JPH11236405A - スチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

スチレン系重合体の製造方法

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JPH11236405A
JPH11236405A JP3882298A JP3882298A JPH11236405A JP H11236405 A JPH11236405 A JP H11236405A JP 3882298 A JP3882298 A JP 3882298A JP 3882298 A JP3882298 A JP 3882298A JP H11236405 A JPH11236405 A JP H11236405A
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JP
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styrene
polymerization
catalyst
monomer
polymerizer
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JP3882298A
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English (en)
Inventor
Masakatsu Kuroki
政勝 黒木
Takashi Ase
尚 阿瀬
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication of JPH11236405A publication Critical patent/JPH11236405A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring

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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合器内に塊を生成することなく、安定して
パウダーを生産することができるシンジオタクチックポ
リスチレンの製造方法の開発。 【解決手段】 重合器内にスチレン系モノマー及び重合
触媒を投入するにあたり、一方を重合器の粉体床中に直
接供給し、他方を重合器天板部より供給するシンジオタ
クチックポリスチレンの製造方法。重合器天板部からの
供給においては、該天板部より粉体床上部の空間へ滴下
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系重合体
の製造方法に関し、詳しくは、重合器内に生成物の塊を
生じることなく安定した状態で重合体パウダーを生産す
ることができる、主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年開発された、主としてシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体(以下、単に「シ
ンジオタクチックポリスチレン」又は「SPS」と呼ぶ
ことがある)は、耐熱性、耐薬品性等に優れたエンジニ
アリングプラスチックとして既に広く知られ、その重合
方法として、様々な触媒を用いた無溶媒重合やスラリー
重合が提案されている。
【0003】しかし、このSPSの製造においては、重
合時の重合熱や攪拌熱により、重合器壁面や攪拌翼への
生成パウダーの付着が生じたり、パウダー同士の付着に
よる塊状化が起き、安定な連続運転が不能になる等の問
題が指摘されてきた。特に、SPSの重合方法として好
ましく用いられている塊状重合プロセスにおいて、その
傾向が顕著である。
【0004】かかる問題を解決するために、様々な方法
が提案されてきた。例えば、特定の攪拌機構を備えた反
応器を用い、実質的に固体多分散体となるようにモノマ
ーを重合することにより付着を防止する方法(特開平0
1−207305号公報)や、重合時の重合熱を効率的
に除去することにより付着を防止する方法(特開平07
−025906号公報)等である。
【0005】しかしながら、これらの方法においても、
付着防止について十分満足できる結果には至っていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先に、
含液率を一定以下とし、かつ攪拌により粉体に与える剪
断力を一定範囲にすることにより付着を防止する方法を
発明し、提案した(特願平09−045022号公報
等)。該方法は一定の良好な効果を奏するものではある
が、さらなる改良が望まれていた。
【0007】本発明は、上記観点からなされたもので、
重合器内に塊を生成することなく、安定してパウダーを
生産することができるシンジオタクチックポリスチレン
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは上記課題
につき鋭意検討した結果、モノマー又は触媒の一方を重
合器の粉体床中に直接供給し、他方を重合器天板部より
供給することにより、上記の目的を効果的に達成できる
ことを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】すなわち、本発明は、以下の発明を提供す
るものである。 (1)重合器内にスチレン系モノマー及び重合触媒を投
入することにより主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体を製造する方法において、スチレ
