JPH11236283A - 無機質板の塗装方法 - Google Patents

無機質板の塗装方法

Info

Publication number
JPH11236283A
JPH11236283A JP5609298A JP5609298A JPH11236283A JP H11236283 A JPH11236283 A JP H11236283A JP 5609298 A JP5609298 A JP 5609298A JP 5609298 A JP5609298 A JP 5609298A JP H11236283 A JPH11236283 A JP H11236283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
solvent
synthetic resin
coating material
inorganic plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5609298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3533329B2 (ja
Inventor
Kazuo Utagaki
一男 歌書
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichiha Corp
Original Assignee
Nichiha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichiha Corp filed Critical Nichiha Corp
Priority to JP05609298A priority Critical patent/JP3533329B2/ja
Publication of JPH11236283A publication Critical patent/JPH11236283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3533329B2 publication Critical patent/JP3533329B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/46Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with organic materials
    • C04B41/49Compounds having one or more carbon-to-metal or carbon-to-silicon linkages ; Organo-clay compounds; Organo-silicates, i.e. ortho- or polysilicic acid esters ; Organo-phosphorus compounds; Organo-inorganic complexes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00482Coating or impregnation materials
    • C04B2111/00491Primers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Aftertreatments Of Artificial And Natural Stones (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は無機質板表面の塗膜の密着性、
耐侯性、耐水性を向上せしめることにある。 【解決手段】無機質板表面と水性塗料の塗膜の双方に良
好な密着性示し、速やかに硬化する加水分解性シリル基
を有する合成樹脂を含有する溶剤系塗料を耐侯性の良好
な水性塗料の塗装に先立って塗装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維セメント板、石
膏板、珪酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板等の無機
質板の表面に塗装を施す方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】上記無機質板は不燃建築板として内装
板、外装板、屋根材等に使用されている。このような無
機質板には表面の補強、保護のために表面に塗装が施さ
れる。上記無機質板の塗装に使用される塗料としては水
性塗料が推賞される。何となれば水性塗料はビヒクルと
して合成樹脂エマルジョンを使用するものであり、合成
樹脂エマルジョンにおいては合成樹脂の分子量を高くし
て耐侯性、耐久性を向上させることが出来るので、特に
外装材や屋根材等の外部に露出される建築板の塗装には
適したものである。また屋根材の比重は一般的に1.8
〜2.2と高比重であり、建物にかゝる荷重の構造上の
問題や、施工職人の労働環境面から軽量な屋根材が求め
られている。しかし比重1.5以下の軽量な屋根材には
密着性、耐侯性に優れた塗装を施すことが難しかった。
【0003】
【従来の技術】そこで従来では未硬化の無機質板表面に
水性塗料を下塗りした上で養生硬化せしめ、その後水性
塗料を上塗り仕上げする方法が提供されている(特開平
3−232782号)。しかしながら水性塗料のビヒク
ルである合成樹脂エマルジョンは粒径の大きな合成樹脂
粒子を分散したものであり、無機質板表面に塗装された
時、塗料が無機質板内に浸透しにくゝ、形成された塗膜
の密着性が劣ると云う問題点がある。特に低比重の軽量
な加工性の良い無機質板の場合には、該無機質板の密度
が低く内部構造強度が小さいので、無機質板内に浸透し
にくい水性塗料では、形成された塗膜が該無機質板の表
面層と共に剥離し易くなり、密着性の問題は極めて深刻
なものとなる。そこで、上記水性塗料を下塗りした上に
中塗りとして湿気硬化型ウレタン樹脂溶剤系塗料を塗布
し、更にその上に上塗りとして水性塗料を塗装する方法
が提案されている(例えば特開平6−345563
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】中塗りとして溶剤系塗
