JPH11235528A - 高浄化能金属製触媒コンバーターおよび該コンバーターに用いる波箔の製造方法 - Google Patents
高浄化能金属製触媒コンバーターおよび該コンバーターに用いる波箔の製造方法Info
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Abstract
をサインカーブ状の曲線ではなく、台形型に加工し、ウ
ォッシュコート材の約一なコーティングを達成するとと
もに触媒効率を高め、拡散接合性を改善、耐久性を向上
させる。また台形短辺長さを大きくして加工を容易にす
ると共に、これによって平箔と接触する面積が大きくな
り、嵩密度すなわち熱容量が大きくなるのを改善する。 【解決手段】 台形波箔の平箔との接触面に開口部を設
け、台形短辺長さが長くても熱容量を小さくすることに
より、加工性、触媒性能の向上を同時に達成可能とす
る。
Description
ガス通路に設置されて、該排ガスを浄化するための金属
製触媒コンバーター及びそれに用いる波箔の製造方法に
関するものである。
機関の排ガスを浄化するための触媒コンバーターとし
て、円筒状の金属ケーシング(以下、外筒と呼ぶ)内に
金属製のハニカム体が装着され、該ハニカム体に触媒が
担持された金属製触媒コンバーターがある。このような
金属製触媒コンバーターは、セラミック製のものに比べ
て、触媒が作用する温度に速く昇温され、また排ガスの
通過の抵抗が小さいことから、近年その使用が増大して
いる。
平箔と、該平箔に波付け加工した波箔とを重ねて渦巻き
状に巻き回し、平箔と波箔の接触部を蝋付け、液相接
合、拡散接合などにより接合して製造され、平箔と波箔
で囲まれた多数の通気孔が軸方向に形成されている。そ
して、ハニカム体を外筒内に装入し、ハニカム体と外筒
とを直接蝋付けなどにより接合して金属製触媒担体(以
下、メタル担体と呼ぶ)としている。
体にウォッシュコートと触媒とを担持して製造される。
メタル担体に活性アルミナ等を主原料とする多孔質セラ
ミックをスラリーにして厚さ数十μmでコーティング
し、焼結させる。これをウォッシュコートと呼ぶ。更に
この多孔質セラミックの微細孔表面にPt、Rh、Pd
等の貴金属触媒を担持する。以上の工程で触媒コンバー
ターを製造するが、ウォッシュコートが厚くなると排ガ
スが通過する表面から遠い内部に担持された触媒が働か
ないため、触媒効率が悪くなる。
に波箔の形状がサインカーブ状波箔5であるため、平箔
3と波箔5との接触部にメニスカスと呼ばれる狭くて長
い空間ができ、ウォッシュコート6がこのコーナーに厚
くつきやすくなり、それにともなって触媒効率が悪くな
る問題を抱えている。
に用いられる触媒コンバーターにおいて、エンジンスタ
ート直後に触媒が作用する温度に速く昇温されるように
するには、エンジンに近い場所に触媒を設置することに
より、排ガスが触媒に到達するまでの熱損失を小さくす
ることが有効である。しかし、触媒がエンジンに近い場
合には、自動車が高速で走り始めたとき、触媒がより高
温、高速の排ガスに曝されることになり、担体素材の酸
化が促進されたり、強度が低下して破損に至ることが問
題となる。
レス鋼の平箔と、該平箔に波付け加工した波箔とを重ね
て渦巻き状に巻き回したハニカム体を外筒に嵌入し、か
つ、ハニカム体の構造体としての強度を高めるために平
箔と波箔の接触部を接合して製造される。特に排ガスの
入り側は、精度の高い接合が必要とされる。接合手段と
しては、蝋付け、電子ビーム溶接、レーザー溶接、抵抗
溶接、拡散接合等が知られている。
価であるうえ、バインダ塗布、蝋材付着、真空加熱とい
った多くの作業工程を必要とし製造コストも高くなる。
さらに、蝋材により、接合部の耐食性や耐高温酸化性、
高温強度が劣化するという問題がある。電子ビーム溶
接、レーザー溶接は高価な設備を必要とするだけでな
く、極めて精密な作業精度が要求されるため、実用的で
