JPS5855210B2 - 磁気特性の極めて優れた無方向性電磁鋼帯の製造方法 - Google Patents

磁気特性の極めて優れた無方向性電磁鋼帯の製造方法

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JPS5855210B2
JPS5855210B2 JP55033894A JP3389480A JPS5855210B2 JP S5855210 B2 JPS5855210 B2 JP S5855210B2 JP 55033894 A JP55033894 A JP 55033894A JP 3389480 A JP3389480 A JP 3389480A JP S5855210 B2 JPS5855210 B2 JP S5855210B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁気特性の極めて優れた無方向性電磁鋼帯の
製造方法に関するものであり、特に本発明は、規定の磁
気特性を付与して製鉄所から出荷されるフルプロセス成
品である無方向性電磁鋼帯、もしくはフルプロセス成品
、セミプロセス成品の何れかの成品を需要家において打
抜き剪断加工後にいわゆる歪取焼鈍を施した無方向性電
磁鋼帯であって磁束密度が高く、鉄損が極めて低い、す
なわさ磁気特性の極めて優れた無方向性電磁鋼帯の製造
方法に関するものである。
近年省エネルギーが叫ばれ、冷蔵庫、クーラー等に使用
されるモーターの効率向上、あるいは螢光燈安定器等の
小型化、温度上昇の低下のために、磁束密度が高く、し
かも鉄損が低い無方向性電磁鋼帯の必要性がますます高
まってきた。
ところで、無方向性電磁鋼帯にはいわゆるフルプロセス
電磁鋼帯とセミプロセス電磁鋼帯がある。
フルプロセス電磁鋼帯とは製鉄所で規定の磁気特性を付
与されて出荷され、需要家において打抜き、剪断等の加
工を行ない、そのま\使用できるものである。
一方セミプロセス電磁鋼帯とは需要家において打抜き、
剪断等の加工後に700〜850℃程度の温度でいわゆ
る歪取焼鈍を施して、はじめて所定の磁気特性が得られ
るものである。
しかし、フルプロセス電磁鋼帯においても、需要求にお
いて打抜き、剪断等の加工後700〜850℃程度の温
度でいわゆる歪取焼鈍を施すことによってさらに磁気特
性を向上させて使用される場合がある。
とくに、モーターの高効率化等のためには、できるだけ
高い磁束密度と低い鉄損の鉄心材料が必要となるためS
i含有量の低いフルプロセス成品である無方向性電磁鋼
帯に歪取焼鈍を施して使用されることが多い。
無方向性電磁鋼帯にあっては、高い磁束密度を得るため
には、一般に8i含有量が低いほうがよく、Si含有量
の低いフルプロセスおよびセミプロセス電磁鋼帯を歪取
焼鈍することにより鉄損をできるだけ低下させて使用す
る方法は高効率モーター等の鉄心用として今後ますます
多用されるものと考えられる。
一般的にフルプロセスおよびセミプロセス電磁鋼帯は製
造工程からみて、それぞれ1回冷延法と呼ばれる1回の
冷間圧延と1回の焼鈍によって製造される方法あるいは
2回冷延法と呼ばれ、中間焼鈍をはさむ2回の冷間圧延
によって作られる方法の何れかによって製造されている
1回冷延法による成品には冷延後十分な焼鈍を行なって
規定の磁気特性を付与されて製鉄所より出荷されるフル
プロセス成品と、冷延後低温または短時間の不十分な焼
鈍により板の硬度を若干軟かくして打抜き、剪断等の加
工性を付与し、磁気特性はまだ不十分なセミプロセス成
品がある。
2回冷延法による成品には通常中間焼鈍後の2回目の冷
間圧延を約20%以下の軽圧下とし、その後十分な焼鈍
を行なうフルプロセス成品と、2回目の冷延後そのま″
>成品とするか、または上述のような低温あるいは短時
間の焼鈍を行なうセミプロセス成品がある。
無方向性電磁鋼帯はこのように主として1回冷延法ある
いは2回冷延法により製造されるが、このように製造さ
れる成品には磁性上それぞれ下記のような特徴を有して
いる。
冷延1回法で作られる成品は一般的に熱延鋼帯からの冷