ン系モノマー及び重合触媒のうち、一方を重合器の粉体
床中に直接供給し、他方を重合器天板部より供給するこ
とを特徴とするスチレン系重合体の製造方法。 (2)重合器天板部よりスチレン系モノマー又は重合触
媒を供給するにあたり、重合器天板部より粉体床上部の
空間へ滴下することを特徴とする上記(1)に記載のス
チレン系重合体の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳細に説明する。 1.本発明が対象とするスチレン系重合体 本発明が対象とするスチレン系重合体は、主としてシン
ジオタクチック構造を有するものである。シンジオタク
チック構造とは、立体構造がシンジオタクチック構造、
すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側
鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向
に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量される。 13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合
はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すこ
とができるが、本発明に言うシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッド
で75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミ
ペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシン
ジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(ア
ルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(ハロゲン化アルキルスチレン),ポリ(アルコキシス
チレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル),これらの
水素化重合体及びこれらの混合物、あるいはこれらを主
成分とする共重合体を指称する。なお、ここでポリ(ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),
ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレ
ン),ポリ(ターシャリ−ブチルスチレン),ポリ(フ
ェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタレン),ポリ
(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチ
レン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロ
モスチレン),ポリ(フルオロスチレン)などがある。
また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、
ポリ(クロロメチルスチレン) など、また、ポリ(アル
コキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレ
ン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。
【0011】これらのうち特に好ましいスチレン系重合
体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン) ,水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
【0012】具体的には、p−メチルスチレン繰り返し
単位を3モル%以上含有するスチレン−p−メチルスチ
レン共重合体が好ましく挙げられる。このスチレン系重
合体は、分子量について特に制限はないが、重量平均分
子量が好ましくは10000以上、より好ましくは50
000以上である。さらに、分子量分布についてもその
広狭は制約がなく、 様々なものを充当することが可能で
ある。ここで、重量平均分子量が10000未満のもの
では、得られる組成物あるいは成形品の熱的性質,力学
的物性が低下する場合があり好ましくない。 2.スチレン系重合体を製造するためのモノマー及び触
媒 (1)モノマー 本発明が対象とするスチレン系重合体を製造するための
モノマーとしては、下記一般式(1)で表される化合物
が用いられる。
【0013】
【化1】 (式中、Rは水素原子,ハロゲン原子または炭素原子,
酸素原子,窒素原子,硫黄原子,リン原子,セレン原
子,ケイ素原子及びスズ原子のいずれか1種類以上を含
む置換基を示し、mは1〜3の整数を示す。但し、mが
複数の時は、各Rは同一でも異なるものであっても良
い。 ) 具体的には、スチレンや各種のスチレン誘導体があり、
特に限定されるものではなく、スチレン誘導体の具体例
としては、p−メチルスチレン;m−メチルスチレン;
o−メチルスチレン;2,4−ジメチルスチレン;2,
5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチルスチレン;
3,5−ジメチルスチレン;p−エチルスチレン;m−
エチルスチレン;p−tert−ブチルスチレンなどの
アルキルスチレン、p−クロロスチレン;m−クロロス