ない。抵抗溶接も極めて生産性が低く、量産には不向き
である。これに対して拡散接合は、接合面を清浄にした
後、真空加熱炉等に装入し、非酸化雰囲気で加熱するだ
けで接合できるので、工程が簡潔であるだけでなく、接
合部に蝋材等の異材が残存することもなくステンレス鋼
の耐食性や耐高温酸化性、高温強度が維持できるので、
その採用が広まりつつある。
に関して、特開平1−266978号公報には、10-2
〜10-4〜Torrの真空中で850〜1200℃に加
熱して接触部を拡散接合する方法が開示され、厚さ40
μmのFe−Cr−Al系のフェライト系ステンレス鋼
を1100℃で1.5時間保持し、完全に拡散接合され
た実施例が示されている。
は、ハニカム体における平箔と波箔との両箔の拡散接合
強度を部分的に変化させることで排ガス浄化による熱応
力の集中を緩和し、耐久性を向上させる方法が開示され
ている。拡散接合強度を部分的に変化させる手段として
は、波箔の波高さ、波の断面形状、接触部の板厚、接触
部の面粗度等を部分的に変化させることが示されてい
る。
金属製ハニカム体は、使用中に振動を受け、またエンジ
ンの始動と停止との繰り返しに伴う冷熱サイクル等に起
因する熱応力を受けるので、特に排ガスの入り側部分
は、平箔と波箔とが全て確実に接合されているのが理想
である。しかし、波箔は通常最も製造しやすいサインカ
ーブ状の波形状に成形されたものを使用するため、平箔
と波箔の接触面積が小さい。
積が小さくなり、接合強度が小さくなるだけでなく、真
空炉で加熱する際にわずかに残存する酸素源によって接
触界面に酸化アルミニウムの皮膜が生成し、金属原子の
相互拡散が阻害され、拡散接合が起こり難くなる。接触
面積を大きくするため、平箔と波箔との両箔を重ねて巻
き回しするときの張力を大きくすると、波箔が座屈して
変形し、平箔と波箔との接触部に狭い空間を作り、そこ
にウォッシュコート材が入り込むと添着した触媒が排ガ
スが通過する表面からの距離が遠くなり、排ガス浄化に
働かなくなるため、触媒効率を低下させる問題が発生す
る。
波箔との両箔を重ねて巻き回しするときの張力が小さく
ても、平箔と波箔との接触部にメニスカスと呼ばれる三
日月型の狭い空間を作り、そこにウォッシュコート材が
入り込むと添着した触媒が排ガスが通過する表面からの
距離が遠くなり、排ガス浄化に働かなくなるため、触媒
効率を低下させる問題が発生する。
ハニカム体の温度が高く、外筒温度が低くなるエンジン
始動時やエンジン停止時に受ける圧縮熱応力によって座
屈変形しやすいため、特に箔が30μm以下に薄くした
とき座屈変形箇所が起因となって欠けが発生する等の損
傷が起きやすいという欠点を持っている。
箔の形状を台形化ないしは矩形化することが有効であ
る。特開平9−187660号公報に示されているよう
に、まず平箔をサインカーブ状に成形した後、専用の台
形ギアによって波付けすることによって台形型の波箔を
製造できるので、サインカーブ状の波箔を使用すること
による触媒効率の低下、拡散接合性の低下、座屈強度の
低下は同時に解決される。
公報に示されている方法にも解決しなければならない課
題があることが本発明者らの研究で明らからなった。課
題の1つは、30μm以下の薄い箔を成形する場合に、
軸方向の上下の成形ギアの間隔が10μm異なったとし
ても間隔の狭いところでは箔が圧延されて伸びたり、破
断したりし、間隔の広いところでは波付けのための折り
曲げが不充分になり、波箔が捩れたり、破断したりする
ことになり、極めて精度の高い成形機械を製造しなけれ
ばならなくなる。これは、上下の成形ギアの間隔のみな
らず、上下のギアの軸が前後にずれることによっても起
きるため、非常に高精度で作られた機械を使う必要があ
る。
には可能であるが、製造コストが極めて高くなること
と、機械の調整管理を頻繁に行うことが必要となるため
製造速度が遅くなり、コスト高となる。この対策とし
