JPH11236404A - スチレン系重合体の製造方法 - Google Patents
スチレン系重合体の製造方法Info
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- JPH11236404A JPH11236404A JP3882398A JP3882398A JPH11236404A JP H11236404 A JPH11236404 A JP H11236404A JP 3882398 A JP3882398 A JP 3882398A JP 3882398 A JP3882398 A JP 3882398A JP H11236404 A JPH11236404 A JP H11236404A
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- JP
- Japan
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- catalyst
- polymerization
- component
- styrene
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F12/00—Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
- C08F12/02—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
- C08F12/04—Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 触媒の粉体床への分散性を高め、その結果、
重合活性を高めて触媒所要量を低減し、安定してスチレ
ン系重合体を製造する方法の開発。 【解決手段】重合器内にスチレン系モノマー、重合触媒
及び不活性溶媒を投入するにあたり、重合触媒に不活性
溶媒、さらに必要に応じて不活性ガスを予め合流させ、
しかる後に重合器へ供給してシンジオタクチックスチレ
ン系重合体を製造する。
重合活性を高めて触媒所要量を低減し、安定してスチレ
ン系重合体を製造する方法の開発。 【解決手段】重合器内にスチレン系モノマー、重合触媒
及び不活性溶媒を投入するにあたり、重合触媒に不活性
溶媒、さらに必要に応じて不活性ガスを予め合流させ、
しかる後に重合器へ供給してシンジオタクチックスチレ
ン系重合体を製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スチレン系重合体
の製造方法に関し、詳しくは、商業生産に用いられるよ
うな大型の重合器による重合において、活性を向上させ
うるスチレン系重合体の製造方法に関するものである。
の製造方法に関し、詳しくは、商業生産に用いられるよ
うな大型の重合器による重合において、活性を向上させ
うるスチレン系重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年開発された、主としてシンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体(以下、単に「シ
ンジオタクチックポリスチレン」又は「SPS」と呼ぶ
ことがある)は、耐熱性、耐薬品性等に優れたエンジニ
アリングプラスチックとして既に広く知られ、その好ま
しい重合方法として、様々な触媒を用いた塊状重合等の
無溶媒重合が提案されている。
チック構造を有するスチレン系重合体(以下、単に「シ
ンジオタクチックポリスチレン」又は「SPS」と呼ぶ
ことがある)は、耐熱性、耐薬品性等に優れたエンジニ
アリングプラスチックとして既に広く知られ、その好ま
しい重合方法として、様々な触媒を用いた塊状重合等の
無溶媒重合が提案されている。
【0003】このような塊状重合等の無溶媒重合による
SPSの重合において、触媒活性が低い場合、未反応ス
チレンモノマーが重合器中に多く存在することになるた
め、生成したパウダーどうしが容易に付着しあい、粒径
が肥大し、ついには塊状化してしまうおそれがある。ま
た、SPSの重合に用いられる触媒自体、熱劣化しやす
く、重合時発生する重合熱や攪拌熱等のため、活性が低
下しやすいという問題もある。このように、商業生産に
用いられるような大型の重合器では、実験装置での研究
では予知しえない特有の問題があり、また解決方法も容
易に予想できないものである。
SPSの重合において、触媒活性が低い場合、未反応ス
チレンモノマーが重合器中に多く存在することになるた
め、生成したパウダーどうしが容易に付着しあい、粒径
が肥大し、ついには塊状化してしまうおそれがある。ま
た、SPSの重合に用いられる触媒自体、熱劣化しやす
く、重合時発生する重合熱や攪拌熱等のため、活性が低
下しやすいという問題もある。このように、商業生産に
用いられるような大型の重合器では、実験装置での研究
では予知しえない特有の問題があり、また解決方法も容
易に予想できないものである。
【0004】従来、これらのプラント運転上の諸問題に
対して、除熱という観点から様々な方法が提案されてき
た。例えば、重合器にジャケットを設置し、ジャケット
内に冷媒を流すことにより除熱する方法(特開平02−
75607号公報等)、不活性溶媒を液体状態で重合中
に供給し、その蒸発潜熱により除熱する方法(特開平0
7−25906号公報)等である。
対して、除熱という観点から様々な方法が提案されてき
た。例えば、重合器にジャケットを設置し、ジャケット
内に冷媒を流すことにより除熱する方法(特開平02−
75607号公報等)、不活性溶媒を液体状態で重合中
に供給し、その蒸発潜熱により除熱する方法(特開平0
7−25906号公報)等である。
【0005】しかしながら、商業生産に用いられるよう
な大型の重合器では、効果的な除熱のみならず、実験室
レベルで得られた活性をいかに再現し、連続的に維持で
きるかということも大きな問題であり、その有効な技術
の出現が望まれていた。
な大型の重合器では、効果的な除熱のみならず、実験室
レベルで得られた活性をいかに再現し、連続的に維持で
きるかということも大きな問題であり、その有効な技術
の出現が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、重合器中に存在する生成ポリマー等
からなる粉体床への触媒の分散性を高め、その結果、重
