JPH11235742A - 非晶性樹脂の射出成形方法及び射出成形装置 - Google Patents

非晶性樹脂の射出成形方法及び射出成形装置

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JPH11235742A
JPH11235742A JP3893998A JP3893998A JPH11235742A JP H11235742 A JPH11235742 A JP H11235742A JP 3893998 A JP3893998 A JP 3893998A JP 3893998 A JP3893998 A JP 3893998A JP H11235742 A JPH11235742 A JP H11235742A
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mold
temperature
resin
mold clamping
injection
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JP3893998A
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Akio Okamoto
昭男 岡本
Etsuo Okahara
悦雄 岡原
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部歪が極めて少ない高品質
な射出成形品を安定して成形できる非晶性樹脂の成形方
法および成形装置を提供しようとするものである。 【解決手段】 対向する一対の金型を型締し
た後、金型空間内に溶融樹脂を射出充填し、射出充填後
の保圧工程における樹脂の温度がゴム状弾性を示す温度
領域内で予め設定した設定温度に到達した時点、あるい
は、射出充填後の保圧工程完了後に加熱手段を用いて金
型内の樹脂を加熱し、金型内の樹脂の温度がゴム状弾性
を示す温度領域内で予め設定した設定温度に到達した時
点で、樹脂と金型との間に所定の型開量を設けて所定の
設定時間保持するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歪の少ない射出成
形品を得る成形方法および射出成形装置に関するもの
で、特に、コンパクト・ディスク、レーザ・ディスク、
プラスチック・レンズ等の光学的特性を重視される成形
品の成形に有効な技術である。
【0002】
【従来の技術】射出成形品全般において、成形品の変
形、反りを少なくすることは永遠の課題である。特に、
光学的特性を重視されるコンパクト・ディスク、レーザ
・ディスク、プラスチック・レンズ等の成形品およびガ
ラス代替等の透明樹脂成形品にあっては、変形、反りを
生じさせない程度の微小な内部歪が存在しても、複屈折
率の変化による光学的異方性を招来し不良品となってし
まう。このように成形品の内部歪を厳しく管理しなけれ
ばならない成形品を、一般的な射出成形方法および射出
成形装置で成形することは困難であることから、これに
代わる成形手段として、型開状態で溶融樹脂を射出充填
した後に型締力を負荷して金型内の樹脂を賦形する射出
プレス成形方法および射出プレス成形装置が用いられ
る。射出プレス成形では、型開状態で溶融樹脂を射出充
填することにより、一般的な射出成形と比較して充填圧
力の低下および流動偏圧の低減が達成され、さらに、型
締側から全面均一な型締保圧を負荷することによる型内
圧力分布の平準化が達成されるので、内部歪の低減効果
を発揮する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、射出プ
レス成形でも改善できない問題点として、金型内樹脂の
指向性凝固に伴なって内部歪が発生するという不都合が
存在する。ここで言う金型内樹脂の指向性凝固とは、金
型と接している部分すなわち成形品の表面に近い部分ほ
ど冷却が早く、成形品の中心に近い部分ほど冷却が遅い
ことであり、遅れて冷却される成形品の中心に近い部分
の収縮・凝固に際し、既に凝固している成形品の表面に
近い部分の樹脂を圧縮する(中心部は引っ張り変形す
る)ことに起因して内部歪が発生する。従って、内部歪
を極めて厳しく管理しなければならない成形品にあって
は、射出プレス成形によっても安定生産することが困難
である。そこで、金型内樹脂の指向性凝固に伴なって内