て、台形の波付けにおいては、台形の短辺部、すなわち
平箔と接触する面に相当する部分の長さを大きくすると
ともに平箔と波箔との接触角度をできるだけ直角に近づ
け、かつ、折り曲げ部を曲線化する方法によって、機械
の精度が多少悪くても台形波付けを可能にすることは可
能である。
すなわち、平箔と接触する面に相当する部分の長さを大
きくすると実質的な箔の厚みが厚くなることを意味し、
単位体積当たりの重量が大きくなり、熱容量も大きくな
る。従って、触媒が暖まって活性化するまでの時間が長
くなり、触媒効率が落ちる。
は、一般的に最も普及している400cpsiのセル密度で
考えても、短辺(頂部)長さ15、接触角14、高さ1
6およひ長辺長さ17は色々な組み合わせが考えられ
る。しかし、図8に示したように短辺長さと長辺長さの
組み合わせには適正な範囲があり、例えば短辺長さ0.
5mmの場合、長辺長さ1.6mmのときに担体嵩比重が最
小となり、従って熱容量も最小となるので触媒が速く暖
まり、速く活性化するので好ましい。一方、図9に示し
たようら短辺長さ0.5mmの場合、長辺長さ1.6mmの
ときに比表面積が最小となり、従って触媒が働く面積が
小さくなり、触媒性能が落ちるので好ましくない。
響する大きな要因である熱容量と比表面積を評価したと
きに台形の適正形状は一致しないことを示している。図
8と図9で嵩比重が小さくなり、比表面積が大きくなっ
てともに良い方向に向かう台形形状の要因は短辺長さ
(頂部長さ15)を小さくすることであり、図8と図9
のいずれにおいても短辺長さ0.1mmの方が0.5mmよ
りも良い。
台形形状は熱容量が大きくなったり、ウォッシュコート
18が厚く付き過ぎて表面から深い部分に添着された貴
金属が作用しないため、触媒効率が悪くなる等の問題が
発生する。図7(a)に示すように台形波の台形の底辺
長さ17が長くなると平箔と波箔の接合長さが長くな
り、実質的に箔の厚みが厚くなり、熱容量が大きくなっ
て触媒が働く温度に達する時間が長くなり、触媒性能が
劣化する。この理由により、短辺長さは20mm以下とす
る必要がある。また、図7(b)に示すように台形の短
辺長さ(頂部長さ15)が短くなり過ぎたり、台形波と
平箔との接触角度θが小さくなり過ぎるとウォッシュコ
ート18が台形波の底辺部に厚く付き過ぎるため、触媒
性能が劣化する問題が発生する。この理由により、短辺
長さは0.5mm以上、望ましくは1mm以上とする必要が
ある。
に近づけ過ぎると、セルの形状は長方形になり、短辺長
さ(頂部長さ15)を短くするとセル密度を維持するた
めに高さを大きくする必要が生じる。その結果長方形の
偏平率が大きくなり、長辺を形成する箔同士の間隔が狭
くなり過ぎて、均一なウォッシュコートが難しくなり、
目詰まり等を生じて触媒性能の低下に繋がる。
形状の最適化は図7(b)に示すように台形の短辺長さ
(頂部長さ15)が短くなり過ぎてウォッシュコート1
8が台形波の底辺部に厚く付き過ぎるため、触媒性能が
劣化する問題が発生しない範囲で短辺長さ(頂部長さ1
5)を小さくすることが触媒効率を高めるための方法で
あると言える。しかし、このような形状を成形するに
は、サイン波形状を成形する場合のように1対のギアの
間を平箔を通過させて連続的に高速で成形することは極
めて困難である。すなわち、台形ないしは矩形に成形す
るには波付け加工するギアのヘッド部分の断面が台形な
いしは矩形になっていなければならないため、図14に
示すように成形ギアに供給される平箔が、成形ギアによ
って挟まれて大きな抵抗を受け、成形ギアによって加工
される形状に見合う長さの平箔が滑らかに供給されず、
平箔が断列したり、成形に伴う伸びで箔厚が極端に薄く
なって実用強度が確保できなくなったり、成形された帯
状の波箔に蛇行を生じる等の問題があり、実用的な速度
では加工できない。
現状において、本発明が解決しようとする課題は、各種
内燃機関の排ガスを浄化するための金属製触媒コンバー
