JPH11236618A - 低鉄損無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH11236618A
JPH11236618A JP10057380A JP5738098A JPH11236618A JP H11236618 A JPH11236618 A JP H11236618A JP 10057380 A JP10057380 A JP 10057380A JP 5738098 A JP5738098 A JP 5738098A JP H11236618 A JPH11236618 A JP H11236618A
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cold rolling
hot
rolled sheet
iron loss
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Akio Fujita
明男 藤田
Masaki Kono
正樹 河野
Atsuto Honda
厚人 本田
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より一層の低鉄損化を可能ならしめる無方向
性電磁鋼板の有利な製造方法を提案する。 【解決手段】 冷延2回法により無方向性電磁鋼板を製
造するととし、熱延板焼鈍を、連続焼鈍の場合は900 〜
1100℃の温度範囲にて10秒〜3分間、箱焼鈍の場合は75
0 〜900 ℃の温度範囲にて0.5 〜12時間の条件で実施す
る。次いで、1回目の冷間圧延を実施してから900 〜11
00℃の温度範囲にて10秒〜3分間の中間焼鈍により最終
冷延前の鋼板の平均結晶粒径を50μm 以上とする。次い
で、最終冷延を圧下率45〜65%で行う。次いで、900 〜
1100℃の温度範囲にて10秒〜5分間最終仕上焼鈍を実施
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モーターやトラ
ンス等の鉄心材料として使用される無方向性電磁鋼板の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無方向性電磁鋼板は、モーターやトラン
ス等の鉄心材料として広範囲にわたって使用されてい
る。近年、省エネルギーの観点より電気機器の効率向上
に対する要求が強く、電気機器に組み込まれたモーター
やトランス等に用いられている鉄心材料についても、よ
り一層の低鉄損化が望まれている。
【0003】無方向性電磁鋼板の鉄損低減手段として
は、Si,Al等の合金元素の添加量を増やし、鋼板の電気
抵抗を高める方法が一般的に知られている。しかしなが
ら、現在の無方向性電磁鋼板のハイグレード品の鉄損レ
ベルをなお一層向上させるためにSi,Al等の添加量を現
行以上に増加させることは、圧延性の面で問題がある。
しかも、Si,Al等の添加量の増加は材料のコスト高を招
く不利も生じる。
【0004】別の鉄損改善手段としては、鋼中の不純物
元素量を低減すること又は介在物及び析出物個数を低減
することにより鉄損を低減する方法がある。このうち、
鋼中の不純物元素量を低減する方法(例えば、特公平2
−50190号公報)は、鉄損低減に効果的であるが、
かような不純物低減のための鋼の高純度化は、製銑及び
製鋼技術に依存するものであり、無方向性電磁鋼板の製
造分野における高純度化は現在の製銑及び製鋼の現状技
術のほぼ極限まで行っているので、高純度化によるより
一層の鉄損低減は製銑・製鋼技術の更なる進歩を待たな
ければならない。
【0005】一方、介在物及び析出物個数の低減に関し
ては、特開昭59−74256号公報、特開昭60−1
52628号公報及び特開平3−104844号公報
に、介在物の個数を減少させて低鉄損化を達成する技術
が開示されている。しかし、これらの技術において鋼中
の介在物及び析出物の個数を低減させることは、結局の
ところ上記従来技術と同様に高純度化技術に依存してお
り、したがって、これらの手段による場合も、より一層
の鉄損の改善は製銑、製鋼技術の更なる進歩を待たなけ
ればならない。
【0006】その他に、特開平8−41538号公報に
おいては不純物混入を抑制し、スラブ加熱温度・巻取り
温度・熱延板焼鈍条件・冷間圧延圧下率及び仕上焼鈍条
件を調整することにより、介在物を制御して鉄損を低減
する技術が開示されている。また、冷間圧延条件に工夫
を凝らし、集合組織を改善して鉄損を低減する方法が、