料を塗装すると、該溶剤系塗料は略分子レベルで有機溶
剤中に溶解しているから、下塗りである水性塗料の塗膜
の合成樹脂粒子間に形成されている隙間を介して無機質
板表面から内部に浸透し硬化し、該下塗り水性塗料塗膜
を無機質板表面に固定する。したがって塗膜の密着性は
向上する。しかし中塗りとして使用する溶剤系塗料の湿
気硬化型ウレタン樹脂の硬化が遅く、塗装後長時間放置
しないと十分な塗膜の密着性が得られず、更に温度や湿
度の変化の影響を受け易く、季節によって塗膜の密着性
がばらつくと言う問題点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題点を解決
する手段として、無機質板表面を水性塗料によって塗装
するに際して、加水分解性シリル基を有する有機合成樹
脂を含有する溶剤系塗料を該水性塗料の塗装に先立って
塗装しておく無機質板の塗装方法を提供するものであ
る。該無機質板には一次養生後に顔料および/または充
填材を含有する水性塗料が下塗りされ、オートクレーブ
養生後に加水分解性シリル基を有する有機合成樹脂を含
有する溶剤系塗料を塗装することが望ましく、また加水
分解性シリル基を有する有機合成樹脂はアクリル系合成
樹脂が望ましく、更に溶剤系塗料は顔料および/または
充填材を含有しないクリア塗料であることが望ましい。
【0006】〔無機質板〕本発明の対象とする無機質板
は繊維セメント板、石膏板、珪酸カルシウム板、炭酸マ
グネシウム板等の水硬性無機粉末の成形物であり、特に
繊維セメント板は本発明の対象として推賞されるもので
ある。上記繊維セメント板としては、ポルトランドセメ
ントを主体とし、これにケイ石粉、ケイ砂、シリコンダ
スト、シリコンフラワー等のケイ酸含有粉末を添加し、
所望なれば更にフライアッシュ、高炉スラグ、パーライ
ト、ゼオライト、バーミキュライト等の骨材の一種また
は二種以上を添加し、更に所望なれば塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ等の硬化促進
剤を添加した水硬性無機粉体混合物を使用し、これに補
強繊維として石綿、セピオライト、ワラストナイト、ガ
ラス繊維、ウィスカ等の無機繊維、木片、木毛、パルプ
等の木質繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ア
クリル繊維、アセテート繊維等の有機繊維の一種または
二種以上を混合する。上記繊維セメント板は上記補強繊
維を混合した水硬性無機粉体混合物を乾式法、半乾式
法、湿式法等により板状に成形し、自然養生またはオー
トクレーブ養生によって硬化せしめることにより製造さ
れる。
【0007】〔水性塗料〕本発明に使用される水性塗料
とは、ビヒクルとして合成樹脂エマルジョンを用い、所
望なればこれに炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボン
ブラック、クロムイェロー、ベンガラ等の顔料または充
填材、更に所望なればジブチルフタレート、ジオクチル
フタレート等の可塑剤、ポリビニルアルコール、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤ま
たは保護コロイド、紫外線吸収剤、老化防止剤等を添加
したものである。塗料の耐紫外線性を向上せしめるには
上記合成樹脂エマルジョンに上記顔料および/または充
填材を添加することが望ましい。上記合成樹脂エマルジ
ョンとしてはアクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹
脂エマルジョン、スチレン樹脂エマルジョン、ウレタン
樹脂エマルジョン、スチレン−ブタジエン共重合体エマ
ルジョン等通常塗料ビヒクルとして用いられる合成樹脂
エマルジョンが使用されるが、耐アルカリ性および耐侯
性の点でアクリル樹脂エマルジョンは本発明にとって望
ましい合成樹脂エマルジョンである。上記アクリル樹脂
エマルジョンとは、アクリルエステルおよび/またはメ
タクリルエステルの一種または二種以上と、スチレン、
酢酸ビニル、アクリロニトリル等の該アクリルエステル
および/またはメタクリルエステルと共重合可能な他の
ビニル単量体の一種または二種以上との共重合体エマル
ジョンである。本発明の水性塗料として好ましい配合
は、合成樹脂固形分15〜20重量%、望ましくは1
6.5〜18重量%、上記顔料および/または充填材が
12〜16重量%、望ましくは13.5〜14.5重量
%、水65〜75重量%、望ましくは67.5〜70重
量%である。なお上塗りに水性塗料を塗装する場合、中
塗りの溶剤系塗料を塗布する前の下塗り水性塗料は、合
成樹脂が低分子量であって、耐侯性の若干劣るものを使
用してもよい。
【0008】〔溶剤系塗料〕本発明に使用される溶剤系
塗料とは、ビヒクルとして加水分解性シリル基を有する
有機合成樹脂を含有する有機溶剤溶液を用いる。上記溶
剤系塗料はいわゆるクリヤーラッカーとして上記有機合
成樹脂の有機溶剤溶液をそのまゝ使用するが、所望なれ
ば硬化剤、あるいは水性塗料に使用されたものと同様な
顔料および/または充填材、可塑剤、紫外線吸収剤、老
化防止剤等を添加してもよい。上記加水分解性シリル基
を有する有機合成樹脂とは、例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、is
o-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-
ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、2-エチル
ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレ
ート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリ
レート、iso-ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート、ステアリルメタク
リレート、ラウリルメタクリレート等の脂肪族または環
式アクリレートおよび/またはメタクリレート、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビ
ニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、iso-ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、α−メ
チルスチレン等のスチレン類、、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル系単量体、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のハロゲ
ン含有単量体、エチレン、プロピレン、イソプレン等の
オレフィン類、クロロプレン、ブタジエン等のジエン
類、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、クロトン酸、アトロパ酸、シトラコン酸等のα,β
−不飽和カルボン酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、アリルアルコール等の水酸基含有単量体、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等のアミド類、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルア
クリレート等のアミノ基含有単量体、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリル
エーテル等のエポキシ基含有単量体、その他ビニルピロ
リドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール等のビニ
ル単量体の一種または二種以上とγ- メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、p-トリメトキシシリルスチレン、p-トリエトキシシ
リルスチレン、p-トリメトキシシリル- α- メチルスチ
レン、p-トリエトキシシリル- α- メチルスチレン、γ
- アクリロキシプロピルトリメトキシッシラン、ビニル
トリメトキシシラン、N-β(N-ビニルベンジルアミノエ
チル- γ- アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸
塩等の加水分解性シリル基を有するビニル単量体の一種
または二種以上との共重合体である。そして特に望まし
い合成樹脂としては、上記アクリルエステルおよび/ま
たはメタクリルエステルの一種または二種以上と、上記
加水分解性シリル基を有するビニル単量体の一種または
二種以上との共重合体、あるいは上記アクリルエステル
および/またはメタクリルエステルの一種または二種以
上と、上記アクリルエステルおよび/またはメタクリル
エステルと共重合可能な他のビニル単量体の一種または
二種以上と、加水分解性シリル基を有するビニル単量体
の一種または二種以上との共重合体であるアクリル系合
成樹脂である。上記溶剤系塗料に使用される有機溶剤と
しては酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、
セロソルブアセテート、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メタノール、エタノール、ブタノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が
例示される。
【0009】〔塗装〕塗装は上記無機質板の表面に溶剤
系塗料を塗布し乾燥した後、水性塗料を塗布し乾燥す
る。上記溶剤系塗料による塗装は下塗りおよび中塗りの
二回に分けて行なわれてもよく、また上記溶剤系塗料に
よる塗装を中塗りとし、更に下塗りとして前記したと同
様な水性塗料による塗装を行なってもよい。上記溶剤系
塗料による塗装は、上記無機質板をオートクレーブ養生
した場合は、その後該無機質板が略完全に硬化した状態
で行なうことが望ましい。上記塗装はロールコーター、
スプレー、フローコーター、シャワーコーター等の一般
的な塗装機を用いて行なわれるが、下塗り、中塗り、上
塗りの各段階で上記塗装機の種類を変えてもよい。上記
塗料の塗布量は下塗り、中塗り、上塗りの三段階の塗装
を行なう場合には各層樹脂分として8〜12g/尺2
度、下塗り、上塗りの二段階の塗装を行なう場合には各
層樹脂分として13〜17g/尺2 程度とする。塗装後
の乾燥は自然乾燥あるいは90〜110℃,5〜15分
程度の加熱乾燥が適用される。無機質板が繊維セメント
板である場合、該繊維セメント板は木質繊維、合成繊維
等の補強繊維を混合したセメントを主体とした原料混合
物を型板上に散布してマットとし、該マットを圧締して
水存在下に50〜70℃、8〜12時間程度一次養生を
行ない、その後常温で1週間程度自然養生あるいはオー
トクレーブ内で蒸気圧3〜10 kgf/cm2 、蒸気温度1
40〜180℃、5〜15時間程度のオートクレーブ養
生を行なうことによって製造される。このような製造方
法は、乾式法あるいは半乾式法と言われるが、この場
合、水性塗料による下塗り塗装は一次養生後、マットの
強度がある程度向上して塗装の際に及ぼされる外力によ
って破壊、変形されないような状態になってから行な
い、溶剤系塗料による中塗り(あるいは下塗り)は自然
養生あるいはオートクレーブ養生後に行なうことが好ま
しい。繊維セメント板をオートクレーブ養生した場合に
は、溶剤系塗料の塗膜の乾燥は、オートクレーブ養生後
の予熱を利用してもよい。
【0010】
【作用】本発明においては無機質板表面に水性塗料によ
る塗装に先立って、加水分解性シリル基を有する有機合
成樹脂を含有する溶剤系塗料を塗布する。該溶剤系塗料
においては有機合成樹脂は略分子レベルで有機溶剤中に
溶解しているから、該溶剤系塗料が塗装された時、該溶
剤系塗料は無機質板表面から内部に浸透し、該無機質板
に含まれている水分あるいは周囲の水分によって、該溶
剤系塗料の有機合成樹脂の加水分解性シリル基は加水分
解されてシラノール基となり、該シラノール基は相互反
応してシロキサン結合を生成し、かくして該溶剤系塗料
の有機合成樹脂は極めて速やかに硬化して該無機質板表
面付近の内部構造を補強し、このような投錨効果と内部