ター用の金属製触媒担体を製造する工程において、波箔
の形状を台形または矩形の波に経済的で生産性の良い方
法で加工する方法の提供と、台形ないしは矩形の波箔の
形状特性が触媒効率、拡散接合性、座屈強度、ハニカム
体の構造耐久性およびハニカム体と外筒との接合耐久性
に対する影響を明らかにして適切な形状を提供すること
である。
の排ガスを浄化するための金属製触媒コンバーター用の
金属製触媒粗体においてサインカーブ状の波箔を使用す
ることによる触媒効率の低下、拡散接合性の低下、座屈
強度の低下、ハニカム体の構造耐久性およびハニカム体
と外筒との接合耐久性低下、生産性の低下とコストアッ
プ等の課題を同時に解決する、台形または矩形の波形状
を持つ波箔形状を規定した波箔と平箔で構成したハニカ
ム体を用いた触媒コンバーターを提供することと、それ
を製造する工程において、波箔を経済的にかつ生産性の
良い方法で台形または矩形の波形ら波付けする波箔の製
造方法とを提供するものである。
設置されて該排ガスを浄化するためのコンバーターであ
って、平箔と形状が台形または矩形である波箔とを巻き
回して成形し、軸方向に多数の通気孔が形成されたハニ
カム体であり、平箔または波箔の相互に接触する面のど
ちらかが開口部を持つことを特徴とする高浄化能金属製
触媒コンバーター、(2)形状が台形または矩形である
波箔と平箔とで形成されるセルの断面形状において、波
箔の平箔と接する辺の長さが0.5mm以上、20mm以下
であることを特徴とする(1)に記載の高浄化能金属製
触媒コンバーター、(3)形状が台形または矩形である
波箔と平箔とで形成されるハニカム体において、平箔と
波箔とが相互に接触する面のどちらかに設ける開口部の
面積が、排ガス入り側に近い方では小さく、排ガス出側
に近い方では大きくなることを特徴とする(1)および
(2)に記載の高浄化能金属製触媒コンバーター、
(4)帯状の金属製箔を断面形状が台形または矩形であ
る波箔に波付け加工するに際し、波箔の頂部に相当する
部分に開口部を設けるために平箔に穴を開け、続いて断
面が台形を形成するように加工された1対または複数の
ギアロールで波付け加工することを特徴とする金属製触
媒コンバーターに用いる波箔の製造方法、(5)帯状の
金属製箔を断面形状が台形または矩形である波箔に波付
け加工するに際し、波箔の頂部に相当する部分に開口部
を設けるために1対のロール型加工機で平箔に穴を開け
ると同時に緩やかな曲線型の波付けを行い、続いて断面
が台形を形成するように加工された1対または複数のギ
アロールで波付け加工することを特徴とする金属製触媒
コンバーターに用いる波箔の製造方法、である。
ず、具体的には台形または矩形の波形が取りうる形状特
性、すなわち、形状を規定する各辺の長さと高さ、およ
び平箔と波箔とが形成する角度がセル密度、比表面積、
嵩比重すなわち熱容量、座屈強度、生産性に及ぼす影響
を検討した。
いて説明したように、該形状の波箔の平箔との接合部長
さ、すなわち短辺長さは、熱容量の問題からあまり大き
くできないが、以下に説明するように波箔の平箔と接触
する短辺部に開口部を設けることにより、これを長くす
ることができ、最大20mmまで許容できる。一方、短辺
長さを短かくすると、台形加工上の問題やウォッシュコ
ートの付着の問題があるため、少くとも0.5mmが必要
であり、1.0mm以上とすることがより好ましい。
に開口部を設けることに特徴がある。図8に箔厚20μ
mのフェライト系ステンレス箔で製造したメタル担体に
おいて、セル密度が400cpsiで一定である場合の、断
面台形形状の長辺およひ短辺長さと担体嵩比重の関係を
示したが、この図において破線で示したものは波箔の平
箔と波箔が接触する面にその8割に相当する面積の開口
部を設けた場合を示している。それぞれ、短辺長さが同
じで、開口部の無いもののデータも示されているのでそ
れらを比較すれば、開口部を設けることによって嵩比重