部歪が発生するという不都合への対処として、たとえ
ば、金型キャビティ表面に断熱層を形成した多層金型の
使用や金型温度を高温にする等の手段によって、金型内
樹脂の冷却速度を緩慢にする試みがなされてきたが、生
産性の低下によるコストアップを招来するばかりでな
く、希望する内部歪の低減効果を発揮するには至ってい
ないのが実状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明においては、第1の発明では、対向
する一対の金型を型締した後、金型空間内に溶融樹脂を
射出充填し、射出充填後の保圧工程における樹脂の温度
がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定した設定温度
に到達した時点、あるいは、射出充填後の保圧工程完了
後に加熱手段を用いて金型内の樹脂を加熱し、金型内の
樹脂の温度がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定し
た設定温度に到達した時点で、樹脂と金型との間に所定
の型開量を設けて所定の設定時間保持するようにした。
【0005】第2の発明では、対向する一対の金型を型
締した後、金型空間内に溶融樹脂を射出充填し、射出充
填後の保圧工程完了後に加熱手段を用いて金型内の樹脂
を加熱し、金型内の樹脂の温度がゴム状弾性を示す温度
領域内で予め設定した設定温度に到達した時点で、樹脂
と金型との間に所定の型開量を設けて所定の設定時間保
持するようにした。
【0006】また、第1の発明を主体とする第3の発明
においては、金型内に充填された樹脂の温度を検出する
温度検出部と、型締状態の切替タイミングを金型内の樹
脂がゴム状弾性を示す温度領域内の温度で設定し入力す
る温度条件設定部と、該温度検出部の検出信号と該温度
条件設置部の設置値を比較して切替タイミング指令を発
する比較制御部と、射出充填工程および保圧工程におけ
る型締条件ならびに型締状態切替後の設定型開量および
型開保持時間を設定入力する型締条件設定部と、該型締
条件設定部の設定値および前記比較制御部が発した型締
状態の切替タイミング指令に基づいて型締機構を制御す
る型締制御部とを有する射出成形装置とした。
【0007】さらに、第2の発明を主体とする第4の発
明においては、金型内に充填された樹脂の温度を検出す
る温度検出部と、型締状態の切替タイミングを金型内の
樹脂がゴム状弾性を示す温度領域内の温度で設定し入力
する温度条件設定部と、該温度検出部の検出信号と該温
度条件設置部の設置値を比較して切替タイミング指令を
発するとともに加熱制御指令を発する比較制御部と、該
比較制御部が発した加熱制御指令に基づいて金型内に充
填された樹脂を加熱する加熱手段と、射出充填工程、保
圧工程および加熱工程における型締条件ならびに型締状
態切替後の設定型開量および型開保持時間を設定入力す
る型締条件設定部と、該型締条件設定部の設定値および
前記比較制御部が発した型締状態の切替タイミング指令
に基づいて型締機構を制御する型締制御部とを有する射
出成形装置とした。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を実施することにより、以
下のような好ましい成形が実施される。通常使用される
非晶性樹脂のガラス転移点は室温よりも高く、たとえば
ポリスチレン樹脂で120℃、ポリカーボネート樹脂で
150℃である。このため製品の肉厚にもよるが、ガラ
ス転移点以上の樹脂温度を保った状態では、冷却が不充
分であり金型に接する表面部と中心部ではかなりの温度
差が存在する。この状態で樹脂と金型との間に所定の型
開量を設けることによって、成形品表面から金型への熱
の移動が遮断されるとともに温度の高い成形品内部から
温度の低い成形品表面部へ熱が移動して、成形品の厚さ
方向の温度差が大幅に少なくなる。その結果、金型内樹
脂の指向性凝固に伴なって冷却工程中に新たに発生する
内部歪を低減させる。その上、成形品の温度分布の平準
化に伴って成形品全体が内部歪の緩和可能な温度範囲に
留まる時間が延長されることによって、射出充填工程の
影響で既に成形品に存在している内部歪をも低減させる
ことができる。つまり、金型内で歪取りの熱処理を行な
っているのと同じことになるので、前記の指向性凝固に
伴なう内部歪の低減効果とあいまって、内部歪が極めて