例えば特公昭56−22931号公報に開示されてい
る。確かにこれらの公報に開示されている方法により鉄
損を改善することは可能であるが、添加Si量及び製造工
程に適合させた最適条件がすでに確立している現状で
は、より一層の鉄損低減は困難である。
【0007】したがって、現在の高レベルの鉄損低減の
要求を満たすためには、これまでとは異なる手法によっ
て、より一層の鉄損改善を達成する方策を講ずる必要が
あるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな実状に鑑み開発されたもので、より一層の低鉄損化
を可能ならしめる無方向性電磁鋼板の有利な製造方法を
提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、C:0.005
wt%以下、Si:1.0 〜5.0 wt%、Mn:0.1 〜2.0 wt%、
Al:0.1 〜2.0 wt%を含有し、かつS,N及びOの混入
をそれぞれS:0.0030wt%以下、N:0.0030wt%以下及
びO:0.0020wt%wt%以下に抑制した無方向性電磁鋼ス
ラブを熱間圧延し、次いでコイルに巻き取った後に熱延
板焼鈍を施してから、中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延を
行い、次いで最終仕上焼鈍を施す一連の工程によって無
方向性電磁鋼板を製造するに当たり、熱延板焼鈍を、連
続焼鈍の場合は900 〜1100℃の温度範囲にて10秒〜3分
間、箱焼鈍の場合は750 〜900 ℃の温度範囲にて0.5 〜
12時間の条件で実施し、1回目の冷間圧延を実施した
後、900 〜1100℃の温度範囲にて10秒〜3分間の中間焼
鈍により最終冷延前の鋼板の平均結晶粒径を50μm 以上
とし、最終冷延を圧下率45〜65%で行った後に、900 〜
1100℃の温度範囲にて10秒〜5分間の最終仕上焼鈍を実
施することを特徴とする低鉄損無方向性電磁鋼板の製造
方法である。
【0010】次に、この発明を導くに到った実験結果に
ついて説明する。発明者らは、鉄損特性の向上を達成す
るために最終製品の集合組織に注目した。すなわち、従
来行われている冷延1回法では、最終製品板の板厚があ
らかじめ決まっていることから、冷延圧下率を大きく変
化させることは工業上困難であり、よって集合組織の大
きな改善は望めない。一方、中間焼鈍を挟んだ冷延2回
法においては、冷延1回法に比べれば集合組織を改善し
て鉄損を向上させることが可能であるのに、現在の高い
レベルの要求に応えられるほどの鉄損改善には到ってい
ないのが実状である。
【0011】そこで、発明者らが種々の検討を重ねた結
果、熱延板焼鈍処理を施した後に冷延2回法で製造する
と、通常の冷延2回法を適用した場合に比べ、鉄損特性
が著しく向上するケースがあることを知見した。さら
に、この鉄損特性が著しく向上するケースについて詳細
な検討を行った結果、鉄損は中間焼鈍処理後すなわち、
最終冷延前の結晶粒径と最終冷延圧下率に依存すること
を新たに知見したのである。
【0012】(実験1)C:0.002 wt%、Si:2.85wt
%、Mn:0.34wt%、Al:1.1 wt%、S:0.0017wt%、
N:0.0016wt%及びO:0.0014wt%を含有する無方向性
電磁鋼板用の連続鋳造スラブ(厚み220 mm)を1200℃に
加熱後、ラボ熱間圧延機により板厚:2.0 mmの熱延板と
した。次いで、この熱延板に900 ℃で150 秒の熱延板焼
鈍を連続焼鈍法により実施した後(一部、比較のために
熱延板焼鈍を施さないものも実施した。)、ラボ冷間圧
延機により板厚1mmの冷延板とし、この冷延板に種々の
条件で中間焼鈍を施すことにより、中間焼鈍後の粒径を
20〜150 μm に変化させた。中間焼鈍後のこれらの板
は、再びラボ冷間圧延機により板厚0.5 mmの厚さに冷延
した後、950 ℃で10秒間の最終仕上焼鈍を施した。かく
して得られた各製品板の集合組織を調査するとともに、
L,C方向のエプスタインサンプルを採取して(L+
C)8枚エプスタイン測定により磁気特性を測定した。
【0013】最終冷延前の粒径とエプスタイン測定によ
る鉄損との関係を図1に示す。同図から明らかなよう
に、最終冷延前の粒径が50μm 以上のときに著しく鉄損
改善効果が得られることが分かる。また、最終冷延前の
粒径が50μm 以上でも熱延板焼鈍を実施していない場合
は、鉄損改善効果が十分に得られないことが分かる。