を低減する効果が大きいことが明らかである。
係を図9に示した。比表面積に対しては、波箔の平箔と
波箔が接触する面に開口部の有無の影響は極めて小さい
ので、開口部無しのものについてのみ示したが、長辺長
さを大きくすることにより比表面積を大きく、すなわ
ち、同じ体積、同じ触媒量なら触媒性能を大きくするこ
とができることを示している。
の平箔と波箔が接触する面のどちらか一方に開口部を設
けない限り、嵩比重が大きくなり、熱容量が大きくなっ
て触媒効率を低下させる。この平箔と波箔とが接触する
面のどちらか一方に開口部を設ける効果は同じである
が、位置ずれを起こさないように製造する作業性におい
ては波箔に設ける方が良い。
長さとの関係を示した。長辺長さを長くすると図9に示
したように比表面積は大きくなるが、高さが小さくな
り、短辺長さ2mm、長辺長さ3mmにおいては高さが約
0.6mm程度になる。この高さが0.5mm以下になると
ウォッシュコートを均一に塗布することが難しくなった
り、通気性が悪くなり、偏流を起こす原因になることも
考えられる。従って、高さは0.5mm以上、好ましくは
0.6mm以上を確保しなければならない。図10からも
明らかなように、高さを大きく保つためには長辺長さを
小さくする方が良い。また、平箔と波箔とを巻き回すと
きに、空間の形状を保つためにも、長辺の長さを小さく
抑える必要があり、20mm以下、好ましくは10mm以下
に抑える必要がある。
媒性能に対して直接影響しない要因であるセル密度の制
約を外し、比表面積と嵩比重との関係を優先させること
である。すなわち、図11に示したように、セル密度を
55cpsiまで小さくすれば長辺長さと短辺長さがともに
20mm程度に大きくても高さを0.5mm以上にすること
ができる。このようにして台形セルを製作しても、嵩比
重が大きくなったり、比表面積が小さくなれば触媒性能
が低下するので台形セル化する意味が無くなるが、図1
2に示したように嵩比重も300g/L程度に抑えるこ
とができ、比表面積も3.4mm2 /mm3 以上にすること
ができるので、それらの条件はサイン波型セルに比較し
て同等にできる。一般的にセル密度を小さくするとハニ
カム体の強度が落ちやすいが、本発明の方法のように平
箔と波箔との接触面を確保すれば強度の低下も抑えられ
る。
た結果、台形または矩形の波箔の平箔と接触する面すな
わち短辺長さを0.5mm以上、20mm以下と大きく取
り、それによって、成形ヘッドの精度が多少悪くても、
無駄なウォッシュコートの比率を少なくし、成形作業性
を良くするとともに台形または矩形の波箔の平箔と接触
する面に開口部を設け、熱容量が大きくならないように
する方法によって解決できることを見出した。
を大きく取ることにより、波箔の成形作業において、上
下のロールによって箔の供給が妨げられなくなり、波箔
を経済的にかつ生産性の良い方法で台形波形に波付けす
ることが可能となる。
限まで少なくしたい場合には、図5の波箔成形方法に示
したようにまず平箔3をサインカーブ状波成形ギア11
にて波付けし、続いて台形波付け用の成形ヘッドの精度
をより高めるとともに雄型ギア12を鋼鉄およびその合
金のように剛性の大きい素材を使用し、雌型ギア13は
ウレタンゴムのような高弾性体を用い、片側ずつ台形波
付けする方法が有効となる。従来の発明の方法では、図
14に示したように台形波付けギア10の雄型と雌型の
隙間が箔厚と比較して大きくずれると例えば雄型の軸が
平行を失い、片側が近づき過ぎると両型の間隙が小さく
なり過ぎ拘束部19で箔が切断されたり、折り目が着か
なかったりする。それらに対して、本発明の方法では、
図5に示すように、隙間が多少変動してもゴムの変形量
が変るだけで、雄形ヘッド部の折り曲げ加工は安定して
行われる。
に、まず最初に雄型、雌型穴明けダイス8,9を有する
プレス穿孔機で平箔に一定間隔で穴開けを行い、次に、
