JPH11236125A - 物品搬送装置 - Google Patents

物品搬送装置

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JPH11236125A
JPH11236125A JP29113398A JP29113398A JPH11236125A JP H11236125 A JPH11236125 A JP H11236125A JP 29113398 A JP29113398 A JP 29113398A JP 29113398 A JP29113398 A JP 29113398A JP H11236125 A JPH11236125 A JP H11236125A
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air
transport
semiconductor chip
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Application number
JP29113398A
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English (en)
Inventor
Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Hiroyuki Tsuji
裕之 辻
Kosei Onishi
孝生 大西
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エアによって物品を浮上させながら一方向に搬
送させる搬送系として、自動化に適した物品搬送装置を
提供する。 【解決手段】品質レベルに対応させた本数だけそれぞれ
並列に設けられた半導体チップ26の搬送路12を構成
する溝を有する搬送装置10を部分酸化ジルコニアによ
り形成する。搬送路12の搬送方向終端壁28の手前に
半導体チップ26の走行を一旦停止させるためのストッ
パ機構としての圧電体38a、38bを設け、終端壁2
8近傍には半導体チップ26の搬送数量を計測するため
のカウンタ機構である電極40a、40bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造過程にある物
品(半導体チップ等の各種電子部品)を次の製造工程に
搬送する、あるいは完成した物品を次の組立工程に搬送
するための物品搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、物品(半導体チップ等の各種電
子部品)の製造ラインにおいては、多数の物品を次の処
理工程や保管室等に搬送するために、上部開口の箱体に
て構成されたコンテナーを用いる場合が多い。
【0003】そして、前記製造ラインにおいて、前記コ
ンテナーを用いて多数の電子部品等(以下、単にワーク
と記す)を搬送する場合は、多数のワークをコンテナー
内にランダムに投入して、ベルトコンベアや搬送アーム
等によって次の処理工程や保管室等に自動搬送するよう
にしている。
【0004】ところで、搬送対象である物品が、例えば
電子部品等のようにサイズが小さいものである場合に
は、搬送路に多数の孔を設け、これら多数の孔を通じて
エアを吹き出させて物品を搬送する方法が知られてい
る。
【0005】この方法によれば、多数の小形物品をスム
ーズに搬送して、搬送時間の短縮化を図ることができ
る。また、物品へのゴミ等の異物の付着を軽減できる点
においても有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
エアを用いた搬送装置においては、装置の堅牢性を確保
するために、搬送装置の材質としてアルミニウムや鋼材
等の金属材料が通常用いられている。しかしながら、こ
れらの金属材料を用いて搬送装置を作製する場合、サイ
ズが小さい物品の浮上状態を好適に制御するための微細
なエア噴射孔を搬送面に形成することは容易ではない。
また、搬送装置を長期間使用した場合、搬送路である溝
等に摩耗を生じ、その摩耗により発生する摩耗屑が異物
として物品に付着する問題もある。
【0007】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、エアによって寸法の小さな物品を浮上さ
せながら一方向に搬送させる搬送系の自動化を図るとと
もに、微少なゴミ等の異物を発生させることなく物品を
クリーンな状態で取り扱うことを可能とした物品搬送装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る物品搬送装
置は、エアを噴射して物品を浮上させて搬送する装置で
あって、物品の搬送路を構成する溝が少なくとも1列設
けられ、前記溝の側壁が形成される第1層と、前記溝の
底壁であって複数の噴射エアの噴射孔が形成される第2
層と、前記複数の噴射エアの噴射孔にエアを分配供給す
るためのエアの分配流路が形成される第3層と、前記第
3層を閉塞するための第4層とにより構成され、少なく
とも前記第2層の材質はセラミックであることを特徴と
する。ここでは、セラミックの種類を限定するものでは
ないが、強度等の面から、部分安定化ジルコニアを用い
ると好適である。
【0009】セラミックは成形時に精密加工を容易に行
うことができるため、前記第2層に孔径が数十〜百μm
程度の微細な複数の噴射流体の噴射孔を形成することに
より、寸法の小さい物品の浮上搬送を好適に行うことが
できる。この場合、前記噴射孔は物品1個に対応する搬
送路面積当たり少なくとも3箇所程度設けることが好ま
しい。
【0010】また、搬送路となる溝の側壁を形成する第
1層の材料としてセラミックを用いた場合についても、
同様に、細密な加工を行うことができ、例えば、物品と
して約0.2mmの方形の半導体用チップを搬送する場
合、搬送路である溝間のピッチを約0.5mm程度と小
さくすることができ、物品搬送装置の小型化が図られ
る。さらに、絶縁体のセラミックを用いれば、印刷等に
より容易に電極を各層上に形成することができて好適で
ある。
【0011】さらに、第3および第4層を含む各層のす
べての材質をセラミックとしてもよく、この場合、例え
ば、各層毎に成形品を焼成して作製しこれを接着して一
体化することにより、異種材質を用いた場合の膨張、収
縮による歪み等が発生することが阻止される。あるいは
また、前記各層成形品を積層した後、焼成処理して作製
することにより、接着作業を不要とすることができ、コ
スト面および物品の取り扱いのクリーン化度の面からも
好適である。
【0012】さらに、本発明に係る物品搬送装置におい
て、前記第1層の材質を、ガラスまたは合成樹脂とする
ことも好ましい。予め成形、焼成した前記第2層の表面
に金属材料を用いた電極等を形成する場合、第2層に積
層して焼成する第1層については第2層のセラミックの
融点以下で焼成する必要があり、この観点からは、前記
第1層の材質として、セラミックでなく、融点の低いガ
ラスまたは合成樹脂を用い、電極が印刷加工された第2
層に印刷、あるいは塗布等により積層した後焼成するこ
とが一層望ましい。ガラスを用いることは耐摩耗性の面
からも好適である。ここで、ガラスまたは合成樹脂の積
層法としては前記したガラス材料等を第2層に印刷等す
る方法に限定することなく、ガラス等の成形品を接着剤
を用いて第2層を接着してもよい。ここで、前記ガラス
または合成樹脂はその種類を特に限定するものではな
い。
【0013】さらにまた、本発明に係る物品搬送装置
は、前記搬送路の搬送方向終端部に物品の走行を一旦停
止させるためのストッパ機構を有し、前記ストッパ機構
は少なくとも一組の圧電体を有することを特徴とする。
ここで、前記一組の圧電体はともに物品の浮上高さより
もわずかに低い高さにその上端が位置するように設けら
れる。そのうちの第1の圧電体は、印加されて生じる歪
みにより上端位置が上昇し、第1の圧電体自体が搬送路
上の障壁となって、搬送されてきた物品がこれに衝突し
て一旦停止され、その後、印加を解除されて前記停止さ
せた1つの物品(第1の物品)を搬送方向の下流の物品
取り出し箇所に送って、物品の取り出し作業を行うため
のものである。また、第2の圧電体は、前記第1の圧電
体の搬送方向上流側にあって、前記第1の物品の後方
(搬送方向上流側)に位置する次の物品(第2の物品)
を予めその位置で一旦停止させるためのものである。こ
こで、前記第2の圧電体については、搬送方向上流側に
さらに1つ以上設けることもできる。
【0014】従来のエアを用いた搬送装置においては、
エアを吹き出させて一方向に搬送させるだけであるた
め、搬送路の搬送方向終端部分において物品同士が密着
し合うこととなり、前記終端部分に到達した物品の取り
出しが困難になるというおそれがある。特に、単品取り
出しが必要な半導体チップ等においては、手作業によっ
て単品取り出しを行っており、搬送系の全自動化を実現
することができないという問題がある。
【0015】これに対して、本発明の構成により、前記
第1の圧電体を印加して作動させることにより、第1の