少ない高品質な成形品を安定して提供できる。
【0009】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図4は本発明の実施例に係り、
図1は第1の発明に用いる射出成形装置の全体構成図、
図2は第2の発明に用いる射出成形装置の全体構成図、
図3は第1の発明の射出成形工程のフローチャート、図
4は第2の発明の射出成形工程のフローチャートであ
る。図1および図2に示すように、本発明による射出成
形装置100は金型装置10、型締装置20、射出装置
30および制御装置60で構成されている。金型装置1
0は、型締装置20の固定盤1に取付けられた固定金型
3と、型締装置20の可動盤2に取付けられた可動金型
4とからなり、温度センサ8が組付けられている。型締
装置20の可動盤2は図示しないタイバーに案内され、
型締シリンダ22の駆動によって可動金型4とともに前
後進できるよう構成されている。射出装置30は、スク
リュフライト36を備えたスクリュ34がバレル32内
に回転自在で、かつ、前後進自在に配設されている。油
圧モータ42により駆動されるスクリュ34の回転とと
もに、ホッパ38に供給された樹脂ペレットはスクリュ
前方へ送られる。この間に、バレル32の外周面に取付
けられている図示しないヒータによる加熱を受けるとと
もに、スクリュ回転による混練作用を受けることによっ
て樹脂ペレットは溶融する。スクリュ前方へ送られた溶
融樹脂は、射出シリンダ40により駆動されて前進する
スクリュ34によってノズル39側へ押出されて、ノズ
ル39を経由して金型3、4間に形成される金型キャビ
ティ5内へ射出充填される。射出シリンダ40及び油圧
モータ42には、油圧供給源50から供給される作動油
が、射出制御部61の操作指令を受けた電磁リリーフ弁
52によって設定された一定の圧力で供給され、スクリ
ュ前進及びスクリュ回転を駆動できるように構成されて
いる。
【0010】次に、制御装置60について述べる。第1
の発明に用いる射出成形装置の制御装置60は、図1に
その概要を示すように、射出制御部61、型締制御部6
2、比較制御部63、位置検出部64、温度検出部6
5、型締条件設定部66、温度条件設定部67、型開量
センサ6、温度センサ8等から構成されている。温度セ
ンサ8で検出された金型内樹脂の実測温度の情報は、温
度検出部65を経由して比較制御部63に接続されてい
る。なお、比較制御部63には温度条件設定部67も接
続されていて設定温度と実測温度との比較結果の情報を
型締制御部62に送るように接続されている。また、型
締制御部62には型開量センサ6で計測され位置検出部
64を経由した実測型開量の情報も接続されている。さ
らに、型締制御部62は型締条件設定部66と接続され
るとともに射出制御部61とも接続されている。
【0011】第2の発明に用いる射出成形装置の制御装
置60は、図2にその概要を示すように、加熱手段68
が設けられている点以外は第1の発明に用いる射出成形
装置の制御装置60と同等である。加熱手段68は比較
制御部63からの指令信号を受けて、固定金型3および
可動金型4を介して金型キャビティ内の樹脂を加熱す
る。加熱手段68としては、たとえば、金型を閉じた状
態で金型キャビティ形状に沿って金型内部に配置された
通電型発熱体を用いる。これ以外に加熱媒体循環による
金型加熱、金型キャビティ面に通電加熱薄膜をコーティ
ングした薄膜加熱、磁気あるいは高周波等による誘電発
熱を利用した金型加熱等の加熱方式を用いた金型の加熱
で樹脂を加熱する方法、温熱風あるいは加熱蒸気等を金
型から樹脂に向けて噴射して加熱する方法、樹脂に誘導
発熱材質を混入させて直接誘導発熱させる方法、上記加
熱手段を用いて一旦金型を型開した状態で輻射熱等を利
用して加熱する方法、ヒータ・温熱風吹出し・ハロゲン
ランプ加熱照射等の金型外部の加熱手段を金型内に挿入
して加熱する方法、等の加熱方法を単独あるいは複合的
に用いてもよい。
【0012】なお、本実施例では、温度センサ8を固定
金型3に配設したが、これに限定されるものではなく、
可動金型4に配設してもよい。また、本実施例では、直
圧式の型締機構を有する成形装置を用いたが、トグル式
や電動式、あるいは、竪型の型締機構を有する成形装置
を使用してもよい。
【0013】実施例(1) 図3に示すフローチャートは、第1の発明の実施例であ
る。 (1)樹脂の種類や製品形状等に対し適切な型締制御パ