この穴明き平箔に台形または矩形のヘッド形状を持つ1
対のギアで台形または矩形の波付けを連続的に行うもの
である。この場合、短辺長さを1mm以上に大きくすると
ともに、長辺長さも2mm以上に大きくし、高さを1mm以
下に小さく抑えることにより、安定した穴開け作業と滑
らかなギアの回転による台形波付け成形作業が行える。
1(a)〜(d)に構造例を示すように平箔3と接触し
て重なる面に開口部2を持つ。すなわち図1(a)は台
形波箔1の短辺部及び長辺部の軸方向にほぼ同面積の開
口部2を設けたもの、図1(b)は台形波箔1に設ける
開口部2の面積を排ガス入側で小さくし、出側方向で大
きくなるように形成している。図1(c)は開口部2を
円または楕円状にしたもの、図1(d)は平箔3に開口
部2を設けた例を示している。その波箔1の矩形成形型
及び台形成形型断面を、図2に示す。図に示したように
台形波箔1の開口部2では、台形波箔が隣接する平箔3
と平箔3との間隙を隔てる支柱の役割をするのみであ
る。穴の無い部分では波箔1が平箔3と重なりを持ち、
2枚の箔の厚さとなって、これは台形波箔の波形状を保
つとともに、平箔と交互に巻き回してハニカム体とした
後には、真空炉で1200℃前後に加熱され、拡散接合
されることにより波箔1を平箔3と一体化する。
側の熱応力、風圧の大きい領域では大きくして強度を上
げることが好ましい。しかし、排ガス出側においては排
ガス通過に伴う振動の影響を受ける程度で、箔自体が受
ける応力は小さい。むしろ、排ガス出側においては、ハ
ニカム体の剛性が強すぎると、ハニカム体と外筒との間
の接合部分に応力が強く働き、接合部分の損傷に結び付
きやすいため、ハニカム体自身の強度を小さくする、す
なわち平箔と波箔との接合面積も相対的に小さくするこ
とが望ましい。
型穿孔機11でサイン波状の波付けと打ち抜きの穴開け
作業を同時に行う。穿孔部の機構は、図15(a),
(b)に1例を示したように、サイン波成形ギア11の
ギア頂部にカム21により出入可能に穿孔ピン22を設
け、一方のサイン波成形ギアに設けた穿孔溝23に固定
カム21の働きでサイン波成形ギアと同期しながら回転
している穿孔ピン22が飛び出して嵌合することによ
り、波箔の波頂部に開口部2が形成されるようになって
いる。次に図5に示す台形のヘッドを持つ雄型のギア1
2とウレタンゴムベルト13のペアで片側の台形波付け
を連続的に行い、次に二段目のペア12,13が上下で
入れ替わった構造の台形波付け機でもう一方の台形波付
けを連続的に行うものである。このとき、雄型のギア1
2のピッチに合わせてウレタンゴムベルトにはU字また
はV字形の溝や、V字形の溝の奥に切れ目を入れたY字
形の溝を構成しても良い。このようにゴムに溝をつける
ことは厚い箔を使用するときには有効である。
図によって説明する。まず、帯状の平箔を用意し、図4
に示したように、まず平箔に一定の間隔で穴を開ける。
次に台形のヘッドを持つギアで開口部が平箔と接触する
面にくるように調節して台形波に成形する。その結果と
して、図1に示したようにハニカム状断面の台形の短辺
15に相当する、すなわち平箔接触する面に開口部2を
持つ台形波箔が製造できる。この台形波箔と平箔とを重
ねて巻き回し、真空炉で加熱して平箔と波箔との接触面
を拡散接合させることにより、本発明の台形波箔担体が
製造できる。
wt%Alのフェライト系ステンレス鋼箔を使用し、図
4に示した加工装置を使って穴明き台形型波箔を7種類
製造した。また、台形箔製造工程で平箔との接触面に開
口部のない台形型波箔を3種、および通常の一段ギアで
サインカーブ状の波箔を製造して比較用の担体を製造し
た。手順は、最初に厚さ20μm、幅105mmのステン
レス箔のコイルを用意し、波付け加工して上記したそれ
ぞれの波箔を製作した。その波箔と平箔とを使って、ハ
ニカム体を製作した。ハニカム体は、厚さ20μmの平
箔と該平箔を波付け加工した波箔とを重ねて巻き回して