構造補強効果と、更にシロキサン結合の無機親和性とに
よって塗膜は強固に無機質板表面に密着する。上記溶剤
系塗料の有機合成樹脂の硬化は環境の温度や湿度の影響
を殆ど受けない。水性塗料を下塗りとして塗装した場合
には、水性塗料によって形成される塗膜には合成樹脂粒
子間に形成される隙間があり、その上に溶剤系塗料を塗
装すると、該溶剤系塗料が該水性塗料の塗膜の隙間を介
して無機質板内に浸透する。該水性塗料に顔料および/
または充填材を混合すると、形成される塗膜はポーラス
になり、該溶剤系塗料の浸透性は更に向上する。したが
ってこの場合も、該水性塗料の塗膜を介して浸透した該
溶剤系塗料の上記硬化によって無機質板表面付近の内部
構造が補強され、かつ溶剤系塗料の塗膜は水性塗料の塗
膜の隙間を介して投錨することにより、水性塗料の塗膜
の上から該塗膜を無機質板表面に固定する。特に屋根材
は基材として、高比重で強度を高め、塗膜の密着性、耐
侯性を向上させているが、本発明の塗装方法では基材が
低比重であっても、溶剤系塗料を水性塗料に先立って塗
装することにより前記した作用により密着性、耐侯性を
向上させる。このようにして形成した溶剤系塗料が乾燥
された状態でその塗膜の上に水性塗料を塗装するが、該
溶剤系塗料の有機合成樹脂が有する有機親和性によっ
て、該溶剤系塗料の塗膜と該水性塗料の塗膜とは良好な
密着性を示す。
【0011】
【発明の実施の形態】〔実施例および比較例〕セメント
65重量%、ケイ砂粉末20重量%、フライアッシュ1
0重量%、パルプ5重量%の混合物を10重量%含むス
ラリーから通常の方法で抄造し、抄造物をプレスして6
0℃,10時間加熱養生後、常温で1週間の養生を行な
い、比重1.3〜1.5の屋根材としてはかなり低比重
な無機質板を製造した。
【0012】上記無機質板表面に下塗りとして水性塗
料、中塗りとして溶剤系塗料、および上塗りとして水性
塗料をスプレーによって塗装しテストピースを作成し
た。塗膜の乾燥は中塗りにおける溶剤系塗料の場合は1
05℃,5分、下塗りおよび上塗りにおける水性塗料の
場合は105℃,10分の加熱乾燥を適用した。塗布量
は各層10g/尺2 とした。本実施例で中塗りに用いた
溶剤系塗料はメチルメタクリレート:ブチルアクリレー
ト:γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン=
60:35:5重量比共重合体をトルエン:酢酸エチル
=60:40重量比の混合溶剤に30重量%の濃度で溶
解したクリヤーラッカーであり、下塗りおよび上塗りに
用いた水性塗料はメチルメタクリレート:エチルアクリ
レート:2-ヒドロキシエチルメタクリレート=65:3
0:5重量比共重合体のアクリル樹脂エマルジョン(固
形分50重量%)40重量部、着色顔料2重量部、酸化
チタン7重量部、炭酸カルシウム11重量部、水60重
量部の混合物からなる。比較例として上記溶剤系塗料に
代えて湿気硬化型ウレタン系樹脂塗料を用いて同様なテ
ストピースを作成した。
【0013】上記テストピースについて、初期密着試験
を行なった。初期密着試験は塗膜表面に粘着テープを圧
着し、剥離後の塗膜の状態を観察した。試験結果は表1
に示される。
【表1】 ×:30%以上の塗膜剥離 △:10〜30%の塗膜剥離 ○:10%未満の塗膜剥離
【0014】表1によれば、中塗りとして本発明の溶剤
系塗料を用いた実施例では、塗装後1日で既に充分な塗
膜密着性が得られるが、湿気硬化型ウレタン系塗料を用
いた比較例では7日目で始めて充分な塗膜密着性が得ら
れることが判明する。このことからも本発明の溶剤系塗
料は常温でも湿気硬化型ウレタン系塗料に比して塗膜の
硬化が極めて早いことが確認される。従って例えば湿気
硬化型ウレタン系塗料の場合には1週間の養生期間を経
てから出荷しなければならないが、本発明の溶剤系塗料
の場合には塗装後検査を含めても2〜3日後には出荷す
ることが出来、生産、出荷の即応的な対応が出来、在庫
管理上半製品ならびに製品の保管スペースも従前より大
巾に縮小出来る。
【0015】
【発明の効果】本発明の溶剤系塗料による塗膜は気温や
湿度等の環境の変化による影響を受けることなく速やか
に硬化するので、塗膜の密着性、耐侯性および耐水性に
優れた塗装無機質板が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質板表面を水性塗料によって塗装する
    に際して、加水分解性シリル基を有する有機合成樹脂を
    含有する溶剤系塗料を該水性塗料の塗装に先立って塗装
    しておくことを特徴とする無機質板の塗装方法
  2. 【請求項2】該無機質板には一次養生後に顔料および/
    または充填材を含有する水性塗料が下塗りされ、オート
    クレーブ養生後に加水分解性シリル基を有する有機合成
    樹脂を含有する溶剤系塗料が塗装される請求項1に記載
    の無機質板の塗装方法
  3. 【請求項3】該加水分解性シリル基を有する有機合成樹
    脂はアクリル系合成樹脂である請求項1または2に記載
    の無機質板の塗装方法
  4. 【請求項4】該加水分解性シリル基を有する有機合成樹
    脂を含有する溶剤系塗料は顔料や充填材が添加されてい
    ないクリア塗料である請求項1または2または3に記載
    の無機質板の塗装方法
JP05609298A 1998-02-20 1998-02-20 無機質板の塗装方法 Expired - Fee Related JP3533329B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05609298A JP3533329B2 (ja) 1998-02-20 1998-02-20 無機質板の塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05609298A JP3533329B2 (ja) 1998-02-20 1998-02-20 無機質板の塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11236283A true JPH11236283A (ja) 1999-08-31
JP3533329B2 JP3533329B2 (ja) 2004-05-31