合活性を高めて触媒所要量を低減し、安定した運転が可
能であるスチレン系重合体の製造方法の提供を目的とす
るものである。
らなされたもので、重合器中に存在する生成ポリマー等
からなる粉体床への触媒の分散性を高め、その結果、重
合活性を高めて触媒所要量を低減し、安定した運転が可
能であるスチレン系重合体の製造方法の提供を目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは上記課題
につき鋭意検討した結果、触媒を未反応溶媒と合流させ
て粉体床へ供給することにより、触媒の分散性を高め、
上記の目的を達成できることを見出し、発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、重合器内にスチレン系
モノマー、重合触媒及び不活性溶媒を投入することによ
り主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体を製造する方法において、重合触媒の投入にあた
り、重合触媒に不活性溶媒、さらに必要に応じて不活性
ガスを予め合流させ、しかる後に重合器へ供給すること
を特徴とするスチレン系重合体の製造方法を提供するも
のである。
につき鋭意検討した結果、触媒を未反応溶媒と合流させ
て粉体床へ供給することにより、触媒の分散性を高め、
上記の目的を達成できることを見出し、発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、重合器内にスチレン系
モノマー、重合触媒及び不活性溶媒を投入することによ
り主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体を製造する方法において、重合触媒の投入にあた
り、重合触媒に不活性溶媒、さらに必要に応じて不活性
ガスを予め合流させ、しかる後に重合器へ供給すること
を特徴とするスチレン系重合体の製造方法を提供するも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。以下に、本発明の実施の形態について詳細に説
明する。 1.本発明が対象とするスチレン系重合体 本発明が対象とするスチレン系重合体は、主としてシン
ジオタクチック構造を有するものである。シンジオタク
チック構造とは、立体構造がシンジオタクチック構造、
すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側
鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向
に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量される。 13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合
はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すこ
とができるが、本発明に言うシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッド
で75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミ
ペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシン
ジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(ア
ルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(ハロゲン化アルキルスチレン),ポリ(アルコキシス
チレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル),これらの
水素化重合体及びこれらの混合物、あるいはこれらを主
成分とする共重合体を指称する。なお、ここでポリ(ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),
ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレ
ン),ポリ(ターシャリ−ブチルスチレン),ポリ(フ
ェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタレン),ポリ
(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチ
レン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロ
モスチレン),ポリ(フルオロスチレン)などがある。
また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、
ポリ(クロロメチルスチレン) など、また、ポリ(アル
コキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレ
ン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。
明する。以下に、本発明の実施の形態について詳細に説
明する。 1.本発明が対象とするスチレン系重合体 本発明が対象とするスチレン系重合体は、主としてシン
ジオタクチック構造を有するものである。シンジオタク
チック構造とは、立体構造がシンジオタクチック構造、
すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側
鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向
に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティ
シティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NM
R法)により定量される。 13C−NMR法により測定さ
れるタクティシティーは、連続する複数個の構成単位の
存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合
はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すこ