製造したもので直径77mm、長さ105mmである。台形
波箔を使用した担体、サイン波箔を使用した担体ともに
セル密度400cpsiで一定とした。
部に箔蝋を巻いて外筒に装入し、真空炉で1150℃で
1時間加熱して平箔と波箔とを拡散接合するとともに、
ハニカム体と外筒とを蝋付けで固定した。外筒は、Fe
−19wt%Cr−0.4wt%Cu−0.4wt%N
bのフェライト系ステンレス鋼パイプで、肉厚1.5m
m、外径80mm、長さ108mmのものを使用した。その
ようにしてハニカム体を製造した後、活性アルミナをハ
ニカム体の全表面にコーティングし、白金とパラジウム
を担持させた。活性アルミナのコーティング量は、約7
0g、白金担持量は0.5g、ロジウム担持量は0.5
gとした。
のガソリンエンジンの排気管の途中に取り付け、入り側
の温度が950℃に達する加熱と冷却(室温まで)を1
サイクルとする条件下で、900サイクルの冷熱耐久試
験を行った。その結果を表1に示した。表からわかるよ
うに本発明の開口を設けた波箔を使用したハニカム体も
健全であり、平箔と波箔が問題の無い拡散接合強度を持
ち、優れた耐久性を持つことが検証された。
て、触媒コンバーターを3種類製作した。台形波箔をセ
ル密度が最大で300cpsi、最小で180cpsiとなるよ
うに変化させて成形加工した。手順は、最初に厚さ20
μm、幅106mmのステンレス箔を用意し、図5に示し
た構造の三段型波付け加工機を用いて、台形波付け加工
して、台形波箔を製作した。それを使ってハニカム体を
製作し、外筒に装入して、本発明例1と同様に処理をし
た後活性アルミナをハニカム体の全表面にコーティング
し、白金とロジウムを担持させた。活性アルミナのコー
ティング量は、約70g、白金担持量は0.5g、ロジ
ウム担持量は0.1gとした。
0ccのガソリンエンジンの排気管の途中に取り付け、
エンジンが完全に停止し、触媒コンバーター全体がほぼ
室温に近い状態からスタートさせて、FTPモードに従
って排ガスの初期浄化性能を比較した。その結果を表2
に示した。表2からも分かるように、範囲の台形波箔形
状が触媒性能が良くなることが明らかになった。
経済的にかつ生産性も損なわずに効率良く製造でき、か
つ、形状も触媒効率を最適な寸法形状に作り込むことが
可能になった。すなわち本発明は、波箔を台形型に加工
して、ウォッシュコート材の均一なコーティングを達成
して触媒効率を高め、拡散接合性を改善し、また台形波
箔の平箔との接触面に開口を設けて、台形短辺を長くし
ても熱容量を小さくでき、加工性、接触性能の向上を同
時に達成できた。
カム体における台形波箔の構造例を示す説明図である。
造を示す図である。
す図である。
ある。
図である。
寸法を示す説明図である。
説明のための図である。
できたセル密度が400cpsiで一定のハニカム体の台形
セルの短辺長さ(頂部長さ15)および長辺長さと嵩比
重の関係を示す図である。
できた担体のセル密度が400cpsiで一定のハニカム体
の台形セルの短辺長さ(頂部長さ15)と長辺長さと比
表面積の関係を示す図である。
でできた担体のセル密度が400cpsiで一定の場合の台
形セルの長辺・短辺長さと高さとの関係を示す図であ
る。
でできた担体のセル密度が変化した場合の台形セルの長
辺・短辺長さと高さとの関係を示す図である。
でできた担体のセル密度が変化した場合の台形セルの長
辺・短辺長さと嵩比重との関係を示す図である。
でできた担体のセル密度が変化した場合の台形セルの長
辺・短辺長さと比表面積との関係を示す図である。
拘束と破断とを説明する図であり、(b)は拡大説明図
である。
を同時に行う機構を説明する図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 排ガスの通路に設置されて該排ガスを浄
化するためのコンバーターであって、平箔と形状が台形