【0014】また、図2〜図4に、この実験で得られた
最終製品板の集合組織(ODF表示、φ2 =45°断面)
を示す。熱延板焼鈍なしの例(図4)や最終冷延前の粒
径が40μm の例(図3)では、磁性に悪影響を及ぼす
{111}面の集積が認められるのに対して、最終冷延
前の粒径が96μm (図2)の例では{111}面の集積
は弱まり、正キューブ及びゴス方位の集積が強くなって
いることが分かる。
【0015】(実験2)C:0.0015wt%、Si:3.20wt
%、Mn:0.25wt%、Al:0.35wt%、S:0.0012wt%、
N:0.0014wt%及びO:0.0018wt%を含有する方向性電
磁鋼板用の連続鋳造スラブ(厚み 220mm)を1180℃に加
熱後、ラボ熱間圧延機により板厚:2.0 mmの熱延板とし
た。この熱延板に950 ℃で30秒の熱延板焼鈍を連続焼鈍
法で施した後、最終冷間圧延圧下率を変化させるために
ラボ冷間圧延機により0.52〜1.8 mmの冷延板とし、これ
らの冷延板に980 ℃で20秒の中間焼鈍を施すことによ
り、中間焼鈍後の粒径を約100 μm とした。中間焼鈍後
のこれらの板は、再びラボ冷間圧延機により板厚0.5 mm
の厚さに冷延した後、1000℃で10秒間の最終仕上焼鈍を
施した。かくして得られた製品板のL,C方向のエプス
タインサンプルを採取して(L+C)8枚エプスタイン
測定により磁気特性を測定した。
【0016】最終冷延圧下率とエプスタイン測定による
鉄損との関係を図5に示す。図5から明らかなように最
終冷延圧下率が45〜65%のときに鉄損特性が改善される
ことが分かる。また、図6〜図8にこの実験で得られた
最終製品板の集合組織(ODF表示,φ2 =45°断面)
の例を示す。最終冷延圧下率が58.3%の例(図6)で
は、正キューブ及びゴス方位の集積が強くなっているの
に対して、最終冷延圧下率が16.7%の例(図7)では正
キューブへの強い集積は認められない。また、最終冷延
圧下率が70.6%の例(図8)では、磁性に悪影響を及ぼ
す{111}面の集積が認められる。すなわち、最終冷
延圧下率を好適な範囲(この発明では45〜65%)とする
ことにより、磁性に有利な集合組織が得られることが明
らかになった。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の限定理由につ
いて説明する。まず、成分組成について述べる。Cは、
磁気特性の面からは有害な成分であり、極力低減するの
が望ましいため、その含有量は0.005 wt%以下とする。
下限は特に規定しないが、経済上の理由から0.0001wt%
程度とすることが望ましい。
【0018】Siは、電気抵抗を高め鉄損を改善するのに
有用な添加成分であり、また、α相形成成分であること
が知られている。この発明においては、中間焼鈍後の粒
径を50μm 以上にする必要があるので、中間焼鈍温度で
鋼板はα単相であること(γ変態しないこと)が好まし
い。このため、Si含有量は1.0 wt%以上が必要であり、
一方、Si含有量が5.0 wt%を超えると冷延性が阻害され
れるので、その含有量の上限は5.0 wt%とする。
【0019】Mnは、スラブ加熱時の固溶S量低減に効果
があり、また、Sに起因した熱間脆性を抑制するために
添加されるものであるが、Mnの含有量が0.1 wt%未満で
はその効果に乏しく、一方、2.0 wt%を超えると却って
磁気特性の劣化を招くので、その含有量は0.1 〜2.0 wt
%の範囲とする。
【0020】Alは、鋼の脱酸等に寄与するほか、Siと同
様、電気抵抗を高めて鉄損を向上させる上でも有用な成
分であるが、Alの含有量が0.1 wt%未満ではその効果に
乏しく、一方、含有量が2.0 wt%を超えると冷延性の劣
化を招くのでこき含有量の上限は2.0wt %とする。
【0021】以上、基本成分についての説明をしたが、
この発明では更に以下の成分を含有させることができ
る。Pは、鉄損改善に有効であるが、0.15wt%を超える
と冷延性が著しく劣化するので、その含有量は0.005 〜
0.15wt%の範囲が好適である。この他、B,Ni,Cu,S
n,Sb,Bi,Ca,Ge,REM 等を必要に応じて含有させる
ことができる。
【0022】また、この発明では、S,N及びOの含有
量を、以下のとおりに抑制することが肝要である。S
は、不純物成分の中で特に重要であり、前述したとおり
その含有量を0.0030wt%以下に抑制することが必要であ