物品の走行をその場所で確実に一旦停止し、その後印加
を解除して、前記停止した第1の物品のみをさらに搬送
方向下流の物品取り出し箇所に送ることができる。ここ
で、前記第1の物品のみを搬送方向下流に送る際に、搬
送方向上流に設けられた第2の圧電体を印加して作動さ
せて、送られてきた第2の物品を減速、停止させること
により、後方(搬送方向上流側)に位置する第2の物品
がそのまま連続して搬送されて第1の物品と重なり合う
ことを防ぐことができる。これにより、物品取り出し箇
所において容易に物品の取り出しを行うことができる。
【0016】また、本発明に係る物品搬送装置は、前記
搬送路に物品の搬送個数を計測するためのカウンタ機構
を設け、前記カウンタ機構は物品通過時の静電容量変化
等によって生じる極間電圧の変化を検知するための電極
を有することを特徴とする。このカウンタ機構からの情
報を活用することにより、物品搬送装置の自動化を一層
好適に実現することができる。
【0017】前記搬送路となる溝は、通常、物品の品質
レベルに応じて複数設けられている。これに対応して搬
送路毎に多数の物品取り出し装置を設ければ、多数の物
品取り出し装置毎に適宜適当なカウンタ機構を取り付け
ることが可能であるが、設備費用や設置スペース等の観
点から実際には1乃至数基の物品取り出し装置のみが共
用する形で設けられるのが実状であり、したがって、各
品質レベル毎の物品数を個別にカウントすることができ
ない。本発明の構成とすることにより、搬送路毎に設け
た電極が連続的に印加された状態において、物品通過時
の物品と物品非通過時の空気の静電容量等の相違によっ
て極間電圧の変化が検知されて、確実に各品質レベル毎
に物品通過量をカウントすることができる。また、前記
カウンタ機構を搬送路の中途に設ければ、搬送路終端の
物品取り出し箇所から該搬送路の中途の間に滞留する物
品の個数を把握するセンサとして用いることもできる。
【0018】前記搬送路において、先行する第1の物品
は、後方の第2の物品に押されながら両者が接触した状
態で搬送されるため、前記カウンタ機構により1つ1つ
の物品を判別することができない。そこで、前記カウン
タ機構を、物品が確実に分離される前記搬送路の物品取
り出し箇所に設けることにより、物品の通過量を確実に
カウントすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る物品搬送装置
を例えば多数の半導体チップを搬送させる搬送装置に適
用した実施の形態例(以下、単に本実施の形態に係る搬
送装置と記す。)を図1〜図9を参照しながら説明す
る。
【0020】本実施の形態に係る搬送装置10には、図
1に示すように、多数の半導体チップを搬送するための
搬送路12を構成する溝が複数本それぞれ並列に形成さ
れ、これらの溝を含む搬送装置10の本体は全て部分安
定化ジルコニア(PSZ)を材料として作製される。
【0021】前記搬送装置10は、半導体チップを品質
レベルに応じて選別するためのものである。すなわち、
半導体チップの品質検査の完了したウエハ14は前記搬
送装置10に運ばれ、ウエハ14から半導体チップが1
枚ずつロボット16aにより真空吸着されて、予め品質
レベル毎に設定された特定の搬送路12に運ばれる。搬
送装置10の前記特定の搬送路12には逐次同一品質を
有する半導体チップが投入されて搬送される。搬送路1
2の終端部に搬送された半導体チップは、ロボット16
bにより真空吸着されて、品質レベル毎に特定されたケ
ース18a〜18nに運ばれ、所定数量収納された後、
ケース18a〜18nは次工程に運ばれる。
【0022】本実施の形態に係る搬送装置10は、投入
した半導体チップを浮上させる機構、浮上した半導体チ
ップを搬送方向に搬送する機構(推進機構)および搬送
路12の終端部において、半導体チップを1枚毎に確実
に取り出す機構から基本的に構成される。その1つの例
を図2に示す。
【0023】図2に示す搬送装置10の1つの搬送路1
2において、投入した半導体チップ26を浮上させる機
構として、前記搬送路12の搬送面には上向きにエアを
噴射するための噴射孔20が設けられる。また、前記浮
上した半導体チップ26を搬送方向に搬送する機構とし
てエアブロー用配管22が設けられ、前記エアブロー用
配管22は図示しないエアポンプおよび電磁弁等からな
るエア供給系に接続されており、エアブロー用配管22
の先端のノズル24からは、圧力約0.5kgf/cm
2 のエアが半導体チップ26に向けて噴射されるように
構成されている。