または矩形である波箔とを巻き回して成形し、軸方向に
多数の通気孔が形成されたハニカム体であり、平箔また
は波箔の相互に接触する面のどちらかが開口部を持つこ
とを特徴とする高浄化能金属製触媒コンバーター。 - 【請求項2】 形状が台形または矩形である波箔と平箔
とで形成されるセルの断面形状において、波箔の平箔と
接する辺の長さが0.5mm以上、20mm以下であること
を特徴とする請求項1に記載の高浄化能金属製触媒コン
バーター。 - 【請求項3】 形状が台形または矩形である波箔と平箔
とで形成されるハニカム体において、平箔と波箔とが相
互に接触する面のどちらかに設ける開口部の面積が、排
ガス入り側に近い方では小さく、排ガス出側に近い方で
は大きくなることを特徴とする請求項1および2に記載
の高浄化能金属製触媒コンバーター。 - 【請求項4】 帯状の金属製箔を断面形状が台形または
矩形である波箔に波付け加工するに際し、波箔の頂部に
相当する部分に開口部を設けるために平箔に穴を開け、
続いて断面が台形を形成するように加工された1対また
は複数のギアロールで波付け加工することを特徴とする
金属製触媒コンバーターに用いる波箔の製造方法。 - 【請求項5】 帯状の金属製箔を断面形状が台形または
矩形である波箔に波付け加工するに際し、波箔の頂部に
相当する部分に開口部を設けるために1対のロール型加
工機で平箔に穴を開けると同時に緩やかな曲線型の波付
けを行い、続いて断面が台形を形成するように加工され
た1対または複数のギアロールで波付け加工することを
特徴とする金属製触媒コンバーターに用いる波箔の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10041911A JPH11235528A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 高浄化能金属製触媒コンバーターおよび該コンバーターに用いる波箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10041911A JPH11235528A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 高浄化能金属製触媒コンバーターおよび該コンバーターに用いる波箔の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11235528A true JPH11235528A (ja) | 1999-08-31 |
Family
ID=12621464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10041911A Pending JPH11235528A (ja) | 1998-02-24 | 1998-02-24 | 高浄化能金属製触媒コンバーターおよび該コンバーターに用いる波箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11235528A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016027907A1 (ja) * | 2014-08-21 | 2016-02-25 | 阿部 猛 | ミシン目状孔付き蛇腹状ホイル及びその製造方法 |
-
1998
- 1998-02-24 JP JP10041911A patent/JPH11235528A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016027907A1 (ja) * | 2014-08-21 | 2016-02-25 | 阿部 猛 | ミシン目状孔付き蛇腹状ホイル及びその製造方法 |
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