延圧下率が高いため成品の結晶粒径が小さく鉄損値が高
い傾向がある。
しかし、この1回冷延法戒品は高い磁束密度を有すると
いう特徴がある。
一方2回冷延法材は前述のように2回目の冷延圧下率を
低くすることによってフルプロセス材の成品状態あるい
はセミプロセス成品を歪取焼鈍した後の結晶粒径を大き
くした状態を狙ったもので、したがって鉄損値が低いと
いう特徴がある。
しかしこれらの2回冷延法材は結晶学的集合組織の変化
(こより1回冷延法材より磁束密度が低くなる欠点があ
る。
本発明は、従来方法の有する欠点を除去、改善し、フル
プロセス成品の成品状態と、もしくはフルプロセスある
いはセミプロセス成品にいわゆる歪取焼鈍を施した後の
状態とにおいて磁束密度が高く、しかも鉄損値も低い無
方向性電磁鋼帯の製造方法を提供することを目的とし、
特許請求の範囲記載の方法によって前記目的を達成する
ことができる。
次に本発明の詳細な説明する。
本発明者等は磁束密度が高く、しかも鉄損値も低いこと
が要求される高効率モータ用鉄心材料として優れた無方
向性電磁鋼帯を製造するには、1回冷延法により、しか
も鉄損値を低下させる方策を講する必要があることから
、1回冷延法によるフルプロセス無方向性電磁鋼帯成品
の磁気特性の向上、また同成品の歪取焼鈍後の磁性向上
、および1回冷延法によるセミプロセス無方向性電磁鋼
帯の歪取焼鈍後の磁性向上に対する各種元素の存在量の
影響や熱間圧延条件の影響などについて研究した。
その結果たとえば1回冷延法によるフルプロセス電磁鋼
帯成品の鉄損値とそれら成品の歪取焼鈍後の鉄損値の間
には一見まったく無関係なことがあり、たとえ連続焼鈍
後成品状態での鉄損値が低くても、歪取焼鈍によってま
ったく向上しないものもあり、またその逆の場合もある
など複雑な問題があることが分った。
本発明はこのような現象を追及した結果完成されたもの
である。
すなわち本発明によれば、いわゆる1回冷延法によって
作られる無方向性電磁鋼帯のつぎの3状態、イ、フルプ
ロセス成品状態 ロ、フルプロセス戚品を歪取焼鈍した後 ハ、セミプロセス成品の歪取焼鈍後 の各状態で極めて優れた磁気特性を有する材料を提供す
ることができる。
ところで無方向性電磁鋼帯にあっては周知の如く一般的
に結晶粒径が大きいはど鉄損値が低くなる。
従来1回冷延法によるフルプロセス電磁鋼帯成品の磁性
を改善する場合は主として連続焼鈍時に結晶粒が粗大化
するような方策が考えられてきた。
そして成品の磁気特性が規定値を満足すればそれで十分
であった。
ところがこのような成品を800℃前後の温度で歪取焼
鈍を行なった場合結晶粒の成長が起こらず鉄損がほとん
ど向上しないものもあることおよび1回冷延法によるセ
ミプロセス成品を歪取焼鈍した場合も磁性にバラツキを
生じることが分ってきた。
これらの原因につき種々研究した結果、いずれも歪取焼
鈍時には極めて微量の酸可溶性Atが結晶粒の粗大化を
抑制し、鉄損向上に有害であることを新規に知見した。
フルプロセス無方向性電磁鋼帯は一般的に冷延後連続焼
鈍により成品とされるが、これまでこの焼鈍時の結晶粒
の成長を図るためAtを0.1%以上と多量に添加し、
AtNを粗大化し結晶粒の成長を抑制しない方法とする
か、またはAtの使用を鋼の脱酸を図る目的だけに少量
の添加とし、AA、Nの生成量を少なくするという手段
がとられてきた。
本発明者等は酸可溶性At量が電磁鋼帯の特性に及ぼす
影響について詳細に研究した結果、AAの使用量が少な
く酸可溶性AtがおSむね0.003%程度ではフルプ
ロセス無方向性電磁鋼帯の製造における連続炉焼鈍時の
結晶粒の成長、ひいては鉄損Oこはそれほど有害でない
が、これら成品を750℃2h程度の歪取焼鈍を行なっ
た場合には、酸可溶性Atが0.0010%以上存在す
ると結晶粒の成長性が急激に悪くなり、このため鉄損の
向上が少なくなり、酸可溶性A7が0.0010%未満
で少なければ少ないはど鉄損の向上がいさじるしく大き
くなることを見出した。
なお成品の鉄損についても酸可溶性Atをo、ooio
%未満とすることとともにC量を0.010%以下、望
ましくは0.005%以下とすることにより、いちじる