とができるが、本発明に言うシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッド
で75%以上、好ましくは85%以上、若しくはラセミ
ペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシン
ジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ(ア
ルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),ポリ
(ハロゲン化アルキルスチレン),ポリ(アルコキシス
チレン),ポリ(ビニル安息香酸エステル),これらの
水素化重合体及びこれらの混合物、あるいはこれらを主
成分とする共重合体を指称する。なお、ここでポリ(ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),
ポリ(エチルスチレン),ポリ(イソプロピルスチレ
ン),ポリ(ターシャリ−ブチルスチレン),ポリ(フ
ェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタレン),ポリ
(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチ
レン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロ
モスチレン),ポリ(フルオロスチレン)などがある。
また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、
ポリ(クロロメチルスチレン) など、また、ポリ(アル
コキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレ
ン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。
【0009】これらのうち特に好ましいスチレン系重合
体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン) ,水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
体としては、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレ
ン),ポリ(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシ
ャリーブチルスチレン),ポリ(p−クロロスチレ
ン),ポリ(m−クロロスチレン),ポリ(p−フルオ
ロスチレン) ,水素化ポリスチレン及びこれらの構造単
位を含む共重合体が挙げられる。
【0010】具体的には、p−メチルスチレン繰り返し
単位を3モル%以上含有するスチレン−p−メチルスチ
レン共重合体が好ましく挙げられる。このスチレン系重
合体は、分子量について特に制限はないが、重量平均分
子量が好ましくは10000以上、より好ましくは50
000以上である。さらに、分子量分布についてもその
広狭は制約がなく、 様々なものを充当することが可能で
ある。ここで、重量平均分子量が10000未満のもの
では、得られる組成物あるいは成形品の熱的性質,力学
的物性が低下する場合があり好ましくない。 2.スチレン系重合体を製造するためのモノマー及び触
媒 (1)モノマー 本発明が対象とするスチレン系重合体を製造するための
モノマーとしては、下記一般式(1)で表される化合物
が用いられる。
単位を3モル%以上含有するスチレン−p−メチルスチ
レン共重合体が好ましく挙げられる。このスチレン系重
合体は、分子量について特に制限はないが、重量平均分
子量が好ましくは10000以上、より好ましくは50
000以上である。さらに、分子量分布についてもその
広狭は制約がなく、 様々なものを充当することが可能で
ある。ここで、重量平均分子量が10000未満のもの
では、得られる組成物あるいは成形品の熱的性質,力学
的物性が低下する場合があり好ましくない。 2.スチレン系重合体を製造するためのモノマー及び触
媒 (1)モノマー 本発明が対象とするスチレン系重合体を製造するための
モノマーとしては、下記一般式(1)で表される化合物
が用いられる。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、Rは水素原子,ハロゲン原子また
は炭素原子,酸素原子,窒素原子,硫黄原子,リン原
子,セレン原子,ケイ素原子及びスズ原子のいずれか1
種類以上を含む置換基を示し、mは1〜3の整数を示
す。但し、mが複数の時は、各Rは同一でも異なるもの
であっても良い。 ) 具体的には、スチレンや各種のスチレン誘導体があり、
特に限定されるものではなく、スチレン誘導体の具体例
としては、p−メチルスチレン;m−メチルスチレン;
o−メチルスチレン;2,4−ジメチルスチレン;2,
5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチルスチレン;
3,5−ジメチルスチレン;p−エチルスチレン;m−
エチルスチレン;p−tert−ブチルスチレンなどの
アルキルスチレン、p−クロロスチレン;m−クロロス
チレン;o−クロロスチレン;p−ブロモスチレン;m
−ブロモスチレン;o−ブロモスチレン;p−フルオロ
スチレン;m−フルオロスチレン;o−フルオロスチレ
ン;o−メチル−p−フルオロスチレンなどのハロゲン
化スチレン、p−メトキシスチレン;m−メトキシスチ
レン;o−メトキシスチレン;p−エトキシスチレン;
m−エトキシスチレン;o−エトキシスチレンなどのア
ルコキシスチレン、p−カルボキシメチルスチレン;m
−カルボキシメチルスチレン;o−カルボキシメチルス
チレンなどのカルボキシエステルスチレン、p−ビニル
ベンジルプロピルエーテルなどのアルキルエーテルスチ
レン等、あるいはこれらを二種以上混合したものが挙げ
られる。 (2)重合用触媒 本発明において用いられる触媒は、SPSの製造に用い
られるものであればいずれでもよく、特に制限されな
い。具体的には、(A)遷移金属化合物、及び(B−
1)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成し