【0024】さらに、搬送された物品を1枚毎に確実に
取り出すために、搬送路12の終端部の搬送面には、他
の箇所より多い数のエア噴射孔20が設けられ、ここで
半導体チップ26の1枚のみをさらに浮上させて、ロボ
ット16bにより真空吸着して円滑に搬送する(図1参
照)。
【0025】なお、搬送方向終端壁28には上下方向に
複数のスリット30が設けられており、これにより、こ
の終端壁28がいわゆる吹き溜まり箇所となって堆積さ
れた異物が半導体チップ26に付着することを回避する
ことができる。
【0026】また、本実施の形態に係る搬送装置10
は、セラミックで作製されているために、搬送装置10
の摩耗屑に起因して異物が発生することもなくなる。
【0027】浮上した半導体チップ26を搬送方向に搬
送する機構(推進機構)として、前記した例に代えて搬
送路12を搬送方向に向けて所定角度だけ下方に傾斜す
る手段を用いることができる。この場合、浮上した半導
体チップ26は自重により搬送されることになる。
【0028】また、前記搬送路12の搬送面に搬送方向
に向けて噴射するように多数のエア噴射孔20を穿設し
てもよく、これにより、エア噴射孔20から噴射される
エアにより半導体チップ26に対して浮上力とともに推
進力を与えることができる。
【0029】半導体チップ26を1枚毎に確実に取り出
す機構についても、前記した例に代えて、前記搬送路1
2の平面形状を前記半導体チップ26の浮上量が終端壁
28近傍において最大となる形状とする手段を設けるこ
とができる。これにより、終端壁28におけるエア噴射
孔20の数が他の箇所と同じであっても、半導体チップ
26と搬送路間のギャップからリークされるエアの量が
他の箇所よりも少なくなるために半導体チップ26の浮
上力を増すことができる。
【0030】さらに、半導体チップ26に異物が付着す
ることを解消するために、前記搬送方向終端壁28に半
導体チップ26の方向(搬送方向上流側)に突起を設
け、前記終端壁28と半導体チップ26とが突起部分で
点接触するようにしてもよい。
【0031】図3は、図2のIII−III線上で破断
して示す概略斜視図である。搬送装置10は上層から順
に第1〜第4層31a〜31dの全てが部分安定化ジル
コニア層により構成される。各層31a〜31dはそれ
ぞれシート成形されたものを一体化して焼成して作製
し、あるいは焼成品である各層31a〜31dを接着し
て作製される。
【0032】第1層31aには、搬送路12となる溝が
細密に加工形成される。例えば、約0.2mmの方形の
半導体チップ26を搬送する搬送路12として、約0.
5〜0.7mm程度の溝中心間のピッチで約0.2〜
0.3mm程度の幅(W)の微細な溝を寸法精度よく形
成することができ、搬送装置10を小型化することがで
きる。
【0033】第2層31bには、多数のエア噴射孔20
が形成され、また後述する圧電体に接続される電極32
a〜32cが印刷加工される。この場合においても、エ
ア噴射孔20として微細な孔、例えば孔径10〜120
μmのものを細密に加工することができ、また電極32
a〜32cの印刷加工も容易に行うことができる。な
お、エア噴射孔20は、好適には、1つの半導体チップ
26に対応して少なくとも3つ設けられる。
【0034】第3層31cには、前記第2層31bに設
けられた多数のエア噴射孔20にエアを分配供給するた
めのエア分配流路34が形成される。この場合、エア分
配流路34は搬送路12全体に対して1つの室として形
成してもよく、また、後述するエア供給孔36を搬送路
12の搬送方向に沿って複数設ける場合には、エア供給
孔36毎に対応して区画された複数の室として形成して
もよい。
【0035】第4層31dは、前記第3層31cのエア
分配流路34を閉塞するものであり、図3の例において
は、前記エア分配流路34にエア供給孔36が形成され
る。エア供給孔36の数は、少なくとも第3層31cに
設けられた前記エア分配流路34の室の数に対応する。
なお、前記エア供給孔36は例えば前記第3層31cの
側面に設けてもよく、この場合には、第4層31dは加
工のされてないシートを用いる。
【0036】なお、第2層31bについては、部分安定
化ジルコニア(PSZ)等のセラミックを材料として用
いることが必要であるが、第3層31c、第4層31d
については、第2層31bと同一材料とすることによ
り、熱膨張、熱収縮による反り等の問題が解消できて好
適であるが、必ずしもこれに限定するものではない。
【0037】また、第1層31aについては、前記した
電極32a〜32cを印刷加工する場合において、電極