しく向上できることも分った。
1回冷延法によるセミプロセス材の製造においては冷延
後500〜750℃程度の低温で焼鈍され成品とされる
が、これらに歪取焼鈍を施した後の磁性も酸可溶性A7
を0.0010%未満、Cを0.010%未満とするこ
とによりフルプロセス成品と同様に極めて磁性の優れた
無方向性電磁鋼帯が得られることが分った。
上述のよう(こフルプロセス無方向性電磁鋼帯の成品状
態およびとくにこのような成品を歪取焼鈍したときの磁
性ならびに1回冷延法によるセミプロセス無方向性電磁
鋼帯の歪取焼鈍後の磁性はCO,010%未満、酸可溶
性Atを0.0010%未満にすることにより、通常の
条件で熱延鋼帯を作った場合にも向上できるが、これら
の磁性は熱間圧延条件を改善することによりさらに向上
できることが分った。
一般に軟鋼もしくはSiあるいはSiとAAとの和が1
.5%程度以下の電磁用鋼は高温からの冷却中ArB変
態点以上ではγ相、Ar□変態点以下ではα相となる。
Ar3点とAr□点の中間ではγ相とα相が共存し、低
温側はどα相の量が多くなる。
そして、熱間圧延終了温度がAr3点より高いか、Ar
□点より低いか、あるいはAr3点とAr□点との間の
どこに相当するかによって熱延後鋼帯の結晶学的集合組
織が変化することは広く認識されている。
しかし無方向性電磁鋼帯について、これらの変態点と、
熱延終了温度さらには熱延後の銅帯の捲取り温度との関
連において磁気特性および集合組織を調査した例はみら
れない。
そこで発明者等は、無方向性電磁鋼帯として使用される
各種の材料について実際の熱間圧延に近い冷却速度での
Ar3 、 Ar□変態点を測定し、それらの材料の化
学成分(重量%)との関連について詳細に検討したとこ
ろ、Arc、Ar、変態点はつぎの2式でよく表わされ
ることを見出した。
Ar5=(891−900(0%) + 50(Si%
)−88(Mn%)+190(p%)+380(kt%
))℃ ・・・・・・・・・(1)Ar□=(
882−5750(0%) +58800(0%)2+
50(Si%)−82(Mn%)+170(P%)+3
80(AA%))℃・・・・・・・・・(2) そして各種成分の無方向性電磁鋼帯のkrBtAr□点
の間怠からみた熱間圧延終了温度と捲取り温度が成品の
磁気特性に及ぼす関係につき詳細に研究した。
その結果、Ar3点とAr1点の中央温度より低い温度
で熱間圧延を終了することにより成品の磁気特性が著し
く向上すること、またさらには捲取り温度を680℃以
上、好ましくは700℃以上とすれば磁気特性の一層の
改善が期待できることを見出したのである。
すなわさktおよびC含有量を適正範囲とした上で熱間
圧延の終了温度さらには捲取り温度を上記範囲にするこ
とにより、磁束密度の向上がいちじるしく、またこれに
ともない鉄損面での向上も得られ、とくに高い磁束密度
と低い鉄損を兼ね備えた極めて優れた無方向性電磁鋼帯
を得ることが出来たのである。
以下に実験結果に基づき説明を行なう。
第1図はSiO,25%、00.004%tMn0.3
%、Po、008%、So、005%、No、002%
目標とし、酸可溶性AAをく0.0002%から0.0
030%まで変えて真空溶解で50に9鋼塊を作り、熱
間圧延終了温度を850℃目標として2.3朋厚さに熱
延し、熱延後直ちに560℃に保った電気炉に移して徐
冷し、その後通常の冷延1回法でQ、5 mmに冷延し
、800℃、2分の焼鈍を行なった成品および、それら
を750℃2hN2の歪取焼鈍を施した後の周波数50
Hz磁束密度1.5テスラにおける鉄損(Wl 515
0 )を示したものである。
第1図から成品の鉄損は酸可溶性A7が0.0030%
から0.0010%へ低下すると若干鉄損値が低下する
が、それ程鉄損面での向上はない。
酸可溶性A70.0O10%未満の素材を用いた場合に
は酸可溶性ktが少なくなるにしたがいやS急激に鉄損
値が低下することが分る。
一方これら成品を750℃、2h、N2の歪取焼鈍を行
なった後の鉄損は、酸可溶性ktが0.0010%以上
では鉄損面での向上が少なくなり、酸可溶性ktが0.