うる化合物及び/又は(B−2)酸素含有化合物、さら
に必要に応じて(C)アルキル化剤の各成分からなるも
のである。 (A)遷移金属化合物 各種のものが使用可能であるが、通常は下記一般式
(2)又は一般式(3)で表される化合物が用いられ
る。
は炭素原子,酸素原子,窒素原子,硫黄原子,リン原
子,セレン原子,ケイ素原子及びスズ原子のいずれか1
種類以上を含む置換基を示し、mは1〜3の整数を示
す。但し、mが複数の時は、各Rは同一でも異なるもの
であっても良い。 ) 具体的には、スチレンや各種のスチレン誘導体があり、
特に限定されるものではなく、スチレン誘導体の具体例
としては、p−メチルスチレン;m−メチルスチレン;
o−メチルスチレン;2,4−ジメチルスチレン;2,
5−ジメチルスチレン;3,4−ジメチルスチレン;
3,5−ジメチルスチレン;p−エチルスチレン;m−
エチルスチレン;p−tert−ブチルスチレンなどの
アルキルスチレン、p−クロロスチレン;m−クロロス
チレン;o−クロロスチレン;p−ブロモスチレン;m
−ブロモスチレン;o−ブロモスチレン;p−フルオロ
スチレン;m−フルオロスチレン;o−フルオロスチレ
ン;o−メチル−p−フルオロスチレンなどのハロゲン
化スチレン、p−メトキシスチレン;m−メトキシスチ
レン;o−メトキシスチレン;p−エトキシスチレン;
m−エトキシスチレン;o−エトキシスチレンなどのア
ルコキシスチレン、p−カルボキシメチルスチレン;m
−カルボキシメチルスチレン;o−カルボキシメチルス
チレンなどのカルボキシエステルスチレン、p−ビニル
ベンジルプロピルエーテルなどのアルキルエーテルスチ
レン等、あるいはこれらを二種以上混合したものが挙げ
られる。 (2)重合用触媒 本発明において用いられる触媒は、SPSの製造に用い
られるものであればいずれでもよく、特に制限されな
い。具体的には、(A)遷移金属化合物、及び(B−
1)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成し
うる化合物及び/又は(B−2)酸素含有化合物、さら
に必要に応じて(C)アルキル化剤の各成分からなるも
のである。 (A)遷移金属化合物 各種のものが使用可能であるが、通常は下記一般式
(2)又は一般式(3)で表される化合物が用いられ
る。
【0013】 M1 R1 a R2 b R3 c R4 4-(a+b+c) ・・・(2) M1 R1 d R2 e R3 3-(d+e) ・・・(3) 〔式中、M1 は周期律表3〜6族の金属又はランタン系
金属を表し、R1 ,R2,R3 及びR4 は、それぞれ水
素原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基、炭素数1〜20の
アシルオキシ基、シクロペンタジエニル基,置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基,置換インデニル基、
フルオレニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、キ
レート剤(具体的には、2,2’−チオビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル)基など)あるいはハロゲ
ン原子を示す。a,b及びcは、それぞれ0〜4の整数
を示し、d及びeは、それぞれ0〜3の整数を示す。ま
た、R1 〜R4 のいずれか二つをCH2 又はSi(CH
3 )2 等で架橋した錯体を含む。これらR1 ,R2 ,R
3 及びR4 は、同一のものであっても、異なるものであ
ってもよい。〕 上記M1 で表される周期律表3〜6族の金属又はランタ
ン系金属としては、好ましくは第4族金属、特にチタ
ン,ジルコニウム,ハフニウム等が用いられる。 (B−1)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を
形成しうる化合物 該化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオン
とカチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げ
ることができる。
金属を表し、R1 ,R2,R3 及びR4 は、それぞれ水
素原子,炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基,アルキ
ルアリール基,アリールアルキル基、炭素数1〜20の
アシルオキシ基、シクロペンタジエニル基,置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基,置換インデニル基、
フルオレニル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、キ
レート剤(具体的には、2,2’−チオビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル)基など)あるいはハロゲ
ン原子を示す。a,b及びcは、それぞれ0〜4の整数
を示し、d及びeは、それぞれ0〜3の整数を示す。ま
た、R1 〜R4 のいずれか二つをCH2 又はSi(CH
3 )2 等で架橋した錯体を含む。これらR1 ,R2 ,R
3 及びR4 は、同一のものであっても、異なるものであ
ってもよい。〕 上記M1 で表される周期律表3〜6族の金属又はランタ
ン系金属としては、好ましくは第4族金属、特にチタ
ン,ジルコニウム,ハフニウム等が用いられる。 (B−1)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を
形成しうる化合物 該化合物としては、複数の基が金属に結合したアニオン
とカチオンとからなる配位錯化合物又はルイス酸を挙げ
ることができる。
【0014】複数の基が金属に結合したアニオンとカチ
オンとからなる配位錯化合物としては様々なものがある
が、例えば下記一般式(4)又は(5)で表される化合
物が好適である。 (〔L1−H〕g+)h(〔M2X1X2 ・・・Xn〕(n-m)-)i ・・(4) (〔L2〕g+)h(〔M3X1X2 ・・・Xn〕(n-m)-)i ・・(5) 〔式(4)又は(5)中、L2 は後述のM4 ,R5 R6
M5 又はR7 3Cであり、L1 はルイス塩基、M2 及びM