32a〜32cの材料として金や白金等の金属に第2層
31bに用いた部分安定化ジルコニア(PSZ)等のセ
ラミックを分散させたサーメット材料を用いるときは、
第1層31aとしてセラミックを好適に用いることがで
きる。これに対して、電極32a〜32cの材料として
金や白金等の金属を用いるときは、第1層31aをセラ
ミック成形品としこれを焼成して作製すると、これら金
属が溶融して適当ではないため、セラミックに代えてガ
ラス材料を印刷等の方法により積層した後、焼成するこ
とが好適であり、また、合成樹脂を接着加工することも
できる。
【0038】次に、本実施の形態の搬送装置10に用い
られるストッパ機構について説明する。
【0039】図4に示すように、搬送装置10の搬送路
12は半導体チップ26の品質レベルに対応して設けら
れる10条の溝から構成される。図4中、左側の投入箇
所より投入された半導体チップ26は、図4中、矢印方
向の搬送方向終端側に浮上搬送される。搬送路12の長
さは約300mmである。搬送方向終端付近には、スト
ッパ機構として、第1および第2の圧電体38a、38
bが設けられる。
【0040】前記第1および第2の圧電体38a、38
bとしては、膜状に形成された圧電セラミックを好適に
用いることができるが、電歪セラミックあるいは強誘電
体セラミックであってもよい。また、分極処理が必要な
材料でも、必要がないものであってもよい。圧電体38
a、38bは、これらのセラミック材料を搬送装置10
の第2層31bの成形品に印刷等の方法により積層した
後、焼成して作製する。セラミックの種類としては、例
えば、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ
酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛等を単独で
またはこれらの成分を組み合わせたものが挙げられる
が、ジルコン酸鉛、チタン酸鉛およびマグネシウムニオ
ブ酸鉛を主成分とする材料であると、高い電気機械結合
係数と圧電定数を有することに加え、後述する圧電体3
8a、38bの焼成(焼結)時における搬送装置10の
部材との反応性が小さく、所定の組成のものを安定に形
成できる点において好適である。
【0041】図5の搬送方向終端付近の拡大図におい
て、第1の圧電体38aは、搬送方向終端壁28から半
導体チップ26の1枚分強の距離だけ離間して搬送方向
上流に設けられ、第2の圧電体38bは、前記第1の圧
電体38aの位置からさらに半導体チップ26の1枚分
強の距離だけ離間して搬送方向上流に設けられる。搬送
装置10の第2層31b上には、前記第1および第2の
圧電体38a、38bが回路を構成するための、個別電
極32a、32bおよび共通電極32cが設けられる。
これらの電極32a〜32cは、図示しない直流電源に
接続される。前記第1および第2の圧電体38a、38
bに接合された共通電極32cの上端部は、半導体チッ
プ26の浮上高さよりも約3〜5μm程度低くなるよう
に設けられる。なお、図5中、搬送方向終端壁28の近
傍に設けられるカウンタ用の電極40a、40bについ
ては、後述する。
【0042】ここで、電極32a〜32cの材料は、
金、白金、イリジウム、タングステン、タンタル、ス
ズ、銀、ロジウム等の室温で固体である導電性金属の単
体あるいはこれらを組み合わせたものや、あるいは、こ
れらにさらに圧電体38a、38bまたは搬送装置10
の第2層31bと同じセラミック材料を分散させたサー
メット材料を用いることもできる。これら電極32a〜
32cは、圧電体38a、38bの材料の融点を考慮し
ながら高融点材料を用いて前記圧電体38a、38bと
一体的に焼成して形成してもよく、また、低融点材料を
用いて前記圧電体38a、38bを予め焼成して形成し
た後に、別途形成してもよい。
【0043】図6は図5のVI−VI線断面図である。
圧電体38bは、その上下を共通電極32cと個別電極
32bにより挟まれて接着される。図6は、半導体チッ
プ26が前記圧電体38bの上部位置に搬送される状態
を示す。搬送装置10の第2層31bは、約20μm程
度の薄膜で形成されており、第1層31aと第3層31
cとで挟着される両端部を固定端として十分な可撓性を
有する。
【0044】なお、圧電体38a、38bおよび電極3
2a〜32cの配置構成としては、図7に示すように、
搬送装置10の第2層31bの上に圧電体38a、38
bを形成し、さらに圧電体38a、38b上に、くし形
状に形成された個別電極32a、32bおよび共通電極