0030%程度となるとほとんど向上しないといえるほ
どになる。
酸可溶性A7が0.0010%未満の本発明による素材
を用いた場合は、酸可溶性Atが0.0002%以下と
少なくなるにしたがい鉄損値の低下がいちじるしく、極
めて優れた磁性を示すことが明らかである。
第2図には酸可溶性Atが0.0002%以下を含む成
品Aと0.0030%を含む成品Cとこれらにそれぞれ
750℃、2h、N2歪取焼鈍を施した状態B、Dの結
晶組織を示したものである。
これらから明らかなように前者の結晶粒径は酸可溶性A
tが0.0002%以下と低いほうかやS大きい程度で
あり大差はないが、後者の750℃、2hの歪取焼鈍後
のものは酸可溶性Atが0.0002%以下のものは結
晶粒が大きく成長しているのに対して酸可溶性A/、を
0.0030%含むものは結晶粒がほとんど成長してい
ないことが明らかである。
第3図はSi0.25%2M n 0.3%、Po、0
8%、80.005%、NO,002%、酸可溶性Az
0.0002%以下を目標とし、Cを0.002%から
0.018%へと変えて真空溶解した50時鋼塊につい
て、第1図に示したと同様な処理で成品とした場合の成
品状態の鉄損値を示したものである。
同図より明らかなように成品のC含有量が高くなるにし
たがい、鉄損値が高くなることが明らかで酸可溶性kt
が低く、しかも成品のCが0.010%より低いこと、
望ましくは0.005%より低いことが必要である。
本発明によれば、フルプロセス無方向性電磁鋼帯の成品
の鉄損を改善するには酸可溶性Atをo、ooio%未
満とするとともに、Cを0.010%未満に減少させる
必要があることを述べた。
これらの現象の理由は明らかではないが、焼鈍時にCが
粒成長を抑制し、また冷却中にCが微細な析出物を作り
、磁壁の移動を妨げ、鉄損を増大せしめるためと考えら
れる。
またフルプロセス成品状態の鉄損に対しては酸可溶性A
tが0.003%程度でも大きな害はないが、このよう
な成品を歪取焼鈍した場合に鉄損を向上させるには酸可
溶性A7を0.0010%未満にする必要がある。
この酸可溶性Atを0.0010%未満とすることが本
発明の特徴の1つであるが、この2つの焼鈍における酸
可溶性kt量の鉄損への影響、換言すれば結晶粒の粗大
化に対する影響が非常に異なることが、本発明の1つの
根拠となるものである。
すなわち、連続焼鈍によりフルプロセス成品を作る場合
には酸可溶性Atが0.003%程度でも、ある程度の
結晶粒の成長が得られ、むしろC含有量が必要となるの
であるが、これらを歪取焼鈍をして結晶粒の成長を図る
ためには酸可溶性Atを0.0010%未満とする必要
があるということである。
このような現象の理由は明確ではないが、以下のような
2つの考え方をすることができるかもしれない。
すなわち、(イ)これらはいずれも酸可溶性AAが低い
レベルにあり、熱延鋼帯ではAtNはほとんど生成され
ておらず、固溶状態にある。
これらの熱延鋼帯は冷延後急速加熱で焼鈍される連続焼
鈍のような焼鈍時にはAtNの析出が遅れ結晶粒の粗大
化を抑制しない。
しかしこれら成品をSOO℃前後の低い温度に保持して
歪取焼鈍する際にはA7Nが析出し、酸可溶性AAとし
てo、ooio%よりわずかに多い量のものでも結晶粒
の成長に対して大きな抑制力となる。
(ロ)急速加熱の焼鈍時の再結晶完了後には粒径が小さ
く、粒成長駆動力が太きいため若干のAtNが存在して
、抑制力として働いてもある程度の粒径までは成長でき
るが、歪取焼鈍によってそれ以上に成長するためには粒
成長の1駆動力が小さくなっているのでわずかのAtN
もね成長を抑制し酸可溶性A7のわずかの差もその後の
粒成長に大きな差異をもたらすかもしれない。