ターンを予め選択・採用する。たとえば、充填された樹
脂の圧力で金型が開くことを許容するように比較的小さ
な型締力を設定して型締し、そのあとに射出充填する制
御パターンを採用すると、型開挙動に伴なうキャビティ
流動通路の拡大およびエア・ガス抜け効果による充填圧
力の低圧化・充填時間の短縮化により、射出充填時の樹
脂流動偏圧の低減とこれに起因する内部歪の低減効果を
得る。
【0014】(2)射出充填後の保圧工程においては、
射出充填により型開した金型を閉じる方向に型締力が作
用し金型キャビティの全面に均一な型締保圧を負荷する
ことで型内圧力分布の平準化が達成される。これによっ
て、射出充填時の樹脂流動偏圧に起因する内部歪の低減
効果を得る。後述するように、自己回復を利用した歪取
り熱処理工程では、射出充填・保圧工程で蓄積した内部
歪を除去することができるので、上記の型締制御パター
ンは必ずしも不可欠ではないが、より良い成形品を得る
ために有効な型締制御パターンと言える。
【0015】(3)選択した型締制御パターンで型締を
行ない溶融樹脂を射出充填し、射出充填後の保圧工程で
は充填された樹脂の温度変化を検知する。温度センサ8
で検出され温度検出部65を経由して比較制御部63に
送られた金型内樹脂の実測温度が、充填された樹脂がゴ
ム状弾性を示す温度領域内で予め設定した設定温度Mに
達した時点で、保圧工程を完了させるとともに、充填さ
れた樹脂と金型との間に所定の設定型開量Tを設けこの
型開量を所定の設定時間t1保持するように制御する。
【0016】設定温度Mは、成形中に蓄積された内部歪
を自己回復挙動を利用して歪取り熱処理を行なうための
温度条件として、充填された樹脂がゴム状弾性を示す温
度領域内(ガラス転移点Tg以上)に設定する。設定型
開量Tは、充填された樹脂から金型への熱移動を遮る断
熱層を確保するために、樹脂と金型との間に隙間を与え
る型開量として設定する。設定時間t1は、内部歪の自
己回復に要する時間として、たとえば、射出工程開始時
に計時を開始するタイマのタイムアウト信号で型開工程
を開始するように設定する。なお、内部歪の自己回復
は、充填された樹脂がゴム状弾性を示す温度領域内(ガ
ラス転移点Tg以上)にあることが前提となるが、充填
された樹脂の温度がガラス転移点Tgに低下するまでの
時間的余裕は大きくない。前述のように、射出充填・保
圧工程で内部歪の低減効果を得るための型締制御パター
ンを採用することが、ここでの時間的余裕が少ないこと
をカバーするのに大きく貢献するのである。
【0017】(4)設定時間t1の経過後は、型開工程
では型締制御部62が型締シリンダ22を駆動して両金
型3、4を開き、製品取出し工程では製品(成形品)の
取出しを実施することで1サイクルの成形工程を完了す
る。
【0018】実施例(2) 図4に示すフローチャートは、第2の発明の実施例であ
る。 (1)樹脂の種類や製品形状等に対し適切な型締制御パ
ターンを予め選択・採用する。後述するように、本実施
例における歪取り熱処理工程では、加熱手段68による
積極的な自己回復を発揮させることができるので、実施
例(1)のように複雑な型締制御パターンを採用しなく
ても何ら問題がない。従って、通常の射出成形装置をそ
のまま利用できる等の型締制御システムの簡略化による
コストメリットを持つが、反面、加熱手段68およびそ
の制御の追加が必要となるデメリットもある。
【0019】(2)選択した型締制御パターンで型締を
行ない溶融樹脂を射出充填し、射出充填工程・保圧工程
の完了後に加熱手段68を用いて充填された樹脂を加熱
するとともに、充填された樹脂の温度変化を検知する。
温度センサ8で検出され温度検出部65を経由して比較
制御部63に送られた金型内樹脂の実測温度が、充填さ
れた樹脂がゴム状弾性を示す温度領域内で予め設定した
設定温度Mに達した時点で、充填された樹脂と金型との
間に所定の設定型開量Tを設けこの型開量を所定の設定
時間t2保持するように制御する。
【0020】設定温度Mは、成形中に蓄積された内部歪
を自己回復挙動を利用して歪取り熱処理を行なうための
温度条件として、充填された樹脂がゴム状弾性を示す温
度領域内(ガラス転移点Tg以上)に設定する。設定型
開量Tは、充填された樹脂から金型への熱移動を遮る断
熱層を確保するために、樹脂と金型との間に隙間を与え
る型開量として設定する。設定時間t2は、内部歪の自