る。すわなち、S及びNは、硫化物及び窒化物を形成
し、これが結晶粒の成長性を劣化させたり、磁壁移動を
妨げたりして鉄損を劣化させるという結果を招くために
好ましくなく、特にSはその傾向が強いのでS含有量は
0.0030wt%以下とする。
【0023】Nは、Sと同様に粗大介在物の核となる窒
化物を形成し、また、微細な介在物として鋼中にも存在
する。そして、0.0030wt%を超えるNを含んでいると鉄
損の劣化を招くので、その含有量は0.0030wt%以下とす
る。
【0024】Oはその含有量の低減が鉄損低減に直接結
びつくことは広く知られている事実である。特に0.0020
wt%を超えるOを含んでいると鉄損の劣化を招くので、
その含有量は0.0020wt%以下とする必要がある。
【0025】次に製造プロセスについて説明する。この
発明では、前述した理由から最終製品の集合組織を改善
するために熱延板焼鈍と中間焼鈍を挟んだ冷延2回法に
よる製造が必須である。
【0026】熱延板焼鈍は、集合組織改善のために欠か
せないプロセスであり、連続ラインによる連続焼鈍の場
合は900 〜1100℃の温度範囲にて10秒〜3分間の条件が
好適であり、箱焼鈍の場合は750 〜900 ℃の温度範囲に
て0.5 〜12時間の条件が好適である。すなわち、連続焼
鈍の場合の焼鈍温度が900 ℃に満たないと、磁気特性の
うち、磁束密度が劣化する。一方、1100℃を超えると充
分な鉄損特性が得られない。また、連続焼鈍時間が10秒
に満たないと充分な磁性が得られない。一方、3分間を
超えると生産性が低下する。箱焼鈍の場合の焼鈍温度が
750 ℃に満たないと、磁気特性のうち、磁束密度が劣化
する。一方、900 ℃を超えると鋼板表面の脱スケール性
が劣化する。また、箱焼鈍の時間が0.5 時間に満たない
と充分な磁性が得られない。一方、12時間を超えると脱
スケール性が劣化するうえに生産性が低下する。
【0027】熱延板焼鈍の後に、1回目の冷間圧延を実
施してから、900 〜1100℃の温度範囲にて10秒〜3分間
の中間焼鈍を行って、最終冷延前の鋼板の平均結晶粒径
を50μm 以上とすることが重要である。最終冷延前の鋼
板の平均結晶粒径が50μm より小さいと、鉄損改善効果
が得られない。したがって、中間焼鈍は、900 〜1100℃
の温度範囲にて10秒〜3分間の条件のなかでも、焼鈍後
の鋼板の結晶平均結晶粒径が50μm 以上になる範囲で行
うことが肝要である。
【0028】中間焼鈍後の最終冷間圧延の圧下率は、集
合組織を制御する上で非常に重要な因子であり、45〜65
%に制御する必要がある。圧下率が45%に満たない場合
及び65%を超える場合のいずれも、鉄損改善効果が十分
ではない。より好ましくは、図5から分かるように50〜
60%に制御することが鉄損を改善する上で更に有利であ
る。
【0029】また、最終仕上焼鈍は、900 〜1100℃の温
度範囲にて10秒〜5分間の条件で実施するのが好適であ
る。その他の製鋼、熱延プロセスについては公知の無方
向性電磁鋼板の製造方法が適用できる。
【0030】なお、特開平8−41538号公報におい
てと、この発明と同様に熱延板焼鈍を施した上で、中間
焼鈍を挟んだ2回の冷延により無方向性電磁鋼板を製造
する方法が開示されているが、この発明が見いだしたよ
うな2回冷延法における最終冷延前の粒径や最終冷延圧
下率が鉄損特性向上に大きな影響を及ぼすことについて
はまったく記載されていない。すなわち、この特開平8
−41538号公報においては、熱延板焼鈍を施した上
で冷延2回法により製造する方法において最終冷延前の
粒径や最終冷延圧下率の制御により鉄損を向上させる検
討はなされていないし、そのような思想も全くないので
ある。
【0031】更に、特公昭61−48761号公報にお
いても同様に、その実施例3において、この発明と同様
に熱延板焼鈍を施した上で、中間焼鈍を挟んだ2回の冷
延により製造する方法が開示されていくが、最終冷延圧
下率がこの発明の規定する範囲とは明らかに異なる上
に、この公報においても最終冷延前や最終冷延圧下率の
粒径を制御することにより、集合組織を改善しようとす
る思想は全く示されていない。
【0032】
【実施例】転炉吹錬により、表1に示す成分組成に調整
した溶鋼をそれぞれ連続鋳造によりスラブとした。な
お、上記の溶製に当たっては、脱硫、脱酸、ならびに脱
ガス処理を強化して行い、鋼中のS量、O量及びN量を
低減させた。
【0033】
【表1】
【0034】これらのスラブは熱間圧延により鋼A:2.