また1回冷延法によるセミプロセス成品を歪取焼鈍する
場合にもやはり酸可溶性AAが0.0010以上材は微
量ではあるがAANが析出し、酸可溶性AAO,0O1
0%未満材に比し結晶粒の成長に対し大きな差異を生じ
るものと考えられる。
Cの影響についてもフルプロセス材で説明したのと同様
の考えが適用できる。
つぎに第4図に、00.009%、Si0.33%、M
n0.33%、Po、078%、80.024%、At
O,0002%を含むスラブを1250℃に加熱し、ホ
ットストリップミルにて熱間圧延終了温度を890℃か
ら730℃まで変えて2.3順厚さの熱延鋼帯に熱延し
、ついで捲取り温度560℃。
680℃で捲取り、その後通常の方法で酸洗を行ないQ
、5Qmm厚さに冷間圧延し、770℃で2分間の連続
焼鈍を行ってフルプロセス製品とした場合の鉄損値W1
5150と熱間圧延終了温度との関係について調べた結
果を示す。
なお木材の化学成分より(+) 、(2)式にて算出し
たAr3点は885℃、Ar□点は838℃である。
第4図から明らかなように、熱間圧延終了温度がAr3
点とAr、点の中央値と750℃との間の場合に成品の
鉄損値W15150は低い値を示し、とくに熱延後の捲
取り温度を680℃以上とした場合により優れた鉄損特
性をもつフルプロセス無方向性電磁鋼帯が得られた。
従って本発明では、熱間圧延の圧延終了温度につき、A
r3点とAr□点の中央値と750’Cとの間に限定し
たのである。
なお本発明においては主成分範囲として、Si量を1.
5%未満、Mn O,1〜1.0%、2012%未満、
so、oio%未満とする。
これらの主成分を限定した理由を次に述べる。
鋼中のSi量が増すと飽和磁束密度が低下し、無方向性
電磁鋼帯ではどうしても磁束密度B5o値が低くなって
くる。
したがって高い磁束密度を得るためにはSi量は1.5
%未満とする必要がある。
Mnは脱酸剤として、またSによる鋼の熱間脆性を抑制
するために不可欠のもので通常0.1%以上添加される
が、1%より多いと磁気的に有害となるので0.1〜1
%の範囲内にする必要がある。
Pは無方向性電磁鋼帯の硬度を上昇させ、打抜性を向上
させるために添加されることがあるが、0.2%以上で
は板が脆弱となり、冷間圧延が困難となるので0.2%
未満とする必要がある。
SはMnとともに微細なMnS析出物を作り、結晶粒の
成長を抑制する作用があり、また磁壁の移動の妨げとな
り履歴損を増大させるので極力低下させる必要があり、
0.010%未満とする必要があり、さらに0.007
%未満とすることが望ましい。
NはAtとともにAtNを生成し歪取焼鈍時の結晶の粒
成長を抑制する元素でありまたSi含有鋼ではFeおよ
びSiとの窒化物を生威し、結晶粒の成長を抑制するの
で0.0035%未満、望ましくは0.0025%未満
とすることが望ましい。
なお本発明の実施に当ってはTi 、Zr 、V。
N b 、Or 2Mo等の窒化物、炭化物を生成する
不純物の混入をできるだけ低下させることが有利である
また本発明において酸可溶性Atを0.0010%未満
とするにはSi、Mn、P等の原料中のAt量を少なく
するとともに、精錬容器、取鍋等が汚染されていないも
のを使用する。
次に本発明を実施例Oこついて説明する。
実施例 1 転炉で溶製し、RH減圧処理し、Siを0.25%目標
とし、Cを低減し、本発明材としてはS。
Nも低減し、酸可溶性kt(Sotkl )を0.00
1.0%未満としたもの2ヒート、比較材として、S、
Nが通常このグレードの品種に含まれる程度で酸可溶性
Atを本発明方法で用いるものより若干高めたもの1ヒ
ートと、S、Nは低減したが、酸可溶性Atが本発明方
法で用いるものよりわずかに多いもの1ヒートを溶製し
た。