己回復に要する時間として、たとえば、充填された樹脂
の温度が設定温度Mに達した時に計時を開始するタイマ
のタイムアウト信号で型開工程を開始するように設定す
る。なお、充填された樹脂の温度が設定温度Mに達した
以降も引き続き加熱手段68による加熱を継続してもよ
いし、あるいは、充填された樹脂の温度が設定温度Mに
達した以降は加熱を遮断してもよい。ただし、加熱を継
続する場合と遮断する場合では、適正な設定時間t2の
値が異なるので、状況に合った加熱パターンを採用す
る。
【0021】(3)設定時間t2の経過後は、型開工程
では型締制御部62が型締シリンダ22を駆動して両金
型3、4を開き、製品取出し工程では製品(成形品)の
取出しを実施することで1サイクルの成形工程を完了す
る。
【0022】このように、溶融樹脂を金型内に射出充填
した後、保圧工程における金型内の樹脂の温度がゴム状
弾性を示す温度領域内で予め設定した設定温度Mに到達
した時点で、あるいは、保圧工程完了後に加熱手段を用
いて金型内の樹脂を加熱し、金型内の樹脂の温度がゴム
状弾性を示す温度領域内で予め設定した設定温度Mに到
達した時点で、樹脂と金型との間に所定の型開量Tを設
けて所定の設定時間t1もしくはt2保持することによ
って、成形品表面から金型への熱の移動が遮断されると
ともに温度の高い成形品内部から温度の低い成形品表面
部へ熱が移動して、成形品の厚さ方向の温度差が大幅に
少なくなる。その結果、金型内樹脂の指向性凝固に伴な
って冷却工程中に新たに発生する内部歪を低減させる。
その上、成形品の温度分布の平準化に伴って成形品全体
が内部歪の緩和可能な温度範囲に留まる時間が延長され
ることによって、射出充填工程の影響で既に成形品に存
在している内部歪をも低減させることができる。つま
り、金型内で歪取りの熱処理を行なっているのと同じこ
とになるので、前記の指向性凝固に伴なう内部歪の低減
効果とあいまって、内部歪が極めて少ない高品質な成形
品を安定して提供できる。上記の歪取りの熱処理作用
は、一連の成形サイクルの中で行われるので、成形サイ
クルの短縮と高品質化が同時に達成できる。さらに、第
1の発明にあっては、樹脂自身の熱量を加熱源として利
用しているので、コストダウンと高品質化を同時に達成
できる。一方、加熱手段68を用いる第2の発明にあっ
ては、樹脂の賦形に必要な保圧力を長時間負荷させるこ
とができるので、寸法精度の向上と内部歪の低減の両方
を同時に達成できる。すなわち、極めて高品質な成形品
を低コストかつ安定的に供給することを実現させる。
【0023】本実施例の他に、たとえば、射出開始から
金型内の樹脂の温度が設定温度Mに到達するまでの時
間、あるいは、加熱手段68による加熱開始から金型内
の樹脂の温度が設定温度Mに到達するまでの時間を計測
し、この値をそれぞれの起点で計時を開始するタイマの
設定時間とし、タイムアウト信号を型締状態の切替タイ
ミングとしてもよい。
【0024】上記の他に、たとえば、成形品を取出した
後に温風熱処理炉やヒータ加熱炉等を用いて、所定の温
度に成形品を再加熱して歪取り熱処理を行なうことも考
えられるが、一旦常温近くまで冷却された成形品を再加
熱するのでは、熱的および時間的な無駄が生じる。さら
に、再加熱時には成形品全体に温度の不均一が生じるこ
とが避けられないので、熱処理を行なうことによる歪取
り効果よりも再加熱時の温度不均一による成形品の変形
・反りの招来等のデメリットの方が大きくなる可能性が
強い。仮に、上手く歪取り熱処理が行なえたとしても、
品質の安定性や生産性の観点から実用性に劣ると言わざ
るを得ない。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、下
記のような優れた効果が得られる。 (1)内部歪が極めて少ない高品質な成形品を安定して
提供できる。特に、コンパクト・ディスク、レーザ・デ
ィスク、プラスチック・レンズ等の光学的特性を重視さ
れる成形品およびガラス代替等の透明樹脂成形品の成形
においては、複屈折率の変化による光学的異方性の極め
て少ない高品質な成形品を安定して提供できる。 (2)一連の成形サイクルの中で歪取りの熱処理が行わ
れるので、成形サイクルの短縮およびコストダウンと高
品質化を同時に達成する成形が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる射出成形機の全体構成図であ