Family

ID=13017469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05609298A Expired - Fee Related JP3533329B2 (ja) 1998-02-20 1998-02-20 無機質板の塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3533329B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011092816A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Nichiha Corp 建築板の製造方法
CN104030727A (zh) * 2014-06-09 2014-09-10 西南科技大学 水泥基材料表面渗透防护剂及其制备方法
US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011092816A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Nichiha Corp 建築板の製造方法
CN104030727A (zh) * 2014-06-09 2014-09-10 西南科技大学 水泥基材料表面渗透防护剂及其制备方法
CN104030727B (zh) * 2014-06-09 2015-09-30 西南科技大学 水泥基材料表面渗透防护剂及其制备方法
US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

Also Published As

Publication number Publication date
JP3533329B2 (ja) 2004-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2829093B2 (ja) 耐火被覆材
JPH07207191A (ja) 下塗り剤およびそれを用いた密着方法
JPH11236283A (ja) 無機質板の塗装方法
JP2808399B2 (ja) 無機質板の塗装方法
JP3533262B2 (ja) 無機質板の塗装方法
JP2773101B2 (ja) 無機質板の製造方法
JPH0621516B2 (ja) 建物外装仕上工法
JP4771653B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2000212502A (ja) 水分散塗料組成物及びその塗装方法
JPH09227252A (ja) 無機質板の塗装方法
JPH0971736A (ja) 無機質建材の塗装方法
JPH11141090A (ja) クロス壁の改装用鏝塗材組成物
JP4507184B2 (ja) シート積層方法
JP4637468B2 (ja) 可塑剤移行防止性塗料及び可塑剤移行防止性シート並びにそれらを用いた可塑剤移行防止方法
JPH0444051B2 (ja)
JP2554521B2 (ja) 塗装炭素繊維補強コンクリート板の製造方法
JP3186677B2 (ja) 建築物表面の塗装仕上方法
JP2003103741A (ja) 化粧シート
JP3527568B2 (ja) 建築板の塗装方法
JP2002080798A (ja) 吸放湿性塗料組成物及び吸放湿性シート
JPH0159229B2 (ja)
JPS615149A (ja) 防水施工方法
AU2015255233B2 (en) Improved Jointing Compound
JP3335432B2 (ja) 建築用下地材の製造方法
JPH0316980A (ja) コンクリートの劣化防止工法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040308

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090312

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100312

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees