを得た。
【0060】次に、得られた親水性支持体Sに、下記溶
液[A]において、熱分解性ポリマーの種類を変えた5
種類の溶液[A−1]〜[A−5]を塗布し、100℃
で2分間乾燥してポジ型平版印刷用原版[A−1]〜
[A−5]を得た。乾燥後の被膜重量は1.0g/m2
であった。また、ポジ型平版印刷用原版の感光層中の熱
分解性ポリマーの含有率は、81重量%であった。 (溶液[A]の組成) 熱分解性ポリマー 1.00g (下記表1に記載のもの) 赤外線吸収剤 0.15g (NK−3508、日本感光色素研究所(株)製) ジフェニルヨードニウムアントラキノンスルホン酸ナトリウム 0.15g 染料 0.05g (ヒ゛クトリアヒ゜ュアフ゛ルー BOH の対イオンを1-ナフタレン-スルホン酸にした染料) メガファックF−177 0.03g (大日本インキ化学工業(株)製、フッ素系界面活性剤) メチルエチルケトン 20 g メチルアルコール 7 g
【0061】得られたポジ型平版印刷用原版[A−1]
〜[A−5]を、波長1064nmの赤外線を発するY
AGレーザで露光した(出力750mW、走査速度2.
0m/sec.)。露光後、特別の処理をすることな
く、ハイデルKOR−D機で印刷した。この際、印刷物
の非画像部に汚れが発生しているかどうかを観察し、耐
刷枚数を確認した。結果を下記表1に示す。いずれも非
画像部に汚れのない良好な印刷物が5万枚以上得られ
た。
【0062】
【表1】
【0063】比較例1 親水性支持体Sに、下記溶液[A]において、熱分解性
ポリマーに替えて、USP5605780号記載のシア
ノアクリレート高分子化合物を用いた溶液[B−1]を
用いた他は、実施例1と同様にして、ポジ型平版印刷用
原版[B−1]を得た。乾燥後の被膜重量は1.0g/
2 であった。得られたポジ型平版印刷用原版[B−
1]を、実施例1〜5と同様に露光し、露光後、特別の
処理をすることなく、実施例1〜5と同様の条件で印刷
した。この際、印刷物の非画像部に汚れが発生している
かどうかを観察し、耐刷枚数を確認した。結果を下記表
1に示す。
【0064】実施例1〜5と比較例1とより、本発明の
ポジ型平版印刷用原版は、長期間にわたり汚れが無い印
刷物を得られることがわかる。
【0065】比較例2 赤外線吸収剤を用いなかった他は、実施例1と同様にし
て、ポジ型平版印刷用原版[B−2]を得た。得られた
ポジ型平版印刷用原版[B−2]を、実施例1〜5と同
様に露光したが、画像は全く形成されず、印刷を行って
も、全面汚れとなった。このように、熱により容易に分
解するポリマーを用いても、赤外線吸収剤を用いなけれ
ば、露光感度が不十分となり、赤外線レーザーから直接
書込みをすることができないことが分かる。
【0066】実施例6,7 上記実施例1〜5にて使用した親水性支持体Sの上に、
親水性ポリマーとして、ポリビニルフェニルホスホン酸
(PCAS社製)を0.5g/m2 の塗布量となるよう
に塗布し、親水性支持体Pを得た。次に、得られた親水
性支持体Pに、実施例1および2で用いたのと同じ溶液
[A−1]、[A−2]を塗布し、100℃で2分間乾
燥してポジ型平版印刷用原版[A−6]、[A−7]を
得た。乾燥後の被膜重量は1.0g/m2 であった。得
られたポジ型平版印刷用原版[A−6]、[A−7]
を、実施例1〜5と同様の方法で露光し、露光後、特別
の処理をすることなく、ハイデルKOR−D機で印刷し
た。印刷条件は水目盛りを2目盛り絞り、実施例1〜5
よりも汚れの出やすい条件にて印刷を行い、3万枚印刷
した時点での汚れを観察した。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】実施例6,7より、親水性支持体の上に親
水性ポリマーを塗布することにより印刷物における汚れ
の発生が、さらに、抑制されていることがわかる。な
お、実施例1,2で用いたポジ型平版印刷用原版を、実
施例6,7と同様の条件で印刷を行い、3万枚印刷した
時点での汚れを観察すると、わずかではあるが汚れが観
察された 。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、赤外線レーザにより、
コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能で
あり、画像書き込み後、湿式現像処理や擦り等の特別な
処理を必要とせず、高感度で、汚れのない印刷物を得る
ことができ、取り扱い性に優れ、機上現像も可能な平版
印刷版製版方法と、これに使用する平版印刷版用原版と
を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/075 511 G03F 7/075 511

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性支持体上に、下記一般式(1)も
    しくは下記一般式(2)で表される構造単位を有するポ
    リマーと赤外線吸収剤とを含有する感光層を有し、イン
    キおよび水で現像可能な平版印刷版用原版を、画像状に
    赤外線露光後、インキおよび水に接触させて、現像を行
    うことを特徴とする平版印刷版製版方法。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(1) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(2) (式中 R1,R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基を、R3,R4 は水素、アルキル、ア
    リール基を表す。R5はポリマー主鎖に組み込まれた単結
    合もしくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
    リールオキシ基を表す。)
  2. 【請求項2】 親水性支持体上に、下記一般式(1)も
    しくは下記一般式(2)で表される構造単位を有するポ
    リマーと赤外線吸収剤とを含有する感光層を有し、イン
    キおよび水で現像可能な平版印刷版用原版であって、下
    記一般式(1)もしくは下記一般式(2)で表される構
    造単位を有するポリマーが感光層に60重量%以上含有
    されてなることを特徴とする平版印刷版用原版。 -C(=O)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(1) -C(R3)(R4)-O-Si(R1)(R2)(R5) 一般式(2) (式中 R1,R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基を、R3,R4 は水素、アルキル、ア
    リール基を表す。R5はポリマー主鎖に組み込まれた単結
    合もしくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ア
    リールオキシ基を表す。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005222040A (ja) * 2003-12-30 2005-08-18 Rohm & Haas Electronic Materials Llc Si−成分を含むフォトレジスト組成物

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