4 mm、鋼B:2.2 mm、鋼C:2.0 mmの熱延板としたの
ち、コイルに巻き取った。次いで、熱延板に熱延板焼鈍
を施し(一部、比較のため熱延板焼鈍を省略)、中間焼
鈍を含む2回の冷延を行った後に最終仕上焼鈍を施し
た。各熱延板焼鈍、中間焼鈍、最終冷延圧下率等の製造
条件及び最終冷延前粒径、鋼板の鉄損特性の測定結果を
表2にまとめて示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、無方向性電
磁鋼板を冷延2回法で製造することとし、その際、最終
冷延前の結晶粒径と最終冷延圧下率を調整することによ
り、従来に比して優れた鉄損特性を具備する無方向性電
磁鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終冷延前の平均結晶粒径と製品板の鉄損との
関係との関係を示すグラフである。
【図2】熱延板焼鈍を実施し、最終冷延前粒径が96μm
である場合の最終製品板の集合組織を示す図である。
【図3】熱延板焼鈍を実施し、最終冷延前粒径が40μm
である場合の最終製品板の集合組織を示す図である。
【図4】熱延板焼鈍を実施せず、最終冷延前粒径が96μ
m である場合の最終製品板の集合組織を示す図である。
【図5】最終冷間圧延の圧下率と製品板の鉄損との関係
を示すグラフである。
【図6】最終冷間圧延圧下率が58.3%である場合の最終
製品板の集合組織を示す図である。
【図7】最終冷間圧延圧下率が16.7%である場合の最終
製品板の集合組織を示す図である。
【図8】最終冷間圧延圧下率が70.6%である場合の最終
製品板の集合組織を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.005 wt%以下、 Si:1.0 〜5.0 wt%、 Mn:0.1 〜2.0 wt%、 Al:0.1 〜2.0 wt% を含有し、かつS,N及びOの混入をそれぞれ S:0.0030wt%以下、 N:0.0030wt%以下及び O:0.0020wt%wt%以下 に抑制した無方向性電磁鋼スラブを熱間圧延し、次いで
    コイルに巻き取った後に熱延板焼鈍を施してから、中間
    焼鈍を挟む2回の冷間圧延を行い、次いで最終仕上焼鈍
    を施す一連の工程によって無方向性電磁鋼板を製造する
    に当たり、 熱延板焼鈍を、連続焼鈍の場合は900 〜1100℃の温度範
    囲にて10秒〜3分間、箱焼鈍の場合は750 〜900 ℃の温
    度範囲にて0.5 〜12時間の条件で実施し、 1回目の冷間圧延を実施した後、 900 〜1100℃の温度範囲にて10秒〜3分間の中間焼鈍に
    より最終冷延前の鋼板の平均結晶粒径を50μm 以上と
    し、 最終冷延を圧下率45〜65%で行った後に、 900 〜1100℃の温度範囲にて10秒〜5分間の最終仕上焼
    鈍を実施することを特徴とする低鉄損無方向性電磁鋼板
    の製造方法。
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