チレン;o−クロロスチレン;p−ブロモスチレン;m
−ブロモスチレン;o−ブロモスチレン;p−フルオロ
スチレン;m−フルオロスチレン;o−フルオロスチレ
ン;o−メチル−p−フルオロスチレンなどのハロゲン
化スチレン、p−メトキシスチレン;m−メトキシスチ
レン;o−メトキシスチレン;p−エトキシスチレン;
m−エトキシスチレン;o−エトキシスチレンなどのア
ルコキシスチレン、p−カルボキシメチルスチレン;m
−カルボキシメチルスチレン;o−カルボキシメチルス
チレンなどのカルボキシエステルスチレン、p−ビニル
ベンジルプロピルエーテルなどのアルキルエーテルスチ
レン等、あるいはこれらを二種以上混合したものが挙げ
られる。 (2)重合用触媒 本発明において用いられる触媒は、SPSの製造に用い
られるものであればいずれでもよく、特に制限されな
い。具体的には、(A)遷移金属化合物、及び(B−
1)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成し
うる化合物及び/又は(B−2)酸素含有化合物、さら
に必要に応じて(C)アルキル化剤の各成分からなるも
のである。 (A)遷移金属化合物 各種のものが使用可能であるが、通常は下記一般式
(2)又は一般式(3)で表される化合物が用いられ
る。
【0014】 M1 1 a 2 b 3 c 4 4-(a+b+c) ・・・(2) M1 1 d 2 e 3 3-(d+e) ・・・(3) 〔式中、M1 は周期律表3〜6族の金属又はランタン系
金属を表し、R1 ,R2,R3 及びR4 は、それぞれ水
素原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基、炭素数1〜20の
アシルオキシ基、シクロペンタジエニル基,置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基,置換インデニル基、
フルオレニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、キ
レート剤(具体的には、2,2’−チオビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル)基など)あるいはハロゲ
ン原子を示す。a,b及びcは、それぞれ0〜4の整数
を示し、d及びeは、それぞれ0〜3の整数を示す。ま
た、R1 〜R4 のいずれか二つをCH2 又はSi(CH
3 2 等で架橋した錯体を含む。これらR1 ,R2 ,R
3 及びR4 は、同一のものであっても、異なるものであ
ってもよい。〕 上記M1 で表される周期律表3〜6族の金属又はランタ
ン系金属としては、好ましくは第4族金属、特にチタ
ン,ジルコニウム,ハフニウム等が用いられる。 (B−1)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を
形成しうる化合物 該化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオン
とカチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げ
ることができる。
【0015】複数の基が金属に結合したアニオンとカチ
オンとからなる配位錯化合物としては様々なものがある
が、例えば下記一般式(4)又は(5)で表される化合
物が好適である。 (〔L1−H〕g+h(〔M212 ・・・Xn(n-m)-i ・・(4) (〔L2g+h(〔M312 ・・・Xn(n-m)-i ・・(5) 〔式(4)又は(5)中、L2 は後述のM4 ,R5 6
5 又はR7 3Cであり、L1 はルイス塩基、M2 及びM
3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる金属
であり、具体的には、B,Al,Si,P,As,Sb
などである。M4は周期律表の1族及び8族〜12族か
ら選ばれる金属であり、具体的には、Ag,Cu,N
a,Liなどである。M5 は周期律表の8族〜10族か
ら選ばれる金属であり、具体的には、Fe,Co,Ni
などである。X1 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキ
ルアミノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数
1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキ
ル基,有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R5
及びR6 はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シク
ロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル
基、R7 はアルキル基を示す。mはM2 ,M3 の原子価
で1〜7の整数、nは2〜8の整数、gはL1 −H,L
2 のイオン価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,i
=h×g/(n−m)である。〕 本発明において、複数の基が金属に結合したアニオンと
しては、具体的にはB( C6 5)4 - ,B( C6 HF4)
4 - ,B( C6 2 3)4 - ,B( C6 3 2)4 -
どが挙げられる。また、金属カチオンとしては、Cp2
Fe+ ,(MeCp)2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe
+ ,Ag+ , Na+ ,Li+ などが挙げられる。具体的
には、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テ
トラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルア
ンモニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロ
セニウムなどが挙げられる。
【0016】また、ルイス酸として、例えばB(C6
5)3 ,B(C6 HF4)3 ,B(H23)3,B(C6 3
2)3,B(C6 4 F)3, PF5,P(C6 5)5 , Al
(C 6 HF4)3 なども用いることができる。 (B−2)酸素含有化合物 下記一般式(6)及び/又は(7)で表される化合物で
ある。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】 上記一般式(6) 及び(7)において、R8 〜R14はそ
れぞれ炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8 〜R12
たがいに同一でも異なっていてもよく、R13及びR14
たがいに同一でも異なっていてもよい。Y1 〜Y5 はそ
れぞれ周期律表13族元素を示し、具体的にはB,A
l,Ga,In及びTlが挙げられるが、これらの中で
B及びAlが好適である。Y1 〜Y3 はたがいに同一で
も異なっていてもよく、Y4 及びY5 はたがいに同一で
も異なっていてもよい。また、a〜dはそれぞれ0〜5
0の数であるが、(a+b)及び(c+d)はそれぞれ
1以上である。
【0019】このような触媒成分として用いる酸素含有
化合物としては、メチルアルミノキサンやイソブチルア
ルミノキサンなどのアルキルアルミノキサンが挙げられ
る。上記(B)成分としては、(B−1)成分のみを一
種又は二種以上組み合わせて用いてもよく、また(B−
2)成分のみを一種又は二種以上組み合わせて用いても
よい。あるいは、両成分を適当に組み合わせて用いても
よい。 (C)アルキル化剤 アルキル化剤としては様々なものがあるが、例えば、下
記一般式(8) (9),(10) で表わされるアルキル基
含有アルミニウム化合物,アルキル基含有マグネシウム
化合物,アルキル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。
【0020】 R15 m Al(OR16) n 3-m-n ・・・(8) R15 2 Mg ・・・(9) R15 2 Zn ・・・(10)
〔式中、R15及びR16は、それぞれ炭素
数1〜8、好ましくは1〜4のアルキル基を示し、Xは
水素原子あるいはハロゲン原子を示す。また、mは0<
m≦3、nは0≦n<3である。〕 3.スチレン系重合体を製造するための重合器 用いる重合器としては、特に制限はないが、完全混合槽
型重合器が好適である。なお、この重合器の形状は、特
に限定されるものではない。また、重合器に設けられる
攪拌翼も粉体混合が充分に行えるものであれば、特に限
定されるものではなく、例えば、多段パドル型,ヘリカ
ルリボン型等各種のものを用いることができる。さらに
は、温度制御を容易にするためにジャケット等が設けら
れていてもよい。
【0021】重合器への原料モノマーや触媒の供給方法
については後述するが、該方法に適するように供給口が
設けられていることが必要である。供給口については、
単なるノズルでもよく、あるいはノズルの先端がシャワ
ー状になっていてもよい。また、生成したポリマーの重
合器からの排出も間歇的に、あるいは連続的に行うこと
ができるような構造にしてあることが望ましい。例え
ば、重合器下部に抜出しノズルを設けて、これを間歇的
に開閉できるような構造や、また、スクリューフィーダ
ーあるいはロータリーバルブ等を設けることにより連続
して排出てきるような構造等である。 4.原料モノマー及び触媒の供給方法 本発明においては、以下の方法により原料モノマー及び
触媒を供給することを特徴としている。即ち、スチレ
ン系モノマーを重合器の粉体床中に直接供給し、重合触
媒を重合器天板部より供給する、又は重合触媒を重合
器の粉体床中に直接供給し、スチレン系モノマーを重合
器天板部より供給する、ことである。 (1)スチレン系モノマー又は重合触媒を重合器の粉体
床中に直接供給するにあたっては、重合器の側壁におい
て、重合器中に存在する粉体床の高さに対して、その中
央付近から供給するのが好ましい。粉体床の中央より上
下に粉体床高さの4分の1の距離の範囲にあるのがより
好ましい。ここで、粉体床高さとは、重合器の最下部か
ら粉体床最上部分までの距離をさしている。粉体床中に
直接供給するのであっても粉体床の上面より上部から供
給したのでは、本発明の効果が得られないおそれがあ
る。また、側壁からの供給口は、1箇所に限られず側壁
に沿って上記高さの位置に適宜複数箇所設けてもよい。 (2)スチレン系モノマー又は重合触媒を重合器天板部
より供給するにあたっては、重合器天板部より粉体床上
部の空間へ滴下することが好ましい。
【0022】重合器天板部に供給口を設けてあるが、好
ましくは、供給口を重合器半径方向に対して壁と中心と
の中間位置付近に設け、粉体床上部に均一に滴下できる
ようにするのが好ましい。 (3)重合器への原料モノマーや触媒の供給について
は、容量ポンプ等により一定速度で連続して行うか、又
は検量ポット等により一定時間毎に所定量を間歇的に供
給する。また、供給速度については特に問わず、望む生