32cのくし歯に相当する部分を一定間隔離間して相補
的に配設してもよく、また、図8に示すように、くし形
状に形成された個別電極32a、32bおよび共通電極
32cのくし歯に相当する部分を一定間隔離間して相補
的に配設し、その間隙部分に圧電体38a、38bを形
成してもよい。
【0045】次に、前記ストッパ機構の動作について以
下説明する。
【0046】図9は、図4のIX−IX線断面を示して
おり、第1の圧電体38aは、これを印加して作動させ
て搬送路中の障壁とし、半導体チップ26aがこの障壁
に衝突することにより、搬送方向終端付近まで搬送され
た半導体チップ26aの走行をその地点で確実に一旦停
止させる。その後印加を解除して半導体チップ26aの
浮上高さよりも僅かに低い原状高さに復帰し、前記停止
した半導体チップ26aのみがさらに搬送方向下流の物
品取り出し位置に送られる。半導体チップ26aが前記
物品取り出し位置に送られた後、第1の圧電体38aを
印加して作動させ後続の半導体チップ26bを停止させ
る。以降、この動作が繰り返される。
【0047】第2の圧電体38bは、前記第1の圧電体
38aが原状高さに復帰して半導体チップ26aのみを
搬送方向下流の物品取り出し位置に送る際に、後方(搬
送方向上流側)に位置する半導体チップ26bがそのま
ま直接取り出し位置まで搬送されて半導体チップ26a
と重なり合うことを防ぐために、印加して作動させて、
第2の圧電体38bと送られてきた半導体チップ26b
との接触面における摩擦力により半導体チップ26bを
減速、停止させるものである。したがって、第1の圧電
体38aは、所定の搬送能力に合わせて一定の周期で印
加と遮断が繰り返され、これに対して、第2の圧電体3
8bは、前記第1の圧電体38aの印加が遮断されてい
る間およびその前後の余裕期間にのみ印加されることに
なる。この際、前記したように、圧電体38a、38b
の配設された第2層31bは十分な可撓性を有するた
め、印加時の圧電体38a、38bの歪みが拘束される
ことなく有効に作用させることができる。
【0048】前記した作用を確実に発揮するために、圧
電体38a、38bの原状厚み(高さ)を、それぞれ約
10〜30μm程度とすることが好ましい。なお、前記
第2の圧電体38bの表面には、摩擦力を増加させるた
めに、耐摩耗性の良好なガラスや樹脂膜等を形成する
と、より好適である。
【0049】次に、本実施の形態の搬送装置10に用い
られるカウンタ機構について、以下説明する。
【0050】カウンタ機構は、搬送路12上の位置のう
ち、前記第1または第2の圧電体38a、38bの位置
に設けられる。この場合、図6に示すように、共通電極
32cをカウンタ機構の電極の1つとして利用し、搬送
される半導体チップ26を上下から挟むようにもう1つ
の電極44を対置して設けることにより、電極および回
路の一部が共用できて好適である。また、カウンタ機構
としての一組の電極を搬送路12の中間位置、例えば、
図4中、搬送路12上に滞留する9つの半導体チップ2
6の上流側(搬送方向終端壁28の反対側)の端部の半
導体チップ26aの位置に設けても良い。なお、前記カ
ウンタ機構用電極40a、40bとして用いる材料およ
び作製方法については、前記圧電体38a、38bに接
続される各電極32a〜32cと同様であり、また、こ
れに限定することなく通常の導電性材料を適宜選択して
使用することができる。
【0051】前記カウンタ機構用電極40a、40bの
動作は以下のとおりである。
【0052】電極40a、40b間には電圧が連続的に
印加される。前記電極40a、40b上に半導体チップ
26がないときは、空気を誘電体とするコンデンサが結
合された状態となり、これに相応する極間電圧(V1
が検出される。これに対して、図5に示すように半導体
チップ26の1枚が搬送方向終端壁28の近傍に搬送さ
れると、前記半導体チップ26を誘電体とするコンデン
サが結合された状態となり、前記極間電圧(V1 )より
も低い極間電圧(V2 )が検出される。したがって、電
圧計により極間電圧を連続的に検出することにより、電
圧の変化する数をカウントし、これを前記半導体チップ
26の搬送された枚数として把握することができる。
【0053】前記ストッパ機構の作用により前記搬送方
向終端壁28の近傍には1枚の半導体チップ26のみが
確実に搬送されてきており、複数枚の半導体チップ26
が重なる、あるいは繋がった状態とはならないため、カ
ウンタ機構により半導体チップ26の搬送枚数を確実に
カウントすることができる。このカウンタ機構の情報を