3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる金属
であり、具体的には、B,Al,Si,P,As,Sb
などである。M4は周期律表の1族及び8族〜12族か
ら選ばれる金属であり、具体的には、Ag,Cu,N
a,Liなどである。M5 は周期律表の8族〜10族か
ら選ばれる金属であり、具体的には、Fe,Co,Ni
などである。X1 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキ
ルアミノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数
1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキ
ル基,有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R5
及びR6 はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シク
ロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル
基、R7 はアルキル基を示す。mはM2 ,M3 の原子価
で1〜7の整数、nは2〜8の整数、gはL1 −H,L
2 のイオン価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,i
=h×g/(n−m)である。〕 本発明において、複数の基が金属に結合したアニオンと
しては、具体的にはB( C6 F5)4 - ,B( C6 HF4)
4 - ,B( C6 H2 F3)4 - ,B( C6 H3 F 2)4 - な
どが挙げられる。また、金属カチオンとしては、Cp2
Fe+ ,(MeCp)2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe
+ ,Ag+ , Na+ ,Li+ などが挙げられる。具体的
には、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テ
トラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルア
ンモニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロ
セニウムなどが挙げられる。
オンとからなる配位錯化合物としては様々なものがある
が、例えば下記一般式(4)又は(5)で表される化合
物が好適である。 (〔L1−H〕g+)h(〔M2X1X2 ・・・Xn〕(n-m)-)i ・・(4) (〔L2〕g+)h(〔M3X1X2 ・・・Xn〕(n-m)-)i ・・(5) 〔式(4)又は(5)中、L2 は後述のM4 ,R5 R6
M5 又はR7 3Cであり、L1 はルイス塩基、M2 及びM
3 はそれぞれ周期律表の5族〜15族から選ばれる金属
であり、具体的には、B,Al,Si,P,As,Sb
などである。M4は周期律表の1族及び8族〜12族か
ら選ばれる金属であり、具体的には、Ag,Cu,N
a,Liなどである。M5 は周期律表の8族〜10族か
ら選ばれる金属であり、具体的には、Fe,Co,Ni
などである。X1 〜Xn はそれぞれ水素原子,ジアルキ
ルアミノ基,アルコキシ基,アリールオキシ基,炭素数
1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基,アリールアルキル基,置換アルキ
ル基,有機メタロイド基又はハロゲン原子を示す。R5
及びR6 はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シク
ロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル
基、R7 はアルキル基を示す。mはM2 ,M3 の原子価
で1〜7の整数、nは2〜8の整数、gはL1 −H,L
2 のイオン価数で1〜7の整数、hは1以上の整数,i
=h×g/(n−m)である。〕 本発明において、複数の基が金属に結合したアニオンと
しては、具体的にはB( C6 F5)4 - ,B( C6 HF4)
4 - ,B( C6 H2 F3)4 - ,B( C6 H3 F 2)4 - な
どが挙げられる。また、金属カチオンとしては、Cp2
Fe+ ,(MeCp)2 Fe+ ,(Me2 Cp)2 Fe
+ ,Ag+ , Na+ ,Li+ などが挙げられる。具体的
には、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テ
トラフェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルア
ンモニウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルフェロ
セニウムなどが挙げられる。
【0015】また、ルイス酸として、例えばB(C6 F
5)3 ,B(C6 HF4)3 ,B(H2F3)3,B(C6 H3
F2)3,B(C6 H4 F)3, PF5,P(C6 F5)5 , Al
(C 6 HF4)3 なども用いることができる。 (B−2)酸素含有化合物 下記一般式(6)及び/又は(7)で表される化合物で
ある。
5)3 ,B(C6 HF4)3 ,B(H2F3)3,B(C6 H3
F2)3,B(C6 H4 F)3, PF5,P(C6 F5)5 , Al
(C 6 HF4)3 なども用いることができる。 (B−2)酸素含有化合物 下記一般式(6)及び/又は(7)で表される化合物で
ある。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】上記一般式(6) 及び(7)において、R
8 〜R14はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル基を示し、
R8 〜R12はたがいに同一でも異なっていてもよく、R
13及びR14はたがいに同一でも異なっていてもよい。Y
1 〜Y5 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、具体的
にはB,Al,Ga,In及びTlが挙げられるが、こ