る。
【図2】本発明に用いる射出成形機の全体構成図であ
る。
【図3】本発明の実施例に係る射出成形工程のフローチ
ャートである。
【図4】本発明の実施例に係る射出成形工程のフローチ
ャートである。
【符号の説明】 1 固定盤 2 可動盤 3 固定金型 4 可動金型 6 型開量センサ 8 温度センサ 10 金型装置 20 型締装置 22 型締シリンダ 30 射出装置 32 バレル 34 スクリュ 36 スクリュフライト 38 ホッパ 39 ノズル 40 射出シリンダ 42 油圧モータ 50 油圧供給源(射出回路) 52 電磁リリーフ弁(射出回路) 60 制御装置 61 射出制御部 62 型締制御部 63 比較制御部 64 位置検出部 65 温度検出部 66 型締条件設定部 67 温度条件設定部 68 加熱手段 69 電磁リリーフ弁(型締回路) 70 油圧供給源(型締回路) 100 射出成形機(射出成形装置) Tg ガラス転移点 M 設定温度 T 設定型開量 t1 設定時間 t2 設定時間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の金型を型締した後、金型
    空間内に溶融樹脂を射出充填し、 射出充填後の保圧工程における金型内の樹脂の温度がゴ
    ム状弾性を示す温度領域内で予め設定した設定温度に到
    達した時点で、樹脂と金型との間に所定の型開量を設け
    て所定の設定時間保持するようにしたことを特徴とする
    非晶性樹脂の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 対向する一対の金型を型締した後、金型
    空間内に溶融樹脂を射出充填し、 射出充填後の保圧工程完了後に加熱手段を用いて金型内
    の樹脂を加熱し、金型内の樹脂の温度がゴム状弾性を示
    す温度領域内で予め設定した設定温度に到達した時点
    で、樹脂と金型との間に所定の型開量を設けて所定の設
    定時間保持するようにしたことを特徴とする非晶性樹脂
    の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 金型内に充填された樹脂の温度を検出す
    る温度検出部と、型締状態の切替タイミングを金型内の
    樹脂がゴム状弾性を示す温度領域内の温度で設定し入力
    する温度条件設定部と、該温度検出部の検出信号と該温
    度条件設置部の設置値を比較して切替タイミング指令を
    発する比較制御部と、射出充填工程および保圧工程にお
    ける型締条件ならびに型締状態切替後の設定型開量およ
    び型開保持時間を設定入力する型締条件設定部と、 該型締条件設定部の設定値および前記比較制御部が発し
    た型締状態の切替タイミング指令に基づいて型締機構を
    制御する型締制御部とを有し、請求項1記載の非晶性樹
    脂の射出成形方法に用いる射出成形装置。
  4. 【請求項4】 金型内に充填された樹脂の温度を検出す
    る温度検出部と、型締状態の切替タイミングを金型内の
    樹脂がゴム状弾性を示す温度領域内の温度で設定し入力
    する温度条件設定部と、該温度検出部の検出信号と該温
    度条件設置部の設置値を比較して切替タイミング指令を
    発するとともに加熱制御指令を発する比較制御部と、該
    比較制御部が発した加熱制御指令に基づいて金型内に充
    填された樹脂を加熱する加熱手段と、射出充填工程、保
    圧工程および加熱工程における型締条件ならびに型締状
    態切替後の設定型開量および型開保持時間を設定入力す
    る型締条件設定部と、 該型締条件設定部の設定値および前記比較制御部が発し
    た型締状態の切替タイミング指令に基づいて型締機構を
    制御する型締制御部とを有し、請求項2記載の非晶性樹
    脂の射出成形方法に用いる射出成形装置。
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JP2017047544A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 株式会社クラレ インモールド成形体の製造方法

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