用いて、搬送速度を制御する等により搬送装置の自動化
を一層促進することができる。また、カウンタ機構を搬
送路12の中間位置に設け、その位置に一定個数の半導
体チップ26が滞留していることを知らせるセンサとし
て利用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る物品
搬送装置によれば、物品の搬送路を構成する溝が少なく
とも1列設けられ、前記溝の側壁が形成される第1層
と、前記溝の底壁であって複数の噴射エアの噴射孔が形
成される第2層と、前記複数の噴射エアの噴射孔にエア
を分配供給するためのエアの分配流路が形成される第3
層と、前記第3層を閉塞するための第4層とにより構成
され、少なくとも前記第2層の材質はセラミックとす
る。
【0055】このため、エアによって物品を浮上させな
がら一方向に搬送させる搬送系として、自動化に適した
物品搬送装置を得ることができるという効果が達成され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る物品搬送装置の概略斜視図
である。
【図2】図1の物品搬送装置における1つの搬送路の概
略斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面の概略斜視図であ
る。
【図4】図1の物品搬送装置の概略平面図である。
【図5】図4における搬送路終端壁近傍の概略拡大図で
ある。
【図6】図5のVI−VI線断面を示す概略図である。
【図7】第1の変形例に係る圧電体の概略斜視図であ
る。
【図8】第2の変形例に係る圧電体の概略斜視図であ
る。
【図9】図4のIX−IX線断面の一部を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
10…搬送装置 12…搬送路 20…エア噴射孔 22…エアブロー用
配管 26、26a、26b…半導体チップ 28…終端壁 30…スリット 31a〜31d…層 32a〜32c、40a、40b、44…電極 34…エア分配流路 36…エア供給孔 38a、38b…圧電体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エアを噴射して物品を浮上させて搬送する
    装置であって、 物品の搬送路を構成する溝が少なくとも1列設けられ、 前記溝の側壁が形成される第1層と、前記溝の底壁であ
    って複数の噴射エアの噴射孔が形成される第2層と、前
    記複数の噴射エアの噴射孔にエアを分配供給するための
    エアの分配流路が形成される第3層と、前記第3層を閉
    塞するための第4層とにより構成され、 少なくとも前記第2層の材質はセラミックであることを
    特徴とする物品搬送装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の物品搬送装置において、 前記第1層の材質はガラスまたは合成樹脂であることを
    特徴とする物品搬送装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の物品搬送装置にお
    いて、 前記搬送路の搬送方向終端部に物品の走行を一旦停止さ
    せるためのストッパ機構を有し、 前記ストッパ機構は少なくとも一組の圧電体を有するこ
    とを特徴とする物品搬送装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品
    搬送装置において、 前記搬送路に物品の搬送個数を計測するためのカウンタ
    機構を設け、 前記カウンタ機構は物品通過時の静電容量変化によって
    生じる極間電圧の変化を検知するための電極を有するこ
    とを特徴とする物品搬送装置。
JP29113398A 1997-12-16 1998-10-13 物品搬送装置 Pending JPH11236125A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007238288A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Seiko Epson Corp ワーク搬送装置
JP2012136340A (ja) * 2010-12-27 2012-07-19 Taesung Engineering Co Ltd エア供給装置

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