れらの中でB及びAlが好適である。Y1 〜Y3 はたが
いに同一でも異なっていてもよく、Y4 及びY5 はたが
いに同一でも異なっていてもよい。また、a〜dはそれ
ぞれ0〜50の数であるが、(a+b)及び(c+d)
はそれぞれ1以上である。
8 〜R14はそれぞれ炭素数1〜8のアルキル基を示し、
R8 〜R12はたがいに同一でも異なっていてもよく、R
13及びR14はたがいに同一でも異なっていてもよい。Y
1 〜Y5 はそれぞれ周期律表13族元素を示し、具体的
にはB,Al,Ga,In及びTlが挙げられるが、こ
れらの中でB及びAlが好適である。Y1 〜Y3 はたが
いに同一でも異なっていてもよく、Y4 及びY5 はたが
いに同一でも異なっていてもよい。また、a〜dはそれ
ぞれ0〜50の数であるが、(a+b)及び(c+d)
はそれぞれ1以上である。
【0019】このような触媒成分として用いる酸素含有
化合物としては、メチルアルミノキサンやイソブチルア
ルミノキサンなどのアルキルアルミノキサンが挙げられ
る。上記(B)成分としては、(B−1)成分のみを一
種又は二種以上組み合わせて用いてもよく、また(B−
2)成分のみを一種又は二種以上組み合わせて用いても
よい。あるいは、両成分を適当に組み合わせて用いても
よい。 (C)アルキル化剤 アルキル化剤としては様々なものがあるが、例えば、下
記一般式(8) (9),(10) で表わされるアルキル基
含有アルミニウム化合物,アルキル基含有マグネシウム
化合物,アルキル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。
化合物としては、メチルアルミノキサンやイソブチルア
ルミノキサンなどのアルキルアルミノキサンが挙げられ
る。上記(B)成分としては、(B−1)成分のみを一
種又は二種以上組み合わせて用いてもよく、また(B−
2)成分のみを一種又は二種以上組み合わせて用いても
よい。あるいは、両成分を適当に組み合わせて用いても
よい。 (C)アルキル化剤 アルキル化剤としては様々なものがあるが、例えば、下
記一般式(8) (9),(10) で表わされるアルキル基
含有アルミニウム化合物,アルキル基含有マグネシウム
化合物,アルキル基含有亜鉛化合物等が挙げられる。
【0020】 R15 m Al(OR16) n X3-m-n ・・・(8) R15 2 Mg ・・・(9) R15 2 Zn ・・・(10)
〔式中、R15及びR16は、それぞれ炭素
数1〜8、好ましくは1〜4のアルキル基を示し、Xは
水素原子あるいはハロゲン原子を示す。また、mは0<
m≦3、nは0≦n<3である。〕 3.不活性溶媒及び不活性ガス 不活性溶媒の種類については特に問わず、本発明にかか
るスチレン系重合体の製造に関し、活性の点で影響を及
ぼさないものなら何でもよい。具体的には、脂肪族炭化
水素、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン等や、芳香族炭化水素が挙げられる。
また、不活性ガスについても特に問わず、例えば、窒素
ガスやアルゴンガス等が挙げられる。 4.スチレン系重合体を製造するための重合器 用いる重合器としては、特に制限はないが、完全混合槽
型重合器が好適である。なお、この重合器の形状は、特
に限定されるものではない。また、重合器に設けられる
攪拌翼も粉体混合が充分に行えるものであれば、特に限
定されるものではなく、例えば、多段パドル型,ヘリカ
ルリボン型等各種のものを用いることができる。さらに
は、温度制御を容易にするためにジャケット等が設けら
れていてもよい。
〔式中、R15及びR16は、それぞれ炭素
数1〜8、好ましくは1〜4のアルキル基を示し、Xは
水素原子あるいはハロゲン原子を示す。また、mは0<
m≦3、nは0≦n<3である。〕 3.不活性溶媒及び不活性ガス 不活性溶媒の種類については特に問わず、本発明にかか
るスチレン系重合体の製造に関し、活性の点で影響を及
ぼさないものなら何でもよい。具体的には、脂肪族炭化
水素、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン等や、芳香族炭化水素が挙げられる。
また、不活性ガスについても特に問わず、例えば、窒素
ガスやアルゴンガス等が挙げられる。 4.スチレン系重合体を製造するための重合器 用いる重合器としては、特に制限はないが、完全混合槽
型重合器が好適である。なお、この重合器の形状は、特
に限定されるものではない。また、重合器に設けられる
攪拌翼も粉体混合が充分に行えるものであれば、特に限
定されるものではなく、例えば、多段パドル型,ヘリカ
ルリボン型等各種のものを用いることができる。さらに
は、温度制御を容易にするためにジャケット等が設けら
れていてもよい。
【0021】重合器には、不活性溶媒等を予め合流させ
た重合触媒の供給口が設けられていることが必要である
が、該供給口については、単なるノズルでもよく、ある
いはノズルの先端がシャワー状になっていてもよい。ま
た、不活性溶媒等を予め合流させた重合触媒の供給につ
いては、1箇所に限られない。即ち、重合器直前に複数
のラインに分散させ、複数箇所から供給してもよい。供
給口は重合器の側壁に設けられているのが好ましく、そ
れに繋がる別々のラインから触媒及び不活性溶媒、さら
には不活性ガス(窒素ガス等)が供給されて、該供給口
直前で合流されるようになっているのが好ましい。
た重合触媒の供給口が設けられていることが必要である
が、該供給口については、単なるノズルでもよく、ある
いはノズルの先端がシャワー状になっていてもよい。ま
た、不活性溶媒等を予め合流させた重合触媒の供給につ
いては、1箇所に限られない。即ち、重合器直前に複数
のラインに分散させ、複数箇所から供給してもよい。供
給口は重合器の側壁に設けられているのが好ましく、そ
れに繋がる別々のラインから触媒及び不活性溶媒、さら
には不活性ガス(窒素ガス等)が供給されて、該供給口
直前で合流されるようになっているのが好ましい。
【0022】さらに、該供給口の他に温度制御の目的で
投入する不活性溶媒の投入口を設けておくことが望まし
い。また、生成したポリマーの重合器からの排出も間歇
的に、あるいは連続的に行うことができるような構造に
してあることが望ましい。例えば、重合器下部に抜出し
ノズルを設けて、これを間歇的に開閉できるような構造
や、また、スクリューフィーダーあるいはロータリーバ