成ポリマーの性状に合わせて適宜選べばよい。 (4)供給される触媒において、各成分については、例
えば、前記(A),(B),(C)各成分をすべて予
め接触させて得た混合物を供給口から投入する方法や、
上記(A)成分と(B)成分との接触混合物と(C)
成分とを別々の供給口から投入する方法や、(B)成
分と(C)成分との接触混合物に(A)成分とを別々の
供給口から投入する方法や、(A)成分と(C)成分
との接触混合物と(B)成分とを別々の供給口から投入
する方法や、(A),(B),(C)成分を別々の供
給口から投入する方法等が挙げられる。 (5)さらには、重合器の粉体床中に直接重合触媒を投
入する場合、重合触媒に不活性溶媒、さらには必要に応
じて、不活性ガスを予め合流させ、しかる後に重合器へ
供給してもよい。この場合において、供給される触媒、
或いは触媒供給ライン内で各成分を混合する場合はその
各成分、さらには不活性溶媒については、容量ポンプ等
により一定速度で連続して行うか、又は検量ポット等に
より一定時間毎に所定量を間歇的に供給すればよい。 5.スチレン系重合体の製造方法 重合器に供給する原料モノマー,触媒の種類及び量につ
いては、望む生成ポリマーの性状に合わせ、適宜決定す
ればよい。また、重合温度,重合圧力,攪拌速度,重合
器の容量,その他各種の条件についても同様である。
【0023】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕清掃したヘリカル翼を有する完全混合槽型
重合器(内径 550mm、高さ 800mm、内容積 200リット
ル)に粉砕したSPSパウダー60kgを投入し、50rpm に
て連続撹拌した。次いで、窒素気流下にて90℃で2時間
乾燥し、さらに重合器内温度を75℃に調整した。その
後、スチレンモノマー及び触媒の供給を開始した。
【0024】スチレンモノマー及び触媒の供給速度は、
次の通りであった。 スチレンモノマー 8リットル/h 触媒及び供給速度 (A) ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメトキシチ
タン 1mmol/h (B) メチルアルミノキサン 75mmol/h (Al濃度換算) (C) トリイソブチルアルミニウム 25mmol/h なお、触媒を構成する上記 (A)〜(C) 成分については、
予め混合することなく各々別々に、重合器直前にて上記
供給速度で触媒供給ラインに合流させ、重合器横壁のノ
ズルより粉体床に連続的に供給した。
【0025】また、スチレンモノマーは、重合器天板部
のノズルより、粉体床上部の空間へ連続的に滴下した。
重合器レベルを一定に保ちつつパウダーを底部より連続
的に抜き出したところ、結果として、転化率84% にて嵩
密度 400kg/m3 、重量平均粒径1.2 mm、重量平均分子量
22万のSPSパウダーを72時間以上継続して得られた。 〔実施例2〕実施例1の方法のうち、触媒供給位置を重
合器天板部のノズルからの滴下に変更し、スチレンモノ
マー供給位置を重合器横壁のノズルに変更した。
【0026】重合器レベルを一定に保ちつつパウダーを
底部より連続的に抜き出したところ、結果として、転化
率84%にて嵩密度 400kg/m3 、重量平均粒径 1.2mm、重
量平均分子量22万のSPSパウダーを72時間以上継続し
て得られた。 〔比較例1〕実施例1の方法のうち、触媒供給位置を重
合器天板部のノズルからの滴下に変更した。粉体床への
落下位置は、スチレンモノマーの落下位置とは同じにな
らないように位置を調整した。
【0027】重合器レベルを一定に保ちつつパウダーを
底部より連続的に抜き出す運転を行ったが、触媒・モノ
マーの供給開始8時間後に撹拌トルクの急低下が認めら
れ、運転を停止した。重合器内部を確認したところ、粉
体床上部でSPSポリマー塊を生成し、撹拌翼と共回り
する状態になっていた。 〔比較例2〕実施例1の方法のうち、スチレンモノマー
供給位置を重合器横壁のノズルに変更して粉体床に供給
するようにした。
【0028】重合器レベルを一定に保ちつつパウダーを
ボトムより連続的に抜き出す運転を行ったが、嵩密度 3
00〜500 kg/m3 、重量平均粒径1〜2mmで変動が認めら
れ、さらに触媒・モノマーの供給開始48時間後に撹拌ト
ルクの急上昇が認められたために運転を停止した。重合
器内部を確認したところ、重合器横壁と撹拌翼の隙間で
板状のSPSポリマー塊が挟まっていた。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造方法により、重合器内に塊
を生成することなく、安定してシンジオタクチックポリ
スチレンパウダーを生産することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合器内にスチレン系モノマー及び重合
    触媒を投入することにより主としてシンジオタクチック
    構造を有するスチレン系重合体を製造する方法におい
    て、スチレン系モノマー及び重合触媒のうち、一方を重
    合器の粉体床中に直接供給し、他方を重合器天板部より
    供給することを特徴とするスチレン系重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 重合器天板部よりスチレン系モノマー又
    は重合触媒を供給するにあたり、重合器天板部より粉体
    床上部の空間へ滴下することを特徴とする請求項1に記
    載のスチレン系重合体の製造方法。
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