これらの化学成分を第1表に示す。
これらの溶鋼を連続鋳造によりスラブに鋳造した後12
50℃に加熱し、ホットストリップミルにて本発明に従
う適正な熱間圧延終了温度で2,3關まで熱間圧延を行
い、ついで捲取温度560℃目標および680℃以上日
標としてコイルに捲取った。
これらの熱延コイルは酸洗後Q、 5 mm厚さに冷間
圧延し、その後フルプロセス或品用としては800℃、
2m1n、セミプロセス或品用700℃3rninの連
続炉光輝焼鈍する方法で成品とした。
これら1回冷延法フルプロセス材の成品状態およびフル
プロセス成品とセミプロセス成品を750℃、 2 h
、 N2の歪取焼鈍を行なった後の磁性を第2表に示
した。
第2表から分るようにフルプロセス成品では比較材のヒ
ートA−1材すなわちS、Nがこの種で通常の不純物を
含み酸可溶性ktが0.0030%と本発明のものより
若干多いものは歪取焼鈍による鉄損の向上がほとんどな
い。
比較材のヒートA−2材はS、Nを低くし、酸可溶性A
tは0.0016%で本発明のものよりわずかに多いも
ので、ヒートA−1材に比し、成品の鉄損は向上してい
るが、歪取焼鈍による向上が5〜6%と低い。
これらに対して本発明のヒート、B−1,B−2材は成
品の鉄損が低く、また歪取焼鈍による向上が15〜27
%と高く、とくに酸可溶性At量が少ないピー1−B−
2材の向上がいちじるし・い。
なお熱延終了後の捲取温度が通常の560℃目標のもの
でも、成品ならびに歪取焼鈍後の鉄損は優れているが、
とりわけ捲取温度を680℃以上としたものは、磁束密
度B5o値がとくに優れ、同時に鉄損も優れたものが得
られた。
またセミプロセス成品では歪取焼鈍後の磁性のみで評価
されるが、この場合もフルプロセス成品の歪取後の磁性
とまったく同様な傾向で、本発明材が優れた磁性を示す
ことが明らかである。
実施例 2 Si含有量目標を0.5%とし本発明材としてC2S、
Nを低減し、酸可溶性A/、を0.0010%未満とし
たもの2ヒートと、比較材としてS、Nが通常このグレ
ードの品種に含まれる程度とし、酸可溶性Atを本発明
範囲外で微量のもの1ヒート、多量に添加したものを1
ヒートおよびS、Nも低くし、しかし酸可溶性Atを本
発明のものかられずかに多いもの1ヒート溶製した。
そして実施例1と同じ方法でフルプロセスおよびセミプ
ロセス成品とした。
これらの化学成分を第3表にフルプロセス材の成品状態
およびフルプロセス成品、セミプロセス成品を750℃
、2htN、歪取焼鈍後の磁性を第4表に示した。
なおこれらの熱延終了温度はいずれも本発明に従う適正
範囲を満足するものである。
第4表の結果から比較材のS、Nが多く、酸可溶性AA
が0.23%と多いピー1−0−1材や酸可溶性AAが
0.0034%の本発明のものより多いもの、さらには
S、Nが低く、酸可溶性A/、が0.0014%と本発
明範囲よりほんのわずかでも多いものは、成品の鉄損が
悪く歪取焼鈍による鉄損の向上が少なかったのに対し、
本発明に従い得られたヒート番号D−1.D−2材は通
常の560℃の捲取温度のものでも比較材に比し、成品
の鉄損が低く、また歪取焼鈍による鉄損の向上がいちじ
るしく大きいことが明らかである。
ヒート番号D−1,D−2の捲取温度680°C以上の
ものは磁束密度B50値がいちじるしく高く鉄損も極め
て低くなることが明らかである。
またセミプロセス成品における歪取焼鈍後の磁性につい
ても上記フルプロセス成品の場合とまったく同じ傾向で
あり、本発明材が比較材に比し優れていることが明らか
である。
実施例 3 実施例1,2と同様な方法でSi1%目標材について酸
可溶性kt量を変えて転炉で溶製し、RH減圧処理し、
連続鋳造してスラブを作った。