ルブ等を設けることにより連続して排出できるような構
造等である。 5.重合触媒の供給方法 本発明においては、重合触媒の投入にあたり、重合触媒
に不活性溶媒、さらには必要に応じて、不活性ガスを予
め合流させ、しかる後に重合器へ供給することを特徴と
している。
投入する不活性溶媒の投入口を設けておくことが望まし
い。また、生成したポリマーの重合器からの排出も間歇
的に、あるいは連続的に行うことができるような構造に
してあることが望ましい。例えば、重合器下部に抜出し
ノズルを設けて、これを間歇的に開閉できるような構造
や、また、スクリューフィーダーあるいはロータリーバ
ルブ等を設けることにより連続して排出できるような構
造等である。 5.重合触媒の供給方法 本発明においては、重合触媒の投入にあたり、重合触媒
に不活性溶媒、さらには必要に応じて、不活性ガスを予
め合流させ、しかる後に重合器へ供給することを特徴と
している。
【0023】供給される触媒において、各成分について
は、例えば、前記(A),(B),(C)各成分をす
べて予め接触させて得た混合物の状態で供給口から重合
器へ投入する方法や、上記(A)成分と(B)成分と
の接触混合物と(C)成分とを触媒供給ライン内で混合
し、然るのちに触媒供給口から重合器へ投入する方法
や、上記(B)成分と(C)成分との接触混合物と
(A)成分とを触媒供給ライン内で混合し、然るのちに
触媒供給口から重合器へ投入する方法や、上記(A)
成分と(C)成分との接触混合物と(B)成分とを触媒
供給ライン内で混合し、然るのちに触媒供給口から重合
器へ投入する方法や、(A),(B),(C)成分を
触媒供給ライン内で混合し、然るのちに触媒供給口から
重合器へ投入する方法等が挙げられる。
は、例えば、前記(A),(B),(C)各成分をす
べて予め接触させて得た混合物の状態で供給口から重合
器へ投入する方法や、上記(A)成分と(B)成分と
の接触混合物と(C)成分とを触媒供給ライン内で混合
し、然るのちに触媒供給口から重合器へ投入する方法
や、上記(B)成分と(C)成分との接触混合物と
(A)成分とを触媒供給ライン内で混合し、然るのちに
触媒供給口から重合器へ投入する方法や、上記(A)
成分と(C)成分との接触混合物と(B)成分とを触媒
供給ライン内で混合し、然るのちに触媒供給口から重合
器へ投入する方法や、(A),(B),(C)成分を
触媒供給ライン内で混合し、然るのちに触媒供給口から
重合器へ投入する方法等が挙げられる。
【0024】供給される触媒、或いは触媒供給ライン内
で各成分を混合する場合はその各成分、さらには不活性
溶媒については、容量ポンプ等により一定速度で連続し
て行うか、又は検量ポット等により一定時間毎に所定量
を間歇的に供給する。ただし、間歇的に供給する場合で
あっても、触媒のみを重合器に供給しているという状態
にならないことが必要である。
で各成分を混合する場合はその各成分、さらには不活性
溶媒については、容量ポンプ等により一定速度で連続し
て行うか、又は検量ポット等により一定時間毎に所定量
を間歇的に供給する。ただし、間歇的に供給する場合で
あっても、触媒のみを重合器に供給しているという状態
にならないことが必要である。
【0025】また、供給速度については特に問わず、望
む生成ポリマーの性状に合わせて適宜選べばよいが、重
合触媒と不活性溶媒の合流物が0.1m/秒以上の速度で
重合器に供給されるのが好ましい。触媒と不活性溶媒の
量比についても特に問わず、触媒の分散性が良好となる
よう、即ち、触媒が重合器内に偏在することなくほぼ均
一に供給されるようになっていればよく、重合器の容
量、触媒量、触媒種、不活性溶媒種等を勘案して適宜決
定すればよい。 5.スチレン系重合体の製造方法 重合器に供給する原料モノマー,触媒の種類及び量につ
いては、望む生成ポリマーの性状に合わせ、適宜決定す
ればよい。また、重合温度,重合圧力,攪拌速度,重合
器の容量,その他各種の条件についても同様である。
む生成ポリマーの性状に合わせて適宜選べばよいが、重
合触媒と不活性溶媒の合流物が0.1m/秒以上の速度で
重合器に供給されるのが好ましい。触媒と不活性溶媒の
量比についても特に問わず、触媒の分散性が良好となる
よう、即ち、触媒が重合器内に偏在することなくほぼ均
一に供給されるようになっていればよく、重合器の容
量、触媒量、触媒種、不活性溶媒種等を勘案して適宜決
定すればよい。 5.スチレン系重合体の製造方法 重合器に供給する原料モノマー,触媒の種類及び量につ
いては、望む生成ポリマーの性状に合わせ、適宜決定す
ればよい。また、重合温度,重合圧力,攪拌速度,重合
器の容量,その他各種の条件についても同様である。
【0026】重合触媒と不活性溶媒を合流させて供給す
る場合、溶媒の気化潜熱により触媒の熱劣化が抑えら
れ、また、一定速度以上の速度とすることにより、重合
器の中央部の粉体床へも触媒を偏在させることなく供給
することができ、触媒とモノマーとの接触が効率的に行
なわれ、その結果、重合器内でより均一な重合を進行さ
せることができ、重合活性が向上する。
る場合、溶媒の気化潜熱により触媒の熱劣化が抑えら
れ、また、一定速度以上の速度とすることにより、重合
器の中央部の粉体床へも触媒を偏在させることなく供給
することができ、触媒とモノマーとの接触が効率的に行
なわれ、その結果、重合器内でより均一な重合を進行さ
せることができ、重合活性が向上する。
【0027】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕ヘリカル翼を有する完全混合槽型重合器
(内径550 mm、高さ800 mm、内容積200 リットル)に粉
砕したSPSパウダー60kgを投入し、50rpm にて連続撹
拌した。次いで、窒素気流下にて90℃で2時間乾燥し、
さらにノルマルペンタンを冷媒として供給することによ
り、重合器内温度を75℃に調整した。
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕ヘリカル翼を有する完全混合槽型重合器
(内径550 mm、高さ800 mm、内容積200 リットル)に粉
砕したSPSパウダー60kgを投入し、50rpm にて連続撹
拌した。次いで、窒素気流下にて90℃で2時間乾燥し、
さらにノルマルペンタンを冷媒として供給することによ
り、重合器内温度を75℃に調整した。
【0028】その後、スチレンモノマー及び触媒の供給