酸可溶性AA量としては比較材として0.2%目標と多
量に添加した通常材および本発明のものよりもわずかに
多い0.0014%材、これらと本発明範囲のo、oo
io%未満のもの2ヒートとした。
第5表にこれらの化学成分を示した。
鋳造されたスラブは実施例1,2と同様な方法で2mm
厚さの熱延鋼帯とした。
これらの熱延終了温度はすべて本発明の適正範囲内とし
、捲取温度は通常の600’C目標と680℃以上目標
の2種簀骨とした。
熱延鋼帯は実施例1,2と同様に通常の1回冷延法フル
プロセス電磁鋼帯の製造法によった。
これらの成品および成品を750°C22h。N2の歪
取焼鈍後の磁気特性を第6表に示した。
第6表の結果からみて比較材のヒート番号E−1、E−
2材は歪取焼鈍による鉄損の向上が少ないのに対し、ヒ
ートF−i、F−2材の本発明に従い得られたものは捲
取温度が通常の600′Cの目標のものでも比較材より
成品の鉄損が低く、また歪取焼鈍による鉄損の向上が大
きく、とくに酸可溶性A7が0.0002%以下と低く
なると極めて低い鉄損値が得られることが明らかである
また捲取温度が680°C以上の条件を満たすものは磁
束密度が極めて高く、同時に鉄損も低くなり優れた無方
向性電磁鋼帯が得られることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は酸可溶性At量を変えた場合の冷延1回法によ
るフルプロセス無方向性電磁鋼帯の成品状態および75
0℃、 2 h 、 N2の歪取焼鈍後の鉄損W151
50の変化を示す図、第2図Aは酸可溶性Atが0.0
002%以下の成品状態の結晶組織を示す顕微鏡写真(
X100)、同図BはAの材料を750 ’C22h
r t N2中で歪取焼鈍後のものの結晶組織を示す顕
微鏡写真(X100)、同図Cは酸可溶性At0.00
30%を含む成品状態の結晶組織を示す顕微鏡写真(X
100)、同図りはCの材料を750 ’C22h r
2 N2中で歪取焼鈍後のものの結晶組織を示す顕微
鏡写真(X100)、第3図は冷延1同法フルプロセス
無方向性電磁鋼帯或品におけるC含有量の変化による鉄
損W15150の変化を示す図、そして第4図は上記成
品における熱間圧延温度と鉄損値との関係を捲取り温度
をパラメータとして示したグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%でSi1.5%未満、Mn 0.1〜4.0
    %、Po、2%未満、80.010%未満およびNo、
    0035%未満を含む鋼素材を熱間圧延して熱延鋼帯と
    なし、この銅帯をコイル状に捲取り、その後通常の方法
    により酸洗し、次いで冷間圧延により成品厚さとした後
    焼鈍を施すいわゆる1回冷延法による無方向性電磁鋼帯
    の製造方法において、熱間圧延の圧延終了温度を、 (891−900(0%)+50(Si%)−80(M
    n%)+190(P%)+380(At%))℃で表わ
    される温度と (882−5750(0%)+5ssoo(a%)2+
    50(Si%) 82(Mn%)+170(p%)+
    380(Aff1%))℃で表わされる温度の中央値と
    750℃との間の温度範囲内とすると共に、上記鋼素材
    中の酸可溶性AI−を0.0010%未満となし、かつ
    成品のCを0.01%未満とすることを特徴とするフル
    プロセス成品の成品状態およびフルプロセスあるいはセ
    ミプロセス成品にいわゆる歪取焼鈍を施した後の状態に
    おいて磁気特性の極めて優れた無方向性電磁鋼帯の製造
    方法。
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