を開始した。スチレンモノマー及び触媒の供給速度は、
次の通りであった。 スチレンモノマー 8リットル/h 触媒 (A) ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメトキシチ
タン 1mmol/h (B) メチルアルミノキサン 75mmol/h (Al濃度換算) (C) トリイソブチルアルミニウム 25mmol/h なお、触媒を構成する上記 (A)〜(C) 成分については、
予め混合することなく各々別々に、重合器直前にて触媒
供給ラインに合流させた。
を開始した。スチレンモノマー及び触媒の供給速度は、
次の通りであった。 スチレンモノマー 8リットル/h 触媒 (A) ペンタメチルシクロペンタジエニルトリメトキシチ
タン 1mmol/h (B) メチルアルミノキサン 75mmol/h (Al濃度換算) (C) トリイソブチルアルミニウム 25mmol/h なお、触媒を構成する上記 (A)〜(C) 成分については、
予め混合することなく各々別々に、重合器直前にて触媒
供給ラインに合流させた。
【0029】このとき、ノズル先端直近で3kg/hのn−
ペンタン及び10ノルマルリットル/minの窒素と合流させ
た。また、温度調節用として、n−ペンタンを約15kg/h
の量で、触媒合流分とは別に、別個の供給口より投入す
ることにより、内温を75℃に保った。重合器レベルを一
定に保ちつつパウダーを底部より連続的に抜き出したと
ころ、結果として、転化率84%にて嵩密度400 kg/m3 、
重量平均粒径1.2 mm、重量平均分子量22万のSPSパウ
ダーを72時間以上継続して製造することができた。 〔比較例1〕実施例1の方法において、触媒へのn−ペ
ンタン合流は行わず、単独ノズルのみよりノルマルペン
タン約18kg/hを供給した。
ペンタン及び10ノルマルリットル/minの窒素と合流させ
た。また、温度調節用として、n−ペンタンを約15kg/h
の量で、触媒合流分とは別に、別個の供給口より投入す
ることにより、内温を75℃に保った。重合器レベルを一
定に保ちつつパウダーを底部より連続的に抜き出したと
ころ、結果として、転化率84%にて嵩密度400 kg/m3 、
重量平均粒径1.2 mm、重量平均分子量22万のSPSパウ
ダーを72時間以上継続して製造することができた。 〔比較例1〕実施例1の方法において、触媒へのn−ペ
ンタン合流は行わず、単独ノズルのみよりノルマルペン
タン約18kg/hを供給した。
【0030】重合器レベルを一定に保ちつつパウダーを
底部より連続的に抜き出したところ、転化率80%で重量
平均分子量25万のSPSパウダーが得られたが、粒径が
肥大化する不安定な運転となった。
底部より連続的に抜き出したところ、転化率80%で重量
平均分子量25万のSPSパウダーが得られたが、粒径が
肥大化する不安定な運転となった。
【0031】
【発明の効果】本発明のシンジオタクチックポリスチレ
ンの製造方法より、重合器内の不活性溶媒量を増やすこ
となく、触媒の粉体床への分散性を高め、引いては重合
活性を高めて触媒所要量を低減することができる。
ンの製造方法より、重合器内の不活性溶媒量を増やすこ
となく、触媒の粉体床への分散性を高め、引いては重合
活性を高めて触媒所要量を低減することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 重合器内にスチレン系モノマー、重合触
媒及び不活性溶媒を投入することにより主としてシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体を製造する
方法において、重合触媒の投入にあたり、重合触媒に不
活性溶媒を予め合流させ、しかる後に重合器へ供給する
ことを特徴とするスチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 重合触媒の投入にあたり、重合触媒に不
活性溶媒を予め合流させ、さらに不活性ガスを合流さ
せ、しかる後に重合器へ供給することを特徴とする請求
項1に記載のスチレン系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3882398A JPH11236404A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | スチレン系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3882398A JPH11236404A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | スチレン系重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11236404A true JPH11236404A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12535977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3882398A Pending JPH11236404A (ja) | 1998-02-20 | 1998-02-20 | スチレン系重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11236404A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057017A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 芳香族ビニル化合物重合体の製造方法 |
-
1998
- 1998-02-20 JP JP3882398A patent/JPH11236404A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057017A (ja) * | 2010-09-07 | 2012-03-22 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 芳香族ビニル化合物重合体の製造方法 |
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